狐火が現れた!
朝から晩まで暇さえあれば、恋人の膣にチンコをぶち込んで腰を振る。
妖狐を恋人に持っている人ならば、物凄く普通の当たり前な事で、何を言っているのかと思われるかもしれないが、いま俺はそれが出来ないでいた。
それもこれも、意気地のない俺の腰の所為。
「まさかインキュバスになってもギックリ腰になるなんて……」
そうつい先日、俺はインキュバスになったのだ。
人間の時には腰に不安があって、恋人の妖狐――芳紀を激しく責められない事を申し訳なく思っていたのもあり、折角肉体的にも精力的にも強くなったインキュバスの体で、芳紀を満足させてあげようと、この三連休を利用して『チキチキ七十二時間耐久、セックスマラソン』を企画したのだ。
しかしながら、俺の腰はインキュバスになっても壊れ易かったようで、芳紀へ四十八時間休まずに腰を振ってみたところで、こう『グキリッ』と鳴って『ウボォゥァ!』となってしまったのでした。
周りのインキュバスになった友人は、『インキュバス最高!一週間ぶっ続けで愛してあげられたぜ!』なんて言っていたから、七十二時間ぐらい余裕だと思っていたのに……
もしかしたら腰はちゃんと強化されているのに、あの時の体勢――ベッドの上に立ち上がった駅弁の体位という、腰に負担の掛かるのを選んだ所為かも知れないな。腰が治ったら、今度は腰に負担の少ない体位で攻め続けてみようと心に決めてみる。
「しかし芳紀には悪いことしちゃったな……」
俺の腰の所為で、まる二十四時間も予定が開いてしまったのだから。
予定が開いたし看病すると言っていた芳紀だけど、絶対我慢できなくて腰に乗っかってくるもんなと考えた俺は、無理矢理家へと帰してしまった。
一応は『四十八時間も愛してくれたんだもの、十分だよ』とにこやかに言って帰ったが、その視線はチラチラと腰の痛みの所為で立たない俺のチンコに向けられていた。
七十二時間愛し合えると期待していた分、芳紀の性欲が収まっていない事を如実に表していた。
まあしょうがない。埋め合わせは今度するとして、ぎっくり腰を治すために、腰が痛まない横向きの体勢で、俺は布団の中で、眠りにつくことにする……Zzz Zzz。
ぱっと目が覚めた。時計に目を向けてみると、時間は寝て一時間ほどしか経っていない。
まず感じたことは、四十八時間もセックスして体を酷使した割りに、一時間の睡眠でもう腰以外の体調が万全になっている事。
次に腰の痛みが軽減されているのを実感する。
今まで――人間だった頃だと、ぎっくり腰ならまる一日は痛みで悶絶していたのに。
試しに体を横向きから仰向けにしてみても、多少の引きつり感はあるものの、激しい運動さえしなければ大丈夫なほどに腰が治っている。
流石はインキュバスの体。回復が早いと感心してしまう。
そこで『あアンッ、イックゥうぅうう!!』と、携帯の着信ボイスが流れた。
そんなモノを俺は設定していないので、また芳紀の悪戯だろう。全く何時の間にやったのやら。
携帯を取ってみると、メールの着信が一件。芳紀からだった。
パカッと携帯を拡げて――スマホじゃいんだよ、俺のは――文字盤を見てみると、絵文字が沢山あった。
『やっほー、着信ボイス驚いた?(^ー^)/
本当はみっくんが受講中に鳴らしてあげようとか思っていたんだけど、我慢できなくて鳴らしちゃった(゜ー^)⌒☆
それ家でみっくん思いながらオナニーして、こっそり録音したんだよ♪ ヽ(//о//)ノキャー!
でもその時お父さんが部屋に入ってきて怒られちゃった(=н=)ムゥ
それでみっくんはいま何してたの? 私はみっくんのおチンポの味思い出しながらオナニーしてるよ♪(>д<)』
相変わらずの芳紀のフリーダムさに安心した俺は、『いままで寝てたよ。でも、起きたらなんだか腰の痛みが引いていた。何を言っているか分からないとおもうが(ry』と返信する。
すると直ぐに返信が来た。またあの着ボイスが流れたので、メールを見る前に変更しておくことにする。
『じゃあいまからみっくんとズボズボ出来る?』
絵文字無しなんて珍しい。慌てながらメールを打ったのだろうか?
とりあえず『今日は無理。明日なら大丈夫かも??』と返信。
そしたら『オナニーして寝てやる! ≡≡≡ヽ(`Д´)ノウォォォ!』と帰ってきた。
どれだけ性欲あるんだよ!と感想を心の中で言いながらも、彼女を満足できていないなんてと落ち込んでしまう。
「はぁ……しっかり腰のリハビリするかな。せめて七十二時間は持って欲しいし」
魔物娘だけあって芳紀に捨てられる事は無いだろうけど、彼女に喜んでもらえないなら彼氏として俺の立つ瀬が無い。
となんとかぼんやりと天井を見ながら考えていたら、なんか空中に揺らめく青白い炎が見える気がする。
四十八時間も妖狐の芳紀と交わっていたのだから、この部屋に充満した魔力が集まった狐火かもしれないが、彼女と交わるときは『刑部狸印の魔力清浄機』を点けてからしているから、狐火は出るはず無いんだけどなー。
そこで空気清浄機に良く似た機械に目を向けてみると、正常運転を表す青いランプの他に、異常事態を表す赤いランプが洗浄フィルターの所に点いていた。
ああなるほど、溜まりに溜まった魔力を洗浄し切れなかったんだ。新しいフィルターに交換しないと。
「ぐぎゃ、腰が……」
そう思って体を起こそうとして、また腰が癇癪を起こした。やはり安静にしていろと言う事か。
しかしこのままでは――と思ったその時、部屋に充満していた魔力が一箇所へ集まるような感じがして、それに伴い揺らめいていた青白い炎が大きくなっていく。
もうこうなると狐火を生まれさせない様にするのは手遅れだと、芳紀と付き合い始めた時彼女の母から聞いていたのに、心の中で悔やんでみるものの、やはり生命の誕生と言うのは神秘的なものがあり、俺は狐火が生み出されるその光景を瞬きもせずに見ていた。
まずランプの様な小さな火だったのが段々と勢いを増して大きくなり、やがてその炎の中から顔と体の輪郭が浮かび上がると、程なくして手と膝までの足がくっきりと形作られる。凹凸の少ない胴体部分がはっきりと作られる頃には、のっぺらぼうだった顔には目を瞑った小さな女の子の顔が浮かび上がり、最後に頭に髪と狐耳のようなものが、お尻に尾っぽのようなものが炎で作られた。
その全体像は、今では男を呼び込もうとするほどに男受けする体を持つ芳紀だが、小さい頃はこんな風だったんじゃないだろうかと想像させる、青い肌を持つ可愛らしい少女姿。
思わず芳紀と出会って俺が一目惚れした時と同じく、この狐火を見てドキリと心臓が跳ね、その愛らしい顔に目が離せなくなってしまう。
すると俺の視線に気がついたのか、薄らと狐火の目が開かれたかと思うと、段々とその開きが大きくなっていく。
やがて目が完全に開かれた狐火は、何かを求めるように顔を左右に向けつつ、お尻にある尻尾状の炎も連動して右へ左へと動く。
一体何を探しているのだろうと首を捻る俺の視線と、何かに気がついた様な狐火の視線がぶつかった。
「や、やあ……」
とりあえず挨拶してみる。
しかし生まれたばかりで挨拶と言うものが分からないのか、俺の顔を見て軽く小首を傾げた狐火は、しかし次の瞬間には砂漠の中でオアシスを見つけた旅人のような、歓喜に満ち満ちた笑顔を俺に向けてきた。
その笑顔に俺の背には嫌な予感が走る。その笑顔は芳紀が俺の怒張したチンコを目の前にした時にするのと、顔立ち含めて全く同じものだったからだ。
もしかしてと俺が思っていると、ゆるゆると空中を下降し始める狐火。
「ちょ、上に乗られたら腰が――」
とさりと狐火が俺の上に乗った。しかし全く重さを感じない。
いや確かに布団越しながら、狐火の体温と体の柔らかさは俺の皮膚触覚へと届いている。
しかし重さだけが全く無かった。
重さの無い魔力の固まりだしなと納得半分、腰に痛みが走らなかった事による安堵半分の溜息を吐く。
しかし納得している場合でも安堵している状況でもないことを、いまこの瞬間の俺は忘れていた。
「おトこ――だいスき……」
ずりずりと俺の腹の上から胸の上へと移動してくる狐火。
明らかに上気した頬を持ち、熱っぽい視線を俺の唇へと向けている。
このままでは芳紀専用の唇を奪われると思い、体を捻って逃げようとすると、俺の腰が『そんな運動は認められん』とストライキを起こしやがった。
「アむッ――ちュっ……」
「むうぅうぅう!?」
そして痛みに悶絶していた俺の唇を割って、狐火の舌が侵入してきた。
体温と柔らかさしか実感が無かったので侮っていたが、狐火の舌の温度は魔力の大元である芳紀とは比べ物にならないほどに熱く、俺の口の中を淫熱で炙りながら味を覚えようと動き回る。
不可抗力で唇を許してしまったが、せめて狐火の要求には応じまいと心の中で芳紀に誓いを立てる。
しかしその誓いも、俺の反応が無いことに寂しくなったのか、口の中を蹂躙しつつも俺の目の前にある狐火の瞳に懇願の色が出始め、そして段々と涙で潤み始めたのを見たところで崩れてしまう。
ただでさえ愛しの芳紀と同じ顔立ちの可愛い少女が、目の前で泣き出しそうになっているなんて、俺には耐える事が出来なかった。
だから俺は心で芳紀に謝罪しながら、口の中を突付いてくる狐火の舌を俺の舌で絡め取り、ナメクジがダンスをするように舌を躍らせつつ、狐火の両手を取って指と指を絡ませる恋人繋ぎにしてやる。
「♪♪――ちゅちゅ」
待ちに待った俺の反応に、喜色満面の笑みを浮かべた狐火は、俺にお返しするようにより一層情熱的なキスをしてくる。
まったく生まれたばかりだというのに、何処でそんな舌使いを覚えたのだかと、俺は魔物娘の根底に刻まれた性欲に呆れてしまった。
やがてそのまま狐火が飽きるまでキスを続けていたのだが、口を離した狐火は次をおねだりする様に俺の体の上で、腰を前後にゆっくりと擦りつける様に振り始めた。
「流石にそれは……」
彼女が居るのにそこまでする気にはなれないな、と渋る俺の繋いだままの右手を顔の近くに持っていった狐火は、唐突に俺の人差し指をその小さな唇にくわえ込んだ。
そして俺の指が俺のチンコであるかのように、舌を指に巻きつかせながら前後に首を振り始めた。
「ちゅぱ、ちゅぱッ――」
「おお、これは……」
芳紀は直ぐに口にチンコを含みたがるので、俗に言う『指ちゅぱ』というのを初めて体験したが、これはこれで中々にそそられる。
直接チンコを舐めながら吸いながら上目遣いで此方の様子を伺うのも大変良いけど、指ちゅぱは射精を堪えようとしなくて良い分、している人がどんな表情で指をチンコに見立てて舐めているのかをじっくりと観察できるので、別の意味で股間にくる。
しかしこのままずっと指を舐めさせているわけにもいかない訳で、かといって俺に如何すれば狐火が大人しくなるのかという知識は無い。
というわけで餅は餅屋。狐火のことなら生み出す本人に尋ねれば解決するはず。
右手は指ちゅぱされているので、慣れない左手だけで芳紀に狐火が発生したという件名のどうしたら良い?という本文のメールを芳紀に送った。
もたつく携帯の操作の間、無視されていると勘違いした様子の狐火が、俺の関心を取り戻そうとするかのように、一心不乱に指に吸い付いてきたのが可愛らしい。
メールを打ち返信が来るまで、必死に指を愛撫する狐火に左手で青い炎の狐耳を撫でてやった。
俺の指で耳の縁を撫でられる度に、くすぐったそうに狐火は目を細めながら、しかし指は口から離さない。
ぴろろ〜んと汎用の着信音に変更した俺の携帯が鳴ったので、俺は狐火の耳から手を離し携帯を手にし、だが耳への愛撫は唇で続ける。
『ええー!! Σ(`ロ´)!
ええっと、どうしよ、とりあえず一発ヤッて充電してあげて ♂×♀
外に逃しちゃ駄目だからね! ≡≡≡―――......(ノ_ _)ノ ズザー!!』
いや最後こけてるじゃん!というか良いのか、俺が狐火とセックスしても?
うーん、魔物娘の考える事は人間の尺度だと混乱の種だな……
まあとりあえず許可は得たわけだけど、と耳をはむはむするのを止めて狐火の顔を見てみると、耳の愛撫でもうすっかり準備万端そうな緩い表情をした少女が劣情をぶつける様にねっとりと指ちゅぱしていた。
「まあ許しが出たことだしね」
誰に言い訳するわけでもなし独り言を呟いた俺は、狐火の口から指を引き抜いた。
名残惜しそうに舌を伸ばして俺の指を追随しようとするのを、もう一方の手で額を押して押した俺は、そっと狐火の唾液で濡れた手で狐火の片手を取ると、そっと俺の股間を触れさせた。
それがどんな意味なのか本能的に悟ったのか、狐火は伺うように上目遣いで俺に視線を向け。俺はそれに頷きで応える。
すると狐火は俺の足先へと体を移動させると、俺のズボンをパンツ共々ずり下げて、チンコを外気に触れさせた。
ひんやりとする空気に触れて、思わずぴくりと反応するチンコを見た狐火は、もう辛抱たまらないのか口の端から涎が一筋垂れていた。
「ちんポ、オチンぽぉ――」
まずチンコの味見をする様にちろりと舌先で亀頭を一舐めした狐火は、それがこの世で一番欲しいものだと判ったのか、急に全てを口の中に入れてじゅぽじゅぽと音を立てて吸い付き始めた。
「じゅぽじゅぽくぽくぽ、じゅるうるるうるう〜〜!」
「くぅ!これは中々凄いな……」
得物を甚振るように俺の反応を楽しみながら愛撫をする芳紀とは違う、本能任せに精子を絞り取ろうとする狐火の口での愛撫は、俺に腰の痛みを忘れさせる程に激しい気持ちよさがあった。
そんな必死に一刻も早く射精させようという狐火に応えるように、チンコは段々と硬く大きくなっていってしまう。
しかし大きくなれば息苦しさで激しさに陰りが出るかと思いきや、魔力の塊だから息をしなくても大丈夫なのか、チンコが愛撫に反応し硬くなるたびに狐火の吸い付きと頭の上下運動は激しさを増していく。
「もうそろそろ、射精そうだ。準備は良い――って聞いてないか」
「じゅぱじゅぱじゅぱ、じゅるじゅるじゅる、じゅっじゅっじゅっ」
狐火の頭の上下運動に連動して、傘の括れに喉を引っかかれ、硬いチンコが喉の奥を突き刺す感触に集中しているからか、半分白目を剥いている瞳はドンドンと色欲一色に染まっていき、もう俺の言葉が耳に入らない様子で一心不乱にチンコに吸い付いている。
こんな様子だと射精ると言っても聞こえないだろうし、射精を喉で受けるときの礼儀を教える丁度良い機会だしと、限界ギリギリまで射精を我慢する。そして精子が尿道を駆け上ってきたのを感じてから、俺は狐火の後頭部を両手で押さえつけ、そして軽く腰を突き出しながら狐火の頭を股間へと引き寄せる。
「お゛ぅ〜〜♪」
俺のチンコがビクビクと跳ねながら精液を狐火の喉奥へと吐き出すと、狐火は歓喜のくぐもった声を上げつつ喉を鳴らしてそれを飲んでいく。
そのままタップリと出した後で、ゆっくりと狐火の喉の上を擦るようにチンコを引き抜いてやる。すると狐火は嬉しそうに耳をぴくぴくと炎の尻尾をゆらゆら揺らして、その感触を味わっていた。
「口で味わったら、次はどうするか判るかな?」
生まれて初めて味わった精子の味でぼんやりしていた狐火だったが、俺のその言葉にゆっくりと宙に浮かび上がると、俺の怒張しっぱなしのチンコの上に陣取り、ピッタリと閉じたつるりとした子供マンコを亀頭にくっ付けた。
「そう、そのままゆっくりと降りて」
濡れて無いのかもしれないからゆっくりと指示したが、割れ目を亀頭が押し開いた途端、その膣口からどろどろと愛液が俺のチンコに降りかかり、きついマンコの感覚以外何の抵抗も無くすんなりと半分ほど入り、そこで狐火の子宮にぶつかって止まった。
押し広げて入ってきた熱い棒の感触に、狐火は体中を震わせて歓喜の叫びを全身で表していたが、俺としては狐火の体重が相変わらず感じられない事に、違和感を感じざるをえなかった。
ちゃんと亀頭には狐火の小さな子宮を押しつぶし押し上げている感覚が、陰茎にはギュッと締め付ける膣の感触が確りあるのに、チンコからと俺の胸元に置かれた手からも狐火の体重は感じられず、なんか現実味の無い明晰夢を見ているような気分になる。
俺のそんな微妙な気持ち悪さが狐火に伝わったのか、狐火は『気持ちよくない?』と言いたげに悲しそうに俺を見ていた。
その表情を見て、俺は一体何を考えていたのかと自分に駄目だしをする。
魔物娘が普通とは違うことなど当たり前の事。しかも生まれ出たばかりの子に気遣わせるなんて、どうにかしている。
「ちょっと腰が痛いだけだから」
「だい――ジョウぶ?」
「キミは軽いから、余り激しくしないのなら大丈夫」
しかし俺は気遣う狐火に嘘でしか応えられなかった。
ほんと約二十年生きているのに、対人スキルが低すぎる我が身が恨めしい。
そんな俺の心の葛藤を知ってか知らずか、狐火は俺の上でユルユルと動き始めた。
抜ける寸前まで抜いて、そして入るところまで入れて、時折自分の腰を捻って気持ちよい部分を探しつつ、抜いて入れてを繰り返す。
「ふッん――あッん――」
「そうそうその調子」
必死に気持ちよくなろうとする狐火には悪いが、腰の痛い俺は腰を突き出したりは出来ない。
だからせめて狐火が動き易くするために、俺の胸に置いていた手を取り、恋人繋ぎで確りと固定してやる。
高い場所に手を付く事が出来たためか、それともコツを掴んだのか、幾分狐火の腰の動きが幾分スムーズになってきた。
「くひュぅ!――あぁぁぅ、くヒュぅ!」
段々と狐火も調子が出てきたのか、子宮を押しつぶされる度、膣道をチンコで掘り返される度に、小さい体から可愛らしい嬌声が出てくる。
それは魔力の元である芳紀とは違う、子供っぽい甲高い音域のもので、それがなんだか酷く可愛らしい。
とかなんて考えていたら、唐突に狐火がムッとした。どうやら俺が頭の中で芳紀の事を考えていたのがわかったらしい。
どうやら魔物娘も、している最中に男が他の魔物娘の事を考えていると判ったら、気分を害するみたいだ。いやもしかしたら、この狐火の性格なだけかもしれないけど。
「御免、キミに集中するからさ」
絡んでいる手をギュッと握りながら放った俺の謝罪の言葉に、それなら良いと言いたげに笑みを浮かべると、狐火の表情はまた蕩けたモノへ変わった。
そんな狐火の様子を見て俺は、魔物娘の表情の変化振りに驚けば良いのか、それとも生まれてまだ一時間も経っていない狐火の尻に敷かれつつある俺自身の不甲斐なさを嘆けば良いのかわからなくなる。
尻に敷かれそうなのは、いまこの時が騎乗位だからだと思いたい。
「ちょうダイ――精ヲちょうダイ」
「ん?もっと楽しまなくてもいいの?」
「寂しイ。お腹ガ寂しイの」
その言葉につられて視線を狐火の下腹へ向けてみると、精液を欲しくてキュンキュンと子宮が疼いているのか、痙攣するようにビクビクと皮膚が動いている様子が見て取れる。
しかし俺はそのお願いを聞くかどうか少し悩んだ。
これはインキュバス化してから暫くして判った事だが、射精を俺が意のままにコントロールする事が出来るようになっていたのだ。
なので俺は芳紀が膣道をほじって欲しそうなときは、射精せずに気の済むまで突いてやったり、直ぐにでも精液を欲しそうなときは、性感を得ていなくても直ぐに射精する様にしていた。
しかしこの狐火はその外見と内面の可愛らしさから、なんだか苛めたくなるんだよな。
例えばこのままずーっと射精せずに焦らし続けて、狐火がボロボロと涙を流して「ちんぽみるく頂戴、お願いしますぅ」と懇願するのを見てみたくなるような――
――ハッ!いま俺は一体何を?なんだか開けてはいけない自分の新境地の扉を開けてしまいそうだったような……
イカンイカン。女の子には優しくねって芳紀に言われていたじゃないか。
「じゃあ確り注いであげるから、手を離すよ」
「ウん……」
少し残念そうな声色だが、しかしいまだ知らない精液が子宮に注ぎ込まれる感覚への興味が勝ったのか、すんなりと狐火は手を離してくれた。
そして俺は空いた手を狐火の細く存在感が薄い腰に添えて、ぐっと狐火の腰を俺の腰へ近づける様に引き寄せる。
「アぁ――!」
限界まで子宮をチンコに潰されて狐火の口から声が漏れたが、まだまだこれからが本番。
そのままの位置を固定するように片手で引き寄せながら、もう片方の手で狐火のクリトリスを愛撫してやる。
生まれて初めて弄られたからか、感度は抜群で。一撫でする度に口からは可愛い悲鳴を上げつつ、膣はきゅっきゅっと俺のチンコを締め付けてくる。
そのまま狐火がイク寸前までクリトリス磨きで高めてやって――
「堪能してね」
一度軽く引き抜いてからーの、チンコで狐火の子宮を押しつぶしながら子宮口に鈴口をピッタリとくっ付けて、そして射精フィニッシュ!
「きタァ――美味しイノが、お腹ニィ……」
子宮を再度押しつぶされて絶頂している様子の狐火の子宮に、たっぷりと精液を注いであげる。
しかしただでさえ小さい体なのに、生まれたばかりで伸縮性の乏しい子宮にインキュバスの精液は多すぎたのか、繋がっている場所から白い液体が零れて布団に濡れ染みを作る羽目になっていた。
その後事を追えた俺は、腹の上に狐火を乗せたまま天井を眺めていた。
しかし精液を取ったら、魔力で存在が強化されて体に重みが出るかと思いきや、じんわりと汗ばむ肌とそこから発せられる体温はあるのに、相変わらず体重だけがすっぱりとない。
なんだか幽霊を抱くってこんな感じじゃないかなと思えてくる。近くにゴーストを嫁にした奴は居ないので、確かめようは無いのだけど。
「大スキ。ずット一緒」
そしてそんな事を考えている俺の胸元に、嬉しそうに頬擦りをする狐火。
これはこれで憑かれたといって良いのかもしれないなー。などと狐火の頭を狐耳ごと撫でつつ考えていたら、急に俺の家の玄関のドアが勢い良く開かれた。
そこに居たのは俺の彼女である芳紀。
「か……か……」
今の状況。
満足した表情のロリ狐火。その狐火にべったりとくっ付かれて寝転がる、ちょっと疲れが見えながらスッキリした表情の俺。部屋に充満する狐火と俺との情事の匂い。そこに突撃してきた俺の彼女が、震えながら小さな声を出している。
あれ?もしかしなくても、三人で仲良く修羅場突入で、俺終了のお知らせ?
などと戦々恐々とする俺を尻目に、芳紀は上がりこんできたと思ったら、俺の体の上で寝転がっていた狐火を起き上がらせると、行き成りギュッと抱きしめる。
「可愛いー!!やっぱり私の狐火ね♪もうすごくぷりてぃー!!もうこうなったら三人で狐火ちゃんの誕生ぱーりぃーをするっきゃない!」
そんなたわごとを放ちながら狐火に頬擦りしたかと思えば、この部屋の匂いに当てられたのか衣服を脱ぎ始める芳紀。
「もう一度、お腹いっパイ?」
そして臨戦態勢になった芳紀に感化された様子の、俺の方へねっとりとした視線を向ける狐火。
「ちょ、まて、飛びついてくるな!ぎゃー!!」
そして二人の発情した魔物娘に襲いかかられる俺。
つまり『残念でしたー、修羅場だと思った?突入したのは乱交パーティーでしたー』というわけだ。
ちなみに飛び乗ってきた芳紀の所為で、腰に大ダメージを負った事を付け加えておく。
12/02/29 20:06更新 / 中文字