甘えん坊のお目覚め
フリッツとエレオノーラ姉妹がくんずほぐれつの宴を続けてどれほど時間がたっただろうか。
いつの間にか意識を失って眠っていたフリッツが目を覚ますと、カーテンからわずかに漏れた光が差し込んでいるのが見えた。
「ん…………あさ?」
目覚めと同時に、彼の鼻腔に甘いミルクの香りが漂ってくる。
そして、口にも心地よい甘い味が広がっている。
フリッツは…………セシリアとマノンに抱き枕のように抱きしめられながら仰向けに寝ていたようで、しかも寝ている間に無意識にセシリアの乳首を吸っていたようだった。
ぼやっとした頭は、しばらく何も考えられなくてぼーっとしていたが、唯一フリッツの男性器だけは、寝る前までの活躍を誇るようにピンと立ち上がっていたのだった。
「うぅ……そっか。僕、夜の間ずっとお姉さんたちとエッチしちゃってたんだ…………。それに、寝ている間もおっぱい吸ってたなんて…………はぁ、僕はいつになったら甘えん坊を卒業できるんだろう?」
親離れのために町を観光するはずが、別の甘える相手を見つけて依存してしまう自分自身に、フリッツは思わずあきれてしまい、ため息をついた。けれども、本能は正直なようで――――彼の目の前にいやでも目に入ってくる4つのきれいな桜色の突起と、フリッツの顔ほどもあるたわわな乳房を見ると、自然に吸い付きたい衝動にかられ、結局吸い付いて手でもんでしまう。
「ん……っ♥」
乳首を吸われたマノンは、まだ寝ているにもかかわらず艶やかな吐息を漏らし、ピクンと体を震わせて感じていた。
口の中に含んで舐る乳首の先端からは、夜の時と変わらず、甘い濃厚なミルクがピュッと吹き出し、暖かくて優しい味がフリッツの体を癒した。
(でも、ずっと甘えん坊でいるのも…………悪くないのかな?)
甘えん坊なのがダメなのは、ふつうの人間世界では子供もいずれ自立せねばならず、大人になれば自分の力で人生の荒波を渡っていかなければならないからだ。
だが、もしも好きなことをして甘えているだけでも生きていける世界があるとしたら……? それは確かに堕落した社会ではあるが、それでも人は幸せなのかもしれない。
フリッツはそんなことを思いながら、寝ている二人の乳首を交互になめて、湧き出る母乳の味を楽しんだ。
寝起きでぼんやりしていた頭が、時間がたつにつれて徐々にはっきりしてくると、母乳の味もセシリアとマノンでちょっと違うことにも気づき始める。
そして、気づき始めるといえば、フリッツが改めて部屋全体を見渡すと、夜になる前は気が付かなかったことがいろいろと見えてきた。
(あぁ………お姉さんたちがこのホテルが一押しだっていう気持ち、今なら本当によくわかる。部屋がとっても開放的で、家具の配置も、観葉植物の配置も、窓の大きさも、全部きちんと計算されているんだ…………)
生まれながらの商人であるフリッツは、すでにこの歳でホテルの間取りのさりげない完璧を見抜く審美眼があるようだった。
白を基調にした壁と黒を基調にした床のコントラストを中心に、主張しすぎないおしゃれな家具と、この空間に合う立派な大きなベッドを見事なバランスで配置しており、大きな窓はカーテンが閉まっていても、部屋を「ワクワクさせる」雰囲気を形成している。
部屋に入ったばかりのころのフリッツは、エレオノーラ姉妹の誘惑で気分がいっぱいいっぱいになってしまっており、エッチをすることへの期待で周囲の景色まで頭に入らなかった。
まだエッチな気分には変わりはないとはいえ、この状況に慣れてきた(開き直ったともいえるが)フリッツは、ようやく周囲の景色を楽しむ余裕が生まれたのだった。
「そういえば、窓の外は海だったっけ。昨日見た夕日が沈む海はきれいだったなぁ」
フリッツは、セシリアとマノンを起こさないようにそっとベッドから起き上がると、窓の横にある紐をカラカラと引いてカーテンを開けた。
薄暗かった室内に、青々と晴れ渡ったアル・マールの日差しが広がり、窓を開ければ潮騒の心地よい音と、海の風が舞い込んでくる。
地平線のかなたまで、青い海のじゅうたんが一面に敷き詰められ、周囲に立つ白亜の建物が、まるで額のようにアル・マールの景色を引き立てる。
そして、その美しい景色の中を大小の帆船と町のゴンドラが行き交っていて、アル・マールの町の活気がありありと見て取れた。
(父さんと母さんが、この街を選んでくれてよかった……。これからこの町に住んで、毎日を過ごすって考えただけで、本当にワクワクするねっ! …………、……そうだ、父さんと母さんに、お姉さんたちと一晩過ごしたことを報告しておこう。もしかしたら心配してるかもしれない)
窓から広がる景色を眺めつつ、フリッツはカバンにしまってあった連絡用の巻貝を手に取って、家族と連絡を取り始めた。
「母さん? おはよう、フリッツだよ」
『あらフリッツ! おはよ。ふふっ、その声を聴いてすぐわかるわ。昨日言っていたお姉さんたちと素敵な夜を過ごしたみたいね♪』
「あはは…………うん、その通りだよ。父さん母さんと離れて泊りだなんて初めてだったから緊張したけど……とっても楽しかった」
向こうから聞こえてくる母親の声もまた、何事もなく元気なようで、フリッツは一安心した。
『実はね、お母さんもお父さんと一緒に『ホテル』に泊まってみたの♪』
「えっ? 父さんと母さんも?」
『いい物件がいろいろありすぎて迷っちゃったから、一晩よく話し合って決めようと思ってねっ! それに、この国のホテルってすごいのね! フリッツがホテルに泊まるっていうからお母さんたちも入ってみたけど、すっかり気に入っちゃったわ♪ いっそここに住もうかと思ったくらい!』
「そ、そうなんだ……」
『でも、なんだかんだ言ってフリッツも楽しんだみたいでよかったわ。まあ、さすがに三日連絡がなかったから、ちょっとだけ心配だったけどね。お母さんたちもなんだかんだで子離れできてなかったのかもね♪』
「え!? み、三日ーーーーーーーっ!?」
フリッツは、母親の言葉にびっくり仰天し、危うく連絡用巻貝を落としそうになった。
(た、たしかに……お姉さんたちとエッチしてる時は、時間のことなんかすっかり忘れてたし、なんだか長い時間してたことは覚えてるんだけど………三日? う、うそでしょ? そんなに経ってたの!?)
てっきり一晩中まぐわっていたと思い込んでいたフリッツだったが、まさか三日間もホテルにいたなんてにわかには信じられなかった。
母親には一日で帰ると言ってしまっていたし、なによりホテルにも迷惑をかけているのではと思い、一気に焦りが生じてきてしまう。
『ふふふ、心配しないでフリッツ。好きな時に帰ってくればいいから。お父さんもお母さんも、フリッツのことは信じているもの。あ、でも、帰ってくるときには、絶対そのお姉さんたちも一緒にね♪』
「あ……ちょっと、母さん!?」
母親との連絡は、そこで終わった。
いつの間にか意識を失って眠っていたフリッツが目を覚ますと、カーテンからわずかに漏れた光が差し込んでいるのが見えた。
「ん…………あさ?」
目覚めと同時に、彼の鼻腔に甘いミルクの香りが漂ってくる。
そして、口にも心地よい甘い味が広がっている。
フリッツは…………セシリアとマノンに抱き枕のように抱きしめられながら仰向けに寝ていたようで、しかも寝ている間に無意識にセシリアの乳首を吸っていたようだった。
ぼやっとした頭は、しばらく何も考えられなくてぼーっとしていたが、唯一フリッツの男性器だけは、寝る前までの活躍を誇るようにピンと立ち上がっていたのだった。
「うぅ……そっか。僕、夜の間ずっとお姉さんたちとエッチしちゃってたんだ…………。それに、寝ている間もおっぱい吸ってたなんて…………はぁ、僕はいつになったら甘えん坊を卒業できるんだろう?」
親離れのために町を観光するはずが、別の甘える相手を見つけて依存してしまう自分自身に、フリッツは思わずあきれてしまい、ため息をついた。けれども、本能は正直なようで――――彼の目の前にいやでも目に入ってくる4つのきれいな桜色の突起と、フリッツの顔ほどもあるたわわな乳房を見ると、自然に吸い付きたい衝動にかられ、結局吸い付いて手でもんでしまう。
「ん……っ♥」
乳首を吸われたマノンは、まだ寝ているにもかかわらず艶やかな吐息を漏らし、ピクンと体を震わせて感じていた。
口の中に含んで舐る乳首の先端からは、夜の時と変わらず、甘い濃厚なミルクがピュッと吹き出し、暖かくて優しい味がフリッツの体を癒した。
(でも、ずっと甘えん坊でいるのも…………悪くないのかな?)
甘えん坊なのがダメなのは、ふつうの人間世界では子供もいずれ自立せねばならず、大人になれば自分の力で人生の荒波を渡っていかなければならないからだ。
だが、もしも好きなことをして甘えているだけでも生きていける世界があるとしたら……? それは確かに堕落した社会ではあるが、それでも人は幸せなのかもしれない。
フリッツはそんなことを思いながら、寝ている二人の乳首を交互になめて、湧き出る母乳の味を楽しんだ。
寝起きでぼんやりしていた頭が、時間がたつにつれて徐々にはっきりしてくると、母乳の味もセシリアとマノンでちょっと違うことにも気づき始める。
そして、気づき始めるといえば、フリッツが改めて部屋全体を見渡すと、夜になる前は気が付かなかったことがいろいろと見えてきた。
(あぁ………お姉さんたちがこのホテルが一押しだっていう気持ち、今なら本当によくわかる。部屋がとっても開放的で、家具の配置も、観葉植物の配置も、窓の大きさも、全部きちんと計算されているんだ…………)
生まれながらの商人であるフリッツは、すでにこの歳でホテルの間取りのさりげない完璧を見抜く審美眼があるようだった。
白を基調にした壁と黒を基調にした床のコントラストを中心に、主張しすぎないおしゃれな家具と、この空間に合う立派な大きなベッドを見事なバランスで配置しており、大きな窓はカーテンが閉まっていても、部屋を「ワクワクさせる」雰囲気を形成している。
部屋に入ったばかりのころのフリッツは、エレオノーラ姉妹の誘惑で気分がいっぱいいっぱいになってしまっており、エッチをすることへの期待で周囲の景色まで頭に入らなかった。
まだエッチな気分には変わりはないとはいえ、この状況に慣れてきた(開き直ったともいえるが)フリッツは、ようやく周囲の景色を楽しむ余裕が生まれたのだった。
「そういえば、窓の外は海だったっけ。昨日見た夕日が沈む海はきれいだったなぁ」
フリッツは、セシリアとマノンを起こさないようにそっとベッドから起き上がると、窓の横にある紐をカラカラと引いてカーテンを開けた。
薄暗かった室内に、青々と晴れ渡ったアル・マールの日差しが広がり、窓を開ければ潮騒の心地よい音と、海の風が舞い込んでくる。
地平線のかなたまで、青い海のじゅうたんが一面に敷き詰められ、周囲に立つ白亜の建物が、まるで額のようにアル・マールの景色を引き立てる。
そして、その美しい景色の中を大小の帆船と町のゴンドラが行き交っていて、アル・マールの町の活気がありありと見て取れた。
(父さんと母さんが、この街を選んでくれてよかった……。これからこの町に住んで、毎日を過ごすって考えただけで、本当にワクワクするねっ! …………、……そうだ、父さんと母さんに、お姉さんたちと一晩過ごしたことを報告しておこう。もしかしたら心配してるかもしれない)
窓から広がる景色を眺めつつ、フリッツはカバンにしまってあった連絡用の巻貝を手に取って、家族と連絡を取り始めた。
「母さん? おはよう、フリッツだよ」
『あらフリッツ! おはよ。ふふっ、その声を聴いてすぐわかるわ。昨日言っていたお姉さんたちと素敵な夜を過ごしたみたいね♪』
「あはは…………うん、その通りだよ。父さん母さんと離れて泊りだなんて初めてだったから緊張したけど……とっても楽しかった」
向こうから聞こえてくる母親の声もまた、何事もなく元気なようで、フリッツは一安心した。
『実はね、お母さんもお父さんと一緒に『ホテル』に泊まってみたの♪』
「えっ? 父さんと母さんも?」
『いい物件がいろいろありすぎて迷っちゃったから、一晩よく話し合って決めようと思ってねっ! それに、この国のホテルってすごいのね! フリッツがホテルに泊まるっていうからお母さんたちも入ってみたけど、すっかり気に入っちゃったわ♪ いっそここに住もうかと思ったくらい!』
「そ、そうなんだ……」
『でも、なんだかんだ言ってフリッツも楽しんだみたいでよかったわ。まあ、さすがに三日連絡がなかったから、ちょっとだけ心配だったけどね。お母さんたちもなんだかんだで子離れできてなかったのかもね♪』
「え!? み、三日ーーーーーーーっ!?」
フリッツは、母親の言葉にびっくり仰天し、危うく連絡用巻貝を落としそうになった。
(た、たしかに……お姉さんたちとエッチしてる時は、時間のことなんかすっかり忘れてたし、なんだか長い時間してたことは覚えてるんだけど………三日? う、うそでしょ? そんなに経ってたの!?)
てっきり一晩中まぐわっていたと思い込んでいたフリッツだったが、まさか三日間もホテルにいたなんてにわかには信じられなかった。
母親には一日で帰ると言ってしまっていたし、なによりホテルにも迷惑をかけているのではと思い、一気に焦りが生じてきてしまう。
『ふふふ、心配しないでフリッツ。好きな時に帰ってくればいいから。お父さんもお母さんも、フリッツのことは信じているもの。あ、でも、帰ってくるときには、絶対そのお姉さんたちも一緒にね♪』
「あ……ちょっと、母さん!?」
母親との連絡は、そこで終わった。
20/07/04 11:34更新 / ヘルミナ
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