五月三十日 恋敵は同じ転校生
春という季節が終わりを告げる時期よ。
私ことマリア・シルヴァーノは現在布団で寝ている人間の横で女子座りをしている。
それは…―
「大丈夫なの翔?」
「…うんッ…まだ頭が痛いけどね?」
今床に臥せているのはこの家の家主の孫の河野翔という私の初恋相手である。
そして私は翔の額に自分の額を手で髪をかき分けながらつける。
「…ちょッ!?」
「…うぅん?熱は高いわね?」
「い、いまのは知恵熱だ…」
翔は真っ赤な顔を布団で隠し始める。
まったく可愛いものよね?
「それじゃあ、私は学校に行ってくるわね?」
「…うん、いってらっしゃい」
そして私は立ち上がり襖を閉める。
◇〜マリア視点〜
「マリアさん、魔界ってどんな場所なのッ!!」
「マリアさんは河野君とどんな関係なの?」
「マリアさんはどんな食べ物が好き?」
現在一時間目が終わった休み時間である。
私の周りにはクラスメイトが集まり現在困惑中である…―
「ごめんなさい…、そんなに大勢で言われたら困るから…」
「それもそうよ?マリアちゃんも困ってるみたいだし…」
「ほ〜らッ…席に着きなさい」
休み時間が終わったチャイムが鳴り学級委員のハーピーが器用に羽で手を叩くとクラスメイトが自分たちの席に座る。
さすがは志乃だったかしらね…、さすが学級委員ね?
「ねぇねぇ、マリアさん」
そして眺めていると後ろから声をかけられ振り向くとそこには私と同じ転校生のアークインプの阪野レヴァンだった。
「貴方はリリムだよね?」
「んッ?それがどうかしたの?」
「アナタさぁ…〜、隣の席の河野君とどういう関係なの?」
これは心境を探りに来たわね?
さすがはリリムと同レベルの魔力を持つ魔物ね…、油断できないわね?
「翔ならただの同居人だけど…それがどうしたの?」
「…(ニヤリッ)…そうなんだ。ごめんね?」
「いいえッ、こちらこそ」
その何かを企んだ顔は何かしら?
貴方より翔を思う気持ちは誰にも負けないわよ?
◇〜レヴァン視点〜
ふふふッ…なるほど河野君とは同居人か…。
これは彼を奪えば私は貴方よりすごいって言われるわよね?
ちょっと誰よ…、今「あッ、コイツは馬鹿だ」って思った奴はッ!?
貴方の童卒食べるわよ?
とまぁ、そんなことは置いといて…このマリアというリリムからその河野翔という奴を奪ってやるんだから覚悟しなさい…。
「それよりマリアさんは今日は食堂?」
「いいえッ、私はお弁当だけど?」
「それなら一緒に食べない?」
「良いわよ?貴方とはいろいろ話さないといけなさそうだしね?」
ふんッ…、かなり強気じゃない。
良いわよ…その度胸この阪野レヴァンが買ったわッ!!
「それじゃあ、お昼に話しましょう」
「ええッ、そうね?」
このただスタイルが良いからって舐めないでちょうだいよ?
私もそのうちには貴方を超えるぐらいのスタイルになって見せるから覚悟しておきなさい。
◇〜翔視点〜
「…へっきしゅんッ!?」
僕は大きなくしゃみをして花をすする。
誰か僕の噂でもしてるのかな…、まぁ、そんなことはないだろうけどね?
まだ頭がボーッとするなぁ…―
そると襖の向こうに人影があった。
「誰ですか?」
「儂じゃ翔よ。入っても構わんか?」
そると僕のお爺ちゃんの彰三と家政婦の紗代さんが入ってくる。
そしてお爺ちゃんはその場で胡坐をかいて座り、紗代さんは僕の額の上のとるを外して水につけて絞りまたそのタオルを僕の額に乗せる。
「どうじゃ風邪は?だいぶ楽そうじゃの?」
「うんッ…まぁね?」
「そうか…。すまぬが紗代ちゃんは席を外してくれぬかの?」
お爺ちゃんの命令で紗代さんは部屋を出てゆき台所に向かう。
そしてお爺ちゃんは真剣な眼差しで僕を見つめる。
「どうじゃ翔よ。マリアちゃんとはうまくいっとるかの?」
「いやぁ…、まだ恋人にはなってないし…まだ友達感覚かな?」
「そうじゃったか…、じゃが仲良くしなさい。それ以上は儂は何も言わぬ」
「…はい」
「宜しい、まだ寝てなさい」
そしてお爺ちゃんは立ち上がり部屋を離れる。
そして僕は静かに眠りにつくのだった…―
私ことマリア・シルヴァーノは現在布団で寝ている人間の横で女子座りをしている。
それは…―
「大丈夫なの翔?」
「…うんッ…まだ頭が痛いけどね?」
今床に臥せているのはこの家の家主の孫の河野翔という私の初恋相手である。
そして私は翔の額に自分の額を手で髪をかき分けながらつける。
「…ちょッ!?」
「…うぅん?熱は高いわね?」
「い、いまのは知恵熱だ…」
翔は真っ赤な顔を布団で隠し始める。
まったく可愛いものよね?
「それじゃあ、私は学校に行ってくるわね?」
「…うん、いってらっしゃい」
そして私は立ち上がり襖を閉める。
◇〜マリア視点〜
「マリアさん、魔界ってどんな場所なのッ!!」
「マリアさんは河野君とどんな関係なの?」
「マリアさんはどんな食べ物が好き?」
現在一時間目が終わった休み時間である。
私の周りにはクラスメイトが集まり現在困惑中である…―
「ごめんなさい…、そんなに大勢で言われたら困るから…」
「それもそうよ?マリアちゃんも困ってるみたいだし…」
「ほ〜らッ…席に着きなさい」
休み時間が終わったチャイムが鳴り学級委員のハーピーが器用に羽で手を叩くとクラスメイトが自分たちの席に座る。
さすがは志乃だったかしらね…、さすが学級委員ね?
「ねぇねぇ、マリアさん」
そして眺めていると後ろから声をかけられ振り向くとそこには私と同じ転校生のアークインプの阪野レヴァンだった。
「貴方はリリムだよね?」
「んッ?それがどうかしたの?」
「アナタさぁ…〜、隣の席の河野君とどういう関係なの?」
これは心境を探りに来たわね?
さすがはリリムと同レベルの魔力を持つ魔物ね…、油断できないわね?
「翔ならただの同居人だけど…それがどうしたの?」
「…(ニヤリッ)…そうなんだ。ごめんね?」
「いいえッ、こちらこそ」
その何かを企んだ顔は何かしら?
貴方より翔を思う気持ちは誰にも負けないわよ?
◇〜レヴァン視点〜
ふふふッ…なるほど河野君とは同居人か…。
これは彼を奪えば私は貴方よりすごいって言われるわよね?
ちょっと誰よ…、今「あッ、コイツは馬鹿だ」って思った奴はッ!?
貴方の童卒食べるわよ?
とまぁ、そんなことは置いといて…このマリアというリリムからその河野翔という奴を奪ってやるんだから覚悟しなさい…。
「それよりマリアさんは今日は食堂?」
「いいえッ、私はお弁当だけど?」
「それなら一緒に食べない?」
「良いわよ?貴方とはいろいろ話さないといけなさそうだしね?」
ふんッ…、かなり強気じゃない。
良いわよ…その度胸この阪野レヴァンが買ったわッ!!
「それじゃあ、お昼に話しましょう」
「ええッ、そうね?」
このただスタイルが良いからって舐めないでちょうだいよ?
私もそのうちには貴方を超えるぐらいのスタイルになって見せるから覚悟しておきなさい。
◇〜翔視点〜
「…へっきしゅんッ!?」
僕は大きなくしゃみをして花をすする。
誰か僕の噂でもしてるのかな…、まぁ、そんなことはないだろうけどね?
まだ頭がボーッとするなぁ…―
そると襖の向こうに人影があった。
「誰ですか?」
「儂じゃ翔よ。入っても構わんか?」
そると僕のお爺ちゃんの彰三と家政婦の紗代さんが入ってくる。
そしてお爺ちゃんはその場で胡坐をかいて座り、紗代さんは僕の額の上のとるを外して水につけて絞りまたそのタオルを僕の額に乗せる。
「どうじゃ風邪は?だいぶ楽そうじゃの?」
「うんッ…まぁね?」
「そうか…。すまぬが紗代ちゃんは席を外してくれぬかの?」
お爺ちゃんの命令で紗代さんは部屋を出てゆき台所に向かう。
そしてお爺ちゃんは真剣な眼差しで僕を見つめる。
「どうじゃ翔よ。マリアちゃんとはうまくいっとるかの?」
「いやぁ…、まだ恋人にはなってないし…まだ友達感覚かな?」
「そうじゃったか…、じゃが仲良くしなさい。それ以上は儂は何も言わぬ」
「…はい」
「宜しい、まだ寝てなさい」
そしてお爺ちゃんは立ち上がり部屋を離れる。
そして僕は静かに眠りにつくのだった…―
12/04/07 00:31更新 / パンドラ
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