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聖都公報(ルマンド皇国・号外) 【悲報】主神の慈愛、地に墜つ ―― 慈父パルファム二世、凶刃に斃れる 犯人は魔都レスカティエの残党 機鎧技師を自称する男が自決 【聖都中央広場】 本日正午過ぎ、我らが導き手、教皇パルファム二世聖下が、北領からの避難民を視察中、暴徒の凶刃に倒れられた。主神の光を体現する聖下が、白昼堂々、最も慈悲深き振る舞いの最中に害されたことは、皇国千年の歴史において最大の屈辱であり、消えぬ傷痕となるだろう。 凄惨なる暗殺の瞬間 目撃者の証言によれば、聖下が幼子に祝福を授けようと歩み寄られた際、避難民に紛れていた男が突如として列を飛び出した。男は衣服に隠し持っていた歪な形のナイフを抜き、聖下の御身に深々と突き立てた。ナイフの刃には、魔界由来と思われる邪悪な猛毒が塗布されており、聖下の純潔なる血は瞬く間に黒く変色したという。 聖女らの祈り届かず 事態を受け、随行していた三人の聖女らが即座に治癒の奇跡(ヒール)を幾度も展開。聖域を眩い光が包み込んだが、毒の侵蝕はあまりに早く、聖女らが涙ながらに祈りを捧げる中、午後一時に聖下の崩御が確認された。 犯人は魔界の遺物、レスカティエの機鎧技師 犯人の男はその場で近衛騎士団によって取り押さえられたが、隠し持っていた毒を仰ぎ自決した。騎士団の初期捜査により、男はかつて魔界へと堕ち、人理を捨てた都市国家「レスカティエ」にて機鎧(マギ・アーマー)の整備に従事していた技術者であることが判明した。 魔界の毒を操る「レスカティエ」の残党が、なぜ聖域へと侵入し得たのか。枢密院は「これは信仰に対する宣戦布告である」と声明。現在、聖都全域に戒厳令が敷かれ、関係者の徹底的な洗い出しが行われている。 で?俺になんか用ですか? お前が無宗教なのは知っとる だからといって、教皇殺すほど馬鹿じゃないですよ 俺 皇国警察庁・職員身分掌票 氏名 Wolf Garfunkel 所属 皇国警察庁 対外課 第2資料室(室長) 年齢 35歳 通称『負け犬』 皇国警察庁・内部調査局 秘匿事項(閲覧制限:極秘) 現状: 監視対象(ランク:高) 皇国警察に拾われる以前の経歴は、血に塗れた「レスカティエ」の残照そのものである。 元はレスカティエ特高警察の精鋭であり、体制を維持するために同胞を狩る立場にあった。 「レスカティエ事変」当日: 都市国家が魔界へ墜ち、混沌が極まったあの日。彼は一度、安全な皇国領へと脱出に成功している。しかし、数日後、周囲の制止を振り切り、魔界の瘴気に包まれた「死の都」へ単身再突入した。 「家族殺し」の告白: 再帰還した際、彼は全身を返り血で染め、異様な笑みを浮かべていたという。取り調べに対し、彼はこう語っている。 「あぁ、綺麗さっぱり片付けてきたよ。魔物に転化した家族全員をな。俺のこの手で、一人残らず。……最高に愉快な気分だったぜギャハハハハハハハハ」 不気味な微笑(ヘラヘラした態度): その日を境に、彼はどんな深刻な状況下でも、常にニヤニヤとした薄笑いを浮かべるようになった。それは恐怖を麻痺させるための防衛本能か、あるいは真に精神が破綻した証拠なのか、判別はついていない。 ■ 疑惑:避難民不審死事件 聖都に逃げ延びたレスカティエ避難民のうち、かつて同国の「防衛結界」を管理・維持していた高位魔術師たちが、次々と不審な死を遂げている。 関与: 資料室に引きこもっているはずのウルフが、彼らの死亡推定時刻前後に現場付近で目撃されたという噂が絶えない。「負け犬」という通称は、彼を軽蔑する意味だけでなく、**「死肉を求めて同胞を嗅ぎ回る猟犬」**という忌避感も込められている。
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