連載小説
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3ページ 感情
俺は走っている。
それは何でかというと…―

「マーシャルッ!?何処にいるんだよッ!?」

俺は叫びながらひたすら走る。
でも俺はわからない、この胸を締め付ける何かをわからないまま走る。
それは何でかはわからないけど俺は森の中を走っていく。

◇ーsaidマーシャルー

何よ何よみんなしてッ!?
マリシャお姉ちゃんもそうだけど特にマサトが悪いッ!?
たかが人間の分際で私の気持なんかわかりっこないッ!?
私は森の中を歩く。
それも度して落ち込んでいるかもわからずに…―

「マーシャルッ!?何処にいるんだよッ!?」
「ッ!?」

私は茂みに隠れて声の主を確かめよう。
そして息を荒くして現れたのはマサトだった。
どうして私なんかを探しているんだろうか?
わからないよマサト…―
この胸を締め付けるものは何なの?
私は茂みの中ですすり泣く。
「ひぐッ…うぅッ…えぐッ…」

◇ーsaid雅人ー

俺は懸命に探してその場で膝をつき息を整える。
この気持ちは何だろう?
わからない、わからない。
もし誰かわかるのなら教えてほしい。
この気持ちを教えてほしい。

「ひぐッ…うぅッ…えぐッ…」

どこかから泣き声がする。
気が付くと俺の足元には何かの線があった。
これは…―

「マーシャルの足跡なのか?」

俺はその後を辿りながら進む。
すると進むと同時に泣き声が大きく聞こえる。
そしてそのあとは茂みの前で消えている。
俺は茂みをかき分けて進むとそこには泣いているマーシャルの姿があった。

「…マーシャル」
「ひっくッ…来ないでよ」
「…マーシャル。俺は…」

俺は進む。

「来ないでよ」
「俺は…」

マーシャルは涙を流しながら後ずさるが俺は進む。
一歩…―

「石化するわよッ!?」
「構わない。俺は…」
「良いのね?」

マーシャルの目が赤く光りだす。
また一歩…―

「来ないでよッ!?」
「…マーシャル」
「ッ!?」

俺はマーシャルを抱きしめる。
この気持ちをようやく理解ができたから。

「離してよッ!?」
「離さないよ」
「絞め殺すわよッ!?」
「あぁ、良いさ。それでお前の気分が戻るなら」
「…マサト」

突然マーシャルの手が俺の後ろに回されお互いに抱きしめあう。
するとマーシャルが額を俺の肩に乗せて涙を流す。

「こんなのずるいよ」
「ごめんな?こうするしか俺の気持が分からなくてさ…。ごめんマーシャル」
「馬鹿よマサトは本当に馬鹿よ」
「あぁ、馬鹿で良い。これがお前に対する好意の表し方だ」
「ッ!?…馬鹿マサト」
「馬鹿で良いよ。編所を聞きたいのだけど?」
「…チュッ」
「…えッ?」

突然マーシャルが俺と向き合ったと思ったら唇を奪われた。
それが彼女の俺に対する好意の証だと思う。
ならば俺ができることは決まっている。
この魔物を大切にしよう。
そして俺たちは手を繋ぎながらマリシャさんが待っている彼女たちの家に向かう。
12/03/24 14:15更新 / パンドラ
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■作者メッセージ
三話目終了です。

いろいろありすぎて参ってます。
この小説も失敗に終わらないか不安です。
感想や指摘がありましたらなんなりとお申し込みください。

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