読切小説
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まあ世の中興奮することっていろいろありますけども
「あれ、昨日まで何もなかったところに娼館ができてる」
 
「興奮してきたな」

「入ってみるか」ガチャ

「いらっしゃいませ!あ、そちらまっすぐ行ってもらって、突き当りすぐ右になります」

「…なにがだよ」

「オークの巣です」

「探してねえよ、興味ねえよオークの巣」

「すみません、てっきり似た者夫婦かと…」

「誰がオスオークだ馬鹿野郎」

「違えよ、客だ客!」

「あ、お客様でしたか」

「そうだよ」

「何様ですか?」

「何名様だろ、なんだ何様って馬鹿野郎、しいて言えばお客様だよ」

「初めてのお客様ですか?」

「ああ、初めてだよ」

「wwお客様wwwその年で童貞ってwww」

「違えよ!なんでいきなり童貞カミングアウトしなきゃいけないんだよ!」
「じゃなくて!初めて店に来たって意味!」

「そうなんですか…」

「なんでちょっと落ち込んでんだよ気持ち悪い」

「え~では、入場前に簡単なアンケートを取らせていただきます」

「アンケート?そんなんあるんだ」

「はい、より良いサービスをするために
 魔物の夫のインキュバスにアンケートしてるんですよ」

「何一つ当てはまってねえよ」

「あれ、オーク様がいるんじゃ…」

「奥様みたいに言ってんじゃねえよ、さっきやっただろうがこのくだり!」

「ちょっとなにいってるかわからない」

「なんで何言ってるかわからないんだよ」

「それではアンケートとらせていただきます」

「さっさと済ませてよ?」

「大丈夫です、あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っという間に終わりますから!」

「結構長えじゃねえか、あっという間が長いよ!」

「それでは、まず第一問!」

「テンション高えなオイ」

「『あなたは、今、ペンや書くものを持ち歩いていますか?』」

「書くもの?まあ一応持ち歩いてるけどね」

「『マスをかくものでも結構です』」

「最低だな馬鹿野郎、ただのボールペンだよ!」

「では、『もしよければ、そのペンを貸していただけますか?』」

「お前持ってねえのかよ!なにアンケートみたいに言ってんだよ」

「『マスをかくものでも結構です』」

「しつけえよ、つーかマスをかくものってなんだよ、手か?」

「いえ、チ○コです」

「そっちかよ!貸し出せるかそんなもん!」
「オラ、使えよボールペン」

「ありがとうございます」

「なんで持ってねえんだよ」

「粗品であげちゃって…」
「それでは第二問!」

「うおっ!急に大声出すなよびっくりするだろうが」

「『理想のタイプはどんなかたですか?』」

「理想のタイプか〜まああんまり見た目にこだわりはねえな」

「そうなんですか?『ない』と…」

「最後まで聞けよ!大事なのは中身だろうが」

「中身ですか?へ〜、珍しいですね」

「んなことねえだろ、普通だ普通」
「やっぱ尽くしてくれる人がいいな、手料理とか作ってくれるような…」

「あ、すみませんお客様、そっちじゃなくてこっちのほうの肩です」ウデグルグル

「そっち!?え?理想の肩の形ってこと?」

「そういうことです、はい」

「ねえよそんなもん」

「やっぱないんじゃねえか…チッ」

「おい」

「なんですか?」

「お前いま舌打ちしただろ」

「いやいやそんなことしてないですよ何言ってんですか」

「しただろ、ちゃんと聞いたぞ」

「してねえっつってんだろ…チッ」

「今した!」
「なんだよこのアンケート!ペンは持ってねえしよ!肩とか!馬鹿にしてんだろ!」
「お前みてえなやつはな、親のしつけがなってねえんだよ!」

「ちょっと待ってください、僕の両親を馬鹿にするのはどうでもいい、でもね、母の作った煮つけ、これを侮辱するのは許さない!!」

「誰が煮つけっつったよ!しつけだよしつけ!」

「しつけ…あっ、申し訳ありません」

「もういいよ、それよりよ、しょうもねえアンケートのせいで時間がないんだよ、さっさと案内してくれよ」

「ああ!それは大丈夫ですよ、ありますから」

「いや、ないって言ってんだろ」

「ありますよ!」

「ないよ!俺がないって言ってるんだから!」

「うちはスケルトン、ゾンビ、グールの屍姦サービスもちゃんとありますよ!」

「屍姦じゃなくて時間!時間が無えんだよ」

「あ…時間ですか」

「耳悪いんだよ、いいから早い娘紹介してよ」

「早い娘ですか?ちょっと待ってくださいね…えー、たぶん一番早いのは、ナイトメアさんですね」

「ナイトメア?いいじゃんいいじゃん」

「ええもう、自慢の足でガンガン抜いてくれますよ」

「足で!?あの足で抜かれんの!?」

「あたりまえじゃないですか〜」

「お、おお…そんなもんなのか」

「まあちょっと寝てもらわなきゃいけないんですけどね」

「駄目じゃねえか」

「え?」

「時間が無いから早い娘紹介してって言っただろ!」

「ええ、ですから一番足が速い娘を…」

「なんで今足の速い娘要求すんだよ、仕事に乗って行けってか?」

「お持ち帰りですか?」

「違うわ!時間が押してるから早く済ましてくれる娘紹介してって言ってんの!」

「ああ!ちょっと待ってください、今探します」

「早く探せよ」

「あ〜、今ですとナイトメアさん、ダークエルフさん、ウシオニさんが空いてますね」

「絶対朝までかかるやつじゃねえか、もういいよ」

「お客様?どこに行かれるんですか?」

「帰るんだよ、時間ねえからよ、また今度来るわ」

「あ!待ってくださいお客様!」

「何?」

「今キャンペーンやってまして、ご満足いただけなかったお客様に粗品があるんですよ」

「キャンペーン?なんかくれんの?」

「はい、こちらになります」

「人形じゃねーか、いらないんですけど」

「いらないんですか?」

「男の一人暮らしで人形もらっても困るし…」

「いや、この人形驚きの新機能がついてまして」

「新機能?なんだよ?」

「体に付けれるんですよ」

「つける!?え?これ体に付けんの?」

「はい」

「だっこちゃん的なアレか?」

「股間の方にオナホールついておりますので」

「ラブドールかよ!まあ確かに娼館の粗品っぽいけどよ」

「使われないんですか?」

「あー、いや、そういうことならもらっとくわ、娼館に来て結局抜けなかったし」
「…ん?おい、この人形股間になんか入ってんぞ」

「ああ、そちら人形がマスをかく用の粗品になります」

「ボールペンかよ!」
「もういいぜ」

「「どうも、ありがとうございました」」




















ゴースト「あとでリビングドールちゃんに謝ってくださいね」
ファントム「なによう!あの娘が一人遊びで私のペン折ったのが悪いんじゃない!」
18/06/12 21:37更新 / Rest

■作者メッセージ
いつもありがとうございます

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