12語目 ソレゾレール(それぞれ+レール)- 後編 -
「ははははっ!本気で行くよ!」
瑞季は両手をピストルの形にすると、それを俺たちに向ける。
「ば〜んっ♪」
と、すぐさま異変が起こる
「なっ・・・・」
思わず自分の目蓋を触る
・・・・いや、閉じていない。
閉じていないけど・・・・・・・・・・・・・・・・見えない
急に視界が真っ暗になり何も見えなくなってしまった。
「青葉!」
「はい、恐らく彼らの光を操る能力の一つでしょう。私も何も見えません」
目に入る光を遮光されてしまったようだ。
「黒羽、起きなよ」
そんな声が聞こえたかと思うと、背後で何かが動く気配がする。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
嘘だろ
あれだけ傷ついても、まだ立ち上がるのか?!
「こいつらの視界は奪っといたから、あとはボコるだけだよ。黒羽」
「ふふ・・・・ふふふふ、あはは!覚悟しなよ、青葉ぁ」
苦しそうだが、それに増した悦を感じている黒羽の声。
まずい。このままじゃ非常にまずい
「せ〜の」
直後
二人の気配が砂を蹴る音と共に消えたと思うと、四方八方から風を斬る音が聞こえる
・・・何が、起こってるんだ?
ズサーーーーーーッ
二人の気配が再び現れると
ビキビキビキッ!!
「ぐああああああっ!」「んあああああっ!」
全身に激痛がはしる!
恐らく彼らは光に変容して動き、俺たちの体に何百という攻撃を浴びせたのだろう。
「そうだ、そうだよ。これが君たちの本来あるべき姿なんだ。身体の自由を奪われて生命の危機に立たされて、やっと気付く『そっか、今までは本当に手加減されてたんだ』って。」
痛い・・・・痛いけど・・・・
「君たちは僕たちに逆らったことに後悔しながら、記憶を失う。でも良かったじゃないか、そんな後悔すらも忘れられるんだからね!はははっ」
まだ耐えられる!
「瑞季、やっぱお前には負けねぇよ・・・・お前みたいな”カス野郎”にはな」
「カス?・・・ははっ、カスだってぇ?!お前のような弱者には言われたくないね!ゴミが!ゴミ!ゴミ!ゴミ!!ゴミの分際で僕に血まで流させやがって!」
「・・・・・・。」
「ひゃはははっ!殺す、こいつ殺すよ!黒羽!!」
「殺すかぁ・・・・いい響き♪」
(青葉)
俺は青葉の頭に呼びかける。
(どうやら、成功のようですね)
(ああ。それで、青葉には黒羽の相手と攻撃のタイミングを教えて欲しいんだ)
(なんなりと)
(青葉なら、光速で動いているあいつらを捉えられると思うんだ)
(はい)
(俺じゃ無理だから、相手が俺に攻撃を仕掛けてくるタイミングを教えて欲しい)
(わかりました)
(頭に血が上っている今ならいける!)
(はい!)
「黒羽、行くよ」
「うん♪」
「せ〜の」
ひゅんっ
来る!
とりあえず、まずは耐えなくちゃ
ビキビキビキッ!!
「ぐぅ・・・・」
耐える、耐えてみせる!
ビキビキビキビキッ!!!
青、葉・・・・
「はっ!」
ばきっ
「ぐぎゅ・・・・っ!」
青葉の覇気を纏った声の後、黒羽がダメージを浴びた声が聞こえた。
よしっ・・・後は俺だけだ
ビキビキビキビキビキッ!!!!
「ぐぅぅ・・・・・」
ビキビキビキビキビキビキッ!!!!!
「ぐぁぁぁああああああっ!」
「今ですっ!!」
青葉のその声を聞いた瞬間、俺は腰を捻り
浮かせた右足を、思い切り振り抜いた!!
当たれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ
ブゥン
「やば・・・」
「遅いよ」
ごすっ
「ごはっ・・・・」
鳩尾に容赦なく打ち込まれた拳に、俺はその場に倒れ込んだ
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
「大樹様ぁっ!!」
「ふふふふ、結局強かったのは僕」
がっ
側頭部を瑞季に踏みつけられる。
「ゴミ。あははははっ、ゴミ!ゴミがぁっ!!」
段々足に力が込められ、頭部が固い地面に押し付けられていく。
「くっ・・・・」
ぐりぐりと踏みにじられ、靴底に俺の毛が絡まり始める。
何も見えない・・・・
だから今がどんな状況なのか、どんな景色なのか
それすらも確認できない。
「大樹様ぁぁっ!!」
何も見えない
・・・・ハズなのに、なぜか暗闇の中で泣き叫ぶ青葉が見えた。
「・・・・青葉・・・・」
視覚を俺たちは失った。
・・・・・なら取り返そう、失った分を。
目には目を。歯には歯を。視覚には・・・・聴覚を!
「瑞、季」
「何さ?」
俺は声の降る方を向くと、手でピストルの形を作った。
「俺も、やってみよう、かな」
「今更かい?!ははは・・・・余裕かましてんじゃねぇよ!!」
「・・・バン」
ピタッ・・・・
側頭部へかかる圧力の増加が止まった。
成功だ・・・・
「あ、ああ、ああああああああああっ!!」
瑞季が俺の上から足を退き、後方へ狼狽える。
「あんあお、おいっ!あいおいあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「はは・・・・何言ってるかわかんねぇよ」
「うおっ、おうあっえう!!」
「瑞季、お前の聴覚をもらった。お前は今何も聞こえていないだろうな、自分の声も、呼吸する音も、血液が流れる音でさえ」
「あいいっえう?!」
「まあ、今のお前にしゃべっても、無駄かな・・・・」
俺は立ち上がると、声のする方に歩み寄っていく
「ううあ!ううあ、ううあ、ううあぁぁぁっ!!」
「うおおおおおおおおおおっ!!」
俺は瑞季の声が近くなったのを確認し、再び腰を捻る。
そして右足を浮かせ、腰の戻しを利用して振り抜いた!!
ッドゴォッ!!
「かはっ・・・・」
「はあああああああああああぁぁぁぁっ!!」
足の甲に当たった感触を、出来るだけ遠くに飛ばすようなイメージで腰の捻りを豪快に戻す!!
「ごばあっ・・・・!」
ズザザザザザザザーーーーーーーーーーーーーーッ!
砂上を滑る音と共に視力が回復し、吹き飛んだ瑞季を確かめることが出来るようになった。
俺の足は見事に瑞季の体を捉え、攻撃することに成功。
手応えは充分だった。
あとは祈るだけ、瑞季が立ち上がらないのを・・・・
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「ま、さか・・・・」
「はっ、ははっ、ははははっ・・・いい、いあんえ・・・あう」
瑞季は既にボロボロだが、まるで不死身かのように手に光の刃を握りしめユラリと立ち上がる。
くそっ、あんなので斬られたら・・・
俺は体勢を立て直そうと肢体に力を入れる。
が、
「ぐあっ・・・・?!」
上半身はおろか下半身が何一つとして動かなくなっていた。
青葉を見るとどうやら同じ状態のようだ。
限界か・・・でも、これは・・・やばい、ぞ・・・・
「うおあ、あいおあ?あああ・・・・」
「くっ・・・・・」
「ああぁっ・・・・おうお、あいあぁぁ!!」
こちらに攻撃態勢を整える瑞季の姿を見て思う。
嘘だろ?俺、死ぬのか?
ここまで来て、最後の最後で、みんなとの約束を守れないまま・・・・
こんな奴に、一番負けたくない相手に・・・・・・くそっ!
「あっあ!・・・・あっあ、あっあ、あっあ!!」
やべ、視界がぼやけてきた・・・・もしかして俺泣いてるのか・・・・?
・・・格好悪いな、俺。こんな時に・・・・泣くなんて・・・・
俺は目元を拭う。
「えっ・・・・・?」
涙なんて、出てない・・・・じゃあ、これは・・・?
「おうおぉ・・・・あいあぁぁぁぁぁっ!!」
くそっ・・・・ここまでなのかっ
瑞季の突進を予測し、体に襲いかかる痛みに備えた。
だが、次の瞬間
ゴシャッ!
目前で乾いた音が聞こえたと思うと
「・・・あ゛ぁ・・・・ぃ、ぁ・・・・・」
地面に顔面を叩き付けた瑞季の姿があった。
「何が・・・・起こった、んだ?」
「水の壁・・・・」
え・・・・?
「光は媒質Aから媒質Bに移動するとき、その進路は屈折する・・・・」
この、声、は
振り向くとそこには
「おはよう・・・・」
「ちあ、き・・・・・・」
珍しく微笑を浮かべた、俺の幼馴染みがノーダメージで立っていた。
「私も、いる・・・・」
「れん・・・・・・」
今度は本当の涙で視界がぼやけた。
安心感で胸がいっぱいになったから。
目頭を圧迫して止めようとしても、それは余計に溢れてきた。
「頑張ったね、大樹、青葉・・・・」
千彰はそっと俺の体に手を回し、包み込むように支えてくれる。
「お、俺・・・くっ・・・・」
「うん・・・・」
「もう、これ以上・・・・ぐすっ、だれかが、傷つくの嫌で・・・」
「うん・・・・」
「みんな、と、ずっと、一緒・・・に」
「うん・・・・」
相づちをうってくれてるだけだったけど、今の俺にはそれで充分だった。
「くっ・・・ぅっ、ぐすっ・・・・ぁぁ・・・・」
千彰は耳元で「大丈夫・・・・大丈夫・・・・」と何度も囁きながら
嗚咽を漏らす俺を嫌な顔一つせず支えてくれる。
だからついそれに甘えて、涙を止めようとするのを忘れてしまう
このまま涙を流しながら思いを吐露していればもっと楽になれると、そう確信できたから。
「大樹、でも最後にやることがある・・・・」
「ああ」
「歩ける・・・・?」
「大丈夫」
俺は少し回復した体力を足に注ぎ、気絶している瑞季に歩み寄った。
そして服やズボンのポケットをまさぐる。
・・・・・あった
コロンと光り輝く球体が、そのポケットからこぼれ落ちる。
「「大樹・・・・」」「大樹様」
「うん」
俺は拳を固く握ると、それを振りかぶる
「これは木原と、オリヴィエと、お前に残忍な扱いを受けた奴らと、そして」
振りかぶった拳が音波を纏っていく
「青葉の分だぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
グシャッ!!
思い切り振り下ろした拳は、瑞季のシンボルを粉々に破壊した。
シンボルの内側にあった光が宙に飛散し、茜空に無数の星を作る。
しばらくそれをじっと眺めていると
ポゥ、ポゥ
そんな星も順に消えていく、それは完全な終戦のカウントダウンだった。
終わった・・・終わったんだ・・・
良かった・・・心から。
安堵感からか全身の力が抜け、その場に崩れそうになったところを千彰が支えてくれた。
ドン
扉が現れる
「ホゥ、遂ニココマデ来タカ人間」
「残リハ二組。最終戦ハ思ウ存分ヤルガ良イ」
最終戦か・・・・
それはもう、終わったよ
「その事、なんだけど・・・・」
何となくこうなるんじゃないかと予想していた。
俺と千彰が生き残る。
こうなったらどうしようかと、とっても悩んだけど
悩みに悩んだ末、決心することが出来た。
”シンボルの同時破壊”
この方法はリスクがとても高い。
まず門番に確かめる必要があるが、それに答えてくれたとして俺たちの行動を黙認するとは限らない。
仮に黙認されたとしても、その条件が両者の忘却であっては意味がない。
そして最大の要因、それがタイムラグによって生じるどちらか一方の忘却。
僅かな差でどちらかのシンボルの破壊が早くなされた事で、優劣が決してしまうという点。
問題は山積、でもやらないわけにはいかない!
「大樹・・・・」
「え?」
そんな決意を胸に燃やす俺に、なぜか急に千彰と蓮は向き直る。
「大樹と幼馴染みで良かった・・・・」
「な、なにさ、急に」
胸騒ぎがした。
「いつも隣にいるだけで、凄く楽しかった・・・・」
「何、を」
「きっと俺たちは、離れていても通じ合っていられるよね・・・・?」
”離れていても”
とても寂しい響き。切ない響き。
「これからはそれぞれ違うレールの上を歩く事になる・・・・」
「何でさっ!これからも同じレールを辿れば」
「・・・・・・。」
千彰は首を横に振る。
「一番良い方法を見つけた・・・・」
「でも!それだって失敗するかも」
「大樹・・・・」
「う・・・・」
口を閉ざしたくなかった。
黙っていたら、千彰がいなくなっちゃうような気がするから・・・
「大樹の5教科の成績は・・・・?」
「え?・・・・・・・オール3」
「・・・・・・・・・・・・・・プッ」
「笑うなよっ?!」
「じゃあ俺は・・・・?」
「・・・オ、オール、5」
だからって、それは成功する保証になるわけじゃ・・・
「俺を信じて・・・・」
「・・・・っ」
そんな事言われたら
「大樹・・・・」
「・・・・・・・・・・・わ、かった・・・」
そう言わざるを得ないじゃないか・・・
うっ、また涙が出そうだ
そんな俺の返事に満足したのか、千彰はポケットからシンボルを取り出すと
シュッ
扉に向かってそれを放り投げた。
「「ナ・・・・!!」」「「な・・・・!!」」
門番は大きな一つ目を更に見開き、信じられないといった表情。
俺と青葉でさえ理解できなかった。
「あ、やばい・・・・」
千彰がわざとらしく頭を掻く。
「キャッチシンボルしてたら、向こう行っちゃった・・・・」
俺と青葉はもう何も言えなかった。
「オ、オイッ!ドウスルキダッ!!」
「貴様ラハ企業ノ代表。タダデハ済マンゾ?」
「そっ、なら謝ってくる・・・・」
「「ハ?」」
「この扉をシンボルを通過したってことは、出場権が忘却されたって事でしょ・・・・」
淡々とした口調で、千彰は自らの理を語り出す。
「勝者はそこにいる二人。俺は蓮と一緒に魔界へ行く・・・・」
これが、千彰の狙い・・・・
あまりの突拍子の無さに、思わず聞き入っていた。
門番は硬直し、互いに顔を見合わせる。
最初は驚いていた顔も、時経つ内に穏やかなものになっていった。
「ハハハッ、人間トハ実ニ興味深イ」
「自ラノ意志デ魔界行キヲ望ムトハ」
門番は門の方に歩き始めると、背後にいる千彰たちの方へ振り返る。
「「ツイテコイ、人ノ子ヨ。」」
千彰と蓮は顔を見合わせ、こくんと頷く。
蓮は門番の後をついていくが、千彰は立ち止まったまま動かない。
「千彰・・・・」「大樹・・・・」
シンクロする互いの名前
「最初は、こんな事になるなんて思ってもみなかったね」
「いつまでも変わらない緩い関係が続くと思ってた・・・・」
「憶えてる?青葉が来たばかりの時の絡み。あれは凄かったよ」
「青汁は自分でもウケた・・・・」
「蓮が来た時なんて王様ゲームだったしね」
「また、一緒にやろう・・・・」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「どうしても行っちゃうんだ」
「決めたから・・・・」
「そっか・・・・」
「・・・・・・・・。」
「もし、俺が行かないでくれって言ったら?」
「行かない・・・・」
「なら・・・・行かないでくれ」
「ん、無理・・・・」
「無理なんじゃん?!」
「ホントに言ってくると思ったけど、一応・・・・」
「お見通しだったのか」
「当たり前・・・・」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「握手、届かないな」
「いつでも握手しに来たらいい・・・・」
「そう、だね」
「待ってる・・・・」
千彰は歩き出す。
「青葉風に言うと、俺たちはソレゾレールを歩み出す!」
「大樹様・・・・」
「大樹・・・・」
「でも、きっと・・・いや、絶対!俺たちの辿り着くところは同じ、だよね?」
「ん、そのつもり・・・・」
「なら、俺は全力で見送るよ!・・・・俺が歩き出す、その時まで!」
「・・・ありがとう・・・・」
小さくなっていく背中、俺はその背中を今まで追いかけてきた。
もう一人の俺。そして、俺の理想。
そんな彼に並びたくて、俺は努力に努力を重ねたが未だ並べていない。
でも彼は言った。
「俺が追いかけているのは、大樹の背中だ・・・・」と。
もしかしたらその時から気付いていたのかも知れない
俺たちが別々のレールの上を走っていることを。
ギギギギギギ・・・・・
細くなっていく背中。
別々のレーンを走っていても、それに気付かなかったのは
そこに多くの交差点があったからなのかもしれない。
でも、今の背中は語っている
その交差点が次にいつあるか分からない、と。
ドン
彼は一度も振り返らなかった。
俺に背を向け、最後の最後まで俺に教えてくれた。
「・・・・・・・。」
俺の目線の先にはもう何もない。
でも、体は動かなかった。
ただその場に立ち尽くすだけ、何も考えることすら出来ない。
どん
「え・・・・」
後ろから来た小さな衝撃
なんだろう、背中が・・・・温かい。
俺の胸には、背後から伸びる白くて綺麗な手が添えられていた
「大丈夫・・・・」
「・・・・・とき、わ」
自然と、手が自分の胸にむかう
ポロ・・・ポロ、ポロ・・・・
「っ・・・・くっ・・・ぁぁ・・・っ・・・ぅぁっ・・・・」
ぎゅっ
背中の温かみが増し、胸に少しの圧迫感を覚える。
胸に穴が空いたような喪失感
その物足りなさを覆ってくれる胸の息苦しさ、今の俺にとって心地良いものだった。
哀愁漂う茜空。
かくして、俺たちは新君祭において勝利を飾った。
大切なモノは、少し遠くに行ったけど
それは完全に無くなったわけではない。
今の俺には見えないだけ、ちゃんとあるべき場所にある。
だから俺は歩く、可能性がゼロに近くても
いや、ゼロだとしても
俺は歩き続ける。
この歩みがやがて、俺という存在の糧になることを信じて
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大樹様、私がここにいます。支えてみせます、ですから存分に歩まれて下さい」
「ありがとう」
体力は限界だけど、歩みに限界は感じない。
互いの鼻先が触れあうほどの距離で見つめ合い、それからそっと唇を重ねる。
そして誘われるがまま、俺たちは体を重ねてこの日の夜を過ごした。
俺たちの歩みはまだ始まったばかり
臆する必要はない。常に前へ、前へ・・・・
瑞季は両手をピストルの形にすると、それを俺たちに向ける。
「ば〜んっ♪」
と、すぐさま異変が起こる
「なっ・・・・」
思わず自分の目蓋を触る
・・・・いや、閉じていない。
閉じていないけど・・・・・・・・・・・・・・・・見えない
急に視界が真っ暗になり何も見えなくなってしまった。
「青葉!」
「はい、恐らく彼らの光を操る能力の一つでしょう。私も何も見えません」
目に入る光を遮光されてしまったようだ。
「黒羽、起きなよ」
そんな声が聞こえたかと思うと、背後で何かが動く気配がする。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
嘘だろ
あれだけ傷ついても、まだ立ち上がるのか?!
「こいつらの視界は奪っといたから、あとはボコるだけだよ。黒羽」
「ふふ・・・・ふふふふ、あはは!覚悟しなよ、青葉ぁ」
苦しそうだが、それに増した悦を感じている黒羽の声。
まずい。このままじゃ非常にまずい
「せ〜の」
直後
二人の気配が砂を蹴る音と共に消えたと思うと、四方八方から風を斬る音が聞こえる
・・・何が、起こってるんだ?
ズサーーーーーーッ
二人の気配が再び現れると
ビキビキビキッ!!
「ぐああああああっ!」「んあああああっ!」
全身に激痛がはしる!
恐らく彼らは光に変容して動き、俺たちの体に何百という攻撃を浴びせたのだろう。
「そうだ、そうだよ。これが君たちの本来あるべき姿なんだ。身体の自由を奪われて生命の危機に立たされて、やっと気付く『そっか、今までは本当に手加減されてたんだ』って。」
痛い・・・・痛いけど・・・・
「君たちは僕たちに逆らったことに後悔しながら、記憶を失う。でも良かったじゃないか、そんな後悔すらも忘れられるんだからね!はははっ」
まだ耐えられる!
「瑞季、やっぱお前には負けねぇよ・・・・お前みたいな”カス野郎”にはな」
「カス?・・・ははっ、カスだってぇ?!お前のような弱者には言われたくないね!ゴミが!ゴミ!ゴミ!ゴミ!!ゴミの分際で僕に血まで流させやがって!」
「・・・・・・。」
「ひゃはははっ!殺す、こいつ殺すよ!黒羽!!」
「殺すかぁ・・・・いい響き♪」
(青葉)
俺は青葉の頭に呼びかける。
(どうやら、成功のようですね)
(ああ。それで、青葉には黒羽の相手と攻撃のタイミングを教えて欲しいんだ)
(なんなりと)
(青葉なら、光速で動いているあいつらを捉えられると思うんだ)
(はい)
(俺じゃ無理だから、相手が俺に攻撃を仕掛けてくるタイミングを教えて欲しい)
(わかりました)
(頭に血が上っている今ならいける!)
(はい!)
「黒羽、行くよ」
「うん♪」
「せ〜の」
ひゅんっ
来る!
とりあえず、まずは耐えなくちゃ
ビキビキビキッ!!
「ぐぅ・・・・」
耐える、耐えてみせる!
ビキビキビキビキッ!!!
青、葉・・・・
「はっ!」
ばきっ
「ぐぎゅ・・・・っ!」
青葉の覇気を纏った声の後、黒羽がダメージを浴びた声が聞こえた。
よしっ・・・後は俺だけだ
ビキビキビキビキビキッ!!!!
「ぐぅぅ・・・・・」
ビキビキビキビキビキビキッ!!!!!
「ぐぁぁぁああああああっ!」
「今ですっ!!」
青葉のその声を聞いた瞬間、俺は腰を捻り
浮かせた右足を、思い切り振り抜いた!!
当たれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ
ブゥン
「やば・・・」
「遅いよ」
ごすっ
「ごはっ・・・・」
鳩尾に容赦なく打ち込まれた拳に、俺はその場に倒れ込んだ
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
「大樹様ぁっ!!」
「ふふふふ、結局強かったのは僕」
がっ
側頭部を瑞季に踏みつけられる。
「ゴミ。あははははっ、ゴミ!ゴミがぁっ!!」
段々足に力が込められ、頭部が固い地面に押し付けられていく。
「くっ・・・・」
ぐりぐりと踏みにじられ、靴底に俺の毛が絡まり始める。
何も見えない・・・・
だから今がどんな状況なのか、どんな景色なのか
それすらも確認できない。
「大樹様ぁぁっ!!」
何も見えない
・・・・ハズなのに、なぜか暗闇の中で泣き叫ぶ青葉が見えた。
「・・・・青葉・・・・」
視覚を俺たちは失った。
・・・・・なら取り返そう、失った分を。
目には目を。歯には歯を。視覚には・・・・聴覚を!
「瑞、季」
「何さ?」
俺は声の降る方を向くと、手でピストルの形を作った。
「俺も、やってみよう、かな」
「今更かい?!ははは・・・・余裕かましてんじゃねぇよ!!」
「・・・バン」
ピタッ・・・・
側頭部へかかる圧力の増加が止まった。
成功だ・・・・
「あ、ああ、ああああああああああっ!!」
瑞季が俺の上から足を退き、後方へ狼狽える。
「あんあお、おいっ!あいおいあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「はは・・・・何言ってるかわかんねぇよ」
「うおっ、おうあっえう!!」
「瑞季、お前の聴覚をもらった。お前は今何も聞こえていないだろうな、自分の声も、呼吸する音も、血液が流れる音でさえ」
「あいいっえう?!」
「まあ、今のお前にしゃべっても、無駄かな・・・・」
俺は立ち上がると、声のする方に歩み寄っていく
「ううあ!ううあ、ううあ、ううあぁぁぁっ!!」
「うおおおおおおおおおおっ!!」
俺は瑞季の声が近くなったのを確認し、再び腰を捻る。
そして右足を浮かせ、腰の戻しを利用して振り抜いた!!
ッドゴォッ!!
「かはっ・・・・」
「はあああああああああああぁぁぁぁっ!!」
足の甲に当たった感触を、出来るだけ遠くに飛ばすようなイメージで腰の捻りを豪快に戻す!!
「ごばあっ・・・・!」
ズザザザザザザザーーーーーーーーーーーーーーッ!
砂上を滑る音と共に視力が回復し、吹き飛んだ瑞季を確かめることが出来るようになった。
俺の足は見事に瑞季の体を捉え、攻撃することに成功。
手応えは充分だった。
あとは祈るだけ、瑞季が立ち上がらないのを・・・・
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「ま、さか・・・・」
「はっ、ははっ、ははははっ・・・いい、いあんえ・・・あう」
瑞季は既にボロボロだが、まるで不死身かのように手に光の刃を握りしめユラリと立ち上がる。
くそっ、あんなので斬られたら・・・
俺は体勢を立て直そうと肢体に力を入れる。
が、
「ぐあっ・・・・?!」
上半身はおろか下半身が何一つとして動かなくなっていた。
青葉を見るとどうやら同じ状態のようだ。
限界か・・・でも、これは・・・やばい、ぞ・・・・
「うおあ、あいおあ?あああ・・・・」
「くっ・・・・・」
「ああぁっ・・・・おうお、あいあぁぁ!!」
こちらに攻撃態勢を整える瑞季の姿を見て思う。
嘘だろ?俺、死ぬのか?
ここまで来て、最後の最後で、みんなとの約束を守れないまま・・・・
こんな奴に、一番負けたくない相手に・・・・・・くそっ!
「あっあ!・・・・あっあ、あっあ、あっあ!!」
やべ、視界がぼやけてきた・・・・もしかして俺泣いてるのか・・・・?
・・・格好悪いな、俺。こんな時に・・・・泣くなんて・・・・
俺は目元を拭う。
「えっ・・・・・?」
涙なんて、出てない・・・・じゃあ、これは・・・?
「おうおぉ・・・・あいあぁぁぁぁぁっ!!」
くそっ・・・・ここまでなのかっ
瑞季の突進を予測し、体に襲いかかる痛みに備えた。
だが、次の瞬間
ゴシャッ!
目前で乾いた音が聞こえたと思うと
「・・・あ゛ぁ・・・・ぃ、ぁ・・・・・」
地面に顔面を叩き付けた瑞季の姿があった。
「何が・・・・起こった、んだ?」
「水の壁・・・・」
え・・・・?
「光は媒質Aから媒質Bに移動するとき、その進路は屈折する・・・・」
この、声、は
振り向くとそこには
「おはよう・・・・」
「ちあ、き・・・・・・」
珍しく微笑を浮かべた、俺の幼馴染みがノーダメージで立っていた。
「私も、いる・・・・」
「れん・・・・・・」
今度は本当の涙で視界がぼやけた。
安心感で胸がいっぱいになったから。
目頭を圧迫して止めようとしても、それは余計に溢れてきた。
「頑張ったね、大樹、青葉・・・・」
千彰はそっと俺の体に手を回し、包み込むように支えてくれる。
「お、俺・・・くっ・・・・」
「うん・・・・」
「もう、これ以上・・・・ぐすっ、だれかが、傷つくの嫌で・・・」
「うん・・・・」
「みんな、と、ずっと、一緒・・・に」
「うん・・・・」
相づちをうってくれてるだけだったけど、今の俺にはそれで充分だった。
「くっ・・・ぅっ、ぐすっ・・・・ぁぁ・・・・」
千彰は耳元で「大丈夫・・・・大丈夫・・・・」と何度も囁きながら
嗚咽を漏らす俺を嫌な顔一つせず支えてくれる。
だからついそれに甘えて、涙を止めようとするのを忘れてしまう
このまま涙を流しながら思いを吐露していればもっと楽になれると、そう確信できたから。
「大樹、でも最後にやることがある・・・・」
「ああ」
「歩ける・・・・?」
「大丈夫」
俺は少し回復した体力を足に注ぎ、気絶している瑞季に歩み寄った。
そして服やズボンのポケットをまさぐる。
・・・・・あった
コロンと光り輝く球体が、そのポケットからこぼれ落ちる。
「「大樹・・・・」」「大樹様」
「うん」
俺は拳を固く握ると、それを振りかぶる
「これは木原と、オリヴィエと、お前に残忍な扱いを受けた奴らと、そして」
振りかぶった拳が音波を纏っていく
「青葉の分だぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
グシャッ!!
思い切り振り下ろした拳は、瑞季のシンボルを粉々に破壊した。
シンボルの内側にあった光が宙に飛散し、茜空に無数の星を作る。
しばらくそれをじっと眺めていると
ポゥ、ポゥ
そんな星も順に消えていく、それは完全な終戦のカウントダウンだった。
終わった・・・終わったんだ・・・
良かった・・・心から。
安堵感からか全身の力が抜け、その場に崩れそうになったところを千彰が支えてくれた。
ドン
扉が現れる
「ホゥ、遂ニココマデ来タカ人間」
「残リハ二組。最終戦ハ思ウ存分ヤルガ良イ」
最終戦か・・・・
それはもう、終わったよ
「その事、なんだけど・・・・」
何となくこうなるんじゃないかと予想していた。
俺と千彰が生き残る。
こうなったらどうしようかと、とっても悩んだけど
悩みに悩んだ末、決心することが出来た。
”シンボルの同時破壊”
この方法はリスクがとても高い。
まず門番に確かめる必要があるが、それに答えてくれたとして俺たちの行動を黙認するとは限らない。
仮に黙認されたとしても、その条件が両者の忘却であっては意味がない。
そして最大の要因、それがタイムラグによって生じるどちらか一方の忘却。
僅かな差でどちらかのシンボルの破壊が早くなされた事で、優劣が決してしまうという点。
問題は山積、でもやらないわけにはいかない!
「大樹・・・・」
「え?」
そんな決意を胸に燃やす俺に、なぜか急に千彰と蓮は向き直る。
「大樹と幼馴染みで良かった・・・・」
「な、なにさ、急に」
胸騒ぎがした。
「いつも隣にいるだけで、凄く楽しかった・・・・」
「何、を」
「きっと俺たちは、離れていても通じ合っていられるよね・・・・?」
”離れていても”
とても寂しい響き。切ない響き。
「これからはそれぞれ違うレールの上を歩く事になる・・・・」
「何でさっ!これからも同じレールを辿れば」
「・・・・・・。」
千彰は首を横に振る。
「一番良い方法を見つけた・・・・」
「でも!それだって失敗するかも」
「大樹・・・・」
「う・・・・」
口を閉ざしたくなかった。
黙っていたら、千彰がいなくなっちゃうような気がするから・・・
「大樹の5教科の成績は・・・・?」
「え?・・・・・・・オール3」
「・・・・・・・・・・・・・・プッ」
「笑うなよっ?!」
「じゃあ俺は・・・・?」
「・・・オ、オール、5」
だからって、それは成功する保証になるわけじゃ・・・
「俺を信じて・・・・」
「・・・・っ」
そんな事言われたら
「大樹・・・・」
「・・・・・・・・・・・わ、かった・・・」
そう言わざるを得ないじゃないか・・・
うっ、また涙が出そうだ
そんな俺の返事に満足したのか、千彰はポケットからシンボルを取り出すと
シュッ
扉に向かってそれを放り投げた。
「「ナ・・・・!!」」「「な・・・・!!」」
門番は大きな一つ目を更に見開き、信じられないといった表情。
俺と青葉でさえ理解できなかった。
「あ、やばい・・・・」
千彰がわざとらしく頭を掻く。
「キャッチシンボルしてたら、向こう行っちゃった・・・・」
俺と青葉はもう何も言えなかった。
「オ、オイッ!ドウスルキダッ!!」
「貴様ラハ企業ノ代表。タダデハ済マンゾ?」
「そっ、なら謝ってくる・・・・」
「「ハ?」」
「この扉をシンボルを通過したってことは、出場権が忘却されたって事でしょ・・・・」
淡々とした口調で、千彰は自らの理を語り出す。
「勝者はそこにいる二人。俺は蓮と一緒に魔界へ行く・・・・」
これが、千彰の狙い・・・・
あまりの突拍子の無さに、思わず聞き入っていた。
門番は硬直し、互いに顔を見合わせる。
最初は驚いていた顔も、時経つ内に穏やかなものになっていった。
「ハハハッ、人間トハ実ニ興味深イ」
「自ラノ意志デ魔界行キヲ望ムトハ」
門番は門の方に歩き始めると、背後にいる千彰たちの方へ振り返る。
「「ツイテコイ、人ノ子ヨ。」」
千彰と蓮は顔を見合わせ、こくんと頷く。
蓮は門番の後をついていくが、千彰は立ち止まったまま動かない。
「千彰・・・・」「大樹・・・・」
シンクロする互いの名前
「最初は、こんな事になるなんて思ってもみなかったね」
「いつまでも変わらない緩い関係が続くと思ってた・・・・」
「憶えてる?青葉が来たばかりの時の絡み。あれは凄かったよ」
「青汁は自分でもウケた・・・・」
「蓮が来た時なんて王様ゲームだったしね」
「また、一緒にやろう・・・・」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「どうしても行っちゃうんだ」
「決めたから・・・・」
「そっか・・・・」
「・・・・・・・・。」
「もし、俺が行かないでくれって言ったら?」
「行かない・・・・」
「なら・・・・行かないでくれ」
「ん、無理・・・・」
「無理なんじゃん?!」
「ホントに言ってくると思ったけど、一応・・・・」
「お見通しだったのか」
「当たり前・・・・」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「握手、届かないな」
「いつでも握手しに来たらいい・・・・」
「そう、だね」
「待ってる・・・・」
千彰は歩き出す。
「青葉風に言うと、俺たちはソレゾレールを歩み出す!」
「大樹様・・・・」
「大樹・・・・」
「でも、きっと・・・いや、絶対!俺たちの辿り着くところは同じ、だよね?」
「ん、そのつもり・・・・」
「なら、俺は全力で見送るよ!・・・・俺が歩き出す、その時まで!」
「・・・ありがとう・・・・」
小さくなっていく背中、俺はその背中を今まで追いかけてきた。
もう一人の俺。そして、俺の理想。
そんな彼に並びたくて、俺は努力に努力を重ねたが未だ並べていない。
でも彼は言った。
「俺が追いかけているのは、大樹の背中だ・・・・」と。
もしかしたらその時から気付いていたのかも知れない
俺たちが別々のレールの上を走っていることを。
ギギギギギギ・・・・・
細くなっていく背中。
別々のレーンを走っていても、それに気付かなかったのは
そこに多くの交差点があったからなのかもしれない。
でも、今の背中は語っている
その交差点が次にいつあるか分からない、と。
ドン
彼は一度も振り返らなかった。
俺に背を向け、最後の最後まで俺に教えてくれた。
「・・・・・・・。」
俺の目線の先にはもう何もない。
でも、体は動かなかった。
ただその場に立ち尽くすだけ、何も考えることすら出来ない。
どん
「え・・・・」
後ろから来た小さな衝撃
なんだろう、背中が・・・・温かい。
俺の胸には、背後から伸びる白くて綺麗な手が添えられていた
「大丈夫・・・・」
「・・・・・とき、わ」
自然と、手が自分の胸にむかう
ポロ・・・ポロ、ポロ・・・・
「っ・・・・くっ・・・ぁぁ・・・っ・・・ぅぁっ・・・・」
ぎゅっ
背中の温かみが増し、胸に少しの圧迫感を覚える。
胸に穴が空いたような喪失感
その物足りなさを覆ってくれる胸の息苦しさ、今の俺にとって心地良いものだった。
哀愁漂う茜空。
かくして、俺たちは新君祭において勝利を飾った。
大切なモノは、少し遠くに行ったけど
それは完全に無くなったわけではない。
今の俺には見えないだけ、ちゃんとあるべき場所にある。
だから俺は歩く、可能性がゼロに近くても
いや、ゼロだとしても
俺は歩き続ける。
この歩みがやがて、俺という存在の糧になることを信じて
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「大樹様、私がここにいます。支えてみせます、ですから存分に歩まれて下さい」
「ありがとう」
体力は限界だけど、歩みに限界は感じない。
互いの鼻先が触れあうほどの距離で見つめ合い、それからそっと唇を重ねる。
そして誘われるがまま、俺たちは体を重ねてこの日の夜を過ごした。
俺たちの歩みはまだ始まったばかり
臆する必要はない。常に前へ、前へ・・・・
11/02/26 08:00更新 / パっちゃん
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