読切小説
[TOP]
こどもあそび
少し離れた小さな自然がある場所にて…。

「シュウ!待てー!」

1人の少年が甲高く声を上げながら走っている。

「ここまでおいでー!」

シュウと呼ばれた少年が妬まれそうな声で返す。歳は双方ともに11〜12歳と言ったところ。
2人は今、鬼ごっこをしている最中なのだ。

「やっと追い付いた…!はい…!ターッチ!」

そして、シュウが小さな掌に肩をポンッと触れた瞬間にシュウに立ち眩みが発生し少し体が乱れる。

「お、おい!大丈夫か!?」
「え…?あ、うん大丈…夫…?」

意識がはっきりしたが今まで居なかった者が1人木の影でコソコソと顔を赤らめて恥ずかしそうにこちらを見ている。半分だけ姿が見える。
髪は黄金色をした長いサラサラした髪に花のかんざしを付けている。
服装は肌が見えるような薄い紫色のローブを纏っている。育ちが良さそうな身なりをしていた。

「ね、ねえ、あそこに誰か人影が見えない…?」一本だけ立っている木に指を指して不安そうシュウが呟く。

指された方に顔を向け。
「え?どこに人影があるって?」不思議そうに顔を傾ける。
「いや、だってあそこに…」
「そんな事よりシュウ、もう帰ろうぜ、俺お腹空いたよー!」
「シンは先に帰ってていいよ、俺もう少しここで砂遊びをしてから帰るよ」
「そうか?まあ1人遊びも程々にしろよ!」
「余計なお世話だよ!」
2人はお互いに手を振って笑顔で。

『またなー!!』

シンは自分の帰路に走って行った。
シュウはシンが真っ直ぐ帰って行くのを確認し終わったところで覚悟を決めた。
少年が1人帰ったことに影で見ていた人が若干落ち込んでいる様に見える。そして勇気を振り絞って一本の木にシュウが歩を進める。

「あの、なにか用ですか?」シュウがドキドキしながら話しかけた。

「あの…私も遊びに混ぜて欲しかったなー、なんてね…」顔を真っ赤にして目を泳がしながら自分の人差し指でつつき合わせてモジモジしている。
その言葉にシュウは。

「ふふふ…あははははは!!」手をお腹に当てて笑い声を上げた。涙が出るほどに笑った。
女性は煙が出そうな程にますます赤面になっていた。
シュウは自分の涙を指で拭き笑って言う。

「良いよ!一緒に遊ぼ!」
「本当に!?」
「遊ぶからには僕達はもう友達だよ!そして友達になったからには自己紹介するね、僕はシュウ!君は名前教えて?」
「私はティアです!」
「よろしくね、ティア!」
「よろしくねシュウ…ってなんで呼び捨てなの!?私の方がお姉さんなんだからね!?」
「あはは、友達に年齢差なんて関係ないよ
16/06/29 22:28更新 / 鬼灯かなや

■作者メッセージ
今回の処女作と言うことで書かせていただきました。
健康クロスさんの絵で自分はティターニアさんがもろ好みでしたので書かせてもらいました。
このような話しか書けない未熟者ですが、これからもよろしくお願いします。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33