読切小説
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いつもとなりに居てくれた
「レトお坊ちゃま、もう朝ですよ」

 眩しい朝日と小鳥のさえずりの中、優しい声が聞こえる。寝ぼけまなこをこすりながら体を起こした黄金色の髪をした少年は、すぐ隣に自分付きのメイドが立っていることに気づく。優しげな顔つきをした、柔らかな雰囲気の魔物娘だ。羽毛のようにふわふわな頭髪や尾は地味な色合いではあるが、綺麗に手入れされている品の良さがある。髪と同じ色の長い睫毛、少しだけ垂れた目を優しく細めて微笑む顔は慈しみに満ちていた。

「お目覚めですか? 今日は、いつもよりも早く起きると言ってらっしゃいましたから、こちらまで起こしに参りました」
「ああ、ありがとう。マリエラ……」

 マリエラと呼ばれたメイドはうやうやしくお辞儀をし、続けて口を開いた。少年は寝ぼけまなこをこすりながら、ぼんやりとした頭でメイドの言葉を聞く。彼女は少年付きのメイドであり、身の回りの世話をしてくれている。レトはいわゆる庶子という身分で、政争の火種にならないよう領地の奥地、小さな村の形ばかりの領主館に押し込められていた。唯一の救いはせめてもの餞別としてマリエラが共についてきてくれたことだ。彼女は優しく、政治的な手腕も見事で、この1年で村人たちはまだ子供と言っていい年齢のレトを領主様と尊敬するにまでなった。

「朝食の準備が整っておりますので、お着替えをお手伝いいたします」
「うん……」

 マリエラの政治手腕もそうだが、レトも幼いながら利発な少年で自分の立場も理解し受け入れ、その事でひねくれたり当たり散らしたりもせず、村人たちと力を合わせて村づくりに励み、より住みやすい場所にしようと努力している。真面目で人当たりのいい領主の息子とあって、村人たちはレトを信頼し、成人になる頃には立派な領主になれるだろうという期待も強い。

「……さ、これでいいですわ。」
「いつもありがとうマリエラ」
「うふふ、レトお坊ちゃまのためならこのくらいなんでもありませんわ」

 そう言ってマリエラはレトの頬にキスをしてから、朝食を準備するためにレトの寝室を出て行った。頬に残る熱をぼんやりと感じながらレトはベッドから降り、ベッドサイドの引き出しから小さな箱を取り出す。しばらくそれを見つめ、何かを決心したかのように寝室を後にした。

     ◇

「──ということで、本日は特に政務もお勉強もございませんので、ゆっくりお休みに……」
「ねえ、マリエラ」

 朝食後、早々に部屋を出ようとするマリエラをレトは呼び止めた。

「はい、なんでございましょう?」
「これを……受け取ってほしいんだ」

 首を傾げるマリエラに、レトは小箱を渡した。魔物のメイドは「まあ、なんでしょう」と満面に喜色を滲ませながら受け取り、そして少し恥ずかしそうにするレトに微笑みかけてから、小箱を開ける。

「あら、素敵な指輪ですね」
「う、うんっ! そうなんだ……っ!」
「ふふふ、ありがとうございます。この指輪をお守りとして、いつまでもおそばであなたの幸せを見守っていきますわ」
「え、あの……」
「? どうかなさいましたか?」

 自分の意図が伝わらず、レトは次の言葉を紡げずもじもじとしている。何を言いづらそうにしているかというと、レトはマリエラに想いを告げようとしたのだ。いま渡したのは婚約指輪のつもりだった。小さな頃から身の回りの世話を焼いてくれたマリエラが彼にとっては母親代わりのようなものだ。母というよりも、年上で頼れる姉のと言った方が正しいかもしれない。立場の悪い自分の隣にいてくれた彼女に、彼は自然と恋心を抱いた。だからこうして指輪を渡したのだが、ただの贈り物と思われてしまったようだ。

(……そうだ、ちゃんと言葉にしてつたえなくちゃ)
 
 顔を真っ赤にして一生懸命に言葉を紡ぐレトに、マリエラは首を傾げたまま笑みを浮かべて彼の言葉を待つ。レトはふーと息を吐いてから、真っ直ぐとマリエラの目を見つめた。

「あの、マリエラ! ぼくは……っ! マリエラのことを一人の女性として愛してるんだ!!」
「は……え?」
「マリエラのことが大好きだ! だから……ぼ、ぼくのお嫁さんになってください!!」

 はっきりと言葉にされてしまい、一瞬何を言われたかわからなかったマリエラはぽかんとしてしまう。そして数秒後にその言葉を理解し、真っ赤に染まった頬に手をやりその熱を感じた。ドキドキとしながら、自分を見つめるレトの言葉を頭の中で何度も反芻する。同時に脳裏に浮かぶのは幼いレトの姿。無邪気に甘えてきた幼少期、己の身分を知って瞳に影が差した少年期、領土の奥地に追いやられた時の諦念したような顔、徐々に村人と打ち解けて昔のような笑顔を見せてくれるようになった今。そのすべてが愛おしく……断る理由などなかった。

「ありがとうございます、レトお坊ちゃま」
「そ、それじゃあ……!」
「ええ──喜んでお受けいたしますわ」

 満面の笑みでそう言うと、マリエラはレトの体をそっと抱きしめた。その言葉にレトは嬉しそうに笑いながらも頰を赤くして、ぎゅっと抱きしめ返した。

     ♡

 祝宴はおよそ一月後に執り行われた。小さな村である故、その規模は慎ましいものであったが、皆が陽気に笑って二人を祝福する和やかで温かい式であった。式は滞りなく進み、レトはマリエラと初めてのキスを交わした。唇を触れ合わせるだけの軽い口付けではあったが、二人はその甘さに酔いしれながら幸せそうに微笑みあった。祝宴は夜まで続き、村人は飲めや歌えの大騒ぎ。夜も更けた頃、村の女たちの計らいで二人は一足先に館へと戻った。

 ──初夜を迎えるためである。

  館に戻った二人は、互いに湯浴みを済ませてから寝室で二人きりになった。マリエラは白いネグリジェに身を包み、レトも同じく白の寝間着に着替えている。これから行われることを考えると、二人とも緊張していた。特にマリエラは心臓が早鐘のように鼓動していて、その音が彼に聞こえてしまわないか不安だった。レトもまた、愛する伴侶との初夜に緊張し、怯え、そしてそれ以上に期待していた。マリエラは少年の服を脱がせ、自らも身にまとうものを脱ぐ。二人は全裸になり、共にベッドに腰かける。少年は染みひとつない美しい胸に視線を奪われた。マリエラは顔を真っ赤にしながらも少年に向けて微笑む。

「胸が気になりますか?」
「あっ、いやっ! 違くてっ」
「もう私の体も心も、坊っちゃまのものですから、好きにしていいのですよ♡」

 マリエラは少年を導くように彼を優しく抱きしめる。彼女は胸に少年の顔を埋めさせ、手は彼の背中に回す。少年は、マリエラの体に沈み込むようにして抱き着く。

「柔らかくて、気持ちいい……♡」

 少年は夢見心地に言う。柔らかな胸に顔をうずめていると、彼女が自分の伴侶だという実感が湧いてくる。マリエラは慈愛に満ちた笑顔で、少年の頭を撫でる。

「嬉しいですわ」
「胸、舐めてもいいかな……?」
「もちろんです坊っちゃま♡」

 少年はマリエラの胸の突起に唇で触れ、舌で舐めた。彼女の体はぴくっと震える。少年はまだ愛撫というほどのこともしていないのだが、すでにマリエラは興奮していた。彼女は優しく少年の頭を撫でながら言う。

「気持ちいいです、坊っちゃま♡」
「よ、よかった……」
「このように愛されるのは初めてですが……とても気持ちいいものですね♡」
「は、はじめてなの?」

 レトが乳房の間から質問すると、マリエラは顔を真っ赤に染めて頷く。

「はい、お恥ずかしながら……口づけも祝宴での誓いの儀式が初めてでした。魔物娘で、この歳でありながら経験がないなど恥ずかしいことと思っていましたが……今は初めての性行為のすべてを坊ちゃまに捧げることができてこれ以上ない幸福を感じております♡」

 レトは彼女の言葉に胸が熱くなる。自分はなんて幸せなんだろうと思った。この美しい魔物のメイドを、自分が初めての相手にできるなど夢のようであると感動した。彼はマリエラの胸に吸い付いたり舌で転がしたりしながら、彼女の体を愛撫していく。その拙い愛撫に彼女は興奮し、股間が湿っていくのを感じた。そして少年の若い男根も大きく反り返っているのを見て取ると、それを優しく手で包み込む。少年は突然の刺激に驚き顔を上げるが、マリエラは慈愛に満ちた表情で微笑む。

「大丈夫です、そのまま気持ちよくなってください」
「う、うん……」

 少年はマリエラの柔らかな手で握られる快感に身を委ねる。彼女の手淫は優しくも絶妙な力加減で、少年の未熟な男根を快感へと導いた。性の経験がないとはいえ彼女は魔物娘だ、ひとたび行為が始まれば、どこをどうすれば人間の雄が喜ぶかを本能的に知っていた。少年の口からは快楽に喘ぐ声が漏れ、彼の男根からは我慢汁がだらだらと流れ始める。マリエラ快感に身もだえするレトに唇を重ねた。二人にとって、二度目の口づけである。
 
 だが、今回の口づけは愛を誓う儀式のものではなく、互いの性欲を高めるための深い口交だ。マリエラは少年の舌に自分の舌を絡ませる。彼女の口内は熱く、ねっとりと舌が絡みついてきて彼の性欲をさらに高めた。彼女は少年の男根を扱く手を早めながら、淫らに舌を絡め唾液をすすり、愛する少年の口内を味わい尽くす。

「んむ♡ はぁむ♡ 坊ひゃま♡ きもひいいれふか♡」
「んちゅ♡ れる♡ きもちいいっ♡ きもひいいよマリエラぁ♡」

 びくびくと手中で痙攣する若勃起の限界が近いことを察したマリエラは、さらに激しく舌を絡ませる。ぴちゃぴちゃと音立てて舌を舐めあい、ぬるぬると口内へ舌を這いまわらせる。同時に手淫の動きも早め、レトを射精へと導いていく。

「マリエラっ! ごめ……もう出ちゃうっ♡」
「どうぞお出しください♡ 坊っちゃまの精液はすべて私が受け止めますから♡」
「あっあっ♡ うぅっ♡ 〜〜〜〜っ♡♡♡」

 少年はマリエラの手の中で果て、彼女の手の中でどくんどくんと脈打った。彼女はその熱さと量に驚きながらも、恍惚とした表情で精液を受け止める。主の射精に合わせるように扱き上げ、びゅるりと最後の一噴きが終わると、手のひらにべっとりとついた雄臭い粘液を見つめた。レトは初めての性行為の余韻で、ぼうっとしながらマリエラに寄りかかっていた。彼女はその体を優しく抱き留めて、精液のついた手をぺろりと舐める。その姿は淫靡でありながらも美しく、少年は見惚れてしまう。その視線に気づいたマリエラは微笑み、彼の手を取ると精液まみれの指を口に含ませた。少年が驚いて固まっている間にも、彼女は丹念に少年の指に舌を這わせる。指の間や爪の隙間に至るまで丁寧に舐め取り、こくりと飲み干した。

「……ぷあ♡ 坊ちゃまの精子♡ おいしゅうございました♡」
「マ、マリエラ……っ♡」

 マリエラは妖艶に微笑むと、少年をベッドに寝かせて幼い柔さを残した体にキスを落としていく。首筋に吸い付き、胸板に舌を這わせ、腹部から下腹部へと唇を這わせ……そして、股の間に顔を寄せる。その淫靡な光景に、射精を終えたばかりの男根がすぐに硬さを取り戻す。マリエラはそれに優しく手を添えると、その先端へ愛おしそうに口づけた。ちゅっ♡と音立てて唇を離すと、先走りが糸を引いた。少年は恥ずかしさと気持ちよさで顔を真っ赤にする。

「マリエラ……! 口でだなんて……っ♡」
「ふふ、嫌ですか?」
「違、うけど……き、汚いかなって……!!」
「坊ちゃまの体で汚いところなどございませんわ♡ お口でご奉仕させていただきます♡」

 彼女はその美しい唇で亀頭へ口づけると、れろーっと舌を伸ばして舐め上げる。今まで味わったことのないぬめった快感に少年は体を強張らせて喘ぐ。小さな亀頭を舌で包むように愛撫し、愛欲にとろけた顔で、ちゅ♡ちゅっ♡と繰り返し繰り返しキスをする。顔を下にずらしながら竿にもキスを落としていき、根本と睾丸の間……最も雄の匂いがするその場所に鼻先を埋め、匂いを嗅ぎながら睾丸を口に含んで舐めしゃぶる。少年にとって初めて味わう性技の数々に彼は腰を震わせ、さらなる快感を待ちわびた。

「ああっ! マリエラ……っ!」
「はい♡ 咥えさせていただきますね♡」

 マリエラは反り返った男根の根本部分に柔らかな唇を密着させると、つーっと先端まで唇をこすりつけ、そのまま肉竿を口内へ導いた。瞬間、少年の先端からは我慢汁がとろとろとこぼれだし、それをマリエラは舌で舐め取る。亀頭全体は口内で舌に舐められ、カリ首は彼女の舌先になぞられ、根本近くまで咥えられると舌先が裏筋を刺激してくる。唇と舌でゆっくりと扱かれ、少年は腰を反らしながら初めての快感に悶絶した。

「んっ♡ んちゅぅ♡ ぢゅるるっ♡ んっ♡」
「あぁっ! マリエラっ♡ そ、そんなにされたら……っ!」

 少年が腰を震わせながら切なげに言うと、彼女はペニスを咥えこんだまま優しく微笑み「出してもいいですよ♡」と視線で伝えた。そして喉奥まで男根を飲み込み、彼の快楽をさらに引き出していく。口内の温かさと唾液と粘液が混ざり合う感触にレトの性感は瞬く間に高まり、彼の我慢の限界はすぐそこまで来ていた。

「んっ♡ んぷぅ♡ ……んむっ♡ れろっ♡ ちゅぷっ♡」
「ふぁあっ♡ すごっ♡ まりえらのおくちっ♡ きもちっ……ふぁああっ♡」

 マリエラは頰をすぼめて少年の幼い男根を吸い上げ、射精を促すように一気に責め立てる。少年は手と足をびくびくと痙攣させながら絶頂を迎えようとしていた。睾丸がきゅっと引き締まり、熱いものがせり上がってくる。その快感を我慢しようと、少年は下腹部に力を入れて射精を押しとどめる。だがマリエラの性技の前では無意味だった。彼女は口をすぼめ、さらに激しく顔を上下させながらレトの男根を責め立てる。

「あっ! でちゃうっ♡ 出ちゃうよぉ♡」
「ん〜っ♡ れるれるれるれる……っ♡♡」
「ふぁあっ♡ マリエ、ら……ああ〜ッ♡♡♡」

 少年の亀頭が一際大きく痙攣すると、マリエラはそれに応えるように喉奥で少年の亀頭を包み込んだ。少年の体はのけぞり、彼女の口の中にその欲望をぶちまける。少年が声にならない声をあげながらマリエラの頭を抱きしめ、彼女も少年の背中に腕を回して優しく抱き返していた。どぷどぷと止めどなく流し込まれる精液を彼女は愛おしそうに、ゆっくりと飲み干していく。

「んぷ♡ んぐ♡ こくっ♡ ごっく……♡」
「あぁあ……っ♡ あっ♡ うぅう……っ♡」

 少年は射精後の脱力を感じつつも、彼女がすべて口で受け止めてくれたことに感動していた。彼女はゆっくりと口から男根を引き抜き、口内に残っている精液を舌で転がしながら見せつける。そして唾液と一緒に喉を鳴らして飲み込んでいった。少年の男根はいまだ萎えることなく屹立しており、それを見たマリエラはくすりと笑ってから乳房でそれを挟み込む。

「う、あぁ……っ♡」
「坊ちゃまは胸……いえ、おっぱい♡ がお好きなようでしたので、こちらでご奉仕させていただきます♡」

 マリエラの乳房はそれほど大きくはなかったが、少年のモノを挟み込むには十分な大きさであった。彼女はたぱんたぱんと柔らかい乳房を揺らしながら、パイズリ奉仕を開始する。柔らかく包み込まれては上下にしごかれ、谷間から飛び出した少年の亀頭にはマリエラが舌を這わせたりキスしたりしてさらなる責めを行う。少年は先ほどとは違う、ぬめった快感とぬるぬるとした温かさに腰を震わせ喘いだ。彼女は手で乳房を寄せるようにして圧迫し、全体を使ってやさしく撫で上げていく。

「んぁっ♡ ふぁっ、あっ♡ おっぱいっ♡ おっぱいきもちいいよっ♡」
「ここが気持ちいいのですね♡ お顔も幸せそうですし、何より坊ちゃまのお味が濃くなっておりますよ?♡」
「マリエラっ♡ また出るっ、出ちゃうっ♡」
「はい♡ 遠慮なくお出しくださいませ♡」

 柔らかな双丘の中に若勃起は一気に埋没する。ふわふわとした乳房ときめ細やかな肌に刺激され、少年の絶頂はすぐに訪れた。彼の下半身がびくびくと痙攣し、それに合わせるようにマリエラも乳房を動かす速度を速める。彼女は快感に耐えようと喘ぐレトの顔を見て愛おしそうに微笑むと、それをさらに激しく責め立てた。胸の谷間からはみ出した亀頭を口に含み、吸い上げると同時に乳房で竿全体を強く圧迫する。

「んんっ♡ ちゅぱっ♡ んむ〜っ♡♡」
「ふあぁっ!♡ まりえらっ!♡♡ もう……あっ〜〜ッ♡♡♡」

 レトは背中を弓なりに反らせながら何度も腰を痙攣させ、そのたびに精液を口内へ吐き出した。マリエラは乳肉をきつく締め付け、ぢうぢうと吸い付いて一滴残らず搾り取る。彼女はうっとりと目を閉じながら精液を喉奥へ流し込み、乳房でそれを搾り取っていく。口内に広がる味と匂いを堪能しながら飲み下していくと、やがて少年の絶頂が終わり、彼女は最後に鈴口から垂れた分も舌先ですくうと唇を離す。ちゅぽんと音を立てて解放されたペニスは力なくうなだれていた。

「んっ……ごっく♡ はあ♡ ご馳走様でした♡」
「はぁっ♡ あぁ……っ♡」

 絶頂の余韻に浸るレトの頭を優しくなでてから、そっとベッドから離れた。用意してあった温かい湯のはった桶に清潔なタオルを浸して絞り、ベッドに横たわる少年の体を拭いていく。

「ご、ごめんマリエラ。ぼくばっかり気持ちよくなって……」
「いえ、とんでもございません♡ 私は坊ちゃまを気持ちよくできただけで満足です♡
「そういうわけにはいかないよ、だってもう……ぼくたちは……」
「……そう、ですね♡ でしたら……♡」

 マリエラはタオルを桶にかけるとベッドの上であおむけになり、瞬時ためらってから、自身の股を開いて見せた。秘所はすでに濡れており、物欲しそうにひくついている。

「こちらに♡ 坊ちゃまのモノが欲しいです♡」

 彼女が指でそこを開くと中から愛液が滴り落ち、ベッドの上に大きな染みを作った。彼女は自らの指を中へ沈め、指を広げて淫唇をくぱぁ♡と広げて見せる。膣ひだに囲まれたピンク色の肉襞からは絶え間なく蜜があふれ出し、ひくひくと物欲しげに蠢いていた。淫らな姿を晒している羞恥にマリエラは耳まで赤くしていたが、それ以上に少年の顔がかぁっと赤くなる。それと同時に萎えかけていた性器がひくひくと跳ねて大きさを取り戻していく。

「はぁ、はぁっ♡ マリエラ……っ♡」
「どうぞ来てください♡ 坊ちゃま……いえ──旦那様♡♡♡」
「──っ♡♡♡ マリエラぁっ♡♡♡」

 レトは彼女の名前を叫ぶと、愛する妻に覆いかぶさった。未発達の性器を限界まで大きくして、震える手で彼女の秘所に亀頭を押しつける。マリエラは嬉しそうに微笑むと、その背に両手を回して彼を迎え入れた。ぬるんっ♡と亀頭が淫唇を分け入り、十分にほぐされた膣ひだを掻き分けて奥へと突き進んでいく。

「あ……っ♡ ああ〜ッ♡ レト様ぁ♡♡♡」
「あぅうっ♡ マリエラの中すごくキツイよ……っ♡」
「もうしわけありませんっ♡ んあっ♡ きもちよすぎてっ♡」

 膣ひだはぎちぎちと彼の肉竿を締め付け、亀頭や裏筋をにゅるりとまとわりつく。初めて侵入を許した女性器は、加減も知らず強く締め付けてくる。レトは彼女の負担を減らそうと、腰の動きを止めて柔らかな乳房や腹にキスしたり撫でさすったりしていく。彼女もまた彼を迎え入れようと体を弛緩させ、最奥までたどり着く頃にはすっかりほぐれていた。ようやく根本まで入ったのを確認し、彼は再びマリエラにキスをした。彼女はそれにうっとりしながら彼を抱き寄せ、自ら腰をゆすって求めていく。

「んちゅ♡ んぅ♡ んぅうんっ♡」
「んむ、ちゅ♡ まりえらっ♡ あぁあっ♡」

 レトは徐々に動きを激しくし、彼の下腹部が肉付きの良い臀部にぶつかる音が大きくなっていく。それに合わせてマリエラの口からも快感と興奮による声が漏れ始め、結合部から蜜があふれ出した。互いの体液が混ざり合う粘着質な音が響き、それと同時に少年の胸に甘やかな幸福感が広がる。愛する人と結ばれることの喜びを全身で感じながら、彼は必死に腰を振り続けた。

「んむっ♡ ちゅうっ♡ んあぁあッ♡ レト様ぁ♡」
「まりえらっ♡ んちゅ♡ あぅっ♡ あうぅうっ♡♡♡」

 やがて限界が近くなってきたのか、彼女の声が切羽詰まってくる。それに合わせるように彼のピストンもより激しくなり、二人はお互いに絶頂の予感を感じ取っていた。無意識にせりあがってきた子宮口が亀頭に吸い付き子種をせがむ。カリ首によってひだを刺激されるたびにマリエラは意識を飛ばしそうになるほどの快感に襲われ、ぎゅうっと彼を抱きしめる腕に力を込める。レトも手や口内や乳肉と違い、孕むために自身の性器に吸い付いてくる肉ひだの快感に目の前がチカチカするほどの快感に脳を焼かれていた。

「あぁあ〜っ♡ レト様ぁっ♡ もうっ、もう私……っ♡♡♡」
「マリエラっ♡ あぅうっ♡ ぼくもっ♡ ぼくもまた出ちゃうっ♡♡♡」
「出してっ♡ 孕ませてください♡ 旦那様のっ♡ レト様の赤ちゃん汁くださいっ♡」
「マリエラっ♡ すきっ♡ しゅき……あぁっ♡ 出るっ♡ だすよっ♡ あ、あ……〜〜〜〜ッ♡」

 少年は体の奥からこみ上げてくる衝動に身を委ね、一気に最奥まで腰を押し進める。子宮口がこじ開けられ、亀頭がずっぽりと中に入り込んだ瞬間、彼の先端から大量の精液が放たれた。子宮内に熱いものが叩きつけられ、子宮壁をびしゃりと叩く。その熱さと衝撃にマリエラはがくがくと下半身を痙攣させて絶頂を迎えた。彼の精液を一身に受け止めながら、体を弓なりに反らして果てる。レトもまた今までに感じたことのないほどの快感に目を白黒させていた。

「んぅんっ♡♡♡ れとさまのっ♡♡♡ ぜんぶだしてくださぃいっ♡♡♡」
「うあぁっ♡ だす♡ ぜんぶ出すっ♡ うけとめてまりえらぁ……ッ♡♡♡」

 レトはマリエラにしがみつくようにしながら射精を続け、その度に彼女の体が痙攣する。レトは彼女の体に腕や足を絡ませ、精巣内の精液を出し尽くすまで絶対に彼女を離さないとばかりに抱きしめる。マリエラもまた彼を抱きしめながら彼のすべてを受け止めていった。二人はしばらくの間体を震わせていたが、やがてレトの方がぐったりとして動かなくなってしまった。すでに彼の体力は限界を迎えていたのだ。それを見たマリエラは慌てて起き上がり、心配そうに声をかける。その拍子に硬さを失ったペニスが抜け落ち、こぽりと精液があふれ出してベッドを白く汚す。

「だ、大丈夫ですか旦那様っ!? お気を確かに!」
「……ご、ごめんマリエラ……ちょっと疲れたみたい……」
「いえ、こちらこそ申し訳ありません! ついつい夢中になりすぎて何度も……申し訳ございません」
「マリエラ……愛してるよ」

 最後に、触れるだけのキスを残して、少年は目を閉じ寝息を立て始めてしまった。少年も初めて経験する性行為に、さすがに限界が来てしまったようだ。マリエラはそんな彼を愛おしそうに見つめてから、温かいタオルで互いの体を清め、ベッドの端に置かれていた毛布を掴み、自分と少年の体に被せる。それから幸せそうに微笑んで彼の隣で横になった。

「おやすみなさい、旦那様……♡」

     ◆

「ちょっとマリエラ、なにしてるの!」

 眩しい朝日と小鳥のさえずりの中、咎めるような少年の声が聞こえる。声を向けられたメイドは──少年の妻は、ばつが悪そうに手にした洗濯籠をおろした。つかつかと歩み寄ってくるレトに、マリエラあちこちに視線を泳がして言い訳を探すが、観念したように頭を下げる。

「も、申し訳ありませんレト様。つい習慣で……」
「ダメだって言ってるのに!」

 レトはぷくっと頬を膨らませたまま、洗濯ものが詰まった籠を持ち上げる。

「ああ、家事はわたくしが……」
「ダメだってば! 無理なんかして──お腹の赤ちゃんになにかあったらどうするの!」

 重い洗濯籠を持ってさっさと庭に出て行ってしまった夫の背中を、マリエラは愛おしそうに眺めた。レトの子を宿して大きく膨らんだ腹を撫でながら。
23/12/30 20:37更新 / TakoTako

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