連載小説
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カゴノトリ《壱》
オマエサマ・・・オマエサマ・・・おきて、くださいませ、オマエサマ。 

ああ、ああ、ようやくめをさまして、くださいました。 
オマエサマは、ついさきほどまで、もりでたおれて、いたのですよ。 

ふふ、おれいは、いりませぬ。 
けがなどなくて、ちょうじょうです。 
わらわは、オマエサマをおこしただけですゆえ。 

きがついたら、ここにいた? それはまぁまぁ、たいへんで、ございましたね。 
このもりは、とても、きけんですゆえ。 
おとこのかたが、ひとりでいるのは、おすすめできませぬ。 

それはわらわのほう? 

ふふ、フフフフフ・・・わらわはこうみえても、つよいおんなですゆえ、しんぱいは、ごむようでございますよ。 
しかし、もうまよなかですので、こんやはここで、おやすみくださいませ。 

わらわは、しゃべることが、にがてですので。たいしたことは、できませぬが。 

『・・・・・・?』

ええ、そうでございますよ。 
わらわはこのもりで、ずーっとひとりで、くらしております。 
ただ、こんなもりのおくには、ひとはなかなか、あえませぬゆえ。 
よろしければ、オマエサマのことを、もっとおしえてくださいませ。 

ふふ、フフフフフ・・・・・・わらわがうつくしい? 
おせじにしては、もったいのうございます。 
ああ、ああ、それでも、うつくしいなど、はじめていわれました。
ふふ、フフフフフ・・・なんだか、とてもとても、うれしくて、はずかしゅう、ございます。 

オマエサマ。オマエサマは、ほんとうに、わらわがうつくしいと、いっておられるのですか? 

『・・・・・・!』 

おきもちは、とても、うれしいのですが・・・わらわのことをしれば、オマエサマは、わらわを、きらいになって、しまいますので。 

『――――――!』

ああ、そんなにあつく、みつめられますと、わらわは・・・わらわは・・・ 

オマエサマ・・・こうかいは、しませぬか? 
わらわは、とても、オマエサマのおもうような、ものでは、ないのです・・・ 

だって、だって・・・



わらわは―――にんげんでは、ないのですから。 

『――――――ッ!?』



ふふ、フフフフフ、みて、しまいましたね。 

わらわは、ばけもの、ですゆえ。 

フフッ・・・どうかしましたか、オマエサマ? ふふ・・・フフフフフ・・・

ひめいをあげずに、わらわをみつめていただけるなんて。

これはもう、フフッ・・・いとしくていとしくて、たっしてしまいそうです。

さて、それでは・・・わらわのいとを、まいてあげましょう。

糸は意図。愛しいわらわの糸は。オマエサマでも、とけませぬ。

ふふ、フフフフフ・・・これでオマエサマのイチモツを、しばってあげましょう。

少しずつ・・・少しずつ・・・

ねもとから、ゆっくり・・・ゆっくりと・・・

わらわのおもいをこめて

やさしく、つつみこむように・・・

しゅるしゅると、いとをからませて・・・


ほぅら・・・みてください・・・これでぜぇんぶ、つつまれてしまいましたよ?

きもちがよくて、きもちがよくて・・・あぁそれでも、たっしたくても、たっすることができぬでしょう?

フフッ、フフフフフ・・・わらわのあいは、かんたんにはとけけませぬゆえ。

こいこがれて、わらわのもとにきたくなりましたら、いつでもきてください。 

それでは、しばしの・・・おわかれです。

またオマエサマがもどってくるときまでに・・・わらわもじゅんびをしておきますゆえ

フフッ・・・フフフフフ・・・
17/05/16 10:52更新 / ラフ・フォックス
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■作者メッセージ
『』のなかは・・・オマエサマのすきなコトバをいれて、よんでいただけますと・・・わらわはとっても、うれしいのですよ・・・フフッ、フフフフフ・・・

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