読切小説
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エンジントラブルには気をつけよう!
トゥ~キュキュキュキュキュ…

「最悪…マジかよ。」

いくらセル回しても初爆すらしねぇ…。点火してねぇんじゃねぇかコレ…。

キュキュキュキュキュキュ…キュ…キュウ…

…やりすぎた。バッテリー弱ってきちまった。

「クソ。タイミング悪すぎ。スマホはさっき電池きれて連絡もできやしねぇ…。」

クソ…焦ってセル回し過ぎた…。突発で遠出したはいいけど考えが浅すぎたな…。ガソリンはまだ半分以上はあるし燃ポンとリレー動いてる、恐らくデスビが逝ったなぁ…。工具箱もかさばるから置いてきちったし…。マジで馬鹿すぎる…。

「どうすっかなぁ…。」

ここは見知らぬ山道…。面白そうだからと寄り道してみたはいいが…、調子こいてトバしすぎた…。誰か通るの待って助け求めるしかねぇか…。

「予備のデスビ積んどきゃよかったなぁ…。」

…ボヤいてもしょうがねぇがこの心細さはかなりクルよなぁ…。真っ暗で人っ子一人居ない状態で車が止まるってのは…。

ヒュオ〜… カサカサ…

「さみぃ…。」ブルブルッ

…一旦車乗るか。

パァアアアア…

…ん?

バァンッ バァンッ

誰か登ってきたな。チャンス!走ってるやつなら当てあるかもしんねぇ!

バアアアアアアアアア!!

「止まってくれぇ!!」

ギャイッ!!キュキュキュ!!バウウゥゥゥバァンッバァアンウウウゥゥゥゥ!!

手を振りあげて合図した俺が見えたのかちょっと通り過ぎた先で止まってくれた。鬼のフルロックに3発シフトダウン。ちょっと危ねぇ止め方になっちまって申し訳ねぇけどよかった。これで最悪の状況から少しは立ち直れる。

「すみません!いきなり止めちゃって!」

ハザード炊いて止まった…ん?焦ってて気づかなかったけど、よく見たら俺と同じクルマじゃん。
降りてきた尖った耳にしっぽ付き人影に声をかけてみると、相手も小走りこっちに駆け寄ってくる。

「死にたいんですか!?危ないですよ!!私が気づけたからよかったですが!」

あいやぁ…そりゃそうだよなぁ。怒られちまった…。まぁ向こうが刺さる危険があったし車が止まった原因はまるっきり俺が悪いし何も言えねぇや…。

「すみません…。車止まっちまいまして…。どうしようもなくて助けてもらいたくて。」
「だからってあんな風に飛び出してくる人がありますか!!死んじゃいますよ!!」
「ホント申し訳ない…。」

あの止まり方でも相手を心配するのか…。めっちゃいい人だな。

「……もうっ…!…壊れちゃったんですか?」
「ええ…。恐らくデスビがダメになっちまったみたいでセル回しても火が入らないです。」
「デスビ…?セル…??…ドラゴンボールの事はよくわかりませんが車が動かないのですね?」
「ドラゴンボール???…とりあえずまぁ…。すみません。いきなり吹けなくなったもんで、ここに止めるしかなくて…。」
「…わかりました。こちらも強く言ってしまい申し訳ありません。やむを得ない状況では仕方ないかもしれませんが、本当に死んじゃいますから!気をつけてくださいね!」
「以後気をつけます…。」

謝られたがまぁ、俺が悪いしなぁ。
とりあえず同車種だしデスビの予備ないか聞いてみるか。

「こんな状況で本当に申し訳ないですが、デスビの予備とか持っていませんか?」
「デス…ビ?なんですか?それは?」

えっ。

「ディストリビューターです。同車種なんで持ってるかと思いまして。もしくは知り合いとかで持ってる人いないですかね?」
「…本当にごめんなさい。機械はわからなくて。この車もお父様の車を預からせて頂いてるだけですので…。」

マジか…。だい〜ぶ頭おかしい勢いでトバしてきたからてっきり地元勢の同類かと思ったが…。

「…あ!」

もふもふの3角耳がピンッ!…フム。

「お父様から修理に使えと他に預かってる部品があります!その中から探せば見つかるかもしれません!!」
「うお!!マジですか!?ならもしかしたらあるかもですね!!」

藁にもすがるたぁこの事だな。最悪無くても工具借りてデスビバラして見てみるか。ローター外れただけかもだし。
俺はついて行く事にした。

「乗って下さい。」
「すみません!お願いします。」
「いえ。ただお世辞にも安全運転とは私自身も思ってませんので、しっかり掴まっててくださいね。文句はナシです。」
「あ、はぁ。」

そりゃあんな爆珍走で突っ込んできたもん。知っとる。

「行きますよ。」
「お願いします!」

ヴウウゥゥゥゥゥウウパァアアアアアアア!!!!

うっわ!!速…ッ!

パアアアンッ!!パアアアアンッ!!パアアアアン!!

少なくとも1、2、3はクロス…!それだけじゃない!いくらクロスでもテンロクじゃ…いやデンパチでもこんな加速できない!!!なんだよコレ!!

「速くないですかコレッ!!」
「そんな事はないです。お父様が乗っていた時はもっともっと凄かったですよッ。」パァンッ!パァアン!!

そういうコトじゃねぇよっ!!車がヤベェんだよ!てかコレより速いってオヤジナニモンなんだよ!!!

「オヤジさんこの車について何か言ってませんでしたか!!!?」
「この車ですか???うーん…。ジュンセイブヒンがどうとか…ぼああっぷ?でにりったー?とか言ってました?」キュキュ!!パァアアアアア!!

ハァ!?2リッター!?!?どんなオヤジだよ!?!?!?確かに他車種の純正部品駆使してテンパチからほぼ2リッターまで上げるボアアップは存在するケドッ!!

「私車についてはわからないので…。」ンバアアアアア!!

なんでそのムスメがこんなに無知なんだよォォオオオ!!!!!

「あ!あとイッテンロクのままだから車検安い〜!って言ってました!!」

テンロクブロックのまんまやんけ…!20ブロックすら使ってないで流用パーツのストロークアップで2リッターボアアップはわかってる人間にしか出来ない…!!ホンモノだ……!!!

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「なんっっっでデスビはないんだよ!?!?!?!?!?」

「ごめんなさい…。ここにあるのが全部です…。」

いやここにあるのって貸倉庫丸々その車用の部品だよ???貸倉庫パンパンだよ!?!?なんでそれでデスビが無いの???得体の知れないエンジンとミッションすら転がってるのに????れ?????

「本当にごめんなさい……。力になれませんでした………。」

そんっっっな悲しそうにしないで耳下げないで俺が悪いんややめてゾクゾクすr

「……もし良ければ…今晩私の家に泊まっていってくれませんか?」
「ハァ?」
「あ!いえ!!嫌ですよね!!こんなキツネの家に泊まるなんてっ………。」

そんな泣きそうにするほど?確かにちょっと不意打ち過ぎて強く返事しちゃったけどさ…なんか…ズキッと来るからやめて…?その涙目やめて???

「そんな!!!嫌とかないです!!!ただ一応男なんでオヤジさんとか怒るでしょうかr「一人暮らしです!」rぁあ??ハァ???」
「私、この近くの人魔共学の大学に通いたくてマンション借りてるんですっ!ただこんな車のせいか人間さんどころか魔物の友達も少なくて…えへへ……。」

ねー俺虐めてるみたいじゃん。やめよ?そういうのやめよ?なんなら自分にも刺さるし。

「なら尚更オヤジさん心配するんじゃ…?」
「大丈夫です!!早く孫見せろって言われてます!!!」

そういう問題じゃねーよ、いやそういう問題か?いや…はぁ?

「あるかもって期待させて連れてきてしまったのにお役に立てず申し訳ないので…夜も遅いですし…せめて泊まっていってください…。ダメ…ですか……?」

今度は上目遣い。なんなの。わざと?…魔物だから素でも有り得るか。

「…あーもう!わかりました!泊まります!そんなに気負わないでください!元々俺が悪いんですから!」
「ヤッタ!♪(ボソッ)ありがとうございます!お・も・て・な・し!しますから乗ってください!」
「あ!待って引っ張らなくても、ちょ」

いいように丸め込まれた気がしなくも無いが結局車が動かん以上は頼るしかないし、俺は紳士だ。(キリッ)手は出さん。

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「舌…出してください…♥んぁ…レロ…チュ…」
「あぇ…チュツ…」

魔物娘には勝てなかったよ…。

「クチュ…ハァ…そろそろ挿れますね…♥」
「そんな待っ」

あっという間に組み敷かれた。出された美味い夕飯を平らげてから風呂を借りてさっぱりしていざゆっくり寝ようとした時だった。タオル1枚で現れるんだもん…。放心状態で動けなかった。腕を掴まれてベットに押し付けられて馬乗りにされて貪るように…キスされて…。ホンの数秒だった。

「どうですか?私のナカ…。暖かくて…ヌルヌルで…、心地いいでしょう…?♥」
「む…ムリ…もうヤバいって…ッ」

出したらダメだっ…出しちまったらッ…!

「いいですよ…!出してしまってもっ…!」グリッ
「ああッ!!」

ビュルッ!!

あっけなく終わった。

「ふふふふ…あつくて濃い…♥……でも、…ちゃぁんと…まだかたぁぁい♥」

ニチャア…。そんな擬音が聞こえてきそうな微笑みだった。これから俺はこのメスに犯されてめちゃくちゃにされるんだって…本能からの畏怖を感じた。

でも………期待してる自分もいた…。



ーーーここからは自分で脳内補完して楽しんでね☆ーーー



チュンッ チュンッ

「んっ…。あ……?」
「おはようございます。」

今何時だ…。てか…ここどこだ?

「朝ごはんできてますよぉ。」

顔ちっかっ。だれ……あ。

「ふふ…思い出しちゃいました?おっきくなってますよ…?♥」さわさわ…さすさす…
「ちょっ…やめ…///」
「んふふふふ…可愛いですねぇ♥でも、まずは朝ごはん食べましょうか。名残惜しいですが、冷めてしまっては美味しくないですから。その後…ちゃぁんと相手してあげますからねぇ。…ジュルッ…。」

自分を見て舌舐りをした後、にこにこ顔で耳をピコピコさせながら寝室を出ていくキツネっ娘。その後ろ姿に掴みどころのない妙なゾクゾク感を抱きながら俺はついて行った。

ん?しっぽ増えてね?


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それから、結局デスビはあった。何故かって?オヤジを紹介されたからだよ!しかも1週間後!!(ゲッソリ)

「あるよ!」ニカッ

じゃねーよ!しかも…

「デスビだけじゃなくてあの倉庫の中身全部やるから娘と娘の車全部面倒みやがれあと孫見せろ!」

なんで?????普通親って娘に彼氏が出来たら怒るもんじゃねーの???しかも俺が車弄れるからって娘の車丸投げじゃん。結局その後やたらしっぽの多いお袋さんに引きずられて寝室?から出てこなくなっちゃったし、お袋さんには

「これからよろしくね?頑張ってね?」ニッコリ

なにをだよ。いや想像つくけど。

「不束者ですがよろしくお願いします♥」

三つ指ついて丁寧に挨拶してくれるのは良いけど…。


一旦おうちかえして…………。

24/06/02 04:01更新 / 稲荷の伴侶

■作者メッセージ
結局オヤジさんはクラブマンの上位常連でしたとさ。

後半ダレてダイジェストでお送りします!になっちゃいまました。自分で脳内補完して下さい。数年ぶりなんです許してください。やる気が出たらちゃんと書いて修正します。

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