読切小説
[TOP]
図鑑世界童話全集「三匹の子豚」
 昔々、あるところにハイオークのおかみさんが率いるオークの群れがありました。ある時、このハイオークは群れの3人の子供達を呼んで言いました。
「あんた達もそろそろ男を捕まえてもいい年頃だ。まずは新しく自分達が暮らせる場所を探して、それから夫と一緒に過ごすための家を作るんだね」
 それを聞いた子供達は大喜びしました。自分達が住んでいるこの山の外には「きょうだん」という怖い人達がたくさんいるからといって、群れの大人達は子供達を今まで山の外に連れて行ってくれなかったからです。
 3人は長い長い旅の末に、元いた山と同じくらい大きな山にたどり着き、そこに家を建てる事にしました。

 3人のうち1番上のお姉さんのオークは言いました。
「家を建てるなんて地味な事、さっさと済ませて遊びに行きたいわ」
 お姉さんのオークはホルスタウロスのいる牧場に行き、藁をたくさん分けてもらいました。そして、それを使って藁の家を手早く作ると、毎日楽しく遊んで暮らしました。
 同じ頃、真ん中のオークはこう言いました。
「男とお楽しみの最中に雨が降ってきたりしたら大変だ。しっかりした屋根のある家にしないと」
 真ん中のオークは木こりをして暮らしているゴブリン達の所に行って材木をたくさん分けてもらいました。そして、それを使って頑丈な屋根のある木の家を作りました。しかし、先に藁の家を完成させたお姉さんが楽しく遊んでいる所を見た真ん中のオークは、自分もさっさと家を完成させて遊びに行こうとしたため、屋根はともかく壁の仕上がりはだいぶ雑になってしまいました。
 同じ頃、3人のうち1番下の妹はこう言いました。
「あたいは大きな嵐が来てもびくともしない家を作りたいな。そうすれば男を捕まえた時にいつでも楽しめる」
 1番下の妹は山奥で鍛冶をして暮らしているサイクロプスの所に行き、硬いレンガをたくさん作ってもらいました。それを使って家を作るのは簡単な事ではありませんでしたが、妹は先に家を完成させたお姉さん達が毎日楽しそうに遊んでいるのを見てもめげずに毎日こつこつとレンガを積み上げました。そしてとうとう、立派な煙突のある大きなレンガの家を完成させました。

 こうして3人が家を完成させた頃、1人の男がこの山にやってきました。3人の娘達が山の中の泉で水浴びをしているのをたまたま見かけた男は、このオーク達の豊満な肉体を欲望のままに滅茶苦茶にしてやりたいと考えました。こっそりと3人の後をつけた男は彼女達が藁と木、そしてレンガの家に住んでいることをすぐに突き止めました。男はずる賢さではオークに負けないくらいでしたので、すぐに家を襲撃するような事はせずに夜になって住人が寝静まるのを待ちました。

 夜になって藁の家の中から人が動く気配がしなくなると、男はナイフを取り出し、音を立てないようにこっそりと藁の家をまとめている縄を切りました。そうして壁に空いた穴からこっそり忍び込むと、男は中でぐっすりと眠っている1番上のお姉さんのオークに襲い掛かりました。お姉さんのオークは慌てて抵抗しましたが、さすがのオークといえど眠っている所を不意打ちされてはどうにもなりません。彼女はすぐに抑え込まれ、朝まで滅茶苦茶に犯されました。行為が終わる頃にはお姉さんのオークはすっかり男を「ご主人様」と認め、無理やり犯されたというのに怒るどころか甘えてキスをせがみました。ところが、それを見ると男はこう言い放ちました。
「1回ヤッたくらいで恋人気どりかよ」
 男はお姉さんのオークが快楽の余韻で動けないうちに、ゆうべ藁の家に空けた穴からさっさと逃げ出してしまいました。お姉さんのオークは泣きながら藁の家を修復しました。

「また藁の家のオークを襲ったら面倒な事になりそうだ。次は木の家に住んでいる奴にするぞ」
 数日後の夜、男は今度は工具箱を持って木の家にやってきました。窓からこっそり中を覗いて真っ暗になっているのを見て取ると、壁を止めている釘をそっと外します。壁の作りはだいぶ雑だったので、音を立てないように何枚か板をはがすのは簡単でした。こうして人1人通れるだけの穴を開けると、男はそこからこっそりと木の家に忍び込み、中でぐっすりと眠っている真ん中のオークに襲い掛かりました。真ん中のオークも慌てて抵抗しましたが、やはりどうにもなりません。お姉さんと同じようにあっさりと抑え込まれ、朝まで滅茶苦茶に犯されました。真ん中のオークも行為が終わるころには男をすっかり「ご主人様」と認め、甘えるような声でこう言いました。
「ご主人様ぁ、子供は何人お望みですかあ?」
 ところが、それを聞いた男はこう言い放ちました。
「恋人どころか今度は奥さん気どりかよ。ふざけんな!」
 男は真ん中のオークが快楽の余韻で動けないうちに、ゆうべ壁の板をはがした所からさっさと逃げ出してしまいました。真ん中のオークもお姉さんと同じように泣きながら木の家を修復しました。

「やれやれ。オークってのがあんなに面倒くさい奴らだったなんて。今度はレンガの家の奴にするか」
 オークを襲うのをやめるという考えは男の頭の中にはありませんでした。元々かなり身勝手な奴だというのもありますが、オークの豊満な肢体を無理やり犯すのはあまりにも気持ちよかったのです。
 男は今度はレンガの家にこっそりと近寄ってみましたが、レンガの家は屋根も壁もがっちりと固められていて、今までのように音を立てずにこっそりと外したりするような事はとてもできそうにありません。
 そこで、男は作戦を変える事にしました。彼は昼間にレンガの家に堂々とやってきて、家の戸を叩きました。
「おや、どちら様?」
「俺はこの近くに住む者だ。あんた、最近引っ越してきたばかりなんだろ? 明日この山のふもとの町でお祭りがあるんだが、よかったら一緒に行かないか?」
「お祭りだって? それは楽しそうだな。解った。一緒に連れて行ってくれ」
 それを聞いた男は家の中から見えないようにガッツポーズをしながら言いました。
「明日、教会で昼の鐘が鳴る時に迎えに来るからな」

 お祭りがあるというのは本当でしたが、男はもちろん1番下の妹をそのお祭りに連れて行くつもりはありませんでした。途中で彼女を人気のない所に誘いこんでそこで乱暴するつもりだったのです。ところが翌日、ふもとの町の教会で鐘が鳴る時間に男がレンガの家に行ってみると、そこには誰もいませんでした。1番下の妹は男の企みを見抜き、一足早くお祭りに出かけてしまっていたのです。

「ふん、どの道夜になったら帰ってくるんだ。そこを不意打ちで襲えばいいさ」
 そう言うと男はふもとの町からレンガの家まで戻ってくる道の途中にある人気のない場所に行き、そこで1番下の妹を待ち構える事にしました。そして夕方になった頃、男が待ち構えている所をゴブリンの商人の馬車が通りかかりました。
「待てよ。ずる賢いレンガの家のオークの事だ。俺の目をごまかすためにこの馬車に隠れているかもしれないぞ」
 そう思った男は馬車を強引に止めさせ、荷車の中を覗き込みました。ところが、中には商品が入った樽や木箱や紙の箱がたくさん積まれているだけです。
「もう用は済んだかい? まったく、こっちは急いでいるというのに」
 ゴブリンはぶつぶつと文句を言いながら馬車を走らせ、男はそれを黙って見送りました。そしてその馬車がレンガの家のそばに差し掛かった時、荷車に積まれていた紙箱の1つが荷車から飛び出しました。1番下の妹が箱の中に隠れていたのです。これはジパングの忍者が敵の目をごまかして敵地に潜入するときに使う手段でした。

 そして彼女が家の中に入って明かりを点けた時、男はようやくそれに気が付きました。
「あいつ、やっぱり馬車のどっかに隠れていたんだな! もうこうなったら強硬手段だ!」
 頭に血が上った男は走って自分の家に帰り、大きなハンマーを引きずりながらレンガの家まで山道を歩いてきました。辺りはすっかり真っ暗になっていて、レンガの家の中にも明かりは見えません。1番下の妹ももう寝てしまったのでしょうか。
 男はハンマーでレンガの家の壁を思いっ切り殴りつけました。ところが、頑丈なレンガの壁は穴が開くどころかびくともしません。
「ちくしょう。こうなったら意地でも家の中に押し入ってやる!」
 その時、レンガの家の屋根に空いた煙突が、ふと男の目に止まりました。
「そうだ。わざわざ壁に穴を開けるまでもない。あそこから入ればいいじゃないか」
 男はレンガの壁の微妙に出っ張った所を足掛かりにして壁をよじ登ると、煙突から中に入ろうとそのふちに手をかけました。ところがその時、男の手がつるっと滑ったかと思うと、彼は煙突の中に真っ逆さまに落ち、そこに置いてあったバスタブの中にざぶんと落っこちてしまいました。
「なんだこれ! 体が熱い!」
 バスタブの中には冷たくてヌルヌルした液体が入っていました。どういうわけか男がその液体に触れると、冷たいはずなのにどんどん男の身体が熱くなってきます。
「どうだい? 何種類もの魔界植物のエキスをブレンドして作られた、サバト特性ローションの感触は」
 家の中では1番下の妹が待ち構えていました。これ見よがしに何も身に付けていない恰好で。
「このアマ!」
 男は1番下の妹につかみかかろうと腕を伸ばしましたが、ローションでつるつると滑って思うように動けません。バスタブからどうにか抜け出す事はできましたが、勢い余って床に落っこちてしまいました。
「今日からはあたいがあんたの『ご主人様』だ。あんたが責任を取らずに逃げたあたいのお姉ちゃん達もな」
 そう言って1番下の妹はローションまみれの男を取り押さえようとします。窓から入ってくる月の光が、お姉ちゃん達と比べて大きめの体格と褐色の肌を照らし出しました。実は彼女はお姉さんのオーク達とは母親違いで、ハイオークのおかみさんが産んだハイオークだったのです。
「ふざけんな!」
 男はハイオークにつかみかかろうとしましたが、ローションで滑ってうまくいきません。それどころか手が滑った拍子にハイオークの豊満なおっぱいや太ももに触れてしまいます。実はこのローションは触れた者をただ発情させるだけではなく、このローションを被った者が異性に触れると「たまたま」エッチな場所に滑っていったりする不思議な効果があったのです。
「あんっ。そんなに焦らなくても、いくらでも気持ちよくしてやるからな」
 男の服はローションによって彼の体にへばりついていましたが、ハイオークが服を剥ぎ取ろうとするとローションの不思議な力によりあっさりと脱げてしまいました。男は尚も抵抗しようともがきますが、ハイオークを突き飛ばすどころか胸に触れていた右手が乳房を揉みしだいてしまったり、お股に触れていた左手の指がするっとおマンコの中に入ってしまったりします。それでも男はなんとかハイオークの下から逃げようと床の上を這いずり回りました。
「ふざけんな。俺は何としてでも、ここから逃げて――」
「どっから、ああっ、逃げるって、いうんだい?」
 ハイオークが快感にあえぎながらも口にした言葉に、男ははっとしました。今までは壁に穴を開けて入ってきたのでそこから逃げる事が出来ましたが、今彼を取り囲んでいるのはどこにも通り抜ける場所の無いレンガの頑丈な壁だけです。入ってきた煙突にしても、ローションまみれで滑る体ではよじ登ろうとしてもまた落っこちるのは目に見えています。レンガの壁の代わりに彼の心の中で、何かがガラガラと崩れ落ちる音がしました。
 すっかり抵抗をやめてしまった男をハイオークが仰向けにさせると、男のおちんちんは力強く天井を指しました。ローションの効果ももちろんありますが、ハイオークの身体から立ち上る匂いや彼女の豊満な肉体の手触り、そしてローションの力で男の手が滑るたびにハイオークが上げるあえぎ声に彼の身体もすっかり興奮してしまっていたのです。
「ほら、いくぞぉ……」
 ハイオークはローションだけでなく別の液体でもすっかりトロトロになったおマンコで、男に見せつけるようにゆっくりとおちんちんを咥えていきます。
「んっ、ふっ、あっ、すごっ、おっき……ふああ!」
 そしてハイオークのおマンコの奥で何かが裂け、男のおちんちんを根元まですっかり咥えてしまった時、男の身体に異変が起きました。
「うっ、ぐっ、がっ」
 トロトロに蕩け切ったおマンコが絶妙におちんちんを締めつけてくる感触に、精液が一気にこみ上げてきたのです。
「えっ、そんな。早い……ああっ!」
 自分の身体の内側でおちんちんがビクビクと震え、お腹の奥に勢いよく精液を注がれる感触に、ハイオークも絶頂して全身をビクビクと振るわせました。2人ともお互いに繋がったまま、激しい快楽の余韻に放心しています。そして、ハイオークは男よりもいち早く立ち直って淫らな笑みを浮かべ、腰を上げました。おちんちんが抜けたおマンコがぽっかりと口を開き、そこからハイオークの血と男の濃厚な精液が混ざったピンク色のドロリとした物が流れ出してきます。
「いやあ。こんなに元気だったなんて。お姉ちゃん達がひと晩でドハマりするわけだ」
 ハイオークは再びおマンコで男のおちんちんを咥え、勢いよく腰を動かし始めました。
「待ってくれ。イッたばかりで、敏感にっ」
「待ちませーん」
 2人の身体にまとわりついたローションは互いの腰が重なった時にはそれをくっつけるように吸い付き、腰が離れるとにちゃりと淫らな音を立てて糸を引きます。ローションの魔力とハイオークの身体から放たれる不思議な匂いにより男のおちんちんは何回射精しても硬くなるのをやめず、朝になるどころか太陽が高く昇る頃になっても犯され続けました。

 そして再び太陽が沈んできた頃、ハイオークはようやく男を犯すのをやめました。
「ふーっ、食った食った。これは早速赤ちゃんが出来たかもしんねーな」
(やっと、終わったのか……?)
 男の目にようやく安堵の色が見えたその時、レンガの家の戸を誰かが叩く音が聞こえてきました。ついさっきまで半日以上激しく交わっていたとは思えないほどしっかりした足取りで、ハイオークが扉に歩み寄って鍵を開けます。今ならなんとか隙をついて扉から逃げられるかもしれない。男の頭にそんな楽観的な考えが浮かびますが、扉の向こうにいた人物が男の視界に入った時、彼の頭の中に浮かんだわずかな希望もあっさりと打ち砕かれてしまいました。
「あ、ああ、あああ……」
 そこに立っていたのは、妹に負けないくらい淫らな笑みを浮かべて男を見下ろすお姉ちゃんのオーク達だったのです。

 こうして3人のうち1番下の妹のハイオークは、4人でも充分暮らせるほど大きく作ったレンガの家でお姉ちゃんのオーク達と一緒に毎日夫を絞って楽しく暮らし、やがて母親と同じようにオークの群れを立派にまとめ上げていったそうです。




・編者あとがき
 このお話はドラゴニアで語り継がれている民話の中では非常に珍しく、竜の魔物が一切出てこないお話となっています。それはこのお話が、魔界化したレスカティエの住人が多くドラゴニアを訪れるようになった頃に、人間の男性を夫とする事を認めようとしない一部のドラゴン達に未婚であっても将来夫と交わるための部屋作りを重んじるサキュバスの文化を伝えるために考え出された民話だからではないかと言われています。

 しかし一方で、このお話がドラゴニアの建国の歴史を示したものであるという説を唱える研究者も存在し、簡単に壁を外された藁の家や木の家は竜帝国ドラゲイを、さっさと家を完成させて遊びまわっていた姉のオーク達は人間の歩民やドラゴンを支配していた上民を、彼女達が男に犯された上に逃げられる姿は上民に虐げられていたかつての竜や歩民を、そんな男がハイオークの計略によって捕らえられる姿は革命によるドラゲイの崩壊を、頑丈なレンガの家は現在のドラゴニアを表したものだとも言われています。
18/01/19 22:58更新 / bean

■作者メッセージ
この童話をオークでパロディするというアイデア自体は前から温めていましたが、ちょうどそのアイデアに合う種族が新しく発表されたので早速ネタにしてみました。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33