図鑑世界童話全集「のろまなワームの子」（改訂版）
それは、明緑魔界のど真ん中にある山の中での事でした。ある1人のワームが、切り立った崖の真ん中に作った巣の中で、愛する夫との間に授かった愛の結晶である大きな卵を温めておりました。もうそろそろ生まれるかと思ったある日、ワームがふと巣の外を見てみると、近くにある大きな木の枝の上に、魔物の卵が1つ載っておりました。
「大変だ。卵が1つ巣から落っこちてしまっていたんだ」
ワームは慌ててその卵を拾い、自分の巣の中にあるそれと一緒に温めます。よく見るとその卵は自分が産んだそれとは色も形も全然違っていますし、そもそも彼女が産んだ卵は1つだけのはずなのですが、慌てていたワームはそれに気が付きませんでした。
それから数日経ち、片方の卵から元気でかわいらしいワームの赤ちゃんが殻を勢いよく破って出てきました。もう1つの卵からはなかなか赤ちゃんが生まれてくる気配がないのでお母さんワームは心配しましたが、そこから更に1週間が経ったころ、ようやく2つめの卵も割れて中から赤ちゃんが出てきました。
お母さんワームは娘達に山の中で捕ってきた動物の肉を与えたりして懸命に育てていましたが、しばらく経つと妹の方の様子がおかしいことに気が付きました。
お姉ちゃんワームはお母さんと同じように頑丈な鱗が身体じゅうに生えてきて、自分で動けるようになると巣の外に飛び出して勢いよく獣を追いかけたりしていたのですが、妹ワームはいつまでたっても鱗が生えてくる様子がなく、生まれたての頃と同じように柔らかいままなのです。動きもやけにのろく、動物の肉よりも葉っぱや木の実を食べたがります。その代わりに食べる量は凄まじく、人間なら1口かじっただけでも発情して何も考えられなくなるような魔力のたっぷり詰まった果実をお腹いっぱい食べた後、その場でそのまま眠りこけるという事もしばしばでした。そのため、夕方になると木の根元や枝の上で眠りこける妹ワームを探し出して巣の中に戻してあげるのがお母さんワームの日課でした。
娘たちもそろそろ大人と言っていいくらいに大きくなり、秋もそろそろ終わりに近づこうかというある日、お姉ちゃんワームが突然大声で叫びだしました。
「男の気配がする！」
そう叫ぶが早いか、お姉ちゃんワームは巣から勢いよく飛び出し、崖下の森に落っこちたかと思うと、森の木々をなぎ倒しながらどこかへと走り去っていきました。ちなみに人間達はこの動きを、美女を見つけると似たようなことをしていた伝説の大泥棒の名前になぞらえて「ルパンダイブ」と呼びます。妹ワームはお母さんワームと一緒にそれを眺めていましたが、程なくしてお姉ちゃんと同じように巣から飛び出し、ゆっくりした動きで崖を降りていきました。お姉ちゃんと同じように魅力的な男の気配を察知したのでしょうか。いいえ、そうではないようです。
「ぱくぱく。もぐもぐ。むしゃむしゃ」
どうやら妹ワームはお姉ちゃんワームがなぎ倒した木の葉っぱや実を食べようとしていただけのようです。そうしている間に、妹ワームもお姉ちゃんワームの通った後を追いかけるようにしてどんどん巣から遠ざかっていきます。
「身を守る鱗もないのに、あの娘大丈夫かな」
お母さんワームは心配そうに言いましたが、妹ワームを追いかけることはしませんでした。既にお母さんワームのお腹の中には新しい卵ができ始めていて、新しい娘を育てるために巣を整えたり、お腹の中の卵を大きくする魔力を蓄えるためにお父さんに精液を貰ったりするのに忙しかったのです。
「あれ？ お姉ちゃんもお母さんもいないなあ。どこだろ」
妹ワームはだいぶお腹いっぱいになってきてからようやく、自分が巣からだいぶ離れてしまったことに気が付きました。きょろきょろと辺りを見回してみても知らない景色ばかりです。その時、茂みの向こうから大きな声が聞こえてきました。
「ちくしょう！ あいつどこ行った」
妹ワームがそちらに行ってみると、ワームと同じように下半身が鱗に覆われた巨大なしっぽになっている魔物娘の姿が見えました。
「だれ？ もしかして、お姉ちゃん？」
妹ワームが声をかけながら近づいてみると、それはラミアという蛇の魔物娘でした。
「誰ってこっちが聞きたいわよ。あんたみたいなのろまな妹なんて知らないわ。それより、私急いでいるんだけど」
それだけ言うと、ラミアのお姉さんはワームのお姉ちゃんに負けないくらい素早い動きでどこかへと走り去っていきます。妹ワームは再びおいしそうな葉っぱや実をつけた木を探しては食べつくしていきました。
そうしているうちに、気が付くと妹ワームは山の上のほうにまでやってきていました。そこではひと足先に冬が訪れていて、辺りはとても寒く、食べ物になる葉っぱや木の実も見つかりません。それどころかちらちらと雪が降ってきました。
「はっくしょん！ うー、寒いなあ」
妹ワームはぶるぶる震えながら、雪をしのげそうな場所を探して辺りを見回します。その時、彼女の鼻がとても美味しそうな匂いを捉えました。今まで食べたどんな葉っぱや木の実とも比べ物にならないくらい美味しそうな匂いです。妹ワームがその匂いのする方向に行ってみると、どうやらその匂いは大きな枯れ木の中から漂ってきているようです。不思議に思って覗いてみると、若い男の人が木のうろの中で身を隠していました。
「お兄さん、何しているの？」
「どうしたもこうしたもない。この山を通り抜けようとしたら、いきなりでっかい蛇の化け物が森の木をなぎ倒して襲い掛かってきたんだ。それで必死に逃げ回っている所を綺麗な女の人が助けてくれたと思ったら、そいつも人間のふりをした蛇の化け物だったんだよ。だからこうやって隠れているんだ」
「ふーん。恐ろしいこともあるんだね」
そう言いながら、妹ワームはもそもそと木のうろの中に入っていきます。
「おい。何をしている」
「私ね、お母さんともお姉さんともはぐれて道に迷っていたの。それに雪が降ってきて寒いからさ。私も中に隠れさせてよ」
そこで男はようやく、自分に話しかけてきた相手がこれまで襲ってきた蛇の化け物と同じように細長い体をしていることに気が付きました。逃げなければと頭では考えますが、山の中を1日じゅう必死に逃げ回って疲れた身体は言う事を聞いてくれそうにありません。しかもうろの中に入ってこようとしてくる相手からは妙に甘ったるい匂いがしていて、それを嗅ぐと男の頭からも逃げようという気持ちが薄れてきます。
「おいしそうなにおいの元はここだな。えい」
妹ワームが男のズボンを脱がせると、カチカチに硬くなったおちんちんが勢いよく頭を持ち上げてきました。人間の男の人は疲れ切った状態でいると、身体が急いで精を作り出そうとすることがありますが、これを「疲れマラ」と言います。妹ワームは美味しい木の実を食べる時のように手でおちんちんの皮をむいてみると、食欲をそそる匂いがむわりと漂ってきました。
「いただきまーす」
「おい……やめ……」
男は自分のおちんちんに食いついてくる妹ワームを止めようとしますが、その声はどんどん弱々しくなってきます。ついには気持ちよさそうな喘ぎ声に変わり、それを聞いた妹ワームももっとこの声を聞きたい、もっと気持ちよくしてあげたいという気持ちがわいてきました。
（何これ。すごく美味しい。こんな味知らない。もっと、舐めたい）
「うっ……くそ……出る」
その時、おちんちんが妹ワームの舌の上でビクビクと震えたかと思うと、ドロドロした物を勢いよく噴き出してきました。おちんちんを舐めていた時でさえ、今まで食べたどんな葉っぱや木の実も遠く及ばないほどに美味しいと感じていたのですが、このドロドロした物はその味を何倍にも濃くしたような美味しさです。
「んくっ、んくっ」
妹ワームはおちんちんの中にわずかに残った分まで、ドロドロした物を残らず吸い尽くしてしまいました。
「ふーっ、お腹いっぱい。お兄さんありがとう」
そう言うと、妹ワームは満足そうに自分のお腹をさすりました。いつもだったらこのまま眠り始め、再びお腹がぺこぺこになるまで目を覚まさない所ですが、今回はいつもと違っていました。不思議なことに、お腹の中にもう1つ胃袋ができたような感覚がするのです。しかもお腹がぺこぺこになったら何か食べたいと思うのと同じように、そのもう1つの袋がいっぱいになるまでさっきのドロドロした物が飲みたくてたまらなくなってきました。それだけではありません。お腹の下のほうを触ってみると胃袋だけでなく口のような物までもう1つあって、美味しい食べ物を見つけた時のようによだれをダラダラと垂れ流していました。
（そういえば、お母さんにもお腹の下に口が付いていたっけ）
妹ワームはお母さんワームがお腹の下の方に付いている口で、人間のお父さんのおちんちんを咥えていたことを思い出しました。魔物娘にとっては大好きな男の人のおちんちんから出てくるご飯がどんな食べ物より美味しいごちそうだと言っていた事も。
（私も、こっちの口でさっきのドロドロを食べたらもっと美味しいのかな）
妹ワームは男に覆いかぶさると、2つ目の口でおちんちんをずっぽりと咥えてしまいました。
（何これ。とても、おいしい。きもちいい）
妹ワームは夢中で腰を打ち付けました。2つ目の口はドロドロしたご飯をいくら飲んでも満足する事無く、それどころかもっと欲しくなってきます。男が身に着けていた衣服も邪魔に思えてきて、1枚ずつ脱がせてはうろの外に放り投げていました。
「うぅっ……出る……」
（あっ、また、ビクビクしている）
男のおちんちんが再びドロドロした物を噴き出そうとしている感触に、妹ワームはお腹の下の方の袋が期待してキュンキュン震えるのを感じました。彼女は目の前の男をますます愛おしく感じ、お互いの舌を絡めるようにして唇を重ねます。
「ちゅっ、くちゅっ、れろっ」
そうしているうちに男の身体がひと際大きくビクリと震えたかと思うと、妹ワームはお腹の中にドロドロしたご飯が勢いよく注がれるのを感じました。同時に妹ワームの喉の奥からは今まで食べた葉っぱや木の実を全部煮詰めたような甘い物がこみ上げ、顔に付いている方の口から男の口へと注がれていきます。
（なんだこれ。とても美味い。もう、何も、考え、られな……）
男も妹ワームの身体から放たれる甘い匂いを嗅ぎ、妹ワームの口から吐き出される甘い物を反射的に飲み下していくうちに、頭がぼうっとして目の前の魔物娘と交わること以外は何も考えられなくなってきました。
そうこうしているうちに、妹ワームの身体にはいつしか再び大きな変化が起きていました。激しく腰を動かすうちに身体からたくさんの細い糸が飛び出し、木のうろの内側に張り付くようにして固まって、2人を取り囲む頑丈な殻を作り出していたのです。そしてその殻が完全に2人を内側に閉じ込めると、妹ワームの身体はまるでスライムになってしまったかのようにドロドロと溶け始めていきました。不思議なことに、そのような状態でも顔とお腹の下の方とにある2つの口だけは元の形を保っているような感覚が残っていて、男のおちんちんからドロドロしたご飯をぴゅっ、ぴゅっと注がれている事がはっきりと感じ取れます。妹ワームの心も同じようにドロドロに溶けて自分が今起きているのか眠っているのかもわからない状態になっていましたが、それでも目の前の男のおちんちんが出してくれるドロドロしたご飯をもっと飲みたい、お返しに男にも甘いご飯を飲ませてあげたいという気持ちだけははっきりと残っていました。
やがて冬が終わり、山の上に降り積もっていた雪もすっかり解けてしまった頃、木のうろの中でも再び大きな変化が起きました。長い間変化の見られなかった殻が割れ、中から妹ワームが姿を現したのです。その腕にはまだ繋がった状態のままの夫をしっかりと抱え、大きな羽根を広げて空へと飛び出そうとします。
（あれ？ 私ってドラゴンじゃなくてワームじゃなかったっけ？）
妹ワームがそう思いながら木のうろから飛び出したその時、すぐ近くで大きな声が聞こえました。
「うわっ、びっくりした」
その声に妹ワームも驚いて枯れ木の上に止まると、それを取り囲むようにしてワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんが立っていました。
実は、妹ワームが冬の間じゅう交わっていたこの男は、ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんが追いかけていたのと同じ人だったのです。木のうろの周りに男の服が落ちているのを嗅ぎつけた2人は、男がこの近くにいるはずだとずっと探していたのでした。
そして、ラミアのお姉さんがぽつりと呟いた言葉に、妹ワームはもっと驚きました。
「匂いはするのにいくら探しても見つからないと思ったら、まさかパピヨンの蛹に入っていたなんて」
「え……パピヨン……？」
実は妹ワームの本当の種族はワームではなく、パピヨンという蝶の魔物娘の幼虫、グリーンワームだったのです。
混乱するパピヨンに向かって、ラミアのお姉さんは言いました。
「ちょっとあんた！ その男は私が先に目を付けていたのよ！ 横取りしないでよ」
すると、ワームのお姉ちゃんもすかさず言います。
「何言ってんだ！ 元はと言えば私が狙っていたのをあんたが横取りしようとしたからこうなったんじゃないか！」
「とにかく、私達にもその男と交尾させなさいよ。冬じゅうずっとまぐわっていたんだからいいでしょ。いつまで挿入（いれ）てんのよ」
「うーん……もうちょっとだけ」
パピヨンは美しい羽根で浮かび上がると、インキュバスになってしまった夫の身体に人間のそれとよく似た形の手足を絡めました。全身から放たれる甘い香りに、肩や腰に巻き付いてくる柔らかい手足に、頭に押し付けられるおっぱいに、おちんちんを絶妙な加減でキュッと締め付けてくるおマンコにと、まさしく夫を発情させて精を絞るための形に変化したパピヨンの身体が彼に襲い掛かります。
「うっ」
パピヨンの夫はなすすべもなく精液を噴き出しました。ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんの目にも、彼のおちんちんがビクビクと震えてパピヨンのおマンコに精液を注いでいるのがはっきりと見えます。
「あーっ。言ってるそばから何また中出しさせてんのよ」
「そうだぞ。元気な卵を産みたいのはこっちだって同じなんだ」
ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんはそれぞれに太くて長いしっぽをパピヨンの夫の身体に絡め、パピヨンから引き離しました。パピヨンの口から残念そうな声が漏れます。
「あっ」
「あの娘にだいぶ後れを取ったけど、今度は私の虜にしてあげるわ」
「私の事も忘れんなよ」
ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんはパピヨンの夫になった男の身体に自分達の身体を絡めると、手ごろな洞窟に引っ張り込もうとします。
「ちょっとどこ行くの。ねー待ってよー」
3人の後をパピヨンがパタパタと空を飛んで追いかけます。そのお股からは愛液と精液が混ざった物がこぼれ出して脚を伝い、地面に点々と白い跡を残していくのでした。
こうして、実はグリーンワームだった妹ワームは本当の姉妹ではなかったお姉ちゃんワームやラミアのお姉さんと今度は竿姉妹として一緒に暮らすようになりました。他の2人の奥さんよりもたくさん夫と交わろうと競うように絡みついてくるワームとラミア、そして積極的に襲う事はほとんど無くとも夫と交わるのにぴったりになった身体でいつでも愛する人の欲望を昂らせ受け止めようとするパピヨンは、まさしく三者三様に形は違えどいずれ劣らぬ名器と愛情と執着の深さで夫を虜にしていきました。
そして3人の魔物娘は、それぞれに大きさも色も全然違う元気な卵をたくさん産んだそうです。
「大変だ。卵が1つ巣から落っこちてしまっていたんだ」
ワームは慌ててその卵を拾い、自分の巣の中にあるそれと一緒に温めます。よく見るとその卵は自分が産んだそれとは色も形も全然違っていますし、そもそも彼女が産んだ卵は1つだけのはずなのですが、慌てていたワームはそれに気が付きませんでした。
それから数日経ち、片方の卵から元気でかわいらしいワームの赤ちゃんが殻を勢いよく破って出てきました。もう1つの卵からはなかなか赤ちゃんが生まれてくる気配がないのでお母さんワームは心配しましたが、そこから更に1週間が経ったころ、ようやく2つめの卵も割れて中から赤ちゃんが出てきました。
お母さんワームは娘達に山の中で捕ってきた動物の肉を与えたりして懸命に育てていましたが、しばらく経つと妹の方の様子がおかしいことに気が付きました。
お姉ちゃんワームはお母さんと同じように頑丈な鱗が身体じゅうに生えてきて、自分で動けるようになると巣の外に飛び出して勢いよく獣を追いかけたりしていたのですが、妹ワームはいつまでたっても鱗が生えてくる様子がなく、生まれたての頃と同じように柔らかいままなのです。動きもやけにのろく、動物の肉よりも葉っぱや木の実を食べたがります。その代わりに食べる量は凄まじく、人間なら1口かじっただけでも発情して何も考えられなくなるような魔力のたっぷり詰まった果実をお腹いっぱい食べた後、その場でそのまま眠りこけるという事もしばしばでした。そのため、夕方になると木の根元や枝の上で眠りこける妹ワームを探し出して巣の中に戻してあげるのがお母さんワームの日課でした。
娘たちもそろそろ大人と言っていいくらいに大きくなり、秋もそろそろ終わりに近づこうかというある日、お姉ちゃんワームが突然大声で叫びだしました。
「男の気配がする！」
そう叫ぶが早いか、お姉ちゃんワームは巣から勢いよく飛び出し、崖下の森に落っこちたかと思うと、森の木々をなぎ倒しながらどこかへと走り去っていきました。ちなみに人間達はこの動きを、美女を見つけると似たようなことをしていた伝説の大泥棒の名前になぞらえて「ルパンダイブ」と呼びます。妹ワームはお母さんワームと一緒にそれを眺めていましたが、程なくしてお姉ちゃんと同じように巣から飛び出し、ゆっくりした動きで崖を降りていきました。お姉ちゃんと同じように魅力的な男の気配を察知したのでしょうか。いいえ、そうではないようです。
「ぱくぱく。もぐもぐ。むしゃむしゃ」
どうやら妹ワームはお姉ちゃんワームがなぎ倒した木の葉っぱや実を食べようとしていただけのようです。そうしている間に、妹ワームもお姉ちゃんワームの通った後を追いかけるようにしてどんどん巣から遠ざかっていきます。
「身を守る鱗もないのに、あの娘大丈夫かな」
お母さんワームは心配そうに言いましたが、妹ワームを追いかけることはしませんでした。既にお母さんワームのお腹の中には新しい卵ができ始めていて、新しい娘を育てるために巣を整えたり、お腹の中の卵を大きくする魔力を蓄えるためにお父さんに精液を貰ったりするのに忙しかったのです。
「あれ？ お姉ちゃんもお母さんもいないなあ。どこだろ」
妹ワームはだいぶお腹いっぱいになってきてからようやく、自分が巣からだいぶ離れてしまったことに気が付きました。きょろきょろと辺りを見回してみても知らない景色ばかりです。その時、茂みの向こうから大きな声が聞こえてきました。
「ちくしょう！ あいつどこ行った」
妹ワームがそちらに行ってみると、ワームと同じように下半身が鱗に覆われた巨大なしっぽになっている魔物娘の姿が見えました。
「だれ？ もしかして、お姉ちゃん？」
妹ワームが声をかけながら近づいてみると、それはラミアという蛇の魔物娘でした。
「誰ってこっちが聞きたいわよ。あんたみたいなのろまな妹なんて知らないわ。それより、私急いでいるんだけど」
それだけ言うと、ラミアのお姉さんはワームのお姉ちゃんに負けないくらい素早い動きでどこかへと走り去っていきます。妹ワームは再びおいしそうな葉っぱや実をつけた木を探しては食べつくしていきました。
そうしているうちに、気が付くと妹ワームは山の上のほうにまでやってきていました。そこではひと足先に冬が訪れていて、辺りはとても寒く、食べ物になる葉っぱや木の実も見つかりません。それどころかちらちらと雪が降ってきました。
「はっくしょん！ うー、寒いなあ」
妹ワームはぶるぶる震えながら、雪をしのげそうな場所を探して辺りを見回します。その時、彼女の鼻がとても美味しそうな匂いを捉えました。今まで食べたどんな葉っぱや木の実とも比べ物にならないくらい美味しそうな匂いです。妹ワームがその匂いのする方向に行ってみると、どうやらその匂いは大きな枯れ木の中から漂ってきているようです。不思議に思って覗いてみると、若い男の人が木のうろの中で身を隠していました。
「お兄さん、何しているの？」
「どうしたもこうしたもない。この山を通り抜けようとしたら、いきなりでっかい蛇の化け物が森の木をなぎ倒して襲い掛かってきたんだ。それで必死に逃げ回っている所を綺麗な女の人が助けてくれたと思ったら、そいつも人間のふりをした蛇の化け物だったんだよ。だからこうやって隠れているんだ」
「ふーん。恐ろしいこともあるんだね」
そう言いながら、妹ワームはもそもそと木のうろの中に入っていきます。
「おい。何をしている」
「私ね、お母さんともお姉さんともはぐれて道に迷っていたの。それに雪が降ってきて寒いからさ。私も中に隠れさせてよ」
そこで男はようやく、自分に話しかけてきた相手がこれまで襲ってきた蛇の化け物と同じように細長い体をしていることに気が付きました。逃げなければと頭では考えますが、山の中を1日じゅう必死に逃げ回って疲れた身体は言う事を聞いてくれそうにありません。しかもうろの中に入ってこようとしてくる相手からは妙に甘ったるい匂いがしていて、それを嗅ぐと男の頭からも逃げようという気持ちが薄れてきます。
「おいしそうなにおいの元はここだな。えい」
妹ワームが男のズボンを脱がせると、カチカチに硬くなったおちんちんが勢いよく頭を持ち上げてきました。人間の男の人は疲れ切った状態でいると、身体が急いで精を作り出そうとすることがありますが、これを「疲れマラ」と言います。妹ワームは美味しい木の実を食べる時のように手でおちんちんの皮をむいてみると、食欲をそそる匂いがむわりと漂ってきました。
「いただきまーす」
「おい……やめ……」
男は自分のおちんちんに食いついてくる妹ワームを止めようとしますが、その声はどんどん弱々しくなってきます。ついには気持ちよさそうな喘ぎ声に変わり、それを聞いた妹ワームももっとこの声を聞きたい、もっと気持ちよくしてあげたいという気持ちがわいてきました。
（何これ。すごく美味しい。こんな味知らない。もっと、舐めたい）
「うっ……くそ……出る」
その時、おちんちんが妹ワームの舌の上でビクビクと震えたかと思うと、ドロドロした物を勢いよく噴き出してきました。おちんちんを舐めていた時でさえ、今まで食べたどんな葉っぱや木の実も遠く及ばないほどに美味しいと感じていたのですが、このドロドロした物はその味を何倍にも濃くしたような美味しさです。
「んくっ、んくっ」
妹ワームはおちんちんの中にわずかに残った分まで、ドロドロした物を残らず吸い尽くしてしまいました。
「ふーっ、お腹いっぱい。お兄さんありがとう」
そう言うと、妹ワームは満足そうに自分のお腹をさすりました。いつもだったらこのまま眠り始め、再びお腹がぺこぺこになるまで目を覚まさない所ですが、今回はいつもと違っていました。不思議なことに、お腹の中にもう1つ胃袋ができたような感覚がするのです。しかもお腹がぺこぺこになったら何か食べたいと思うのと同じように、そのもう1つの袋がいっぱいになるまでさっきのドロドロした物が飲みたくてたまらなくなってきました。それだけではありません。お腹の下のほうを触ってみると胃袋だけでなく口のような物までもう1つあって、美味しい食べ物を見つけた時のようによだれをダラダラと垂れ流していました。
（そういえば、お母さんにもお腹の下に口が付いていたっけ）
妹ワームはお母さんワームがお腹の下の方に付いている口で、人間のお父さんのおちんちんを咥えていたことを思い出しました。魔物娘にとっては大好きな男の人のおちんちんから出てくるご飯がどんな食べ物より美味しいごちそうだと言っていた事も。
（私も、こっちの口でさっきのドロドロを食べたらもっと美味しいのかな）
妹ワームは男に覆いかぶさると、2つ目の口でおちんちんをずっぽりと咥えてしまいました。
（何これ。とても、おいしい。きもちいい）
妹ワームは夢中で腰を打ち付けました。2つ目の口はドロドロしたご飯をいくら飲んでも満足する事無く、それどころかもっと欲しくなってきます。男が身に着けていた衣服も邪魔に思えてきて、1枚ずつ脱がせてはうろの外に放り投げていました。
「うぅっ……出る……」
（あっ、また、ビクビクしている）
男のおちんちんが再びドロドロした物を噴き出そうとしている感触に、妹ワームはお腹の下の方の袋が期待してキュンキュン震えるのを感じました。彼女は目の前の男をますます愛おしく感じ、お互いの舌を絡めるようにして唇を重ねます。
「ちゅっ、くちゅっ、れろっ」
そうしているうちに男の身体がひと際大きくビクリと震えたかと思うと、妹ワームはお腹の中にドロドロしたご飯が勢いよく注がれるのを感じました。同時に妹ワームの喉の奥からは今まで食べた葉っぱや木の実を全部煮詰めたような甘い物がこみ上げ、顔に付いている方の口から男の口へと注がれていきます。
（なんだこれ。とても美味い。もう、何も、考え、られな……）
男も妹ワームの身体から放たれる甘い匂いを嗅ぎ、妹ワームの口から吐き出される甘い物を反射的に飲み下していくうちに、頭がぼうっとして目の前の魔物娘と交わること以外は何も考えられなくなってきました。
そうこうしているうちに、妹ワームの身体にはいつしか再び大きな変化が起きていました。激しく腰を動かすうちに身体からたくさんの細い糸が飛び出し、木のうろの内側に張り付くようにして固まって、2人を取り囲む頑丈な殻を作り出していたのです。そしてその殻が完全に2人を内側に閉じ込めると、妹ワームの身体はまるでスライムになってしまったかのようにドロドロと溶け始めていきました。不思議なことに、そのような状態でも顔とお腹の下の方とにある2つの口だけは元の形を保っているような感覚が残っていて、男のおちんちんからドロドロしたご飯をぴゅっ、ぴゅっと注がれている事がはっきりと感じ取れます。妹ワームの心も同じようにドロドロに溶けて自分が今起きているのか眠っているのかもわからない状態になっていましたが、それでも目の前の男のおちんちんが出してくれるドロドロしたご飯をもっと飲みたい、お返しに男にも甘いご飯を飲ませてあげたいという気持ちだけははっきりと残っていました。
やがて冬が終わり、山の上に降り積もっていた雪もすっかり解けてしまった頃、木のうろの中でも再び大きな変化が起きました。長い間変化の見られなかった殻が割れ、中から妹ワームが姿を現したのです。その腕にはまだ繋がった状態のままの夫をしっかりと抱え、大きな羽根を広げて空へと飛び出そうとします。
（あれ？ 私ってドラゴンじゃなくてワームじゃなかったっけ？）
妹ワームがそう思いながら木のうろから飛び出したその時、すぐ近くで大きな声が聞こえました。
「うわっ、びっくりした」
その声に妹ワームも驚いて枯れ木の上に止まると、それを取り囲むようにしてワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんが立っていました。
実は、妹ワームが冬の間じゅう交わっていたこの男は、ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんが追いかけていたのと同じ人だったのです。木のうろの周りに男の服が落ちているのを嗅ぎつけた2人は、男がこの近くにいるはずだとずっと探していたのでした。
そして、ラミアのお姉さんがぽつりと呟いた言葉に、妹ワームはもっと驚きました。
「匂いはするのにいくら探しても見つからないと思ったら、まさかパピヨンの蛹に入っていたなんて」
「え……パピヨン……？」
実は妹ワームの本当の種族はワームではなく、パピヨンという蝶の魔物娘の幼虫、グリーンワームだったのです。
混乱するパピヨンに向かって、ラミアのお姉さんは言いました。
「ちょっとあんた！ その男は私が先に目を付けていたのよ！ 横取りしないでよ」
すると、ワームのお姉ちゃんもすかさず言います。
「何言ってんだ！ 元はと言えば私が狙っていたのをあんたが横取りしようとしたからこうなったんじゃないか！」
「とにかく、私達にもその男と交尾させなさいよ。冬じゅうずっとまぐわっていたんだからいいでしょ。いつまで挿入（いれ）てんのよ」
「うーん……もうちょっとだけ」
パピヨンは美しい羽根で浮かび上がると、インキュバスになってしまった夫の身体に人間のそれとよく似た形の手足を絡めました。全身から放たれる甘い香りに、肩や腰に巻き付いてくる柔らかい手足に、頭に押し付けられるおっぱいに、おちんちんを絶妙な加減でキュッと締め付けてくるおマンコにと、まさしく夫を発情させて精を絞るための形に変化したパピヨンの身体が彼に襲い掛かります。
「うっ」
パピヨンの夫はなすすべもなく精液を噴き出しました。ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんの目にも、彼のおちんちんがビクビクと震えてパピヨンのおマンコに精液を注いでいるのがはっきりと見えます。
「あーっ。言ってるそばから何また中出しさせてんのよ」
「そうだぞ。元気な卵を産みたいのはこっちだって同じなんだ」
ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんはそれぞれに太くて長いしっぽをパピヨンの夫の身体に絡め、パピヨンから引き離しました。パピヨンの口から残念そうな声が漏れます。
「あっ」
「あの娘にだいぶ後れを取ったけど、今度は私の虜にしてあげるわ」
「私の事も忘れんなよ」
ワームのお姉ちゃんとラミアのお姉さんはパピヨンの夫になった男の身体に自分達の身体を絡めると、手ごろな洞窟に引っ張り込もうとします。
「ちょっとどこ行くの。ねー待ってよー」
3人の後をパピヨンがパタパタと空を飛んで追いかけます。そのお股からは愛液と精液が混ざった物がこぼれ出して脚を伝い、地面に点々と白い跡を残していくのでした。
こうして、実はグリーンワームだった妹ワームは本当の姉妹ではなかったお姉ちゃんワームやラミアのお姉さんと今度は竿姉妹として一緒に暮らすようになりました。他の2人の奥さんよりもたくさん夫と交わろうと競うように絡みついてくるワームとラミア、そして積極的に襲う事はほとんど無くとも夫と交わるのにぴったりになった身体でいつでも愛する人の欲望を昂らせ受け止めようとするパピヨンは、まさしく三者三様に形は違えどいずれ劣らぬ名器と愛情と執着の深さで夫を虜にしていきました。
そして3人の魔物娘は、それぞれに大きさも色も全然違う元気な卵をたくさん産んだそうです。
18/03/24 20:50更新 / bean