(ﾀﾞｸﾞ『お、おい！。待てって言ってるだろ!?。どわぁぁぁぁ！』



ダグという青年がいた。
彼は洞窟で冒険者がモンスター娘達に拐われた後に、こっそり荷物を手に入れて質屋に流してたセコい奴だった。




(ﾘｻﾞｰﾄﾞﾏﾝ『じゃあ何で剣を持ってるのだ？。お前が剣士だからではないか！。さあ早く剣を抜け！』



切っ先が無い四角い剣を振ってきて
急いで木で出来た薬箱で防ぐ。
これも拾った物だ。





(ﾀﾞｸﾞ『だから！。俺っちは剣士じゃなくて……モンスター娘に伴侶にされた冒険者の荷物を売ってるセコい奴だ！。この剣も拾ったのだから売る予定なんだよ。』




今から数分前に洞窟から拐われた冒険者の沢山のアイテムを持って出たら、いきなりリザードマンの女の子のセリナがお前は剣士だな？とか言って剣を抜いて何か試合だか忘れたが戦ってくれと言って、勝手に戦闘になった。冗談じゃない！。剣なんて使えねぇぞ俺っち




(ｾﾘﾅ『嘘をつけ！。こんなに反射神経が良いのは剣士の証拠だ！。』




そこで凄い速さで下から突き上げてきたので思わず剣で防いでたら鞘から抜けてしまった…剣から藍色の光が出て禍々しい力を感じる


(ﾀﾞｸﾞ『抜けちまった…やっべ！』


(ｾﾘﾅ『ようやく剣を抜いたな。では早速試合とさせてもらおう。行くぞ！！』


(ﾀﾞｸﾞ『でぇぇぇ!?。うっわぁぁぁあ！！もうダメケロー！』



ダグはセリナに破れかぶれで攻撃したらセリナの尻尾に少し当たった！。しかし全くダメージを受けない。



(ｾﾘﾅ『い…イビルソード!?。相手が全く殺せないし斬れない暗黒剣か!?。私を斬らない為にわざわざイビルソードを用意するとは……なら私も剣に刃が無いから存分に打ち合えるな』



よく見るとセリナの剣には刃が無く、練習用の剣だった。だがあんなのを頭とかに食らったら痛いじゃすまない！。セリナが剣を縦に落として来たからすぐに横に逃げてみたら足に何かが巻き付いてきた！



(ﾀﾞｸﾞ『のわぁぁぁ!?。尻尾は卑怯なりぃ！。』


(ｾﾘﾅ『なんだ？戦いでは色々体術はしても良いんだぞ？。せっかくだしチャンスを与えてやるからアイテムとかも使っても構わぬぞ？。さあこのピンチをどう乗り切る？』



ダグは急いで、もがきながら中身をまだ確認してない荷物から変な物を投げた。その瞬間にセリナが怯んだ。


(ｾﾘﾅ『お…お前…戦いの最中になんてものを投げるんだ!?』



それはいわゆるスケベ本だった。



(ﾀﾞｸﾞ『え……俺っちは子供だからわかんな〜い』


(ｾﾘﾅ『大人ではないか！』


相手が呆れてる隙に、また拾った荷物から何かを取り出す。宝石が黒い変な指輪が出てきたのでとりあえず装備してみた


(ﾀﾞｸﾞ『ズバシィィィィィ!!!!』


(ｾﾘﾅ『な、なにぃ!?。何が起こった!?』



思わずセリナは尻尾を離した。ダグは体に激痛が走って痺れていくので、急いで指輪をなんとか外す…。調べてみたらイビルリングという邪悪な力を秘めた指輪だった。また別のアイテムを取り出す。謎の折り畳みの虫取網と青い水掻きが出てきたので足に着けてみる


(ｾﾘﾅ『サハギンの真似か？。ここは陸だぞ…何を考えてる』

虫取り網に水掻き、ペタンペタンとぎこちない動きで非常に滑稽だ。次にアイテムを出したら緑のキノコが出てきたから食べてみる！。頭の上に何かが出た


(ﾀﾞｸﾞ『なんだぁ!?。今頭の上で1UPと出なかったか!?』


(ｾﾘﾅ『し…知らんわ！。一体なんなんだそれらは！』


(ﾀﾞｸﾞ『くそ〜！これも役立たないぜ。これはどうだ』



今度は飲み物が出てきた。



(ﾀﾞｸﾞ『怖いけど飲んでみる！』


ダグは体に寒気が襲った




(ｾﾘﾅ『なんだ…！？。動かなくなったぞ？』


ダグは病気で動けない


(ｾﾘﾅ『さっきから一体何が起きてるんだ!?。こいつは何者だ!?』


ダグは病気で動けない


(ｾﾘﾅ『お〜い』


ダグは病気で動けない


セリナは仕方がなく魔法で回復させてやるとダグは意識を取り戻した。


(ﾀﾞｸﾞ『うっわ〜…役立たねえアイテムばかりだなぁ。あ、動けない所を助けてくれてありがとな。だが俺っちは剣士じゃないぞ』


水掻きを外すダグ



(ｾﾘﾅ『お前は本当に剣士じゃないのは分かった…しかし試合が出来ないのは困ったな。せっかく戦いを楽しみにしてたのに…。ただ不思議なアイテム使った反応は笑えたけどね。良ければ……もう一度その剣で私と戦わないか？。先程は、いきなりで…すまなかった。今度はキチンと試合がしたい』


そしてしばらくしてから



(ﾀﾞｸﾞ『自己紹介遅れたが俺は、セコい野郎のダグっていう弱くて不運過ぎる本当に剣士じゃない奴だ。まあ負けるのは分かってるが、決闘じゃないしケガとか殺したりしない様に手加減頼むよ』


(ｾﾘﾅ『まあ…それくらいは大丈夫だ。殺しはしないから私の気が済むまで相手を頼む』


ダグが先制攻撃してイビルソードを、激しくブンブン振ると笑いながらセリナは避けていく


(ｾﾘﾅ『はは、本当に剣を使った事無いんだな。剣はこうして使うんだぞ』


セリナは綺麗な構えで水平斬りをするとダグは反り返って回避する。


(ﾀﾞｸﾞ『イナバウアァァァァ！』

更に回転斬りや、兜割りなどの多彩な剣技を繰り出してくる度にダグはギリギリだったが避けていく。


(ﾀﾞｸﾞ『わっわ、うわぁ！』


相変わらずダグの攻撃は当たらず笑われてしまうヘタレっぷりだ。しかし回避の動きだけが高いレベルなのでセリナは楽しくなっている


(ｾﾘﾅ『お前、かなり上手く身体を動かせるな。運動神経は抜群だね。だが剣をただ振るだけではダメだぞ。』


ダグはバットを振るように剣を強振させるがセリナは簡単に避ける。空振りになった剣に振り回されてバランスを崩しそうになるダグ。


(ﾀﾞｸﾞ『おわっとと！』


ガキィィィン!!
剣と剣がぶつかると凄まじい振動が来た。次に間合いをとってセリナは真っ直ぐに剣を突く！


(ﾀﾞｸﾞ『ぬわぁぁお!!』


ダグはジャンプして回避する。その瞬間にセリナの剣に乗ってしまってダグ本人も慌てている


(ｾﾘﾅ『え、えぇぇ!?』


予想外の行動にビックリしたのだろう。二人は凄い慌てようだ



(ﾀﾞｸﾞ『あ、危ねぇ……って、あうわぁ！！。剣に乗ってしまった』

(ｾﾘﾅ『く……流石だ…やはり動きだけはお前の勝ちのようだな。』


セリナは剣を踏まれて全く動けないようだ。そこにダグのイビルソードを向ける



(ｾﾘﾅ『沢山の剣技を習得してる私が……家族以外で初めて負けた…。』

(ﾀﾞｸﾞ『…というより、ハッキリ言って負けはどう考えても俺っちだろ。剣は最弱だしマイナスアイテムばかり、剣技は無し…回避だけしか出来ないからなぁ。考えてみたら攻撃力が無しって結構辛いな』



セリナは何か怪しい目でダグを見ていた。


(ﾀﾞｸﾞ『なんだぁ？。また戦いたいのか？。確か気が済むまでだったよな…体力が持つかは分からんが……え』


視界が反転した。押し倒された？。


(ﾀﾞｸﾞ『何をしてるんだ!?』


ダグの服を脱がしている。まさか…


(ｾﾘﾅ『よく私を倒した！。私達は試合で勝った強者と結婚する種族でな。それで試合を申し込み、勝てる相手を探していたんだ』


(ﾀﾞｸﾞ『待てよ…俺っちは攻撃力が全く無いぞ。回避しかしてないし』


(ｾﾘﾅ『あの剣が切れる物だったら？。いくら攻撃が下手でも勝てるはずだ。剣技を持たぬが動きでお前は私に勝ったのだ。素晴らしいと思うぞ』


そこで素早くスルリとダグは抜ける事に成功した。そして一目散に逃げ出す



(ｾﾘﾅ『あ！。待ちなさい！』


(ﾀﾞｸﾞ『待ちなさいって言われて待つ奴いるかよ！。悪いが俺っちより強くて良い男探せ！。じゃあな！』



後を追いかけるが…段々離れていく


(ｾﾘﾅ『あぁ……ダメ…追い付けない……』


ダグは素早い動きで逃げてついに振り切った。息が切れて地面に仰向けになったセリナはダグの服を持ちながらニヤけた。
それから3日たった


(ﾄﾞﾜｰﾌ『ダグ、相変わらず変なアイテム沢山持ってるね〜。でもイビルリングにイビルソード。水掻き…虫取り網…使い様によっては非常に便利な物だから高く買い取るわ。』


(ﾀﾞｸﾞ『マジか!?。ありがとよ！。じゃあ俺っちはこれで…』



ダグは自分の家に戻っていく…。いつもは物を拾ってるから家には中々帰らないが今回は疲労が限界まで来たので家でしばらく休もうと思った…。ゆっくり風呂に入って疲れを癒すと、もしあの時セリナから逃れることが出来なかったらと考えてみる。



(ﾀﾞｸﾞ『やべ、下半身のブツ立っちまった……しかし、あんな美人とは俺っちは釣り合わんな』


風呂から出たらベッドで寝るダグは次はどの場所で冒険者が魔物娘に拐われた際に置き去りにされた物を探そうか……考えながら寝た。


……セリナが自分と戦って勝った(？)時の場面、娘達がいてセリナと仲良くして愛し合う場面。……更に鞭で叩かれて喜んでるダグの姿。
あれ…？何か変だなっと思った時に目が覚めた！。

(ﾀﾞｸﾞ『ふぅ、夢だったか』

朝になっていたので背伸びして起き上がった瞬間良い匂いがしてきた…何だろう。台所からするが…行ってみよう


(ﾀﾞｸﾞ『変な夢見たな〜。正夢だったら困るなぁ。あ…』


台所にはセリナ


(ｾﾘﾅ『おはよう貴方。朝食そろそろ出来るわよ』


セリナが裸エプロンで朝食を作ってた。まさか…



(ﾀﾞｸﾞ『あの〜…どうしてここに？』


(ｾﾘﾅ『私から絶対逃がさないわよ。魔法で一時的に嗅覚を強化して貴方の服の臭いを頼りにして来たの。そしてドワーフの店で売られてる物は貴方が持ってたマイナスアイテム。あれを見つけてドワーフさんに家を聞いたの』


(ﾀﾞｸﾞ『あれを頼りに来たのかよ。ご苦労なこった。だけどよ〜、俺っちより他の良い男探せば…』


(ｾﾘﾅ『ふふ……実は他の男は私を倒せなかったのよ。貴方を探す道中で試しに試合を申し込んでみたけど結局弱くてね。戦いは一瞬で決まるからつまらない……やっぱり貴方との戦いは最高だったわ』


(ﾀﾞｸﾞ『ふ〜ん…そうかぁ〜。じゃあ俺っちはこれで…』


セリナがスープを口に含んでダグを掴んで口移ししてきた！。
こ、これは…美味しい…



(ﾀﾞｸﾞ『ん！んん……ゴク！。な、何するんだよ！』

(ｾﾘﾅ『朝ごはんだよ…』



セリナは泣きそうな感じで見つめてきた。何だろう…よく分からない感情で胸が張り裂けそうな気持ちになってきた。


(ｾﾘﾅ『私の様な女じゃ……ダメ？』


うわぁぁぁぁ！。
これは卑怯なり！。
涙目で上目遣い…ダグの弱点だ。こんなのでお願いされたら…

■作者メッセージ
一部のセリフやアイテムを知ってたらゲーマー(かもしれない)しかし魔物娘の裸エプロン良いなぁ