序章〜出逢い〜
「私をどうするつもりですか?」
彼女は問うた。
俺はゆっくりと言った。
「君を連れて行く」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜数時間前〜
今日も、「魔物は悪である」と神父が熱心に説いている。
・・・正直聞き飽きた、教団に入ってはや数年ずっと聞き続けている内容だ。
俺、ゼニス・ウィルターは教団の聖騎士に所属している。
俺も教団に入った頃は、「魔物は悪だ!」と思い世界中の魔物を倒してやると
意気込んだものだ。だが実際はどうだろう、世界には魔物と共存する人もいるし、中には魔物と結婚する人もいるらしい。
まあ、教団はその生まれてくる子供が魔物になるため人間が減ってしまうという事に危機感を感じているから「魔物は悪である」と熱心に説いているのだろうが・・・
「・・・・・・ス」
だがそれは、本当に悪何だろうか?
「・・・ニ・・・ス」
この数年間、悪とされる魔物は何匹も倒してきた。
「ゼ・・・ニ・・・ス」
だが、中にはただ幸せに暮らしたいだけの魔物もいた。
「・・・ゼニス」
俺達、教団がやっている事は本当に正義なんだろうか?
「ゼニス!」
・・・・・・・・・・・・・・・あ
物思いに老けていると神父が笑みでこちらを見てる。
あ、やばい。
「ゼニス君私の座学は暇かね?」
「あ、いや違うですよ神父!」
と弁明の余地もなく
「黙りなさい!」
神父はご立腹だった。
「ゼニス君、君の聖騎士としての実力は勇者と並ぶといっても過言ではないが、君には
欠けているものがある!それは何か分かるかね?」
「えーと経験ですかね?」
この答えも何回目だろうか?
「違う!君に欠けているのは信仰心だ!」
ほら始まった。
「全く君というやつは、何度言えば気が済むのかね?主神のありがたい教義を聞かず毎回上の空!君はいったい何のために教団に入ったんだ!?」
・・・何のためにか・・・
ここは模範的な解答をしておくか
「魔物を倒すためです!」
全くこの解答何回目だろうか?
この後神父の説教が小一時間ほど続いた後、事件は起きた。
同期のオセロがあわてて俺の所にやってきた。
「おい、ゼニス事件だ!事件!!ジ、ケ、ン!」
「聞こえているて!いったい何があったんだ?」
「ああ、実はついさっき別動隊が上位の魔物を捕獲したらしいんだ」
「何だって?」
俺達は聖騎士は基本魔物を倒すのが生業だが、捕獲何て初耳だ。
捕獲していったいどうするんだ?
俺達は、捕獲された魔物がいる所へ向かった。
そこには、一般の信者と数十人の聖騎士に囲まれた真ん中に拘束された一匹の魔物がいた。
「あれは、ヴァンパイアか?」
そこに神父はやってきた。
「おお、ゼニス君いいところに来たね」
「神父これはいったい」
「ああ、これからこの魔物処刑を行うのだよ」
なん・・だって?
「こうやってみんなの前で処刑を行うことで私達が正義と言う事を証明するんだよ」
何を言ってるんだ?みんなの前で処刑を行うことが正義の証明だって?
「ではみなさんこれからこの魔物の処刑を行います!魔物は悪です、魔物には死を!」
「「魔物は悪だ!魔物には死を!」」
みんなが声をそろえて復唱する。
何なんだこれは?
こんなの、こんなの間違っている!
俺は魔物に向かって走った。
一人の聖騎士が魔物に向かって剣を振り下ろそうとした時
キン!
俺の剣が聖騎士が振り下ろした剣を受け止めた。
「な、何をしているのですか!?ゼニス君!!」
「何て見ての通り止めたんですよ」
「な、何をしているのか分かっているのか君は!?」
聖騎士が俺の周り囲い剣を抜き臨戦態勢を取っている。
「あんたらは、魔物が悪とか言っているが、俺からしたらあんたたちの方が魔物より悪だと思う
ぜ」
聖騎士達が一斉に襲いかかってきた。
俺は聖騎士達に対して冷静に対処した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の下には聖騎士達が苦しそうにうごめいている。
我ながら良くやったと思う、誰も殺していないのだから。
「だ、だれか助けてくれー!」
神父が外に向かって走り出すと、他の一般の信者達も続いて出て行った。
その時オセロが声をかけてきた。
「おい、ゼニスお前、自分が何をやったのか分っているのか!?」
「ああ、分かっているさ、反逆罪で死刑だろうな」
「だったら・・・」
俺が魔物の拘束を解いてやった。
「俺はずっと疑問に思っていたんだ、魔物は本当に悪なのかてね」
「でも、魔物は人を襲う」
「だろうな、だが魔物と共存するやつもいる。だから、俺は知りたいんだ。」
「・・・」
オセロは黙って俺の話を聞いている。
「今の俺じゃ教団の知識とこの土地の知識しか知らないだから、旅に出ようと思うんだ」
俺は魔物に近づいた。
「私をどうするつもりですか?」
俺はゆっくりと言った。
「君を連れて行く」
こうして、一人の人間とヴァンパイアの奇妙な冒険が始まった。
彼女は問うた。
俺はゆっくりと言った。
「君を連れて行く」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜数時間前〜
今日も、「魔物は悪である」と神父が熱心に説いている。
・・・正直聞き飽きた、教団に入ってはや数年ずっと聞き続けている内容だ。
俺、ゼニス・ウィルターは教団の聖騎士に所属している。
俺も教団に入った頃は、「魔物は悪だ!」と思い世界中の魔物を倒してやると
意気込んだものだ。だが実際はどうだろう、世界には魔物と共存する人もいるし、中には魔物と結婚する人もいるらしい。
まあ、教団はその生まれてくる子供が魔物になるため人間が減ってしまうという事に危機感を感じているから「魔物は悪である」と熱心に説いているのだろうが・・・
「・・・・・・ス」
だがそれは、本当に悪何だろうか?
「・・・ニ・・・ス」
この数年間、悪とされる魔物は何匹も倒してきた。
「ゼ・・・ニ・・・ス」
だが、中にはただ幸せに暮らしたいだけの魔物もいた。
「・・・ゼニス」
俺達、教団がやっている事は本当に正義なんだろうか?
「ゼニス!」
・・・・・・・・・・・・・・・あ
物思いに老けていると神父が笑みでこちらを見てる。
あ、やばい。
「ゼニス君私の座学は暇かね?」
「あ、いや違うですよ神父!」
と弁明の余地もなく
「黙りなさい!」
神父はご立腹だった。
「ゼニス君、君の聖騎士としての実力は勇者と並ぶといっても過言ではないが、君には
欠けているものがある!それは何か分かるかね?」
「えーと経験ですかね?」
この答えも何回目だろうか?
「違う!君に欠けているのは信仰心だ!」
ほら始まった。
「全く君というやつは、何度言えば気が済むのかね?主神のありがたい教義を聞かず毎回上の空!君はいったい何のために教団に入ったんだ!?」
・・・何のためにか・・・
ここは模範的な解答をしておくか
「魔物を倒すためです!」
全くこの解答何回目だろうか?
この後神父の説教が小一時間ほど続いた後、事件は起きた。
同期のオセロがあわてて俺の所にやってきた。
「おい、ゼニス事件だ!事件!!ジ、ケ、ン!」
「聞こえているて!いったい何があったんだ?」
「ああ、実はついさっき別動隊が上位の魔物を捕獲したらしいんだ」
「何だって?」
俺達は聖騎士は基本魔物を倒すのが生業だが、捕獲何て初耳だ。
捕獲していったいどうするんだ?
俺達は、捕獲された魔物がいる所へ向かった。
そこには、一般の信者と数十人の聖騎士に囲まれた真ん中に拘束された一匹の魔物がいた。
「あれは、ヴァンパイアか?」
そこに神父はやってきた。
「おお、ゼニス君いいところに来たね」
「神父これはいったい」
「ああ、これからこの魔物処刑を行うのだよ」
なん・・だって?
「こうやってみんなの前で処刑を行うことで私達が正義と言う事を証明するんだよ」
何を言ってるんだ?みんなの前で処刑を行うことが正義の証明だって?
「ではみなさんこれからこの魔物の処刑を行います!魔物は悪です、魔物には死を!」
「「魔物は悪だ!魔物には死を!」」
みんなが声をそろえて復唱する。
何なんだこれは?
こんなの、こんなの間違っている!
俺は魔物に向かって走った。
一人の聖騎士が魔物に向かって剣を振り下ろそうとした時
キン!
俺の剣が聖騎士が振り下ろした剣を受け止めた。
「な、何をしているのですか!?ゼニス君!!」
「何て見ての通り止めたんですよ」
「な、何をしているのか分かっているのか君は!?」
聖騎士が俺の周り囲い剣を抜き臨戦態勢を取っている。
「あんたらは、魔物が悪とか言っているが、俺からしたらあんたたちの方が魔物より悪だと思う
ぜ」
聖騎士達が一斉に襲いかかってきた。
俺は聖騎士達に対して冷静に対処した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の下には聖騎士達が苦しそうにうごめいている。
我ながら良くやったと思う、誰も殺していないのだから。
「だ、だれか助けてくれー!」
神父が外に向かって走り出すと、他の一般の信者達も続いて出て行った。
その時オセロが声をかけてきた。
「おい、ゼニスお前、自分が何をやったのか分っているのか!?」
「ああ、分かっているさ、反逆罪で死刑だろうな」
「だったら・・・」
俺が魔物の拘束を解いてやった。
「俺はずっと疑問に思っていたんだ、魔物は本当に悪なのかてね」
「でも、魔物は人を襲う」
「だろうな、だが魔物と共存するやつもいる。だから、俺は知りたいんだ。」
「・・・」
オセロは黙って俺の話を聞いている。
「今の俺じゃ教団の知識とこの土地の知識しか知らないだから、旅に出ようと思うんだ」
俺は魔物に近づいた。
「私をどうするつもりですか?」
俺はゆっくりと言った。
「君を連れて行く」
こうして、一人の人間とヴァンパイアの奇妙な冒険が始まった。
10/10/29 21:52更新 / きまぐれJYO3
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