ドラゴンさんとデーモンさんの噛み合ってるようで噛み合ってないお話
人間と魔物娘が平和に暮らす現代、とある魔物娘と人間が共学である学校の屋上に、一人物憂げな表情で佇む一人の魔物娘が居た…
「はぁ…」
「おや、先客か?珍しいなドラゴン」
「何よアンタ…ってデーモンじゃない」
物憂げに柵の外の景色を見ていたのはドラゴン、その後から、入り口をゆっくりと開けて入ってきたのはデーモンであった。
「いや、ここは普段私の特等席なのだがな」
「別にアンタのものでも無いでしょ、どかしたいんなら力づくでどかしてみれば?」
「おやおや怖い怖い、別に一人で居たいわけでもない、お前さえよければここに居てもいいだろう?」
「フン…好きにすれば」
敵意をむき出しにするドラゴンを尻目に、デーモンは穏やかな様子でベンチに腰を掛けた。
「そんなに荒れてどうした?まあ、大方人間の男絡みだろうがな」
「ハァ!?そんなわけ……いや、そうね、その通りよ」
顔を真赤にして自分の後ろのベンチに座っているデーモンの方にクルッと向きやった後に、またゆっくりと外の景色を見つめ直すドラゴン。
「おや、お前も一端に恋の悩みをするようになったとは意外だな」
「…勘違いしないでくれる?誰も恋なんかしてないわよ、あんたらみたいに、人間の男に簡単に媚び売って尻尾振る魔物と、高貴で高潔な私を一緒にしないでもらえるかしら?」
「ふふ、振る尻尾のない魔物娘も多いぞ?」
「…比喩よ比喩」
憮然とした表情で、他者を平然と見下すドラゴンを尻目に、本気か冗談かわからぬ事を言い放ち、いなして行くデーモン。
「アンタだってそれなりに高位の魔物なんだから、人間どもになんて尻尾振るのやめなさいよ、ま、ドラゴンである私よりは下だけどね」
「おや?私がいつ人間に尻尾を振るった?あんなか弱くて愚かな人間に対して」
「…あら、案外話がわかるじゃない。意外ね、アンタがそんな事言うなんて」
先程までの悩ましげな表情とは打って変わった、得意げな笑みを浮かべながら後ろを向きやるドラゴンと、先程までと何ら変わりのない余裕気な表情のまま話しかけるデーモン。
「当たり前だろう、私は生まれながらの上級悪魔、ひ弱な人間達とは『格』が違う。人間は我々の庇護下になるべき存在だ」
(満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに意中の人間をナデナデして、頬ずりしながらイチャイチャする自分の姿を想像しながら)
「その通りよ!人間どもは地上の王者である私の前にひれ伏すのよ!」
(典型的なお嬢様のように高笑いしながら周りの人間がははーっ!とひざまずく姿を想像しながら)
「なんだ、意外といける口じゃないかお前も」
「アンタもね、流石にデーモンともなるとそこら辺の魔物とは違うみたいね」
自分の姿を想像をしながら得意げに、お互いを称え合ってるが、実際にはその内容にはかなりの差が合った。意気投合したと思いこんでいる二人にはそれは知る由もないことであったが。
「そうよ、だいたいいくら(私が)可愛いからって、私に向かって人間が恋をしようだなんて烏滸がましいわよ」
「全くだな、(人間が)可愛すぎるのも罪というものだ、(ただでさえ可愛いのに)身の丈を弁えないような(可愛すぎる)行動を取られると襲いかかりたくなってしまう(性的な意味で)」
「大胆ねぇ、やっぱり魔物娘のほうが上ということを(力で)わからせてあげないと駄目みたいね!」
「同感だ、私が(体位的な意味で)上だということを(セックスで)わからせなければ!」
「そう…」
「特に…」
「「あいつには…」」
二人の言葉にこもる熱は段々ヒートアップしてきたが、ここで一度口をつぐんで、同時に同じ言葉を発していた。二人は驚いたように目を見合わせてた。
「あ、アンタにも居るの?最近そういうわかってないような人間が…」
「ああ、私にも居るぞ、同じクラスで隣の席の男だ」
二人は腕組をして、思案をするように目を瞑る。
「そうね、私も同じクラスの男の子よ」
「お前もやはり同じような悩みがあるか、似た者同士だったようだしな」
「そうなのよ!あいつは何もわかってないわ、高貴な私に向かって対等に話しかけてきて!」
(べ、別に他の子達と違って、私を腫れ物みたいに扱ったり、勝手に高嶺の花の完璧超人みたいに扱ったりしないのが嬉しかったとかそんなこと思ってないんだからね!…/////)
「そうだな、私もあいつが気安く話しかけてきて困っている」
(あんなに可愛い屈託のない笑顔で突然話しかけてきて…♥♥♥心臓が止まるかと思ったぞ♥♥♥好きな男にそんな可愛い顔されたら学校の中なのに今すぐ抱きしめてキスをしてしまうところだったじゃないか…全く♥♥♥)
「そうよ、気安いし、デリカシーもないわ!突然、私がお昼休みにご飯を食べてる時に隣に座って弁当を食べ始めて!私のプライベートを考えてないのかしら!」
(べ、別に近寄りがたい雰囲気出してた所為でクラスで一人ご飯食べてたのが寂しかったわけじゃないし、あいつが来て嬉しいだなんて思って無いんだからね!ぶっきらぼうなあいつの優しさなんて、全然幸せに思ってないんだから…/////)
「そうだな、飯の食い方一つとってもそうだがあいつは私を挑発しているようにしか思えん。身の程を知らないようだ」
(初めて屋上で二人きりでお昼を食べた時、私が作ってきてあげたお弁当を目を輝かせて嬉しそうに食べてた姿は、思い出すだけで私も嬉しい…♥♥♥美味しそうにもぐもぐしてほっぺたにケチャップまで付けてしまって、私が指で拭って舐めてあげたら、顔を真赤にして気恥ずかしそうに俯いちゃって♥♥♥ああ、誘ってる様にしか見えないぞそんな仕草♥♥♥お昼じゃなくてお前の精を食べたくなるじゃないか、そんなことされたら♥♥♥)
「そうよ、頭だって私のほうがいいんだから!成績だって私のほうが上なのよ!『俺は馬鹿だから勉強を教えろ』って、なんて図々しいのかしら!」
(私が教えてあげてる姿を見てクラスメイトの女の子が『ドラゴンさんて優しい人なんだね』って皆と打ち解けられたのなんて喜んでないんだから…!/////普段勉強は真面目にやってきてなかったあいつが、私が教えてる時は真面目に取り組んでて、その時の真剣な表情にときめいたりしてなんて…な、ないんだから…♥♥♥)
「あいつもそれなりに頑張っているようだが、お昼休み中に居眠りをしていたし、理由を聞いたら夜まで勉強しているからとは…昼間の生活に支障が出ては元も子もないというのに、自己管理もできていないようではまだまだ甘いな」
(ご飯を食べた後に気持ちよさそうに眠るあいつの顔は犯罪的な可愛さだったなあ…♥♥♥もうすぐ授業の時刻だったからほっぺたをツンツンしながら起こしてあげて、眠そうにしてる理由を聞いたら『デーモンさんと同じ学校に行けるように、頑張って夜中も勉強してます!』なんて♥♥♥私はお前と一緒にいるだけで幸せなのに…♥♥♥私のために頑張ってくれるのはとても嬉しいが無理だけはするなよ♥♥♥私もいくらでも協力してやるからな♥♥♥)
「力だって当然!魔物娘の方が上だし、ましてや私はドラゴンなのよ!力の象徴!なのにあいつは『俺に稽古をつけろ』なんて、勉強以外でも私に張り合おうとして!力の差がわかってないのかしら!」
(『勉強も力もお前に相応しい男になるために協力してくれ』なんて、な、何を私に伝えてるのよあいつは!/////あいつが努力してるのが私のためなんてそんな…そんなの…うれ、嬉しくなんか…/////うれしい…♥♥♥…ッ!?今のは違う!違うの!/////嬉しいなんて思ってない!絶対!/////)
「やはりお前もそういう経験があるみたいだな、魔物娘と人間の力の差を理解していない行動…全く先が思いやられる」
(あいつと一緒に街に出かけた際、私が人間の姿で待ち合わせ場所で待ってた時に、チャラついた男に絡まれていた私を『やめろ!この人が嫌がってるじゃないか!』と割って入ってくれたな♥♥♥私のほうが体格もお前より大きいのに、ましてや擬態していたとはいえ上級悪魔の私ならあんな奴ら赤子の手を捻るように払いのけられるというのに…♥♥♥そもそも私はお前以外の男になんて興味はないぞ♥♥♥あぁ、可愛くてかっこよくてもう完璧すぎる…♥♥♥)
「そ、それに…あ、あいつが…この間…」
「ん?」
「わ、私に告白してきて…/////」
「ほう、奇遇だな、私も告白されたぞ…♥♥♥」
二人は顔を赤く染めながら、ドラゴンの方は気恥ずかしそうに、デーモンの方は蕩けそうな顔を保つように頬に手を当てた。
「いきなり、『まだお前に相応しい人間になれたわけじゃないけど、いつか絶対なってみせる、お前が好きだ、付き合ってくれ』なんて言われて…へ、返事はまだしてないけど…」
(いきなり告白されて、わけもわからなくなって「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!」って叫びながら逃げてきちゃったし…うう、は、恥ずかしすぎてあいつと顔合わせられないよぅ…/////だ、大体全部あいつが悪いのよ!私におべっか使うわけでもなく、腫れ物みたいに扱うわけでもなく、優しくしてきて、図々しく私に関わってきて…あいつのことを考えると胸がぽかぽかするのに痛くなって…♥♥♥こ、こんな気持になったの初めて…こ、これが恋なの…?/////ち、違う!私は恋なんてしてない!恋なんて…♥♥♥)
「そうか、お前がここで物思いに耽ってたのはそのせいだったのか。私も急に恋人にしろと告白されてな、まだ返事はできていないが」
(いつものように屋上で一緒にご飯食べて、食べ終わったら私の袖を引いてきて、何かと思ったら『ぼ、僕デーモンさんのことが好きなんです!つ、釣り合いなんて取れてないかも知れないけど、大好きなんです!恋人になってください!あ、あの…お、お返事待ってます!』って顔を真っ赤にしながら走り去っていってしまった…♥♥♥あああああ可愛い!♥♥♥奥手だから絶対私の方から迫ることになるかと思ってたのに♥♥♥勇気を振り絞った告白されちゃった…♥♥♥恥ずかしくなって走って行ったって、同じクラスの隣の席だからすぐに私と会うことになるのに♥♥♥私もふやけた顔であいつの顔を覗き込んだら林檎みたいに顔を真っ赤にして顔をそらして♥♥♥そのくせに私が顔を反らすと上目遣いでチラチラとこっちを見てきて…♥♥♥)
「も、勿論断る予定よ!アンタだってそうでしょう!?」
(い、いきなり恋人同士なんて嬉しすぎて、じゃなくて恥ずかしすぎて…/////でもなくて!ち、地上の王者の私と人間が恋人同士になろうなんてそ、そんなの駄目よ!駄目だから、まずはと、友達…い、いえ下僕ね!私のし・も・べ!下僕になるくらいなら認めてやってもいいわ/////)
「無論だ、断るに決まっている」
(こんなに大好きなお前と相思相愛なのがわかったのに、恋人同士で満足できるわけないだろ♥♥♥告白の返事をする時には、まず思いっきり抱きしめてキスを沢山してから、蕩けきった顔のお前に恋人にしてほしいという告白を断ってから、私の方から永遠の愛の契約を持ちかけてやる♥♥♥勇気を振り絞って告白したのに残念だったな♥♥♥お前は私の恋人になんてなれないぞ♥♥♥永遠にイチャイチャラブラブし合う私の大大だーいすきな旦那様確定だ♥♥♥)
「「はあ…あんな人間」」
「わ、私は絆されたりなんかしないんだからね…/////」
「早く抱きしめていっぱい甘やかしてやりたいなぁ…♥♥♥」
「「………んん?」」
おわり。
「はぁ…」
「おや、先客か?珍しいなドラゴン」
「何よアンタ…ってデーモンじゃない」
物憂げに柵の外の景色を見ていたのはドラゴン、その後から、入り口をゆっくりと開けて入ってきたのはデーモンであった。
「いや、ここは普段私の特等席なのだがな」
「別にアンタのものでも無いでしょ、どかしたいんなら力づくでどかしてみれば?」
「おやおや怖い怖い、別に一人で居たいわけでもない、お前さえよければここに居てもいいだろう?」
「フン…好きにすれば」
敵意をむき出しにするドラゴンを尻目に、デーモンは穏やかな様子でベンチに腰を掛けた。
「そんなに荒れてどうした?まあ、大方人間の男絡みだろうがな」
「ハァ!?そんなわけ……いや、そうね、その通りよ」
顔を真赤にして自分の後ろのベンチに座っているデーモンの方にクルッと向きやった後に、またゆっくりと外の景色を見つめ直すドラゴン。
「おや、お前も一端に恋の悩みをするようになったとは意外だな」
「…勘違いしないでくれる?誰も恋なんかしてないわよ、あんたらみたいに、人間の男に簡単に媚び売って尻尾振る魔物と、高貴で高潔な私を一緒にしないでもらえるかしら?」
「ふふ、振る尻尾のない魔物娘も多いぞ?」
「…比喩よ比喩」
憮然とした表情で、他者を平然と見下すドラゴンを尻目に、本気か冗談かわからぬ事を言い放ち、いなして行くデーモン。
「アンタだってそれなりに高位の魔物なんだから、人間どもになんて尻尾振るのやめなさいよ、ま、ドラゴンである私よりは下だけどね」
「おや?私がいつ人間に尻尾を振るった?あんなか弱くて愚かな人間に対して」
「…あら、案外話がわかるじゃない。意外ね、アンタがそんな事言うなんて」
先程までの悩ましげな表情とは打って変わった、得意げな笑みを浮かべながら後ろを向きやるドラゴンと、先程までと何ら変わりのない余裕気な表情のまま話しかけるデーモン。
「当たり前だろう、私は生まれながらの上級悪魔、ひ弱な人間達とは『格』が違う。人間は我々の庇護下になるべき存在だ」
(満面の笑みを浮かべながら嬉しそうに意中の人間をナデナデして、頬ずりしながらイチャイチャする自分の姿を想像しながら)
「その通りよ!人間どもは地上の王者である私の前にひれ伏すのよ!」
(典型的なお嬢様のように高笑いしながら周りの人間がははーっ!とひざまずく姿を想像しながら)
「なんだ、意外といける口じゃないかお前も」
「アンタもね、流石にデーモンともなるとそこら辺の魔物とは違うみたいね」
自分の姿を想像をしながら得意げに、お互いを称え合ってるが、実際にはその内容にはかなりの差が合った。意気投合したと思いこんでいる二人にはそれは知る由もないことであったが。
「そうよ、だいたいいくら(私が)可愛いからって、私に向かって人間が恋をしようだなんて烏滸がましいわよ」
「全くだな、(人間が)可愛すぎるのも罪というものだ、(ただでさえ可愛いのに)身の丈を弁えないような(可愛すぎる)行動を取られると襲いかかりたくなってしまう(性的な意味で)」
「大胆ねぇ、やっぱり魔物娘のほうが上ということを(力で)わからせてあげないと駄目みたいね!」
「同感だ、私が(体位的な意味で)上だということを(セックスで)わからせなければ!」
「そう…」
「特に…」
「「あいつには…」」
二人の言葉にこもる熱は段々ヒートアップしてきたが、ここで一度口をつぐんで、同時に同じ言葉を発していた。二人は驚いたように目を見合わせてた。
「あ、アンタにも居るの?最近そういうわかってないような人間が…」
「ああ、私にも居るぞ、同じクラスで隣の席の男だ」
二人は腕組をして、思案をするように目を瞑る。
「そうね、私も同じクラスの男の子よ」
「お前もやはり同じような悩みがあるか、似た者同士だったようだしな」
「そうなのよ!あいつは何もわかってないわ、高貴な私に向かって対等に話しかけてきて!」
(べ、別に他の子達と違って、私を腫れ物みたいに扱ったり、勝手に高嶺の花の完璧超人みたいに扱ったりしないのが嬉しかったとかそんなこと思ってないんだからね!…/////)
「そうだな、私もあいつが気安く話しかけてきて困っている」
(あんなに可愛い屈託のない笑顔で突然話しかけてきて…♥♥♥心臓が止まるかと思ったぞ♥♥♥好きな男にそんな可愛い顔されたら学校の中なのに今すぐ抱きしめてキスをしてしまうところだったじゃないか…全く♥♥♥)
「そうよ、気安いし、デリカシーもないわ!突然、私がお昼休みにご飯を食べてる時に隣に座って弁当を食べ始めて!私のプライベートを考えてないのかしら!」
(べ、別に近寄りがたい雰囲気出してた所為でクラスで一人ご飯食べてたのが寂しかったわけじゃないし、あいつが来て嬉しいだなんて思って無いんだからね!ぶっきらぼうなあいつの優しさなんて、全然幸せに思ってないんだから…/////)
「そうだな、飯の食い方一つとってもそうだがあいつは私を挑発しているようにしか思えん。身の程を知らないようだ」
(初めて屋上で二人きりでお昼を食べた時、私が作ってきてあげたお弁当を目を輝かせて嬉しそうに食べてた姿は、思い出すだけで私も嬉しい…♥♥♥美味しそうにもぐもぐしてほっぺたにケチャップまで付けてしまって、私が指で拭って舐めてあげたら、顔を真赤にして気恥ずかしそうに俯いちゃって♥♥♥ああ、誘ってる様にしか見えないぞそんな仕草♥♥♥お昼じゃなくてお前の精を食べたくなるじゃないか、そんなことされたら♥♥♥)
「そうよ、頭だって私のほうがいいんだから!成績だって私のほうが上なのよ!『俺は馬鹿だから勉強を教えろ』って、なんて図々しいのかしら!」
(私が教えてあげてる姿を見てクラスメイトの女の子が『ドラゴンさんて優しい人なんだね』って皆と打ち解けられたのなんて喜んでないんだから…!/////普段勉強は真面目にやってきてなかったあいつが、私が教えてる時は真面目に取り組んでて、その時の真剣な表情にときめいたりしてなんて…な、ないんだから…♥♥♥)
「あいつもそれなりに頑張っているようだが、お昼休み中に居眠りをしていたし、理由を聞いたら夜まで勉強しているからとは…昼間の生活に支障が出ては元も子もないというのに、自己管理もできていないようではまだまだ甘いな」
(ご飯を食べた後に気持ちよさそうに眠るあいつの顔は犯罪的な可愛さだったなあ…♥♥♥もうすぐ授業の時刻だったからほっぺたをツンツンしながら起こしてあげて、眠そうにしてる理由を聞いたら『デーモンさんと同じ学校に行けるように、頑張って夜中も勉強してます!』なんて♥♥♥私はお前と一緒にいるだけで幸せなのに…♥♥♥私のために頑張ってくれるのはとても嬉しいが無理だけはするなよ♥♥♥私もいくらでも協力してやるからな♥♥♥)
「力だって当然!魔物娘の方が上だし、ましてや私はドラゴンなのよ!力の象徴!なのにあいつは『俺に稽古をつけろ』なんて、勉強以外でも私に張り合おうとして!力の差がわかってないのかしら!」
(『勉強も力もお前に相応しい男になるために協力してくれ』なんて、な、何を私に伝えてるのよあいつは!/////あいつが努力してるのが私のためなんてそんな…そんなの…うれ、嬉しくなんか…/////うれしい…♥♥♥…ッ!?今のは違う!違うの!/////嬉しいなんて思ってない!絶対!/////)
「やはりお前もそういう経験があるみたいだな、魔物娘と人間の力の差を理解していない行動…全く先が思いやられる」
(あいつと一緒に街に出かけた際、私が人間の姿で待ち合わせ場所で待ってた時に、チャラついた男に絡まれていた私を『やめろ!この人が嫌がってるじゃないか!』と割って入ってくれたな♥♥♥私のほうが体格もお前より大きいのに、ましてや擬態していたとはいえ上級悪魔の私ならあんな奴ら赤子の手を捻るように払いのけられるというのに…♥♥♥そもそも私はお前以外の男になんて興味はないぞ♥♥♥あぁ、可愛くてかっこよくてもう完璧すぎる…♥♥♥)
「そ、それに…あ、あいつが…この間…」
「ん?」
「わ、私に告白してきて…/////」
「ほう、奇遇だな、私も告白されたぞ…♥♥♥」
二人は顔を赤く染めながら、ドラゴンの方は気恥ずかしそうに、デーモンの方は蕩けそうな顔を保つように頬に手を当てた。
「いきなり、『まだお前に相応しい人間になれたわけじゃないけど、いつか絶対なってみせる、お前が好きだ、付き合ってくれ』なんて言われて…へ、返事はまだしてないけど…」
(いきなり告白されて、わけもわからなくなって「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!」って叫びながら逃げてきちゃったし…うう、は、恥ずかしすぎてあいつと顔合わせられないよぅ…/////だ、大体全部あいつが悪いのよ!私におべっか使うわけでもなく、腫れ物みたいに扱うわけでもなく、優しくしてきて、図々しく私に関わってきて…あいつのことを考えると胸がぽかぽかするのに痛くなって…♥♥♥こ、こんな気持になったの初めて…こ、これが恋なの…?/////ち、違う!私は恋なんてしてない!恋なんて…♥♥♥)
「そうか、お前がここで物思いに耽ってたのはそのせいだったのか。私も急に恋人にしろと告白されてな、まだ返事はできていないが」
(いつものように屋上で一緒にご飯食べて、食べ終わったら私の袖を引いてきて、何かと思ったら『ぼ、僕デーモンさんのことが好きなんです!つ、釣り合いなんて取れてないかも知れないけど、大好きなんです!恋人になってください!あ、あの…お、お返事待ってます!』って顔を真っ赤にしながら走り去っていってしまった…♥♥♥あああああ可愛い!♥♥♥奥手だから絶対私の方から迫ることになるかと思ってたのに♥♥♥勇気を振り絞った告白されちゃった…♥♥♥恥ずかしくなって走って行ったって、同じクラスの隣の席だからすぐに私と会うことになるのに♥♥♥私もふやけた顔であいつの顔を覗き込んだら林檎みたいに顔を真っ赤にして顔をそらして♥♥♥そのくせに私が顔を反らすと上目遣いでチラチラとこっちを見てきて…♥♥♥)
「も、勿論断る予定よ!アンタだってそうでしょう!?」
(い、いきなり恋人同士なんて嬉しすぎて、じゃなくて恥ずかしすぎて…/////でもなくて!ち、地上の王者の私と人間が恋人同士になろうなんてそ、そんなの駄目よ!駄目だから、まずはと、友達…い、いえ下僕ね!私のし・も・べ!下僕になるくらいなら認めてやってもいいわ/////)
「無論だ、断るに決まっている」
(こんなに大好きなお前と相思相愛なのがわかったのに、恋人同士で満足できるわけないだろ♥♥♥告白の返事をする時には、まず思いっきり抱きしめてキスを沢山してから、蕩けきった顔のお前に恋人にしてほしいという告白を断ってから、私の方から永遠の愛の契約を持ちかけてやる♥♥♥勇気を振り絞って告白したのに残念だったな♥♥♥お前は私の恋人になんてなれないぞ♥♥♥永遠にイチャイチャラブラブし合う私の大大だーいすきな旦那様確定だ♥♥♥)
「「はあ…あんな人間」」
「わ、私は絆されたりなんかしないんだからね…/////」
「早く抱きしめていっぱい甘やかしてやりたいなぁ…♥♥♥」
「「………んん?」」
おわり。
21/08/07 18:41更新 / 甘党