一時のテンションに身を任せると大変なことになる一例
「あ、あのっ!ずっと前から好きでした!付き合ってください!」
OK。状況を整理しよう。
朝食後暇になる→そういえばゴブリンの商隊が来ていたな・・・→暇潰しに見に行く→特に欲しいものはなし&カップルばかりで超不快→帰ろ・・・→サキュバスの女の子から告白される(今ここ)
え?なにこれ?ドッキリとかじゃないよね?
「あの・・・どうかしましたか?」
心配そうに俺を見上げてくる少女。待て待て反則ですよチミィ。僅かに涙が浮かんだ目とか、萌え萌えな上目遣いとか、指を胸の前で組んだポーズとかマジ反則。レッドカード即退場。あ、でも退場しないで!
「いや気にしないで。俺でよければ、受けるよ」
ひゃっほう。さようなら年齢=彼女いない歴の俺。こんにちはリア充な俺。
悪いなシュガ!モテない男同盟は今日・・・、いや今この時を持って脱退じゃあ!
俺は一足先にリア充にならせてもらうぜ!
「お前かなり飢えてたんだな。軽く引いたわ」
え?なんと言いましたこの娘。いきなり口調が変わったよ?
「つかそうそうこんなシチュエーションないって。もう少し怪しみなって」
さっきまでのなよっとした少女だったものは、いたずらが成功したインプのようなにやにやとした笑みで此方を見ている。なんだろ、悪寒する。
「分かんね?オイラだよオイラ」
俺のことをよく知っているような口調。
つーかよく見ればこの娘初めて見た気がしないような。なーんか誰かに似てるような気がする。
って。
「お前シュガかあああ!」
「その通りだソルト!(グッ!)」
さよなら。リア充の俺。
「朝起きたらなんか体変だなーとは思ったんだよー。そしたら角やら羽根やら尻尾やら生えててさー、すっげーびびったんだよー」
「へ、へぇー・・・」
状況を整理しよう。(二回目)
一つ!俺、ソルト・ペッパーがサキュバスの少女から告白を受ける。
二つ!と思ったらそれはよく見知った友人、シュガ・ホーククロウだった。
そして三つ!「立ち話もなんだしお前ん家行こーぜ」と言われ、半ば強引に彼を家にあげてしまう。
こんなとこか。何でこんな纏め方したかって?別に意味はねぇよ。
「にしても、小父さん達はまだ出てるのかー」
「ああ、一人息子置いて何処にいるのやら」
俺の親は元冒険者だったらしい。俺が産まれてからは旅を止めてこの街で普通に暮らしてたんだが、どうも二人にはそれが性に合わなかったらしい。
家事諸々を詰め込むように俺に教え、俺が16になった日の翌日に「旅に出ます」という旨の手紙と、一人暮らしには十分過ぎる程のお金を置いて二人は忽然と姿を消していた。
毎月手紙と生活費が届くし、俺自身もバイトで幾らかの稼ぎがあるから生活に困ることはなく、心配もいらないわけだが、親としてどうかとは思っている。
「なあなあ、このあとどうする予定?」
ベッドに転がりながらシュガがそんなことを聞いてきた。お前は我が物顔でマイベッドを占領してんじゃない。言っても無駄だろうが。
「特にねーな。バイトも休みだし、家でゴロゴロしよーかと思ってた」
「不健康だな」
「うるせーよ」
コイツは何も変わっちゃいないな。ちょっと可愛い姿になったからって、コイツのノリっていうか雰囲気は全く同じだ。
「おし!運動しよう!」
「はあ?」
運動しようって、随分と抽象的な言い方だな。
飛び起きてベッドに腰掛けると。
「さあ、カモンソルト!」
「お前は何を言っているんだ」
「いや、だからさ」
そう言いながらシュガは自分の着ているシャツに手をかけながら、ショートパンツのベルトを手早く外す。
「気持ちいい運動しようぜ?」
「何ですと?」
え?なにこれ?俺誘われてんの?コイツに?
待て待て待て。いくら今のシュガが可愛い女の子みたいな姿をしてるからって、コイツは男だ。
童顔でちょっとすれば女に見えなくも無いかもしれないが、一緒に温泉に行った時は普通に男湯に入っていたし、道端にあったエロ本を二人で食い入るように見てた時なんて俺と同じ飢えた男そのものだった。更に言えば二人で出掛けた先で、カップルばかりだった時は共に妬みの言葉を呟いていたから、ホモってこともない!はず・・・。
そして俺も断じてホモじゃねぇ!確かに今のシュガはそこんじょそこらの女子より可愛くって、付き合うならこんな娘と付き合いたいなーとか思っちゃったりしてるけど俺はホモじゃねぇ!
「男とヤる趣味はねーよ!」
だから俺の突っ込みは的確なのだと、わかってもらえると思う。
「ぬっふっふっふっ」
にも関わらずコイツは退かない。なんだよ?モテなさすぎて男に走ったと?でその矛先は俺と?
これなんて悪夢?冗談じゃない!男にケツ捧げるなんて死んでも御免だわ!突っ込むのも御免だけどな!
「これを見てもソルトはそう言えるかな?」
シュガが手に掛けていたシャツを一気に脱ぐ。
そこには。
「お・・・お前っ・・・」
「ふははは、驚いたかこのやろう♪」
胸。おっぱい。魅惑の果実。
他にも色々言い様はあるが、そこには確かに「それ」が存在していた。男ならば絶対に存在しないはずの乳房が。
大きさは控えめだが、その尖ったピンク色の乳首は、彼が男なら絶対に存在しないはずのものだった。
「触りたいだろ?揉みたいだろ?舐めたいだろ?」
ニタニタしながら紡がれる言の葉に、俺の頭に靄がかかり始める。理性というものを覆い隠し、ただ欲望だけが俺の脳を支配していく。
「いいんだぜ?好きにしても」
ごくり。
唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
胸が高鳴る。呼吸が荒くなる。
触っていいのか?こいつの胸を?
揉んでいいのか?シュガのおっぱいを?
舐めていいのか?この女の果実を?
目の前にいるのは自分の悪友であり男だという認識は、すっかり蚊屋の外に追いやられていた。興味の赴くまま、肉欲のままゆっくりとその手を伸ばす。
俺の手がその果実に触れる。
「うあっ・・・」
鳴いた。微かな声だが俺の耳はしっかりとその声を捉えた。
その声が少しだけ残っていた俺の理性を刈り取った。
「ちょっ!ソ、はんっ!」
目の前の女を押し倒し、馬乗りになった状態でその胸を揉みしだく。柔らかすぎず、しかし固いわけではない「それ」は女日照りが長い男を魅了するには充分すぎた。
これは麻薬だ。手にした以上、絶対に手放せない。禁断の果実だったのだ。
「あっ!んっ!はっ!ひゃ!」
俺の下で女が喘ぐ。
ああ、なんて心地いいんだ。世の中のリア充どもはこんな光景をしょっちゅう見てたのか。けしからん。実にけしからん。
麗しい女性が自分の手によって下品な声を漏らし、乱れる。それは何とも心地よい感覚。自分がこの女を乱れさせている事実が、俺を更なる興奮へと導く。
「はっ・・・、そ、ソルトォ・・・」
涙を浮かべ俺を見上げる女。
もう俺の中には、こいつが親友だとか男だとかという考えは吹き飛んでいた。今、俺の目の前にいるのは女。それも俺を誘ってきたんだ、どんな目に逢わされても仕方ないよな?
「あむ」
「うひゃあっ!」
ピンク色の乳首を口に含む。そのまま転がすようになめ回す。
「ひゃん♪あはっ♪んんっ♪」
甘噛みしてみたり、そのまま軽く引っ張ってみたり。
「おほっ♪えひゃっ♪うひゃっ♪」
止めとばかりに強く吸ってみる。
「おひょおぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・♪」
顔を歪ませまくった、所謂アへ顔をさらしながらこいつはイった。体を逆海老反りにして見事なイキ様を晒してくれた。
俺の下で荒い息をつく女。そういえばこいつばかり気持ちよくなって俺は何もしてもらってないな。これはいけない。
「おい」
「ソルトォ・・・、勢いつきすぎだって・・・」
「脱げよ」
「え・・・?」
女の顔がひきつる。困惑しているようにも見える。だが何度でも言ってやる。誘って来たのはあっちだ。故にどんな目に合っても文句は言えないはず。だから俺は悪くない。
「さっさと脱げって言ってんだよ!」
「ひゃああああ!!」
ベルトを既に外していたパンツは驚くほど簡単に脱がすことが出来た。その下の男物の下着も強引に剥ぎ取る。そこには。
「み、見るな見るなぁ!」
ぬらぬらと透明の光沢を放つ肉のクレバス。周囲に毛の一つもないそれは、淫らでありながらもとても美しかった。
尻尾で陰部を隠そうとするが、性器と乳房のどちらを隠すか狼狽えている間にその先がハートのようになっている尻尾を掴み、彼女の体の下に無理矢理押し込む。結果、俺に全てをさらけ出したまま組み伏せられる形になった。
「ま、待てってソルト。オイラさすがにそこまでやる気は・・・」
「黙れ」
うだうだと御託を並べる彼女を一蹴する。組み敷いたままズボンを下にずらしていく。
「ちょっ・・・何でそんな熱り立ってっ・・・!」
さっきからずっと我慢していた。こいつの乱れ具合を見たときから俺のブツはこれ迄にないくらい硬くそそり立っていた。
暴れだす未知の力とでも言えるだろうか。正直自分でもここまでになったのは見たことがなかった。
尤も、この時の俺にはそんなことを考える理性なんて残っちゃいなかったのだが。
「お、おい。止めろって。頼むから。落ち着いてくれよ。な?な?」
涙目で引き笑いをして必死に懇願する彼女。だが。
(そんな顔しやがって。本当はして欲しくてしょうがない癖に)
肉欲に支配され切った俺には、そんな考えしかなかった。
「あ・・・ひぃ・・・」
狙いを定め。
一気に腰を落とした。
「くあああああああ!」
「はああああああん!」
俺のモノに絡みついてくる無数の感覚。ただ入れただけというのに、もう射精してしまいそうだ。静止している状態にも関わらず、こいつの膣内はやんわりとモノを締め付け続け、決して萎えさせることを許さない。
「ああああああ・・・」
半ば放心したように無意味な音を発し続ける物体を無視し、ぼんやりと考える。
(動いたらどうなっちまうんだこれ?)
少しだけ。
少しだけ。
ずり。
「っっっっっ!!」
「はあああっ!!」
どぷっ。どぷぷぷぷ。
甘く見ていた。
動いた瞬間、これ迄より格段に上位の快感に襲われる。ダムが決壊するかのように俺の股間の括約筋は、緊張を途切れさせてしまった。結果、こいつの中に大量の精液を注ぎ込んでしまうのだった。
途端にのし掛かる疲労感。そして。
(何やっちまってんだ俺ぇぇぇぇ!)
一発出したことで冷静さが戻ってくる。そしてやっと気づいた。
(や、やっちまった・・・)
俺の脳裏に浮かぶ、強姦・逮捕・豚箱のコンボ。しかも親友を犯しちまったとか、剰え中出ししちまったとか、俺はパニック寸前だった。
「あのー・・・シュガ・・・さん?」
内心穏やかな精神状態とは言い難かったが、なんとか心を落ち着け、臥せったままのシュガに恐る恐る声をかける。
ぶっちゃけガチで切れられてもしょうがないのだが、正直に謝ったら許してもらえるかなーという、淡い期待を胸にシュガの言葉を待つ。
ぼんやりとした眼が俺の姿を捉える。そしてゆっくりとその口が開かれる。
「あはぁ・・・♪ソルトォ・・・♪もっとしてぇ・・・♪」
その先のことは敢えて語らないでおこう。
ただ一つ言っておくならば、「俺は再び野獣になった」。
「とまあ、こんな感じの初体験だったな、うん」
「うわー、パパったらごーいーん♪」
「いやはや、あの時はホント激しかったなあ・・・」
「うーん、私もそんな風にされてみたいなあ・・・」
「お前は何を教えとるんだあああ!!」
「おう、帰ったかマイダーリンよ。今オイラ達の馴れ初めの話をしていたのだ」
「だからってヤったことまで赤裸々に語ってんじゃねーっ!」
「大丈夫だ、問題ない!(グッ!)」
「問題しかないわアホ!」
十年後。そこには魅惑的な体のアルプを嫁にして、色事に興味津々な一人娘を持った俺の姿があったのだった。
OK。状況を整理しよう。
朝食後暇になる→そういえばゴブリンの商隊が来ていたな・・・→暇潰しに見に行く→特に欲しいものはなし&カップルばかりで超不快→帰ろ・・・→サキュバスの女の子から告白される(今ここ)
え?なにこれ?ドッキリとかじゃないよね?
「あの・・・どうかしましたか?」
心配そうに俺を見上げてくる少女。待て待て反則ですよチミィ。僅かに涙が浮かんだ目とか、萌え萌えな上目遣いとか、指を胸の前で組んだポーズとかマジ反則。レッドカード即退場。あ、でも退場しないで!
「いや気にしないで。俺でよければ、受けるよ」
ひゃっほう。さようなら年齢=彼女いない歴の俺。こんにちはリア充な俺。
悪いなシュガ!モテない男同盟は今日・・・、いや今この時を持って脱退じゃあ!
俺は一足先にリア充にならせてもらうぜ!
「お前かなり飢えてたんだな。軽く引いたわ」
え?なんと言いましたこの娘。いきなり口調が変わったよ?
「つかそうそうこんなシチュエーションないって。もう少し怪しみなって」
さっきまでのなよっとした少女だったものは、いたずらが成功したインプのようなにやにやとした笑みで此方を見ている。なんだろ、悪寒する。
「分かんね?オイラだよオイラ」
俺のことをよく知っているような口調。
つーかよく見ればこの娘初めて見た気がしないような。なーんか誰かに似てるような気がする。
って。
「お前シュガかあああ!」
「その通りだソルト!(グッ!)」
さよなら。リア充の俺。
「朝起きたらなんか体変だなーとは思ったんだよー。そしたら角やら羽根やら尻尾やら生えててさー、すっげーびびったんだよー」
「へ、へぇー・・・」
状況を整理しよう。(二回目)
一つ!俺、ソルト・ペッパーがサキュバスの少女から告白を受ける。
二つ!と思ったらそれはよく見知った友人、シュガ・ホーククロウだった。
そして三つ!「立ち話もなんだしお前ん家行こーぜ」と言われ、半ば強引に彼を家にあげてしまう。
こんなとこか。何でこんな纏め方したかって?別に意味はねぇよ。
「にしても、小父さん達はまだ出てるのかー」
「ああ、一人息子置いて何処にいるのやら」
俺の親は元冒険者だったらしい。俺が産まれてからは旅を止めてこの街で普通に暮らしてたんだが、どうも二人にはそれが性に合わなかったらしい。
家事諸々を詰め込むように俺に教え、俺が16になった日の翌日に「旅に出ます」という旨の手紙と、一人暮らしには十分過ぎる程のお金を置いて二人は忽然と姿を消していた。
毎月手紙と生活費が届くし、俺自身もバイトで幾らかの稼ぎがあるから生活に困ることはなく、心配もいらないわけだが、親としてどうかとは思っている。
「なあなあ、このあとどうする予定?」
ベッドに転がりながらシュガがそんなことを聞いてきた。お前は我が物顔でマイベッドを占領してんじゃない。言っても無駄だろうが。
「特にねーな。バイトも休みだし、家でゴロゴロしよーかと思ってた」
「不健康だな」
「うるせーよ」
コイツは何も変わっちゃいないな。ちょっと可愛い姿になったからって、コイツのノリっていうか雰囲気は全く同じだ。
「おし!運動しよう!」
「はあ?」
運動しようって、随分と抽象的な言い方だな。
飛び起きてベッドに腰掛けると。
「さあ、カモンソルト!」
「お前は何を言っているんだ」
「いや、だからさ」
そう言いながらシュガは自分の着ているシャツに手をかけながら、ショートパンツのベルトを手早く外す。
「気持ちいい運動しようぜ?」
「何ですと?」
え?なにこれ?俺誘われてんの?コイツに?
待て待て待て。いくら今のシュガが可愛い女の子みたいな姿をしてるからって、コイツは男だ。
童顔でちょっとすれば女に見えなくも無いかもしれないが、一緒に温泉に行った時は普通に男湯に入っていたし、道端にあったエロ本を二人で食い入るように見てた時なんて俺と同じ飢えた男そのものだった。更に言えば二人で出掛けた先で、カップルばかりだった時は共に妬みの言葉を呟いていたから、ホモってこともない!はず・・・。
そして俺も断じてホモじゃねぇ!確かに今のシュガはそこんじょそこらの女子より可愛くって、付き合うならこんな娘と付き合いたいなーとか思っちゃったりしてるけど俺はホモじゃねぇ!
「男とヤる趣味はねーよ!」
だから俺の突っ込みは的確なのだと、わかってもらえると思う。
「ぬっふっふっふっ」
にも関わらずコイツは退かない。なんだよ?モテなさすぎて男に走ったと?でその矛先は俺と?
これなんて悪夢?冗談じゃない!男にケツ捧げるなんて死んでも御免だわ!突っ込むのも御免だけどな!
「これを見てもソルトはそう言えるかな?」
シュガが手に掛けていたシャツを一気に脱ぐ。
そこには。
「お・・・お前っ・・・」
「ふははは、驚いたかこのやろう♪」
胸。おっぱい。魅惑の果実。
他にも色々言い様はあるが、そこには確かに「それ」が存在していた。男ならば絶対に存在しないはずの乳房が。
大きさは控えめだが、その尖ったピンク色の乳首は、彼が男なら絶対に存在しないはずのものだった。
「触りたいだろ?揉みたいだろ?舐めたいだろ?」
ニタニタしながら紡がれる言の葉に、俺の頭に靄がかかり始める。理性というものを覆い隠し、ただ欲望だけが俺の脳を支配していく。
「いいんだぜ?好きにしても」
ごくり。
唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
胸が高鳴る。呼吸が荒くなる。
触っていいのか?こいつの胸を?
揉んでいいのか?シュガのおっぱいを?
舐めていいのか?この女の果実を?
目の前にいるのは自分の悪友であり男だという認識は、すっかり蚊屋の外に追いやられていた。興味の赴くまま、肉欲のままゆっくりとその手を伸ばす。
俺の手がその果実に触れる。
「うあっ・・・」
鳴いた。微かな声だが俺の耳はしっかりとその声を捉えた。
その声が少しだけ残っていた俺の理性を刈り取った。
「ちょっ!ソ、はんっ!」
目の前の女を押し倒し、馬乗りになった状態でその胸を揉みしだく。柔らかすぎず、しかし固いわけではない「それ」は女日照りが長い男を魅了するには充分すぎた。
これは麻薬だ。手にした以上、絶対に手放せない。禁断の果実だったのだ。
「あっ!んっ!はっ!ひゃ!」
俺の下で女が喘ぐ。
ああ、なんて心地いいんだ。世の中のリア充どもはこんな光景をしょっちゅう見てたのか。けしからん。実にけしからん。
麗しい女性が自分の手によって下品な声を漏らし、乱れる。それは何とも心地よい感覚。自分がこの女を乱れさせている事実が、俺を更なる興奮へと導く。
「はっ・・・、そ、ソルトォ・・・」
涙を浮かべ俺を見上げる女。
もう俺の中には、こいつが親友だとか男だとかという考えは吹き飛んでいた。今、俺の目の前にいるのは女。それも俺を誘ってきたんだ、どんな目に逢わされても仕方ないよな?
「あむ」
「うひゃあっ!」
ピンク色の乳首を口に含む。そのまま転がすようになめ回す。
「ひゃん♪あはっ♪んんっ♪」
甘噛みしてみたり、そのまま軽く引っ張ってみたり。
「おほっ♪えひゃっ♪うひゃっ♪」
止めとばかりに強く吸ってみる。
「おひょおぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・♪」
顔を歪ませまくった、所謂アへ顔をさらしながらこいつはイった。体を逆海老反りにして見事なイキ様を晒してくれた。
俺の下で荒い息をつく女。そういえばこいつばかり気持ちよくなって俺は何もしてもらってないな。これはいけない。
「おい」
「ソルトォ・・・、勢いつきすぎだって・・・」
「脱げよ」
「え・・・?」
女の顔がひきつる。困惑しているようにも見える。だが何度でも言ってやる。誘って来たのはあっちだ。故にどんな目に合っても文句は言えないはず。だから俺は悪くない。
「さっさと脱げって言ってんだよ!」
「ひゃああああ!!」
ベルトを既に外していたパンツは驚くほど簡単に脱がすことが出来た。その下の男物の下着も強引に剥ぎ取る。そこには。
「み、見るな見るなぁ!」
ぬらぬらと透明の光沢を放つ肉のクレバス。周囲に毛の一つもないそれは、淫らでありながらもとても美しかった。
尻尾で陰部を隠そうとするが、性器と乳房のどちらを隠すか狼狽えている間にその先がハートのようになっている尻尾を掴み、彼女の体の下に無理矢理押し込む。結果、俺に全てをさらけ出したまま組み伏せられる形になった。
「ま、待てってソルト。オイラさすがにそこまでやる気は・・・」
「黙れ」
うだうだと御託を並べる彼女を一蹴する。組み敷いたままズボンを下にずらしていく。
「ちょっ・・・何でそんな熱り立ってっ・・・!」
さっきからずっと我慢していた。こいつの乱れ具合を見たときから俺のブツはこれ迄にないくらい硬くそそり立っていた。
暴れだす未知の力とでも言えるだろうか。正直自分でもここまでになったのは見たことがなかった。
尤も、この時の俺にはそんなことを考える理性なんて残っちゃいなかったのだが。
「お、おい。止めろって。頼むから。落ち着いてくれよ。な?な?」
涙目で引き笑いをして必死に懇願する彼女。だが。
(そんな顔しやがって。本当はして欲しくてしょうがない癖に)
肉欲に支配され切った俺には、そんな考えしかなかった。
「あ・・・ひぃ・・・」
狙いを定め。
一気に腰を落とした。
「くあああああああ!」
「はああああああん!」
俺のモノに絡みついてくる無数の感覚。ただ入れただけというのに、もう射精してしまいそうだ。静止している状態にも関わらず、こいつの膣内はやんわりとモノを締め付け続け、決して萎えさせることを許さない。
「ああああああ・・・」
半ば放心したように無意味な音を発し続ける物体を無視し、ぼんやりと考える。
(動いたらどうなっちまうんだこれ?)
少しだけ。
少しだけ。
ずり。
「っっっっっ!!」
「はあああっ!!」
どぷっ。どぷぷぷぷ。
甘く見ていた。
動いた瞬間、これ迄より格段に上位の快感に襲われる。ダムが決壊するかのように俺の股間の括約筋は、緊張を途切れさせてしまった。結果、こいつの中に大量の精液を注ぎ込んでしまうのだった。
途端にのし掛かる疲労感。そして。
(何やっちまってんだ俺ぇぇぇぇ!)
一発出したことで冷静さが戻ってくる。そしてやっと気づいた。
(や、やっちまった・・・)
俺の脳裏に浮かぶ、強姦・逮捕・豚箱のコンボ。しかも親友を犯しちまったとか、剰え中出ししちまったとか、俺はパニック寸前だった。
「あのー・・・シュガ・・・さん?」
内心穏やかな精神状態とは言い難かったが、なんとか心を落ち着け、臥せったままのシュガに恐る恐る声をかける。
ぶっちゃけガチで切れられてもしょうがないのだが、正直に謝ったら許してもらえるかなーという、淡い期待を胸にシュガの言葉を待つ。
ぼんやりとした眼が俺の姿を捉える。そしてゆっくりとその口が開かれる。
「あはぁ・・・♪ソルトォ・・・♪もっとしてぇ・・・♪」
その先のことは敢えて語らないでおこう。
ただ一つ言っておくならば、「俺は再び野獣になった」。
「とまあ、こんな感じの初体験だったな、うん」
「うわー、パパったらごーいーん♪」
「いやはや、あの時はホント激しかったなあ・・・」
「うーん、私もそんな風にされてみたいなあ・・・」
「お前は何を教えとるんだあああ!!」
「おう、帰ったかマイダーリンよ。今オイラ達の馴れ初めの話をしていたのだ」
「だからってヤったことまで赤裸々に語ってんじゃねーっ!」
「大丈夫だ、問題ない!(グッ!)」
「問題しかないわアホ!」
十年後。そこには魅惑的な体のアルプを嫁にして、色事に興味津々な一人娘を持った俺の姿があったのだった。
11/09/14 12:44更新 / Joker!