お前は私の宝者だ!!
ザーザー
俺ことユウはそっと洞窟の出入り口から頭を出し、溜め息をついた。ここ数日空は泣きっぱなし泣き止む気配すらない。おまけにヒューヒューと風まで吹いている。「そんな中お宝探しに行くから風邪なんか引くんだぞ。」俺は洞窟の中に向けて言った。「う、うる、けほ、けほ、さい!!」咳をしながら必死に文句を言うこの洞窟の主。俺はまた溜め息をついて洞窟の中に入った。
洞窟の主、ドラゴンことサーシャの部屋(?)につくと、「どこに行って、けほ、けほ、いたんだ!この下僕!」いきなり下僕呼ばわりか!?1ヶ月前いきなり俺を拉致した分際で!?「その下僕って言うのやめろよな。」「下僕の、けほ、けも、分際で主に口応えするか!」この野郎調子に乗りやがって!
「そんなに下僕扱いしたいなら他を当たってくれ!俺は自分の家に帰る。」「え、そんな、けほ、けほ。」「じゃあな。」
……な〜んてね♪街に買い物に行くだけだよ。ちょっと灸を据えてやらないと。
雨の中傘を差して歩くこと30分やっと街についた。サーシャにお粥を食べさせたいから米とか買わないとな。他には………
雨が小降りになった頃やっと買い物が終わった。片手に荷物を持ちもう片手に傘を差して帰路につく。………洞窟の手前にある森についた時、ふとあるものが目に入った。近づいて行くとそれが何なのかすぐに分かった。俺は傘と荷物を投げ出して叫んだ。
「サーシャ!!」
俺はすぐに近づきサーシャを抱き起こした。「おい、しっかりしろよ!」「…」返事はない、でも微かだが呼吸はしている。すぐサーシャに自分の上着を羽織らせる。「待ってろ!すぐ洞窟に着くから!」俺はサーシャをおんぶし洞窟に向かって走った。
「死なないでくれ!サーシャ!」
[サーシャ side]
独りぼっちの寂しさを知ってる。独りぼっちつらさを知ってる。だから捕まえた。寂しさを埋めるため、つらさを紛らわすために。
捕まえた相手それがユウだった。
この1ヶ月間は宝探しから帰るのがすごく楽しかった。私が帰ると“おかえり”って言ってくれる彼がいたから。でも私はそんな彼に気恥ずかしさを感じていた。だから下僕だのと言ってしまっていた。
だから…なのかな。彼が出て行ったのは。全ては私のせい、でも、会えるならもう一度会い…たい…な。
ユ…ウ。
「…しゃ…さー…しゃ…サーシャ!」
え?この声って…ユウ?そう思った時私に光が差し込んできた。
[ユウ side]
俺はサーシャの手を握って名前を呼び続けていた。「サーシャ!サー、」「…聞こえてるよ。」やっとサーシャが目を開けた。「大丈夫か?何か食べられるか?」「大丈夫なわけないでしょ。…ユウが出て行っちゃったと思ったんだから。」あれ?サーシャってこんな口調だっけ?でもなんかこっちの方が可愛いな♪「ゴメン、ゴメン。サーシャが追いかけて来てくれるとは思わなかったから。」「…やっと見つけた宝物だし、それに、もう独りぼっちはヤダもん。」目に涙を溜めながら呟くサーシャ。…いくらドラゴンでも独りは寂しいのだろう。でも、そのプライドのせいで寂しいとかつらいなどのことを言えなかったに違いない。
…本当、バカだな。
「サーシャ。」「え、うわ!」
ぎゅ!俺はサーシャを抱きしめた。まだ少し冷たいサーシャの体温がどことなく心地良い。「サーシャ、寂しい時は言ってくれ、つらい時も言ってくれ、じゃないと分からない。」「何、言って…ん!?」
俺はサーシャにキスをした。
柔らかく弾力のある唇。最初は驚き戸惑っていたサーシャだったが少しずつ慣れたのか、俺の背中に手を回してきた。一分だったのかもしれないしあるいは十秒だったのかもしれない。それぐらい不思議な時間だった、サーシャとキスしている間は。
…どちらからともなくゆっくり唇を離した。「ん、はぁ、しちゃたね♪」「ああ、しちゃったな。」俺はもう一度サーシャを抱きしめ直す。「大好きだよサーシャ。」俺が言うと、サーシャはいつもの口調で、「ふふ、これでもうお前は私の物だ♪」そう言うと俺の胸に頭を埋めて囁いた。
「お前は私の宝者だ♪」
俺ことユウはそっと洞窟の出入り口から頭を出し、溜め息をついた。ここ数日空は泣きっぱなし泣き止む気配すらない。おまけにヒューヒューと風まで吹いている。「そんな中お宝探しに行くから風邪なんか引くんだぞ。」俺は洞窟の中に向けて言った。「う、うる、けほ、けほ、さい!!」咳をしながら必死に文句を言うこの洞窟の主。俺はまた溜め息をついて洞窟の中に入った。
洞窟の主、ドラゴンことサーシャの部屋(?)につくと、「どこに行って、けほ、けほ、いたんだ!この下僕!」いきなり下僕呼ばわりか!?1ヶ月前いきなり俺を拉致した分際で!?「その下僕って言うのやめろよな。」「下僕の、けほ、けも、分際で主に口応えするか!」この野郎調子に乗りやがって!
「そんなに下僕扱いしたいなら他を当たってくれ!俺は自分の家に帰る。」「え、そんな、けほ、けほ。」「じゃあな。」
……な〜んてね♪街に買い物に行くだけだよ。ちょっと灸を据えてやらないと。
雨の中傘を差して歩くこと30分やっと街についた。サーシャにお粥を食べさせたいから米とか買わないとな。他には………
雨が小降りになった頃やっと買い物が終わった。片手に荷物を持ちもう片手に傘を差して帰路につく。………洞窟の手前にある森についた時、ふとあるものが目に入った。近づいて行くとそれが何なのかすぐに分かった。俺は傘と荷物を投げ出して叫んだ。
「サーシャ!!」
俺はすぐに近づきサーシャを抱き起こした。「おい、しっかりしろよ!」「…」返事はない、でも微かだが呼吸はしている。すぐサーシャに自分の上着を羽織らせる。「待ってろ!すぐ洞窟に着くから!」俺はサーシャをおんぶし洞窟に向かって走った。
「死なないでくれ!サーシャ!」
[サーシャ side]
独りぼっちの寂しさを知ってる。独りぼっちつらさを知ってる。だから捕まえた。寂しさを埋めるため、つらさを紛らわすために。
捕まえた相手それがユウだった。
この1ヶ月間は宝探しから帰るのがすごく楽しかった。私が帰ると“おかえり”って言ってくれる彼がいたから。でも私はそんな彼に気恥ずかしさを感じていた。だから下僕だのと言ってしまっていた。
だから…なのかな。彼が出て行ったのは。全ては私のせい、でも、会えるならもう一度会い…たい…な。
ユ…ウ。
「…しゃ…さー…しゃ…サーシャ!」
え?この声って…ユウ?そう思った時私に光が差し込んできた。
[ユウ side]
俺はサーシャの手を握って名前を呼び続けていた。「サーシャ!サー、」「…聞こえてるよ。」やっとサーシャが目を開けた。「大丈夫か?何か食べられるか?」「大丈夫なわけないでしょ。…ユウが出て行っちゃったと思ったんだから。」あれ?サーシャってこんな口調だっけ?でもなんかこっちの方が可愛いな♪「ゴメン、ゴメン。サーシャが追いかけて来てくれるとは思わなかったから。」「…やっと見つけた宝物だし、それに、もう独りぼっちはヤダもん。」目に涙を溜めながら呟くサーシャ。…いくらドラゴンでも独りは寂しいのだろう。でも、そのプライドのせいで寂しいとかつらいなどのことを言えなかったに違いない。
…本当、バカだな。
「サーシャ。」「え、うわ!」
ぎゅ!俺はサーシャを抱きしめた。まだ少し冷たいサーシャの体温がどことなく心地良い。「サーシャ、寂しい時は言ってくれ、つらい時も言ってくれ、じゃないと分からない。」「何、言って…ん!?」
俺はサーシャにキスをした。
柔らかく弾力のある唇。最初は驚き戸惑っていたサーシャだったが少しずつ慣れたのか、俺の背中に手を回してきた。一分だったのかもしれないしあるいは十秒だったのかもしれない。それぐらい不思議な時間だった、サーシャとキスしている間は。
…どちらからともなくゆっくり唇を離した。「ん、はぁ、しちゃたね♪」「ああ、しちゃったな。」俺はもう一度サーシャを抱きしめ直す。「大好きだよサーシャ。」俺が言うと、サーシャはいつもの口調で、「ふふ、これでもうお前は私の物だ♪」そう言うと俺の胸に頭を埋めて囁いた。
「お前は私の宝者だ♪」
13/03/27 18:04更新 / 狐目の男