狙われた響
「お・・・おぉぉ・・・あああ」
満月の夜に一人の男性が月明かりの下で灰になっていく。
そこに一人の女性がいた。
「ぺロ・・・不味い・・・やっぱり狼男の血なんて吸うんじゃなかった」
汚いものを吐くようにぺっぺっとする女性。
そんな事をしていたら空から翼が生えた女性が降りてくる。
「見つけましたよニルヴァ様またこんな下世界に・・・少しは王族の身分を・・・」
「はいはい小言はあとでゆっくり聞くから、何か情報ないの?私を楽しませてくれそうな・・・有意義な何か」
「全く貴女という人は・・・」
はぁとため息を出し、あきらめたかのように真面目な顔をする。
「実は魔導院学園に転校生が来たみたいです」
「魔導院学院・・・あ〜魔物娘が通う学校ね、それで?転校生来たからってどうせ私達と同じなんでしょう?」
「いえ、どうやらその転校生実は人間らしいです」
「・・・それ・・・本当?」
「はい」
「・・・ぺろ」
100%悪役の顔をするニルヴァ。
「お、お嬢様?」
「面白そうねよし善は急げそいつの血を吸いに行きましょう!」
「は、はぁ!?・・・お嬢様そんなこと旦那さまが許すわけ」
「行くわよナシルダ!」
背中から翼が飛び出し空を飛ぶニルヴァ。
「ちょ、ちょっとお嬢様!?もういつもいつも後先考えずに・・・困ったお嬢様です」
そしてニルヴァの後を追い空を飛ぶナシルダ。
これが後に悲劇もしくは喜劇となるとはこの時は誰も思わなかった。
♪
「診察結果だけど・・・異常という異常は見当たらなかったわ」
「そうですか」
調子が悪いわけではないが響は保健室で健康診断をしていた、それはこっちに来て一度健康診断をするように担任教師に言われたからである。
「まぁ健康診断といっても簡単なものばかりだし・・・もし本当に身体に異常があれば、直接病院に行く方がいいだろう」
「病院ってあるんですか!?」
「ああ、といっても風邪とか病気とかが主だがな」
「へぇ〜・・・」
「なんなら紹介してやろうか?私の知り合いでよければな」
「あ・・・いえそこまでは・・・」
「遠慮するなカウセリングも請け負っているし気休めにはなるぞ?」
どうしようか悩んでしまう響、実際ここに転生してこれからどうするかどう生きていけばいいのかも。
「ふむ・・・どうしても抵抗があるなら、仕方ないあの事を全校生徒に」
「全力で病院に行きます!」
「素直でよろしい」
あの事とは言うまでもない。
それはワーラビットに転生し自分が命がけで助けた少女、乃木奈々と一線を越えたことである、その事を知っているのは保健医アヌビスのクレパたった一人。
「まぁ心配しなくても気楽にいけばいい、あまりウジウジ悩んでもストレスがたまるだけだ・・・ほらこれが私の知り合いの地図だ」
手書きで書いた地図を渡され受け取る響。
「あ、ありがとうございます、じゃあ俺失礼しますね」
保健室を出る響、椅子に座ったままくすくすと笑っているのが少しだけ見えた。
♪
とぼとぼ、歩いて教室に戻っていると教室の中が騒がしかった。
「?何の騒ぎだ、何かあったのか?」
教室に入り、誰かに聞こうとするが、まだあまりクラスに馴染めていないせいか、誰に聞こうか迷ってしまう、するとオオムカデのコガラシが響に近づく。
「最近ここら辺で出るらしい」
「出る?」
こくりと頭を縦に頷く、どうやら肯定らしい。
「何が?」
「ヴァンパイア」
「ヴァンパイア?」
「そう、草木も眠る丑三つ時・・・に背後から・・・牙を立てて・・・襲う・・・らしい」
「へ、へぇ〜」
「しかも狙うのは狼男やインキュバス・・・ひょっとしたら狙われてるかも」
「縁起でもないこと・・・言わないで欲しい」
「ふふふ・・・まぁ、気を付ける事ね・・・夜道には」
普段から暗いせいか、今日はいつにもまして暗く見えるコガラシ、だが気にしたらダメだと思い自分の席に座る。
「響、健康診断どうだった?」
響の前の席にいるワーラビットとして目覚めた、乃木奈々が後ろを向いて話しかけてくる。
「ああ、問題なかった健康そのものって言ってた」
「そう・・・よかった、でも無理はやめて?私のすべては響だから」
「相変わらず大袈裟だって」
そんな事を話しているとチャイムが鳴り授業の準備をする。
「は〜い授業を始める前に青野君ちょっといい?」
「はい、なんですか」
自分の名前を呼ばれ返事をする響。
「たいしたことじゃないんだけど、最近ヴァンパイアが出るって聞いた?」
それはさっきコガラシから聞いたばかりの話題だった、先生に聞きましたと答えると、先生は「そう」っと小さく返事をして。
「青野君、もし出かける用事があるなら寮母の麻子さんか私達に言ってね」
「え・・・そんなに深刻なんですか?」
「ええそうなの、でもこの学院と寮は安全だから安心して、でも・・・もし街に行く用事があるなら護衛を付けないといけないの」
「わかりました出かける機会がある時に誰かに頼みます」
「それを聞いて先生安心しました、では授業を始めます」
そう言って授業が始まり、授業に専念する響この時はまだ誰を誘おうか考えていなかった。
♪
昼休み、響、奈々、エレン、エノン、コガラシ、そしてワーズとエルファが囲い昼食を食べる。
なお今日はで響意外全員はお弁当で、必然的に響の分がないので・・・。
「あ〜俺はいいよパン買ってくるから」
「「「「「「却下!」」」」」」
「・・・ですよね〜」
諦めて、自席に座りため息を吐く響。
「はいダーリン、これ私のお弁当の中身分けてあ・げ・る」
お弁当の蓋に自分の作った料理を乗せていくエルファ。
(ふふふ、これでダーリンのフラグはゲットなんだから!)
「ふむ、さすれば私もお弁当からおかずを提供しよう」
ワーズもまたエルファと同じ行動を取る。
「ちょっと真似しないでよ」
「人聞きが悪いな・・・私はただ自分のおかずを響君に提供しているだけだ」
「それを真似って言うのよねぇダーり」
ダーリンと言おうとするとそれより先に天使と堕天使が抜け駆けをしていた。
「はい、お兄ちゃんあ〜んして」
「あ〜ずるいお兄様あ〜ん」
「いやいや、両方は無理だから」
やや困る響、それを見て、奈々とコガラシは。
「うう、私にもあれくらいの度胸があれば・・・でもちょっと鼻の下伸ばしすぎ・・・」
「ふふふ面白い・・・いい意味で」
「って、何抜け駆けしてんのよダーリンも何鼻の下伸ばしてるのよ」
「え、俺が悪いのか?」
「お兄ちゃんは悪くないよー」
「そうそう」
「「ね〜」」
顔を見合わせ息の合う天使と堕天使。
「うきーダーリン、はいこれ食べてあ〜ん!!」
「む、出は私も参加しようとしよう」
「あんたはお呼びじゃないのよ(怒)」
「今日も平和・・・」
一人黙々とお弁当(?)を食べるコガラシ、口を膨らませ、自分もあの輪の中に入りたいと心の中で思う乃木奈々、そして一人困る響、そして響きを取りあう4人。
「だ、誰か・・・助けてくれ〜」
そしてたった一人、助けを求め叫ぶ男の姿も・・・そこにはあった。
♪
皆とお昼を食べ終わり、一人トイレに行き教室に戻る響。
「う〜んこれからはお弁当持参した方がいいか・・・でも料理なんてできない
し・・・困った・・・」
悩みながら廊下を歩いていると。
「ねぇ・・・そこの」
前を歩いていると見知らぬ女の子が立っていた
「ん俺?」
「そう、そこの」
かつかつと女の子は響に近づきじーっと響きを見る。
「ふぅ〜ん・・・確かに・・・」
「???何が確かに?」
「あ〜気にすることはないわ」
すると、いきなり耳元まで近づき。
「頂きます」
「え」
不意打ちだった・・・不意打ちで首元に牙を立て、その牙を首元を突き刺す。
満月の夜に一人の男性が月明かりの下で灰になっていく。
そこに一人の女性がいた。
「ぺロ・・・不味い・・・やっぱり狼男の血なんて吸うんじゃなかった」
汚いものを吐くようにぺっぺっとする女性。
そんな事をしていたら空から翼が生えた女性が降りてくる。
「見つけましたよニルヴァ様またこんな下世界に・・・少しは王族の身分を・・・」
「はいはい小言はあとでゆっくり聞くから、何か情報ないの?私を楽しませてくれそうな・・・有意義な何か」
「全く貴女という人は・・・」
はぁとため息を出し、あきらめたかのように真面目な顔をする。
「実は魔導院学園に転校生が来たみたいです」
「魔導院学院・・・あ〜魔物娘が通う学校ね、それで?転校生来たからってどうせ私達と同じなんでしょう?」
「いえ、どうやらその転校生実は人間らしいです」
「・・・それ・・・本当?」
「はい」
「・・・ぺろ」
100%悪役の顔をするニルヴァ。
「お、お嬢様?」
「面白そうねよし善は急げそいつの血を吸いに行きましょう!」
「は、はぁ!?・・・お嬢様そんなこと旦那さまが許すわけ」
「行くわよナシルダ!」
背中から翼が飛び出し空を飛ぶニルヴァ。
「ちょ、ちょっとお嬢様!?もういつもいつも後先考えずに・・・困ったお嬢様です」
そしてニルヴァの後を追い空を飛ぶナシルダ。
これが後に悲劇もしくは喜劇となるとはこの時は誰も思わなかった。
♪
「診察結果だけど・・・異常という異常は見当たらなかったわ」
「そうですか」
調子が悪いわけではないが響は保健室で健康診断をしていた、それはこっちに来て一度健康診断をするように担任教師に言われたからである。
「まぁ健康診断といっても簡単なものばかりだし・・・もし本当に身体に異常があれば、直接病院に行く方がいいだろう」
「病院ってあるんですか!?」
「ああ、といっても風邪とか病気とかが主だがな」
「へぇ〜・・・」
「なんなら紹介してやろうか?私の知り合いでよければな」
「あ・・・いえそこまでは・・・」
「遠慮するなカウセリングも請け負っているし気休めにはなるぞ?」
どうしようか悩んでしまう響、実際ここに転生してこれからどうするかどう生きていけばいいのかも。
「ふむ・・・どうしても抵抗があるなら、仕方ないあの事を全校生徒に」
「全力で病院に行きます!」
「素直でよろしい」
あの事とは言うまでもない。
それはワーラビットに転生し自分が命がけで助けた少女、乃木奈々と一線を越えたことである、その事を知っているのは保健医アヌビスのクレパたった一人。
「まぁ心配しなくても気楽にいけばいい、あまりウジウジ悩んでもストレスがたまるだけだ・・・ほらこれが私の知り合いの地図だ」
手書きで書いた地図を渡され受け取る響。
「あ、ありがとうございます、じゃあ俺失礼しますね」
保健室を出る響、椅子に座ったままくすくすと笑っているのが少しだけ見えた。
♪
とぼとぼ、歩いて教室に戻っていると教室の中が騒がしかった。
「?何の騒ぎだ、何かあったのか?」
教室に入り、誰かに聞こうとするが、まだあまりクラスに馴染めていないせいか、誰に聞こうか迷ってしまう、するとオオムカデのコガラシが響に近づく。
「最近ここら辺で出るらしい」
「出る?」
こくりと頭を縦に頷く、どうやら肯定らしい。
「何が?」
「ヴァンパイア」
「ヴァンパイア?」
「そう、草木も眠る丑三つ時・・・に背後から・・・牙を立てて・・・襲う・・・らしい」
「へ、へぇ〜」
「しかも狙うのは狼男やインキュバス・・・ひょっとしたら狙われてるかも」
「縁起でもないこと・・・言わないで欲しい」
「ふふふ・・・まぁ、気を付ける事ね・・・夜道には」
普段から暗いせいか、今日はいつにもまして暗く見えるコガラシ、だが気にしたらダメだと思い自分の席に座る。
「響、健康診断どうだった?」
響の前の席にいるワーラビットとして目覚めた、乃木奈々が後ろを向いて話しかけてくる。
「ああ、問題なかった健康そのものって言ってた」
「そう・・・よかった、でも無理はやめて?私のすべては響だから」
「相変わらず大袈裟だって」
そんな事を話しているとチャイムが鳴り授業の準備をする。
「は〜い授業を始める前に青野君ちょっといい?」
「はい、なんですか」
自分の名前を呼ばれ返事をする響。
「たいしたことじゃないんだけど、最近ヴァンパイアが出るって聞いた?」
それはさっきコガラシから聞いたばかりの話題だった、先生に聞きましたと答えると、先生は「そう」っと小さく返事をして。
「青野君、もし出かける用事があるなら寮母の麻子さんか私達に言ってね」
「え・・・そんなに深刻なんですか?」
「ええそうなの、でもこの学院と寮は安全だから安心して、でも・・・もし街に行く用事があるなら護衛を付けないといけないの」
「わかりました出かける機会がある時に誰かに頼みます」
「それを聞いて先生安心しました、では授業を始めます」
そう言って授業が始まり、授業に専念する響この時はまだ誰を誘おうか考えていなかった。
♪
昼休み、響、奈々、エレン、エノン、コガラシ、そしてワーズとエルファが囲い昼食を食べる。
なお今日はで響意外全員はお弁当で、必然的に響の分がないので・・・。
「あ〜俺はいいよパン買ってくるから」
「「「「「「却下!」」」」」」
「・・・ですよね〜」
諦めて、自席に座りため息を吐く響。
「はいダーリン、これ私のお弁当の中身分けてあ・げ・る」
お弁当の蓋に自分の作った料理を乗せていくエルファ。
(ふふふ、これでダーリンのフラグはゲットなんだから!)
「ふむ、さすれば私もお弁当からおかずを提供しよう」
ワーズもまたエルファと同じ行動を取る。
「ちょっと真似しないでよ」
「人聞きが悪いな・・・私はただ自分のおかずを響君に提供しているだけだ」
「それを真似って言うのよねぇダーり」
ダーリンと言おうとするとそれより先に天使と堕天使が抜け駆けをしていた。
「はい、お兄ちゃんあ〜んして」
「あ〜ずるいお兄様あ〜ん」
「いやいや、両方は無理だから」
やや困る響、それを見て、奈々とコガラシは。
「うう、私にもあれくらいの度胸があれば・・・でもちょっと鼻の下伸ばしすぎ・・・」
「ふふふ面白い・・・いい意味で」
「って、何抜け駆けしてんのよダーリンも何鼻の下伸ばしてるのよ」
「え、俺が悪いのか?」
「お兄ちゃんは悪くないよー」
「そうそう」
「「ね〜」」
顔を見合わせ息の合う天使と堕天使。
「うきーダーリン、はいこれ食べてあ〜ん!!」
「む、出は私も参加しようとしよう」
「あんたはお呼びじゃないのよ(怒)」
「今日も平和・・・」
一人黙々とお弁当(?)を食べるコガラシ、口を膨らませ、自分もあの輪の中に入りたいと心の中で思う乃木奈々、そして一人困る響、そして響きを取りあう4人。
「だ、誰か・・・助けてくれ〜」
そしてたった一人、助けを求め叫ぶ男の姿も・・・そこにはあった。
♪
皆とお昼を食べ終わり、一人トイレに行き教室に戻る響。
「う〜んこれからはお弁当持参した方がいいか・・・でも料理なんてできない
し・・・困った・・・」
悩みながら廊下を歩いていると。
「ねぇ・・・そこの」
前を歩いていると見知らぬ女の子が立っていた
「ん俺?」
「そう、そこの」
かつかつと女の子は響に近づきじーっと響きを見る。
「ふぅ〜ん・・・確かに・・・」
「???何が確かに?」
「あ〜気にすることはないわ」
すると、いきなり耳元まで近づき。
「頂きます」
「え」
不意打ちだった・・・不意打ちで首元に牙を立て、その牙を首元を突き刺す。
12/07/09 12:38更新 / さわ
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