読切小説
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穴蔵な彼女
 穴蔵な彼女

 どれほどの歳月が経ったのかわからない。
 当初の俺は奴隷として売られる筈だったのが、幸か不幸かわからないが逃げ出すことができた。しかし、今となっては性奴隷として生かされているのが現状だ。隙あらば抜け出してやるつもりでいる。

「へっへっへっ!!」

 俺の腰の上で紅潮させながら息を乱しているジャイアントアント。まるで、獣のように腰を振り落とし、パチュパチュと卑猥な音を鳴らす。不覚にも息子が反応するのが情けない。

「ぐっ!あぁ!」

 そんな俺は情けない声を漏らす。もう少しで俺はイってしまうだろう。彼女もそろそろ限界なのか膣が痙攣し始めるのがわかる。その振動が俺の息子に程よい刺激になるため我慢ができない。

「でッ!射精る!」
「ンンンンンンゥ♪!!」

 ジャイアントアントの中に大量の精子が放出した。
 膣から息子を取り出すと、白い液体がコポリと漏れ出す。
 ジャイアントアントが疲れている。ここで逃げ出すのは簡単だ。しかし、出ていっても他のジャイアントアントに捕まり搾られるのが目に見えている。
 時を待つのだ。逃げれる時を…。
 そして、遂に来たその瞬間が。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 ワー ワー キャー!

 大地を揺るがす大きな揺れ。所謂地震だ。

(チャンス!)

 俺は扉を開けて出口へと向かう。不思議とジャイアントアントは居なくなっていた。
 巣の中はとても長く迷路のように道が別れていた。しかし、俺は長年ここに居たせいか、ある程度は道を覚えている。
 これは天明だと思った。神が俺にチャンスを下さったのだ。

(やった!やったぞ!!この地獄から抜け出せれる!ここを出たらトレジャーハンターになって金銀財宝を見つけて幸せな家庭をッ!!?)

 突如、巣の床が抜け落ちた。
 ここまで来れたのに、外まであと、少しだったのに!。
 闇の中に吸い込まれた俺はショックで意識を手放した。





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 何時間経ったのだろう。いつまでも覚めない悪夢。朝はごはんを食べ、終われば交尾。それが毎日のように続く日々。
 いつからだろう?冒険者になって名を上げようと夢を見たのは。
 いつからだろう?堕落して落ちぶれた悪夢を見たのは。
 もう、忘れた。自分の名前さえも忘れた。夢も希望も忘れた。あるのはーーー


 快楽のみ。


「ダイ…ジョウブ?」

 淡い、優しげな声だ。誰だろう?。
 俺は閉じた目を持ち上げた。

「アッ、オキタ」

 俺は目を閉じた。

「エェ!?ナンデ!?」

 いや、逆に聞こうか。何でワームがいんの?アント達より恐ろしいのが目の前に居て冷や汗が止まらない。

「ア、アノー…」

 …しかし、妙に落ち着く声だ。舌足らずな所とか吹きそうになる。笑うな、笑ったら死ぬぞ。そういえば、彼女達ワームは発情期になると手に負えなくなると聞いた。
 発情期でなければ襲われないのではないか?。
 そう胸に納めつつ瞼を開けようとした瞬間にワームの手が無理矢理瞼を上げた。
 
「いたたたた!!!?やめ!やめええええ!!」

「ワワッ!!?」

 そうだ、ワームってのは知能がとても低い。つまり馬鹿なんだ。

「なぁ、俺を外に逃がしてくれないか?」

「エ?」

 彼女達ワームは馬鹿。なら考えも単細胞で正直な筈だ。おれは期待を膨らませて言ってみた。
 何故か彼女は泣いた。

「へ?」

「ナ、ナンデ?久シブリニ喋レタノニ?マタ、サビシイアノ頃ニモドルノ?」

 俺は胸の奥がズキズキと痛んだ。そして、同時に思ったのだ。このまま一人にさせてはいけない。

「行かないや」

「…エ?」

 口が勝手に動く。どうも、女の涙は俺には弱いらしい。

「イイノ?ワタシダヨ?」

「…なあ」

 俺はこれからかっこいいこと言うぞ。というよりこれしか思いつかなかった。

「ワームだからなんだ?こちとら理不尽な強要されつづけてんだ!毎日が洞窟暮らしなんだ!夢は諦め、奴隷商に捕まり、魔物に性奴隷にされ、日を拝むことができない毎日!」

 思いの丈を吐き出した。

「あぁもう!本当になんだよ!毎日毎日!俺は精タンクじゃねえよ!ざけんな!」

「エェット…アノ…」

「でも!女の涙と比べるまでもねえよ!だからさ」

 きっと、一目惚れなんだろうな。だからこんなにも胸が痛いんだ。だから許せるんだ。
 さあ、涙と一緒に水に流そう。

「ア、アリガトウ!」

「うん…だけど離してね、締まって息出来ない…」

 俺はワームの胸に抱かれながら気絶した。情けない。






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 一年過ぎた。今ではすっかりラブラブカップルだ。
 ワームって意外と可愛いところあるんだぞ、確かに発情期の彼女は激しくてチンコがもげそうになったけど。その後の泣き顔が堪らなく好きだ。
 こういうのもなんだが、俺はドSみたいだ。ワームちゃんの泣き顔を見るとついつい欲情してしまう。

パンパンパン!!

「イィ!イィヨぉ!」

「うおおおおお!」

 泣いた後のセックスはとても素晴らしく気持ちよかった。
 今でも地下暮らしだが、彼女が集めていた金銀財宝があり、なんだかんだ夢が叶った。やはりドラゴンだからキラキラ輝くものは好きらしい。

「愛してるよアイリン…」

「ワタシモヨ…フリーダ」

 そう、俺はやっと悪夢から醒めたんだ。夢にまで見た自由というやつを。
17/04/30 22:39更新 / 真面目な男?

■作者メッセージ
くっそ駄文ですみません!なんでもしますんで許してください!(なんでもするとは言ってない)
 あまりにも主人公が不憫なので幸せを与えたかっただけなんです!

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