図鑑世界童話全集「一寸法師」
昔々、ある所に仲のいい夫婦がおりましたが、お互いに40歳を超える年頃になっても子宝に恵まれずに大変悩んでおりました。これが妖やその夫でしたら40歳と言えどまだまだこれからという所ですが、当時のジパングでは人間の40歳といえばそろそろおじいさんおばあさんになろうかと思われるような歳です。
そこで、おばあさんが毎日毎日土地神様の社に行って真剣にお祈りしておりますと、その願いが通じたのでしょうか。2人の間に元気な男の子が生まれました。
ところが、この男の子の赤ん坊は背丈が1寸（編注：大人の手のひらにすっぽり収まるくらいでしょうか）程しかありません。それでも山の神様がようやくお授けくださった子供だという事で、おじいさんとおばあさんは男の子に一寸法師と名付け、大切に育てました。
それから、一寸法師が12、3歳くらいになる頃になりますと、さすがに1寸のままというわけではなくそれなりに大きくはなりましたが、それでも普通の男子で言うと6歳から8歳くらいの背丈しかありませんでした。そんな一寸法師を同じ村の若い男達はいつも笑い者にしておりました。
ある日、一寸法師が小さい体ながらにおじいさんとおばあさんの畑仕事を手伝っておりますと、村の男達がやってきて一寸法師を連れ去ってしまいました。彼らは一寸法師の着物を無理やり剥ぎ取ると、裸にされた彼の姿を見て指をさしながらこう言いました。
「見ろ。こいつ、針を刀の代わりにして腰に差しておるぞ。それで侍になったつもりか」
それを聞いた男達からどっとあざ笑う声が上がります。これだけでも酷い屈辱でしたが、それに加えて別の男が口にした言葉は更に酷いものでした。
「あのじじいとばばあもどんな罪を犯せば、こんなにおかしな子供が生まれてくるのだろうな」
（このままでは俺だけじゃなくて、とう様とかあ様も酷い目に遭わされてしまう）
そう思った一寸法師は小さな船で川に漕ぎ出し、村を出ていくことにしました。
一寸法師は小さな櫂を懸命に動かして川を下り、海に出ると、別の川の所にある大きな都にたどり着きました。彼はそこで故郷の村にはなかった色々なものを見て回った後、この都でも特に位の高い宰相という役職の人のお屋敷に行って住み込みで働かせてもらえないか頼んでみる事にしました。
玄関で彼を出迎えたお手伝いさんは、大人のかたちをしているのに子供ほどの背丈しかない一寸法師の姿に大層驚きます。報告を聞いた宰相も興味深く思い、試しに小間使いとして雇ってみる事にしました。
それからの一寸法師の働きぶりと言いますと、小さい体ながらに目覚ましいものがありました。あっという間に宰相の信用を得た一寸法師は、とうとう宰相の一人娘の世話係を任せられるまでになります。しかし、陰では他の使用人達がそれを酷く妬み、どうにかして一寸法師を追い出す手立てはないかと話し合っておりました。
一寸法師が16歳になったある日、彼が目を覚ましますと、宰相や他の使用人達が大層怒った様子でやってきました。聞けば昨夜一寸法師が眠っている宰相の娘の布団に潜り込もうとしているのを使用人の1人が目撃したというのです。当然一寸法師は濡れ衣だと抗議しますが、宰相は聞く耳を持ちませんでした。
「私はお前のこれまでの働きぶりを信用したからこそ、13歳になる大事な姫を任せたのだ。それをこんな最悪な形で裏切るとはな」
そして一寸法師の処遇をどうするのかという話になると、宰相はこう言いました。
「そういえば、こやつは両親が山の神に祈って生まれた子だと申しておったな。それならば神の所に送るのがふさわしいだろう。龍神様の生贄にするのだ」
一寸法師は再び小さな船に押し込まれ、今度は都のそばを流れる川を遡った山奥まで連れていかれると、そこにあるお堂に置き去りにされました。
一寸法師はお堂の中に座りながら、宰相の娘の事を考えておりました。
「あの可愛らしい姫様はどうしていらっしゃるだろうか。寝ている間に私に酷い目に遭わされたと思って傷ついたり、変な噂を立てられたりしていなければいいが」
その時、ガラッと勢いよく音を立ててお堂の戸が開きました。こんな山奥に人などいるのだろうかと思いながら一寸法師がそちらを見ると、頭に角を生やして真っ赤な肌をした大きな体を持つ妖が、その背丈に負けないくらい大きな瓢箪と金槌を持って立っておりました。
「おんやー、ここの主は今日は留守なのかい？ ヒック」
どうやら随分酔っぱらっているようです。
「だ、誰だ？」
「アタシかい？ アタシはこの山に住むアカオニ様さぁ。それよりあんた、餓鬼みたいななりをしてはいるが、大人のおのことしか思えない精の匂いがぷんぷんするな。ちょうどいい。アタシの肴になりな」
そう言うとアカオニは妖術で小さな太鼓とばちを取り出してドンドンと叩きました。すると、太鼓から小さな雷が飛び出して一寸法師を捉えます。痛みはありませんでしたが、彼は身体が痺れて動けなくなりました。
「くっ。何をする」
「なあに。痛い目には遭わさねえ。むしろ気持ちよくしてやろうってんだ」
アカオニは一寸法師の着物をてきぱきと脱がせると、自分も腰布を豪快に脱ぎ捨てました。妖術の雷が一寸法師の体を流れるたびに、その子供のように小さなまらは硬くそそり立ってお堂の天井を勢いよく指します。
「お。ここは小さいなりしていっちょ前にその気になっているじゃないか」
アカオニは一寸法師の上に跨ると、硬くなった一寸法師の股の刀を右手で掴み、左手を自らのほとに添えて開きます。そこからは淫液がたらりと流れ落ち、まるで獲物を前によだれを垂らす怪物の口のようになっていました。そしてその口は、一寸法師の分身をひと息に飲み込みました。
「ああああっ！」
アカオニの口から今までの言動とは似つかない艶のある嬌声が漏れ出します。あまりの圧倒的な快感とその声の色っぽさに、一寸法師も思わず喘ぎ声を漏らしそうになりましたが、歯を食いしばってどうにか堪えました。その反応を見たアカオニは口の端に笑みを浮かべ、激しく腰を上下させて一寸法師を攻め立てます。
「んっ、ほらほら。もっと、声を出したかったらいくらでも、出して、あっ、いいんだぞ。その小さな、口と、まらで、声も子種も、かわいらしく、漏らしやがれ」
「ふざけるなあっ！」
突然、一寸法師は大声で叫んだかと思うと、勢いよく腰を突き上げ、股の刀の切っ先でアカオニの胎の中をつつきました。予想外の反撃に、アカオニも先ほどまでの余裕が消えていきます。
「そんなっ！ 妖術の雷で、動けない、はずなのに……ああっ！」
腰が抜けたアカオニは下の口で一寸法師のまらを咥えたままへたり込みました。胎の中が一寸法師から精を絞るようにうごめきます。
「くそっ、出る！」
ここで一寸法師も限界を迎え、アカオニの中に勢いよく精を吐き出しました。
「はひっ、待って。気持ちいいのが、止まらな……」
その感触にアカオニも腰が抜けたまま身体をビクビクと小刻みに震わせ、あまりの快感にしばらく放心状態で虚空を見つめておりました。
それから、すっかり一寸法師の虜となったアカオニは来る日も来る日も彼のまらを下の口で咥えては「大きくなあれ、大きくなあれ」と唱えながら腰を振りました。すると、その妖の力によって一寸法師が人神（編注：こちらの国で言うインキュバスの事です）に近づくにつれてそのまらは日に日に大きくなり、以前は針のようだと笑われていた物が薙刀のような有様となりました。
そして一寸法師がお堂に置き去りにされてから半月程がたったころ、このお堂の主である龍がようやく帰ってきました。自分がしばらく留守にしている間に住処を勝手に夫婦の寝屋として使われていたことに、彼女は当然お怒りになります。
「いくら飲み友達とはいえ、私の家を何だと思っているのですか。さっさと出ていきなさい」
「そんな事言っていいのか？ 本当にここでアタシ達が出て行ってもいいのか？ ん？」
アカオニはそう言って一寸法師の手を掴むと、龍の逆鱗に触れさせました。
「ひゃはああああん！」
龍はアカオニに負けないくらい艶のある嬌声を上げました。それを聞いた一寸法師はさっきまでアカオニの胎に精をたらふく吐き出していたにも関わらず、股の刀が勢いよく震えてたちまち臨戦態勢を取ります。そんな一寸法師の体に、龍は甘えるようにして自らの身を巻き付けていきました。
「出て行っちゃいやあ。さっきから貴方達のまぐわいを覗いていたら、わたしのおそそも疼いて疼いてたまらないのぉ。私の胎もその子種で満たしてくださいな。可愛いややこを孕ませてくださいな」
都の人々から龍神として崇められていた龍も、こうして一寸法師の精をねだる雌蜥蜴へと変わり果てました。
こうして一寸法師がアカオニと龍と3人で暮らすようになってからさらにひと月がたった頃の事。彼がいつものようにお堂の中で2人の妻と睦み合っておりますと、突然お堂の戸口の方でガタリと人の物音がしました。慌てて袴を履きなおした一寸法師が戸口を開けてみると、1人の人間が外の森の中へ走り去ろうとしています。それを見た一寸法師は驚いて叫びました。
「姫様！？」
そう。そこにいたのは一寸法師が濡れ衣で宰相の所を追い出されるまで世話係として仕えていた、宰相の家の姫様だったのです。
姫様は彼の声にはたと立ち止まりましたが、振り返ることなく再び走り出します。
「姫。お待ちください。姫様！」
「おう。これの出番だな」
その時、アカオニがいつの間にか取り出していた妖術の太鼓をドンドンと叩きました。いつぞやのように小さな雷がバリバリと飛び出し、姫様に直撃します。その場にばたりと倒れた姫様を3人はお堂に運び、布団を敷いて寝かせました。
姫様が目を覚ますと、一寸法師は姫様に尋ねました。
「姫様。お付きの者も付けずに、なぜこのような山奥へ」
すると、姫は答えます。
「私は一寸法師様が心配になって、屋敷を飛び出してきたのです」
それを聞くと、一寸法師はたいへん驚きました。
「てっきり姫様には憎まれておるだろうと思っておりました」
「お父様もお屋敷の方達もああ仰っておりましたが、法師様が眠っている私に斯様な非道をなさるようなお方ではない事は、ずっと傍に付いて頂いた私がよく存じ上げております」
「姫様……」
一寸法師は思わず涙ぐみました。この言葉を聞けただけでも、宰相の所でお仕えした甲斐があったとさえ思います。その時、一寸法師の横で話を聞いていた龍が驚くべきことを言いました。
「お姫様。よかったら貴女も一緒に一寸法師のお嫁さんになりませんか」
「待ってくれ。姫様は俺が濡れ衣で追い出されたのを不憫にお思いになっただけで――」
「よろしいのですか？」
姫様の言葉に一寸法師は目を丸くしました。そんな夫の様子を見て龍は小さく笑い声を上げます。
「鈍い方ですね。貴方と話している時の彼女の顔を見ただけで、私にもすぐピンときたというのに。第一、こんな小さなお姫様がたった独りでこんな山奥までやってくるなんて、並大抵の覚悟でできる事ではありませんよ」
それを聞いて、一寸法師と姫様は互いに顔を真っ赤にして俯きました。
お姫様はまだ雷の痺れが残っていて動けないので、アカオニと龍がお姫様の着物の帯を解き、その前を開きました。ずっとお屋敷の中で蝶よ花よと大事に育てられてきた姫様の体は淡い光を放っているかのような真っ白な肌をしております。その肌の表面では、先ほどアカオニの妖術で受けた青白い雷の名残が時折パチパチと光り、肌の白さを際立たせていました。
「綺麗です、姫様」
「ありがとう……ございます」
姫様は再び顔を真っ赤にしました。一寸法師はふと、姫様の手や足の先が小さい傷だらけになっていることに気づきます。脱げた着物もよく見ると裾が擦り切れていました。慣れない山の中を歩き続けてきたためでしょうか。
「おいたわしや」
一寸法師は呟くように言うと、姫様のほっそりとした手の指先をちろちろと舐めていきます。手が済むと足先に、そして太ももへと昇っていくようにして姫様の初々しいほとへと近づいていきます。そこは一寸法師の唾液とは違うものでしとどに濡れておりました。
「法師様。恥ずかしいです」
「しかし姫様。ここをよく濡らしておきませんと」
そう言うと、一寸法師は姫様のほとに口づけをし、わざと大きな水音を立てるようにして舐めていきました。姫様はいっそう顔を真っ赤にして顔をそらし、恥ずかしそうに口を押えていましたが、その指の間からはこらえきれないというように小さくも確かな嬌声が漏れてきました。
「ふあっ……ふぅん……」
「お。こっちも大きくなってきた」
いつの間にか一寸法師の後ろに回り込んでいたアカオニが楽しそうに言います。彼女は姫様を舐めるために寝そべった一寸法師の腰を掴み、彼のまらを手でしごいていたのでした。
「あっ……私の、体の中で、何かが」
姫様がそう言うと、龍が優しく微笑んで姫様の手をそっと握ります。
「何も怖くはありませんよ。さあ、その気持ちよさに身を委ねるのです」
「んっ……あっ……あああああっ！」
姫様の肢体が大きくビクビクと跳ね、その両手はそれぞれ布団と龍の手を強く握ります。そして、肌の表面で雷がパチパチと鳴りました。
それからしばらくの間息も絶え絶えになっていた姫様でしたが、それが落ち着いてくると、自分の純潔を貫かんと膨れ上がった一寸法師のまらを見て呟きました。
「まさかあんなに大きくなっていらっしゃるなんて。本当にあんなのが私の中に入るのかしら」
これを聞いた一寸法師は心配そうに言いました。
「姫様。やはりやめておきたいとお考えでしたら、遠慮なく仰ってください。俺は姫様を苦しめたいわけでも、ご無理を強いたいわけでもありません」
姫様はまだ13歳。まだあどけない子供です。不安そうな目で一寸法師の股の刀を見る様子に、彼の方にもこのまま進めたら姫様を壊してしまうのではないかという不安が募ってきました。しかし、姫様は目に涙を浮かべながらも、しっかりと首を横に振ります。
「いやっ！ やめないでください。私もここにいるお2人のように、法師様とひとつになりとうございます」
その言葉に、一寸法師も覚悟を決めました。前戯によってぬれぼそった姫様のほとに、宰相の屋敷にいた頃とは比べ物にならない大きさになったまらの先をぴたりと宛がいます。
「それではいきますよ」
一寸法師はできるだけ姫様を苦しませないようにと少しずつ少しずつ姫様の中へ分け入っていきました。それでも彼女の小さな体にとってはずいぶん辛いようで、雁首の所がようやく入りきったという段階でも目をぎゅっと閉じて歯を食いしばり、龍の手をぎりぎりと音がしそうなくらい力強く握りしめている有様でした。そして一寸法師がもう少し先に進み、姫様の胎の中にある大事な膜が裂けると、彼女は更に痛ましい呻き声を漏らしました。一寸法師は思わず腰の動きを止めてしまいます。
「つっ……ああっ！」
その声は本当に痛ましく、本物の刀で腹を刺し貫かれたかのようでありました。その傍らで龍は自分の手に姫様の爪が強く食い込むのにも構わずその手を握り返し、心配そうな顔をしながら空いた方の手で姫様のお腹を擦ります。すると、アカオニは龍とは反対の方から姫様の傍らに寄り添い、彼女のまだ膨らみかけたばかりの胸を大きな手で掴みました。
「あうっ……な、なにを……？」
「アタシの太鼓から出る妖術の雷は、元は雷獣という妖のものだ。その妖は自らの身体をいじって雷を強くするという。同じようにすれば、あんたも苦痛が少しは和らぐかもしれん」
「それなら、私もお手伝い致しましょう」
アカオニは姫様の乳首を、龍は姫様の陰核を慎重につまむと、強く刺激しすぎないようにそっとしごきました。姫様の肌に青白い雷がパチパチと光り、彼女の苦しそうな吐息に少しずつ違う色が混ざります。異物を押し出すように一寸法師のまらを強く締め付けていた膣の内側も、まらを優しく抱きしめるように波打ってきました。
（姫様が感じ始めている……？）
彼女の反応に興奮を煽り立てられ、一寸法師のまらも姫様の胎内で大きさを増しながらびくりびくりと震えました。すると今度はそれに反応して姫様の頬に赤みが戻り、吐息から更に苦痛の色が薄れてきます。これを好機と見た一寸法師は、再び姫様の胎内を押し進み、とうとう最奥まで達しました。それでも一寸法師のまらは半分が入ったかどうかという所でしたが、その射精を促すには充分すぎるほどの刺激が彼を襲いました。
「うっ……姫様。もう、出て、しまいそうです」
「それなら、私を、抱きしめてくださいまし。貴方の、腕の中で、私を、お嫁に、して、くださいまし」
龍が姫様の手を離すと、一寸法師と姫様は互いをかたく抱きしめ合いました。彼はそのまま股の刀の切っ先で姫様の胎の奥をつつくと、そこで限界を迎え、おもむろに精を勢いよく吐き出します。
「あ――っ。出てるっ。法師様の、温かいのが」
姫様の太腿が気持ち良さそうにビクビクと震え、体を流れる雷の光と音が強く激しい物になりました。大人になりきっていない未成熟な人間の身ながら、殿方との初めての交合で絶頂を迎えたのです。そしてそのまま一寸法師の子供のような背丈をした身体で抱き着かれながら種付けされていくにつれ、姫様の身体にも大きな変化が起きました。その足に青白い体毛が生え、頭には獣の耳、腰には尻尾が生えてアカオニの言っていた雷獣に変化したのです。
長い射精が終わり、一寸法師が慎重にまらを抜き取ると、姫様の胎の中から彼の精液と姫様の血が混ざったものがごぽりとあふれ出しました。それから、雷獣になった姫様は一寸法師と顔を見合わせると、安らかな顔で微笑み、そこで緊張の糸が途切れたのかぐったりとして眠りこけてしまいました。
一寸法師とアカオニと龍は眠った姫様に掛布団を被せると、今までの行為ですっかり火照った身体を3人で互いに鎮め合いました。
それからというもの、この山の周囲の村々では「あの山で雷の光が多く見えた年には米が豊作になる」と噂されるようになり、いつしか雷の事を「龍神様が豊穣をもたらすしるし」として崇めるようになりました。
それで今でもジパングの言葉では、雷の光の事を「稲妻」とか「稲光」と呼ぶのだそうです。
そこで、おばあさんが毎日毎日土地神様の社に行って真剣にお祈りしておりますと、その願いが通じたのでしょうか。2人の間に元気な男の子が生まれました。
ところが、この男の子の赤ん坊は背丈が1寸（編注：大人の手のひらにすっぽり収まるくらいでしょうか）程しかありません。それでも山の神様がようやくお授けくださった子供だという事で、おじいさんとおばあさんは男の子に一寸法師と名付け、大切に育てました。
それから、一寸法師が12、3歳くらいになる頃になりますと、さすがに1寸のままというわけではなくそれなりに大きくはなりましたが、それでも普通の男子で言うと6歳から8歳くらいの背丈しかありませんでした。そんな一寸法師を同じ村の若い男達はいつも笑い者にしておりました。
ある日、一寸法師が小さい体ながらにおじいさんとおばあさんの畑仕事を手伝っておりますと、村の男達がやってきて一寸法師を連れ去ってしまいました。彼らは一寸法師の着物を無理やり剥ぎ取ると、裸にされた彼の姿を見て指をさしながらこう言いました。
「見ろ。こいつ、針を刀の代わりにして腰に差しておるぞ。それで侍になったつもりか」
それを聞いた男達からどっとあざ笑う声が上がります。これだけでも酷い屈辱でしたが、それに加えて別の男が口にした言葉は更に酷いものでした。
「あのじじいとばばあもどんな罪を犯せば、こんなにおかしな子供が生まれてくるのだろうな」
（このままでは俺だけじゃなくて、とう様とかあ様も酷い目に遭わされてしまう）
そう思った一寸法師は小さな船で川に漕ぎ出し、村を出ていくことにしました。
一寸法師は小さな櫂を懸命に動かして川を下り、海に出ると、別の川の所にある大きな都にたどり着きました。彼はそこで故郷の村にはなかった色々なものを見て回った後、この都でも特に位の高い宰相という役職の人のお屋敷に行って住み込みで働かせてもらえないか頼んでみる事にしました。
玄関で彼を出迎えたお手伝いさんは、大人のかたちをしているのに子供ほどの背丈しかない一寸法師の姿に大層驚きます。報告を聞いた宰相も興味深く思い、試しに小間使いとして雇ってみる事にしました。
それからの一寸法師の働きぶりと言いますと、小さい体ながらに目覚ましいものがありました。あっという間に宰相の信用を得た一寸法師は、とうとう宰相の一人娘の世話係を任せられるまでになります。しかし、陰では他の使用人達がそれを酷く妬み、どうにかして一寸法師を追い出す手立てはないかと話し合っておりました。
一寸法師が16歳になったある日、彼が目を覚ましますと、宰相や他の使用人達が大層怒った様子でやってきました。聞けば昨夜一寸法師が眠っている宰相の娘の布団に潜り込もうとしているのを使用人の1人が目撃したというのです。当然一寸法師は濡れ衣だと抗議しますが、宰相は聞く耳を持ちませんでした。
「私はお前のこれまでの働きぶりを信用したからこそ、13歳になる大事な姫を任せたのだ。それをこんな最悪な形で裏切るとはな」
そして一寸法師の処遇をどうするのかという話になると、宰相はこう言いました。
「そういえば、こやつは両親が山の神に祈って生まれた子だと申しておったな。それならば神の所に送るのがふさわしいだろう。龍神様の生贄にするのだ」
一寸法師は再び小さな船に押し込まれ、今度は都のそばを流れる川を遡った山奥まで連れていかれると、そこにあるお堂に置き去りにされました。
一寸法師はお堂の中に座りながら、宰相の娘の事を考えておりました。
「あの可愛らしい姫様はどうしていらっしゃるだろうか。寝ている間に私に酷い目に遭わされたと思って傷ついたり、変な噂を立てられたりしていなければいいが」
その時、ガラッと勢いよく音を立ててお堂の戸が開きました。こんな山奥に人などいるのだろうかと思いながら一寸法師がそちらを見ると、頭に角を生やして真っ赤な肌をした大きな体を持つ妖が、その背丈に負けないくらい大きな瓢箪と金槌を持って立っておりました。
「おんやー、ここの主は今日は留守なのかい？ ヒック」
どうやら随分酔っぱらっているようです。
「だ、誰だ？」
「アタシかい？ アタシはこの山に住むアカオニ様さぁ。それよりあんた、餓鬼みたいななりをしてはいるが、大人のおのことしか思えない精の匂いがぷんぷんするな。ちょうどいい。アタシの肴になりな」
そう言うとアカオニは妖術で小さな太鼓とばちを取り出してドンドンと叩きました。すると、太鼓から小さな雷が飛び出して一寸法師を捉えます。痛みはありませんでしたが、彼は身体が痺れて動けなくなりました。
「くっ。何をする」
「なあに。痛い目には遭わさねえ。むしろ気持ちよくしてやろうってんだ」
アカオニは一寸法師の着物をてきぱきと脱がせると、自分も腰布を豪快に脱ぎ捨てました。妖術の雷が一寸法師の体を流れるたびに、その子供のように小さなまらは硬くそそり立ってお堂の天井を勢いよく指します。
「お。ここは小さいなりしていっちょ前にその気になっているじゃないか」
アカオニは一寸法師の上に跨ると、硬くなった一寸法師の股の刀を右手で掴み、左手を自らのほとに添えて開きます。そこからは淫液がたらりと流れ落ち、まるで獲物を前によだれを垂らす怪物の口のようになっていました。そしてその口は、一寸法師の分身をひと息に飲み込みました。
「ああああっ！」
アカオニの口から今までの言動とは似つかない艶のある嬌声が漏れ出します。あまりの圧倒的な快感とその声の色っぽさに、一寸法師も思わず喘ぎ声を漏らしそうになりましたが、歯を食いしばってどうにか堪えました。その反応を見たアカオニは口の端に笑みを浮かべ、激しく腰を上下させて一寸法師を攻め立てます。
「んっ、ほらほら。もっと、声を出したかったらいくらでも、出して、あっ、いいんだぞ。その小さな、口と、まらで、声も子種も、かわいらしく、漏らしやがれ」
「ふざけるなあっ！」
突然、一寸法師は大声で叫んだかと思うと、勢いよく腰を突き上げ、股の刀の切っ先でアカオニの胎の中をつつきました。予想外の反撃に、アカオニも先ほどまでの余裕が消えていきます。
「そんなっ！ 妖術の雷で、動けない、はずなのに……ああっ！」
腰が抜けたアカオニは下の口で一寸法師のまらを咥えたままへたり込みました。胎の中が一寸法師から精を絞るようにうごめきます。
「くそっ、出る！」
ここで一寸法師も限界を迎え、アカオニの中に勢いよく精を吐き出しました。
「はひっ、待って。気持ちいいのが、止まらな……」
その感触にアカオニも腰が抜けたまま身体をビクビクと小刻みに震わせ、あまりの快感にしばらく放心状態で虚空を見つめておりました。
それから、すっかり一寸法師の虜となったアカオニは来る日も来る日も彼のまらを下の口で咥えては「大きくなあれ、大きくなあれ」と唱えながら腰を振りました。すると、その妖の力によって一寸法師が人神（編注：こちらの国で言うインキュバスの事です）に近づくにつれてそのまらは日に日に大きくなり、以前は針のようだと笑われていた物が薙刀のような有様となりました。
そして一寸法師がお堂に置き去りにされてから半月程がたったころ、このお堂の主である龍がようやく帰ってきました。自分がしばらく留守にしている間に住処を勝手に夫婦の寝屋として使われていたことに、彼女は当然お怒りになります。
「いくら飲み友達とはいえ、私の家を何だと思っているのですか。さっさと出ていきなさい」
「そんな事言っていいのか？ 本当にここでアタシ達が出て行ってもいいのか？ ん？」
アカオニはそう言って一寸法師の手を掴むと、龍の逆鱗に触れさせました。
「ひゃはああああん！」
龍はアカオニに負けないくらい艶のある嬌声を上げました。それを聞いた一寸法師はさっきまでアカオニの胎に精をたらふく吐き出していたにも関わらず、股の刀が勢いよく震えてたちまち臨戦態勢を取ります。そんな一寸法師の体に、龍は甘えるようにして自らの身を巻き付けていきました。
「出て行っちゃいやあ。さっきから貴方達のまぐわいを覗いていたら、わたしのおそそも疼いて疼いてたまらないのぉ。私の胎もその子種で満たしてくださいな。可愛いややこを孕ませてくださいな」
都の人々から龍神として崇められていた龍も、こうして一寸法師の精をねだる雌蜥蜴へと変わり果てました。
こうして一寸法師がアカオニと龍と3人で暮らすようになってからさらにひと月がたった頃の事。彼がいつものようにお堂の中で2人の妻と睦み合っておりますと、突然お堂の戸口の方でガタリと人の物音がしました。慌てて袴を履きなおした一寸法師が戸口を開けてみると、1人の人間が外の森の中へ走り去ろうとしています。それを見た一寸法師は驚いて叫びました。
「姫様！？」
そう。そこにいたのは一寸法師が濡れ衣で宰相の所を追い出されるまで世話係として仕えていた、宰相の家の姫様だったのです。
姫様は彼の声にはたと立ち止まりましたが、振り返ることなく再び走り出します。
「姫。お待ちください。姫様！」
「おう。これの出番だな」
その時、アカオニがいつの間にか取り出していた妖術の太鼓をドンドンと叩きました。いつぞやのように小さな雷がバリバリと飛び出し、姫様に直撃します。その場にばたりと倒れた姫様を3人はお堂に運び、布団を敷いて寝かせました。
姫様が目を覚ますと、一寸法師は姫様に尋ねました。
「姫様。お付きの者も付けずに、なぜこのような山奥へ」
すると、姫は答えます。
「私は一寸法師様が心配になって、屋敷を飛び出してきたのです」
それを聞くと、一寸法師はたいへん驚きました。
「てっきり姫様には憎まれておるだろうと思っておりました」
「お父様もお屋敷の方達もああ仰っておりましたが、法師様が眠っている私に斯様な非道をなさるようなお方ではない事は、ずっと傍に付いて頂いた私がよく存じ上げております」
「姫様……」
一寸法師は思わず涙ぐみました。この言葉を聞けただけでも、宰相の所でお仕えした甲斐があったとさえ思います。その時、一寸法師の横で話を聞いていた龍が驚くべきことを言いました。
「お姫様。よかったら貴女も一緒に一寸法師のお嫁さんになりませんか」
「待ってくれ。姫様は俺が濡れ衣で追い出されたのを不憫にお思いになっただけで――」
「よろしいのですか？」
姫様の言葉に一寸法師は目を丸くしました。そんな夫の様子を見て龍は小さく笑い声を上げます。
「鈍い方ですね。貴方と話している時の彼女の顔を見ただけで、私にもすぐピンときたというのに。第一、こんな小さなお姫様がたった独りでこんな山奥までやってくるなんて、並大抵の覚悟でできる事ではありませんよ」
それを聞いて、一寸法師と姫様は互いに顔を真っ赤にして俯きました。
お姫様はまだ雷の痺れが残っていて動けないので、アカオニと龍がお姫様の着物の帯を解き、その前を開きました。ずっとお屋敷の中で蝶よ花よと大事に育てられてきた姫様の体は淡い光を放っているかのような真っ白な肌をしております。その肌の表面では、先ほどアカオニの妖術で受けた青白い雷の名残が時折パチパチと光り、肌の白さを際立たせていました。
「綺麗です、姫様」
「ありがとう……ございます」
姫様は再び顔を真っ赤にしました。一寸法師はふと、姫様の手や足の先が小さい傷だらけになっていることに気づきます。脱げた着物もよく見ると裾が擦り切れていました。慣れない山の中を歩き続けてきたためでしょうか。
「おいたわしや」
一寸法師は呟くように言うと、姫様のほっそりとした手の指先をちろちろと舐めていきます。手が済むと足先に、そして太ももへと昇っていくようにして姫様の初々しいほとへと近づいていきます。そこは一寸法師の唾液とは違うものでしとどに濡れておりました。
「法師様。恥ずかしいです」
「しかし姫様。ここをよく濡らしておきませんと」
そう言うと、一寸法師は姫様のほとに口づけをし、わざと大きな水音を立てるようにして舐めていきました。姫様はいっそう顔を真っ赤にして顔をそらし、恥ずかしそうに口を押えていましたが、その指の間からはこらえきれないというように小さくも確かな嬌声が漏れてきました。
「ふあっ……ふぅん……」
「お。こっちも大きくなってきた」
いつの間にか一寸法師の後ろに回り込んでいたアカオニが楽しそうに言います。彼女は姫様を舐めるために寝そべった一寸法師の腰を掴み、彼のまらを手でしごいていたのでした。
「あっ……私の、体の中で、何かが」
姫様がそう言うと、龍が優しく微笑んで姫様の手をそっと握ります。
「何も怖くはありませんよ。さあ、その気持ちよさに身を委ねるのです」
「んっ……あっ……あああああっ！」
姫様の肢体が大きくビクビクと跳ね、その両手はそれぞれ布団と龍の手を強く握ります。そして、肌の表面で雷がパチパチと鳴りました。
それからしばらくの間息も絶え絶えになっていた姫様でしたが、それが落ち着いてくると、自分の純潔を貫かんと膨れ上がった一寸法師のまらを見て呟きました。
「まさかあんなに大きくなっていらっしゃるなんて。本当にあんなのが私の中に入るのかしら」
これを聞いた一寸法師は心配そうに言いました。
「姫様。やはりやめておきたいとお考えでしたら、遠慮なく仰ってください。俺は姫様を苦しめたいわけでも、ご無理を強いたいわけでもありません」
姫様はまだ13歳。まだあどけない子供です。不安そうな目で一寸法師の股の刀を見る様子に、彼の方にもこのまま進めたら姫様を壊してしまうのではないかという不安が募ってきました。しかし、姫様は目に涙を浮かべながらも、しっかりと首を横に振ります。
「いやっ！ やめないでください。私もここにいるお2人のように、法師様とひとつになりとうございます」
その言葉に、一寸法師も覚悟を決めました。前戯によってぬれぼそった姫様のほとに、宰相の屋敷にいた頃とは比べ物にならない大きさになったまらの先をぴたりと宛がいます。
「それではいきますよ」
一寸法師はできるだけ姫様を苦しませないようにと少しずつ少しずつ姫様の中へ分け入っていきました。それでも彼女の小さな体にとってはずいぶん辛いようで、雁首の所がようやく入りきったという段階でも目をぎゅっと閉じて歯を食いしばり、龍の手をぎりぎりと音がしそうなくらい力強く握りしめている有様でした。そして一寸法師がもう少し先に進み、姫様の胎の中にある大事な膜が裂けると、彼女は更に痛ましい呻き声を漏らしました。一寸法師は思わず腰の動きを止めてしまいます。
「つっ……ああっ！」
その声は本当に痛ましく、本物の刀で腹を刺し貫かれたかのようでありました。その傍らで龍は自分の手に姫様の爪が強く食い込むのにも構わずその手を握り返し、心配そうな顔をしながら空いた方の手で姫様のお腹を擦ります。すると、アカオニは龍とは反対の方から姫様の傍らに寄り添い、彼女のまだ膨らみかけたばかりの胸を大きな手で掴みました。
「あうっ……な、なにを……？」
「アタシの太鼓から出る妖術の雷は、元は雷獣という妖のものだ。その妖は自らの身体をいじって雷を強くするという。同じようにすれば、あんたも苦痛が少しは和らぐかもしれん」
「それなら、私もお手伝い致しましょう」
アカオニは姫様の乳首を、龍は姫様の陰核を慎重につまむと、強く刺激しすぎないようにそっとしごきました。姫様の肌に青白い雷がパチパチと光り、彼女の苦しそうな吐息に少しずつ違う色が混ざります。異物を押し出すように一寸法師のまらを強く締め付けていた膣の内側も、まらを優しく抱きしめるように波打ってきました。
（姫様が感じ始めている……？）
彼女の反応に興奮を煽り立てられ、一寸法師のまらも姫様の胎内で大きさを増しながらびくりびくりと震えました。すると今度はそれに反応して姫様の頬に赤みが戻り、吐息から更に苦痛の色が薄れてきます。これを好機と見た一寸法師は、再び姫様の胎内を押し進み、とうとう最奥まで達しました。それでも一寸法師のまらは半分が入ったかどうかという所でしたが、その射精を促すには充分すぎるほどの刺激が彼を襲いました。
「うっ……姫様。もう、出て、しまいそうです」
「それなら、私を、抱きしめてくださいまし。貴方の、腕の中で、私を、お嫁に、して、くださいまし」
龍が姫様の手を離すと、一寸法師と姫様は互いをかたく抱きしめ合いました。彼はそのまま股の刀の切っ先で姫様の胎の奥をつつくと、そこで限界を迎え、おもむろに精を勢いよく吐き出します。
「あ――っ。出てるっ。法師様の、温かいのが」
姫様の太腿が気持ち良さそうにビクビクと震え、体を流れる雷の光と音が強く激しい物になりました。大人になりきっていない未成熟な人間の身ながら、殿方との初めての交合で絶頂を迎えたのです。そしてそのまま一寸法師の子供のような背丈をした身体で抱き着かれながら種付けされていくにつれ、姫様の身体にも大きな変化が起きました。その足に青白い体毛が生え、頭には獣の耳、腰には尻尾が生えてアカオニの言っていた雷獣に変化したのです。
長い射精が終わり、一寸法師が慎重にまらを抜き取ると、姫様の胎の中から彼の精液と姫様の血が混ざったものがごぽりとあふれ出しました。それから、雷獣になった姫様は一寸法師と顔を見合わせると、安らかな顔で微笑み、そこで緊張の糸が途切れたのかぐったりとして眠りこけてしまいました。
一寸法師とアカオニと龍は眠った姫様に掛布団を被せると、今までの行為ですっかり火照った身体を3人で互いに鎮め合いました。
それからというもの、この山の周囲の村々では「あの山で雷の光が多く見えた年には米が豊作になる」と噂されるようになり、いつしか雷の事を「龍神様が豊穣をもたらすしるし」として崇めるようになりました。
それで今でもジパングの言葉では、雷の光の事を「稲妻」とか「稲光」と呼ぶのだそうです。
18/04/04 04:24更新 / bean