元祖ロリ美巨乳VS本家ロリ巨乳
「ここがバトルクラブか〜」
バトルクラブの受付にあたる場所に一人の魔物娘がいた。
「う〜、なんだか物凄く場違いな気がするんだけれど気のせいかしら・・・はぁ〜なんでこうなったのかしら・・・」
物凄い勢いでそわそわしてため息を吐いているのはピクシーだった。
しかしただのピクシーではなかった。
人間の子供並の(約110cm)身長になっており一目で巨大化の魔法を使っている事が分かった。
ここまでならどこにでもいるピクシーなのだが、注目するのはとあるポイントだ。
それは『胸』が『巨乳』だということだった。
通常のピクシーでは滅多にお目にかかれない所謂ロリ巨乳という武器を持ったピクシーだったのだ。
とそんな説明はさておきどうやら彼女は自分がすごく場違いな場所に来たようでそわそわしているようです。
おまけにここには自分の意思で来たわけではなさそうです。
いったいどうしたのでしょうか?ちょっと声をかけてみましょうか。
おーいそこのピクシーさんため息をついていったいどうしたんですか?
「えっ?あんた誰?初対面の人にいきなり質問するなんて失礼よ!まずは名前を名乗るのが礼儀だと思うんですけど!」
あーこれは失礼、俺はチェチェというものです。今日はちょっと暇だったものでこのバトルクラブの観戦に来たのですよ。
「ふーん、あ、あたしはステラっていうの。よろしくね♪」
うん、よろしく。ところで何を落ち込んでいたんだい?
「・・・実は・・・」
−−−回想−−−
ステラー、ステラー
「ん?なーに?」
おお、ここにいたか。悪いんだけど取材に行って来てくれないか?
「ん?いったいどこに?またこの間見たく変なところに取材に行かせるわけじゃないよね?あの時は凄く大変だったんだからね(怒)」
・・・・・・それで今回の取材の場所だが
「普通に流された!?」
とある地方にある闘技場を取材してきて欲しいんだ
「闘技場・・・はっ!?まさかそこで実際に参加して体験取材をして来いって言う気じゃ・・・(汗)」
もう予約は済ませてあるから遠慮なく取材してこい
「ちょっと待ってよ!あたしがぜんぜん戦闘できないの知ってるよね!?それなのにあたしに戦いに行けって言うの!?」
これもすべてステラのためなんだ
「あたしのため?」
そうすべてはピクシーの不憫属性を排除するためなんだ。ステラには不憫属性を排除するという使命があったはずだろう?そのためにはいろんな作者様の作品にゲスト出演をして知名度をあげるしか方法は無いんだ。無理を言っているのは重々承知している、しかしそれでも俺はステラに活躍して欲しいんだ。たのむ!この通りだ!
「サイレント・・・わかったよ!あたしやってみるよ!」
おお分かってくれたかステラ!それじゃしっかり取材をするんだぞ!
「おおー!!・・・ってなんか急にノリが軽くならなかった?」
・・・キノセイデス
−−−回想終了−−−
「・・・というわけなの」
なるほどね
「はぁーほんとにあたしは戦闘に向いていないのに、こんな生きるか死ぬかの世界に放り込むだなんてどうかしてるわよ」
でも律儀にやって来てるじゃないか
「だって・・・それは、その」
そのサイレントっていう人のためだとしても、普通はこんなところには来ないよ。恐らく君はその人が好きだからこんな危険なところまで来たんじゃないのかい?
「うっ!(真っ赤)そ、そんなこと無いんだからね!!!こ、ここに来た!理由は!!!」
理由は?
「た、たまには、あ、あたしがしっかり銭湯もできる万能タイプだと!し、しっかり署名するためなんだから!ああああいつのためじゃないんだからね!!!」
お、落ち着いて(汗)慌てすぎて『戦闘』が『銭湯』とか『証明』が『署名』になって、お風呂屋さんを開くために署名活動に来た見たいになっちゃてるからね(汗)いや、でもなかなかいいツンデレが見れたな(笑)
「うっ、うっうっ」
えっ?
「うえーーーーーん!!!なんでこんなところでこんなわけの分からない人にこんな恥ずかしいことを言われなきゃなんないのよー!!!!!」
えー!?ご、ごめん!調子に乗りすぎた!!!謝るから許してくださいこの通りですから(土下座)
−−−数分後−−−
「ひっく・・・ぐず・・・ひっく」
とりあえずハンカチ使うかい?
「・・・(チーン)・・・ありがと」
まあ、お詫びっていっちゃあなんだけど良いこと1つ教えてあげるよ
「良いこと?」
このクラブではたしかに何でもありの殺し合いもやっているけど、他にもいろいろなルールの試合もあるんだ。例えばノーキルバトルっていう殺しを禁止としたバトルなんかがある
「ノーキルバトル?で、でもどの道武器は使用できるんでしょ?間違って殺しちゃうなんてことは無いの?」
まあ100%とは言えないけど、どれだけ本気を出しても死なないようにっていう工夫はされているよ
「工夫って?」
その辺はルール表(設定資料集)を参照してください
「丸投げした!?」
「おーい!・・・もしかしてそこにおるのはステラちゃんかのぉー!!!」
どうやら向かえが来たみたいだね、縁があったらまた会おうね
「あ、えーと、ありがとう!」
ふう、どうやらステラちゃんの気は紛れたようです。えっ?かき回したの間違いじゃないのかって・・・キノセイデス。さて私はナレーションに戻りますかね。
先ほど途中で声を掛けてきたのはご存知バトルクラブのレギュラーキャラの一人バフォメットのミレーヌである。
ミレーヌはテクテクとステラに近づいてゆく。
「いや〜待たせてすまんかったのぉ〜ちょっとばかり立て込んでおってのぉ」
「いえ、こちらこそラジオの取材協力に感謝します」
「ふむその件なんじゃが、本当にバトルの体験取材をするのかのぉ?素人にはかなり危険なんじゃが」
ミレーヌの瞳が真剣なものになり、まるで覚悟はあるのかと問う瞳をしていた。
「危険はある程度は覚悟をしています。けれどもやはりこういうのは実際に体験をしてみないとその物事の本質を伝えられないと思うから」
少しの沈黙の後ミレーヌはニッと笑った。
「ロリ巨乳を名乗るけしからんピクシーだと聞いておったがなかなかどうして良い覚悟じゃ、半端な覚悟なら止める気じゃったがそのジャーナリスト魂を認めて出場を許可するのじゃ」
「あ、ありがとうございます!・・・ってあれ?たしかミレーヌさんですよね?」
「おお、まだ名乗ってもおらんのに知ってるとはワシもだいぶ有名になったのぉ〜♪」
「ま、まあある意味で有名ですけど、そのミレーヌさんはバトルクラブの主って分けでもないのになんで出迎えもして出場の許可もしてるのですか?」
その質問をした瞬間笑顔が固まり急に黙りこくるミレーヌ。
「あれ、あたしなんかまずい事質問しちゃいましたか?」
「いや、ちょっと分けがあってのぉ〜(遠い目)」
「そ、そうですか(ちょっと気になるけど)そ、そうだ!あたしから話題を振っておいてなんですけど取材の方よろしいですか?」
「そ、そうじゃな。ちゃちゃっと取材に移ろうかのぉ〜」
そこからはバトルクラブの施設の説明、デルフィニアの紹介、僅かにバトルの観戦と実況を収録。
詳しく詳細を知りたければ設定資料集を参照してくれ♪ちなみに実況は脳内で適当に再生してほしい♪
「なんか、物凄く今大事な事を丸投げされた気がするわ」
「ん、気のせいじゃろう。さて次はいよいよバトルの体験取材じゃが、実況と収録はどうするのじゃ?」
「あ、どうしよう。さすがに戦いながら実況は無理だし」
「なんならワシが実況してやろうかのぉ〜」
「いいんですか?」
「うむ、どうせここまで付き合ったのじゃから最後まで付き合ってやるのじゃ」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃバトルについてなんじゃが、体験取材なんじゃからノーキルバトルに参加してもらおうと思っておるのじゃがそれでよいかの?」
「はい!おねがいします!」
「武器はレンタルになるが良いかの?」
「えっ!?そうなんですか?」
「うむ。さすがに殺傷能力の高い武器で戦われては死んでしまう可能性が増えるからのぉ〜」
「わかりました」
「では早速案内するかのぉ〜」
その後並んでいる列を素通りして主代行の権利と取材を盾に強引に割り込んでノーキルバトルの参加申し込みを行い控え室へと向かっていく二人の姿が目撃されたのは余談である。
−−−ノーキルバトル闘技場−−−
「・・・あの〜ミレーヌさん・・・」
「ん?なんじゃ?」
「一つ聞きたいことがあるのですがいいですか?」
「うむ、一つと言わずいくらでも質問をするといいのじゃ」
え〜現在彼女たちは闘技場にやってきて何か揉めているようです。
何を揉めているかといいますと・・・
「そうですか、では一つ聞きますけど・・・(スゥー)・・・何でこんな恥ずかしい格好をさせられているんですかあたし!!!」
「(ニカッ)案ずるでない・・・100%ワシの趣味じゃ!!!」
「最悪だぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
ステラちゃんが装備している防具もとい衣装についてだった。
その衣装は露出が非常に多く、というよりはほとんど水着に近いモノを着ていたのだ。
それもただの水着じゃない、スクール水着のような全体を隠すものではなく所々の秘部を隠すだけのもはやこれは水着っていうレベルじゃねーよと称されるほどの一品(所謂スリングショットと呼ばれる水着)。
おかげで肌の露出は凄まじく、特にステラが自慢の武器と称する巨胸は水着のおかげで乳首と乳輪はギリギリで隠れてはいるもののその回りの肌は全然隠されておらず物凄いエロい状態になっていた。
「何か意味があるのかと思ってこんな恥ずかしいのを我慢してこの格好をしたのに!!たかが趣味のためにこんな恥ずかしい思いをさせているんですか!!!」
「それだけではないぞ!その格好をする事によって兄様(男)を虜にすることが可能になるというおまけ付じゃぞ!」
「サイレント以外の人にそんな目で見られたくないわよ!!!」
「ならば、そのサイレントとやらが今おぬしの事を見ていると思えば良いではないか!!!」
「!?・・・サイレントが・・・(真っ赤)」
「とにかくじゃ、もう闘技場に出たのじゃ四の五の言わずにとっとといくのじゃ!」
「(まだ真っ赤)う〜なんか納得いかないけど・・・やるしかないか」
なんとか覚悟を決めたステラが闘技場の入り口から中央のリングへと向かっていく。
「えっ、リング・・・あのミレーヌさん?」
「なんじゃ?」
「なぜリングが?」
「???おお〜そうか!おぬしというよりは読者の皆様は初めて見るのじゃったな。いいじゃろうせっかくじゃから教えてやろう。このノーキルバトルはこのように四方をロープで囲んだリングの中で戦う事が前提としたバトルなのじゃ、ただし現代のボクシングのような4〜6mの狭いリングではなく、ド○ゴンボールの武舞台並の広さのリングじゃからたとえ魔法攻撃を放たれてもいきなり追い詰められる事も無いのじゃ!そしてロープの耐久力も強化してあるからのぉ〜例え1tの衝撃がかかろうが剣で切りつけようが炎で焼かれようが切れることはないのじゃ!!!」
「な、なぜにそんなに強度の高いロープを作ったんですか?っていうか材料はいったい何で作られているのですか?理論的にありえないですよその強度は」
「うむ!所謂ご都合主義というやつじゃ」
「さっきから思ってたんですが、なんで今回に限ってこんなにメタが多いんですか?なんか作者っぽい人は出るし、ミレーヌさんは読者に語りかけるし」
「うむ、うちの作者曰く『ステラちゃんにシリアスすぎる展開はあまりにも似合わないのでバトル以外はメタ発言ありのギャグ路線を目指してみよう』ということになったらしいのじゃ」
「し、失礼ね!あたしだってちゃんとシリアスな展開くらいいっぱい経験してるもん!」
「例えば?」
「うっ(汗)・・・・・・それは秘密!!!と、ともかく今からはじまるバトルであたしがシリアスな展開も担当できるって照明してみせるわ」
「シリアス場面のライト担当にでもなるつもりかのぉ〜」
「うっ(真っ赤)ちょっと字を間違えただけよ!もぉ〜こうなったら実際に見せ付けるしかないわね」
「そのセクシーな姿をかのぉ〜」
「バトルよ!バ・ト・ル!!!」
とステラがミレーヌにしばらくからかわれ続けていると・・・
「ミレーヌ様・・・そろそろ準備していただけませんかね(笑顔で怒)」
痺れを切らした審判のおっちゃんが笑顔で青筋を浮かべて警告の言葉を告げてきた。
「うっ・・・すまんのじゃ・・・い、いま準備をするから、そのような怖い顔はやめてくれんかのぉ(汗)」
「ならば早くしてくださいね」
審判のおっちゃんはそれだけいうと中央に戻っていく。
「こ、怖かった」
「う、うむわしも怖かったのじゃ」
「あの人どこかで見たことあるんですけど?」
「ああ、あやつはこの闘技場でもベテラン中のベテランでのぉ〜とことん中立の立場を取り公平なジャッジを下せる奴でのぉ〜」
「へ〜」
「この間も白いドラゴンが最後に暴走したのにもかかわらずビビルことなくその場に残り勝負を見届けた強者でもあるのじゃ」
「えっ、それってまさか・・・」
「うむ。詳しくは 『白燐のドラゴンVSインキュバス?』を見て欲しいのじゃ」
「うわ〜また丸投げの上にちゃっかり宣伝もしてるよ」
「そのうち設定資料集に設定をしっかり載せようって作者も息を巻いておったのじゃ」
「ふ〜ん」
「なんじゃ、つまらん反応じゃのぉ〜」
「これ以上付き合ってたら読者様にさっさとバトルしろ〜って怒られそうですので、それじゃ行ってきます。実況と収録お願いしますね」
「うむ、まかせるのじゃ」
−−−ここからはステラ視点とミレーヌの実況でバトルの展開を書いていきます−−−
『あー、あー、あーマイクテス、マイクテス、マイクテス、うむ調子は良いようじゃな。さてここからは実況のミレーヌがお送りするのじゃ。まずは我らが希望の星ピクシーのステラがリングインなのじゃ』
リングの外からミレーヌさんの実況が聞こえてくる。
どうやら真剣にやってくれるみたいね。ちょっと安心したわ。
それにしても今までいろいろなバトル小説は見たことはあったけど、こうやって自分が戦いの舞台に立つ事になるなんて小説を読んでいる時は考えた事も無かったわ。
まあ寸劇はやった事あるんだけどね。
とりあえず、これがあたしの初のガチバトルだから悔いだけは絶対に残さないようにしなくちゃね。
さてあたしの対戦相手はいったいどんな人なのかしら?
できれば弱い人だといいんだけどな。
『さてお次はステラの対戦相手の紹介じゃ!ふむどうやら資料によると相手はこのノーキルバトルの常連らしいのじゃ。戦い方は素手での戦闘を好むらしいのぉ〜相当の力自慢で今までの対戦相手のほとんどが病院送りになっておるのじゃ、いったいどのようなムキムキマッチョが出てくるのかのぉ〜」
リングの外からなんか不穏な台詞が聞こえてくるんだけど、あたし無事に帰れるのよねぇ?
『おっどうやら対戦相手らしき人物は既にリングにいるという情報じゃが・・・はて?いったいどこにおるんじゃ・・・あり?』
リングの中にいる?えーと今リングの中にいる人って3人よね?・・・ん?3人?
1人目 まずあたしのことね。
2人目 これは中央に陣取っているベテランの審判さんのことよね。
3人目 これはあたしの対角線上にいるホブゴブリンだね。
・・・・・・
「いつのまにか居たー!」
「何を言ってるのですか、彼女はさっきから君の事をずっと待っていたよ」
「えっ!?そうなの!?」
いけないいけない、どうやらかなりテンぱっていたようね。
てっきりラウンドガールか何かかと思っちゃてたわ。
っていうか、相手があたしにとっての最大の天敵!本家ロリ巨乳じゃない!
キッームカつくから睨みつけてやる! ギロッ
あっ、あたしの視線に気づいてこっちに来る。
トテトテトテ ツマッ ワタワタワタ コテン
あっこけた。あ〜なんか泣き出しそうな顔してるよ。
本当にいろんな対戦者を病院送りにしたのかしら?
「大丈夫あなた?」
「う〜、ぐす、だいじょうぶです」
「ならいいんだけど」
「あなたがルリリーのタイセンアイテですか?」
「ルリリー?それってあなたの名前?」
「は、はい!ルリリーはルリリーっていいます。コブンをやしなうためにがんばってるです〜」
「子分?」
「はいです〜あそこにいるですよ〜」
そういってルリリーは自分のコーナーを指をさした。
『おやぶん〜がんばれ〜』
『きょうもばっちりさぽーとするのだ〜」
『・・・がんばれ』
おお〜あんなところにゴブリンが3人もいる。
やっぱり親分子分の関係はかならずといって良い割合で1:3になるのかしら?
「えっとあたしの名前まだだったわね。あたしはステラ。『ステラのラジオ キラキラ☆星』っていうラジオ番組のパーソナリティーをやっているわよろしくね」
「えっ!?ほんもののステラさんですか?ルリリーはステラさんの大ファンです〜。あとでサイン欲しいです〜」
「いいけど」
な、なによ大ファンなんて言われたら嫌えないじゃない。
本家ロリ巨乳のくせに・・・ウ〜!!!
「こほん、そろそろ初めてもいいかな?」
「あっ。すいませんです〜」
「すいません」
「それではルールはもうわかってますね?」
「「はい(です〜)」」
「では各コーナーに戻ってください」
「ステラさん」
「ん?」
「ルリリーは・・・私は手加減出来ませんから」
「え?ええ、もちろんお互い全力で頑張りましょう」
何今の?一瞬あの娘が別人に見えた。・・・錯覚かしら?
「うむ?どうしたのじゃ?まるで何か胸につかえたような顔をしておるぞ」
「・・・なんか、あのルリリーって娘が急に別人に見えて」
「・・・ならば用心するとよいのじゃ」
「えっ?」
「ここは仮にもバトルクラブじゃ。参加者はほとんどが戦闘狂ばかりじゃからな、あのロリ巨乳とて例外ではなかろう。普段はおっとりとしておってもいざ戦闘のスイッチが入れば性格が変わる奴はごまんとおるからのぉ〜」
「じゃあ今のあの娘は」
「おぬしが感じた通り戦闘モードに入ったのじゃろう」
「戦闘モードか・・・」
何かしら?この不思議な高揚感は・・・ここに来るまではあたしは戦闘なんて無理なんて思っていたのに今は・・・
「まあおぬしの目もその戦闘モードとやらになっているようじゃがな」
すぐにでも戦いたい!
リング中央に目を向けると審判さんが両者を見比べて後ろに指示を出していた。そして・・・
カーン!!
試合開始の合図が鳴った。
あたしは手に持っている武器に力を入れて握りなおした。
ちなみにあたしが持っているのはレイピアに近い武器でショックスティックというのとラウンドシールドを装備している。
このショックスティックっていうのはレイピア使いの魔物用に開発されたものらしい。
通常のレイピアならそのまま刺し貫いてしまうがこのショックスティックは違う、何が違うかというとまず刺せない。どちらかという相手に触れることを前提に作られているため先っぽは十手みたいに丸くなっているのが特徴の一つ、
もう一つの特徴はこの金属部分に装備者以外が触れると初級雷魔法くらいの威力の電気が相手に伝わるようになっているんだって、レイピアの戦闘技術しか無いあたしにとってはまさにピッタリの武器だと思ってこれを選んだの。
うまくいけば感電させて気絶してくれるかもしれないからね。
さてまずは相手がどんな風に攻めてくるのかを調べなくちゃ、様子見は戦闘の基本だって聞いたことがあるのよ。
あれ?何このプレッシャー・・・・・・
あの娘と対峙しているだけでなんで汗がこんなに出るの?
『ゴングが鳴って両者がじわりじわり近づき様子を確かめ合ってるのじゃ・・・じゃがどうやらステラの方はプレッシャーに飲まれておるようじゃ』
この得たいの知れないプレッシャーがなんなのかは分からないけど・・・良く考えたら先に手を出した方がいいんじゃないかな・・・相手は素手だし、こっちは武器使ってるんだから先に攻撃した方が有利なんじゃないかな・・・
『む?ステラの様子が何やらおかしいのじゃ・・・まさか』
そうだよ、世の中には先手必勝って言葉もあるんだから先に手を出した方が絶対有利になるはず。そうだよ。いかなきゃ、いかなきゃ・・・
『よすんじゃ!馬鹿者!』
いけー!
あたしは自分の衝動に身を任せて地を蹴りだしその勢いのまま滑空してあの娘に向かっていく。
もう少しで攻撃できる範囲であの娘はまだ動いてもいない。
いまならあたしの攻撃だけが届く!
「くらえー!!!」
あたしはショックスティックを一直線に突き出し攻撃をしかける。
あと数センチで届く・・・はずだった。
グッ ダンッ
突然あたしの目の前にあの娘が、ルリリーが・・・左拳を固めて・・・
ズドン!
「ぐは!」
『くっ!馬鹿者めが・・・ルリリーの肝臓打ち(リバーブロー)がステラに決まったのじゃー!たまらず声をあげるステラ!おっと今度はくの字に折れたステラの顔面に手を掛けてこれは・・・顔面膝打ちの(カウロイ)体制じゃー!』
まずいまずいまずいまずいどうする!ええいこれならどうだ!
『おっとステラ当たる寸前に左手に装備していたラウンドシールドで攻撃を防いだのじゃ!』
「次はこっちの番よ!」
一発もらってしまったせいなのか少し動きが思いように感じるがそれのおかげで逆に頭がスッキリしてる。
先ほどは強い攻撃を当てようと無意識に大振りになっていたけど今度はもっとコンパクトにシャープに連続で突くわ。
『これはすごいのじゃ!先ほどの強烈な攻撃を受けて即座に立て直し、なおかつ反撃に出たのじゃ!それもさっきのような大きい一直線の攻撃ではなく連続で隙の少ない攻撃なのじゃ!・・・しかし、しかしよけているのじゃ!体を何度も振ってウィービングのみでその連続攻撃避けていくのじゃ!』
うそ!当たらない!?こんなに近くで突いているのになんで!?
ヒュン グッ ダンッ!
ま、また踏み込んできた。でもそのパターンはさっき見たわ!今度は空に一旦退避して【ビキッ】ウッ!・・・飛べない!羽が動かない!こうなったら防御するしかないわ!
ドガ!バキ! グググググ ヒュン バチン
し、しまった!あまりの強さに!
『盾が吹っ飛んだのじゃ!ステラ!最大のピンチなのじゃ!』
ガシッ
「ふふふふふ。捕まえたステラさん・・・出来れば早めになるべく怪我をしないように倒すつもりだったのですけど以外と粘られちゃいましたね〜」
「は、はなしてよ!」
「ステラさん、一つ提案があるんですけど聞きませんか?」
「て、提案?」
「簡単な話ですよ〜・・・降参してくれませんか?」
「!?」
「降参してくれれば〜これ以上痛い思いはしなくてすみますよ?」
「じょ、じょうだん」
「言っておきますけど〜断ったら潰しますよ(ニコッ)」
『どうしたことか!ルリリーがステラを羽交い絞めにしたまま微動だにしないのじゃ!』
「あと5秒いないに決めないなら〜交渉決裂ってことになりますからね〜」
「ご、5秒って!?」
「5〜4〜」
「ま、まって」
「3〜2〜」
ま、負けたくは無い!こうなったら・・・
「1〜」
【ライジングスパーク!】
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
「「きゃああああああああああ!!!!!」」
『これはステラが唱えた雷魔法がステラの中から発せられておるぞ!なんという無謀な魔法をつかうのじゃ!』
そうこれはあたし自身から雷を発する魔法。
以前雷魔法を自分の身に纏えないかと練習した時に偶然できた魔法だった。
だがこれにはリスクがある。
それは自分にもその雷の威力が襲ってくるというものだった。
しかしこのように、もし羽交い絞めにされたときにだったら使えるのでないかと密かに練習していた魔法だったのだけど本当に役に立つとはね。
でも、これつかうとあまり動けなくなるのが欠点なんだけどね。
「へ〜それが・・・ステラさんの答えなんだね」
「!?な、ん、で」
「ん?もしかして、自分の魔法で感電してるの?クスクス、本当にステラさんはドジですね〜私たちのようなバトルジャンキーにはこれくらいの雷は日常茶飯事なんですよ。さ〜てオイタをしたステラさんにはお仕置きをしなくっちゃ♪」
「や、やめ、て!」
「だ〜め♪」
『なんと!ルリリーはあの雷を受けても少ししかダメージを受けておらん様子じゃ!それに比べてステラは自分の雷で感電してかなり弱りきっておるぞ!』
「一応衝撃は少なめにしてみますけど〜・・・死なないでくださいね(二コッ)」
そういうとルリリーはあたしの顔を自分の爆乳で包み込みはじめたって・・・えっ!?
「もが!?もがが、もがが!!!」
「ふふふふふ。この技を男の人にやるとすんごい嬉しそうな顔をして気絶するんですよ〜じゃあ行きますね♪」
言葉が終わると同時に強く抱きかかえられて、慣れ親しんだ浮遊感に襲われたってまさかジャンプしてるの!?
『おっと!ルリリーがステラの顔を爆乳で包み込み空高く飛び上がったのじゃ・・・・・・なぜじゃ!なぜあやつらにあってワシには大きい胸がないのじゃ!!!!!』
「ふふふふふ。いくよ〜【フライングボディプレス】」
ヒューン・・・・・・・・・ズドン!!!
『決まったのじゃー!!!ルリリーの必殺技フライングボディプレスが炸裂したのじゃ!』
「どうですか?これが本物のバトルを知る者の攻撃ですよ〜」
『ステラはぴくりともうごかないのじゃ!これは決まってしまったのか!』
あ〜なんか気持ちいい・・・それに凄く眠たい・・・このまま寝れば楽になるのかな?ふふふふふ、やっぱあたしなんかじゃ本物のバトルジャンキーには勝てないんだな〜。
だったらもうあきらめちゃおうか・・・
あれ、でもあたし、何で、バトル、してたんだっけ。
なんだっけ?・・・・・・!?そうだ!あたしは・・・<ステラー>
・・・あたしは!<頑張れよ!>・・・あたしのために・・・サイレントのために!
「7・8」
「ま、まけられるか〜!!!」
『おお〜!!!起きたのじゃ!!!立った!ステラが立ったのじゃ!!!』
「まだやれるのか?」
「と、とうぜん、よ」
「・・・・・・次の攻撃を受けたら、ストップするからな」
「かまわ、ないわ」
「ファイト!!!」
「すごい〜あの攻撃を受けて立ったのはステラさんが初めてだよ〜少し加減したと言っても確実に気絶するだけの衝撃はあったとおもうんだけどな〜」
「ど、どのみち、つぎの攻撃で・・・(スゥー)・・・最後よ!!!」
「いいよ!次のステラさんの攻撃を私が耐えたら私の勝ち。耐えられなければステラさんの勝ち。これでいいんじゃない?」
「そうね・・・フルパワーでいくわよ!」
この技を本気で放つのっていつ以来かな?あれはたしか・・・サイレントが襲われていた時だっけ?
『な、なんじゃこの異様な魔力は?たかがピクシーの魔力と侮っておったがこれは・・・』
あれ?これ以上魔力を練り込めない。あっそうか確か巨大すぎる魔力は途中で止められるって書いてあったけ・・・まあいいか、とにかくこれで最後よ!
「またせたわね・・・これが、この闘技場で放てる、マックスパワーの、私の必殺技よ!」
「来い!」
【光の粒子よ、わが敵と成すものに光の矢を降り注ぎたまえ!ステラ・シャワー!!!】
詠唱を終えて魔法を唱えた瞬間、闘技場の天井付近に無数の光の矢が生まれ次々とルリリーに向かって降り注いでいく。
ヒューン・・・ドカドカドカドカドカドカッーン
降り注いだ光の矢はそのまま爆発を起こし、あたりいったいに強烈な爆風をおこしている。
さてどうなったかな?
『げほげほ!あの馬鹿者めがあんな上級魔法を使いおって!魔力を下げる魔方陣を展開しなければどうなっていると思ってるのじゃ!』
徐々に爆煙が晴れてきた。
「!?そんな・・・」
「へへへへへ、耐えちゃったもんね〜」
『なんとルリリーは耐えておったようじゃ!!!あの攻撃魔法に晒されても生きておるとはなんという耐久力をしておるんじゃ!!!』
ああ〜もうだめだ・・・サイレントあたしにはやっぱ無理だったよ。
「約束だもんね・・・あ、あたし、あたし・・・」
「勝者ルリリー」
「えっ?あ、あのあたしまだ・・・」
「タオルが入りました」
「えっ?」
タオルってもしかしてミレーヌさんが?
でも、ミレーヌさんは実況をしているから中立の立場のはずだし、いったい誰が?
あたしが自分のコーナーを見るとそこには。
「さ、サイレント・・・」
「ステラ・・・すまん。これだけ頑張ってくれたのに結局タオル投げちまったよ」
「どうして、ここに?」
「あんなこと言ったけど、やっぱり場所が場所なだけに心配でさ・・・」
「仕事は・・・たしか今日はラジオの収録準備があったはずじゃ」
「そんなもんどうだっていい。俺は仕事なんかよりステラの方が大事なんだ。
これ以上は傷つけたくはないんだ!」
「サイレント」
「ステラ」
「悪いと思ってるんなら後でサイレントの・・・頂戴ね」
「その前にしっかりと体を直したらな」
「うん♪」
【ヒューヒューヒュー】 【熱いぜこのやろう】 【そんなに大事ならしっかり抱きしめておけって】 【末永く幸せにな!】 【イイハナシダナー】
「ミレーヌ様ですね。この度は取材のご協力感謝いたします」
「何これも勤めじゃから気にするでない。それよりもしっかりとそやつのことを大事にしてやるんじゃぞ」
「はい、ありがとうございました。行こうかステラ」
「うん、あったしかね。このクラブに医療施設あるんだ。まずはそこにいこうよ」
「ああ」
「それでね・・・」
「ああ・・・」
「ふふふ、再びお互いの恋の絆が深まったということかのぉ〜たまには他人の恋愛模様を見るのも悪くはないのぉ」
こうしてあたしの初のガチバトルの収録は無事終わり、サイレントの気持ちを再確認することができました。
この収録いったいどうするのかな?
きっちり流すのかな?それともお蔵入りかな?
サイレントはどうする気なのかな?
まあどうでもいいか♪
この日闘技場では珍しくラブラブなカップルが仲良く闘技場から出て行くのを確認されたという。
ここはとある地下にある闘技場。
己のすべてをぶつけ合う場所。
一攫千金を狙える場所。
次なる挑戦者はいったい誰か。
TO BE CONTINUE
バトルクラブの受付にあたる場所に一人の魔物娘がいた。
「う〜、なんだか物凄く場違いな気がするんだけれど気のせいかしら・・・はぁ〜なんでこうなったのかしら・・・」
物凄い勢いでそわそわしてため息を吐いているのはピクシーだった。
しかしただのピクシーではなかった。
人間の子供並の(約110cm)身長になっており一目で巨大化の魔法を使っている事が分かった。
ここまでならどこにでもいるピクシーなのだが、注目するのはとあるポイントだ。
それは『胸』が『巨乳』だということだった。
通常のピクシーでは滅多にお目にかかれない所謂ロリ巨乳という武器を持ったピクシーだったのだ。
とそんな説明はさておきどうやら彼女は自分がすごく場違いな場所に来たようでそわそわしているようです。
おまけにここには自分の意思で来たわけではなさそうです。
いったいどうしたのでしょうか?ちょっと声をかけてみましょうか。
おーいそこのピクシーさんため息をついていったいどうしたんですか?
「えっ?あんた誰?初対面の人にいきなり質問するなんて失礼よ!まずは名前を名乗るのが礼儀だと思うんですけど!」
あーこれは失礼、俺はチェチェというものです。今日はちょっと暇だったものでこのバトルクラブの観戦に来たのですよ。
「ふーん、あ、あたしはステラっていうの。よろしくね♪」
うん、よろしく。ところで何を落ち込んでいたんだい?
「・・・実は・・・」
−−−回想−−−
ステラー、ステラー
「ん?なーに?」
おお、ここにいたか。悪いんだけど取材に行って来てくれないか?
「ん?いったいどこに?またこの間見たく変なところに取材に行かせるわけじゃないよね?あの時は凄く大変だったんだからね(怒)」
・・・・・・それで今回の取材の場所だが
「普通に流された!?」
とある地方にある闘技場を取材してきて欲しいんだ
「闘技場・・・はっ!?まさかそこで実際に参加して体験取材をして来いって言う気じゃ・・・(汗)」
もう予約は済ませてあるから遠慮なく取材してこい
「ちょっと待ってよ!あたしがぜんぜん戦闘できないの知ってるよね!?それなのにあたしに戦いに行けって言うの!?」
これもすべてステラのためなんだ
「あたしのため?」
そうすべてはピクシーの不憫属性を排除するためなんだ。ステラには不憫属性を排除するという使命があったはずだろう?そのためにはいろんな作者様の作品にゲスト出演をして知名度をあげるしか方法は無いんだ。無理を言っているのは重々承知している、しかしそれでも俺はステラに活躍して欲しいんだ。たのむ!この通りだ!
「サイレント・・・わかったよ!あたしやってみるよ!」
おお分かってくれたかステラ!それじゃしっかり取材をするんだぞ!
「おおー!!・・・ってなんか急にノリが軽くならなかった?」
・・・キノセイデス
−−−回想終了−−−
「・・・というわけなの」
なるほどね
「はぁーほんとにあたしは戦闘に向いていないのに、こんな生きるか死ぬかの世界に放り込むだなんてどうかしてるわよ」
でも律儀にやって来てるじゃないか
「だって・・・それは、その」
そのサイレントっていう人のためだとしても、普通はこんなところには来ないよ。恐らく君はその人が好きだからこんな危険なところまで来たんじゃないのかい?
「うっ!(真っ赤)そ、そんなこと無いんだからね!!!こ、ここに来た!理由は!!!」
理由は?
「た、たまには、あ、あたしがしっかり銭湯もできる万能タイプだと!し、しっかり署名するためなんだから!ああああいつのためじゃないんだからね!!!」
お、落ち着いて(汗)慌てすぎて『戦闘』が『銭湯』とか『証明』が『署名』になって、お風呂屋さんを開くために署名活動に来た見たいになっちゃてるからね(汗)いや、でもなかなかいいツンデレが見れたな(笑)
「うっ、うっうっ」
えっ?
「うえーーーーーん!!!なんでこんなところでこんなわけの分からない人にこんな恥ずかしいことを言われなきゃなんないのよー!!!!!」
えー!?ご、ごめん!調子に乗りすぎた!!!謝るから許してくださいこの通りですから(土下座)
−−−数分後−−−
「ひっく・・・ぐず・・・ひっく」
とりあえずハンカチ使うかい?
「・・・(チーン)・・・ありがと」
まあ、お詫びっていっちゃあなんだけど良いこと1つ教えてあげるよ
「良いこと?」
このクラブではたしかに何でもありの殺し合いもやっているけど、他にもいろいろなルールの試合もあるんだ。例えばノーキルバトルっていう殺しを禁止としたバトルなんかがある
「ノーキルバトル?で、でもどの道武器は使用できるんでしょ?間違って殺しちゃうなんてことは無いの?」
まあ100%とは言えないけど、どれだけ本気を出しても死なないようにっていう工夫はされているよ
「工夫って?」
その辺はルール表(設定資料集)を参照してください
「丸投げした!?」
「おーい!・・・もしかしてそこにおるのはステラちゃんかのぉー!!!」
どうやら向かえが来たみたいだね、縁があったらまた会おうね
「あ、えーと、ありがとう!」
ふう、どうやらステラちゃんの気は紛れたようです。えっ?かき回したの間違いじゃないのかって・・・キノセイデス。さて私はナレーションに戻りますかね。
先ほど途中で声を掛けてきたのはご存知バトルクラブのレギュラーキャラの一人バフォメットのミレーヌである。
ミレーヌはテクテクとステラに近づいてゆく。
「いや〜待たせてすまんかったのぉ〜ちょっとばかり立て込んでおってのぉ」
「いえ、こちらこそラジオの取材協力に感謝します」
「ふむその件なんじゃが、本当にバトルの体験取材をするのかのぉ?素人にはかなり危険なんじゃが」
ミレーヌの瞳が真剣なものになり、まるで覚悟はあるのかと問う瞳をしていた。
「危険はある程度は覚悟をしています。けれどもやはりこういうのは実際に体験をしてみないとその物事の本質を伝えられないと思うから」
少しの沈黙の後ミレーヌはニッと笑った。
「ロリ巨乳を名乗るけしからんピクシーだと聞いておったがなかなかどうして良い覚悟じゃ、半端な覚悟なら止める気じゃったがそのジャーナリスト魂を認めて出場を許可するのじゃ」
「あ、ありがとうございます!・・・ってあれ?たしかミレーヌさんですよね?」
「おお、まだ名乗ってもおらんのに知ってるとはワシもだいぶ有名になったのぉ〜♪」
「ま、まあある意味で有名ですけど、そのミレーヌさんはバトルクラブの主って分けでもないのになんで出迎えもして出場の許可もしてるのですか?」
その質問をした瞬間笑顔が固まり急に黙りこくるミレーヌ。
「あれ、あたしなんかまずい事質問しちゃいましたか?」
「いや、ちょっと分けがあってのぉ〜(遠い目)」
「そ、そうですか(ちょっと気になるけど)そ、そうだ!あたしから話題を振っておいてなんですけど取材の方よろしいですか?」
「そ、そうじゃな。ちゃちゃっと取材に移ろうかのぉ〜」
そこからはバトルクラブの施設の説明、デルフィニアの紹介、僅かにバトルの観戦と実況を収録。
詳しく詳細を知りたければ設定資料集を参照してくれ♪ちなみに実況は脳内で適当に再生してほしい♪
「なんか、物凄く今大事な事を丸投げされた気がするわ」
「ん、気のせいじゃろう。さて次はいよいよバトルの体験取材じゃが、実況と収録はどうするのじゃ?」
「あ、どうしよう。さすがに戦いながら実況は無理だし」
「なんならワシが実況してやろうかのぉ〜」
「いいんですか?」
「うむ、どうせここまで付き合ったのじゃから最後まで付き合ってやるのじゃ」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃバトルについてなんじゃが、体験取材なんじゃからノーキルバトルに参加してもらおうと思っておるのじゃがそれでよいかの?」
「はい!おねがいします!」
「武器はレンタルになるが良いかの?」
「えっ!?そうなんですか?」
「うむ。さすがに殺傷能力の高い武器で戦われては死んでしまう可能性が増えるからのぉ〜」
「わかりました」
「では早速案内するかのぉ〜」
その後並んでいる列を素通りして主代行の権利と取材を盾に強引に割り込んでノーキルバトルの参加申し込みを行い控え室へと向かっていく二人の姿が目撃されたのは余談である。
−−−ノーキルバトル闘技場−−−
「・・・あの〜ミレーヌさん・・・」
「ん?なんじゃ?」
「一つ聞きたいことがあるのですがいいですか?」
「うむ、一つと言わずいくらでも質問をするといいのじゃ」
え〜現在彼女たちは闘技場にやってきて何か揉めているようです。
何を揉めているかといいますと・・・
「そうですか、では一つ聞きますけど・・・(スゥー)・・・何でこんな恥ずかしい格好をさせられているんですかあたし!!!」
「(ニカッ)案ずるでない・・・100%ワシの趣味じゃ!!!」
「最悪だぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
ステラちゃんが装備している防具もとい衣装についてだった。
その衣装は露出が非常に多く、というよりはほとんど水着に近いモノを着ていたのだ。
それもただの水着じゃない、スクール水着のような全体を隠すものではなく所々の秘部を隠すだけのもはやこれは水着っていうレベルじゃねーよと称されるほどの一品(所謂スリングショットと呼ばれる水着)。
おかげで肌の露出は凄まじく、特にステラが自慢の武器と称する巨胸は水着のおかげで乳首と乳輪はギリギリで隠れてはいるもののその回りの肌は全然隠されておらず物凄いエロい状態になっていた。
「何か意味があるのかと思ってこんな恥ずかしいのを我慢してこの格好をしたのに!!たかが趣味のためにこんな恥ずかしい思いをさせているんですか!!!」
「それだけではないぞ!その格好をする事によって兄様(男)を虜にすることが可能になるというおまけ付じゃぞ!」
「サイレント以外の人にそんな目で見られたくないわよ!!!」
「ならば、そのサイレントとやらが今おぬしの事を見ていると思えば良いではないか!!!」
「!?・・・サイレントが・・・(真っ赤)」
「とにかくじゃ、もう闘技場に出たのじゃ四の五の言わずにとっとといくのじゃ!」
「(まだ真っ赤)う〜なんか納得いかないけど・・・やるしかないか」
なんとか覚悟を決めたステラが闘技場の入り口から中央のリングへと向かっていく。
「えっ、リング・・・あのミレーヌさん?」
「なんじゃ?」
「なぜリングが?」
「???おお〜そうか!おぬしというよりは読者の皆様は初めて見るのじゃったな。いいじゃろうせっかくじゃから教えてやろう。このノーキルバトルはこのように四方をロープで囲んだリングの中で戦う事が前提としたバトルなのじゃ、ただし現代のボクシングのような4〜6mの狭いリングではなく、ド○ゴンボールの武舞台並の広さのリングじゃからたとえ魔法攻撃を放たれてもいきなり追い詰められる事も無いのじゃ!そしてロープの耐久力も強化してあるからのぉ〜例え1tの衝撃がかかろうが剣で切りつけようが炎で焼かれようが切れることはないのじゃ!!!」
「な、なぜにそんなに強度の高いロープを作ったんですか?っていうか材料はいったい何で作られているのですか?理論的にありえないですよその強度は」
「うむ!所謂ご都合主義というやつじゃ」
「さっきから思ってたんですが、なんで今回に限ってこんなにメタが多いんですか?なんか作者っぽい人は出るし、ミレーヌさんは読者に語りかけるし」
「うむ、うちの作者曰く『ステラちゃんにシリアスすぎる展開はあまりにも似合わないのでバトル以外はメタ発言ありのギャグ路線を目指してみよう』ということになったらしいのじゃ」
「し、失礼ね!あたしだってちゃんとシリアスな展開くらいいっぱい経験してるもん!」
「例えば?」
「うっ(汗)・・・・・・それは秘密!!!と、ともかく今からはじまるバトルであたしがシリアスな展開も担当できるって照明してみせるわ」
「シリアス場面のライト担当にでもなるつもりかのぉ〜」
「うっ(真っ赤)ちょっと字を間違えただけよ!もぉ〜こうなったら実際に見せ付けるしかないわね」
「そのセクシーな姿をかのぉ〜」
「バトルよ!バ・ト・ル!!!」
とステラがミレーヌにしばらくからかわれ続けていると・・・
「ミレーヌ様・・・そろそろ準備していただけませんかね(笑顔で怒)」
痺れを切らした審判のおっちゃんが笑顔で青筋を浮かべて警告の言葉を告げてきた。
「うっ・・・すまんのじゃ・・・い、いま準備をするから、そのような怖い顔はやめてくれんかのぉ(汗)」
「ならば早くしてくださいね」
審判のおっちゃんはそれだけいうと中央に戻っていく。
「こ、怖かった」
「う、うむわしも怖かったのじゃ」
「あの人どこかで見たことあるんですけど?」
「ああ、あやつはこの闘技場でもベテラン中のベテランでのぉ〜とことん中立の立場を取り公平なジャッジを下せる奴でのぉ〜」
「へ〜」
「この間も白いドラゴンが最後に暴走したのにもかかわらずビビルことなくその場に残り勝負を見届けた強者でもあるのじゃ」
「えっ、それってまさか・・・」
「うむ。詳しくは 『白燐のドラゴンVSインキュバス?』を見て欲しいのじゃ」
「うわ〜また丸投げの上にちゃっかり宣伝もしてるよ」
「そのうち設定資料集に設定をしっかり載せようって作者も息を巻いておったのじゃ」
「ふ〜ん」
「なんじゃ、つまらん反応じゃのぉ〜」
「これ以上付き合ってたら読者様にさっさとバトルしろ〜って怒られそうですので、それじゃ行ってきます。実況と収録お願いしますね」
「うむ、まかせるのじゃ」
−−−ここからはステラ視点とミレーヌの実況でバトルの展開を書いていきます−−−
『あー、あー、あーマイクテス、マイクテス、マイクテス、うむ調子は良いようじゃな。さてここからは実況のミレーヌがお送りするのじゃ。まずは我らが希望の星ピクシーのステラがリングインなのじゃ』
リングの外からミレーヌさんの実況が聞こえてくる。
どうやら真剣にやってくれるみたいね。ちょっと安心したわ。
それにしても今までいろいろなバトル小説は見たことはあったけど、こうやって自分が戦いの舞台に立つ事になるなんて小説を読んでいる時は考えた事も無かったわ。
まあ寸劇はやった事あるんだけどね。
とりあえず、これがあたしの初のガチバトルだから悔いだけは絶対に残さないようにしなくちゃね。
さてあたしの対戦相手はいったいどんな人なのかしら?
できれば弱い人だといいんだけどな。
『さてお次はステラの対戦相手の紹介じゃ!ふむどうやら資料によると相手はこのノーキルバトルの常連らしいのじゃ。戦い方は素手での戦闘を好むらしいのぉ〜相当の力自慢で今までの対戦相手のほとんどが病院送りになっておるのじゃ、いったいどのようなムキムキマッチョが出てくるのかのぉ〜」
リングの外からなんか不穏な台詞が聞こえてくるんだけど、あたし無事に帰れるのよねぇ?
『おっどうやら対戦相手らしき人物は既にリングにいるという情報じゃが・・・はて?いったいどこにおるんじゃ・・・あり?』
リングの中にいる?えーと今リングの中にいる人って3人よね?・・・ん?3人?
1人目 まずあたしのことね。
2人目 これは中央に陣取っているベテランの審判さんのことよね。
3人目 これはあたしの対角線上にいるホブゴブリンだね。
・・・・・・
「いつのまにか居たー!」
「何を言ってるのですか、彼女はさっきから君の事をずっと待っていたよ」
「えっ!?そうなの!?」
いけないいけない、どうやらかなりテンぱっていたようね。
てっきりラウンドガールか何かかと思っちゃてたわ。
っていうか、相手があたしにとっての最大の天敵!本家ロリ巨乳じゃない!
キッームカつくから睨みつけてやる! ギロッ
あっ、あたしの視線に気づいてこっちに来る。
トテトテトテ ツマッ ワタワタワタ コテン
あっこけた。あ〜なんか泣き出しそうな顔してるよ。
本当にいろんな対戦者を病院送りにしたのかしら?
「大丈夫あなた?」
「う〜、ぐす、だいじょうぶです」
「ならいいんだけど」
「あなたがルリリーのタイセンアイテですか?」
「ルリリー?それってあなたの名前?」
「は、はい!ルリリーはルリリーっていいます。コブンをやしなうためにがんばってるです〜」
「子分?」
「はいです〜あそこにいるですよ〜」
そういってルリリーは自分のコーナーを指をさした。
『おやぶん〜がんばれ〜』
『きょうもばっちりさぽーとするのだ〜」
『・・・がんばれ』
おお〜あんなところにゴブリンが3人もいる。
やっぱり親分子分の関係はかならずといって良い割合で1:3になるのかしら?
「えっとあたしの名前まだだったわね。あたしはステラ。『ステラのラジオ キラキラ☆星』っていうラジオ番組のパーソナリティーをやっているわよろしくね」
「えっ!?ほんもののステラさんですか?ルリリーはステラさんの大ファンです〜。あとでサイン欲しいです〜」
「いいけど」
な、なによ大ファンなんて言われたら嫌えないじゃない。
本家ロリ巨乳のくせに・・・ウ〜!!!
「こほん、そろそろ初めてもいいかな?」
「あっ。すいませんです〜」
「すいません」
「それではルールはもうわかってますね?」
「「はい(です〜)」」
「では各コーナーに戻ってください」
「ステラさん」
「ん?」
「ルリリーは・・・私は手加減出来ませんから」
「え?ええ、もちろんお互い全力で頑張りましょう」
何今の?一瞬あの娘が別人に見えた。・・・錯覚かしら?
「うむ?どうしたのじゃ?まるで何か胸につかえたような顔をしておるぞ」
「・・・なんか、あのルリリーって娘が急に別人に見えて」
「・・・ならば用心するとよいのじゃ」
「えっ?」
「ここは仮にもバトルクラブじゃ。参加者はほとんどが戦闘狂ばかりじゃからな、あのロリ巨乳とて例外ではなかろう。普段はおっとりとしておってもいざ戦闘のスイッチが入れば性格が変わる奴はごまんとおるからのぉ〜」
「じゃあ今のあの娘は」
「おぬしが感じた通り戦闘モードに入ったのじゃろう」
「戦闘モードか・・・」
何かしら?この不思議な高揚感は・・・ここに来るまではあたしは戦闘なんて無理なんて思っていたのに今は・・・
「まあおぬしの目もその戦闘モードとやらになっているようじゃがな」
すぐにでも戦いたい!
リング中央に目を向けると審判さんが両者を見比べて後ろに指示を出していた。そして・・・
カーン!!
試合開始の合図が鳴った。
あたしは手に持っている武器に力を入れて握りなおした。
ちなみにあたしが持っているのはレイピアに近い武器でショックスティックというのとラウンドシールドを装備している。
このショックスティックっていうのはレイピア使いの魔物用に開発されたものらしい。
通常のレイピアならそのまま刺し貫いてしまうがこのショックスティックは違う、何が違うかというとまず刺せない。どちらかという相手に触れることを前提に作られているため先っぽは十手みたいに丸くなっているのが特徴の一つ、
もう一つの特徴はこの金属部分に装備者以外が触れると初級雷魔法くらいの威力の電気が相手に伝わるようになっているんだって、レイピアの戦闘技術しか無いあたしにとってはまさにピッタリの武器だと思ってこれを選んだの。
うまくいけば感電させて気絶してくれるかもしれないからね。
さてまずは相手がどんな風に攻めてくるのかを調べなくちゃ、様子見は戦闘の基本だって聞いたことがあるのよ。
あれ?何このプレッシャー・・・・・・
あの娘と対峙しているだけでなんで汗がこんなに出るの?
『ゴングが鳴って両者がじわりじわり近づき様子を確かめ合ってるのじゃ・・・じゃがどうやらステラの方はプレッシャーに飲まれておるようじゃ』
この得たいの知れないプレッシャーがなんなのかは分からないけど・・・良く考えたら先に手を出した方がいいんじゃないかな・・・相手は素手だし、こっちは武器使ってるんだから先に攻撃した方が有利なんじゃないかな・・・
『む?ステラの様子が何やらおかしいのじゃ・・・まさか』
そうだよ、世の中には先手必勝って言葉もあるんだから先に手を出した方が絶対有利になるはず。そうだよ。いかなきゃ、いかなきゃ・・・
『よすんじゃ!馬鹿者!』
いけー!
あたしは自分の衝動に身を任せて地を蹴りだしその勢いのまま滑空してあの娘に向かっていく。
もう少しで攻撃できる範囲であの娘はまだ動いてもいない。
いまならあたしの攻撃だけが届く!
「くらえー!!!」
あたしはショックスティックを一直線に突き出し攻撃をしかける。
あと数センチで届く・・・はずだった。
グッ ダンッ
突然あたしの目の前にあの娘が、ルリリーが・・・左拳を固めて・・・
ズドン!
「ぐは!」
『くっ!馬鹿者めが・・・ルリリーの肝臓打ち(リバーブロー)がステラに決まったのじゃー!たまらず声をあげるステラ!おっと今度はくの字に折れたステラの顔面に手を掛けてこれは・・・顔面膝打ちの(カウロイ)体制じゃー!』
まずいまずいまずいまずいどうする!ええいこれならどうだ!
『おっとステラ当たる寸前に左手に装備していたラウンドシールドで攻撃を防いだのじゃ!』
「次はこっちの番よ!」
一発もらってしまったせいなのか少し動きが思いように感じるがそれのおかげで逆に頭がスッキリしてる。
先ほどは強い攻撃を当てようと無意識に大振りになっていたけど今度はもっとコンパクトにシャープに連続で突くわ。
『これはすごいのじゃ!先ほどの強烈な攻撃を受けて即座に立て直し、なおかつ反撃に出たのじゃ!それもさっきのような大きい一直線の攻撃ではなく連続で隙の少ない攻撃なのじゃ!・・・しかし、しかしよけているのじゃ!体を何度も振ってウィービングのみでその連続攻撃避けていくのじゃ!』
うそ!当たらない!?こんなに近くで突いているのになんで!?
ヒュン グッ ダンッ!
ま、また踏み込んできた。でもそのパターンはさっき見たわ!今度は空に一旦退避して【ビキッ】ウッ!・・・飛べない!羽が動かない!こうなったら防御するしかないわ!
ドガ!バキ! グググググ ヒュン バチン
し、しまった!あまりの強さに!
『盾が吹っ飛んだのじゃ!ステラ!最大のピンチなのじゃ!』
ガシッ
「ふふふふふ。捕まえたステラさん・・・出来れば早めになるべく怪我をしないように倒すつもりだったのですけど以外と粘られちゃいましたね〜」
「は、はなしてよ!」
「ステラさん、一つ提案があるんですけど聞きませんか?」
「て、提案?」
「簡単な話ですよ〜・・・降参してくれませんか?」
「!?」
「降参してくれれば〜これ以上痛い思いはしなくてすみますよ?」
「じょ、じょうだん」
「言っておきますけど〜断ったら潰しますよ(ニコッ)」
『どうしたことか!ルリリーがステラを羽交い絞めにしたまま微動だにしないのじゃ!』
「あと5秒いないに決めないなら〜交渉決裂ってことになりますからね〜」
「ご、5秒って!?」
「5〜4〜」
「ま、まって」
「3〜2〜」
ま、負けたくは無い!こうなったら・・・
「1〜」
【ライジングスパーク!】
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ
「「きゃああああああああああ!!!!!」」
『これはステラが唱えた雷魔法がステラの中から発せられておるぞ!なんという無謀な魔法をつかうのじゃ!』
そうこれはあたし自身から雷を発する魔法。
以前雷魔法を自分の身に纏えないかと練習した時に偶然できた魔法だった。
だがこれにはリスクがある。
それは自分にもその雷の威力が襲ってくるというものだった。
しかしこのように、もし羽交い絞めにされたときにだったら使えるのでないかと密かに練習していた魔法だったのだけど本当に役に立つとはね。
でも、これつかうとあまり動けなくなるのが欠点なんだけどね。
「へ〜それが・・・ステラさんの答えなんだね」
「!?な、ん、で」
「ん?もしかして、自分の魔法で感電してるの?クスクス、本当にステラさんはドジですね〜私たちのようなバトルジャンキーにはこれくらいの雷は日常茶飯事なんですよ。さ〜てオイタをしたステラさんにはお仕置きをしなくっちゃ♪」
「や、やめ、て!」
「だ〜め♪」
『なんと!ルリリーはあの雷を受けても少ししかダメージを受けておらん様子じゃ!それに比べてステラは自分の雷で感電してかなり弱りきっておるぞ!』
「一応衝撃は少なめにしてみますけど〜・・・死なないでくださいね(二コッ)」
そういうとルリリーはあたしの顔を自分の爆乳で包み込みはじめたって・・・えっ!?
「もが!?もがが、もがが!!!」
「ふふふふふ。この技を男の人にやるとすんごい嬉しそうな顔をして気絶するんですよ〜じゃあ行きますね♪」
言葉が終わると同時に強く抱きかかえられて、慣れ親しんだ浮遊感に襲われたってまさかジャンプしてるの!?
『おっと!ルリリーがステラの顔を爆乳で包み込み空高く飛び上がったのじゃ・・・・・・なぜじゃ!なぜあやつらにあってワシには大きい胸がないのじゃ!!!!!』
「ふふふふふ。いくよ〜【フライングボディプレス】」
ヒューン・・・・・・・・・ズドン!!!
『決まったのじゃー!!!ルリリーの必殺技フライングボディプレスが炸裂したのじゃ!』
「どうですか?これが本物のバトルを知る者の攻撃ですよ〜」
『ステラはぴくりともうごかないのじゃ!これは決まってしまったのか!』
あ〜なんか気持ちいい・・・それに凄く眠たい・・・このまま寝れば楽になるのかな?ふふふふふ、やっぱあたしなんかじゃ本物のバトルジャンキーには勝てないんだな〜。
だったらもうあきらめちゃおうか・・・
あれ、でもあたし、何で、バトル、してたんだっけ。
なんだっけ?・・・・・・!?そうだ!あたしは・・・<ステラー>
・・・あたしは!<頑張れよ!>・・・あたしのために・・・サイレントのために!
「7・8」
「ま、まけられるか〜!!!」
『おお〜!!!起きたのじゃ!!!立った!ステラが立ったのじゃ!!!』
「まだやれるのか?」
「と、とうぜん、よ」
「・・・・・・次の攻撃を受けたら、ストップするからな」
「かまわ、ないわ」
「ファイト!!!」
「すごい〜あの攻撃を受けて立ったのはステラさんが初めてだよ〜少し加減したと言っても確実に気絶するだけの衝撃はあったとおもうんだけどな〜」
「ど、どのみち、つぎの攻撃で・・・(スゥー)・・・最後よ!!!」
「いいよ!次のステラさんの攻撃を私が耐えたら私の勝ち。耐えられなければステラさんの勝ち。これでいいんじゃない?」
「そうね・・・フルパワーでいくわよ!」
この技を本気で放つのっていつ以来かな?あれはたしか・・・サイレントが襲われていた時だっけ?
『な、なんじゃこの異様な魔力は?たかがピクシーの魔力と侮っておったがこれは・・・』
あれ?これ以上魔力を練り込めない。あっそうか確か巨大すぎる魔力は途中で止められるって書いてあったけ・・・まあいいか、とにかくこれで最後よ!
「またせたわね・・・これが、この闘技場で放てる、マックスパワーの、私の必殺技よ!」
「来い!」
【光の粒子よ、わが敵と成すものに光の矢を降り注ぎたまえ!ステラ・シャワー!!!】
詠唱を終えて魔法を唱えた瞬間、闘技場の天井付近に無数の光の矢が生まれ次々とルリリーに向かって降り注いでいく。
ヒューン・・・ドカドカドカドカドカドカッーン
降り注いだ光の矢はそのまま爆発を起こし、あたりいったいに強烈な爆風をおこしている。
さてどうなったかな?
『げほげほ!あの馬鹿者めがあんな上級魔法を使いおって!魔力を下げる魔方陣を展開しなければどうなっていると思ってるのじゃ!』
徐々に爆煙が晴れてきた。
「!?そんな・・・」
「へへへへへ、耐えちゃったもんね〜」
『なんとルリリーは耐えておったようじゃ!!!あの攻撃魔法に晒されても生きておるとはなんという耐久力をしておるんじゃ!!!』
ああ〜もうだめだ・・・サイレントあたしにはやっぱ無理だったよ。
「約束だもんね・・・あ、あたし、あたし・・・」
「勝者ルリリー」
「えっ?あ、あのあたしまだ・・・」
「タオルが入りました」
「えっ?」
タオルってもしかしてミレーヌさんが?
でも、ミレーヌさんは実況をしているから中立の立場のはずだし、いったい誰が?
あたしが自分のコーナーを見るとそこには。
「さ、サイレント・・・」
「ステラ・・・すまん。これだけ頑張ってくれたのに結局タオル投げちまったよ」
「どうして、ここに?」
「あんなこと言ったけど、やっぱり場所が場所なだけに心配でさ・・・」
「仕事は・・・たしか今日はラジオの収録準備があったはずじゃ」
「そんなもんどうだっていい。俺は仕事なんかよりステラの方が大事なんだ。
これ以上は傷つけたくはないんだ!」
「サイレント」
「ステラ」
「悪いと思ってるんなら後でサイレントの・・・頂戴ね」
「その前にしっかりと体を直したらな」
「うん♪」
【ヒューヒューヒュー】 【熱いぜこのやろう】 【そんなに大事ならしっかり抱きしめておけって】 【末永く幸せにな!】 【イイハナシダナー】
「ミレーヌ様ですね。この度は取材のご協力感謝いたします」
「何これも勤めじゃから気にするでない。それよりもしっかりとそやつのことを大事にしてやるんじゃぞ」
「はい、ありがとうございました。行こうかステラ」
「うん、あったしかね。このクラブに医療施設あるんだ。まずはそこにいこうよ」
「ああ」
「それでね・・・」
「ああ・・・」
「ふふふ、再びお互いの恋の絆が深まったということかのぉ〜たまには他人の恋愛模様を見るのも悪くはないのぉ」
こうしてあたしの初のガチバトルの収録は無事終わり、サイレントの気持ちを再確認することができました。
この収録いったいどうするのかな?
きっちり流すのかな?それともお蔵入りかな?
サイレントはどうする気なのかな?
まあどうでもいいか♪
この日闘技場では珍しくラブラブなカップルが仲良く闘技場から出て行くのを確認されたという。
ここはとある地下にある闘技場。
己のすべてをぶつけ合う場所。
一攫千金を狙える場所。
次なる挑戦者はいったい誰か。
TO BE CONTINUE
11/10/17 02:42更新 / ミズチェチェ
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