のんきな女性剣客と酔っ払い鬼
深い深い森の中、あたりを見回して目に映るのは、樹齢何百年は経っているであろう巨木群、無造作に伸びた草花、コケがこびり付いている岩、まさに樹海と言うにふさわしい森である。
「はぁーここはどこやねん」
そんな森の中で女性の声が発せられた。
「こないなことになるやら、森を通らずに迂回した方がよかったわ」
どうやら声の主は森を通ってしまおうと考えたらしいが、見事に迷ったらしい。
「はぁー何が悲しゅうて、わてが旅なんぞせなあかんね。おっ父の考えることはわてには理解でけへんわ」
この迷子の人物の名は御巫友華（ミカナギトモカ）。
ある日突然、父親に旅に出ろと家から追い出されてしまった可哀想な女の子である。
友華の姿は黒髪が肩まで伸びており、白い着物に青い法被を着ており腰には友華の愛刀である和道十文字が挿されている。
「地図やとこの森を抜ければ町に出られる風に書いてあるんやがなー」
とぼやいてはいるが、実は地図にはこの森を通ってはいけないという印が書かれているのだが友華は生まれて初めて地図を見たためそんな知識があるわけもなく、迂回しなくても真っ直ぐに森を通ればすぐじゃないかと安易に認識してやってきてしまっていたのだ。
グーーーーーーーー キュルルルルル
友華の腹の虫が盛大になる。
「はぅー、お腹すいたわー」
友華は食料も持たずに旅に出たため、丸一日は何も食べていない状態だったのだ。
「こ、このままやと、わて、餓死してまうわ」
このまま果ててしまうのかと考え始めたときだった。
モワー クンクン クンクン だらだらだら
突然香ばしくて良いにおいが漂ってきた。
友華は匂いを嗅いだ瞬間によだれが垂れ始めた。
「な、なんやろー？じゅるり、ええ匂いがするんやけど」
友華はその匂いがするほうにふらふらとした足取りで歩いていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
しばらく匂いにつられて歩いていた友華の目の前に洞窟の入り口が現れた。
「匂いは、ここからするんやねー」
そのまま警戒することもなく、ふらふらっと入っていく友華。
洞窟の中は誰か住んでいるのか所々にたいまつが壁に設置されていた。
しばらく歩くと何やら笑い声が聞こえ始めた。
「ぎゃははははは 旨いなこれ！」
「当然だろあたいが取ってきた食料と酒だぜ」
「おまけに戦利品まで取ってくるんだから今回は最高だねー、しばらくは楽しめそうだよ、ぎゃははははは」
といった笑い声が友華の耳に聞こえてきた。
どうやらこの奥にいるらしい。
「すみませんー、なにやら美味しそうな匂いにつられてきたんやけど、わてにも少し分けてくれへんかなー？」
とまったく危機感を持たずに話しかける友華。
「うん？だれだいあんた？」
「まさか、あの町の追ってかい？ご苦労なこってねえ」
そこに居たのは、赤い体を持ち頭からは立派な二本の角が生えていて、世界は自分のためにあるといわんばかりの勝気な表情をしたアカオニが二人も居た。
「追って？なんのことやねん？わてはただの旅人や。森を歩いておったら道に迷ってしもうてな、そしたらこの洞窟からええ匂いがしてきてな、腹が減っていたさかいに辛抱たまらんくてのう、ちょっとでええんや少し食べ物分けてくれへんか？」
突然あらわれた人間に警戒していたアカオニの二人だが、あまりにも敵意が感じられずに拍子抜けしてしまい、少し唖然とした顔をしていたが次第におかしくなってきたのか二人で豪快に笑い始めたのであった。
「あはははははは、あんたおもしろいね、あたいたちの姿を見た奴らは大抵腰を抜かすんだけどね」
「ぎゃははははは、気に入ったよあんた、腹が減っているんだって？そんじゃ一緒に飯でも食うかい？」
「ほんまでっか、うれしいわ」
あっというまに打ち解けてしまった三人であった。
「さっき町からぶん取ってきた食料だがこいつはうまいぞ」
そういって、ジューシーに焼かれた肉を差し出してくるアカオニ。
「はぐ、もぐもぐもぐ、っん、ほんまや、これすごく美味しいわ」
「あんた酒はいける口かい、あたいらと飯を食うからには酒の一つや二つは飲めねえとな」
「うーん、飲んだことあらへんのやけど、そんなに旨いもんなんか？」
「そりゃーそうさ、酒は旨い！特にあの町の酒は銘酒だからな、飲んだことないなら、ほれ一杯やってみな」
そういってもう一人のアカオニが杯を差し出してくる。
「そんならー、一杯いただきますわー」
クイッ ごくり
「どうだ、旨いだろう」
「・・・・・・」
「どうした？ありゃもしかして酒に弱かったのか？」
「・・・・・・ぃ」
「うん？何か言ったか？」
「もーうーいーぱーい、ひっく」
そこには杯一杯で顔を赤らめている友華が居た。
あきらかに酔っ払っているためか呂律も回っていない。
「これ、すんぎょくうばいんやないんか、ひっく」
「大丈夫かお前。呂律回ってないぞ」
「たった杯一杯なのにここまで酔うとは」
「いいかりゃ、はにゃくもーうーいーぱーい、ひっく」
「まっいいか、よっしゃ今日はとことん飲み明かすぞ！」
「「おおー（ひっく）」」
その宴会は全員が酔いつぶれるまで続いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
時刻は朝である。
ここは森の入り口。
そこには武装した兵が数十人はいた。
「皆の衆聞いてくれ、先日例のアカオニがいつものように食料と酒を奪って行った。これはいつものことだから気にしないようにしていたのじゃが、今回は由々しき事態が起きてしまった」
町の代表なのであろう老人は武装した兵に向かって演説をおこなっている。
「わしの孫でもある三郎があのアカオニにさらわれてしまったのじゃ、今回ばかりは見過ごすわけにはいかん、あのアカオニに目にものを見せてやろうぞ」
おおおおおおおおおおお
「もしあのアカオニを倒すことができれば報酬を好きなだけくれてやる、じゃからあの鬼を倒すのじゃ」
おおおおおおおおおおお！！！！！！
数十人の兵はこの言葉を聴き士気をあげた。
兵たちが次々と森の中に侵入していく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
舞台は再び洞窟。
・・・ん え・ん えーん
何やら子供の泣き声みたいのが聞こえてきた。
その声に気づき、目を開け始める友華。
「な、なんや・・・こども？」
「えーんえーん、父上ー母上ー！ えーんえーん・・・」
目を開けた友華の目の前には子供が泣いて座っていた。
その泣き声に反応したのか、アカオニ二人も起き始める。
「ふわーなんだい人が気持ちよく眠っているっていうのに」
「なんだ、昨日攫って来たガキか、何泣いてんだよ？」
「帰して、父上と母上の元に帰してよー、えーんえーん・・・・」
「なんだよもう父ちゃんと母ちゃんが恋しいのか？」
「心配すんな、お前は今日からあたいたちが可愛がってやるからさ」
「どうゆうこと、ひっく」
「つまりはこういうこと」
「んっ！？」
一人のアカオニが子供の唇を強引に奪う。
子供はジタバタと暴れるが所詮は子供の力、アカオニに適うわけもなく、そのまま貪られる。
「あ、朝から何してんねん」
「見てわかんないのか、どう見ても接吻してるだろ」
参加していないアカオニから当然の答えが返ってきた。
「いや見ればわかるがな、そないなこと聞いてるやなくて」
「まっなんでもいいじゃん、それよりもせっかくだからあたいたちもやらないか？」
「えっ！？い、いやわては遠慮させてもらいますわ」
「そんな遠慮するなよ、昨日酒を飲み交わした仲じゃねえか」
「そないなこといわれても」
「問答無用」
「っん！？」
友華に対して隣に居たアカオニが唇を奪い舌を入れてくる。
しばらく接吻をすること数分、ようやく唇が開放される。
「っん、ぷはあ」
友華の肺に新たに新鮮な空気が入ってくる。
「どうだい女同士の接吻も悪くないだろ」
「わての初めての接吻やのに・・・」
「おお、そいつはご馳走様、さて向こうも本番に入りそうだけど、どうする？」
そう言って子供とアカオニの方に親指を向ける。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ふふふ、敏感だな、どうだ乳首を苛められながら、チンポを弄られるのは？」
アカオニは胡坐をかき、全裸にひん剥いた子供を胡坐の上にのっけて左手で乳首を苛め、右手で子供の小さい生殖器をしごいていく。
「・・・んくっ・・・だ・だめ・・・や・やめて・・・」
「何言ってるんだい、こんなに乳首を起たせて、まだ皮がむけてない包茎チンポをこんなにビンビンに起たせてるんじゃ説得力がないぜ」
しゃべりながらもアカオニは子供を弄るのをやめない、全力ではないが確実に子供を快楽の絶頂に向かわせる弄り方だった。
「お、おねがい、お、おしっこ、させて・・・」
「おしっこかい？どうしようかな？」
「お、おねがい、します、な、なんでも、いうこと、き、きくから」
必死に懇願する子供。
その言葉を聴き、にやりと笑うアカオニ。
「いいよ、おしっこさせてやるよ」
そう言うとアカオニは子供を地面に寝かせ、左手で左乳首を弄り、舌で右乳首を舐めまわし、吸引する。
右手は絶頂に導くために先ほどとは比べ物にならない速度でしごきあげる。
「！？・・・・・が、ち、ちが！・・・んんんんんん！！！」
「さあ、白いおしっこビュッビュッと出しちまいな！」
「で、でるぅうううううううう！！！！！！」
ビクン！！ ビクン！ビクン！
子供の体がビクンと痙攣する。体を宙にうかせ快感を放出しようとしている。
しかし。
「なんだ、まだ精通してないのか、ちっさすがにまだ早かったか、だが可愛いからいいか」
アカオニの言うとおり子供の生殖器からは精液は放出されずにいた。
「はぁはぁ、はぁはぁ」
「なんだい、もう疲れたのか？だけど本番はこれからなんだからさしっかりしろよ」
子供はあまりの快感に頭が真っ白になりぼーっとしていた。
「ほら、あっちを見てみろよすんごいだろう今からああいうふうにあたいたちもなるんだから」
子供は言われるまま友華たちを見た。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ー
アカオニは全裸にした友華の後ろから、立派に熟した果実を右手で揉みしだき、左手は友華の秘部をなんどもこすりあげる。
首筋にしたを這わせ、耳を甘噛みする。そして貪るように接吻をする。
友華も負けじとアカオニの口腔を舌で犯して行く。
またも長い接吻が続き、唐突に離れる。
「さてそろそろ準備も出来たことだし、いよいよ本番と行こうか」
「とはいってもあんさん、女同士でどうやって本番にいくんや？」
「実はな、こういうものがあったりして」
そう言ってアカオニは腰布を外した。
そこには男子顔負けの太いものがそこにはあった。
あまりのことに驚愕を隠せない友華。
「な、なんでー！、アカオニさん、あんさん女の子やろ？なんでそないな立派なものが生えてんねん！」
「知るかよ。生まれたときからついていたんだ。だがようやく使う機会が訪れたぜ」
「えっ？」
「あたいは今まで使いたくても使えない状況が続いたからまだ童貞なんだ。姉貴は可愛い子しか相手にしないし、女を捕まえることも出来なかったからずっと童貞だったんだ。でもやっと卒業できる日がやってきたんだ。たっぷり相手してもらうから覚悟しろよ」
「・・・や、やっぱそろそろわてはおいとまさせてもらいたいんやけど・・・」
「ダーメ☆」
その瞬間アカオニの生殖器が友華の秘部を一気に貫いた。
「！？あああああああああああ！！！！！！」
友華の秘部から血が流れてきた。
「なんだ処女だったのか、ならお互いはじめて同士最後まで楽しもうぜ」
ズンズンとどんどん腰を振りはじめるアカオニ。
「あっ、あっああああ！！！ええ！！気持ちええよ！！！！！」
「すんげえこれが女の膣内、こんなに気持ちいいのか！！」
「もっと、もっと激しくついて！！！！！」
「こうか！！！！こうか！！！！！！」
お互いに我を忘れて、ひたすらに快感を貪りあう。
「わ、わて、い、イキそうや！！」
「あ、あたいもだ！イクときは一緒にな！」
さらに腰の動きを加速させる。
何度も体がぶつかる音が聞こえる。
「も、もうだめ！！！」
「あ、あたいもだ！！！」
「「イ、イックー！！！！！」」
ビクンビクンと互いに体を震わせ、イキ果てる。
「はあ、はあ、きもちよかったわー」
「あ、あたいもだ」
「あっちはどうなったやろう？」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「お姉ちゃん！僕もう！もう！」
「ほら！もうちょっとがんばんな！もう少しであたいもイケそうなんだから！」
子供がアカオニの秘部に小さい生殖器を一生懸命出し入れしている。
子供は先ほどから何回も果てているが、アカオニはその度に鼓舞して子供に腰を振らせる。
「いいぞ！！いいぞ！！もう少しがんばれ！！」
「お、お姉ちゃーん！！！」
「も、もう少し！イ、イクッーーー！！！！！！」
子供は精魂尽き果てたのか、そのままアカオニに倒れこむ。
アカオニも荒く息を吐きながらも倒れてきた子供をしっかりと抱え込む。
「お前はあたいの物だ。絶対に逃がさないからな」
「ぼ、僕はお姉ちゃんの、物なの？」
「ああ、絶対に離さないからな」
「でも父上と母上が心配してると思うからやっぱり・・・」
「さっき、何でも言うことを聞くと言っていただろう」
「あっ！」
「そういうこと、絶対に逃がさない」
ニカッと心底嬉しそうな表情を見た子供はそれ以上何も言えなくなってしまった。
強引だけどこのお姉ちゃんがとても好きになった自分がそこにいたからだった。
「そっちも終わったようやな」
「子供相手にずいぶんと激しくしたな」
「何言ってんだよ。お前も処女を相手に随分と荒っぽくしていたじゃないか」
「なにをー！」
「なんだよ！」
「まあまあお互い様ちゅうことで、そのへんにしときや」
「「チェッ」」
互いにそっぽを向く二人。
「さて、わてもそろそろおいとまさせてもらいますわ」
「なんだいもう行っちまうのかい？」
「もう少しゆっくりしていかないか？」
「お気持ちだけもろうておきますわ、ほなな」
そう言って洞窟から出ようとした瞬間。
異変に気づく友華。
「どうしたんだ？」
「洞窟の外から複数の殺気が感じられるんや」
「殺気？・・・・・・本当だ。小さいけどかなりの量の殺気だな」
「ああ」
友華に言われて、アカオニ二人も殺気に気づく。
「もしかして、あんさんらが攫って来たその子を取り戻しにきたんやないか？」
「どうやら、そうみたいだ」
「めんどくせーな」
「なあ、その子帰すわけにはいかへんのか？」
「冗談言っちゃ困るよあんた、あたいはこの子が気に入ったんだ。絶対に帰さないよ」
「まあ、姉貴の気持ちもわからなくはないかな」
「それやったら、まずその子の気持ちを聞いたらどうや？一緒に暮らしたいんなら、その子が決めへんと意味ないでー」
「ぼ、僕は」
「あたいと暮らせば、毎日気持ちよく過ごせるんだぜ。なっ、あたいと一緒に暮らそうぜ」
子供は困っていた。このアカオニたちと一緒に暮らしたいという気持ちとやっぱり父上と母上にも会いたいという気持ちがあったからだ。
「どうなんやボク？」
「僕お姉ちゃん達とも暮らしたい」
その言葉に笑顔になるアカオニ。
「だったら・・・」
「でも、父上と母上にも会いたい」
その言葉にアカオニは衝撃を受けた。
何よりも気に入った子供が心底悲しそうな表情をしていたから、自分でもどうしていいか分からなくなっていた。
「姉貴・・・」
「時間がないでー、どないするんや」
「・・・お前の好きにしな、お前があたいたちと暮らしたいならあたいたちは表の奴らを追っ払う、だけど帰りたいって言うなら・・・」
アカオニは震えていた。
本当は帰したくはない、だけどそれ以上にこの子が愛しい、だから必死に耐えているのだ。
「お姉ちゃん」
「どうするんやボク？」
「ぼ、僕は・・・」
言いかけたその時だった。
「見つけたぞ、アカオニじゃ！！！」
ついに見つけられてしまった。
「ぼ、僕みんなを説得してくる」
「だ、駄目だ。今行ったら」
時既に遅く、子供は駆け出していた。
アカオニ二人と友華も駆け出す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「みんな止まってください」
子供が奥に進んでくる兵に向かって、声をかける。
「おっ！、お前は町長の孫の三郎か？」
兵の先頭を歩くリーダー格の男が三郎に声をかける。
「はい、そうです」
「アカオニたちはこの奥にいるのかい？」
「います。でも」
「よーし野郎ども、アカオニを倒しに行くぞ」
「！？ま、待ってください」
「なんだい？ぼっちゃん」
「お姉ちゃんたちは何もひどいことはしていません。僕に戻ってもいいって言ってくれました。だから一緒に帰りましょう」
「そんなのはどうだっていいんですよぼっちゃん、あのアカオニたちを倒せば報酬がたんまりもらえるんですよ。ぼっちゃんが無事であろうとなかろうとアカオニを倒すことが最初から決まっているんです」
「そ、そんな」
「さあそうとわかったら退いてもらえますか、ぼっちゃん」
「い、嫌だ！！お姉ちゃんたちは何も悪くないんだ！！」
「何言ってんですか？あのアカオニたちは食料も酒も盗んでいく悪者ですよ、さらに言えばあなたもさらわれたんですよ」
「そうだけど、それでもお姉ちゃんたちは悪くないんだ！！」
「うるせえ餓鬼だな、めんどくせー殺しちまうか」
リーダー格の男は腰に挿した刀を抜く。
「でも親方殺したらまずいんじゃ」
「いいんだよ、アカオニに食われちまっていたといえば証拠は残らねえからな
俺たちが頼まれたのはあくまでアカオニ退治だ。問題はねえだろう？」
「そ、そうっスね」
「というわけだぼっちゃん退かねえと殺すぜ」
三郎に向けて刀をちらつかせるリーダー格の男。
「い、い、嫌だ」
目に涙を浮かべながらも退こうとしない三郎。
「なら、あばよ！！！！」
勢いよく振り下ろされる刀、三郎は怖くなり目をつぶった。
しかしいくら待っても、痛みがこないため三郎は恐る恐る目を開けた。
そこにいたのは刀を振りぬいた姿勢で立っている友華がいた。
そして刀を一振りして、鞘へと納めた。
チン ブッシャアアアア
収めた瞬間にリーダー格の男は胴体から切断され倒れこんだ。
「まったく下種やなーほんまに」
「お、親方！！！」
「あんさんら、この下種のようになりとうなかったらさっさと帰りいや」
のんきそうな雰囲気はどこへやら、そこには一流の剣客が纏うオーラを持った一人の女がいた。
その優しそうな目は凍てつくほどに冷たくなり、朗らかだった表情も刀のように研ぎ澄まされたものへと変貌していた。
「な、なんなんだお前は！？」
リーダー格の男の部下たちは突然の事態に困惑していた。
アカオニしかいないと思ったら、女剣客があらわれて親方を切り捨てたのだから。
「わては下種に名乗る名は持ち合わせておりまへんがな」
「さっきから、下種下種ってうるせーんだよ！！！いくぞ皆！！！！」
うおおおおおおおおお！！！！！！
「ここは」
「あたいたちに」
「「まかせな」」
ブオーン！！！！ グシャリ！！！！
襲いかかってきた兵たちをドデカイ棍棒で打ち返す二人のアカオニ。
「な、なんだってんだよ」
まだ十人ほど生き残っているうちの一人がつぶやいた。
「おまえら！！この子を傷つけようとしたんだ。覚悟できてるんだろうね！！」
三郎を愛していたほうのアカオニが正に鬼の形相で棍棒を構えていた。
「今の姉貴は怖いぞ、逃げるんなら今のうちだよ」
と妹のアカオニは逃げることを勧める。
「う、うわあああああ逃げるぞみんな！！！！」
うわああああああああああ！！！！！
アカオニを退治に来て、生き残った兵は全員尻尾を巻いて逃げて行った。
「大丈夫か！怪我はないか！」
「お姉ちゃん」
「馬鹿やろう！なんであんな無茶した！あそこで道をあけていれば、あんな危ない目にあわなかったのに」
「お姉ちゃんに怪我をしてほしくなかったんだ」
「！？お前・・・」
「お姉ちゃん僕やっぱり帰る」
「そ、そうか、わかった。元気でな」
「・・・でもまた遊びに来てもいいかな？」
耳を疑った。
「また来てくれるのか？」
「うん、また来たい」
信じられなかった。こんなに危ない目にあったのにまた会いたいだなんて、だが彼女の心は歓喜に打ち震えていた。
「・・・ああ、いつでも来い、お前が来るならもう二度とあの町をおそわねえよ」
「本当？」
「ああ、約束してやる」
「じゃあ、指きりげんまんしよう」
「ああ」
アカオニの小指と三郎の小指が合わさる。
「「指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った」」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「またねーお姉ちゃん！！！」
「おう、またな！！！」
森の入り口で分かれるアカオニと三郎。
「あんなことされたのに、ええ子やな」
「ほんとだよ、攫って来たあたいがいうのもなんだけどさ」
「さーて、とりあえず戻るか。あんたにはちょっと世話になったな」
「何言うてまんの、お世話になったのはわても同じですわ。せやからこれはおあいこや」
「そうか。あんた次はどこに行くんだい？」
「う〜ん、ほんまはなあの子の町に行くつもりやったんやけど、兵を殺してもうたからな。別のとこに向かいますわ」
「そうか、なんだか面倒に巻き込んじまったし、餞別にこいつをやるよ」
そう言って取り出したのは小さい酒瓶だった。
「おおきに、それじゃお達者でなー」
「ああお前こそな」
「またいつか宴会しようなー！！！」
友華は酒瓶を肩からぶら下げながらのんきに道を歩いていくのだった。
つづく
「はぁーここはどこやねん」
そんな森の中で女性の声が発せられた。
「こないなことになるやら、森を通らずに迂回した方がよかったわ」
どうやら声の主は森を通ってしまおうと考えたらしいが、見事に迷ったらしい。
「はぁー何が悲しゅうて、わてが旅なんぞせなあかんね。おっ父の考えることはわてには理解でけへんわ」
この迷子の人物の名は御巫友華（ミカナギトモカ）。
ある日突然、父親に旅に出ろと家から追い出されてしまった可哀想な女の子である。
友華の姿は黒髪が肩まで伸びており、白い着物に青い法被を着ており腰には友華の愛刀である和道十文字が挿されている。
「地図やとこの森を抜ければ町に出られる風に書いてあるんやがなー」
とぼやいてはいるが、実は地図にはこの森を通ってはいけないという印が書かれているのだが友華は生まれて初めて地図を見たためそんな知識があるわけもなく、迂回しなくても真っ直ぐに森を通ればすぐじゃないかと安易に認識してやってきてしまっていたのだ。
グーーーーーーーー キュルルルルル
友華の腹の虫が盛大になる。
「はぅー、お腹すいたわー」
友華は食料も持たずに旅に出たため、丸一日は何も食べていない状態だったのだ。
「こ、このままやと、わて、餓死してまうわ」
このまま果ててしまうのかと考え始めたときだった。
モワー クンクン クンクン だらだらだら
突然香ばしくて良いにおいが漂ってきた。
友華は匂いを嗅いだ瞬間によだれが垂れ始めた。
「な、なんやろー？じゅるり、ええ匂いがするんやけど」
友華はその匂いがするほうにふらふらとした足取りで歩いていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
しばらく匂いにつられて歩いていた友華の目の前に洞窟の入り口が現れた。
「匂いは、ここからするんやねー」
そのまま警戒することもなく、ふらふらっと入っていく友華。
洞窟の中は誰か住んでいるのか所々にたいまつが壁に設置されていた。
しばらく歩くと何やら笑い声が聞こえ始めた。
「ぎゃははははは 旨いなこれ！」
「当然だろあたいが取ってきた食料と酒だぜ」
「おまけに戦利品まで取ってくるんだから今回は最高だねー、しばらくは楽しめそうだよ、ぎゃははははは」
といった笑い声が友華の耳に聞こえてきた。
どうやらこの奥にいるらしい。
「すみませんー、なにやら美味しそうな匂いにつられてきたんやけど、わてにも少し分けてくれへんかなー？」
とまったく危機感を持たずに話しかける友華。
「うん？だれだいあんた？」
「まさか、あの町の追ってかい？ご苦労なこってねえ」
そこに居たのは、赤い体を持ち頭からは立派な二本の角が生えていて、世界は自分のためにあるといわんばかりの勝気な表情をしたアカオニが二人も居た。
「追って？なんのことやねん？わてはただの旅人や。森を歩いておったら道に迷ってしもうてな、そしたらこの洞窟からええ匂いがしてきてな、腹が減っていたさかいに辛抱たまらんくてのう、ちょっとでええんや少し食べ物分けてくれへんか？」
突然あらわれた人間に警戒していたアカオニの二人だが、あまりにも敵意が感じられずに拍子抜けしてしまい、少し唖然とした顔をしていたが次第におかしくなってきたのか二人で豪快に笑い始めたのであった。
「あはははははは、あんたおもしろいね、あたいたちの姿を見た奴らは大抵腰を抜かすんだけどね」
「ぎゃははははは、気に入ったよあんた、腹が減っているんだって？そんじゃ一緒に飯でも食うかい？」
「ほんまでっか、うれしいわ」
あっというまに打ち解けてしまった三人であった。
「さっき町からぶん取ってきた食料だがこいつはうまいぞ」
そういって、ジューシーに焼かれた肉を差し出してくるアカオニ。
「はぐ、もぐもぐもぐ、っん、ほんまや、これすごく美味しいわ」
「あんた酒はいける口かい、あたいらと飯を食うからには酒の一つや二つは飲めねえとな」
「うーん、飲んだことあらへんのやけど、そんなに旨いもんなんか？」
「そりゃーそうさ、酒は旨い！特にあの町の酒は銘酒だからな、飲んだことないなら、ほれ一杯やってみな」
そういってもう一人のアカオニが杯を差し出してくる。
「そんならー、一杯いただきますわー」
クイッ ごくり
「どうだ、旨いだろう」
「・・・・・・」
「どうした？ありゃもしかして酒に弱かったのか？」
「・・・・・・ぃ」
「うん？何か言ったか？」
「もーうーいーぱーい、ひっく」
そこには杯一杯で顔を赤らめている友華が居た。
あきらかに酔っ払っているためか呂律も回っていない。
「これ、すんぎょくうばいんやないんか、ひっく」
「大丈夫かお前。呂律回ってないぞ」
「たった杯一杯なのにここまで酔うとは」
「いいかりゃ、はにゃくもーうーいーぱーい、ひっく」
「まっいいか、よっしゃ今日はとことん飲み明かすぞ！」
「「おおー（ひっく）」」
その宴会は全員が酔いつぶれるまで続いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
時刻は朝である。
ここは森の入り口。
そこには武装した兵が数十人はいた。
「皆の衆聞いてくれ、先日例のアカオニがいつものように食料と酒を奪って行った。これはいつものことだから気にしないようにしていたのじゃが、今回は由々しき事態が起きてしまった」
町の代表なのであろう老人は武装した兵に向かって演説をおこなっている。
「わしの孫でもある三郎があのアカオニにさらわれてしまったのじゃ、今回ばかりは見過ごすわけにはいかん、あのアカオニに目にものを見せてやろうぞ」
おおおおおおおおおおお
「もしあのアカオニを倒すことができれば報酬を好きなだけくれてやる、じゃからあの鬼を倒すのじゃ」
おおおおおおおおおおお！！！！！！
数十人の兵はこの言葉を聴き士気をあげた。
兵たちが次々と森の中に侵入していく。
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舞台は再び洞窟。
・・・ん え・ん えーん
何やら子供の泣き声みたいのが聞こえてきた。
その声に気づき、目を開け始める友華。
「な、なんや・・・こども？」
「えーんえーん、父上ー母上ー！ えーんえーん・・・」
目を開けた友華の目の前には子供が泣いて座っていた。
その泣き声に反応したのか、アカオニ二人も起き始める。
「ふわーなんだい人が気持ちよく眠っているっていうのに」
「なんだ、昨日攫って来たガキか、何泣いてんだよ？」
「帰して、父上と母上の元に帰してよー、えーんえーん・・・・」
「なんだよもう父ちゃんと母ちゃんが恋しいのか？」
「心配すんな、お前は今日からあたいたちが可愛がってやるからさ」
「どうゆうこと、ひっく」
「つまりはこういうこと」
「んっ！？」
一人のアカオニが子供の唇を強引に奪う。
子供はジタバタと暴れるが所詮は子供の力、アカオニに適うわけもなく、そのまま貪られる。
「あ、朝から何してんねん」
「見てわかんないのか、どう見ても接吻してるだろ」
参加していないアカオニから当然の答えが返ってきた。
「いや見ればわかるがな、そないなこと聞いてるやなくて」
「まっなんでもいいじゃん、それよりもせっかくだからあたいたちもやらないか？」
「えっ！？い、いやわては遠慮させてもらいますわ」
「そんな遠慮するなよ、昨日酒を飲み交わした仲じゃねえか」
「そないなこといわれても」
「問答無用」
「っん！？」
友華に対して隣に居たアカオニが唇を奪い舌を入れてくる。
しばらく接吻をすること数分、ようやく唇が開放される。
「っん、ぷはあ」
友華の肺に新たに新鮮な空気が入ってくる。
「どうだい女同士の接吻も悪くないだろ」
「わての初めての接吻やのに・・・」
「おお、そいつはご馳走様、さて向こうも本番に入りそうだけど、どうする？」
そう言って子供とアカオニの方に親指を向ける。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ふふふ、敏感だな、どうだ乳首を苛められながら、チンポを弄られるのは？」
アカオニは胡坐をかき、全裸にひん剥いた子供を胡坐の上にのっけて左手で乳首を苛め、右手で子供の小さい生殖器をしごいていく。
「・・・んくっ・・・だ・だめ・・・や・やめて・・・」
「何言ってるんだい、こんなに乳首を起たせて、まだ皮がむけてない包茎チンポをこんなにビンビンに起たせてるんじゃ説得力がないぜ」
しゃべりながらもアカオニは子供を弄るのをやめない、全力ではないが確実に子供を快楽の絶頂に向かわせる弄り方だった。
「お、おねがい、お、おしっこ、させて・・・」
「おしっこかい？どうしようかな？」
「お、おねがい、します、な、なんでも、いうこと、き、きくから」
必死に懇願する子供。
その言葉を聴き、にやりと笑うアカオニ。
「いいよ、おしっこさせてやるよ」
そう言うとアカオニは子供を地面に寝かせ、左手で左乳首を弄り、舌で右乳首を舐めまわし、吸引する。
右手は絶頂に導くために先ほどとは比べ物にならない速度でしごきあげる。
「！？・・・・・が、ち、ちが！・・・んんんんんん！！！」
「さあ、白いおしっこビュッビュッと出しちまいな！」
「で、でるぅうううううううう！！！！！！」
ビクン！！ ビクン！ビクン！
子供の体がビクンと痙攣する。体を宙にうかせ快感を放出しようとしている。
しかし。
「なんだ、まだ精通してないのか、ちっさすがにまだ早かったか、だが可愛いからいいか」
アカオニの言うとおり子供の生殖器からは精液は放出されずにいた。
「はぁはぁ、はぁはぁ」
「なんだい、もう疲れたのか？だけど本番はこれからなんだからさしっかりしろよ」
子供はあまりの快感に頭が真っ白になりぼーっとしていた。
「ほら、あっちを見てみろよすんごいだろう今からああいうふうにあたいたちもなるんだから」
子供は言われるまま友華たちを見た。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ー
アカオニは全裸にした友華の後ろから、立派に熟した果実を右手で揉みしだき、左手は友華の秘部をなんどもこすりあげる。
首筋にしたを這わせ、耳を甘噛みする。そして貪るように接吻をする。
友華も負けじとアカオニの口腔を舌で犯して行く。
またも長い接吻が続き、唐突に離れる。
「さてそろそろ準備も出来たことだし、いよいよ本番と行こうか」
「とはいってもあんさん、女同士でどうやって本番にいくんや？」
「実はな、こういうものがあったりして」
そう言ってアカオニは腰布を外した。
そこには男子顔負けの太いものがそこにはあった。
あまりのことに驚愕を隠せない友華。
「な、なんでー！、アカオニさん、あんさん女の子やろ？なんでそないな立派なものが生えてんねん！」
「知るかよ。生まれたときからついていたんだ。だがようやく使う機会が訪れたぜ」
「えっ？」
「あたいは今まで使いたくても使えない状況が続いたからまだ童貞なんだ。姉貴は可愛い子しか相手にしないし、女を捕まえることも出来なかったからずっと童貞だったんだ。でもやっと卒業できる日がやってきたんだ。たっぷり相手してもらうから覚悟しろよ」
「・・・や、やっぱそろそろわてはおいとまさせてもらいたいんやけど・・・」
「ダーメ☆」
その瞬間アカオニの生殖器が友華の秘部を一気に貫いた。
「！？あああああああああああ！！！！！！」
友華の秘部から血が流れてきた。
「なんだ処女だったのか、ならお互いはじめて同士最後まで楽しもうぜ」
ズンズンとどんどん腰を振りはじめるアカオニ。
「あっ、あっああああ！！！ええ！！気持ちええよ！！！！！」
「すんげえこれが女の膣内、こんなに気持ちいいのか！！」
「もっと、もっと激しくついて！！！！！」
「こうか！！！！こうか！！！！！！」
お互いに我を忘れて、ひたすらに快感を貪りあう。
「わ、わて、い、イキそうや！！」
「あ、あたいもだ！イクときは一緒にな！」
さらに腰の動きを加速させる。
何度も体がぶつかる音が聞こえる。
「も、もうだめ！！！」
「あ、あたいもだ！！！」
「「イ、イックー！！！！！」」
ビクンビクンと互いに体を震わせ、イキ果てる。
「はあ、はあ、きもちよかったわー」
「あ、あたいもだ」
「あっちはどうなったやろう？」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「お姉ちゃん！僕もう！もう！」
「ほら！もうちょっとがんばんな！もう少しであたいもイケそうなんだから！」
子供がアカオニの秘部に小さい生殖器を一生懸命出し入れしている。
子供は先ほどから何回も果てているが、アカオニはその度に鼓舞して子供に腰を振らせる。
「いいぞ！！いいぞ！！もう少しがんばれ！！」
「お、お姉ちゃーん！！！」
「も、もう少し！イ、イクッーーー！！！！！！」
子供は精魂尽き果てたのか、そのままアカオニに倒れこむ。
アカオニも荒く息を吐きながらも倒れてきた子供をしっかりと抱え込む。
「お前はあたいの物だ。絶対に逃がさないからな」
「ぼ、僕はお姉ちゃんの、物なの？」
「ああ、絶対に離さないからな」
「でも父上と母上が心配してると思うからやっぱり・・・」
「さっき、何でも言うことを聞くと言っていただろう」
「あっ！」
「そういうこと、絶対に逃がさない」
ニカッと心底嬉しそうな表情を見た子供はそれ以上何も言えなくなってしまった。
強引だけどこのお姉ちゃんがとても好きになった自分がそこにいたからだった。
「そっちも終わったようやな」
「子供相手にずいぶんと激しくしたな」
「何言ってんだよ。お前も処女を相手に随分と荒っぽくしていたじゃないか」
「なにをー！」
「なんだよ！」
「まあまあお互い様ちゅうことで、そのへんにしときや」
「「チェッ」」
互いにそっぽを向く二人。
「さて、わてもそろそろおいとまさせてもらいますわ」
「なんだいもう行っちまうのかい？」
「もう少しゆっくりしていかないか？」
「お気持ちだけもろうておきますわ、ほなな」
そう言って洞窟から出ようとした瞬間。
異変に気づく友華。
「どうしたんだ？」
「洞窟の外から複数の殺気が感じられるんや」
「殺気？・・・・・・本当だ。小さいけどかなりの量の殺気だな」
「ああ」
友華に言われて、アカオニ二人も殺気に気づく。
「もしかして、あんさんらが攫って来たその子を取り戻しにきたんやないか？」
「どうやら、そうみたいだ」
「めんどくせーな」
「なあ、その子帰すわけにはいかへんのか？」
「冗談言っちゃ困るよあんた、あたいはこの子が気に入ったんだ。絶対に帰さないよ」
「まあ、姉貴の気持ちもわからなくはないかな」
「それやったら、まずその子の気持ちを聞いたらどうや？一緒に暮らしたいんなら、その子が決めへんと意味ないでー」
「ぼ、僕は」
「あたいと暮らせば、毎日気持ちよく過ごせるんだぜ。なっ、あたいと一緒に暮らそうぜ」
子供は困っていた。このアカオニたちと一緒に暮らしたいという気持ちとやっぱり父上と母上にも会いたいという気持ちがあったからだ。
「どうなんやボク？」
「僕お姉ちゃん達とも暮らしたい」
その言葉に笑顔になるアカオニ。
「だったら・・・」
「でも、父上と母上にも会いたい」
その言葉にアカオニは衝撃を受けた。
何よりも気に入った子供が心底悲しそうな表情をしていたから、自分でもどうしていいか分からなくなっていた。
「姉貴・・・」
「時間がないでー、どないするんや」
「・・・お前の好きにしな、お前があたいたちと暮らしたいならあたいたちは表の奴らを追っ払う、だけど帰りたいって言うなら・・・」
アカオニは震えていた。
本当は帰したくはない、だけどそれ以上にこの子が愛しい、だから必死に耐えているのだ。
「お姉ちゃん」
「どうするんやボク？」
「ぼ、僕は・・・」
言いかけたその時だった。
「見つけたぞ、アカオニじゃ！！！」
ついに見つけられてしまった。
「ぼ、僕みんなを説得してくる」
「だ、駄目だ。今行ったら」
時既に遅く、子供は駆け出していた。
アカオニ二人と友華も駆け出す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「みんな止まってください」
子供が奥に進んでくる兵に向かって、声をかける。
「おっ！、お前は町長の孫の三郎か？」
兵の先頭を歩くリーダー格の男が三郎に声をかける。
「はい、そうです」
「アカオニたちはこの奥にいるのかい？」
「います。でも」
「よーし野郎ども、アカオニを倒しに行くぞ」
「！？ま、待ってください」
「なんだい？ぼっちゃん」
「お姉ちゃんたちは何もひどいことはしていません。僕に戻ってもいいって言ってくれました。だから一緒に帰りましょう」
「そんなのはどうだっていいんですよぼっちゃん、あのアカオニたちを倒せば報酬がたんまりもらえるんですよ。ぼっちゃんが無事であろうとなかろうとアカオニを倒すことが最初から決まっているんです」
「そ、そんな」
「さあそうとわかったら退いてもらえますか、ぼっちゃん」
「い、嫌だ！！お姉ちゃんたちは何も悪くないんだ！！」
「何言ってんですか？あのアカオニたちは食料も酒も盗んでいく悪者ですよ、さらに言えばあなたもさらわれたんですよ」
「そうだけど、それでもお姉ちゃんたちは悪くないんだ！！」
「うるせえ餓鬼だな、めんどくせー殺しちまうか」
リーダー格の男は腰に挿した刀を抜く。
「でも親方殺したらまずいんじゃ」
「いいんだよ、アカオニに食われちまっていたといえば証拠は残らねえからな
俺たちが頼まれたのはあくまでアカオニ退治だ。問題はねえだろう？」
「そ、そうっスね」
「というわけだぼっちゃん退かねえと殺すぜ」
三郎に向けて刀をちらつかせるリーダー格の男。
「い、い、嫌だ」
目に涙を浮かべながらも退こうとしない三郎。
「なら、あばよ！！！！」
勢いよく振り下ろされる刀、三郎は怖くなり目をつぶった。
しかしいくら待っても、痛みがこないため三郎は恐る恐る目を開けた。
そこにいたのは刀を振りぬいた姿勢で立っている友華がいた。
そして刀を一振りして、鞘へと納めた。
チン ブッシャアアアア
収めた瞬間にリーダー格の男は胴体から切断され倒れこんだ。
「まったく下種やなーほんまに」
「お、親方！！！」
「あんさんら、この下種のようになりとうなかったらさっさと帰りいや」
のんきそうな雰囲気はどこへやら、そこには一流の剣客が纏うオーラを持った一人の女がいた。
その優しそうな目は凍てつくほどに冷たくなり、朗らかだった表情も刀のように研ぎ澄まされたものへと変貌していた。
「な、なんなんだお前は！？」
リーダー格の男の部下たちは突然の事態に困惑していた。
アカオニしかいないと思ったら、女剣客があらわれて親方を切り捨てたのだから。
「わては下種に名乗る名は持ち合わせておりまへんがな」
「さっきから、下種下種ってうるせーんだよ！！！いくぞ皆！！！！」
うおおおおおおおおお！！！！！！
「ここは」
「あたいたちに」
「「まかせな」」
ブオーン！！！！ グシャリ！！！！
襲いかかってきた兵たちをドデカイ棍棒で打ち返す二人のアカオニ。
「な、なんだってんだよ」
まだ十人ほど生き残っているうちの一人がつぶやいた。
「おまえら！！この子を傷つけようとしたんだ。覚悟できてるんだろうね！！」
三郎を愛していたほうのアカオニが正に鬼の形相で棍棒を構えていた。
「今の姉貴は怖いぞ、逃げるんなら今のうちだよ」
と妹のアカオニは逃げることを勧める。
「う、うわあああああ逃げるぞみんな！！！！」
うわああああああああああ！！！！！
アカオニを退治に来て、生き残った兵は全員尻尾を巻いて逃げて行った。
「大丈夫か！怪我はないか！」
「お姉ちゃん」
「馬鹿やろう！なんであんな無茶した！あそこで道をあけていれば、あんな危ない目にあわなかったのに」
「お姉ちゃんに怪我をしてほしくなかったんだ」
「！？お前・・・」
「お姉ちゃん僕やっぱり帰る」
「そ、そうか、わかった。元気でな」
「・・・でもまた遊びに来てもいいかな？」
耳を疑った。
「また来てくれるのか？」
「うん、また来たい」
信じられなかった。こんなに危ない目にあったのにまた会いたいだなんて、だが彼女の心は歓喜に打ち震えていた。
「・・・ああ、いつでも来い、お前が来るならもう二度とあの町をおそわねえよ」
「本当？」
「ああ、約束してやる」
「じゃあ、指きりげんまんしよう」
「ああ」
アカオニの小指と三郎の小指が合わさる。
「「指きりげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った」」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「またねーお姉ちゃん！！！」
「おう、またな！！！」
森の入り口で分かれるアカオニと三郎。
「あんなことされたのに、ええ子やな」
「ほんとだよ、攫って来たあたいがいうのもなんだけどさ」
「さーて、とりあえず戻るか。あんたにはちょっと世話になったな」
「何言うてまんの、お世話になったのはわても同じですわ。せやからこれはおあいこや」
「そうか。あんた次はどこに行くんだい？」
「う〜ん、ほんまはなあの子の町に行くつもりやったんやけど、兵を殺してもうたからな。別のとこに向かいますわ」
「そうか、なんだか面倒に巻き込んじまったし、餞別にこいつをやるよ」
そう言って取り出したのは小さい酒瓶だった。
「おおきに、それじゃお達者でなー」
「ああお前こそな」
「またいつか宴会しようなー！！！」
友華は酒瓶を肩からぶら下げながらのんきに道を歩いていくのだった。
つづく
11/09/21 19:33更新 / ミズチェチェ
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