動く石像と堕ちた少年
びり、と電流が走ったような感覚だった。
埃やクモの巣に溢れ帰った小さな古城跡。古城といってもその大半は崩れ去り、ほとんど瓦礫と化している。そんな場所で少年は今、性の目覚めを実感した。今までぼんやりと感じていた女体への気恥ずかい興味が、雄としての性へと昇華された。
誰しも通る道であるが、彼の場合は状況が少し変わっていた。
少年は古城の跡地を通りかかった。ぽつぽつと雨が降り始めていたので、いい寝床になるだろうと瓦礫の中に足を踏み入れ、かろうじて余風がしのげる場所を見つけた。そこでふと見かけた石像。その石像を見て性の目覚めを迎えてしまったのだ。しかもその石像は翼や尾、角や鋭い爪が生えた魔物の像だった。
だが、翼などが生えていることを除けばその石像はあまりにも扇情的であった。大きな街でもそうは見かけないような整った顔立ちに加えて、豊満な裸体が惜し気もなく少年の眼前に晒されている。そのことを考えれば少年がその像を性的な目でみてしまったことは無理からぬことである。
少年は胸の高鳴りと体中の熱を感じながら、その石像へと歩み寄った。
「……っ」
少年は辺りに誰もいないことを確認してから、その石像にそっと触れた。滑らかな感触は石そのものであったが、性へ目覚めたばかりの少年は、裸体をかたどったものに触れているだけで全身を熱く火照らせた。少年はまばたきするのも忘れ、石像の体に手をあて続けた。
初めは荷物を背負ったまま遠慮がちに触れるだけだったが、彼はすぐに荷物を冷たい床へおろし、石像へまた手を触れさせた。ひやりと冷たかった石像の体は、少年が触れた部分が彼の体温であたたまっていた。少年はまるでその部分が柔くなるような錯覚にとらわれ、それがまた彼の性を煽った。股間は既に膨れ上がりズボンを押し上げ、ぬるついた先走りが下着を濡らしていた。
遠慮がちに石像の体を撫でるだけだった少年の手が、ついに乳房へと向かった。再び固い感触が手のひらに伝わる——と、少年はそう思っていた。しかし、少年の指は石像の乳房に沈み込み、柔らかな感触を伝えてきた。
「えっちな子ね……♥」
「……えっ!?」
石像と目があった。少年は驚き体勢を崩して倒れそうになったが、石像は——ガーゴイルはそっと手を差しのべて彼を抱き止め、寝かせ、すぐさま少年のズボンを引きおろした。少年の張り詰め、先走りに濡れたモノがガーゴイルの眼前に晒される。
「私を触っただけでこんなにしちゃったのかしら?」
「うあっ、あ……?」
ガーゴイルは優しく少年のモノを掴むと、うっとりとした声をあげた。
「はあ……熱くて固い……♥」
「なに、これ……っ、おちんちんが……っ!」
「ふふ、勃起したこともないの?」
ガーゴイルは目を細めると、少年に覆いかぶさり、固いモノを自分の秘部に導くように近づけた。何をされるか分からない少年は目に涙を浮かべながら、腰を左右に振って逃げようとした。
「ひぁ、何……っ?」
「大丈夫、とっても気持ちいいから……♥」
ガーゴイルは少年を落ち着かせるように優しい声を出すと、少年を抱き抱えるようにした。ちょうど少年の顔がガーゴイルの乳房に挟まれるような体勢になった。少年は顔を覆う柔らかな感触と、魔物の強い雌の香りに体の力が抜けるのを感じた。
少年が大人しくなると、ガーゴイルは自分の秘部に少年の先端をあてがった。ガーゴイルも何時ぶりか分からない男根の熱さに興奮し、彼女の秘部は既に濡れ始めていた。
ガーゴイルが目を閉じ、ゆっくりと腰を落とすと、少年の小さなモノは簡単に根本まで彼女の秘部に飲み込まれた。小さいがしっかりと熱く固いモノの感触を中から感じ、ガーゴイルは目を開けて息を吐いた。
「ふぅっ…ん……♥」
「あっ、うぅ……?」
「どうかしら、私の中……♥」
少年はガーゴイルの言っている意味が分からず彼女の下腹部に目をやった。少年のモノは彼女の付け根部分としっかりと繋がっていた。彼女と繋がっていることを視認した途端、少年は自分のモノを包む柔くぬるつい感触を実感した。
「あっ、なにっ、あぁっ……!」
「もう出ちゃいそう?いいわ、沢山だして?」
「なんか、きちゃ……あああっ——!」
少年が腰を震わせると、ガーゴイルは恍惚の表情を浮かべて熱い精が放たれるのを待った。少年は彼女の体にしがみつき、脳髄からあふれ出るような絶頂の快楽を味わい、それと同時に下腹部に何かが詰まっているような苦しさを感じた。
「あっ、ふあっ、あああっ……」
「……あら?」
彼は射精には至らなかった。彼の小さなモノはガーゴイルの膣内でぴくぴくと激しく痙攣するのみで、白濁した液体は一滴もでていなかった。彼女は不思議そうに首をかしげたまま、ゆっくりと腰を振り始めた。精の快楽が限界まで高まっているモノを柔い膣肉で扱かれ、少年はガーゴイルの体の下でもがく様に喘いだ。
「あっ、ひああっ!」
「この子、まだ出せないのね……」
「やっ、ああっ、んああっ!」
「でも、やっと捕まえた獲物だもの。出るまでシてあげるわ……」
「あっ、やめ……むぐっ!」
ガーゴイルは少年の顔に胸を押し付けて黙らせると、激しく腰を振り始めた。少年の先走りと彼女の愛液が結合部で混ざりあい、ぐちゅぐちゅと淫猥な水音が、暗く静かな古城跡に響き渡る。
「ほら、出して♥」
「むぐ、んむ……っ」
「頑張って、ほら、出すの♥」
「んむ、んっ、んんっ」
「あ、またぴくぴくしてきたわね。出そう?」
少年は再び訪れようとしている強い快楽への恐怖から逃れようとしたが、ガーゴイルの体を押し返せるはずもなく、かえって彼女の肉感が全身に伝わり、さらなる性感へと繋がってしまった。
少年の抵抗を受け、ガーゴイルはさらに激しく腰を打ち付け始めた。彼女にしてみても久々の獲物を逃がすわけにはいかない。ガーゴイルは柔らかくぬめった秘肉をぎゅうっと締め上げ腰を打ち付け、少年を責め立てる。
「逃がさない♥」
「んあっ……ああっ!!」
「ほら、出しなさい……あっ、出して……♥」
「や、あぁ……!!」
少年の視界はチカチカと瞬き始め、体の底から快楽が押し寄せてくる。少年の体はどこもかしこも熱を持ち、その熱が少年の精を塞ぐ何かを少しづつ溶かしていく。
「あっ、なに、あっ、おしっこ、出ちゃう……」
「ほんと?がんばって、ほら、ほらぁ♥」
「あっ!ひあ……ッ!」
「ちょうだい♥あなたの熱いの♥ちょうだい♥」
「あっ、だめっ!出ちゃ、う……」
「出して、出してえ……♥」
「あっ、だめ……ああっ!」
ガーゴイルの膣内で、とろりと少年の先端から一滴の白濁がこぼれ出た。ほんのわずかだが感じられた精にガーゴイルは口の端を上げて笑った。
「あっ…ううっ……」
「こんなんじゃ満足できない……のっ♥」
ガーゴイルは笑みを浮かべたまま腰を持ち上げ、一息に打ち付けた。少年のモノはきつくまとわりつく柔肉に、一気に扱き抜かれた。
「ひぐっ……あああああああっ!!??♥♥♥」
少年は腰を跳ね上げ、初めて射精した。
抑え込まれていた精はどくどくと溢れ出し、ガーゴイルの一番奥にまで達した。ガーゴイルは笑みを浮かべた顔をとろけさせ、腰を小刻みに動かして余韻を楽しんだ。少年もまた、大きく柔らかいガーゴイルの谷間に顔を埋めながら、腰をガクガクと震わせて初めての射精の快感に酔いしれていた。
「あう、あああ……♥」
「たくさん出たわね、ありがと♥」
「あ、ふあぁ……♥」
「新鮮でとっても美味しい……♥」
ガーゴイルそうそう言うと繋がったまま少年をぎゅっと抱き締めた。彼女の膣肉も柔く優しく、きゅうきゅうと少年のモノに吸い付き、少年の中に残された精をすすり取った。
「あっ、きもち、い……♥」
「そうでしょ?もっと気持ちよくしてあげたいけど、時間切れね……」
ガーゴイルの体は下半身から少しずつ石へと変わっていくが、射精の余韻に浸る少年はそのことに気が付かなかった。ガーゴイルは自分の胸に埋まった少年の顔を優しく撫でた。少年が顔を上げるとガーゴイルは笑みを浮かべ、そして二人は一つの石像と化した。
◇
体の輪郭がぼやけ、心地よいまどろみの中にいるようだ。
少年はガーゴイルとつながったままそんな感覚にとらわれていた。
少年のぼやけた視界にはほほ笑む美しいガーゴイルが見える。そんな中、下腹部からじんわりと快楽の熱が少年の体に広がっていく。じわじわと広がっていく熱に、少年は今すぐに射精の快楽が欲しいと願った。だが、石になった体を動かすことはできず、視界に映るガーゴイルの微笑みのような甘く優しい温かさが与えられるだけだった。
美しく豊満な女体が覆いかぶさり、自身を受け入れてくれているにもかかわらず、腰を動かすことができない。初めての射精の快楽の後に与えられたもどかしく焦らされるような甘い快楽。
快楽だけでなく、ガーゴイルの思考も少年に与え続けられる。少年に沢山性の快感を与えたい、そして沢山精を放ってほしい。爛れて淫らな思考ではあったが、それは少年を強く求めるものであり、それがもどかしく甘い快楽と混ざり合い、少年の脳を焼いていく。
古城跡を陽の光が照らすころには少年はガーゴイルに恋慕の情を抱く様になっていた。そしてそれはガーゴイルに伝わり、彼女がそれを受け入れたことが少年に伝わった。日が傾くころには互いが互いを好きで好きでたまらなくなっていた。外が暗くなり始めたころには、少年は射精のことしか考えられなくなっていた。
◇
体の石化が解けて動けるようになった途端、少年はガーゴイルへ腰を打ち付けた。ガーゴイルも待ちわびたその時が訪れた事に酔いしれ、少年の動きに合わせて腰を揺さぶった。
「あんっ!いきなり激しぃ……♥」
「あっ♥お姉さんっ!お姉さんっ!♥」
「あんっ♥あっ♥んふふ……なあに?」
「きもち、きもちいいよお♥」
「そお……じゃあ、あんっ♥もっともっと気持ちよくなりなさい♥」
「うんっうんっ♥気持ちよくなりたいよお!♥」
「沢山気持ちよくなって、沢山出してね……ああんっ♥」
ガーゴイルが体を反らし喘ぐと大きな乳房が弾み、少年の視覚を犯した。ぱちぱちと肌が触れ合う音が響き、二人の汗の匂いが広がる。少年が何度も何度も腰を打ち付けると、秘肉がギュッギュッと少年のモノを搾るように扱きあげる。
「ああっ出るっでちゃうぅ……!♥」
「ああんっ、出して、濃いのいっぱいちょうだいっ♥」
1分も経たずに少年は射精した。ガーゴイルに抱きつき、大きな乳房に埋もれながらびゅるびゅると精で彼女の中を満たしていく。ガーゴイルも精液を受け止めながら少年の頭を撫でながら、与えられた快感にだらしなく口を歪めて笑った。
「あっ、ああ……♥」
「はあ……たくさん……♥」
「おねえ、さん……っ♥」
「そうよ、まだまだ出していいの♥」
ほぼ丸一日性感を高められ続けた少年は、一度の射精で満足することは無かった。少年は高ぶる性そのままに再び腰を打ち付け始める。少年は汗に濡れ、目の前で震える大きな乳房の先端を口に含んだ。ガーゴイルは突然与えられた別種の快感に顔を反らせた。
「ああんっ♥」
「はむ、んんっ」
「もお、本当にやらしい子……♥」
少年が乳首を舌で舐めあげ口にふくんで吸い付くと、ガーゴイルの秘部はきゅうきゅうと締め上がった。しっとりと湿ったガーゴイルの乳房の、発情した味と匂いで少年のモノは更に硬く膨らんだ。
「んむ、ちゅううっ……」
「あんっ、もう、かわいい……♥」
「ぷあ、おねえさ、お姉さん……っ♥」
「ふふ、おっぱい好き?」
「すきっ♥お姉さんもすきぃ……♥」
「私も沢山出してくれる子、大好きよ♥」
そう言いながら、ガーゴイルは両膝を立てて少年の腹部に手を置き、激しく腰を揺さぶった。ガーゴイルは既に少年の感じる部分を探り当て、動きを調整をしながら責め立てる。
「あっ、あああっ、きもちいい……♥」
「キミはたくさん出してくれるわよね?」
「出すっ、たくさん出すぅ……♥」
「ああん、素直でかわいい……♥」
目の前でガーゴイルの大きな乳房が揺れる度、魔物の雌の匂いが少年の脳まで充満し、ぱちゅぱちゅと響く淫靡な水音が少年の聴覚を犯し、秘肉がぎゅうぎゅうと少年のモノを締め上げる。だらしなく口を開け、涙を流しがなら快楽にとろける少年の顔を、ガーゴイルは息を荒らげながら見下ろしている。
「ああっ♥お姉さん!ひあっ♥出ちゃう♥」
「いいわ、いっぱい精子出し、てっ……♥」
「ひっ、あ——!」
ガーゴイルは腰を一瞬とめ、それから一気に腰を落とした。ぬるついた熱い肉穴が根元まで深く刺さり、少年の頭の中は真っ白になった。少年は短く高い喘ぎ声を出して腰を浮かせ、二度目の射精をした。
「ふぁ、ああう……♥」
「ああっ、精子ぃ♥あったかあい……♥」
焦点の定まらない蕩けた顔で射精を続ける少年を、ガーゴイルは満足げに見下ろした。
「たくさん出してくれて嬉しいわ♥」
「はあ、あ…んむ……っ♥」
ガーゴイルは少年に口付けをした。快楽にとろけ半開きになった少年の口内に舌を滑り込ませ、少年の小さな舌を絡めとった。
「んむ、ちゅっ、ちゅむっ……♥」
「ふぁあ、あむ、んんんっ……♥」
ガーゴイルは少年と深く愛情のこもった口づけを続けながら、腰を前後に動かし始めた。愛液と精液でぬめった膣肉が、にゅるにゅると少年のモノにこすりつけられる。にゅるり、にゅるりと快楽を与えられ、少年のモノはすぐに硬さを取り戻した。
「ちゅむ、んっ、ちゅううっ……♥」
「はむ、んんっ、ぷあ、おねえさっ……♥」
少年はガーゴイルの汗にまみれた体に抱き着き、また腰を打ち付け始めた。少年が動き始めるとガーゴイルは更に深く舌をからませ、腰を押し付け、少年のモノをより深くに感じた。
「んむ、すきっ、ちゅう、おねえさんすきぃ……♥」
「はむ、んっ、私もよ♥んむ、ちゅ♥だらか、ちゅうぅ、ちゅ♥大好きなお姉さんで気持ちよくなりなさい♥」
「ちゅっ、れる、ふあっ♥出したい、出したいよお……♥」
「何度でも出しなさい、んむ、んんっ、わたしもたくさん欲しいの♥」
「あうっ、んむうっ♥出る、んんっ、おねえ、さ……でちゃ……ッ♥」
「れろ、ちゅむ、んっ、んんっ〜〜〜〜〜ッ♥♥♥」
自身の奥深くに精を放たれ、ガーゴイルは口を合わせたまま快感に震えた。どくどくと放たれる三度目の精は彼女の子宮を満たし、膣内まであふれ出て彼女の魔力を充足していく。
「はぁ、んんっ、ふあ……んむっ!」
「んっ♥んっ♥んっ♥んっ♥」
ガーゴイルはほんの少しだけその充足感に浸るとすぐに、少年の小さな唇に自分の唇を押し付け、舌を差し込み、腰を上下に揺さぶった。汗で濡れそぼった肌が打ち合わさり、愛液と精液が混ざり合い、雄と雌の匂いが充満した中で二人は交わりを続けた。
少年は何度も、何度も射精した。そして夜が終わると二人は石となり、日が暮れるまで愛を伝え合い、性の快感を高め合った。少年が射精する度に石になる時間は短くなり、ガーゴイルは長く動いていられるようになる。少年のとめどなく溢れる若い精はガーゴイルの魔力を十分に満たし、一日中動けるようにまでそう時間はかからなかった。
だが、動けるようになってもあまり意味はなかった。ガーゴイルは少年の上から決してどかずに腰を振り続け、少年も彼女の下で喘ぎ精を放つだけだからだ。眠るときに石ではなく生身になった、それだけであった。
ガーゴイルが元居た場所には、誰もいない台座だけが残された。
◇
とある日の深夜、旅人が瓦礫まみれの古城跡にたどり着いた。彼は一息入れようと医師に腰掛けた。その石は、ガーゴイルが乗っていた台座だった。旅人はそうとは気が付かずに水筒を開け、一口飲もうと口をつけたその時だった。
どこからから妙な水音と小さくうめくような声が聞こえた。旅人は誰かいるのかと声を挙げたが返事はなく、ただ水音とうめき、そして肉を打つような音が聞こえるだけだった。
旅人は恐ろしくなりその場から逃げ出した。そのうちにあそこの古城跡は化け物が住んでいる、とうわさになり、やがて誰も訪れることは無くなった。
そこに住まう夫婦は誰を気にすることなく、毎日快楽に溺れる日々を手に入れた。
「あぅ、ああ……っ♥」
「もっともっと気持ちよくなって……♥」
「あ、うぅ……っ!♥」
少年は何度目かもわからない射精をした。体を反らせ、快感に小刻みに体を震わせる。またがるガーゴイルも愛する者の精を注がれ、体を縮こまらせて少年と同じように快感に身をふるわせた。
射精を終え、だらりと体を弛緩させる少年だったが彼女がまたゆっくりと腰を動かし始めると、少年はまた自身のモノを硬くして大きな喘ぎ声をあげはじめる。二人はぎゅっと手を握り合い、お互いの一番気持ちのいい場所を擦り付け合う。
「あうっ♥ああっ♥ひあぁあっ♥」
「もっと出して♥出して出して♥」
快楽にとろけきった様子で喘ぐ少年を見下ろし、ガーゴイルも少年と同じようにとろけた笑みを浮かべた。
「もう離さないからね、私の旦那様……♥」
埃やクモの巣に溢れ帰った小さな古城跡。古城といってもその大半は崩れ去り、ほとんど瓦礫と化している。そんな場所で少年は今、性の目覚めを実感した。今までぼんやりと感じていた女体への気恥ずかい興味が、雄としての性へと昇華された。
誰しも通る道であるが、彼の場合は状況が少し変わっていた。
少年は古城の跡地を通りかかった。ぽつぽつと雨が降り始めていたので、いい寝床になるだろうと瓦礫の中に足を踏み入れ、かろうじて余風がしのげる場所を見つけた。そこでふと見かけた石像。その石像を見て性の目覚めを迎えてしまったのだ。しかもその石像は翼や尾、角や鋭い爪が生えた魔物の像だった。
だが、翼などが生えていることを除けばその石像はあまりにも扇情的であった。大きな街でもそうは見かけないような整った顔立ちに加えて、豊満な裸体が惜し気もなく少年の眼前に晒されている。そのことを考えれば少年がその像を性的な目でみてしまったことは無理からぬことである。
少年は胸の高鳴りと体中の熱を感じながら、その石像へと歩み寄った。
「……っ」
少年は辺りに誰もいないことを確認してから、その石像にそっと触れた。滑らかな感触は石そのものであったが、性へ目覚めたばかりの少年は、裸体をかたどったものに触れているだけで全身を熱く火照らせた。少年はまばたきするのも忘れ、石像の体に手をあて続けた。
初めは荷物を背負ったまま遠慮がちに触れるだけだったが、彼はすぐに荷物を冷たい床へおろし、石像へまた手を触れさせた。ひやりと冷たかった石像の体は、少年が触れた部分が彼の体温であたたまっていた。少年はまるでその部分が柔くなるような錯覚にとらわれ、それがまた彼の性を煽った。股間は既に膨れ上がりズボンを押し上げ、ぬるついた先走りが下着を濡らしていた。
遠慮がちに石像の体を撫でるだけだった少年の手が、ついに乳房へと向かった。再び固い感触が手のひらに伝わる——と、少年はそう思っていた。しかし、少年の指は石像の乳房に沈み込み、柔らかな感触を伝えてきた。
「えっちな子ね……♥」
「……えっ!?」
石像と目があった。少年は驚き体勢を崩して倒れそうになったが、石像は——ガーゴイルはそっと手を差しのべて彼を抱き止め、寝かせ、すぐさま少年のズボンを引きおろした。少年の張り詰め、先走りに濡れたモノがガーゴイルの眼前に晒される。
「私を触っただけでこんなにしちゃったのかしら?」
「うあっ、あ……?」
ガーゴイルは優しく少年のモノを掴むと、うっとりとした声をあげた。
「はあ……熱くて固い……♥」
「なに、これ……っ、おちんちんが……っ!」
「ふふ、勃起したこともないの?」
ガーゴイルは目を細めると、少年に覆いかぶさり、固いモノを自分の秘部に導くように近づけた。何をされるか分からない少年は目に涙を浮かべながら、腰を左右に振って逃げようとした。
「ひぁ、何……っ?」
「大丈夫、とっても気持ちいいから……♥」
ガーゴイルは少年を落ち着かせるように優しい声を出すと、少年を抱き抱えるようにした。ちょうど少年の顔がガーゴイルの乳房に挟まれるような体勢になった。少年は顔を覆う柔らかな感触と、魔物の強い雌の香りに体の力が抜けるのを感じた。
少年が大人しくなると、ガーゴイルは自分の秘部に少年の先端をあてがった。ガーゴイルも何時ぶりか分からない男根の熱さに興奮し、彼女の秘部は既に濡れ始めていた。
ガーゴイルが目を閉じ、ゆっくりと腰を落とすと、少年の小さなモノは簡単に根本まで彼女の秘部に飲み込まれた。小さいがしっかりと熱く固いモノの感触を中から感じ、ガーゴイルは目を開けて息を吐いた。
「ふぅっ…ん……♥」
「あっ、うぅ……?」
「どうかしら、私の中……♥」
少年はガーゴイルの言っている意味が分からず彼女の下腹部に目をやった。少年のモノは彼女の付け根部分としっかりと繋がっていた。彼女と繋がっていることを視認した途端、少年は自分のモノを包む柔くぬるつい感触を実感した。
「あっ、なにっ、あぁっ……!」
「もう出ちゃいそう?いいわ、沢山だして?」
「なんか、きちゃ……あああっ——!」
少年が腰を震わせると、ガーゴイルは恍惚の表情を浮かべて熱い精が放たれるのを待った。少年は彼女の体にしがみつき、脳髄からあふれ出るような絶頂の快楽を味わい、それと同時に下腹部に何かが詰まっているような苦しさを感じた。
「あっ、ふあっ、あああっ……」
「……あら?」
彼は射精には至らなかった。彼の小さなモノはガーゴイルの膣内でぴくぴくと激しく痙攣するのみで、白濁した液体は一滴もでていなかった。彼女は不思議そうに首をかしげたまま、ゆっくりと腰を振り始めた。精の快楽が限界まで高まっているモノを柔い膣肉で扱かれ、少年はガーゴイルの体の下でもがく様に喘いだ。
「あっ、ひああっ!」
「この子、まだ出せないのね……」
「やっ、ああっ、んああっ!」
「でも、やっと捕まえた獲物だもの。出るまでシてあげるわ……」
「あっ、やめ……むぐっ!」
ガーゴイルは少年の顔に胸を押し付けて黙らせると、激しく腰を振り始めた。少年の先走りと彼女の愛液が結合部で混ざりあい、ぐちゅぐちゅと淫猥な水音が、暗く静かな古城跡に響き渡る。
「ほら、出して♥」
「むぐ、んむ……っ」
「頑張って、ほら、出すの♥」
「んむ、んっ、んんっ」
「あ、またぴくぴくしてきたわね。出そう?」
少年は再び訪れようとしている強い快楽への恐怖から逃れようとしたが、ガーゴイルの体を押し返せるはずもなく、かえって彼女の肉感が全身に伝わり、さらなる性感へと繋がってしまった。
少年の抵抗を受け、ガーゴイルはさらに激しく腰を打ち付け始めた。彼女にしてみても久々の獲物を逃がすわけにはいかない。ガーゴイルは柔らかくぬめった秘肉をぎゅうっと締め上げ腰を打ち付け、少年を責め立てる。
「逃がさない♥」
「んあっ……ああっ!!」
「ほら、出しなさい……あっ、出して……♥」
「や、あぁ……!!」
少年の視界はチカチカと瞬き始め、体の底から快楽が押し寄せてくる。少年の体はどこもかしこも熱を持ち、その熱が少年の精を塞ぐ何かを少しづつ溶かしていく。
「あっ、なに、あっ、おしっこ、出ちゃう……」
「ほんと?がんばって、ほら、ほらぁ♥」
「あっ!ひあ……ッ!」
「ちょうだい♥あなたの熱いの♥ちょうだい♥」
「あっ、だめっ!出ちゃ、う……」
「出して、出してえ……♥」
「あっ、だめ……ああっ!」
ガーゴイルの膣内で、とろりと少年の先端から一滴の白濁がこぼれ出た。ほんのわずかだが感じられた精にガーゴイルは口の端を上げて笑った。
「あっ…ううっ……」
「こんなんじゃ満足できない……のっ♥」
ガーゴイルは笑みを浮かべたまま腰を持ち上げ、一息に打ち付けた。少年のモノはきつくまとわりつく柔肉に、一気に扱き抜かれた。
「ひぐっ……あああああああっ!!??♥♥♥」
少年は腰を跳ね上げ、初めて射精した。
抑え込まれていた精はどくどくと溢れ出し、ガーゴイルの一番奥にまで達した。ガーゴイルは笑みを浮かべた顔をとろけさせ、腰を小刻みに動かして余韻を楽しんだ。少年もまた、大きく柔らかいガーゴイルの谷間に顔を埋めながら、腰をガクガクと震わせて初めての射精の快感に酔いしれていた。
「あう、あああ……♥」
「たくさん出たわね、ありがと♥」
「あ、ふあぁ……♥」
「新鮮でとっても美味しい……♥」
ガーゴイルそうそう言うと繋がったまま少年をぎゅっと抱き締めた。彼女の膣肉も柔く優しく、きゅうきゅうと少年のモノに吸い付き、少年の中に残された精をすすり取った。
「あっ、きもち、い……♥」
「そうでしょ?もっと気持ちよくしてあげたいけど、時間切れね……」
ガーゴイルの体は下半身から少しずつ石へと変わっていくが、射精の余韻に浸る少年はそのことに気が付かなかった。ガーゴイルは自分の胸に埋まった少年の顔を優しく撫でた。少年が顔を上げるとガーゴイルは笑みを浮かべ、そして二人は一つの石像と化した。
◇
体の輪郭がぼやけ、心地よいまどろみの中にいるようだ。
少年はガーゴイルとつながったままそんな感覚にとらわれていた。
少年のぼやけた視界にはほほ笑む美しいガーゴイルが見える。そんな中、下腹部からじんわりと快楽の熱が少年の体に広がっていく。じわじわと広がっていく熱に、少年は今すぐに射精の快楽が欲しいと願った。だが、石になった体を動かすことはできず、視界に映るガーゴイルの微笑みのような甘く優しい温かさが与えられるだけだった。
美しく豊満な女体が覆いかぶさり、自身を受け入れてくれているにもかかわらず、腰を動かすことができない。初めての射精の快楽の後に与えられたもどかしく焦らされるような甘い快楽。
快楽だけでなく、ガーゴイルの思考も少年に与え続けられる。少年に沢山性の快感を与えたい、そして沢山精を放ってほしい。爛れて淫らな思考ではあったが、それは少年を強く求めるものであり、それがもどかしく甘い快楽と混ざり合い、少年の脳を焼いていく。
古城跡を陽の光が照らすころには少年はガーゴイルに恋慕の情を抱く様になっていた。そしてそれはガーゴイルに伝わり、彼女がそれを受け入れたことが少年に伝わった。日が傾くころには互いが互いを好きで好きでたまらなくなっていた。外が暗くなり始めたころには、少年は射精のことしか考えられなくなっていた。
◇
体の石化が解けて動けるようになった途端、少年はガーゴイルへ腰を打ち付けた。ガーゴイルも待ちわびたその時が訪れた事に酔いしれ、少年の動きに合わせて腰を揺さぶった。
「あんっ!いきなり激しぃ……♥」
「あっ♥お姉さんっ!お姉さんっ!♥」
「あんっ♥あっ♥んふふ……なあに?」
「きもち、きもちいいよお♥」
「そお……じゃあ、あんっ♥もっともっと気持ちよくなりなさい♥」
「うんっうんっ♥気持ちよくなりたいよお!♥」
「沢山気持ちよくなって、沢山出してね……ああんっ♥」
ガーゴイルが体を反らし喘ぐと大きな乳房が弾み、少年の視覚を犯した。ぱちぱちと肌が触れ合う音が響き、二人の汗の匂いが広がる。少年が何度も何度も腰を打ち付けると、秘肉がギュッギュッと少年のモノを搾るように扱きあげる。
「ああっ出るっでちゃうぅ……!♥」
「ああんっ、出して、濃いのいっぱいちょうだいっ♥」
1分も経たずに少年は射精した。ガーゴイルに抱きつき、大きな乳房に埋もれながらびゅるびゅると精で彼女の中を満たしていく。ガーゴイルも精液を受け止めながら少年の頭を撫でながら、与えられた快感にだらしなく口を歪めて笑った。
「あっ、ああ……♥」
「はあ……たくさん……♥」
「おねえ、さん……っ♥」
「そうよ、まだまだ出していいの♥」
ほぼ丸一日性感を高められ続けた少年は、一度の射精で満足することは無かった。少年は高ぶる性そのままに再び腰を打ち付け始める。少年は汗に濡れ、目の前で震える大きな乳房の先端を口に含んだ。ガーゴイルは突然与えられた別種の快感に顔を反らせた。
「ああんっ♥」
「はむ、んんっ」
「もお、本当にやらしい子……♥」
少年が乳首を舌で舐めあげ口にふくんで吸い付くと、ガーゴイルの秘部はきゅうきゅうと締め上がった。しっとりと湿ったガーゴイルの乳房の、発情した味と匂いで少年のモノは更に硬く膨らんだ。
「んむ、ちゅううっ……」
「あんっ、もう、かわいい……♥」
「ぷあ、おねえさ、お姉さん……っ♥」
「ふふ、おっぱい好き?」
「すきっ♥お姉さんもすきぃ……♥」
「私も沢山出してくれる子、大好きよ♥」
そう言いながら、ガーゴイルは両膝を立てて少年の腹部に手を置き、激しく腰を揺さぶった。ガーゴイルは既に少年の感じる部分を探り当て、動きを調整をしながら責め立てる。
「あっ、あああっ、きもちいい……♥」
「キミはたくさん出してくれるわよね?」
「出すっ、たくさん出すぅ……♥」
「ああん、素直でかわいい……♥」
目の前でガーゴイルの大きな乳房が揺れる度、魔物の雌の匂いが少年の脳まで充満し、ぱちゅぱちゅと響く淫靡な水音が少年の聴覚を犯し、秘肉がぎゅうぎゅうと少年のモノを締め上げる。だらしなく口を開け、涙を流しがなら快楽にとろける少年の顔を、ガーゴイルは息を荒らげながら見下ろしている。
「ああっ♥お姉さん!ひあっ♥出ちゃう♥」
「いいわ、いっぱい精子出し、てっ……♥」
「ひっ、あ——!」
ガーゴイルは腰を一瞬とめ、それから一気に腰を落とした。ぬるついた熱い肉穴が根元まで深く刺さり、少年の頭の中は真っ白になった。少年は短く高い喘ぎ声を出して腰を浮かせ、二度目の射精をした。
「ふぁ、ああう……♥」
「ああっ、精子ぃ♥あったかあい……♥」
焦点の定まらない蕩けた顔で射精を続ける少年を、ガーゴイルは満足げに見下ろした。
「たくさん出してくれて嬉しいわ♥」
「はあ、あ…んむ……っ♥」
ガーゴイルは少年に口付けをした。快楽にとろけ半開きになった少年の口内に舌を滑り込ませ、少年の小さな舌を絡めとった。
「んむ、ちゅっ、ちゅむっ……♥」
「ふぁあ、あむ、んんんっ……♥」
ガーゴイルは少年と深く愛情のこもった口づけを続けながら、腰を前後に動かし始めた。愛液と精液でぬめった膣肉が、にゅるにゅると少年のモノにこすりつけられる。にゅるり、にゅるりと快楽を与えられ、少年のモノはすぐに硬さを取り戻した。
「ちゅむ、んっ、ちゅううっ……♥」
「はむ、んんっ、ぷあ、おねえさっ……♥」
少年はガーゴイルの汗にまみれた体に抱き着き、また腰を打ち付け始めた。少年が動き始めるとガーゴイルは更に深く舌をからませ、腰を押し付け、少年のモノをより深くに感じた。
「んむ、すきっ、ちゅう、おねえさんすきぃ……♥」
「はむ、んっ、私もよ♥んむ、ちゅ♥だらか、ちゅうぅ、ちゅ♥大好きなお姉さんで気持ちよくなりなさい♥」
「ちゅっ、れる、ふあっ♥出したい、出したいよお……♥」
「何度でも出しなさい、んむ、んんっ、わたしもたくさん欲しいの♥」
「あうっ、んむうっ♥出る、んんっ、おねえ、さ……でちゃ……ッ♥」
「れろ、ちゅむ、んっ、んんっ〜〜〜〜〜ッ♥♥♥」
自身の奥深くに精を放たれ、ガーゴイルは口を合わせたまま快感に震えた。どくどくと放たれる三度目の精は彼女の子宮を満たし、膣内まであふれ出て彼女の魔力を充足していく。
「はぁ、んんっ、ふあ……んむっ!」
「んっ♥んっ♥んっ♥んっ♥」
ガーゴイルはほんの少しだけその充足感に浸るとすぐに、少年の小さな唇に自分の唇を押し付け、舌を差し込み、腰を上下に揺さぶった。汗で濡れそぼった肌が打ち合わさり、愛液と精液が混ざり合い、雄と雌の匂いが充満した中で二人は交わりを続けた。
少年は何度も、何度も射精した。そして夜が終わると二人は石となり、日が暮れるまで愛を伝え合い、性の快感を高め合った。少年が射精する度に石になる時間は短くなり、ガーゴイルは長く動いていられるようになる。少年のとめどなく溢れる若い精はガーゴイルの魔力を十分に満たし、一日中動けるようにまでそう時間はかからなかった。
だが、動けるようになってもあまり意味はなかった。ガーゴイルは少年の上から決してどかずに腰を振り続け、少年も彼女の下で喘ぎ精を放つだけだからだ。眠るときに石ではなく生身になった、それだけであった。
ガーゴイルが元居た場所には、誰もいない台座だけが残された。
◇
とある日の深夜、旅人が瓦礫まみれの古城跡にたどり着いた。彼は一息入れようと医師に腰掛けた。その石は、ガーゴイルが乗っていた台座だった。旅人はそうとは気が付かずに水筒を開け、一口飲もうと口をつけたその時だった。
どこからから妙な水音と小さくうめくような声が聞こえた。旅人は誰かいるのかと声を挙げたが返事はなく、ただ水音とうめき、そして肉を打つような音が聞こえるだけだった。
旅人は恐ろしくなりその場から逃げ出した。そのうちにあそこの古城跡は化け物が住んでいる、とうわさになり、やがて誰も訪れることは無くなった。
そこに住まう夫婦は誰を気にすることなく、毎日快楽に溺れる日々を手に入れた。
「あぅ、ああ……っ♥」
「もっともっと気持ちよくなって……♥」
「あ、うぅ……っ!♥」
少年は何度目かもわからない射精をした。体を反らせ、快感に小刻みに体を震わせる。またがるガーゴイルも愛する者の精を注がれ、体を縮こまらせて少年と同じように快感に身をふるわせた。
射精を終え、だらりと体を弛緩させる少年だったが彼女がまたゆっくりと腰を動かし始めると、少年はまた自身のモノを硬くして大きな喘ぎ声をあげはじめる。二人はぎゅっと手を握り合い、お互いの一番気持ちのいい場所を擦り付け合う。
「あうっ♥ああっ♥ひあぁあっ♥」
「もっと出して♥出して出して♥」
快楽にとろけきった様子で喘ぐ少年を見下ろし、ガーゴイルも少年と同じようにとろけた笑みを浮かべた。
「もう離さないからね、私の旦那様……♥」
19/03/22 23:21更新 / TakoTako