図鑑世界童話全集「星の金貨」
昔、お父さんもお母さんも亡くなって独りぼっちの男の子がいて、名前はエイジと言いました。
エイジには住む家も眠るベッドも無く、ある物と言えば着ている服と、優しい人が恵んでくれた小さなパンが1つだけでした。それでも、エイジは優しくて信心深い男の子でした。
街のどこにも居場所のないエイジは、神様のお慈悲を信じ、街を出て荒野に歩いて行きました。すると、男の人が道端に倒れていました。
「助けてくれ。腹が減って死にそうだ……」
かわいそうに思ったエイジは自分の持っている小さなパンを全て男にあげ、「どうか神様のお恵みがありますように」と祈りました。
それからエイジがしばらく歩いていくと、今度は道端で小さな子供が頭を抱えてうずくまっていました。
「被る物が何もないから頭が寒いよぉ……」
かわいそうに思ったエイジは自分の帽子を脱いで子供にあげました。
それからエイジがまたしばらく歩いていくと、上着が無くて寒そうに震えている子供がいたので自分の上着をあげました。そして更に歩いていくと上着どころかパンツ1枚しか身に付ける物が無い子供がいたので、自分のシャツとズボンを脱いで着せてあげ、自分がパンツ1枚だけになりました。
そうしてエイジが更に歩いていくと、気が付けば彼は真っ暗な森の中にいました。空を見上げるとすっかり日が沈んできらきらと星が輝いているのが見えます。
「こんな森の中なら誰も来ないし、来てもこんなに真っ暗なら何も見えないからパンツ1枚でもいいや」
彼がそう呟きながら地面の上へと目を落とすと、そこでも何かがかすかに光っているのが目に入りました。まるで空に浮かぶたくさんの星の1つが、森の中へ落っこちてきたように。
不思議に思った彼が近くへ行って目を凝らすと、それは3枚の小さな金貨でした。
（これが落ちているのが街の中だったら、みんな我先に拾って自分の物にしようとしたんだろうな）
そう思ったエイジは優しい人が小さなパンを1つ恵んでくれた以外は誰1人として、困っている自分に見向きもしてくれなかった街の人達の姿を思い浮かべました。
「君も淋しい思いをしているのかい？」
エイジが金貨に向かってそう呟いた時、不思議な事が起こりました。金貨が驚いたようにカタカタと震えたかと思うと、3枚の金貨が転がって1カ所に集まり、眩い光を放ったのです。彼が思わず目を覆い、光が治まると、さっきまで金貨のあった場所に金色の肌をした小さくてみすぼらしい姿をした女の子がうずくまっていました。
さらに不思議な事に、エイジは目の前で金貨が女の子に変わるという普通なら衝撃的な姿を目にしたはずなのに、それが驚くべき事だという気持ちは湧いてきませんでした。それよりも、さっきまで自分の着る物を譲ってあげた子供達のように、目の前の金色の女の子も裸で寒そうにしていることが気がかりになってきました。
「君に何か着る物をあげたいけど、見ての通り、僕ももうあげられる物が無いんだ。……そうだ。これだけでも何もないよりマシかもしれない」
エイジが申し訳なさそうに告げて、最後に残ったパンツを下ろして女の子に渡そうとすると、女の子はゆっくりと首を横に振りました。
「いらない」
そして、女の子は潤んだ瞳でエイジを見上げると、両手を大きく広げて言いました。
「それよりもぎゅってして。私と一緒にいて」
エイジは女の子に覆いかぶさるようにして、彼女をぎゅっと抱きしめました。
それから女の子はエイジに自分の身の上を話しました。彼女はクリーピングコインという魔物娘で、普通なら冒険者や盗掘者が忍び込んでくるような古いお城や塔に潜み、金貨の山やそれが詰まった袋に化けて人間の男の人を待ち構える種族なのだそうです。
ところがこの女の子は気が付いたら仲間とはぐれて冒険者どころか人間が誰も通らないような深い森の奥に独りぼっちで座っていて、どうしてこんな場所にいるのか思い出す事もできないそうです。まだ小さくて力も弱い彼女は金貨の山どころかたった3枚の小さな金貨に化けるのが精一杯で、森に人が通りかかったとしても気付かれずに素通りされ、ずっと淋しい思いをしていました。
クリーピングコインの女の子の話を聞いたエイジは、思わず涙ぐみながら彼女を一層力強く抱きしめました。
「解った。これからは僕がずっと一緒にいる。君も僕も、もう独りぼっちじゃない」
エイジの言葉を聞いたクリーピングコインの女の子は嬉しそうにはにかみます。しかし、彼女はふと顔を真っ赤にすると、恥ずかしそうに足をもじもじさせながら言いました。
「ねえ。なんだか、お腹の奥が切なくなってきちゃった」
そう言うとクリーピングコインの女の子は名残惜しそうにエイジから身体を離し、地べたにぺたりと座って足を大きく広げると、おマンコに手を添えてくぱあと開きます。女の子の両手の間でおマンコがヒクヒクと震え、おしっことは違う透明でとろりとした物が溢れ出してきました。
「ほら、見て。私のここ、淋しいって、エイジにもっとぎゅってして欲しいって言ってる」
それを見聞きしたエイジは、自分の身体にも不思議な事が起きている事に気が付きました。おちんちんが棒のように硬くまっすぐに膨らんで、先の方からクリーピングコインの女の子のおマンコと同じように、おしっことは違う透明な物がとろりと垂れているのです。クリーピングコインの女の子はさっきよりも更に物欲しげに潤んだ瞳でエイジをじっと見つめながら言いました。
「エイジ、お願い。この奥まで、私のお腹の中までぎゅっとして」
エイジは気が付くと女の子がそう言い終わるか終わらないうちに、再びがばっと彼女の上に覆いかぶさっていました。誰から教えられたわけでも無いのに、どういうわけか彼の頭は自分がこれから何をすればいいのかすっかり理解していました。カチカチにそそり立ったおちんちんの先を、トロトロになって物欲しげにヒクヒクと震えるクリーピングコインのおマンコに添えると、言われた通り奥まで一気に貫きます。
「ああっ！」
クリーピングコインの女の子は嬉しそうな喘ぎ声を上げました。
「嬉しい。もっと、お腹の中、とんとんって、ぎゅって、いっぱいして」
エイジの方も彼のおちんちんを温かく包み込むおマンコの感触に気持ちいい感覚が全身に広がります。そして程なくして、腰に甘い痺れのような感覚が湧き上がり、おしっこを我慢している時のような感覚が彼を襲いました。
（どうしよう。おしっこが漏れちゃう）
女の子のお腹の中におもらししてはいけない。そう思ったエイジは慌てて腰を引こうとします。その時です。
「やめて。もっとぎゅってして！」
エイジの身体が離れる事を嫌がったクリーピングコインの女の子は、手足をエイジの身体に絡め、彼の腰が強い力で引っ張られるようにして、一度は抜け出しそうになっていたおちんちんが再びおマンコの奥まで一気に入っていきました。エイジの体がひと際強い気持ちいい感覚に襲われます。
「そんな。うっ……」
結局、エイジはおちんちんをクリーピングコインの女の子のおマンコのいちばん奥に押し付けた状態で、おちんちんから湧き上がってくる物を噴き出してしまいました。いつもおしっこをする時とは比べ物にならないほどの気持ちよさが彼を襲い、頭の中が真っ白になります。2人は一層強くぎゅっと抱き合い、お互いに肩で息をしながらしばらくして頭が真っ白になる感じが治まってくると、エイジはクリーピングコインの女の子に謝りました。
「ごめん。何か出てきちゃった」
しかし、クリーピングコインの女の子はゆっくりと首を横に振りました。
「謝らなくていいよ。むしろ嬉しい。エイジのおちんちんがドクドクって震えて、さっきのがびゅーって出てきた時、私もお腹も心もぽかぽかした感じでいっぱいになっちゃった」
そして、クリーピングコインの女の子はエイジに口づけをしました。エイジの首の後ろに手をまわし、唇だけでなく舌を絡め、情熱的なキスをします。それからしばらくして名残惜しそうに顔を話すと、クリーピングコインの女の子はエイジに言いました。
「お願い。さっきのびゅーってするの、もっとして。私の事、もっと温めて」
エイジは時間を忘れて長い長い間クリーピングコインの女の子をぎゅっとしていました。不思議な事にエイジは何も飲んだり食べたりしなくても喉が渇く事もお腹が空く事も無くなり、朝も昼も夜も関係なくおちんちんの先でクリーピングコインの女の子のお腹の中を何度もぎゅっとし続け、気持ちよくなってきたら女の子のお腹の中に温かい物を注ぎ、疲れたら繋がったまま眠り、目を覚ましたら再び抱き合って動き続けます。
そうしているうちに気が付けばエイジもクリーピングコインもすっかり大人の身体になり、クリーピングコインのお腹は大きく膨れ、辺りは金貨の山でいっぱいになり、その光景はまるで夜になる度に空の星が全て金貨になって落ちてきたかのようでした。
それからしばらく経った頃、この森の周囲ではパンツ1枚で森の中から現れる不思議な男の噂が流れるようになりました。
その男は魔界獣に襲われた人がいれば勇者にも引けを取らないのではないかと思うような力で助け、食べ物や着る物に困っている人がいれば街で使われている物とは違う不思議な金貨を恵んで、さっそうと森の中へと帰っていくのだそうです。
・編者あとがき
このお話は堕落した神の教団に伝わる話で、自分の持っている物を困っている人に分け与え、愛する人と交わり続ける事だけを考えて生きる事の素晴らしさを説くお話しとなっております。
また、このお話の絵本は堕落神の信徒によって主神教団の教会の本棚や反魔物領の図書館等へ密かに紛れ込まされている事があります。
そうした絵本はクリーピングコインが作り出す「魔界金」を材料にした金細工が表面に施されており、金貨に化けたクリーピングコインに魅了された人間が魔物娘の姿へと変わる彼女達に疑問を抱く事ができないのと同じように、普通の人間が絵本を目にしたとしても主神教団の教えに反する内容の書物がそのような場所にあるという事実に疑問を抱く事ができないようになっています。更に愛する伴侶のいる人間がその絵本を読むと、自分も持っている物や身に付けている物を全て貧しい人々に分け与えて裸になり、伴侶と共に万魔殿（パンデモニウム）へと姿を消してしまうのだそうです。
エイジには住む家も眠るベッドも無く、ある物と言えば着ている服と、優しい人が恵んでくれた小さなパンが1つだけでした。それでも、エイジは優しくて信心深い男の子でした。
街のどこにも居場所のないエイジは、神様のお慈悲を信じ、街を出て荒野に歩いて行きました。すると、男の人が道端に倒れていました。
「助けてくれ。腹が減って死にそうだ……」
かわいそうに思ったエイジは自分の持っている小さなパンを全て男にあげ、「どうか神様のお恵みがありますように」と祈りました。
それからエイジがしばらく歩いていくと、今度は道端で小さな子供が頭を抱えてうずくまっていました。
「被る物が何もないから頭が寒いよぉ……」
かわいそうに思ったエイジは自分の帽子を脱いで子供にあげました。
それからエイジがまたしばらく歩いていくと、上着が無くて寒そうに震えている子供がいたので自分の上着をあげました。そして更に歩いていくと上着どころかパンツ1枚しか身に付ける物が無い子供がいたので、自分のシャツとズボンを脱いで着せてあげ、自分がパンツ1枚だけになりました。
そうしてエイジが更に歩いていくと、気が付けば彼は真っ暗な森の中にいました。空を見上げるとすっかり日が沈んできらきらと星が輝いているのが見えます。
「こんな森の中なら誰も来ないし、来てもこんなに真っ暗なら何も見えないからパンツ1枚でもいいや」
彼がそう呟きながら地面の上へと目を落とすと、そこでも何かがかすかに光っているのが目に入りました。まるで空に浮かぶたくさんの星の1つが、森の中へ落っこちてきたように。
不思議に思った彼が近くへ行って目を凝らすと、それは3枚の小さな金貨でした。
（これが落ちているのが街の中だったら、みんな我先に拾って自分の物にしようとしたんだろうな）
そう思ったエイジは優しい人が小さなパンを1つ恵んでくれた以外は誰1人として、困っている自分に見向きもしてくれなかった街の人達の姿を思い浮かべました。
「君も淋しい思いをしているのかい？」
エイジが金貨に向かってそう呟いた時、不思議な事が起こりました。金貨が驚いたようにカタカタと震えたかと思うと、3枚の金貨が転がって1カ所に集まり、眩い光を放ったのです。彼が思わず目を覆い、光が治まると、さっきまで金貨のあった場所に金色の肌をした小さくてみすぼらしい姿をした女の子がうずくまっていました。
さらに不思議な事に、エイジは目の前で金貨が女の子に変わるという普通なら衝撃的な姿を目にしたはずなのに、それが驚くべき事だという気持ちは湧いてきませんでした。それよりも、さっきまで自分の着る物を譲ってあげた子供達のように、目の前の金色の女の子も裸で寒そうにしていることが気がかりになってきました。
「君に何か着る物をあげたいけど、見ての通り、僕ももうあげられる物が無いんだ。……そうだ。これだけでも何もないよりマシかもしれない」
エイジが申し訳なさそうに告げて、最後に残ったパンツを下ろして女の子に渡そうとすると、女の子はゆっくりと首を横に振りました。
「いらない」
そして、女の子は潤んだ瞳でエイジを見上げると、両手を大きく広げて言いました。
「それよりもぎゅってして。私と一緒にいて」
エイジは女の子に覆いかぶさるようにして、彼女をぎゅっと抱きしめました。
それから女の子はエイジに自分の身の上を話しました。彼女はクリーピングコインという魔物娘で、普通なら冒険者や盗掘者が忍び込んでくるような古いお城や塔に潜み、金貨の山やそれが詰まった袋に化けて人間の男の人を待ち構える種族なのだそうです。
ところがこの女の子は気が付いたら仲間とはぐれて冒険者どころか人間が誰も通らないような深い森の奥に独りぼっちで座っていて、どうしてこんな場所にいるのか思い出す事もできないそうです。まだ小さくて力も弱い彼女は金貨の山どころかたった3枚の小さな金貨に化けるのが精一杯で、森に人が通りかかったとしても気付かれずに素通りされ、ずっと淋しい思いをしていました。
クリーピングコインの女の子の話を聞いたエイジは、思わず涙ぐみながら彼女を一層力強く抱きしめました。
「解った。これからは僕がずっと一緒にいる。君も僕も、もう独りぼっちじゃない」
エイジの言葉を聞いたクリーピングコインの女の子は嬉しそうにはにかみます。しかし、彼女はふと顔を真っ赤にすると、恥ずかしそうに足をもじもじさせながら言いました。
「ねえ。なんだか、お腹の奥が切なくなってきちゃった」
そう言うとクリーピングコインの女の子は名残惜しそうにエイジから身体を離し、地べたにぺたりと座って足を大きく広げると、おマンコに手を添えてくぱあと開きます。女の子の両手の間でおマンコがヒクヒクと震え、おしっことは違う透明でとろりとした物が溢れ出してきました。
「ほら、見て。私のここ、淋しいって、エイジにもっとぎゅってして欲しいって言ってる」
それを見聞きしたエイジは、自分の身体にも不思議な事が起きている事に気が付きました。おちんちんが棒のように硬くまっすぐに膨らんで、先の方からクリーピングコインの女の子のおマンコと同じように、おしっことは違う透明な物がとろりと垂れているのです。クリーピングコインの女の子はさっきよりも更に物欲しげに潤んだ瞳でエイジをじっと見つめながら言いました。
「エイジ、お願い。この奥まで、私のお腹の中までぎゅっとして」
エイジは気が付くと女の子がそう言い終わるか終わらないうちに、再びがばっと彼女の上に覆いかぶさっていました。誰から教えられたわけでも無いのに、どういうわけか彼の頭は自分がこれから何をすればいいのかすっかり理解していました。カチカチにそそり立ったおちんちんの先を、トロトロになって物欲しげにヒクヒクと震えるクリーピングコインのおマンコに添えると、言われた通り奥まで一気に貫きます。
「ああっ！」
クリーピングコインの女の子は嬉しそうな喘ぎ声を上げました。
「嬉しい。もっと、お腹の中、とんとんって、ぎゅって、いっぱいして」
エイジの方も彼のおちんちんを温かく包み込むおマンコの感触に気持ちいい感覚が全身に広がります。そして程なくして、腰に甘い痺れのような感覚が湧き上がり、おしっこを我慢している時のような感覚が彼を襲いました。
（どうしよう。おしっこが漏れちゃう）
女の子のお腹の中におもらししてはいけない。そう思ったエイジは慌てて腰を引こうとします。その時です。
「やめて。もっとぎゅってして！」
エイジの身体が離れる事を嫌がったクリーピングコインの女の子は、手足をエイジの身体に絡め、彼の腰が強い力で引っ張られるようにして、一度は抜け出しそうになっていたおちんちんが再びおマンコの奥まで一気に入っていきました。エイジの体がひと際強い気持ちいい感覚に襲われます。
「そんな。うっ……」
結局、エイジはおちんちんをクリーピングコインの女の子のおマンコのいちばん奥に押し付けた状態で、おちんちんから湧き上がってくる物を噴き出してしまいました。いつもおしっこをする時とは比べ物にならないほどの気持ちよさが彼を襲い、頭の中が真っ白になります。2人は一層強くぎゅっと抱き合い、お互いに肩で息をしながらしばらくして頭が真っ白になる感じが治まってくると、エイジはクリーピングコインの女の子に謝りました。
「ごめん。何か出てきちゃった」
しかし、クリーピングコインの女の子はゆっくりと首を横に振りました。
「謝らなくていいよ。むしろ嬉しい。エイジのおちんちんがドクドクって震えて、さっきのがびゅーって出てきた時、私もお腹も心もぽかぽかした感じでいっぱいになっちゃった」
そして、クリーピングコインの女の子はエイジに口づけをしました。エイジの首の後ろに手をまわし、唇だけでなく舌を絡め、情熱的なキスをします。それからしばらくして名残惜しそうに顔を話すと、クリーピングコインの女の子はエイジに言いました。
「お願い。さっきのびゅーってするの、もっとして。私の事、もっと温めて」
エイジは時間を忘れて長い長い間クリーピングコインの女の子をぎゅっとしていました。不思議な事にエイジは何も飲んだり食べたりしなくても喉が渇く事もお腹が空く事も無くなり、朝も昼も夜も関係なくおちんちんの先でクリーピングコインの女の子のお腹の中を何度もぎゅっとし続け、気持ちよくなってきたら女の子のお腹の中に温かい物を注ぎ、疲れたら繋がったまま眠り、目を覚ましたら再び抱き合って動き続けます。
そうしているうちに気が付けばエイジもクリーピングコインもすっかり大人の身体になり、クリーピングコインのお腹は大きく膨れ、辺りは金貨の山でいっぱいになり、その光景はまるで夜になる度に空の星が全て金貨になって落ちてきたかのようでした。
それからしばらく経った頃、この森の周囲ではパンツ1枚で森の中から現れる不思議な男の噂が流れるようになりました。
その男は魔界獣に襲われた人がいれば勇者にも引けを取らないのではないかと思うような力で助け、食べ物や着る物に困っている人がいれば街で使われている物とは違う不思議な金貨を恵んで、さっそうと森の中へと帰っていくのだそうです。
・編者あとがき
このお話は堕落した神の教団に伝わる話で、自分の持っている物を困っている人に分け与え、愛する人と交わり続ける事だけを考えて生きる事の素晴らしさを説くお話しとなっております。
また、このお話の絵本は堕落神の信徒によって主神教団の教会の本棚や反魔物領の図書館等へ密かに紛れ込まされている事があります。
そうした絵本はクリーピングコインが作り出す「魔界金」を材料にした金細工が表面に施されており、金貨に化けたクリーピングコインに魅了された人間が魔物娘の姿へと変わる彼女達に疑問を抱く事ができないのと同じように、普通の人間が絵本を目にしたとしても主神教団の教えに反する内容の書物がそのような場所にあるという事実に疑問を抱く事ができないようになっています。更に愛する伴侶のいる人間がその絵本を読むと、自分も持っている物や身に付けている物を全て貧しい人々に分け与えて裸になり、伴侶と共に万魔殿（パンデモニウム）へと姿を消してしまうのだそうです。
20/09/07 00:57更新 / bean