俺とお前と尻尾と翼
俺がアルプになってから早一月。
魔界化の境界とはかなり距離があるものの、飛び地となっていた魔力溜まりがあったらしく、気づいた時には魔力に汚染され、魔物化した。
魔物化した事、そして性別が女になった事で混乱を生じ、最近ようやく中身は一緒だという事を周知し家族友人との関係は落ち着きを見せてきた。
それでも多少、ぎくしゃくとした微妙な距離感があるのは仕方ないのだろう。
最悪、村から追い出され、身一つで彷徨う事になっていた可能性もあるのだから、家族や友人には感謝すべきか。
最近はこうして一人、屋根の上でぼーっとしている事が多くなった。
翼が生えて空を飛べる様になった事は、確かに数少ない利点の一つではあるだろう。
「……にーちゃん」
急に足下から声を掛けられ、我に返る。
「ああ、リドか――」
手で屋根の縁を掴みつつ意識して翼を羽ばたかせ、空中で姿勢を整えつつ地面へと舞い降りた。
飛び方はまだぎこちなく、翼だけに頼る気にはなかなかなれない。
それでも、翼無しに飛び降りるよりは幾分軟らかに着地する。
柔らかい髪とくりくりした目をした男の子。
俺がアルプになってからも変わらない接し方をする、数少ない相手でもある。
昔からにーちゃんにーちゃんと子犬の様に纏わり付いてきて、保護欲をそそられる。
「それにしても良いのか? 俺の処にばっかり入り浸って」
「えっ?」
いまいち理解してない様な雰囲気のリド。ひょっとしたら態度が変わらないのは、俺がアルプ化した事を良く分かってないだけなのかもしれない。
まさか――な。
リドに身体を寄せ、背後から抱きしめる。本来なら乳が後頭部に当たる体勢だが、あいにく俺にはそんな当たるほどの乳は無い。少なくとも今はまだ。
「……にーちゃんってなんか良い匂いがする」
そしてそのまま俺の腕の中で180度周り、俺の胸元に顔を埋めた。
「ちょっ、こら何を」
「なんかにーちゃんの身体って、気持ちいい」
リドは腕を俺の腰に絡みつける様に抱きつき、楽しそうに尻尾を触ってくる。
そして胸元を舐める。
「っ! リド!? 何で舐める」
「なんか美味しそうな気がした。てか、なんか美味しい」
リドが舌をちろちろと這わせると、腰の中あたりから熱いうずきが上ってくる。
これは、俺の魔力に酔ってる?
なら、まさかこのままだと――。
不意に強い刺激が襲い、膝が笑う。俺の胸を舐め回していたリドが、乳首に吸い付いたのだ。
「きゃうっ……俺のぺったんこの胸なんか楽しくないだろう!?」
「えー、たのしいよー?」
リドは紅潮した笑みを浮かべ、その笑みに俺も顔が火照るのが分かる。
試しにリドの足の間に太ももを軽く押しつけると、熱く堅い感触がある。
……もうこんな状態のリドを放置しておく訳にもいかない。とりあえず落ち着かせなくては。
俺はリドの肩を掴んで無理矢理引き離す。
「にーちゃん?」
「良いから、そのまま俺に任せろ」
リドのズボンを膝まで下ろすと、爛熟した果実の様な強く湿った匂いを感じる。
そしてそっと舌を這わせる。
「! にーちゃ――」
そのまま一気に口で咥えた。口の中に一気に広がるリド味。
熱くて堅く、意外とぬめっている。
男だった頃を思い出す様に、舌を這わせつつ口で扱く。我ながらたぶんきっと稚拙だとは思うが、慣れてないんだし仕方ないだろう。
程なく、リドは身体を震わせると俺の口の中に精を爆ぜさせた。
――良かった、ちゃんとリドを気持ち良く出来ていた。
あまりの濃さに噎せそうになりつつも飲み下すと、熱い感触が喉から腹へと下りていくのが分かる。
ただ、それでもリドはまだ落ち着いていない様で熱く堅いままだ。まだ足りないか。
それなら仕方ない。
「リド、大丈夫だからな――」
俺はズボンを脱ぎ捨てると、片腿を上げてあて、未だ息の粗いリドをそのままねじ込む。
「かはっ」
何かがちぎれる様な音が身体の中に響き、一瞬目の前が真っ白になる。
そして一瞬遅れて強い悦びが立ち上る。
痛みは思っていたほどではなく、むしろ悦びのが大きい。
そして俺がそろそろと身体を動かそうとした処で、リドが急に動く。
「!!」
「にーちゃんっ!」
ちょ、こら、待て、まだ心の準備が!
……ひゃ、ん、リド、激し、ふっ、ぅんっ。
「にゃりゃめ、こりゃ、いぎ、ぐっ、いっちゃ、いっちゃうって、リドっー!」
気づいたら、地面に横たわっている俺を、リドが心配そうに見下ろしていた。
「にーちゃん、大丈夫?」
身体の中が熱いだけで、別にどこかが痛かったりとかそういう事は無い。
「ああ。それにしても……俺なんかが初めてで良かったのか?」
「んーん。前にライラねーちゃんとか、リノザねーちゃんとかと」
笑顔で答えるリド。
「――初めてじゃない、だと?」
「うん」
小悪魔か。
なんかこのままリドには勝てない気がしてきた。まあ、それでも良いか――。
魔界化の境界とはかなり距離があるものの、飛び地となっていた魔力溜まりがあったらしく、気づいた時には魔力に汚染され、魔物化した。
魔物化した事、そして性別が女になった事で混乱を生じ、最近ようやく中身は一緒だという事を周知し家族友人との関係は落ち着きを見せてきた。
それでも多少、ぎくしゃくとした微妙な距離感があるのは仕方ないのだろう。
最悪、村から追い出され、身一つで彷徨う事になっていた可能性もあるのだから、家族や友人には感謝すべきか。
最近はこうして一人、屋根の上でぼーっとしている事が多くなった。
翼が生えて空を飛べる様になった事は、確かに数少ない利点の一つではあるだろう。
「……にーちゃん」
急に足下から声を掛けられ、我に返る。
「ああ、リドか――」
手で屋根の縁を掴みつつ意識して翼を羽ばたかせ、空中で姿勢を整えつつ地面へと舞い降りた。
飛び方はまだぎこちなく、翼だけに頼る気にはなかなかなれない。
それでも、翼無しに飛び降りるよりは幾分軟らかに着地する。
柔らかい髪とくりくりした目をした男の子。
俺がアルプになってからも変わらない接し方をする、数少ない相手でもある。
昔からにーちゃんにーちゃんと子犬の様に纏わり付いてきて、保護欲をそそられる。
「それにしても良いのか? 俺の処にばっかり入り浸って」
「えっ?」
いまいち理解してない様な雰囲気のリド。ひょっとしたら態度が変わらないのは、俺がアルプ化した事を良く分かってないだけなのかもしれない。
まさか――な。
リドに身体を寄せ、背後から抱きしめる。本来なら乳が後頭部に当たる体勢だが、あいにく俺にはそんな当たるほどの乳は無い。少なくとも今はまだ。
「……にーちゃんってなんか良い匂いがする」
そしてそのまま俺の腕の中で180度周り、俺の胸元に顔を埋めた。
「ちょっ、こら何を」
「なんかにーちゃんの身体って、気持ちいい」
リドは腕を俺の腰に絡みつける様に抱きつき、楽しそうに尻尾を触ってくる。
そして胸元を舐める。
「っ! リド!? 何で舐める」
「なんか美味しそうな気がした。てか、なんか美味しい」
リドが舌をちろちろと這わせると、腰の中あたりから熱いうずきが上ってくる。
これは、俺の魔力に酔ってる?
なら、まさかこのままだと――。
不意に強い刺激が襲い、膝が笑う。俺の胸を舐め回していたリドが、乳首に吸い付いたのだ。
「きゃうっ……俺のぺったんこの胸なんか楽しくないだろう!?」
「えー、たのしいよー?」
リドは紅潮した笑みを浮かべ、その笑みに俺も顔が火照るのが分かる。
試しにリドの足の間に太ももを軽く押しつけると、熱く堅い感触がある。
……もうこんな状態のリドを放置しておく訳にもいかない。とりあえず落ち着かせなくては。
俺はリドの肩を掴んで無理矢理引き離す。
「にーちゃん?」
「良いから、そのまま俺に任せろ」
リドのズボンを膝まで下ろすと、爛熟した果実の様な強く湿った匂いを感じる。
そしてそっと舌を這わせる。
「! にーちゃ――」
そのまま一気に口で咥えた。口の中に一気に広がるリド味。
熱くて堅く、意外とぬめっている。
男だった頃を思い出す様に、舌を這わせつつ口で扱く。我ながらたぶんきっと稚拙だとは思うが、慣れてないんだし仕方ないだろう。
程なく、リドは身体を震わせると俺の口の中に精を爆ぜさせた。
――良かった、ちゃんとリドを気持ち良く出来ていた。
あまりの濃さに噎せそうになりつつも飲み下すと、熱い感触が喉から腹へと下りていくのが分かる。
ただ、それでもリドはまだ落ち着いていない様で熱く堅いままだ。まだ足りないか。
それなら仕方ない。
「リド、大丈夫だからな――」
俺はズボンを脱ぎ捨てると、片腿を上げてあて、未だ息の粗いリドをそのままねじ込む。
「かはっ」
何かがちぎれる様な音が身体の中に響き、一瞬目の前が真っ白になる。
そして一瞬遅れて強い悦びが立ち上る。
痛みは思っていたほどではなく、むしろ悦びのが大きい。
そして俺がそろそろと身体を動かそうとした処で、リドが急に動く。
「!!」
「にーちゃんっ!」
ちょ、こら、待て、まだ心の準備が!
……ひゃ、ん、リド、激し、ふっ、ぅんっ。
「にゃりゃめ、こりゃ、いぎ、ぐっ、いっちゃ、いっちゃうって、リドっー!」
気づいたら、地面に横たわっている俺を、リドが心配そうに見下ろしていた。
「にーちゃん、大丈夫?」
身体の中が熱いだけで、別にどこかが痛かったりとかそういう事は無い。
「ああ。それにしても……俺なんかが初めてで良かったのか?」
「んーん。前にライラねーちゃんとか、リノザねーちゃんとかと」
笑顔で答えるリド。
「――初めてじゃない、だと?」
「うん」
小悪魔か。
なんかこのままリドには勝てない気がしてきた。まあ、それでも良いか――。
11/08/17 17:46更新 / 三栖見アレナ