読切小説
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はっぴーばーすでい
街の明かりもほぼ消え
星や月の明かりで照らされた夜。

「はっうぅ あぁっは いいぃ♥ 先パイの、ふかくまできて、すごくいいですぅ♥」

「くっうぁ はっあ…暖女ちゃんこそ、
ナカのうねりと締まりがすごくたまらない、うっく!」

その光が差し込んでくる部屋の中で
私と先輩は抱き合いながらセックスをしている。
抱き合うというよりは先輩に後ろから抱きしめられている、
って言った方が良いかな?
私は普段通りの正面向き愛の抱き愛セックスの方が
好きなんだけど、『今』はそうも言っていられない。

「うあ、くっ、暖女ちゃん、そろそろ…」

「はい、くださいぃ♥先パイの、私の、一番おくまで、いっぱい出してくださぁい♥」

先パイが声をもらすと同時に、
おちんちんがむくむくと私のナカで大きく硬くなってきた♪
もっと気持ちよくなって欲しくて早く出して欲しくって、
私は腰の動きを激しくした。
つながっている所からはじゅぷじゅぷといやらしい音が大きく鳴って、
体のナカからはこつこつと私の子宮口と先パイのさきっぽが
ぶつかりあってひびいているのを感じる。

「ちょっ、暖女ちゃん;いくら何でも、激しすぎない?」

「はぅ あっ はっ はっ だって、先パイの、早く欲しいんです♥
何回出されても、何回出されてもぉ、全然、足りないんですぅ♥」

「でも、暖女ちゃん、今、お腹が…」

そう言いながら先パイは私のお腹、大きく膨らんだそれに手を添えてきた。
これは太っているんじゃなくて、先パイと私の赤ちゃんが入っているの♥
『あの夜』…魔界産の食べ物をたくさん食べてお互い本気で時が経つのも忘れて
抱き愛セックスし続けた結果、私はめでたく先パイの子を孕んだ。
さらに先パイも完全にインキュバスになった。
あの日は本当に好い事づくめだったなぁ♥

それからも私はたくさん先パイに抱っこをおねだりした。
先パイも最初のうちは喜んでたくさんしてくれた。
そう、最初のうちは…
お腹が目立ってくる様になると、先パイからの抱っこは少し控え目になっちゃった;
どうしてそうするのかは分かるんだけどね。
あまり激しくするとお腹の子が危ないんじゃないか、
って考えてるんだと思う。先パイは優しい人だから…
その気持ち自体は私も嬉しい、でも…
やっぱり孕む前みたいな心も体もとろとろになる抱き愛セックスがしたいなぁ…

「先パイったら、心配しすぎですよぉ♪
先パイの、子種なんです、きっとお腹の子も、気に入りますよぉ♥」

「いや、そうじゃなくて、動きが、少し、激しすぎ…うっあ!」

胎児であっても私たち魔物はそんなにやわじゃない。
『元気な子が生まれて欲しいのならむしろ一緒に愛して
たくさん出してあげた方がより元気に生まれるんです!』って、
何度も言ったのに先パイは『でも、しかし』ばっかりで
『じゃあいいか』と割り切ってくれない;
だから最近は私の方からお願いする様になってるけど、
やっぱり今ひとつ物足りない感じがする。私、責められる方が好きみたい…

「さっきも、言ったじゃ、ないですかぁ、私、全然足りないんですぅ♥
もっともっと、い〜っぱい、先パイが欲しくて、ナカがずっと、切ないんですよぉ♥
だからほらぁ、早く、出して、いっぱい、出して、
私の全部、あったかく、してくださぁい♥」

「ううっぐ!暖女、ちゃん・・・!」

しゃべり合うだけじゃ気持ちよくならないから私はまた腰の動きを激しくした。
子供を孕んだからか先パイとたくさんセックスしてきたからかどっちともだからか…
どれかはわからないけど私のナカはいくらか変わったみたいで
何というか前よりも先パイのおちんちんの形がわかる様になった。
それは先輩も感じてくれてるみたいでいつだったか、

『前は全体をぐにぐにと包まれる様な肉感と溶ける様な熱さがあったけど、
最近はまさしく下のお口で食べられてるっていうか、
じゅるじゅる貪られてるって感じがすごくって・・・;
特に奥まで突き入れる度に暖女ちゃんの子宮口と俺の先っぽが当たってくる時の
その肉感で頭まで気持ち良さが走ってくる感覚になる。
汁気も多くなったのか溶けてなくなるんじゃないか
ってくらい熱さもすごくって全然ガマンができなくなった;』

…なんてことを言ってくれた。正直少し恥ずかしい;嬉しくもあるけど♥
私も奥をこつこつ突かれる度、頭の先まで電流が走ったみたいに気持ちよくなって、
あまりのスゴさに突かれるたびにイキ続けた事もあったなぁ♥

なんてことを思い出していたら、先パイのおちんちんがぶるりと震えて
どくんどくんと大量の精液を私のナカに流しこんできた。
さっきも言ったけど、先パイはもうインキュバスになっているから
今や魔界産の食べ物に頼らなくても大量の精液をとても長い時間出してくれる。
じゅぷじゅぷと動き合っている時も気持ちよかったけど、
やっぱりこうやってどぷどぷと先輩の精液を一番奥で受け止めている時が
一番気持ちいい♥

「はうっ…んっふうぅぅあ〜〜♥あっらはいのがぁ、ひろがってきまふぅ〜♥
おにゃかのこも、よろこんでまふよ〜♥」

私の奥をびしゃびしゃと叩きつける様に流れてくる精液が、
『あの夜』の時みたいな昇ったまま降りられなくなる様な気持ち良さを与えてくる。
それで頭が真っ白になって体中が震えて、お腹の奥もさっきより熱くなる。
ああ、赤ちゃんも喜んでくれているんだなぁ♥
後ろに目を向けると先パイも気持ち良さそうな顔♥
何時間も抱き合っているからもうお互い汗と性液でベタベタで…
ああ、先パイが何だかおいしそうに見える♥

ぺろんっ
「うわっちょっ;暖女ちゃんくすぐったいよ;」
「ぺろ、はぷっ、れろぉ・・・ごめんなさい、でもおいしそうで、というかおいしくて♥」

思わず先パイの顔を舐めまわしてしまう私。
はしたないのはわかってるけど、ホントにおいしくてもうガマンがきかない;
そのまま先パイの口の中に舌を突っ込んでじゅるじゅると音を立てながら
先パイの歯や舌を舐め回す。

「んじゅぷぅ、れるぅ、むあぁ、ふぇんぱいぃ、おいひい・・・♥」

「ぷわっむぅ;じゅぷ・・・ぷあっ、暖女ちゃんいつもより積極的だね;」

「ぷあっは・・・先パイが、イケないんですよ?
先パイが控えめになっちゃって、私、全っ然足りないんです、
先パイの熱が少しでも抜けると、さみしくてたまらないんです」

『一体いくつだ;』と言われそうな発言かもしれないけど、
本当に足りないんだからしょうがない。
どれだけあったかくなっても抱っこしてもらっても
少しでも先パイと離れるとさみしくてさみしくて仕方がなくなる。
妊婦さんになるとこういう時期があるって聞いたことはある、何て言うんだっけ?

「ゴメンよ;言われてわかっているつもりなんだけどね、
やっぱりそのお腹を見ているとどうしても、ね?」

「お腹の子もパパが構ってくれないって寂しがってますよ?ね〜?」

お腹の子に語りかけると答える様にお腹を蹴ってきた。
私の言葉に応えてくれているみたいで嬉しい♪

「あ、今お腹蹴ってきましたよ♪ほらやっぱり
お腹の子ももっと来て欲しいんですよ?だからほら♥」

「う〜ん、でもやっぱり激しくは無理だから…」くいっ
「ふえっ?」

言いながら先パイは私の体を引き寄せて…
優しく包み込む様に抱きしめてきた。

「これで許してくれないかな?ほら、抜いてはいないんだしさ」

背中から伝わる体温と鼓動、私の頭とお腹を優しく撫で回す大きな手の感覚、
そして私のナカをゆっくりとするように動く先パイのおちんちん…
ナカも外もぎゅっとされるような抱っこを期待してたんだけど、
ああ・・・でもこれはこれで悪くないかも♥

「ふあ、あ、先パイ…」

「ダメ、かな?」

「も、もう…ちょっと物足りないですけど、先パイがどうしてもと言うんなら、仕方、ないですね…♪」

「精一杯ご奉仕させていただきます♪」

「はい、いっぱい愛してくださいね♪」

普通は女の子が言う側なんじゃないかなとちょっと思ったけど、
久しぶりに先パイからたくさんしてくれるのならまぁ良いや♪
いつもと違うゆっくりとした抱き愛だったけど、
最初から熱くなりっぱなしのいつもとは違って、
ゆっくり熱が回っていく、弱い所からじわじわ広がっていく感覚、
さっきは物足りないなんて言っちゃったけどこれもすごく良かった♥
子供が生まれた後もまた頼んでみよう♪
その後も腕枕をしてもらったり、そのまま抱き締めてもらいながら眠ったりと
めいっぱい先輩に甘えさせてもらった。



〜早朝の商店街〜

「っよいっしょ…;っと(ガタンッ)ふうぅ;あともうちょいかなぁ;」

早朝、先パイは一生懸命お仕事中。
以前は昼や夕方の数時間程度だったんだけど、
私が妊娠したと知ってからお父さんが、
『オマエは暖女を幸せに義務がある!今まで以上にビシバシ行くからな!』
と言って先パイに対して今まで以上に厳しく接するようになった;
まぁ言った割には夜まで時間を取らせなかったり、
私と先パイが少しでも一緒にいられる様にとシフト割り当てを
できる限りかぶらせる様にしたりと何だかんだで甘い部分が見られる。
…いや甘いって言っても『私への』甘さとごっちゃになっただけなんだろうな;
この仕事だって終わった後は好きにしていいと言ってくれた。

「よいっしょっと、ふう;あと数回移動で終わりですかね?」

「ああそうだね、じゃあ暖女ちゃんはもう休みなよ?」

「いえいえ、最後までお手伝いさせてください!」

というわけで私も先パイの仕事のお手伝い中!
二人でやったほうが絶対早いからね、
終わりが早ければ早いほど、先パイに抱っこしてもらう時間が長くできる♪
そう思うと一層やる気が出て、あっという間に仕事を終わらせた。

「ほら、もう終わっちゃいました♪」

「あ、ありがとう…ごめんね;今の暖女ちゃんにやらせる事じゃないのに…;」

「全っ然大丈夫です♪それよりもほら、終わったんですから早く…♥」

「ああ、うん、そうだね…いっぱい喜ばせてあげるね♪」

終わってしまえばもうこれからは一分一秒も無駄にはできない♪
早速昨日みたいに抱き愛セックスをお願いしよう♥
めいっぱい先パイに甘えさせてもらおう♥
そう思いながら家へ帰ろうとした直後・・・

ぼたたっ ばしゃぁっ
「ん?」
「え…?」

私の股からいきなり多量の液体が流れ出てきた。
一瞬まさか先パイの目の前で!?;と思ったけど
ソレらしい匂いはしないし、色もしてない…
じゃあなんだろうと思っていたら・・・

「う…あう…」へたっ

そのすぐ後に足に力が入らなくなって私はその場にへたり込む。
同時にお腹の中がぐるぐるする様な感覚がやってきた。
これってもしかして・・・!

「あ、暖女ちゃん、もしかして!?」

「み、みたいです…;」

ああきっと、いや絶対そうだ、これは破水、
つまり、今から・・・赤ちゃんが生まれる!!

「た、大変だぁ…;お、お義父さ〜ん!;」
「ひゃっ!?;」

慌てた先パイは私をお姫様抱っこして急いで家へ走って、
急いで扉を開けて(というか蹴破って)、急いでお父さんの元に向かう。

オヤっさん
「…何!?もう生まれるかもだと!?」

暖女
「う、うん…お腹の中ぐるぐるってなって…んっう…!」

オヤっさん
「…よし、じゃあまず布団敷くから暖女はそこに横になれ、
母さ〜ん、タオルとお湯持ってきてくれ〜!
おい、オマエもいつまで抱えてんだ、早く下ろしてやれ;」

先輩
「あ、すいません;」

お父さんが布団を敷き、お母さんがお湯とタオルを準備して、
先パイが私を布団に降ろす。ここでこの準備をしているってことは
私、家で赤ちゃんを産むのかぁ…
お母さんも家で私を産んだって言ってたなぁ…
なんて事を考えている内にお腹のぐるぐるした感覚が激しくなって
苦しくなってきた。頭も何だかぽ〜っとしてきた…
…お母さんもこんな感じだったのかなぁ…

オヤっさん
「暖女、横になったら足を開け」

暖女
「う、うん・・・」

カミさん
「あなた、お湯とタオル!」

暖女父
「おうありがとう」

先輩
「オヤジさん、俺に出来る事はありますか?何でもやります!」

オヤっさん
「何言ってんだ;やった事もねぇヤツがいっちょまえなこと抜かしてんじゃねぇ!
そんなこと言う暇あったらだな・・・」

お父さんは先パイを私の横へ置かせて…

オヤっさん
「暖女の側にいて手でも握ってやれ、オマエに出来るのはそれ位しかねぇよ」

先輩
「・・・はい!」

もうちょっと優しい言い方が出来ないのかな;
ぽそっと『オマエにしか出来ねぇことだ』って聞こえたけどさ…
こんな時でも先パイの前では厳しい父親であろうとするんだから;
お父さんの厳し目な言葉にもめげず、先パイは私の側に寄って手を握ってくれる。
私の大きな手を先パイの両手がぎゅっと包み込んでくれている・・・
ああ、さっきまで外で働いていたはずなのにすごくあったかい♥

先輩
「暖女ちゃん、頑張って!ゴメンよ、こんな時にこれ位しか出来なくて…」

暖女
「先パイ…えへへ♪あやまることないです、
先パイの手、いつもよりあったかくて安心できます♥・・・ふあっ!」

先パイの手の温もりで気が緩むとすぐに
お腹から全身へすごい熱が回っていく感覚に襲われた。
同時に先パイに抱っこされた時くらい、いやそれ以上に気持ちいいのも回ってきた。

暖女
「うあっあ、ひうぅ!これ、すごいぃ・・・」

カミさん
「暖女、力んではダメよ?呼吸を続けて?」

暖女
「う、うん…はっ、はっ、はっ…」

呼吸を続けろとは言われたけど、
息をするたび身体中を気持ちいいのが回っていって
どんどん体が熱くなるのを感じる。
顔が赤くなり全身から汗がどろりと流れるのがわかる。
体が熱くなっていくと同時に先パイの手の暖さが無くなっている様に感じて・・・
どうしよう、怖い・・・!先パイちゃんとそばにいますよね…!?

先輩
「暖女ちゃん、どこか痛い?あるならさすってあげるよ?」

暖女
「はっ、はっ…いた、い?」

先輩
「ほら、子供が生まれるんだから陣痛とかが…」

暖女
「えへへ♪センパイ、やさしい、ですね♥
じゃあ、いたくは、ないですけど、あたま、なでてもらって、いい、ですか?」

先輩
「こうかな?」

先パイの手が私の頭を優しく撫でるのを感じると私の心はいくらか落ち着いた。
頭のぽ〜っとした感覚のせいでみんなの顔もよく見えないから
この温もりがあるだけですごく安心できる。

暖女
「えへへ♥、ありがとう、ございます♥
おかげで、こわく、なくなりました…」

先輩
「怖いだけ?痛くはないのかい?」

暖女
「はすい、してからも、いたくは、ないんです、けど、いしきが、
うきっぱなしに、なるくらい、きもちよくって、それが、こわいん、です…
だって、センパイじゃない、なにかに、そう、されてるって、おもえて…」

先輩
「何かじゃないよ、俺と暖女ちゃんの子だ。だから怖がる事なんて無い、
安心して産んでくれ。大丈夫、ちゃんと側にいるから」

暖女
「…はい♥私が、赤ちゃん、うむ、ところ、ちゃんと、みて、ください、ね?」

先パイと私の言葉を聞いていたのか、お腹の中の動きが激しくなってきた。
お腹の奥が開くのを感じる、ああ、とうとう『その時』が近づいてきているみたい…

暖女
「はっ、はっ、はっ、あうっく、んんっ、ぐるぐる、はげしくなって…
んっうぅ、あぁっあっ!お、なか、ひらいて、くるっ…!」

カミさん
「暖女、呼吸を続けて?後もう少し頑張って!!」

暖女
「ふっ、ふっ、ふっ、ひうっ!とおって、くるの、すごい、わかるっ…!」

オヤっさん
「膨らみが移動してきているな、もう少しだ!」

お腹に目を向けるとお父さんの言う通り進んでいるんだろう、
お腹の膨らみが小さくなっていくのがわかった。
同時に私の股あたりが広がってきているのも感じた。
自然に先パイの手や布団を握る力が強くなっていく・・・!

暖女
「あっあぁっ!センパイ、センパイ、ちゃんと、みえますか?
あかちゃん、うまれます、わたしと、センパイの、あかちゃん、うまれますっ!」

先輩
「うん、見てるよ?ちゃんと見てるから後もう少し、頑張って!!」

先パイの手をこれまでにない位握り締めて、
お腹に力を込める・・・そして・・・

暖女
「はっ、はっ、いっ、ひうっあ、はっあぁ…あぁあぁあ〜っ!!

今日一番、いやこれまで生きてきた中でも
出した事のない位大きな声を張り上げて・・・







私は一つの命をここに産み落とした・・・
軽くむせてすぐ元気な産声をあげているのが聞こえる。
お母さんが優しく抱え上げ、私たちの顔元へその子を近付ける。
生まれてきたのは女の子、つまり私と同じイエティの赤ちゃん。

先輩
「生まれた、生まれたよ!暖女ちゃん!ほら、君そっくりの女の子だ!」

暖女
「うわぁ♥、はだの、いろは、センパイに、近い、ですね・・・はうっ!?」

先輩
「暖女ちゃん!?」

産まれてほっと一息をつく間も無く、また私のお腹の中がぐるぐるし始める。
そうだった、まだ『もう一人』いるんだった・・・!

先輩
「どうしたの!?どこか痛み出した!?」

暖女
「ふっうあぁっあ、きま、す…またきますぅ、また、とおってきてますぅ!
こんどは、すごく、はやい、で、すぅ…ひうぅっ!」

先輩
「通るって?早いって何が?」

暖女
「ひうっあぁ!もう、くる…!でたがってる…!
おなかの、なか、ひろげてきて…ひぐっ、んん〜〜〜っ!!」

今度はせっかちな『子』みたいで、ずりずりとすごい早さで
通り道を抜けていく、だからさっきよりも気持ちいいのが一気にきて、
意識が、今にも飛びそう・・・!

暖女
「はうっ、ひっ、やあぁあ!センパイ、センパイっ!
またっ、うまれ・・・!あっあああああ〜〜っ!!」

『一人目』と違い、ずるるとお腹から落ちるように抜けていって、
そのすぐ後に元気な泣き声が聞こえてきた。お母さんがまた私の顔元へ近づける。
私は息を整えてからさっき生まれてきた子と一緒にその子を優しく抱き上げる。

暖女
「えへへ♪どっちも、元気そう、よかったぁ♥」

カミさん
「あら?こっちは男の子ね♪」

先輩
「え?暖女ちゃん、これって?」

オヤっさん
「何だ暖女、言っとらんかったのか?」

暖女
「えへへ♪先パイを驚かせたくって♪」

ニコニコした様子の両親とは反対に先パイは何が起きてるかわからないといった様子。
それもそうだろう、先パイには言っていなかったことだ。
私が、双子を妊娠していたことは。
驚く先パイの顔が見てみたくって内緒にしていたのだ。
期待以上に驚いている先パイ、驚きすぎたのか少しぼ〜っとしている。
でもその顔は同時にとても嬉しそうにしている。

オやっさん
「おいオマエ、何をぼーっとしてんだよ?」

カミさん
「こんなに可愛い赤ちゃん達のお父さんなのよ?だから…」

暖女
「ほら、抱いてあげて下さい…アナタ♥」

先輩
「あ、はは…」

促されて引き寄せられる様にゆっくりと双子の元に寄ってくる先パイ、
私は落とさない様にそっと優しく自分の腕から先パイの腕へ女の子の方を渡していく。
さっきまで大きな声で泣いていたのがウソみたいに穏やかな顔。
暖かい、柔らかい、可愛い…いろんな感情が湧いてくる。
でも何よりも嬉しい・・・そんな気持ちで胸がいっぱいになる。

ぱたたっ ぽたっ
・・・あれ?視界がゆがんできて、もしかして私、泣いてる?
ダメだよ私ったら;ここは喜んで、笑顔にならなきゃ…
可愛いお顔が見えなくなっちゃう…先パイに笑われちゃうよ;
そう思いながら先パイの方を見てみると、先パイはもっと泣いていた。
泣き顔と笑顔がごっちゃになった、涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔になっていた。

暖女
「ふふ、鼻水出てますよ?」

先輩
「あはは、だって、嬉しくって…暖女ちゃんこそすごい顔…」

暖女
「えへへ、私も嬉しくって…♥」

嬉しいはずなのに、いや嬉しいからこそなのか、
涙があふれて止まってくれない。笑顔と一緒にどうしても出てきちゃう;
こんなに可愛い子供二人のお母さんになれるんだって、
大好きな先パイと一緒に親になれるんだって思うと・・・
ああ、この嬉しさを、感動を、感謝を、誰にまず伝えよう?誰にまず話そう?
それはやっぱり・・・

「暖女ちゃん…」
「先パイ…」

この世界に生まれてきてくれて…
私と出会ってくれて…
(俺と出会ってくれて…)
そして、
こんなに可愛い子供を産ませてくれて…
(こんなに可愛い子供を産んでくれて…)

「「…ありがとう…」」
17/12/30 00:20更新 / うたたねこっくりk

■作者メッセージ
読んでいただきありがとうございました。
私作SS『なまらぬくい』の続きとして書きました今SSいかがでしたでしょうか?
妊娠・出産描写は人生初だったので何か変だと思う所があるかもです。
愛する人との間にできた命が生まれるというのはどの時代、どんな人でも
嬉しく思うものであるはず。この世界ならそれは尚更ですよね。

 ここから暖女ちゃんと先パイの
(母富裳夫妻、生まれた双子も少し)
設定公開。興味のある方は是非ご覧下さい。

先輩:
[種族(立場)]人間→インキュバス(アルバイト→商店街会長跡取り)
[年齢,容姿]三十過ぎ。髪はボサボサで目にかかりかけ、無精髭にくたびれた服と
     見た目は正直小汚い。『彼女』に会う前はもっとひどかったという。
[性格,口調]ずぼら(主に私生活)and助兵衛、悪い人ではない,
     割と親しみやすい話し方、一人称は『俺』。
[馴れ初め]定職につけずフラフラしていた所をオヤっさんに拾われて
     仕事がてら心身ともに鍛えられる。働き始めの頃は住み込みだったので
     『彼女』とはその時に出会えた。その後『彼女』からの猛烈な
     アプローチを受け、『彼女』の料理の美味しさに胃袋を掴まれ、
     朗らかさと可愛さにハートを射抜かれ、結果恋人同士となる。

母富裳 暖女(もふも あたため):
[種族(立場)]イエティ(商店街看板娘)
[年齢,容姿]16歳。服装以外はほぼ挿絵と一緒
     (妊娠前、直後はマフラー一筋にオーバーオール、
     お腹が目立ってからはマフラー、マタニティウェア)
[性格,口調]天真爛漫で仕事真面目、先パイに対しては世話焼き、甘えんぼも加わる,
     どんな人にも元気の良い話し方、一人称は『私』。
[馴れ初め]中学三年の春、住み込みで働くという事でやってきた先輩に一目惚れ。
     以降、積極的なアプローチを試み続け、
     (主にハグと手料理、混浴、同衾などetc…)
     結果見事先輩のハートと胃袋を掴む事となった。

暖女の両親(インキュバス,イエティ):
暖女ちゃん曰く『ベタ甘父さんとしっかり母さん』
先輩曰く『拳骨オヤッさんと優しいオカミさん』
馴れ初めの形が二人とほぼ一緒なんだとか。
年齢はカミさんの方が上(差はそこまで無い)。

ウツギ、フキノ(インキュバス、イエティ):
無事暖女から生まれた双子の赤ん坊。
男の子が空木(ウツギ)で、女の子が蕗野(フキノ)。
大きくなった後、ウツギは父とは違いわんぱく小僧に、
フキノは母と同じ甘え上手なしっかり者となる。

改めましてここまで読んでいただきありがとうございました。
感想、ご意見等、是非宜しくお願いします。
・・・苦情も受け入れる所存でございます。        

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