少年剣士VSリザードマン
ザワザワ・・・・・・・
それなりに広い部屋にたくさんの人がいろんな様子を見せていた。
恐怖を感じガチガチに体を振るわせる者、勝つんだと自分に自己暗示をかける者、体を動かしウォーミングアップをする者。
ここに居る者たちは皆、バトルクラブに出場する戦士たちだ。
バトルクラブに出場する者は大体が賞金を目当てにやってくる。
中にはただ強いやつと戦いたいという物好きも居るが、基本的には賞金目当てが多い。
バトルクラブは勝ち残ることさえできれば一攫千金が狙える場所だ。
誰もが一山当ててやろうと意気込んでやってくるが、中には借金返済のために無理やり出場させられる場合もある。
いわゆる強制労働ならぬ強制戦闘である。
さて前置きはともかくとして、そろそろ本日の主役にスポットライトを当てていこう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
先ほどの部屋の隅っこの椅子に一人の少年が座っていた。
少年の名はアレックス。
少年の側にはロングソードが立てかけられていた。
アレックスは両膝に肘を置き手を組んで、組んだ手に顎を乗せてかなり思いつめた表情をしていた。
その顔には何が何でも勝ちたいという文字が張り付いていた。
ガチャ・・ギーーー・・・・
突然控え室のドアが開いた。
ざわめいていた者たちは一斉に黙る。
「アレックス選手、試合の時間です。準備をしてください」
「・・・・・・はい」
アレックスはロングソードを持ち、係官についていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あちらが会場となっております。ご武運をお祈りしています」
「・・・・・・」
アレックスは無言で係員の横を通り抜けて会場に向かった。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
会場に入ると観客の歓声が響き渡っていた。
なぜ観客がいるかというと、観客は博打に来ているのだ。
対戦者を見てどっちが勝つのかを見極め賭け事を楽しんでいるのだ。
アレックスが到着すると既に対戦相手が立っていた。
対戦相手はどうやらリザードマンのようだった。
対戦者がそろった瞬間に司会の男性が喋り始めた。
「レディースアンドジェントルメン、お待たせいたしました。ただいまより本日の最終試合を行います。
皆様賭けの準備はよろしいですね?それではご紹介いたします。
青ゲートから登場いたしますわ、ロングソードを両手に戦う、少年剣士のアーーレックスーーーーー!!!!!!
続きまして紹介しますわ赤ゲートから登場しました。
リザードマンのアーールファーーーーー!!!!!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
会場のボルテージは最高潮をキープしていた。
しかし、そんな歓声をまったく気にしていないのか、両者は互いに睨み合ったまま動かない。
「さあ盛り上がってきたところで、そろそろ試合を開始したいと思います。
両者、準備はよろしいですかな?」
「私はいつでも」
「大丈夫です」
「それではいよいよ運命のゴングです。・・・・・・始め!!!!」
カッーン!!!
試合開始のゴングが鳴らされた瞬間互いに武器を抜いた。
アレックスは身の丈と同じくらいのロングソード。
アルファは・・・
「!?・・・その武器は」
「珍しいかな?この武器が」
アレックスが驚くのも無理はない。
アルファが取り出したのは二丁の拳銃だった。
通常リザードマンは接近戦を信条とするためもっぱら使う武器は剣や槍といった近中距離の武器を使うのだが、拳銃を使ってくるリザードマンは初めて見た。
「私も以前は剣や槍を使っていたよ。だが、それにも限界を感じていた。
元々私はリザードマンの中では珍しく近接戦闘が苦手だった、だが決して動くのが嫌いというわけではないのだ、ただパワーが他のりザードマンに劣っていたというだけでな。
だからこの武器を選んだ。この武器なら私の身体能力を存分に生かせるからな」
アレックスは黙って話を聞いていた。
しかし決して気は抜かず、相手の様子をじっくりとうかがっていた。
「そうですか、リザードマンにもそういうコンプレックスがあるんですね・・・さあそろそろいきますよ。どういう事情で出ているかは知りませんが僕は負けるわけにはいかない・・・・はあああああ!!!!!!!!!」
雄たけびをあげて、アレックスは飛び出した。
アルファもアレックスが飛び出したのと同時に拳銃を発砲した。
しかし、アレックスはジグザグに動き的をずらしていく。
パン!!!パン!!!パン!!!・・・・・・
会場には銃声が無数に響き渡った。
カチカチ・・・・・
「しまった!」
「もらった!!!」
ジグザグに動いていたのをやめ、アルファに突進していく。
ロングソードを構え一直線に走っていく。
そしてアレックスは高く飛んだ。
「大回転斬り!!!!!!」
自分の中で一番破壊力を持つ必殺技を叫ぶ。
空高く飛び縦回転をしながらアルファに近づきロングソードを振り下ろす。
「はあああああああああああ!!!!!!!」
しかし、アレックスは見た、ニヤリと笑っているアルファの姿を。そして、唐突にアルファは消えた。
「なっ!?」
アレックスのロングソードは地面にふかぶかと突き刺さってしまった。
「甘いな少年よ。いくら攻撃ができないといっても私には動く手段はまだあるのにそんな大技をだしてはかわしてくれといっているようなものだぞ」
アルファは話しながらも弾の補充をしていた。
「私が技の見本を見せてやろう」
「技だって!?、銃を使うやつに技なんてあるわけがない」
「だから甘いのだ少年よ、それではいくぞ・・・・無影銃殺(むえいじゅうさつ)」
その瞬間アルファは消えた。
「なっ!?消えた?」
パン!!!パン!!!パン!!!・・・・・・
どこからともなく連続で銃声が聞こえ、アレックスを襲う。
「うわ!?」
アレックスはギリギリで回避した。
「いったいどこから?」
アレックスはアルファの姿を探した。
しかしどこにも見当たらない。
カチャ・・・
後ろから銃を突きつける音が聞こえた。
「終わりだ少年、私も無駄に殺したくはない。降参するなら今だぞ」
「・・・・・・か・・・」
「なんだ?」
「誰が降参なんてするもんか!!!」
喋るのと同時にアレックスは頭を下げ、肘うちをかます。
「ぐふっ!」
パン!!!
食らった拍子に銃を撃ってしまった。
弾丸はアレックスの頭の上を通過していった。
アレックスは突き刺さっていたロングソードを力強く抜きそのまま攻撃した。
「食らえー!!!大回転斬り!!!!」
その勢いを利用して、そのまま横回転で斬りつけた。
「くっ!」
すかさずアルファは飛びのいた。
あと数センチのところをロングソードが通過していく。
「ふっ、どうやら私は君を甘く見ていたようだ。すまなかったね、お詫びに私も全力で行こう」
そういうとアルファは拳銃を一丁ホルスターにしまった。
「なぜ拳銃をしまうんですか?」
「私が本気を出すときは拳銃を一丁だけ使うそれだけの話さ・・・いくぞ」
それを聞きアレックスは静かに構える。
ダッ!!・・・
アルファは地を蹴りあっという間にアレックスの懐にもぐりこむ。
「くっ!?」
「逃がさん!」
そういうとアルファは胸倉をつかみ、逃がさないように力強く引っ張った。
強引に引き寄せそのまま膝蹴りを入れる。
「くはっ!!!!」
そしてそのまま頭部に肘うちを打ち込む。
「ぐわ!!」
そのまま倒れこむアレックス。
カチャ・・・・
「四肢抜き」
パン!!!パン!!!パン!!!パン!!!
「うわああああああ!!!!!・・・・あ・・ああ・・・」
アレックスは激痛に悲鳴をあげた。
それもそのはず、アルファは両手両足をいっぺんに打ち抜いたのだから。
「これで少年、君は動けない。これが最後の通告だ。降参しろ」
「はぁ・・・はぁ・・・い・いやだ・・」
「なぜだ?なぜそこまで命を掛ける。このままでは君は死んでしまうのだぞ」
「僕は・・・ここで・賞金を・・・手にして・・・おかあさんに・薬を・・・買ってあげたいんだ・・・はぁ・・・はぁ・・・だから負けられないんだ」
「なるほど、君が出場した理由は薬を買うためなのか・・・・・」
アルファは銃を構えたまま黙り込んでいた。
「だが私には関係のない話だな。降参しないなら殺すまでだ」
アルファが引き金をゆっくりと引いてゆく。
ギ・ギギ・・ギギギ・カチン
撃鉄が打ち込まれたが銃声は発生しなかった。
「・・・・・ふっ、はっはっはっはっは、どうやら弾切れのようだ。生憎私はこれ以上弾がないから君を殺す手段がなくなってしまったよ、審判!!私は棄権したいのだがいいか!!?」
「・・・・・・・・・き、棄権?よ、よろしいのですか?」
「ああ、構わん、武器がなくては戦えないからな私は棄権する!」
「・・・わかりました。勝負あり、勝者!!アレックス!!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
観客が一斉に声を出した。
「さて敗者は去るのみ、さっさと引き上げさせてもらうよ」
「ま・・まって・・・ください」
「何だ少年」
アレックスは係員に支えられた状態で引き上げようとするアルファを呼び止めた。
「な・・なぜ・・・撃たなかったん・・・ですか・・・」
「先ほども言っただろう、弾切れだから棄権したそれだけさ」
「しかし・・・もうひとつ・・・・・銃が・・あったはず・・・なぜそれを・・・使わなかったんですか」
「・・・・・言っただろう、弾切れだとそれ以上でもそれ以下でもない」
そういい捨てるとアルファは赤ゲートへと引き返していった。
こうしてアレックスは辛くも勝利を収め、ファイトマネーを掴むことができた。
そして、アレックスは痛む体に鞭を打って闘技場を後にしたのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここはとある地下にある闘技場。
己の全てをぶつけ合う場所。
一攫千金を狙える場所。
次なる挑戦者はいったい誰か。
TO BE CONTINUE
それなりに広い部屋にたくさんの人がいろんな様子を見せていた。
恐怖を感じガチガチに体を振るわせる者、勝つんだと自分に自己暗示をかける者、体を動かしウォーミングアップをする者。
ここに居る者たちは皆、バトルクラブに出場する戦士たちだ。
バトルクラブに出場する者は大体が賞金を目当てにやってくる。
中にはただ強いやつと戦いたいという物好きも居るが、基本的には賞金目当てが多い。
バトルクラブは勝ち残ることさえできれば一攫千金が狙える場所だ。
誰もが一山当ててやろうと意気込んでやってくるが、中には借金返済のために無理やり出場させられる場合もある。
いわゆる強制労働ならぬ強制戦闘である。
さて前置きはともかくとして、そろそろ本日の主役にスポットライトを当てていこう。
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先ほどの部屋の隅っこの椅子に一人の少年が座っていた。
少年の名はアレックス。
少年の側にはロングソードが立てかけられていた。
アレックスは両膝に肘を置き手を組んで、組んだ手に顎を乗せてかなり思いつめた表情をしていた。
その顔には何が何でも勝ちたいという文字が張り付いていた。
ガチャ・・ギーーー・・・・
突然控え室のドアが開いた。
ざわめいていた者たちは一斉に黙る。
「アレックス選手、試合の時間です。準備をしてください」
「・・・・・・はい」
アレックスはロングソードを持ち、係官についていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あちらが会場となっております。ご武運をお祈りしています」
「・・・・・・」
アレックスは無言で係員の横を通り抜けて会場に向かった。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
会場に入ると観客の歓声が響き渡っていた。
なぜ観客がいるかというと、観客は博打に来ているのだ。
対戦者を見てどっちが勝つのかを見極め賭け事を楽しんでいるのだ。
アレックスが到着すると既に対戦相手が立っていた。
対戦相手はどうやらリザードマンのようだった。
対戦者がそろった瞬間に司会の男性が喋り始めた。
「レディースアンドジェントルメン、お待たせいたしました。ただいまより本日の最終試合を行います。
皆様賭けの準備はよろしいですね?それではご紹介いたします。
青ゲートから登場いたしますわ、ロングソードを両手に戦う、少年剣士のアーーレックスーーーーー!!!!!!
続きまして紹介しますわ赤ゲートから登場しました。
リザードマンのアーールファーーーーー!!!!!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
会場のボルテージは最高潮をキープしていた。
しかし、そんな歓声をまったく気にしていないのか、両者は互いに睨み合ったまま動かない。
「さあ盛り上がってきたところで、そろそろ試合を開始したいと思います。
両者、準備はよろしいですかな?」
「私はいつでも」
「大丈夫です」
「それではいよいよ運命のゴングです。・・・・・・始め!!!!」
カッーン!!!
試合開始のゴングが鳴らされた瞬間互いに武器を抜いた。
アレックスは身の丈と同じくらいのロングソード。
アルファは・・・
「!?・・・その武器は」
「珍しいかな?この武器が」
アレックスが驚くのも無理はない。
アルファが取り出したのは二丁の拳銃だった。
通常リザードマンは接近戦を信条とするためもっぱら使う武器は剣や槍といった近中距離の武器を使うのだが、拳銃を使ってくるリザードマンは初めて見た。
「私も以前は剣や槍を使っていたよ。だが、それにも限界を感じていた。
元々私はリザードマンの中では珍しく近接戦闘が苦手だった、だが決して動くのが嫌いというわけではないのだ、ただパワーが他のりザードマンに劣っていたというだけでな。
だからこの武器を選んだ。この武器なら私の身体能力を存分に生かせるからな」
アレックスは黙って話を聞いていた。
しかし決して気は抜かず、相手の様子をじっくりとうかがっていた。
「そうですか、リザードマンにもそういうコンプレックスがあるんですね・・・さあそろそろいきますよ。どういう事情で出ているかは知りませんが僕は負けるわけにはいかない・・・・はあああああ!!!!!!!!!」
雄たけびをあげて、アレックスは飛び出した。
アルファもアレックスが飛び出したのと同時に拳銃を発砲した。
しかし、アレックスはジグザグに動き的をずらしていく。
パン!!!パン!!!パン!!!・・・・・・
会場には銃声が無数に響き渡った。
カチカチ・・・・・
「しまった!」
「もらった!!!」
ジグザグに動いていたのをやめ、アルファに突進していく。
ロングソードを構え一直線に走っていく。
そしてアレックスは高く飛んだ。
「大回転斬り!!!!!!」
自分の中で一番破壊力を持つ必殺技を叫ぶ。
空高く飛び縦回転をしながらアルファに近づきロングソードを振り下ろす。
「はあああああああああああ!!!!!!!」
しかし、アレックスは見た、ニヤリと笑っているアルファの姿を。そして、唐突にアルファは消えた。
「なっ!?」
アレックスのロングソードは地面にふかぶかと突き刺さってしまった。
「甘いな少年よ。いくら攻撃ができないといっても私には動く手段はまだあるのにそんな大技をだしてはかわしてくれといっているようなものだぞ」
アルファは話しながらも弾の補充をしていた。
「私が技の見本を見せてやろう」
「技だって!?、銃を使うやつに技なんてあるわけがない」
「だから甘いのだ少年よ、それではいくぞ・・・・無影銃殺(むえいじゅうさつ)」
その瞬間アルファは消えた。
「なっ!?消えた?」
パン!!!パン!!!パン!!!・・・・・・
どこからともなく連続で銃声が聞こえ、アレックスを襲う。
「うわ!?」
アレックスはギリギリで回避した。
「いったいどこから?」
アレックスはアルファの姿を探した。
しかしどこにも見当たらない。
カチャ・・・
後ろから銃を突きつける音が聞こえた。
「終わりだ少年、私も無駄に殺したくはない。降参するなら今だぞ」
「・・・・・・か・・・」
「なんだ?」
「誰が降参なんてするもんか!!!」
喋るのと同時にアレックスは頭を下げ、肘うちをかます。
「ぐふっ!」
パン!!!
食らった拍子に銃を撃ってしまった。
弾丸はアレックスの頭の上を通過していった。
アレックスは突き刺さっていたロングソードを力強く抜きそのまま攻撃した。
「食らえー!!!大回転斬り!!!!」
その勢いを利用して、そのまま横回転で斬りつけた。
「くっ!」
すかさずアルファは飛びのいた。
あと数センチのところをロングソードが通過していく。
「ふっ、どうやら私は君を甘く見ていたようだ。すまなかったね、お詫びに私も全力で行こう」
そういうとアルファは拳銃を一丁ホルスターにしまった。
「なぜ拳銃をしまうんですか?」
「私が本気を出すときは拳銃を一丁だけ使うそれだけの話さ・・・いくぞ」
それを聞きアレックスは静かに構える。
ダッ!!・・・
アルファは地を蹴りあっという間にアレックスの懐にもぐりこむ。
「くっ!?」
「逃がさん!」
そういうとアルファは胸倉をつかみ、逃がさないように力強く引っ張った。
強引に引き寄せそのまま膝蹴りを入れる。
「くはっ!!!!」
そしてそのまま頭部に肘うちを打ち込む。
「ぐわ!!」
そのまま倒れこむアレックス。
カチャ・・・・
「四肢抜き」
パン!!!パン!!!パン!!!パン!!!
「うわああああああ!!!!!・・・・あ・・ああ・・・」
アレックスは激痛に悲鳴をあげた。
それもそのはず、アルファは両手両足をいっぺんに打ち抜いたのだから。
「これで少年、君は動けない。これが最後の通告だ。降参しろ」
「はぁ・・・はぁ・・・い・いやだ・・」
「なぜだ?なぜそこまで命を掛ける。このままでは君は死んでしまうのだぞ」
「僕は・・・ここで・賞金を・・・手にして・・・おかあさんに・薬を・・・買ってあげたいんだ・・・はぁ・・・はぁ・・・だから負けられないんだ」
「なるほど、君が出場した理由は薬を買うためなのか・・・・・」
アルファは銃を構えたまま黙り込んでいた。
「だが私には関係のない話だな。降参しないなら殺すまでだ」
アルファが引き金をゆっくりと引いてゆく。
ギ・ギギ・・ギギギ・カチン
撃鉄が打ち込まれたが銃声は発生しなかった。
「・・・・・ふっ、はっはっはっはっは、どうやら弾切れのようだ。生憎私はこれ以上弾がないから君を殺す手段がなくなってしまったよ、審判!!私は棄権したいのだがいいか!!?」
「・・・・・・・・・き、棄権?よ、よろしいのですか?」
「ああ、構わん、武器がなくては戦えないからな私は棄権する!」
「・・・わかりました。勝負あり、勝者!!アレックス!!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
観客が一斉に声を出した。
「さて敗者は去るのみ、さっさと引き上げさせてもらうよ」
「ま・・まって・・・ください」
「何だ少年」
アレックスは係員に支えられた状態で引き上げようとするアルファを呼び止めた。
「な・・なぜ・・・撃たなかったん・・・ですか・・・」
「先ほども言っただろう、弾切れだから棄権したそれだけさ」
「しかし・・・もうひとつ・・・・・銃が・・あったはず・・・なぜそれを・・・使わなかったんですか」
「・・・・・言っただろう、弾切れだとそれ以上でもそれ以下でもない」
そういい捨てるとアルファは赤ゲートへと引き返していった。
こうしてアレックスは辛くも勝利を収め、ファイトマネーを掴むことができた。
そして、アレックスは痛む体に鞭を打って闘技場を後にしたのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここはとある地下にある闘技場。
己の全てをぶつけ合う場所。
一攫千金を狙える場所。
次なる挑戦者はいったい誰か。
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11/01/01 09:53更新 / ミズチェチェ
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