宝物は
俺は今倉庫の中にいた。
ここにはダンジョンから取ってきた（盗ってきた？）お宝達が眠っている。俺の場合、宝箱ごと持ってくるので売り払ったりしてもまだダンジョン数カ所分の宝箱がまだここに収められている。
俺は親魔物領であるカーランス領の西の町に住んでいる。俺は昔から親父には内緒でその親父の後をつけて何度もダンジョンに忍び込んでいる。だから罠の解き方、魔物との戦い方はよく分かっている。そして俺は今ダンジョン攻略とギルドを生業にして財を成している。
なので俺は結構いい生活をしている。
俺は久しぶりに倉庫の整理でもしようと思ってここにいる。まだ中身を全て確認していない宝箱もまだまだあるので、それも幾つかついでに開けてしまおうと考えていた。
「あれ、この箱…」
俺はミミック対策として、宝箱を開ける時は床や壁に向けて宝箱を開けている。そうすると、飛び出してきたミミックは壁や床に激突して俺を驚かすどころか、むしろ驚いてしまうのだ。
もちろん魔物が嫌いなわけでもなく、ただ襲われないための用心というだけだ。怪我をさせれば手当てもして帰す。
そうして安全？を確認した宝箱には全て目印を付けている。だが、今俺が凝視している箱にはパッと見て目印がない。
念のために箱をクルクルと回してみたり、箱の下を覗いてみたりしたが目印はどこにもなかった。
「…これは…」
ミミックだね、これは。こんな所に紛れ込んじゃって。俺はたまたま持っていた鍵を鍵穴に差し込んだ。
「きゃわっ！」
そのとたん宝箱の中から勢いよく女の子が飛び出して…いや、放り出されてきた。
「やっぱり…」
「ぁ…ぁぁ…」
俺の前に転がっている彼女は水色の髪の毛で、ミミックによく見るツインテールだ。透けた服にリボンの付いた露出の多い格好。
ん？…よく見ると…めちゃくちゃ好みなんですけどっ。
「な、なんでぇ…？！」
ばれたのが不思議みたい。ま、ごく簡単な理由ですけどね。
「俺って、持って帰ってきた宝箱には全部目印を付けてるんだよねぇ」
「そんなぁ…」
彼女は女の子座りで項垂れている。
「まぁまぁ、お茶でも飲んでく？」
「…ふぇっ？…追い返したりとかしないんですか？」
「だって追い返す理由がないしぃ…」
俺は彼女の前にひょいと屈んだ。
「それに、君タイプなんだよねぇ。ここってさ、ほら、親魔物領だしねぇ、追い返すなんて損でしょうよ？」
「え…その…あのぅ…」
見るからにうろたえてるよねぇ。ま、当然ちゃ当然か。
「ま、家に入りなよ。俺は女の子を倉庫に放っておく趣味はないんだ」
俺は彼女を家に入れた。彼女はきょろきょろしてるし、かなりの挙動不審。まぁ、しょうがないんだけどねぇ。
「はい、お茶でよかったかなぁ？」
「…あ、はい…ありがとうございます…」
言葉遣いは丁寧だなぁ、ミミックって割と子供っぽい口調が多いんだけど。
「お、大きなお家ですね…」
「まぁね、俺の親父も冒険家だったし、俺も割とこういう仕事で稼いでるからね〜。結構いい暮らししてるんだよ」
「へぇ…」
「あ、君名前は？」
「ユラン…です」
「ユランね。俺はニコル、ニコル・フランツェ。よろしくね」
「あ…はい」
ん〜、見れば見るほど俺好み♪ミミックって魔物は箱に入ってると結構厄介なんだけど、出しちゃえば普通の女の子みたいなんだよねぇ。
「…あのっ」
ユランが思い切ったように俺に声を掛けた。
「なに？」
「あの、何を企んでるのっ？！」
おっとぉ、さっきから難しい顔してると思ったらそういうことか。
「はい？…そうだねぇ、企んでるとするなら……」
「…ぅぅ…」
「この家に置いちゃおっかなぁ〜とか考えてるけど？」
「えぇっ？！」
嫌がるっつーか、意外っていう感じ。
「ほら〜、俺ってこの家に一人な訳よ。で、家事とかも大変だし、掃除なんてやる気なくなっちゃうのね。それで、ものは相談なんだけど、この家にいて俺の手伝いをしてもらえないかな？」
「お手伝い…ですか？」
「そ、お手伝い。いやかな？」
「嫌じゃないです…けど…」
「じゃ、決まりね。君の部屋用意するから、ちょっと綺麗にしてくるね」
使っていなかっただけに埃だらけだ。家具はなくて、１２畳くらいの只っ広い部屋。俺は持ってきたモップと雑巾とバケツを床に置いて袖捲りをした。
「さてと…」
俺はモップを水につけて搾って、部屋の隅の方からモップを掛けていった。すると部屋の入り口にユランが立っていた。
「手伝うこと…ない？」
まるで初めて会う大人を見て恥ずかしがる子供のように、彼女は入り口から上半身を少しだけ出してこっちを見つめていた。
「そうだな…じゃあ、そこの雑巾で壁と窓枠を拭いて」
「…はい」
彼女は嬉しそうに微笑みを浮かべた。ユランは以外と掃除が上手で、壁はあっと言う間に綺麗になった。
「上手だな、掃除」
「自分の箱を手入れしてたから…」
…なんか納得
小一時間する頃には部屋を覆っていた、埃というベールは剥がされて綺麗な白い壁と、艶のあるフローリングが姿を見せた。
その日は俺の寝床を貸したのだが、次の日には彼女の好みに合わせた家具がその部屋に置かれ、彼女はとても喜んでいた。
「ありがとう、とっても素敵…」
「それはよかった。で、早速家事を手伝って欲しいんだけどね」
「は〜い」
それからユランと俺が一緒に暮らすようになって一週間が経った。俺はこの一週間の間に一回ずつダンジョン攻略とギルドの依頼をこなした。それで二ヶ月分の生活費は軽く稼いだだろう。
ユランの入っていた宝箱はというと今も倉庫にあるが、彼女はそれに戻ろうとはしなかった。
ある日、俺は昼ご飯を食べてから中庭に出て、ゆっくり本を読んでいた。すると、ユランが家の中から俺を呼んだ。
「ニコルさーん」
「どうしたのー？」
「このお部屋も掃除しようと思うんだけどぉー」
「どれどれ？」
俺は本にしおりを挟んで椅子の上に置いた。声のした方に行くとユアンがハタキを持って立っていた。
「ここなんですけど…」
「あぁ、ここね」
「なんなんですか、このお部屋」
「ここは薬を置いてるんだよ。ダンジョンに行く前とかに治療薬をここから持って行くんだ。…そういえば、ここも長いこと掃除してなかったな…」
「やっちゃいましょうか？」
「ああ、おねがいね。薬をまずどこかに置き換えておこう」
「はい」
中を開けると四日前に見た風景だった。床にも埃が溜まっていて、薬の入った瓶も、長い間使っていない薬には埃がくっついていた。
俺たちは注意してその瓶を俺の部屋に移した。
「中には危険なのもあるから気をつけてね」
「は〜い」
薬は要は毒を薄めたものに違いない。故に魔物と戦う上で使用する薬もある。たとえば高い揮発性を有する幻覚作用のある薬で魔物の目を反らせたり、ふれただけでその効果の出るものもある。
治療薬ならまだしも、そのようなものを間違って瓶を割ってしまうと大変だ。
移す時には何事もなく、その後棚の上や床に溜まった埃を二人で掃除した。
「自分でも驚くほどの埃だったな…」
「そうですねぇ」
「いやぁ、ホントにユランが居てくれて助かったよ」
「いえ…そんなぁ…」
ユランの顔が赤くなった。彼女を見てると微笑みが自然と沸いてくる。
「さてと、綺麗になったことだし戻すとするか」
「あ、そうですね」
俺の部屋から順番に薬を戻していった。少しずつあの部屋は前の光景に戻りつつある。
薬の箱をあと幾つか戻せば終わりと言う時だった。突然風が吹いて、本が捲られたのだろうか。俺の挟んでいたしおりが窓から、廊下を通り過ぎ俺の部屋に入った。
運の悪いことにその時ユランは薬の入った瓶を持って俺の部屋にいた。そして歩き出した瞬間、シオリを踏んで転倒した。
「きゃあぁっ！」
悲鳴がして、俺は慌てて部屋を覗き込んだ。すると尻餅を付いたユランが全身に薬を浴びて座っていた。
「ユランッ」
俺は慌てて駆け寄ると怪我がないか確認した。幸いガラス瓶は割れて折らず、瓶の蓋が開いて薬が出てしまっただけだ。いや、幸いなものかっ、もし危ない薬だったらやばい！
「ユラン、気分悪かったりしないか？！」
「ううん、平気。ごめんなさい、滑っちゃって…」
「いや、大丈夫だから」
即効性のあるものじゃないみたいだ…ひとまずは安心。この薬、微かにきつね色をしている。粘性があるみたいにも見えるし、なんの薬だろう。
「とりあえず洗い流さないと…」
「うん」
彼女も頷いて立ち上がろうとしたその時…
「やんっ…！なぁっ…」
ユランが色っぽい声を上げた。
「どうした？！」
「服が擦れてぇ…なんかぁ…」
俺は気付いた。これは『アルラウネの蜜』、強力な媚薬じゃないか。親父が持ってたやつだと思うけど、それを全身に浴びたってなると…
「立てるか？」
「ハァ…む、りぃ…んっ」
「分かった…水を汲んでくるから―」
俺が水を汲みに部屋を出ようとすると、ユランは俺の脚にしがみ付いた。
「ダメェ…変になりそうなのぉ…何とかしてぇぇ」
ユランは半分泣きそうになっていた。立つことすら出来ず、服が掠れただけで強い快感に襲われている。体はどうやら求めているようだった。
俺はたとえ今洗い流したとて、蜜の効果がすぐに切れるわけもないと思った。どうせならば…
「わかった。何とかしてあげるよ…」
「へぇ…？…やぁぁんっ！ニコルさぁん、だめっ、擦ったらぁ」
俺は彼女の服をわざと擦れるように脱がした。露わになった胸元、荒い息のせいで大きく動いていた。
「こっちもね…」
「…んあぁっ！だからダメェッ！」
俺は彼女のズボンを脱がせると、ベッドに寝かせた。
「んっ…やっ…あんっ」
ベッドに体を置くだけで感じるとはね。俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
「んんっ…！んっ…んふぅ」
俺の着ている服が彼女を刺激している。彼女は俺を抱きしめて服をギュッと掴んだ。
「んあっ…！」
指で秘部を擦るとユランは思わず口を離して喘ぎ声を上げた。感度は倍以上、堪らないはずだ。
「あんっ…あっ…あっ―」
もう何度か擦ると、ユランの体は激しく痙攣した。
「はぁ…んっ…はぁ…」
「…ユラン」
「な…に…？」
「入れていい？」
「いいよ…」
俺はズボンから自分のものを取り出すと彼女の秘部に入れた。秘部は異常なほどにぐちょぐちょですんなりと彼女は俺を受け入れた。
「ぁぁ…おっきいぃ…」
「…そうかな…ユランのはきついね…」
俺は腰を動かし出した。すると、蜜の効果に巻き込まれたのか、大きな快感が襲ってきて、どうにも止められなくなった。
髪を束ねていた紐が解けて、彼女の長い髪も解けた。また違うかわいらしさに俺は熱くなった。
「あん…あんっ…んっ…はぁんっ」
俺は腰を動かしながら彼女の側頭部に顔を移動させ、その尖った耳の先を優しく吸った。
「ひゃあぁんっ…耳ぃ…だめぇぇっ…！」
彼女の中は俺のものに吸い付いてくる、ホントに止まんねぇ。
「あんっ…ま…た…あんっ―」
うぉっ、締め付けが…。
ユランの体がまた痙攣して、締め付けがきつくなった。
「あんっ…あっ…あっ…すご…く…いぃ…」
「…お前も…最高…出して…いい？」
ユランは勢いよく頷いた。
快感が頂点に達し、勢いよく発射した。それでも俺の腰は止まらなかった。
蜜の効果がようやく切れ、二人とも普通に戻った。なんてゆーか、もうぐったり…
「…ごめんなさい…」
「…いいや、いいよ。いい思いさせて貰ったしね…」
「ほんとに…？」
「ああ…嘘なんか言うかよ」
まぁ、いずれこうしてたとは思うし、切っ掛けになったんだ。
「なぁ、ユラン…」
「…なんですか？」
「しがみ付いてきたお前、めちゃくちゃエロかったぞ」
「なぁぁっ〜！」
ユランは掛け布団に潜ってしまった。
「…言わないでくださぃ…すっごく恥ずかしいですぅ…」
「はっははは、そうだろうねぇ」
「わ、笑わないでよぅ〜」
「ごめんごめん、ちょっとからかってみたくなったんだよ」
俺は布団の中に潜ってユランの体を抱きしめた。
「ぁ……」
「ユラン…ずっとここにいろ…理由なんか後で付け足しゃあいい、俺の側に―」
「―ずっと居ます」
「え？」
「ずっと居ます、ニコルさんの側に…」
「ユラン…」
俺が彼女を抱きしめたまま上体を起こした。掛け布団がするすると彼女の肩を滑り降り、俺はユランにキスをした。
「あ、またお掃除しなきゃ…」
ベッドの隣には蜜がまだ水たまりのように残っていて、蜜の染み込んだユランの服がしわくちゃに捨てられていた。
「…そうだね〜。ところで服が洗い終わるまでユランは何着てるの？一張羅でしょ、あれ」
「あ、どうしよぅ…」
「いいのがあるぞ」
「本当？」
「ああ」
「………あのぉ…」
「何？」
俺は今床にモップを掛けている。そしてその横で佇んでいるユランが居た。
「…この格好…なんて言うか…すっごく恥ずかしいんですけどぉ…」
ユランは今俺のワイシャツだけを身につけている。彼女は前の裾をギュッと握って、下に引っ張っている。
「素っ裸よりいいだろぉ？」
「けど…なんか…逆に恥ずかしいですぅ」
それが狙いですからねぇ〜。
暫くして掃除も終わって、服も洗濯し終わった。後は乾くのを待つだけだ。
「はい、お茶」
「ありがと」
俺たちはリビングにいてお茶を飲んでいた。もちろんまだユランはあの格好のまま。
「それで…いつまでこのままなんですか…？」
「服が乾くまで」
「うぅ…」
「なんだよ、俺の服着るのは嫌か？」
「…そうじゃないけど…下がスースーして…」
「ユラン」
「何？」
「こっち来な」
「うん」
俺は白いシーツを俺とユランに巻いた。
「…あったかい…」
「だろ…」
ユランはそのまま寝息を立て始めた。
本当に可愛い奴…からかい甲斐もあるし（おい
俺もそのまま眠りについた。俺は何にも代え難い宝を手に入れたらしい。
ここにはダンジョンから取ってきた（盗ってきた？）お宝達が眠っている。俺の場合、宝箱ごと持ってくるので売り払ったりしてもまだダンジョン数カ所分の宝箱がまだここに収められている。
俺は親魔物領であるカーランス領の西の町に住んでいる。俺は昔から親父には内緒でその親父の後をつけて何度もダンジョンに忍び込んでいる。だから罠の解き方、魔物との戦い方はよく分かっている。そして俺は今ダンジョン攻略とギルドを生業にして財を成している。
なので俺は結構いい生活をしている。
俺は久しぶりに倉庫の整理でもしようと思ってここにいる。まだ中身を全て確認していない宝箱もまだまだあるので、それも幾つかついでに開けてしまおうと考えていた。
「あれ、この箱…」
俺はミミック対策として、宝箱を開ける時は床や壁に向けて宝箱を開けている。そうすると、飛び出してきたミミックは壁や床に激突して俺を驚かすどころか、むしろ驚いてしまうのだ。
もちろん魔物が嫌いなわけでもなく、ただ襲われないための用心というだけだ。怪我をさせれば手当てもして帰す。
そうして安全？を確認した宝箱には全て目印を付けている。だが、今俺が凝視している箱にはパッと見て目印がない。
念のために箱をクルクルと回してみたり、箱の下を覗いてみたりしたが目印はどこにもなかった。
「…これは…」
ミミックだね、これは。こんな所に紛れ込んじゃって。俺はたまたま持っていた鍵を鍵穴に差し込んだ。
「きゃわっ！」
そのとたん宝箱の中から勢いよく女の子が飛び出して…いや、放り出されてきた。
「やっぱり…」
「ぁ…ぁぁ…」
俺の前に転がっている彼女は水色の髪の毛で、ミミックによく見るツインテールだ。透けた服にリボンの付いた露出の多い格好。
ん？…よく見ると…めちゃくちゃ好みなんですけどっ。
「な、なんでぇ…？！」
ばれたのが不思議みたい。ま、ごく簡単な理由ですけどね。
「俺って、持って帰ってきた宝箱には全部目印を付けてるんだよねぇ」
「そんなぁ…」
彼女は女の子座りで項垂れている。
「まぁまぁ、お茶でも飲んでく？」
「…ふぇっ？…追い返したりとかしないんですか？」
「だって追い返す理由がないしぃ…」
俺は彼女の前にひょいと屈んだ。
「それに、君タイプなんだよねぇ。ここってさ、ほら、親魔物領だしねぇ、追い返すなんて損でしょうよ？」
「え…その…あのぅ…」
見るからにうろたえてるよねぇ。ま、当然ちゃ当然か。
「ま、家に入りなよ。俺は女の子を倉庫に放っておく趣味はないんだ」
俺は彼女を家に入れた。彼女はきょろきょろしてるし、かなりの挙動不審。まぁ、しょうがないんだけどねぇ。
「はい、お茶でよかったかなぁ？」
「…あ、はい…ありがとうございます…」
言葉遣いは丁寧だなぁ、ミミックって割と子供っぽい口調が多いんだけど。
「お、大きなお家ですね…」
「まぁね、俺の親父も冒険家だったし、俺も割とこういう仕事で稼いでるからね〜。結構いい暮らししてるんだよ」
「へぇ…」
「あ、君名前は？」
「ユラン…です」
「ユランね。俺はニコル、ニコル・フランツェ。よろしくね」
「あ…はい」
ん〜、見れば見るほど俺好み♪ミミックって魔物は箱に入ってると結構厄介なんだけど、出しちゃえば普通の女の子みたいなんだよねぇ。
「…あのっ」
ユランが思い切ったように俺に声を掛けた。
「なに？」
「あの、何を企んでるのっ？！」
おっとぉ、さっきから難しい顔してると思ったらそういうことか。
「はい？…そうだねぇ、企んでるとするなら……」
「…ぅぅ…」
「この家に置いちゃおっかなぁ〜とか考えてるけど？」
「えぇっ？！」
嫌がるっつーか、意外っていう感じ。
「ほら〜、俺ってこの家に一人な訳よ。で、家事とかも大変だし、掃除なんてやる気なくなっちゃうのね。それで、ものは相談なんだけど、この家にいて俺の手伝いをしてもらえないかな？」
「お手伝い…ですか？」
「そ、お手伝い。いやかな？」
「嫌じゃないです…けど…」
「じゃ、決まりね。君の部屋用意するから、ちょっと綺麗にしてくるね」
使っていなかっただけに埃だらけだ。家具はなくて、１２畳くらいの只っ広い部屋。俺は持ってきたモップと雑巾とバケツを床に置いて袖捲りをした。
「さてと…」
俺はモップを水につけて搾って、部屋の隅の方からモップを掛けていった。すると部屋の入り口にユランが立っていた。
「手伝うこと…ない？」
まるで初めて会う大人を見て恥ずかしがる子供のように、彼女は入り口から上半身を少しだけ出してこっちを見つめていた。
「そうだな…じゃあ、そこの雑巾で壁と窓枠を拭いて」
「…はい」
彼女は嬉しそうに微笑みを浮かべた。ユランは以外と掃除が上手で、壁はあっと言う間に綺麗になった。
「上手だな、掃除」
「自分の箱を手入れしてたから…」
…なんか納得
小一時間する頃には部屋を覆っていた、埃というベールは剥がされて綺麗な白い壁と、艶のあるフローリングが姿を見せた。
その日は俺の寝床を貸したのだが、次の日には彼女の好みに合わせた家具がその部屋に置かれ、彼女はとても喜んでいた。
「ありがとう、とっても素敵…」
「それはよかった。で、早速家事を手伝って欲しいんだけどね」
「は〜い」
それからユランと俺が一緒に暮らすようになって一週間が経った。俺はこの一週間の間に一回ずつダンジョン攻略とギルドの依頼をこなした。それで二ヶ月分の生活費は軽く稼いだだろう。
ユランの入っていた宝箱はというと今も倉庫にあるが、彼女はそれに戻ろうとはしなかった。
ある日、俺は昼ご飯を食べてから中庭に出て、ゆっくり本を読んでいた。すると、ユランが家の中から俺を呼んだ。
「ニコルさーん」
「どうしたのー？」
「このお部屋も掃除しようと思うんだけどぉー」
「どれどれ？」
俺は本にしおりを挟んで椅子の上に置いた。声のした方に行くとユアンがハタキを持って立っていた。
「ここなんですけど…」
「あぁ、ここね」
「なんなんですか、このお部屋」
「ここは薬を置いてるんだよ。ダンジョンに行く前とかに治療薬をここから持って行くんだ。…そういえば、ここも長いこと掃除してなかったな…」
「やっちゃいましょうか？」
「ああ、おねがいね。薬をまずどこかに置き換えておこう」
「はい」
中を開けると四日前に見た風景だった。床にも埃が溜まっていて、薬の入った瓶も、長い間使っていない薬には埃がくっついていた。
俺たちは注意してその瓶を俺の部屋に移した。
「中には危険なのもあるから気をつけてね」
「は〜い」
薬は要は毒を薄めたものに違いない。故に魔物と戦う上で使用する薬もある。たとえば高い揮発性を有する幻覚作用のある薬で魔物の目を反らせたり、ふれただけでその効果の出るものもある。
治療薬ならまだしも、そのようなものを間違って瓶を割ってしまうと大変だ。
移す時には何事もなく、その後棚の上や床に溜まった埃を二人で掃除した。
「自分でも驚くほどの埃だったな…」
「そうですねぇ」
「いやぁ、ホントにユランが居てくれて助かったよ」
「いえ…そんなぁ…」
ユランの顔が赤くなった。彼女を見てると微笑みが自然と沸いてくる。
「さてと、綺麗になったことだし戻すとするか」
「あ、そうですね」
俺の部屋から順番に薬を戻していった。少しずつあの部屋は前の光景に戻りつつある。
薬の箱をあと幾つか戻せば終わりと言う時だった。突然風が吹いて、本が捲られたのだろうか。俺の挟んでいたしおりが窓から、廊下を通り過ぎ俺の部屋に入った。
運の悪いことにその時ユランは薬の入った瓶を持って俺の部屋にいた。そして歩き出した瞬間、シオリを踏んで転倒した。
「きゃあぁっ！」
悲鳴がして、俺は慌てて部屋を覗き込んだ。すると尻餅を付いたユランが全身に薬を浴びて座っていた。
「ユランッ」
俺は慌てて駆け寄ると怪我がないか確認した。幸いガラス瓶は割れて折らず、瓶の蓋が開いて薬が出てしまっただけだ。いや、幸いなものかっ、もし危ない薬だったらやばい！
「ユラン、気分悪かったりしないか？！」
「ううん、平気。ごめんなさい、滑っちゃって…」
「いや、大丈夫だから」
即効性のあるものじゃないみたいだ…ひとまずは安心。この薬、微かにきつね色をしている。粘性があるみたいにも見えるし、なんの薬だろう。
「とりあえず洗い流さないと…」
「うん」
彼女も頷いて立ち上がろうとしたその時…
「やんっ…！なぁっ…」
ユランが色っぽい声を上げた。
「どうした？！」
「服が擦れてぇ…なんかぁ…」
俺は気付いた。これは『アルラウネの蜜』、強力な媚薬じゃないか。親父が持ってたやつだと思うけど、それを全身に浴びたってなると…
「立てるか？」
「ハァ…む、りぃ…んっ」
「分かった…水を汲んでくるから―」
俺が水を汲みに部屋を出ようとすると、ユランは俺の脚にしがみ付いた。
「ダメェ…変になりそうなのぉ…何とかしてぇぇ」
ユランは半分泣きそうになっていた。立つことすら出来ず、服が掠れただけで強い快感に襲われている。体はどうやら求めているようだった。
俺はたとえ今洗い流したとて、蜜の効果がすぐに切れるわけもないと思った。どうせならば…
「わかった。何とかしてあげるよ…」
「へぇ…？…やぁぁんっ！ニコルさぁん、だめっ、擦ったらぁ」
俺は彼女の服をわざと擦れるように脱がした。露わになった胸元、荒い息のせいで大きく動いていた。
「こっちもね…」
「…んあぁっ！だからダメェッ！」
俺は彼女のズボンを脱がせると、ベッドに寝かせた。
「んっ…やっ…あんっ」
ベッドに体を置くだけで感じるとはね。俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
「んんっ…！んっ…んふぅ」
俺の着ている服が彼女を刺激している。彼女は俺を抱きしめて服をギュッと掴んだ。
「んあっ…！」
指で秘部を擦るとユランは思わず口を離して喘ぎ声を上げた。感度は倍以上、堪らないはずだ。
「あんっ…あっ…あっ―」
もう何度か擦ると、ユランの体は激しく痙攣した。
「はぁ…んっ…はぁ…」
「…ユラン」
「な…に…？」
「入れていい？」
「いいよ…」
俺はズボンから自分のものを取り出すと彼女の秘部に入れた。秘部は異常なほどにぐちょぐちょですんなりと彼女は俺を受け入れた。
「ぁぁ…おっきいぃ…」
「…そうかな…ユランのはきついね…」
俺は腰を動かし出した。すると、蜜の効果に巻き込まれたのか、大きな快感が襲ってきて、どうにも止められなくなった。
髪を束ねていた紐が解けて、彼女の長い髪も解けた。また違うかわいらしさに俺は熱くなった。
「あん…あんっ…んっ…はぁんっ」
俺は腰を動かしながら彼女の側頭部に顔を移動させ、その尖った耳の先を優しく吸った。
「ひゃあぁんっ…耳ぃ…だめぇぇっ…！」
彼女の中は俺のものに吸い付いてくる、ホントに止まんねぇ。
「あんっ…ま…た…あんっ―」
うぉっ、締め付けが…。
ユランの体がまた痙攣して、締め付けがきつくなった。
「あんっ…あっ…あっ…すご…く…いぃ…」
「…お前も…最高…出して…いい？」
ユランは勢いよく頷いた。
快感が頂点に達し、勢いよく発射した。それでも俺の腰は止まらなかった。
蜜の効果がようやく切れ、二人とも普通に戻った。なんてゆーか、もうぐったり…
「…ごめんなさい…」
「…いいや、いいよ。いい思いさせて貰ったしね…」
「ほんとに…？」
「ああ…嘘なんか言うかよ」
まぁ、いずれこうしてたとは思うし、切っ掛けになったんだ。
「なぁ、ユラン…」
「…なんですか？」
「しがみ付いてきたお前、めちゃくちゃエロかったぞ」
「なぁぁっ〜！」
ユランは掛け布団に潜ってしまった。
「…言わないでくださぃ…すっごく恥ずかしいですぅ…」
「はっははは、そうだろうねぇ」
「わ、笑わないでよぅ〜」
「ごめんごめん、ちょっとからかってみたくなったんだよ」
俺は布団の中に潜ってユランの体を抱きしめた。
「ぁ……」
「ユラン…ずっとここにいろ…理由なんか後で付け足しゃあいい、俺の側に―」
「―ずっと居ます」
「え？」
「ずっと居ます、ニコルさんの側に…」
「ユラン…」
俺が彼女を抱きしめたまま上体を起こした。掛け布団がするすると彼女の肩を滑り降り、俺はユランにキスをした。
「あ、またお掃除しなきゃ…」
ベッドの隣には蜜がまだ水たまりのように残っていて、蜜の染み込んだユランの服がしわくちゃに捨てられていた。
「…そうだね〜。ところで服が洗い終わるまでユランは何着てるの？一張羅でしょ、あれ」
「あ、どうしよぅ…」
「いいのがあるぞ」
「本当？」
「ああ」
「………あのぉ…」
「何？」
俺は今床にモップを掛けている。そしてその横で佇んでいるユランが居た。
「…この格好…なんて言うか…すっごく恥ずかしいんですけどぉ…」
ユランは今俺のワイシャツだけを身につけている。彼女は前の裾をギュッと握って、下に引っ張っている。
「素っ裸よりいいだろぉ？」
「けど…なんか…逆に恥ずかしいですぅ」
それが狙いですからねぇ〜。
暫くして掃除も終わって、服も洗濯し終わった。後は乾くのを待つだけだ。
「はい、お茶」
「ありがと」
俺たちはリビングにいてお茶を飲んでいた。もちろんまだユランはあの格好のまま。
「それで…いつまでこのままなんですか…？」
「服が乾くまで」
「うぅ…」
「なんだよ、俺の服着るのは嫌か？」
「…そうじゃないけど…下がスースーして…」
「ユラン」
「何？」
「こっち来な」
「うん」
俺は白いシーツを俺とユランに巻いた。
「…あったかい…」
「だろ…」
ユランはそのまま寝息を立て始めた。
本当に可愛い奴…からかい甲斐もあるし（おい
俺もそのまま眠りについた。俺は何にも代え難い宝を手に入れたらしい。
10/03/10 23:15更新 / アバロン