グール 土田カルラの性癖
「んぶっ、んじゅ、じゅるるるっ♡」
「ああっ!せんぱ……もっ……ああっ!!」
僕は先輩の口の中で射精した。
先輩は「んぅ♡」と喜色に満ちた声を漏らし、ちぅっ、と口内の密度を高めて精液を吸い上げる。ちぅちぅと尿道から精を吸い取られる度に僕は腰ごと足を震えさせてしまう。
痛いほどに吸着してくるぬめった口肉が先端に向けて引き上げられ、じゅぽんっ、と音立てて口が離れる。僕は「んはぁっ」と情けない声をあげて便座に尻餅を着いてしまった。
そう、ここはトイレだ。
それも学校の中の。
僕の通う学園には、女の子と『そういうこと』をするための特製トイレがある。便座も壁も床も驚くほどピカピカだ。イメージプレイのためか、あえて汚れているようなプリントがされている場所もあるらしいけど……それはいまはどうでもいい。
先輩は乱れてしまった長い銀色の髪をふわりと撫で上げ、口の中に残った僕の精液をごくりと飲み干した。
「はぁ、うっま……カレシの精子うますぎ……♡」
「ぁあ……ぁ……」
「ん、今綺麗にすっから待ってな」
先輩は床に膝立ちになったまま、壁に取り付けられた棚から袋入りのおしぼりを取り出し、僕の性器を拭き始めた。先ほどまでの激しいフェラとは打ってかわって丁寧に優しく拭き取ってくれる。温かく柔らかなおしぼりの感触、先輩の気遣いが、射精後の冷めがちな心を暖めてくれる。
僕がカルラ先輩と出会ったのは入学してすぐだった。広い校内で迷っていた僕を、中等部の校舎まで案内してくれた。それから頻繁に廊下や下校時に会うようになって。一月ほどたったある日、校舎裏に呼び出されーーぼくは先輩と初めてを経験した。
……いや、実は僕は初めては経験してない。校舎裏でのえっちも先輩に口でしてもらっただけだ。
先輩はフェラチオが大好きみたいで、僕とのえっちはいつもそればかりだ。それになんというか、うん……僕も口でしてもらうのに一番興奮してしまうという困った性癖を持っていると先輩に気づかされた。だから僕たちは、恋人であり何度もえっちなことをしていると言うのに、交わった事は一度もない。でもそれに不満を覚えることは微塵もなかった。
「よし、綺麗になったぞ。呼び出して悪かったな、どうにも腹が減ってしかたなくてよ」
「僕は全然大丈夫ですから……き、気持ちよかったです……」
「おいコラ、まだ授業あんのに煽んなよな……♡」
先輩は立ち上がってぎゅっと抱きついてきた。先輩のおっきなおっぱいが顔にむにゅりと押し付けられる。布越しの柔らかな感触に吐息を漏らし、僕も先輩の背中に手を回す。先輩は僕の頭を撫でながら「は〜可愛すぎ」「マジで好き」と囁くので、それに応えるようにぎゅっと体を寄せる。暖かで甘い時間は予鈴の音で中断された。
「おっと、中等部戻るの間に合うか?いきなり呼び出して悪かっ――」
パッと先輩と体が離れた瞬間、僕は寂しさが顔にでてしまったのだろう。先輩は一瞬きょとんしてから、にんまりと笑い、
「そんな顔すんなよな。今日、あたしの家に来んだろ?明日休みだし……一晩中可愛がってやっから、さ?」
耳元で囁き、先輩は「んじゃ放課後な」と言い残してトイレから出ていってしまった。
放課後の事を考え、反応してしまった僕の下半身を沈めるのに時間がかかり、授業には遅れてしまった。
◆
目の前を、何組ものカップルが通りすぎる。
どのカップルも皆、表面上は楽しげで和気あいあいとしているけれど、瞳の奥には浮わついて爛れた火がくすぶっているのが分かる。金曜の放課後。魔物娘さんとお付き合いしている僕たちは、その日の夜に何が待ち受けているかよく理解している。
溢れ出る性欲を、気持ちよく受け止めてくれる彼女との甘い時間だ。
「悪い!待たせたか?」
「いえ、全然!」
「おし、んじゃあ行くか」
きゅっと手を握られてから先は、ぼんやりとしか覚えていない。ドキドキと跳ねる心音と際限なく上がっていく体温に、記憶が曖昧になる。お母さんに今日は先輩の家に泊まると連絡して、先輩の家にお邪魔して、宿題を終わらせて、服を脱いで、ベッドに仰向けになって……
「ちゅ、んちゅ……♡」
「うぁ、あ……っ!」
先輩は、学校と家ではフェラのやり方が全然違う。
学校ではいきなり咥えこむ、激しくてがくがくと体が震えるような気持ちよさのフェラ。トイレや校舎裏で、僕のズボンと下着だけおろして、立たせて腰を抱き抱えるような形でしゃぶってくれる。でも、先輩の家では、裸の僕をベッドに寝かせて、ゆっくりじっくりと焦らされ、最後には全身が蕩けてしまうようなフェラ。
「んちゅ、ちぅ、ちゅっ、ちゅぅ……♡」
きゅっと結ばれた先輩の唇が、僕のアソコに口づけするように押し付けられる。濡れて弾力のあるぷるぷるの口が、僕の玉に、竿に、何度も何度も吸い付いてくる。快感よりも興奮を煽る口づけに、僕は身をよじることしかできない。自由に動かせるはずの両手は、先輩に指と指を絡ませられ、がっちりと握られてしまっている。
「ちゅっ、んちゅ……♡」
左右の睾丸に何度も何度も口づけが落とされる。先輩の唇が袋に押し当てられ、その奥に向けてちゅっと吸い付かれると、内部でどくどくと精子が作られ、充填されていくのが分かるようだった。早く先輩の口の中に出たいと言う精子たちの先走りが、先端から漏れだしてお腹に滴る。
「ちぅ……♡ちゅ〜……っ♡」
先輩の唇が根本に向かう。睾丸の精子たちの行く先を教えるかのように僕の根本に吸い付き、そのまま竿を登っていく。
「ちゅっちゅ♡ちゅっ♡ちゅぅ♡」
強まっていく快感に握る手が緩まると、先輩はぎゅっと指の力を込めて僕へ手を握れと命令してくる。僕は喜んでそれに従い、先輩の大きくて柔らかな手を握り返す。
それでもなんとか正気を保ち、僕のアソコに口づけしながら登ってくる先輩の顔を凝視する。まだ半分くらい、もうそろそろ、あと少し、はやくはやく、はや――。
「――ふぅ〜っ♡」
「ふぁああっ!」
皮の剥かれた先端、その気持ちいいところに先輩の唇は触れず、代わりに突然息を吹きかけられた。思っていた刺激とは違った快感に、僕は腰を跳ねさせてしまった。
「ふぁ、あぅ……?」
「はぁ、かわい……♡」
「ぅ、うう……っ!」
僕が「早くお願いします」という視線を向けると、先輩はにんまりと笑い、僕のお腹にたまった先走りをすすり上げた。びくんと体を跳ねさせた僕の前でくちゅくちゅと口を動かし、ぴちゃ、と音立てて口を開いた。
「あー……♡」
ねっとりと糸を引く透明な汁の向こう側の、暖かそうな肉壁が僕に晒される。その口肉の真ん中で、唾液と先走りの粘液をまとった生き物がぬらぬらと蠢いている。先輩の肉厚で、ぷるぷるで、気持ちのいい、舌。
早く、早く早く。
「まずはゆっくりしたい?それとも一気にしてほしい?」
「あぁっ、一気に、一気にお願いします……♡」
「よかった、あたしも我慢できねえから……♡」
一度口が閉じられ、くぱ、と音立てて開くと、先輩は片手を離して僕のアソコを持ち上げ、口を包み込むようにゆっくりと降ろしてる。ねとついた唾液の糸がアソコに触れて絡み付く感触と共に、僕のアソコが先輩の口に覆われる。ちょうど先輩の口でカバーをしたかのようだ。
まだ、口のお肉は触れてくれない。
感じるのは先輩の熱い吐息だけ。
お願い、早く早く。
先輩の口内で、吐息で蒸されて、僕のアソコは弾け飛びそうなほど先輩の口のなかで跳ね回っている。根本を押さえていた先輩の手が離され、代わりに唇がくっつくきーー
「んむっ♡んじゅるるるっ♡」
「んはぁあっ!!」
一気に、先輩の口内が吸い付いてきて、僕は射精してしまった。僕の両手は先輩にがっちりと握り直され、一番繊細な手という器官から、先輩という存在を感じさせられる。
先輩に造られ、先輩に案内された精子たちが、先輩の導くままに放たれていく。僕の意志とは関係なしに、遠慮もなしに快感が止めどなく溢れ出る。射精はいつまでも収まらず、僕は恐怖にも似た快感からの救いを求めるように、その恐怖の元凶である先輩の手を強く握りしめる。
「んじゅる♡じゅうるるる♡じゅっぷ♡じゅっぽ♡」
先輩のぷるりとした唇は、先ほどまでの優しさはどこに行ったのかと思いたくなるほど、きゅうきゅうと僕の竿を締めつけ、ずるずると扱き上げる。ぬらぬらとした舌が僕の敏感な部分をなめ回し、カリ首をぞりぞりと削るように這い回る。口内の肉壁は僕のアソコにぴっとりと張り付いたまま、にゅぐにゅぐとアソコ全体に擦り付いてくる。
「んぶっ♡んぼっ♡んじゅるるるぅっ♡」
「はぁっ♡んううっ♡ふぁあっ♡」
先ほどから僕は繰り返し射精し続けている。先輩が睾丸にキスをすると、まるで魔法にかけられたかのように勃起が止まらなくなり、何度も繰り返し射精してしまう。段々と射精の間隔は開いていくけれど、気持ちいいがずっと続いて頭がおかしくなりそう。
「んじゅる♡じゅるるるっ♡んうぅ……っ!」
「はあぁっ♡あっ、んぷっ……♡」
繋がれていた手が離された。先輩との繋がりが絶たれたようで寂しくなったけど、次の瞬間にはさらに濃密な繋がりが与えられた。先輩が姿勢を変え、僕の顔に先輩の性器を押し付けてくれた。
先輩も気持ちよくなりたい。僕に気持ちよくしてほしいということ。これが僕たちの交わり、愛し合う行為。僕は先輩への好きという気持ちを、そのまま濡れそぼったアソコへ向ける。
「んちゅ、れるれる……れろ……♡」
「んぶっ♡んぅっ♡んちゅ、ちゅるるっ♡」
僕はいつまでも続く口淫の快感に全身を痙攣させ、また射精してしまったけれど、一人で快感に溺れてしまわないよう必死で先輩のアソコを舌で舐める。滴り落ちてくるお汁を舌で受け止め、ぬるぬると割れ目に舌を使って塗りつける。ぴくんぴくんと震える先輩のお尻がかわいい。先輩の大きくて柔らかいお尻をきゅっとつかみ寄せ、大好きという気持ちをのせて舌を動かす。
「れる、れろ……んぅっ♡れろれろ、ちゅるる……♡」
「んぅっ♡んぶ♡んじゅ♡んうぅっ♡ぢゅるるっ♡」
先輩のお尻の震えが小刻みになったら、お尻をぎゅっと抱き寄せる。大きくて柔らかな尻肉に指を埋めるようにして揉みしだくと、先輩の敏感な小さい突起がぷっくりとふくれる。僕は先輩がくれる快感のお返しに、その小さく膨らんだところを舌で優しく、けれども激しくなめ回す。
「れるれろ、れろれろ……♡」
「んじゅっ♡んむぅ♡らめっ♡んぷっ♡」
先輩のおつゆがとぷとぷと溢れ、僕の口元から溢れる。先輩の濃い匂いが僕の顔中に擦り付けられ、舌先から口に流れ落ち、僕の中まで先輩でいっぱいになる。
「あらひっ♡んじゅるっ♡もうイくっ♡」
先輩はそう言いながら僕のアソコへの吸い付きを強める。一度収まった射精がまたすぐ近くに来る。先輩と、先輩と一緒にイきたい。
「んあっ、あっ……れる、せんぱ……すき、すきすきすき……♡」
「あらひもすきっ♡じゅるる♡だからイこっ♡じゅるるっ♡」
「はひ……れる、れろ……いっしょに、いっひょに、ぃい……♡」
「いっしょに……じゅうるるるっ♡いっしょにイってぇ♡」
僕も、先輩も、大好きを伝え合いながら、お互いの敏感な部分を責め上げる。先輩の口がぎゅむっと収縮し、じゅぽじゅぽと激しい音を立て、僕の精液を根本から吸いだそうとするようなフェラ。僕も先輩の柔らかなお尻をぎゅっと抱き寄せ、小さな突起に吸い付き、精一杯舌先でなめ上げる。
僕たちは、十秒ともたずに同時に達した。
「「んっ♡んううう〜〜ーーーーッ♡♡♡」」
びくん、と同じタイミングで体が跳ね、快感で2人とも体が震える。僕はびゅるびゅると先輩の口内に射精し、先輩もぴくぴくと震えるアソコから汁を溢れさせ、僕の顔に滴らせる。
少し呼吸を落ち着かせると、ぬるぬると優しい感触が僕のアソコに与えられる。先輩が残った精液を吸いだしてくれている。僕はくすぐったい快感に身を震わせながら、先輩の真似をするように舌で愛液を舐めとる。
「んぷ、ちゅる……んく、こく……♡」
先輩は僕の精液を飲み込むと、ベッド脇においてあったペットボトルを手に取った。中の水を口に含んで一度くちゅくちゅとうがいして飲み込み、もう一口、口に含んで僕に覆い被さるようにして顔を近づけてくる。
「んちゅ、ちゅる……♡」
先輩の口内でほんのり暖かくなったお水が流れ込んでくる。少し甘いようなその水を飲み込むと、先輩はもう一口水を含んで僕に口移しで飲ませてくれる。
「んく……こく……」
「ちゅる……んちゅ……♡」
二度目の口移しは、そのまま深いキスへ移った。先輩は僕の頭を抱え込むようにしてちゅうちゅうと吸い付いてくる。ぷるりとした唇の感触、ゆるりと絡まる舌の柔らかさ、繰り返し頭を撫でてくれる先輩の手の感触。射精の快感が、先輩への愛欲と幸福感に塗り替えられていく。
「んちゅ、んぅ……ちゅぱっ♡」
少しの間続いたキスが終わると、目の前に先輩の笑顔がある。性の快感が抜けきっていない瞳で、僕に愛のこもった視線をむけてくれる、そんな笑顔。僕はこの瞬間、何度でも先輩に恋をする。
「気持ちよかった、ありがと♡」
「僕も、気持ちよかったです……!」
「だよね♡あたしの口にずっとびゅーびゅーしてたもんね♡」
先輩は僕のアソコを指先でいじりながら微笑む。まだ先輩の魔法がとけていない僕のアソコはすぐに反応して固くなってしまう。
「あは♡また固くなった♡」
「先輩、せんぱい……っ」
「ん♡いーよ、また口で抜いたげる……♡」
先輩はちゅっと一度だけキスをすると、また僕のアソコを咥えてくれる。口だけで繋がる僕たちの愛の営み。変わった性癖と言えばそれまでだけど、だからこそ僕と先輩は結ばれたんだと思う。
僕たちは、口と口とで愛を紡ぐ。
それが僕たちの幸せ。
ぼくと先輩の甘い夜は、まだまだ続く。
「ああっ!せんぱ……もっ……ああっ!!」
僕は先輩の口の中で射精した。
先輩は「んぅ♡」と喜色に満ちた声を漏らし、ちぅっ、と口内の密度を高めて精液を吸い上げる。ちぅちぅと尿道から精を吸い取られる度に僕は腰ごと足を震えさせてしまう。
痛いほどに吸着してくるぬめった口肉が先端に向けて引き上げられ、じゅぽんっ、と音立てて口が離れる。僕は「んはぁっ」と情けない声をあげて便座に尻餅を着いてしまった。
そう、ここはトイレだ。
それも学校の中の。
僕の通う学園には、女の子と『そういうこと』をするための特製トイレがある。便座も壁も床も驚くほどピカピカだ。イメージプレイのためか、あえて汚れているようなプリントがされている場所もあるらしいけど……それはいまはどうでもいい。
先輩は乱れてしまった長い銀色の髪をふわりと撫で上げ、口の中に残った僕の精液をごくりと飲み干した。
「はぁ、うっま……カレシの精子うますぎ……♡」
「ぁあ……ぁ……」
「ん、今綺麗にすっから待ってな」
先輩は床に膝立ちになったまま、壁に取り付けられた棚から袋入りのおしぼりを取り出し、僕の性器を拭き始めた。先ほどまでの激しいフェラとは打ってかわって丁寧に優しく拭き取ってくれる。温かく柔らかなおしぼりの感触、先輩の気遣いが、射精後の冷めがちな心を暖めてくれる。
僕がカルラ先輩と出会ったのは入学してすぐだった。広い校内で迷っていた僕を、中等部の校舎まで案内してくれた。それから頻繁に廊下や下校時に会うようになって。一月ほどたったある日、校舎裏に呼び出されーーぼくは先輩と初めてを経験した。
……いや、実は僕は初めては経験してない。校舎裏でのえっちも先輩に口でしてもらっただけだ。
先輩はフェラチオが大好きみたいで、僕とのえっちはいつもそればかりだ。それになんというか、うん……僕も口でしてもらうのに一番興奮してしまうという困った性癖を持っていると先輩に気づかされた。だから僕たちは、恋人であり何度もえっちなことをしていると言うのに、交わった事は一度もない。でもそれに不満を覚えることは微塵もなかった。
「よし、綺麗になったぞ。呼び出して悪かったな、どうにも腹が減ってしかたなくてよ」
「僕は全然大丈夫ですから……き、気持ちよかったです……」
「おいコラ、まだ授業あんのに煽んなよな……♡」
先輩は立ち上がってぎゅっと抱きついてきた。先輩のおっきなおっぱいが顔にむにゅりと押し付けられる。布越しの柔らかな感触に吐息を漏らし、僕も先輩の背中に手を回す。先輩は僕の頭を撫でながら「は〜可愛すぎ」「マジで好き」と囁くので、それに応えるようにぎゅっと体を寄せる。暖かで甘い時間は予鈴の音で中断された。
「おっと、中等部戻るの間に合うか?いきなり呼び出して悪かっ――」
パッと先輩と体が離れた瞬間、僕は寂しさが顔にでてしまったのだろう。先輩は一瞬きょとんしてから、にんまりと笑い、
「そんな顔すんなよな。今日、あたしの家に来んだろ?明日休みだし……一晩中可愛がってやっから、さ?」
耳元で囁き、先輩は「んじゃ放課後な」と言い残してトイレから出ていってしまった。
放課後の事を考え、反応してしまった僕の下半身を沈めるのに時間がかかり、授業には遅れてしまった。
◆
目の前を、何組ものカップルが通りすぎる。
どのカップルも皆、表面上は楽しげで和気あいあいとしているけれど、瞳の奥には浮わついて爛れた火がくすぶっているのが分かる。金曜の放課後。魔物娘さんとお付き合いしている僕たちは、その日の夜に何が待ち受けているかよく理解している。
溢れ出る性欲を、気持ちよく受け止めてくれる彼女との甘い時間だ。
「悪い!待たせたか?」
「いえ、全然!」
「おし、んじゃあ行くか」
きゅっと手を握られてから先は、ぼんやりとしか覚えていない。ドキドキと跳ねる心音と際限なく上がっていく体温に、記憶が曖昧になる。お母さんに今日は先輩の家に泊まると連絡して、先輩の家にお邪魔して、宿題を終わらせて、服を脱いで、ベッドに仰向けになって……
「ちゅ、んちゅ……♡」
「うぁ、あ……っ!」
先輩は、学校と家ではフェラのやり方が全然違う。
学校ではいきなり咥えこむ、激しくてがくがくと体が震えるような気持ちよさのフェラ。トイレや校舎裏で、僕のズボンと下着だけおろして、立たせて腰を抱き抱えるような形でしゃぶってくれる。でも、先輩の家では、裸の僕をベッドに寝かせて、ゆっくりじっくりと焦らされ、最後には全身が蕩けてしまうようなフェラ。
「んちゅ、ちぅ、ちゅっ、ちゅぅ……♡」
きゅっと結ばれた先輩の唇が、僕のアソコに口づけするように押し付けられる。濡れて弾力のあるぷるぷるの口が、僕の玉に、竿に、何度も何度も吸い付いてくる。快感よりも興奮を煽る口づけに、僕は身をよじることしかできない。自由に動かせるはずの両手は、先輩に指と指を絡ませられ、がっちりと握られてしまっている。
「ちゅっ、んちゅ……♡」
左右の睾丸に何度も何度も口づけが落とされる。先輩の唇が袋に押し当てられ、その奥に向けてちゅっと吸い付かれると、内部でどくどくと精子が作られ、充填されていくのが分かるようだった。早く先輩の口の中に出たいと言う精子たちの先走りが、先端から漏れだしてお腹に滴る。
「ちぅ……♡ちゅ〜……っ♡」
先輩の唇が根本に向かう。睾丸の精子たちの行く先を教えるかのように僕の根本に吸い付き、そのまま竿を登っていく。
「ちゅっちゅ♡ちゅっ♡ちゅぅ♡」
強まっていく快感に握る手が緩まると、先輩はぎゅっと指の力を込めて僕へ手を握れと命令してくる。僕は喜んでそれに従い、先輩の大きくて柔らかな手を握り返す。
それでもなんとか正気を保ち、僕のアソコに口づけしながら登ってくる先輩の顔を凝視する。まだ半分くらい、もうそろそろ、あと少し、はやくはやく、はや――。
「――ふぅ〜っ♡」
「ふぁああっ!」
皮の剥かれた先端、その気持ちいいところに先輩の唇は触れず、代わりに突然息を吹きかけられた。思っていた刺激とは違った快感に、僕は腰を跳ねさせてしまった。
「ふぁ、あぅ……?」
「はぁ、かわい……♡」
「ぅ、うう……っ!」
僕が「早くお願いします」という視線を向けると、先輩はにんまりと笑い、僕のお腹にたまった先走りをすすり上げた。びくんと体を跳ねさせた僕の前でくちゅくちゅと口を動かし、ぴちゃ、と音立てて口を開いた。
「あー……♡」
ねっとりと糸を引く透明な汁の向こう側の、暖かそうな肉壁が僕に晒される。その口肉の真ん中で、唾液と先走りの粘液をまとった生き物がぬらぬらと蠢いている。先輩の肉厚で、ぷるぷるで、気持ちのいい、舌。
早く、早く早く。
「まずはゆっくりしたい?それとも一気にしてほしい?」
「あぁっ、一気に、一気にお願いします……♡」
「よかった、あたしも我慢できねえから……♡」
一度口が閉じられ、くぱ、と音立てて開くと、先輩は片手を離して僕のアソコを持ち上げ、口を包み込むようにゆっくりと降ろしてる。ねとついた唾液の糸がアソコに触れて絡み付く感触と共に、僕のアソコが先輩の口に覆われる。ちょうど先輩の口でカバーをしたかのようだ。
まだ、口のお肉は触れてくれない。
感じるのは先輩の熱い吐息だけ。
お願い、早く早く。
先輩の口内で、吐息で蒸されて、僕のアソコは弾け飛びそうなほど先輩の口のなかで跳ね回っている。根本を押さえていた先輩の手が離され、代わりに唇がくっつくきーー
「んむっ♡んじゅるるるっ♡」
「んはぁあっ!!」
一気に、先輩の口内が吸い付いてきて、僕は射精してしまった。僕の両手は先輩にがっちりと握り直され、一番繊細な手という器官から、先輩という存在を感じさせられる。
先輩に造られ、先輩に案内された精子たちが、先輩の導くままに放たれていく。僕の意志とは関係なしに、遠慮もなしに快感が止めどなく溢れ出る。射精はいつまでも収まらず、僕は恐怖にも似た快感からの救いを求めるように、その恐怖の元凶である先輩の手を強く握りしめる。
「んじゅる♡じゅうるるる♡じゅっぷ♡じゅっぽ♡」
先輩のぷるりとした唇は、先ほどまでの優しさはどこに行ったのかと思いたくなるほど、きゅうきゅうと僕の竿を締めつけ、ずるずると扱き上げる。ぬらぬらとした舌が僕の敏感な部分をなめ回し、カリ首をぞりぞりと削るように這い回る。口内の肉壁は僕のアソコにぴっとりと張り付いたまま、にゅぐにゅぐとアソコ全体に擦り付いてくる。
「んぶっ♡んぼっ♡んじゅるるるぅっ♡」
「はぁっ♡んううっ♡ふぁあっ♡」
先ほどから僕は繰り返し射精し続けている。先輩が睾丸にキスをすると、まるで魔法にかけられたかのように勃起が止まらなくなり、何度も繰り返し射精してしまう。段々と射精の間隔は開いていくけれど、気持ちいいがずっと続いて頭がおかしくなりそう。
「んじゅる♡じゅるるるっ♡んうぅ……っ!」
「はあぁっ♡あっ、んぷっ……♡」
繋がれていた手が離された。先輩との繋がりが絶たれたようで寂しくなったけど、次の瞬間にはさらに濃密な繋がりが与えられた。先輩が姿勢を変え、僕の顔に先輩の性器を押し付けてくれた。
先輩も気持ちよくなりたい。僕に気持ちよくしてほしいということ。これが僕たちの交わり、愛し合う行為。僕は先輩への好きという気持ちを、そのまま濡れそぼったアソコへ向ける。
「んちゅ、れるれる……れろ……♡」
「んぶっ♡んぅっ♡んちゅ、ちゅるるっ♡」
僕はいつまでも続く口淫の快感に全身を痙攣させ、また射精してしまったけれど、一人で快感に溺れてしまわないよう必死で先輩のアソコを舌で舐める。滴り落ちてくるお汁を舌で受け止め、ぬるぬると割れ目に舌を使って塗りつける。ぴくんぴくんと震える先輩のお尻がかわいい。先輩の大きくて柔らかいお尻をきゅっとつかみ寄せ、大好きという気持ちをのせて舌を動かす。
「れる、れろ……んぅっ♡れろれろ、ちゅるる……♡」
「んぅっ♡んぶ♡んじゅ♡んうぅっ♡ぢゅるるっ♡」
先輩のお尻の震えが小刻みになったら、お尻をぎゅっと抱き寄せる。大きくて柔らかな尻肉に指を埋めるようにして揉みしだくと、先輩の敏感な小さい突起がぷっくりとふくれる。僕は先輩がくれる快感のお返しに、その小さく膨らんだところを舌で優しく、けれども激しくなめ回す。
「れるれろ、れろれろ……♡」
「んじゅっ♡んむぅ♡らめっ♡んぷっ♡」
先輩のおつゆがとぷとぷと溢れ、僕の口元から溢れる。先輩の濃い匂いが僕の顔中に擦り付けられ、舌先から口に流れ落ち、僕の中まで先輩でいっぱいになる。
「あらひっ♡んじゅるっ♡もうイくっ♡」
先輩はそう言いながら僕のアソコへの吸い付きを強める。一度収まった射精がまたすぐ近くに来る。先輩と、先輩と一緒にイきたい。
「んあっ、あっ……れる、せんぱ……すき、すきすきすき……♡」
「あらひもすきっ♡じゅるる♡だからイこっ♡じゅるるっ♡」
「はひ……れる、れろ……いっしょに、いっひょに、ぃい……♡」
「いっしょに……じゅうるるるっ♡いっしょにイってぇ♡」
僕も、先輩も、大好きを伝え合いながら、お互いの敏感な部分を責め上げる。先輩の口がぎゅむっと収縮し、じゅぽじゅぽと激しい音を立て、僕の精液を根本から吸いだそうとするようなフェラ。僕も先輩の柔らかなお尻をぎゅっと抱き寄せ、小さな突起に吸い付き、精一杯舌先でなめ上げる。
僕たちは、十秒ともたずに同時に達した。
「「んっ♡んううう〜〜ーーーーッ♡♡♡」」
びくん、と同じタイミングで体が跳ね、快感で2人とも体が震える。僕はびゅるびゅると先輩の口内に射精し、先輩もぴくぴくと震えるアソコから汁を溢れさせ、僕の顔に滴らせる。
少し呼吸を落ち着かせると、ぬるぬると優しい感触が僕のアソコに与えられる。先輩が残った精液を吸いだしてくれている。僕はくすぐったい快感に身を震わせながら、先輩の真似をするように舌で愛液を舐めとる。
「んぷ、ちゅる……んく、こく……♡」
先輩は僕の精液を飲み込むと、ベッド脇においてあったペットボトルを手に取った。中の水を口に含んで一度くちゅくちゅとうがいして飲み込み、もう一口、口に含んで僕に覆い被さるようにして顔を近づけてくる。
「んちゅ、ちゅる……♡」
先輩の口内でほんのり暖かくなったお水が流れ込んでくる。少し甘いようなその水を飲み込むと、先輩はもう一口水を含んで僕に口移しで飲ませてくれる。
「んく……こく……」
「ちゅる……んちゅ……♡」
二度目の口移しは、そのまま深いキスへ移った。先輩は僕の頭を抱え込むようにしてちゅうちゅうと吸い付いてくる。ぷるりとした唇の感触、ゆるりと絡まる舌の柔らかさ、繰り返し頭を撫でてくれる先輩の手の感触。射精の快感が、先輩への愛欲と幸福感に塗り替えられていく。
「んちゅ、んぅ……ちゅぱっ♡」
少しの間続いたキスが終わると、目の前に先輩の笑顔がある。性の快感が抜けきっていない瞳で、僕に愛のこもった視線をむけてくれる、そんな笑顔。僕はこの瞬間、何度でも先輩に恋をする。
「気持ちよかった、ありがと♡」
「僕も、気持ちよかったです……!」
「だよね♡あたしの口にずっとびゅーびゅーしてたもんね♡」
先輩は僕のアソコを指先でいじりながら微笑む。まだ先輩の魔法がとけていない僕のアソコはすぐに反応して固くなってしまう。
「あは♡また固くなった♡」
「先輩、せんぱい……っ」
「ん♡いーよ、また口で抜いたげる……♡」
先輩はちゅっと一度だけキスをすると、また僕のアソコを咥えてくれる。口だけで繋がる僕たちの愛の営み。変わった性癖と言えばそれまでだけど、だからこそ僕と先輩は結ばれたんだと思う。
僕たちは、口と口とで愛を紡ぐ。
それが僕たちの幸せ。
ぼくと先輩の甘い夜は、まだまだ続く。
22/02/11 19:10更新 / TakoTako