貧乏アパートの一室にて
冬の寒い日でしかも休日ならば、一日中布団の中でヌクヌクするのが至上の幸福だと俺は思っている。
なので今日は俺のその信念に従って、一日中寝続ける事に決めたのだが、朝日が昇ってしばらく経つと寝ている俺の顔に何かがぺちぺちと当たり出した。
目を薄らと開けて何なのかを確かめようとして、それが冬の俺の部屋ではよくある事だと思い直し、顔に当たる感覚を無視して目を閉じ直し、再度夢の世界へと旅立とうとするものの、そんな俺の行為を咎める様にそのぺちぺちの間隔が狭まり早くなる。
ああもう面倒だ。と俺の顔にぺちっと当たったのを見計らって、その大元を手で掴んで軽く握ってやる。
「ふにゃーー！！」
そして俺の部屋に響き渡ったのは、悲鳴とも驚愕の声とも取れる女性の声。
これで少しは寝易くなったと目を瞑ろうとして、また俺の顔に何かが当たる。
……そうだこいつの尾っぽは二本あったんだったな、とまた俺の顔に当たったモノをもう一方の手で掴む。
ここまで安眠の邪魔をされて、再度寝入る事が出来るほどに寝つきの良い方ではないので、俺は仕方なしに目を開けて起きる事にした。
俺の目の前にあるはずの炬燵の手前に、揺れる二本の尻尾を持ったさほど大きくも無い尻がデンと据えられていた。
「くーちゃんおはよう〜♪」
そしてその尻の上から声――さっきの女性の声と同じものが振ってくる。
俺は布団に横になったまま、横目でそいつの顔を見る。
頭に生える猫ッ毛のこげ茶のベリーショートな髪の上には、こちらもこげ茶の三角形の猫耳。薄く長い眉と大きくクリっとした大きい猫目には縦長の虹彩。視線を下げていけば、体をミニスカ和服で身を包みながらも、その上から俺のどてらを着て両手足を炬燵に突っ込み、幸せそうに二本の尻尾をゆらゆらさせている事が判る。
耳と虹彩に尻から伸びる二本の尻尾を見れば判ると思うが、こいつは普通の人間ではない。俗に猫又と呼ばれる妖怪――昨今では魔物娘と言うのだったかの存在。
モデル顔負けの顔立ちを俺に向けているこの猫女は、一応俺の愛すべき彼女――苗代早苗である。
惚気を承知で言わせて貰えば、チャームポイントは口を開いたときに見える八重歯のような犬（猫？）歯と、猫の額だというのに特徴的なまでに大きい額――平手で軽く叩くといい音が出る。
ちなみに『くーちゃん』というのは俺の名前である『久我空也』愛称だ。まぁそんなことはどうでもいいことか。
そんな俺の愛しい彼女である早苗が、俺が寝ている横で何をしているのかというと、答えは単純明快。冬の猫が何処に入るのかを考えれば直ぐに判る。
「また炬燵に入りに来たのか？」
俺は布団を抜け出して台所へと向かいつつ、そう早苗に声をかける。
そう何時もこいつは冬になると、自宅には炬燵が無いからと俺の部屋に上がり込むという変な癖がある。
エアコン完備の早苗の快適な部屋と比べたら、俺のエアコンを標準装備していない安アパート部屋はとても寒い。だというのにこいつは炬燵があるという一点のみで俺の部屋に来る。
やはり猫だから炬燵が好きなのだろうか。
もしそうだとしても俺の部屋の唯一の暖房器具を手渡す気にはなれないが。
そんなことをつらつらと考えつつ、硝子のコップにカルキ臭い水道水を入れて飲み干した俺は、さてとと壁掛け時計を見る。
指し示している時間は朝の十時。朝には遅く昼には早い時間だが、ブランチとしては適度な時間帯だろう。
まあもっとも、この部屋でブランチなんて横文字は似合わない事この上なく、ずぼら飯や不精飯と言った方がいい塩梅。
「くんくん――くーちゃんの匂い♪」
「で、お前は人のどてらの匂いを嗅ぎつつ何をしているか！？」
炬燵に入った早苗が必ず行う何時も通りの行動に、辟易とした目を向けつつ俺は判りきっている事を尋ねてしまう。
「だってぇ〜。くーちゃん起きるの遅いし、どてら良い匂いがするしぃ〜♪」
背中を丸め炬燵の天板に頭を乗せつつ、俺のどてらの襟足の匂いを嗅ぎながら、両手をもぞもぞと股間の間で動かす早苗。そして早苗の手が自分の股間で動くたびに彼女の表情が緩んでいき、目には性感からくる潤み、口は快楽に痺れて半開きへ。
つまりは発情期でもないのに、俺の匂いをオカズにして自慰行為に耽っているのが判る。
そんな愛しい彼女の痴態を目にした俺は、居ても立ってもいられずに早苗に襲い掛かる――なんていうアホなことはせずに、炊飯ジャーの中にある冷や飯を丼によそり、その上に冷凍レトルトの五目餡かけの元を載せ、ラップをして電子レンジに入れてタイマーを掛ける。
ぶぅんという電子レンジの駆動音を耳にしながらちらりと横目で早苗の様子を見ると、彼女は俺が意図的に無視している事も気にせずに、炬燵の中でひたすらに股間を弄り回すことに集中しているようで、炬燵の天板に大きめな額を擦りつける様に乗せながら一心不乱に肉球付きの手を動かしている。
はぁっと俺が溜息を吐くのに合わせるかのように、電子レンジのチンという音が重なった。
俺は電子レンジから丼を手に持ち、流し横の引き出しからレンゲを取り出す。そしてそれらを両手に持ちながら炬燵へと近づくと、早苗のいる横の場所から炬燵へと足を滑り入れ、ついでに畳んでおいた座椅子を取り出して下に敷く。
そして俺はレンゲで五目餡かけ飯を一掬いすると、口に放り込んで咀嚼する。
少し塩分濃い目で味付け濃い目のレトルトの変わらない味を噛み締めながら、自分の彼女が横でオナっているのを横目に普通に飯が食える様になった事に、慣れって恐ろしいなと考え深げに心の中でつぶやいてしまうのだった。
「くーちゃん、くーちゃん。あたま撫で撫でしてよぉ〜……」
俺のそんなつれない態度に堪らなくなったのか、早苗は猫が甘えるように俺の丼に添えていた方の手に頬を擦り付けて注意を引こうとしている。
しかし俺はそう易々とお願いを聞いてやるほど心優しい性格ではない。安眠妨害されて起こされたので尚更にだ。
「くーちゃん、くーちゃん……」
レンゲで餡かけ飯を食べるのを止めない俺の愛称を呟きながら、必死になって手に頬擦りを続ける早苗。
飯を食い辛いったらありゃしない。
はあっと溜息を鼻から吐き、口の中にあるのを嚥下してから、ゆっくりと早苗に視線を向ける。
もう既に限界ギリギリなのか、早苗は表情筋が蕩けきり目からは涙が口からは涎の筋が出来た、アへ顔一歩手前なキマった顔をさらしていた。
「俺に頭撫でられないと高くイケなくなったって自覚しているだろうに、何でオナニーなんて始めるんだよ」
「だってぇ〜、だってぇ〜……」
俺の言葉にポロポロと早苗の緩んだ目尻から涙が流れ、炬燵の天板に小さな水溜りを作る。
本来ならば我が侭猫など反省させるという意味で無視するのが最善なのだが、早苗が俺にとって可愛い彼女なのは変わり様の無い事実なので、ついつい何時もの早苗の我が侭を聞いてやってしまう。
今回も例に漏れず、俺は片手を丼から離して早苗の三角耳の間にある場所を手で撫でてやってしまうのだ。
「えへ〜、くーちゃんの手暖か〜い」
俺に撫でられたのが嬉しいのか、それとも自分の我が侭が叶ったからか、もしくはその両方なのか、早苗はただでさえ性感で緩んでいたのに更に目尻を幸せそうに緩ませて俺の手の感触を味わっている。
そんな猥らでだらしなく可愛らしい早苗の顔を見て、思わず俺の胸がときめいてしまったのだが、それを早苗に悟らせないように撫でる手を少し強してやる。
「見ててくーちゃん♪もうすぐ、イクからぁ〜♪♪」
「はいはい、見ててやるからしっかりイケよ」
俺のやる気の無い言葉とは裏腹に、早苗の股間の手の動きは段々と早くなり、その背も丸まりながら絶頂の前段階の硬直が走り、体に走る快楽の波に集中するように緩んでいた目と口を閉じる。
俺はそんな早苗の邪魔にならない程度の力で頭を撫でながら、時折三角耳の内側を手指で撫でてやってやる。
やがて早苗の体が絶頂の波とシンクロした震えが走ると、程なくして早苗の口から押し殺した声が漏れた。
「んッくぅうぅ〜〜〜♪♪」
ガタガタと早苗の硬直した足で蹴られた炬燵が抗議の声を上げる中、天板に額を押し付けつつ背筋を極限まで丸め、二本の尻尾は毛を逆立てながらピンと伸ばし、しかしながら手だけはイッている最中でも必死に動かして更なる高みへと登ろうと躍起になっている。
ビクビクと体の至る場所が動き回る中、俺は努めて優しい手つきでピクピクゆれる三角耳をゆっくりと根元から撫でて絶頂の手助けをする。
「ふにゃふぅ〜〜〜♪」
軽く一分ほど達し続けた早苗は、その後で全身の力を抜いて炬燵に体を預けながら、満足したように口から息を吐いた。
淫熱の匂いを含んだ早苗の吐息を嗅ぎながら、俺は冬の気温で冷めてしまった五目餡かけ飯をレンゲで掬って口に入れる。冷めても美味いとは、やるなレトルト。
などと心の中で感想を呟いていると、俺の股間に何かが這い回る気配。
何だと思って炬燵布団を捲り上げてみると、早苗の肉球付きの足の裏が俺の股間に当てられていた。しかも俺のイチモツに軽く踏みつけるように足を乗せながら、そのままズボンの縫い目に沿って撫でるように動かしている。
「にゅふふ〜、気の無い素振りでもくーちゃんのお股は正直だね♪」
天板に乗せた顔を俺の方に向けながら、チャシャ猫の笑みを浮かべた早苗は、俺の股間に性的刺激を加えようとズボン越しに足コキを始める。
早苗の痴態と自慰で放出された魔物娘フェロモンに反応した俺のイチモツは、もう既に臨戦態勢から装填発射態勢へと移行していたため、早苗の足裏にある肉球で柔らかく踏まれる度に俺の腰が軽く痺れる。
このままではズボンの中で暴発してしまう恐れのある俺は、緊急手段として早苗の弱点を攻める事にした。
「人の股間踏みつける悪猫め――オラ、俺のどてら返しやがれ！」
「いやー、寒いのいやー！」
無理矢理引き剥がされそうになるどてらを必死に守ろうとするものの、流石にイッた直後ともあって易々と俺にどてらを引き剥がされ、背中に俺の部屋の冷たい空気をダイレクトに受けて、早苗は寒そうに体の半ばまで炬燵の中へと潜り込ませる。そして俺は背中に奪い取ったどてらを羽織った。
恨めしげな早苗の目をしてやったりと見返し勝ち誇りながら、丼の中のモノを全て口に入れる。勝利の美食は美味い。
もぐもぐと口を動かしごくりと飲み込んだ俺は丼を流しに浸ける為に、炬燵の抗いがたい魔力を振り切って座椅子から立ち上がろうとしたまさにその時、俺のズボンがパンツ諸共にずるりと膝下まで落ちた。
「アレ？……」
なにが起きたのか訳が判らなかったが、視線を下に向けると俺の勃起したモノの更に下、炬燵布団の隙間から得物を狙う猫の目付きの早苗の顔と、炬燵から伸びた早苗の両手に握られたズボンの裾。
何時の間に炬燵に全身を潜り込ませたかという疑問と共に、それらを視認してようやくズボンが下がったのは早苗の仕業だと俺の脳は理解した。
「早苗、お前はなに――おわぁ！！」
下げられたズボンを上げようと前かがみになった瞬間、早苗は俺の両足を掴んで炬燵の中へと引っ張り込んだ。俺は体勢を崩されて、思わずその場に崩れるように座る。その時危うく座椅子の背もたれ部分が尻に直撃するところだったが寸で回避する。
ドスンと座椅子に着地した俺は、次いでにゅるりと炬燵から這え出てきた早苗と座椅子の背もたれに挟まれてしまった。
「おい、早苗。いい加減にせんと怒るぞ」
「にゅふふ〜♪怒っちゃ、い・や♪」
癇癪筋が額に浮んでいるはずの俺の頬を手で撫でた早苗は、くるりと背中を向けつつ二つの尻尾を俺のイチモツに巻きつけたかと思えば、ずぶりと俺のイチモツを股間にくわえ込んだ。
そしてずぶずぶと奥へと送り込みやがて俺のイチモツ全部を飲み込むと、俺に自分の背中を押し付けるように体重を掛け、さらには俺が逃げられない様にするためか二本の尻尾をそれぞれ左右から俺の胴体に回して確りと抱き込む。
「これで、くーちゃん座椅子の出来上がり〜♪足は炬燵でポカポカで、あんッ、体の中と外はくーちゃんで暖かだよぉ♪」
幸せそうに体を震わせて膣からは俺のイチモツの熱を、背中では俺の体温を味わう早苗。
こんな風に物の様に扱われた俺は、しかしながら怒りが一回りして虚しくなり、もう早苗のさせるがままにさせようと諦めの境地に足を突っ込んでしまった。
「判った、今日一日早苗の座椅子になってやるよ。ほら確りくっ付け」
「くーちゃんが優しい♪嬉しい♪」
ごろごろと喉を震わせながら、俺の胸板に後頭部を擦り付けつつ、腰をくねらせて俺のイチモツの感触を楽しむ早苗。
俺の方も早苗の体を大きめのどてらで包み込みながら、亀頭に感じる早苗の子宮口のフニフニとした感触を味わいつつ、早苗のチャームポイントでもある大きめの額にキスをする。
「うにゃー。額は止めて〜」
「まだデコのこと気にしてるのか？」
「だってぇ、大きくて見っともないし……」
「俺はこのツルっと大きなデコ好きだけどな」
俺の発言に嘘は無いという事を判らせようと、早苗の額にもう一度キスをしてから舌をゆっくりと這わせていく。
最初は真ん中から上下に。そして左右に。最終的には舐めていない場所が無いように、早苗の額に舌をくっ付け動かす。
「判ったから！くーちゃんがおでこ好きなのは判ったから〜！」
「ふむ、判ればよろしい」
額をぺちゃぺちゃ舐めれて恥ずかしくなったのか、早苗は俺の顔を手で押しのける。
まぁここまですれば俺が早苗のおでこが好きなのは伝えられただろうと判断して、俺は大人しく早苗の額から舌を離した。
「うにゃ〜……額がぺちゃぺちゃだよぉ〜」
「額だけじゃなくて、ココもべちゃべちゃだろ？」
「ふみゃぅ！――行き成りクリちゃん撫でないでよぉ♪」
ゆっくりと俺と早苗の結合部を指で撫でると、もうそこは早苗の愛液で濡れていた。いやそこだけではなく、俺の陰毛や俺の尻の下にある座椅子の座布団も早苗の愛液でじっとりと濡れている。
そのまま結合部とクリトリスを撫でてやろうと腕を動かそうとして、早苗のモフモフの手で押し留められてしまった。
俺の愛撫が気に入らなかったのだろうかと早苗の顔を覗きこんでみると、早苗は言いにくそうに顔を赤く染めていた。
「だって……このまんまじゃくーちゃんが射精す前に、あたしだけがイッちゃうし……」
そして消え去りそうな声でそう呟いた。
何時もは勝気とはいえないまでも自分の思ったことをはっきりと口に出す早苗にしては珍しいこの行動に、心臓を愛らしさにぎゅっと締め付けられた俺は、早苗のお願いを聞いて手をお互いの結合部分から離した。
「じゃあどうするんだ。繋がったまま動かないんじゃあ、お互いにイケないだろ？」
「にゅふふ〜。このままでも大丈夫。魔物娘に性技で不可能は無いんだよ♪」
俺の疑問に意味深に微笑む早苗。
一体何を考えているのやらと俺が思っていると、急に早苗の膣内が別の生き物になったのかと思うほど、ぐねぐねと動いて俺のイチモツを愛撫し始めた。
「うを！？なんだこれ？」
「何時もは疲れるからやらないんだけど、今日は特別にね♪」
まさか猫特有のずぼらさから、こんな性技を隠していたとは。今度からは時折お願いしてみよう、気持ち良いし。
しかし疲れるって言っていたな――と俺は考えを改めつつ、早苗の腰に回していた腕を動かして、動き回っている膣の直上のお腹を触ってみると、腹筋をかなり使って俺のイチモツを愛撫しているのが判る。
仮に普通の人間が同じ事をやったら、腹筋がつるか膣痙攣を起こしそうだ。
「俺は、これで十分気持ちいいが、早苗は気持ちいいのかこれ？」
「あたしの方も、くーちゃんのおちんちんが、気持ちいい部分を擦ってくれるからぁ♪」
そうは言っても矢張り膣全体をイチモツの括れで撫でられるのとは天地の差があるのだろう、明らかに早苗の感じ方は俺と比べて少ない。
まあ余り感じていないと判れば俺のほうも対処のし様があるわけで、俺は手をそっと早苗の着物の脇の穴――身八つ口から差し込むと、襦袢を着ていない早苗の脇下の肌を撫でつつ軽く着物を手で膨らませて隙間を開けてから、手をするりと胸へと滑り込ませて掌で包むと、その天辺に指を当てる。
そのむず痒さと性感帯である乳首に指が当たった事で、早苗は一瞬だけ膣の動きを止めて腰をくねらせる。
「ふにゃぅ♪強くしたら、あたしだけイッちゃうからぁ♪」
「ちゃんと俺と同時にイケるように加減するさ」
早苗の可愛らしいお願いを聞きつつ、俺は軽く早苗の猫又らしい控えめな胸を揉んでいく。
早苗の方も俺に負けじと膣の動きを再開させ、俺のイチモツを膣全体で愛撫していく。
「あひゅぅん♪ふゅう♪」
「ふぅ――ふぅ――」
程なくして早苗の口からは嬌声が、俺の口からは快楽の高まりを治めようとする呼吸音が漏れ始める。
それに伴い早苗の膣はより複雑な動きで俺のイチモツに刺激を与え、俺は射精時に早苗の最高到達点が訪れるようにと手指の動きと力を変えて早苗の性感を高めていく。
「もう、ちょっとでイキそぅだよぉ♪」
「俺の方ももう少しだ……」
その言葉が引き金だったかのように、俺の前立腺が性感に反応した俺の不随意筋に絞られ、そこに溜まった精液が俺の尿道を下り始めたのを感じた。
俺は下腹に力を込めて一時的に押し留めると、両手で同時に愛撫で隆起した早苗の乳首を抓り上げつつ、早苗の口を俺の口で塞いで更に舌を貪るように絡ませる。
「ふぅううぅーーー！！」
「う゛ぅぅうぅ゛ー！！」
行き成りの強い刺激に早苗が達するのと同時に、俺の方も腰を軽く突き上げて子宮口を抉りつつ、その奥へと精液を吐き出していく。
ガタンとけたたましい音を立て早苗の絶頂で硬直した足に蹴られた天板が外れ、それに伴い炬燵布団もずれて炬燵に外気が入り込む穴が開くが、俺も早苗もそんなことはお構い無しに、お互いにお互いの体にくっ付きながら口を合わせて舌を絡ませながら絶頂感に酔いしれる。
ゆっくりとゆっくりと最高点から下がり始めた性感を名残惜しく感じながらも、俺は射精感をじっくりと味わいつつ早苗のビクビクと震える絶頂を胸の中で感じながら、今度は貪るのではなく愛しいヒトの頭を撫でるかのような力加減で早苗の口の中で舌を動かしていく。
早苗にも俺のそんな気持ちが通じたのか、未だに背筋に小さく硬直と弛緩を繰り返しながらも、俺の舌を迎え入れるかのように舌を動かしてくれ、お互いにお互いを求める口付けを交わす。
やがて性感も鳴りを潜め、体には淫熱の変わりに絶頂後のだるさと幸福感がない交ぜになった不思議な感覚が溢れた頃に、ようやく俺は早苗の唇からゆっくりと口を離した。
しかし早苗はそんな俺を引きとめようとするかのように最後まで舌を絡ませていたが、俺の顔が早苗の顔から離れるにしたがって解け、やがて唾液の端を数瞬だけ架けた後、俺と早苗の唇は完全に離れた。
俺と早苗は二人してキスの余韻に酔ったようにお互いの瞳を見続けていたが、俺は一足先に我に返ると、照れ隠しに早苗の胸に差し込んでいた手を引き抜き、そしてその腕で早苗を抱き寄せつつ言葉を放つ。
「ほら、もう満足しただろう。どてらは早苗に貸してやるから――」
「このままじゃ駄目？」
俺の言葉を遮り、フルフルと睫毛を震わせて俺を下から覗き込むようにそう尋ね、強請るように俺のイチモツを膣で締め付ける早苗。
そんな可愛らしいお願いにうーんと頭の中で色々な事を考えつつ、それらを早苗のお願いと天秤に掛けていく。
しかし程なくして結論は出る。俺に早苗より大事なものは無いのだから。
「今日一日は俺は早苗の座椅子だからな。お好きなだけどうぞ」
「くーちゃん大好き！」
とお願いを受理したものの、俺に甘えてくる早苗の頭を撫でつつ時計を見てみると、今日一日はまだ半分も消化していない事に気がついた。
これからどれだけ炬燵に足を突っ込んだままイチモツを絞られるのかと想像すると、嬉しそうな早苗の手前言う事は出来ないが、早まった事をした気がしないでもなかった。
12/01/09 19:11更新 / 中文字