気儘な騎士と我儘な姫君。(中篇)
「く、あ……ぁふ…ぁ」
情けない声が溢れるのを、止める事が出来ない。
必死で口を閉じてはいるのだが、やはり堪え切れるものではなかった。
そんなアレクを眺めながら、メディは嬉しそうに行為を続ける。
「ふふ…♪」
アレクの耳元で楽しそうに声を漏らし、不意を打つように耳の中に舌を流し込む。
ぞくり、と脳に直接快感を流し込まれたような心地。
あっという間に力が抜け、アレクはメディに覆い被さるように沈み込む。
実を言うと、メディの行為は前座にも達しておらず、まだ情事が始まっているわけではない。
しかしそれでも、アレクは全くと言って良いほど歯が立たない状況にあった。
一度奪われた主導権は取り戻せず、一方的に高められるのみ。
「ね…アレク。痛く、ない?」
「え? …あ、ああ、全然。むしろ、気持ち良すぎるというか…」
彼女が何をしているかといえば、アレクの腕に巻かれた包帯を巻き直している真っ最中だった。
つい先ほど、例によってアレクは一瞬で服を剥かれたわけだが、その時メディはアレクの怪我に目を留めた。
ジークら傭兵に傷つけられた腕には、包帯が巻かれていた。彼女はそれを見て一瞬顔を硬直させ、そして行為の前に包帯を巻き直させてくれと申し出た。
その気持ちは嬉しかった。嬉しかったのだが。
「わ、ちょ、メディ…そこ、くすぐった…」
「我慢、して。…アレク、此処が弱いんだ…」
「っくあ、だ、だからやめてって…」
正直、この体勢は辛すぎる。
アレクの右腕は、肩口からメディの身体に埋まりこんでいるような状態にある。
透き通ったメディの体を覗くと、彼女の中で腕に包帯が巻き付けられているのが見える。
穏やかに流動する彼女の体内は、とても優しい動きで心地良い。
腕の傷はほぼ塞がっており、痛むという事は全く無いが、問題は別にある。
アレクの腕はメディの脇付近にめり込んでおり、アレクは抱き合うような姿勢で彼女と密着していた。
こちらは身動きがほぼ取れないのを良い事に、先ほどからメディはささやかなイタズラを繰り返している。
顔に口づけを落とし、脇腹をゆっくりと撫で、そして達しない程度に肉棒に刺激を加える。
「あの、さ。メディ…あ、足の裏くすぐるの、やめてくれない…」
「えー。なんの、こと?」
「だ、だから…って、わ。そっちはもっと駄目だって…!」
陰嚢を、やわやわとメディの軟体に捏ねられる。
反射的に身を捩るも、右腕は埋まってしまって動かないし、太ももは彼女の軟体にがっちりと巻き付かれてしまっている。
そんなこんなで、アレクは先程からメディの生殺しを延々と受け続けている。
(どうにかして、反撃できないかな…)
決して、彼女にされるのが嫌なわけではない。ただ、一方的に責められるのは何となく良い気分ではない。
アレクとしては、彼女にも何かしてあげたかった。彼女と快感を共有してみたいと、そう思った。
しかし、アレクは彼女が快感を感じている様子をあまり見たことがない。
人間の女性なら性感帯である胸や秘所を撫でられても、彼女は嬉しそうな顔はするものの感じている様子はない。
メディが恍惚とした時と言えば、不意をつくような形で口づけをしたあの時だけだった。
(とはいっても、キスでメディに叶うはずがないんだよね…)
やはり性技では、圧倒的に不利。
どうにかして、彼女の弱点ともいえる性感帯が見つけられれば良いのだが。
メディにまた口づけを落とされながら、アレクは思案に暮れる。
その時、アレクの視界の端で何かが蠢いた。
「…ん?」
一定の鼓動を刻みながら、くるくると回る球体。
それは、メディの核だった。
彼女の中、包帯が巻かれているアレクの腕のすぐそばで、それはゆらゆらと揺れていた。
「………」
一瞬だけ、彼女を傷つけてしまった苦い思い出が蘇る。
それを振り払いながら、アレクはふと思う。
そういえば、あれから一度も彼女の核に触れたことがなかった。
メディの核は、彼女の心をそのまま反映するモノ、と言っても良い。
楽しいことがあった時は高速回転し、悲しいことがあった時は遅々として鈍い回転になる。
ちなみに、現在の回転速度はやや高速。行為が始まれば、かなりの速度に達するに違いない。
何はともあれ、彼女にとって重要な器官であるのは間違いないので、出来る限り接触は避けていた。
「…アレク?」
「あ、いや、その」
とっさに、アレクは核から目をそらす。メディは訝しげに首を傾げる。
…試してみる価値は、あるのかもしれない。
ちょうど、包帯が巻き終わった。アレクはゆっくりと彼女の中にある右腕を動かす。
きょとんとするメディをまじかに見ながら、アレクはくるくると回転する核に――手を、触れる。
「――ひあッ!?」
「うわッと!」
その途端、びくんと彼女の体が震えた。
彼女の体が激しく波立ち、アレクは危うくベットから転げ落ちそうになった。
アレクはメディの首に左手を巻き付けることで、何とか落下する事を免れる。
「な…な、に?」
顔を真っ赤に染めて、メディがぼそりと呟く。
その胸元では、彼女の核が今までにないほど高速で回転している。
これまで、一度も見た事がない反応。
「ご、ごめん、メディ。もしかして…痛かった?」
「う、あ、ちが、違う、の…なんか、びりっとして、真っ白になって…」
呂律の回らない舌で、たどたどしく言葉を紡ぐメディ。
完全に混乱している様子で、彼女は視線を左右に揺らす。
気づけば、アレクは彼女の軟体から解放されていた。
先ほどの弾みで、彼女の体は粘度を失って液状化してしまったらしい。
「………」
痛かった、わけではない。アレクの視線の先には、高速で回転する彼女の核。
アレクの右手は、未だ彼女の中にあった。
メディが、ぎくりと身体を強張らせる。
「…だ、だめ――ぁうッ!」
ぱしゃん、と音を立ててメディの体が震える。
アレクは右手で、優しく彼女の核を撫でる。その度に、メディは身体を震えさせる。
間違いない。核は、彼女の弱点であり、彼女の性感体なのだ。
断じて傷つけるわけにはいかないが…優しく触れば、問題なさそうだった。
「や――」
つるんと、彼女の核がアレクの右手から逃げ出す。
アレクはすかさず左手を彼女の中に差し入れ、逃げ場を塞ぐ。
そして、アレクは両手でメディの核を優しく包む。ぴくり、とメディが軽く震える。
「…メディ。もしかして…嫌? 嫌だったら、止めるけど」
「あ。え、えと…嫌、じゃない。嫌じゃない、けど…」
先ほどまでの威勢はどこへやら、メディは身を縮めながらアレクを仰ぎ見る。
不安そうな上目遣い。さらに赤みを増した頬。だらしなく弛緩した口元。
…なんだろう。今まで見た事がないメディの様子に…その、なんだか。
興奮してきて、しまった。
「…嫌だったら、言ってね」
「ぇ、あ、や――はぅッ…!」
アレクが優しく彼女の核を撫でた途端、メディが艶めかしい嬌声をあげる。
親指を少し強く擦りつけると、メディは甲高い悲鳴じみた声を挙げて息を荒くする。
触れるか触れないかの距離で核を両手で包み込むようにすると、メディは身体を震わせて切なげにため息をつく。
――まずい。だんだん妙な気持ちになってきた。
少し触り方を変えるだけで、彼女は異なる動き、異なる喘ぎ声をアレクに返す。
此処が弱い、此処が苦手。メディの弱点が、少しずつ明らかになってくる。
…少しだけ、メディの気持ちがわかった気がした。
「や…! そこ、だめ…! ちから、ぬけひゃう…」
「駄目? それは、嫌っていうこと?」
「い、嫌…じゃ、ないけど…あ、だめ――ひゃあッ」
だんだんと、自分が意地悪になってきてしまっているのがわかる。
アレクの首に両腕を巻きつけながら、ふるふると体を震わせるメディ。
可愛、すぎる。可愛すぎて…自制がきかない。
もっと、彼女が喘ぐところを見てみたい――そう思ったアレクは、ふとあることを思いつく。
「…え」
アレクは、メディの核を両手ですくい上げるように彼女の軟体の表層に近づける。
そして、彼女の核に顔を近づける。メディがはっとして、慌ててアレクの肩を押して離れようとする。
「だ、だめ――」
脱力したメディに、アレクを押しのけることができるわけもなく、
アレクはそのまま、メディの核に口を近づけ――軽く、舌を這わせた。
ぺろり、と。可能な限り優しく。
「ひぁ―――!」
どくん、とメディの核が大きく震える。同時にメディが激しく仰け反って、ぶるぶると体を震わせる。
今までで、一番大きい反応。
メディは真っ赤に顔を上気させたまま、呆然と虚空を仰ぎ――そして、溶けた。
「…え?」
とぷん、と音を立てて、彼女の体は一瞬で跡形もなく溶けてしまった。
後には、アレクの手のひらの上で痙攣を繰り返すメディの核と、ベッドの上に広がる水たまりだけが残った。
訪れる、静寂。ぴちょん、と雫がベットから滑り落ちる音が、やけに大きく部屋の中に響いた。
「メ…メディ?」
もしかして…今のは、まずかったのだろうか。
情動に惑わされていたアレクの脳裏が、だんだんと冷却されていく。
正気に戻ったアレクを襲ったのは、得体のしれない焦燥感だった。
まさか、知らないうちにまたメディを傷つけてしまったのでは――
ぽちゃん、と大きな水音が、耳朶を打つ。
はっとして下方を見やると、メディの核がアレクの手のひらから滑り落ちていた。
メディの核はグルグルと高速回転を続けながら、メディの体を形作っていた液体の中へ潜っていく。
ぼんやりと、アレクはその様を見つめる。そして待つこと数秒、とぷんと音を立ててメディの体から何かが浮かび上がる。
それは、メディの頭だった。この上なく不機嫌そうなメディの顔が、首から上だけ軟体から生えてきた。
ぎょっとして、アレクは思わず仰け反る。
「……ひどいよ、アレク」
生首状態のメディが、恨めし気に呟く。見た目が見た目なだけに、非常に怖い。
「ご、ごめん、メディ…ほんと、ごめん。なんか、止まらなく、なっちゃって…」
今もまだ、心臓がどくどくと音を立てている。
それは驚いたからではなく、先ほどまでの彼女の様子を思い出してしまったから。
うぅー、とメディは頬を真っ赤に染めて恥ずかしげに唸る。その様子を見て、アレクはまたもくらりと来てしまった。
――本当に、まずい。最近、より一層色欲に流されてしまっている気がする。
仮にも一時は修道院で暮らした身としては、この傾向はあまり良くないような気がする。
「アレクばっかり、ずるい。今度は、私の番」
メディは、徐にそう宣言する。
その途端、メディの体から勢いよく両手が伸び、アレクの首に絡まる。
「え」
アレクが間抜けな声をあげると同時に、メディの全身が水たまりから浮かび上がる。
滑らかなメディの肢体が、がっしりとアレクの身体にからみついた。
逃げ場を塞ぐようにアレクの腰に足が巻き付き、そして勢い良く引き寄せられる。
「ぁくっ!?」
全身に――そして、特に股間に、ぬるりとした柔らかい感触。
メディの膣に、挿入させられてしまった――アレクはすぐに、現状を理解する。
しかし、それを看破したところでどうにかなるものではない。
全身を束縛されたこの状況では――アレクに、反撃の術はない。
「ふふ…捕まえたぁ。もう、絶対、放さない」
「えと、その…メディ? お手柔らかに…」
「や」
ぐにゃり、と亀頭を強く捏ねられる。
アレクは思わず「はぅッ」と情けない声を漏らしてしまった。
視界の端で、メディが扇情的に笑う。
「放してって言っても、許してあげない」
がっちりとアレクを拘束したまま、メディはねちっこくアレクを責め立て始める。
アレクの分身を加えこんだ彼女の膣は、狙いすましているかのように先端ばかりを弄り回す。
亀頭、そして尿道口を強く吸われ、アレクは思わず腰を引く。しかし、それはメディの足によって阻まれる。
「いッ――」
「逃げちゃ、だめ」
ぐにゃり、とアレクはまたメディの中に深々と挿入させられる。
アレクの分身はメディの最奥まで押し込まれ、そして再度蹂躙される。
雷を受け続けているような、激しい快感がアレクを襲う。しかしそれは、射精に至る類の刺激ではない。
延々と続くそれは、快楽拷問といっても過言ではなかった。
「メ、メデ、ィ…ちょっ、と手加減…――っくぅッ!」
「アレク、かわいい」
軟体にからめとられながら喘ぐアレクを、メディはとても嬉しそうな顔で仰ぎ見る。
ぺろり、と首に滴る汗を舐め取られ、アレクはびくんと身体を震わせてしまう。
亀頭を休むことなく捏ねられ続け、アレクはとうとうメディを押し倒すような形で倒れ伏した。
「あは。アレク…もしかして、腰、抜けちゃった?」
「う、うぅ…」
羞恥に真っ赤になるアレク。
メディはどこか嗜虐的な笑みを浮かべながら、アレクの首に手を回して舌なめずりする。
「それじゃあ、もう…食べられちゃうしか、ないね…」
耳元で囁かれ、アレクの背筋を冷たいモノが走り抜ける。
まさか、本当の意味で食べられてしまうのだろうか。
一瞬そんな事を考えてしまったが、アレクは即座に否と自答する。
「…でも、嫌だったら、言って?」
そう言うメディの顔は、意地悪とかそういうモノではなく、アレクの身を本当に案じているように見える。
此処まで来て改めてそう確認するメディに、アレクは思わず笑みを浮かべてしまった。
快楽拷問が辛くなかったと言えば嘘になるが、これまでで最も気持ち良かったのは本当の話。
先ほど暴走してしまったこともある。嫌といえる資格もないし、嫌であるとも感じない。
アレクは荒い息を吐き出しながら、最後の力を込めてメディの首に両手を回す。そして、引き寄せる。
「――あ」
言葉を出すのも億劫だった。だから、行動で伝える。
触れるだけの、軽い口づけ。
元から赤いメディの顔が、さらに朱色を増す。メディの表情が、扇情的なものに戻っていく。
「火、ついちゃった、かも」
ぐにゃり、とメディの膣が激しく脈動する。
くぅ、とアレクは思わず息を漏らす。
「アレクの、全部…頂戴?」
がっちりとアレクの腰に足を巻きつけ、メディは今度こそ本気でアレクの分身に襲いかかる。
亀頭の刺激に加え、メディの膣は竿を強く締めつけながら、搾るような動きでアレクを追い詰める。
ずっと焦らされてきたアレクに、その刺激を堪えるすべはなかった。
「あ、ぁ、ぁああ――うむっ!?」
例によって、メディは今にも達しようとするアレクの口を自らのそれで塞ぐ。
唇を強く吸いつかれると同時に、尿道口を穿るように刺激される。
アレクの脳裏が、真っ白に弾けた。
「ん! ん、んん――」
アレクが射精した瞬間、メディはピクリと眼を瞬かせ、そして優しい笑みを浮かべる。
ひとしきりアレクの口内を舌でなぞってから、ゆっくりとメディの唇はアレクのそれから離れていく。
しかし、
「――あく! い、あ、め、めでぃ…!」
メディの膣は、未だ激しくうねり続けていた。
精液を吐き出すアレクの肉棒を、更なる射精を促すように搾り続ける。
「もっと、欲しいの。だから、もっと、気持ち良くなって?」
射精したばかりで敏感になっている亀頭を、メディの膣は容赦なく吸い上げる。
尿道口を押し開こうとするかのような刺激に、アレクの身体は意思に関係なく悶え続ける。
メディの足によって腰を引く事も出来ず、アレクは延々と精液を搾り取られ続けた。
「あ、ああ…ぁあ――」
ぐにぐにと、ぬちゃぬちゃと、卑猥な音を立てるメディの膣。
何も考える事が出来ず、アレクはただ呻き声を漏らし続け――
しかし、永遠に続くかと思われた快感は、唐突に終わりを迎えた。
何時終わったのかわからない。本当にいつの間にか、アレクは狂おしい快楽から解放されていた。
「…あ、う?」
だんだんと、意識がはっきりしてくる。
アレクは、自らがメディの体を深く抱きしめる様にして覆い被さっている事に気づく。
ゆっくりと身を起こすと、メディが仰ぎ見るようにしてこちらを見ていた。
「気持ち、良かった?」
メディが、聞いてくる。正直、アレクの気持ちは複雑だった。
気持ち良かった事は確かだが、少々激しすぎた。
どう答えようか迷い――ふと思い出す。
そういえば、同じ言葉を少し前にも聞いた気がする。
――きもち、よかった?
まだ幼く青色だった頃のメディの姿が、一瞬だけ脳裏によぎる。
成長して姿形は変われど、目の前の彼女の表情は、あの時と何も変わらない。
聖母のような、優しい笑み。あの時、アレクは生まれて初めて、他人に心を動かされた。
「…うん。すごく、気持ち良かった。ちょっと、気持ち良すぎるくらいだったよ」
実際に言葉にすると、やっぱり照れくさい。
メディは、とても嬉しそうな顔になって、アレクの首に巻き付けていた両腕に力を込めてくる。
アレクは、無言でそれに答えた。柔らかい彼女の体を抱きしめていると、心が落ち着いていくのを感じる。
穏やかな、静寂。しかし、その安寧は唐突に破られる。
「――ッ!」
視界の端に、何か不気味なモノが見えた。
小さな光のようなモノ。はっとして、アレクはそちらを見やる。
しかし、そこには何もなかった。ただ夕暮れの室内に、薄暗い闇が広がるのみ。
「…?」
アレクは、首を傾げる。今確かに、何かが居た気がした。
その時、アレクの体にまとわりついていたメディの体が、ぬるりと滑り落ちた。
メディの方を見やると、彼女は何やら不機嫌そうな顔で虚空を睨んでいた。
「何の、用?」
そう言った彼女は、先ほどアレクが怪しい光を見た方向を向いている。
しばしの、間。
無言の圧力に耐えかねたのか、ごとり、という音と共に、小さな影が闇から這い出す。
一対の小さな緑色の光が、こちらを見ていた。
「…ルイ?」
そう呼びかけると、影はゆっくりとこちらに近づいてくる。
ランプに照らし出された彼女の姿を見て、アレクはぎょっとした。
ルイの顔は、傍目に見てもわかるほど真っ赤に染まっていた。
拒絶するような鋭い瞳はそのままで、しかし頬を染めたその顔はまさしく情欲に惑わされた女のそれ。
「…にぅ」
己を恥じるような、未だかつてないほどに士気が無い声で、
ルイは小さく、鳴き声をあげた。
情けない声が溢れるのを、止める事が出来ない。
必死で口を閉じてはいるのだが、やはり堪え切れるものではなかった。
そんなアレクを眺めながら、メディは嬉しそうに行為を続ける。
「ふふ…♪」
アレクの耳元で楽しそうに声を漏らし、不意を打つように耳の中に舌を流し込む。
ぞくり、と脳に直接快感を流し込まれたような心地。
あっという間に力が抜け、アレクはメディに覆い被さるように沈み込む。
実を言うと、メディの行為は前座にも達しておらず、まだ情事が始まっているわけではない。
しかしそれでも、アレクは全くと言って良いほど歯が立たない状況にあった。
一度奪われた主導権は取り戻せず、一方的に高められるのみ。
「ね…アレク。痛く、ない?」
「え? …あ、ああ、全然。むしろ、気持ち良すぎるというか…」
彼女が何をしているかといえば、アレクの腕に巻かれた包帯を巻き直している真っ最中だった。
つい先ほど、例によってアレクは一瞬で服を剥かれたわけだが、その時メディはアレクの怪我に目を留めた。
ジークら傭兵に傷つけられた腕には、包帯が巻かれていた。彼女はそれを見て一瞬顔を硬直させ、そして行為の前に包帯を巻き直させてくれと申し出た。
その気持ちは嬉しかった。嬉しかったのだが。
「わ、ちょ、メディ…そこ、くすぐった…」
「我慢、して。…アレク、此処が弱いんだ…」
「っくあ、だ、だからやめてって…」
正直、この体勢は辛すぎる。
アレクの右腕は、肩口からメディの身体に埋まりこんでいるような状態にある。
透き通ったメディの体を覗くと、彼女の中で腕に包帯が巻き付けられているのが見える。
穏やかに流動する彼女の体内は、とても優しい動きで心地良い。
腕の傷はほぼ塞がっており、痛むという事は全く無いが、問題は別にある。
アレクの腕はメディの脇付近にめり込んでおり、アレクは抱き合うような姿勢で彼女と密着していた。
こちらは身動きがほぼ取れないのを良い事に、先ほどからメディはささやかなイタズラを繰り返している。
顔に口づけを落とし、脇腹をゆっくりと撫で、そして達しない程度に肉棒に刺激を加える。
「あの、さ。メディ…あ、足の裏くすぐるの、やめてくれない…」
「えー。なんの、こと?」
「だ、だから…って、わ。そっちはもっと駄目だって…!」
陰嚢を、やわやわとメディの軟体に捏ねられる。
反射的に身を捩るも、右腕は埋まってしまって動かないし、太ももは彼女の軟体にがっちりと巻き付かれてしまっている。
そんなこんなで、アレクは先程からメディの生殺しを延々と受け続けている。
(どうにかして、反撃できないかな…)
決して、彼女にされるのが嫌なわけではない。ただ、一方的に責められるのは何となく良い気分ではない。
アレクとしては、彼女にも何かしてあげたかった。彼女と快感を共有してみたいと、そう思った。
しかし、アレクは彼女が快感を感じている様子をあまり見たことがない。
人間の女性なら性感帯である胸や秘所を撫でられても、彼女は嬉しそうな顔はするものの感じている様子はない。
メディが恍惚とした時と言えば、不意をつくような形で口づけをしたあの時だけだった。
(とはいっても、キスでメディに叶うはずがないんだよね…)
やはり性技では、圧倒的に不利。
どうにかして、彼女の弱点ともいえる性感帯が見つけられれば良いのだが。
メディにまた口づけを落とされながら、アレクは思案に暮れる。
その時、アレクの視界の端で何かが蠢いた。
「…ん?」
一定の鼓動を刻みながら、くるくると回る球体。
それは、メディの核だった。
彼女の中、包帯が巻かれているアレクの腕のすぐそばで、それはゆらゆらと揺れていた。
「………」
一瞬だけ、彼女を傷つけてしまった苦い思い出が蘇る。
それを振り払いながら、アレクはふと思う。
そういえば、あれから一度も彼女の核に触れたことがなかった。
メディの核は、彼女の心をそのまま反映するモノ、と言っても良い。
楽しいことがあった時は高速回転し、悲しいことがあった時は遅々として鈍い回転になる。
ちなみに、現在の回転速度はやや高速。行為が始まれば、かなりの速度に達するに違いない。
何はともあれ、彼女にとって重要な器官であるのは間違いないので、出来る限り接触は避けていた。
「…アレク?」
「あ、いや、その」
とっさに、アレクは核から目をそらす。メディは訝しげに首を傾げる。
…試してみる価値は、あるのかもしれない。
ちょうど、包帯が巻き終わった。アレクはゆっくりと彼女の中にある右腕を動かす。
きょとんとするメディをまじかに見ながら、アレクはくるくると回転する核に――手を、触れる。
「――ひあッ!?」
「うわッと!」
その途端、びくんと彼女の体が震えた。
彼女の体が激しく波立ち、アレクは危うくベットから転げ落ちそうになった。
アレクはメディの首に左手を巻き付けることで、何とか落下する事を免れる。
「な…な、に?」
顔を真っ赤に染めて、メディがぼそりと呟く。
その胸元では、彼女の核が今までにないほど高速で回転している。
これまで、一度も見た事がない反応。
「ご、ごめん、メディ。もしかして…痛かった?」
「う、あ、ちが、違う、の…なんか、びりっとして、真っ白になって…」
呂律の回らない舌で、たどたどしく言葉を紡ぐメディ。
完全に混乱している様子で、彼女は視線を左右に揺らす。
気づけば、アレクは彼女の軟体から解放されていた。
先ほどの弾みで、彼女の体は粘度を失って液状化してしまったらしい。
「………」
痛かった、わけではない。アレクの視線の先には、高速で回転する彼女の核。
アレクの右手は、未だ彼女の中にあった。
メディが、ぎくりと身体を強張らせる。
「…だ、だめ――ぁうッ!」
ぱしゃん、と音を立ててメディの体が震える。
アレクは右手で、優しく彼女の核を撫でる。その度に、メディは身体を震えさせる。
間違いない。核は、彼女の弱点であり、彼女の性感体なのだ。
断じて傷つけるわけにはいかないが…優しく触れば、問題なさそうだった。
「や――」
つるんと、彼女の核がアレクの右手から逃げ出す。
アレクはすかさず左手を彼女の中に差し入れ、逃げ場を塞ぐ。
そして、アレクは両手でメディの核を優しく包む。ぴくり、とメディが軽く震える。
「…メディ。もしかして…嫌? 嫌だったら、止めるけど」
「あ。え、えと…嫌、じゃない。嫌じゃない、けど…」
先ほどまでの威勢はどこへやら、メディは身を縮めながらアレクを仰ぎ見る。
不安そうな上目遣い。さらに赤みを増した頬。だらしなく弛緩した口元。
…なんだろう。今まで見た事がないメディの様子に…その、なんだか。
興奮してきて、しまった。
「…嫌だったら、言ってね」
「ぇ、あ、や――はぅッ…!」
アレクが優しく彼女の核を撫でた途端、メディが艶めかしい嬌声をあげる。
親指を少し強く擦りつけると、メディは甲高い悲鳴じみた声を挙げて息を荒くする。
触れるか触れないかの距離で核を両手で包み込むようにすると、メディは身体を震わせて切なげにため息をつく。
――まずい。だんだん妙な気持ちになってきた。
少し触り方を変えるだけで、彼女は異なる動き、異なる喘ぎ声をアレクに返す。
此処が弱い、此処が苦手。メディの弱点が、少しずつ明らかになってくる。
…少しだけ、メディの気持ちがわかった気がした。
「や…! そこ、だめ…! ちから、ぬけひゃう…」
「駄目? それは、嫌っていうこと?」
「い、嫌…じゃ、ないけど…あ、だめ――ひゃあッ」
だんだんと、自分が意地悪になってきてしまっているのがわかる。
アレクの首に両腕を巻きつけながら、ふるふると体を震わせるメディ。
可愛、すぎる。可愛すぎて…自制がきかない。
もっと、彼女が喘ぐところを見てみたい――そう思ったアレクは、ふとあることを思いつく。
「…え」
アレクは、メディの核を両手ですくい上げるように彼女の軟体の表層に近づける。
そして、彼女の核に顔を近づける。メディがはっとして、慌ててアレクの肩を押して離れようとする。
「だ、だめ――」
脱力したメディに、アレクを押しのけることができるわけもなく、
アレクはそのまま、メディの核に口を近づけ――軽く、舌を這わせた。
ぺろり、と。可能な限り優しく。
「ひぁ―――!」
どくん、とメディの核が大きく震える。同時にメディが激しく仰け反って、ぶるぶると体を震わせる。
今までで、一番大きい反応。
メディは真っ赤に顔を上気させたまま、呆然と虚空を仰ぎ――そして、溶けた。
「…え?」
とぷん、と音を立てて、彼女の体は一瞬で跡形もなく溶けてしまった。
後には、アレクの手のひらの上で痙攣を繰り返すメディの核と、ベッドの上に広がる水たまりだけが残った。
訪れる、静寂。ぴちょん、と雫がベットから滑り落ちる音が、やけに大きく部屋の中に響いた。
「メ…メディ?」
もしかして…今のは、まずかったのだろうか。
情動に惑わされていたアレクの脳裏が、だんだんと冷却されていく。
正気に戻ったアレクを襲ったのは、得体のしれない焦燥感だった。
まさか、知らないうちにまたメディを傷つけてしまったのでは――
ぽちゃん、と大きな水音が、耳朶を打つ。
はっとして下方を見やると、メディの核がアレクの手のひらから滑り落ちていた。
メディの核はグルグルと高速回転を続けながら、メディの体を形作っていた液体の中へ潜っていく。
ぼんやりと、アレクはその様を見つめる。そして待つこと数秒、とぷんと音を立ててメディの体から何かが浮かび上がる。
それは、メディの頭だった。この上なく不機嫌そうなメディの顔が、首から上だけ軟体から生えてきた。
ぎょっとして、アレクは思わず仰け反る。
「……ひどいよ、アレク」
生首状態のメディが、恨めし気に呟く。見た目が見た目なだけに、非常に怖い。
「ご、ごめん、メディ…ほんと、ごめん。なんか、止まらなく、なっちゃって…」
今もまだ、心臓がどくどくと音を立てている。
それは驚いたからではなく、先ほどまでの彼女の様子を思い出してしまったから。
うぅー、とメディは頬を真っ赤に染めて恥ずかしげに唸る。その様子を見て、アレクはまたもくらりと来てしまった。
――本当に、まずい。最近、より一層色欲に流されてしまっている気がする。
仮にも一時は修道院で暮らした身としては、この傾向はあまり良くないような気がする。
「アレクばっかり、ずるい。今度は、私の番」
メディは、徐にそう宣言する。
その途端、メディの体から勢いよく両手が伸び、アレクの首に絡まる。
「え」
アレクが間抜けな声をあげると同時に、メディの全身が水たまりから浮かび上がる。
滑らかなメディの肢体が、がっしりとアレクの身体にからみついた。
逃げ場を塞ぐようにアレクの腰に足が巻き付き、そして勢い良く引き寄せられる。
「ぁくっ!?」
全身に――そして、特に股間に、ぬるりとした柔らかい感触。
メディの膣に、挿入させられてしまった――アレクはすぐに、現状を理解する。
しかし、それを看破したところでどうにかなるものではない。
全身を束縛されたこの状況では――アレクに、反撃の術はない。
「ふふ…捕まえたぁ。もう、絶対、放さない」
「えと、その…メディ? お手柔らかに…」
「や」
ぐにゃり、と亀頭を強く捏ねられる。
アレクは思わず「はぅッ」と情けない声を漏らしてしまった。
視界の端で、メディが扇情的に笑う。
「放してって言っても、許してあげない」
がっちりとアレクを拘束したまま、メディはねちっこくアレクを責め立て始める。
アレクの分身を加えこんだ彼女の膣は、狙いすましているかのように先端ばかりを弄り回す。
亀頭、そして尿道口を強く吸われ、アレクは思わず腰を引く。しかし、それはメディの足によって阻まれる。
「いッ――」
「逃げちゃ、だめ」
ぐにゃり、とアレクはまたメディの中に深々と挿入させられる。
アレクの分身はメディの最奥まで押し込まれ、そして再度蹂躙される。
雷を受け続けているような、激しい快感がアレクを襲う。しかしそれは、射精に至る類の刺激ではない。
延々と続くそれは、快楽拷問といっても過言ではなかった。
「メ、メデ、ィ…ちょっ、と手加減…――っくぅッ!」
「アレク、かわいい」
軟体にからめとられながら喘ぐアレクを、メディはとても嬉しそうな顔で仰ぎ見る。
ぺろり、と首に滴る汗を舐め取られ、アレクはびくんと身体を震わせてしまう。
亀頭を休むことなく捏ねられ続け、アレクはとうとうメディを押し倒すような形で倒れ伏した。
「あは。アレク…もしかして、腰、抜けちゃった?」
「う、うぅ…」
羞恥に真っ赤になるアレク。
メディはどこか嗜虐的な笑みを浮かべながら、アレクの首に手を回して舌なめずりする。
「それじゃあ、もう…食べられちゃうしか、ないね…」
耳元で囁かれ、アレクの背筋を冷たいモノが走り抜ける。
まさか、本当の意味で食べられてしまうのだろうか。
一瞬そんな事を考えてしまったが、アレクは即座に否と自答する。
「…でも、嫌だったら、言って?」
そう言うメディの顔は、意地悪とかそういうモノではなく、アレクの身を本当に案じているように見える。
此処まで来て改めてそう確認するメディに、アレクは思わず笑みを浮かべてしまった。
快楽拷問が辛くなかったと言えば嘘になるが、これまでで最も気持ち良かったのは本当の話。
先ほど暴走してしまったこともある。嫌といえる資格もないし、嫌であるとも感じない。
アレクは荒い息を吐き出しながら、最後の力を込めてメディの首に両手を回す。そして、引き寄せる。
「――あ」
言葉を出すのも億劫だった。だから、行動で伝える。
触れるだけの、軽い口づけ。
元から赤いメディの顔が、さらに朱色を増す。メディの表情が、扇情的なものに戻っていく。
「火、ついちゃった、かも」
ぐにゃり、とメディの膣が激しく脈動する。
くぅ、とアレクは思わず息を漏らす。
「アレクの、全部…頂戴?」
がっちりとアレクの腰に足を巻きつけ、メディは今度こそ本気でアレクの分身に襲いかかる。
亀頭の刺激に加え、メディの膣は竿を強く締めつけながら、搾るような動きでアレクを追い詰める。
ずっと焦らされてきたアレクに、その刺激を堪えるすべはなかった。
「あ、ぁ、ぁああ――うむっ!?」
例によって、メディは今にも達しようとするアレクの口を自らのそれで塞ぐ。
唇を強く吸いつかれると同時に、尿道口を穿るように刺激される。
アレクの脳裏が、真っ白に弾けた。
「ん! ん、んん――」
アレクが射精した瞬間、メディはピクリと眼を瞬かせ、そして優しい笑みを浮かべる。
ひとしきりアレクの口内を舌でなぞってから、ゆっくりとメディの唇はアレクのそれから離れていく。
しかし、
「――あく! い、あ、め、めでぃ…!」
メディの膣は、未だ激しくうねり続けていた。
精液を吐き出すアレクの肉棒を、更なる射精を促すように搾り続ける。
「もっと、欲しいの。だから、もっと、気持ち良くなって?」
射精したばかりで敏感になっている亀頭を、メディの膣は容赦なく吸い上げる。
尿道口を押し開こうとするかのような刺激に、アレクの身体は意思に関係なく悶え続ける。
メディの足によって腰を引く事も出来ず、アレクは延々と精液を搾り取られ続けた。
「あ、ああ…ぁあ――」
ぐにぐにと、ぬちゃぬちゃと、卑猥な音を立てるメディの膣。
何も考える事が出来ず、アレクはただ呻き声を漏らし続け――
しかし、永遠に続くかと思われた快感は、唐突に終わりを迎えた。
何時終わったのかわからない。本当にいつの間にか、アレクは狂おしい快楽から解放されていた。
「…あ、う?」
だんだんと、意識がはっきりしてくる。
アレクは、自らがメディの体を深く抱きしめる様にして覆い被さっている事に気づく。
ゆっくりと身を起こすと、メディが仰ぎ見るようにしてこちらを見ていた。
「気持ち、良かった?」
メディが、聞いてくる。正直、アレクの気持ちは複雑だった。
気持ち良かった事は確かだが、少々激しすぎた。
どう答えようか迷い――ふと思い出す。
そういえば、同じ言葉を少し前にも聞いた気がする。
――きもち、よかった?
まだ幼く青色だった頃のメディの姿が、一瞬だけ脳裏によぎる。
成長して姿形は変われど、目の前の彼女の表情は、あの時と何も変わらない。
聖母のような、優しい笑み。あの時、アレクは生まれて初めて、他人に心を動かされた。
「…うん。すごく、気持ち良かった。ちょっと、気持ち良すぎるくらいだったよ」
実際に言葉にすると、やっぱり照れくさい。
メディは、とても嬉しそうな顔になって、アレクの首に巻き付けていた両腕に力を込めてくる。
アレクは、無言でそれに答えた。柔らかい彼女の体を抱きしめていると、心が落ち着いていくのを感じる。
穏やかな、静寂。しかし、その安寧は唐突に破られる。
「――ッ!」
視界の端に、何か不気味なモノが見えた。
小さな光のようなモノ。はっとして、アレクはそちらを見やる。
しかし、そこには何もなかった。ただ夕暮れの室内に、薄暗い闇が広がるのみ。
「…?」
アレクは、首を傾げる。今確かに、何かが居た気がした。
その時、アレクの体にまとわりついていたメディの体が、ぬるりと滑り落ちた。
メディの方を見やると、彼女は何やら不機嫌そうな顔で虚空を睨んでいた。
「何の、用?」
そう言った彼女は、先ほどアレクが怪しい光を見た方向を向いている。
しばしの、間。
無言の圧力に耐えかねたのか、ごとり、という音と共に、小さな影が闇から這い出す。
一対の小さな緑色の光が、こちらを見ていた。
「…ルイ?」
そう呼びかけると、影はゆっくりとこちらに近づいてくる。
ランプに照らし出された彼女の姿を見て、アレクはぎょっとした。
ルイの顔は、傍目に見てもわかるほど真っ赤に染まっていた。
拒絶するような鋭い瞳はそのままで、しかし頬を染めたその顔はまさしく情欲に惑わされた女のそれ。
「…にぅ」
己を恥じるような、未だかつてないほどに士気が無い声で、
ルイは小さく、鳴き声をあげた。
11/05/22 18:20更新 / SMan
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