前半 −満月−
コンコンコンッ
深夜、戸口が控えめにたたかれる音がして、僕は泣き寝入りしていた枕から顔をあげた。
「うるさいなぁ・・・」
このノック、実に三十分ほどは続いている。いつもならこんな時間に誰か尋ねてくれば、村の誰かが急ぎの知らせでも持ってきたかもしれないと思い、慌てて戸口に出たことだろう。だが、今の僕は絶賛失恋中だ。村の人々もそれはわかってくれていて、この二、三日、だれも尋ねてこなかった。
ただの失恋に大げさだ、と思うかもしれない。だけど、しようがないだろ?
その相手は、どこか別の男に恋をしてるわけでも、どこか遠くへ行ってしまったわけでもない。いや、どこか遠くへ行ってしまったというのは当たっているかもしてない。だったら追いかけろ、とでも思うかも知れないが、それは無理だ。
だって、彼女が今いるのは、村の外れにある墓場の暗い土のなかだ。
出会って三年、同棲して一年の彼女だった。
領主の息子だから、と村の皆との壁が少しあった頃、彼女と出会った。その直後くらいに、彼女のおかげか村の皆とも壁がなくなったかのように触れ合えるようになった。
その彼女が、死んだ。
死因はよくある事故。僕を驚かせようとでも思ったのだろう。彼女は、僕を起こすことなく朝早くに家を出て、村から町のほうへと出掛けていた。その先で馬車が横転する事故に遭ったのだ。当たり所が悪かったらしく、死に際の言葉も聞けないまま死んでしまったらしい。曖昧なのは、僕はそれをあとから人づてに聞いたからだ。
葬儀の最中、僕は必死に参列したリリムに、ゾンビでもスケルトンでもいいから、彼女を甦らせてくれと頼んだが、その答えは僕の希望を裏切るものだった。彼女の話によると、血統的に無理らしい。
そして、今にいたるわけだ。
僕は恋人を失った悲しみにくれているというのに無遠慮なこの客は、どうにかして僕を無理にでも起こそうとしているらしい。
コンコンコンッ
「・・・」
いいかげんイラだってきた。
一言言ってやらないと気がすまない!と憤った僕は、ずいぶんと広く感じるようになったベットから抜け出し、ズンズンズンッと足を踏み鳴らしながら戸口に出た。
「はいはい!どちらさま!?僕はあんたみたいなしつこいひ・・と・・・」
「やっ、久しぶり。クロア君」
煌煌と輝く満月の下、彼女が立っていた。いつものようににっこりと屈託のない笑みで僕をみつめて、その綺麗な鈴を鳴らすような声で僕の名前を呼ぶ、いつもの彼女だ。
「ぇ、アウラ?えぇ?そんな?」
僕は慌てて彼女の名前を呼び、身体中を見回す。生前(?)と全く変わらぬキメこまやかな白い肌に満月の光りを浴びてつやつやとかがやく腰まである金髪、それでいて、白いブラウスと青いフレアスカートに身を包んだ身体は、女性であると主張するかのように胸は突き出し、腰はくびれ、お尻も突き出ている。理想的なスタイル、といっても過言ではない、まさに僕の趣味にドストライクな豊満な体。
事故で打ったという頭を触ってみるが、何も別状もなく細い金髪が指に優しく絡まり、そしてスルスルと抜けていくだけだった。
「なあに?突然?」
くすくすと天使のように笑って、アウラは僕を見た。僕は深夜で周りに誰も人がいないことをいいことに、ガバッと彼女に抱きついた。
「きゃっ」
腕の中でアウラが驚きの声をあげるが、そんなことは知っったことか。
「怖かった。本当に怖い夢を見たんだ・・・君が死んじゃうなんて・・・」
「あはは、心配かけちゃったね。事故にあったのは本当なんだけど、本当に大丈夫だから」
「ぇ!だ、大丈夫なの!?」
「大丈夫大丈夫。かるい脳震盪をおこしただけだから。しばらく気絶してて、街の病院の方で目がさめたの」
「よ、よかった・・・」
「そんなに心配してくれてたんだ・・・ごめんね、貴方を驚かせたくてみんなに黙ってもらってたんだ」
アウラはそういって済まなそうな顔をした。そうだ、彼女はこういうイタズラっ子のような面も持っていた。
それで村のみんなが葬儀の時、彼女が死んだというのに、どこかよそよそしい雰囲気をだして、号泣していたのが僕だけだったんだな、と彼女の言葉が一気に僕の違和感を消し去った。
「そっか、みんなひどいなぁ。僕をだましてたなんて、本気にしちゃったよ」
「ごめんね?私が言ったからだから、みんなを責めないで?」
「わかってるよ、君と付き合うって決めた時から、君のイタズラに振り回されることは覚悟してたしね。さ、中に入ろう。こんな夜中に外で何十分もいたんだ、身体、冷えただろう?ごめんね、ずっと出なくて」
「うぅん、いいの。クロア君がどれくらい私のこと思ってくれてるのがよくわかったもの」
と、アウラはやさし聖母のような笑顔で僕に言った。
なんてやさしい彼女だろう!とぼくは叫びたくなった。これ以上の理想の彼女などいないと言いたくなるほど、やさしく、そして時々お茶目な彼女。 本当にイタズラでよかった、これが本当に失われていたとしたら・・・と、僕は背筋をゾッとさせながら思った。
「どうしたの?体調でも悪い?」
「い、いや大丈夫だよ。すこし冷えただけだから」
「でも顔が真っ青だよ?」
まさか、君がいなくなるっておもったらこんなになってしまった、なんて恥ずかしいこといえるはずもなく、僕は大丈夫大丈夫、と繰り返していた。だが、アウラはムンっと唇を∧という形にして、僕の鼻先に人差し指を立てた。
「もー、クロア君はいつもそう。自分の体調のことを自分が一番わかってないんだよ。ほら、座って座って。身体が暖まるもの作るから」
アウラは僕をリビングのいすに座らせるとかけてあったエプロンを取り、キッチンに立った。
冷蔵庫をあけ、彼女は驚いた声を上げる。
「え!嘘!私が事故にあった日ときから何一つ変わってないじゃない!この三日飲まず喰わずだったの!?」
「ぁ、あはは・・・そうかも・・・食べてられる余裕なんてなかったから・・・」
そう自覚すると一気に胃はきゅうきゅうと鳴り、のどはからからに渇いてきた。そんな姿をみて、アウラは下唇が白くなるほどかみ締めていた。
「そんなに悲しそうな顔しないでよ・・・僕は笑ってるアウラが好きだよ・・・」
「ぅ、うん。わかった!すぐおいしいものつくるから待っててね!」
服の袖でアウラは目の端にたまっていた涙をぬぐい、一生剣命明るく振る舞うと、キッチンに戻っていった。
あぁ、やっぱりアウラはやさしいな・・・と思いながら、僕は半分ほどもやのかかった思考で考え、机に突っ伏した。
しばらくして、僕はなにか途轍もなくやわらかく甘いものが口に触れている感触で目がさめた。不思議に思って目を開けると、そこにはほんの1,2センチしか離れていない距離にアウラの顔があった。
つ、つまり・・・いまくちに触れているのはアウラの唇なわけで・・・と驚いているうちにアウラと目が合った。
「おはよう。クロア君、あんまりにも幸せそうに寝てるもんだから、ついキスしちゃったっ」
てへ、と小悪魔的な笑みを浮かべる彼女に、僕は猛然としかえししたい気分になった。
「そっか、じゃぁ」
といって、僕は彼女をリビングの床に押し倒した。
「僕はあんまりにも可愛いアウラをたべちゃおうかな」
「な、な、にゃっ、か、可愛いなんて・・・」
「アウラは可愛いよ。世界のだれよりも可愛い。その金髪も、ちょっと童顔なその顔も、青い瞳も。全部が可愛いよ」
「も、もー、やめてよぉ・・・はずかしいよぉ」
本当にそう思っているらしくアウラはその白い肌を真っ赤に染めて、僕を見上げていた。その無意識にしているのだろう上目遣いと恥ずかしさからくる紅潮にちょっと涙目の瞳、そのすべてが僕を誘ってやまなかった。
「ご、ごめん・・・っアウラっ僕、もう我慢できない・・・ッ」
「ぇ?きゃああああ!」
いままでこれ以上の速度はだしたことがないんじゃないか?と思うほど高速な手つきで、僕はプチプチプチっとアウラの着ていた白いブラウスのボタンをはずしていき、そのまま白いレースのブラジャーも取り去ってしまい、そのなかの桃色に染まった瑞々しい大きな果実を露出させた。
「綺麗だよ・・・アウラ・・・」
「もー、甘えん坊だなぁ、クロア君は。・・・いいよ・・・」
恥ずかしそうながらも期待の込もった声で言ったアウラの言葉に、僕の理性は一気に瓦解した。
その綺麗な形をした張りのいい胸に舌を這わす。
「あっ、あぁ」
アウラは敏感なのか、軽く舌を這わしただけで切なげに甘い吐息を吐き出した。
僕はその様に満足して、今度はその胸を手でつかむ。柔らかく温かいアウラの胸に、なんともいえない感動を得ながら揉みしだく。
「あん、ぅ、ぅん・・・」
アウラは恥ずかしそうに身体をよじっているが、僕の手の動きの邪魔はしようとはせず、むしろ自ら背を反らし、胸を突き出し始めている。感じているんだ、と思うととてもうれしくなる。
「まだ、掴んだだけだよ?」
加虐心が湧きあがった僕がニヤニヤ笑いながらアウラの顔をみると、アウラはとろけた目で僕を見ていった。
「あふっ・・・だ、だって・・・貴方の手だと思うと・・・っちゅ、んん」
「んん!」
アウラは、自分をみつめる僕の視線に我慢できなかったのか、首をのばすとお返しとばかりに、口に接吻する。
桜色のふっくらとした唇から這い出した舌が、僕の唇の隙間から潜り込んでくる。すぐさま、二人の口の間から絡み合う舌と舌が絡み合う。
「あうふう、ああぁああ」
アウラの瞳はもう欲情でトロトロに蕩け、僕の顔しか映っていない。そう思うと無性にうれしくなり、よりきつく彼女の舌と自分の舌を絡める。
キスをしながらぐにゅぐにゅと彼女の胸を揉みしだく。僕は、甘いアウラの舌を吸いながら、大きな胸に再度感動していた。
胸の中に自分の手首ちょっと前位まで入ってしまうほどの、大きさと柔らかさ。そして、手を放せば、すぐに元の形に戻る心地よい弾力。その全てが自分の物である、という思いに満たされたまま僕はアウラの胸を揉む。
「クロア君・・・好き・・・大好き・・・」
僕に押し倒されたまま、アウラは幸せを顔に表していった。僕は、そのまま幸せそうに頬を染める彼女の口に舌を絡めあいながら、その胸を揉み続ける。発情して身体が熱くなってきたのか、ゆっくりと浮いてきた汗が綺麗な曲を描いて滴っていく彼女の胸をぐにゅっと掴むたび、ビクンとアウラのしなやかな体が痙攣する。
僕は調子にのって、胸を両手でこね回しはじめると、
「むぅ・・・・っ!」
「うわっ!?」
ドンッとアウラが僕の身体を突き飛ばし、倒れこむとそのまま僕の上に乗っかってくる。
心地よい重みが、僕の身体にのってくるが、それ以上に突き飛ばされたことに驚いて僕が目をぱちくりとしていると、アウラはいたずらっ子のような笑みをして、僕のズボンのジッパーを下ろした。
「ぇ、ちょっ!?」
「ふーん、ずっと責められ続けるなんてヤダもん」
と、彼女はいうとズボンのなかで膨張、硬化しきった僕のムスコを取り出す。
「うわぁ・・・おっきい・・・」
「そ、そうかな・・・?」
アウラはそれを見て呆然として呟いた。自分としては平均サイズでむしろ小さいのではないか、とよく心配になっていたのだ。他人と比べるなんて機会は全くないし、どこかのメロウがだしている本の中では、彼女の真っ黒な格好をした夫のソレは、もっと大きいようなこと言ってたし・・・と本棚の裏にある、そういう本のことを考えていると、考えていることがわかったのかアウラはむーっと膨れた。
「私としてるんだから、ほかの事考えちゃだめーっ」
「ご、ごめんって、うあっ!?」
アウラの唇が優しくペニスの先にキスをしたのだ!
そのまま、私のこと以外考えられなくしてやる!とでも言うとように、何度も何度も繰り返しキスされる。そのあまりに甘美な快楽に思わずぼくの口からうめき声が漏れる。
「ぅ、ぅぅぅっ・・・く、は・・・」
「んっ、ん、ちゅ、ちゅぱ」
やがて、彼女はキスを止め、今度は竿のあたりに舌を這わす。唾液がたらたらと垂らされ、舌が僕のムスコの竿を這い回り、丹念に舐められる。
「えへへ・・・・どうかな?きもちいい?」
「あ、あっは・・・凄い・・・気持ちいいよ・・・アウラ・・・」
「そっかぁ、えへへ・・・・もっとつづけるね・・・」
アウラは、僕があまりの快楽にもだえているのをみると楽しそうに笑った。だが、それだけではアウラはとまらず、そのまましたを這わせ続ける。ぴちゃぴちゃ、びちゃ、と湿った卑猥な音が木製のリビングに響き渡る。
「あ、ア、アウラァ・・・」
「ふふふ・・・・クロア君、切なそう・・・」
快楽で腰をガクガクゆする僕のムスコをアウラは優しく丹念になめ続け、そして口を離す。アウラによって舐めつくされたムスコは、いつのまにかアウラの唾液がたっぷりと行き渡っていた。
「ふ・・・・ふぅぅ・・・」
ようやく快楽の波がおさまった事で僕が長く息をつくと、アウラはそれをみて、ふふ、と笑い
「じゃあ、そろそろ次、いっちゃうね?」
「へ?」
おもむろにアウラはペニスの根元を掴むと、僕を見てニッコリと微笑する。そして、あーーーんと、その楽しそうに曲を描く唇を大きく開けると、僕に見せつけるようにムスコをゆっくりと咥えこんでいく。
舌と口の中にペニスの先端を擦らせながら、じゅぶじゅぶと唾液を啜る音ともに、ムスコがアウラの口の中に吸い込まれていく。
「うああああぁっ」
温かく湿った口腔粘膜に包まれ、僕はたまらず声をだす。じゅるっ、じゅるる、とアウラは僕の反応を楽しむようにフェラチオをはじめた。そのままペニスを吸い込み、口のなかで舌で絡まりながら首を軽く振る。
「んー、んぅ。んぐぅ」
「あ、アウラ・・・っどこで、こんなぁ・・・」
そううめくと、アウラはにやりっと笑い、ムスコから口を離し彼女はその細い指で寝室の方を指差した。
「寝室の本棚の裏に隠してある本・・・名前はわすれちゃったけど、メロウの女の人が書いてる本を読んだの」
「・・・・っ!!!!!」
うぎゃぁ、っと叫びそうになりながらも、それに耐える。ま、まさかあの本が見つかってたなんて、とさっきとは別の意味でガクガクと身体を揺らしながら僕はアウラを見た。アウラはイタズラっ子の笑みを浮かべたままいった。
「クロア君もオトコノコだもんね、そういう本の一冊くらいは持ってるとは思ってたよ。だから・・・その、いざこういうときになった時のために予習しておいたの」
「そ、そうなんだ・・・」
アウラの恥ずかしそうに言った後半の言葉が胸の中に何か暖かいものを次々と湧き上がらせ、満たしていく。僕のためにそこまでしてくれたんだ・・・
「て、わけで、その本にのってた通り、一回ださせちゃうね?」
「え」
胸の中を温かいもので満たしていた隙を突いてアウラはもう一度僕のムスコをくわえ込んだ。そして、さっきよりも強くムスコを吸い込み、舌を絡まりながら首を激しく振り出す。
「う、うわぁっ」
じゅぼっじゅぼぼっちゅぽっと頬を窄ませたアウラが顔をふるたび、口の端からいやらしい音が響き、腰までの金髪が激しく揺れる。アウラは口全体で僕のムスコを締め付けて吸い上げ、愛しつづける。
「あ、あ、あぐ、あぅっ」
声をあげる僕を嬉しそうに見上げながら、アウラはどんどんとその勢いを加速させていく。
「ん、ん、ん、んん、んんん、ん、んん、んん」
ガクガクとアウラの首がうごき、ムスコがそれにあわせて強く吸われる。そのあまりの激しさにムスコの奥で静止が上ってくる感覚がし始め、僕は思わず激しく振れ続けるアウラの頭を無意識の内に両手でつかんでしまっていた。
「んっんぐぅ!」
「くぅっっっ、で、で、でるっ・・・アウラっでちゃうよぉっ!」
「いいひょっ。いっひゃいだしへぇっ!」
頭を固定されたアウラは、僕の声を聞くと同時にもごもごと話ながら、口の奥でペニスを吸い込み、舌先でムスコのさきをぐにぐにと押す。その射精をうながす舌の動きに、僕はついに耐えられなくなり、ついにこらえきれなくなり、快楽が決壊しまった。
「う、ああああっ」
たまりにたまった精子が一気にムスコをその先へと駆け上がり、どっと大量の精液が鈴口から迸り出る。
「んぐっ!ん、ぐぅ・・・・んううぅう………」
アウラはその勢いに目が見開くと、やがてその白い喉がコクンコクンと鳴りつづける。僕は、その様子を呆然と眺めていた。
飲まれている。アウラが、僕の精液を飲んでるんだ。あんな青臭いものおいしいはずもないのに、アウラはいやな顔ひとつせず、コクコクと飲み続け、ゴクンと最後に喉を大きく鳴らして、絡みつく濃厚な精液を全て飲み干したことを伝えた。と、僕が呆然としているのをっみると彼女は、くすっと淫らに唇に薄い笑みを浮かべた。
「いぃっぱいでちゃったねぇ・・・濃くって量もおおくて、飲みきれないかと思ったよ」
「ご、ごめんっ。その、最近抜く暇なんてなくって・・・」
「うぅん、いやがってるわけじゃないよ。うれしいだけっ」
と、アウラは言うと、ずりずりと僕の身体をよじのぼってきて、僕の股間のあたりにあった顔を顔の前までもってきた。
「じゃ、しよっか・・・クロア君・・・」
「うん・・・」
二人で見つめあい、そのままだんだんと唇の間が狭くなっていき・・・と、キスをする直前でアウラの顔が引いた。
「?どうしたの?」
「ぁ、えっと・・・その、フェラとかした口じゃいやかなぁ・・・って思って・・・・」
アウラがおどおどっと言うので、僕はその様子に笑みがこぼれた。そしてそのまま彼女の唇を奪う。うぶっっと驚いたような声がもれたが、彼女の唇の中に舌を付きいれ、歯茎の裏や頬の裏を舌先でなぞると、彼女の青い瞳がとろんとした色になった。やがて、ぷはっとどちらからともなく口を離した。
「そんなことないよ。僕がだしたものだからね。それに、どんなでも君を拒むなんて僕は考えられないよ」
「く、クロア君・・・っ」
アウラは感極まって涙を流しだすとぎゅっと僕に抱きついてきた。
「わ、私もっ私もクロア君ならどんなことされてもいいからっ」
「はは、どんなことでもって大げさな」
「大げさじゃないよ!それくらいすきなの!」
アウラに真正面からがんと好きだと言われる。もしかしたら、いままでこんな風にちゃんと好きだ、といわれたことはなかったかもしれない。その、言い難いことだが、アウラとこういう行為に及ぶのも初めてだし・・・
「そっか・・・・僕もだよ・・・アウラ・・・」
「クロア君・・・」
僕らはもう一度そのまま深いディープキスを交わすと、ゆっくりと離れた。
「それじゃぁ・・・いれるね・・・?」
「ぇ、ア、アウラは平気なの?その、濡らさないと・・・」
「ふふ・・・」
アウラは意味深に笑うと、自分のはいていたフレアスカートの端をめくり上げた。するとそこには桃色の下着があって、その重要な部分には大きな染みができていた。
「クロア君のなめてたら、こんな風になっちゃったんだ・・・」
「な、なめてただけで・・・?こんな風になるものなの・・・?」
「だって、クロア君の感じてる顔があんまりにも可愛くて・・・」
「そ、そうなんだ・・・じゃ、じゃぁ、前戯はいらないね・・・」
「ぅ、うん・・・だから・・・早く入れて・・・」
というとアウラは染みのできた下着を抜ぎ、片足にひっかけたまま僕の臀部に腰をおろしてきた。アウラは、その白く細い指で髪と同じ金色の毛の茂みの下にあるピンク色の肉の割れ目を押し開く。ちゃっ 湿った音をたてるいやらしい汁に溢れたそこは、誘い込むような淫気を漂わせていた。
「クロア君、好きに、して・・・」
キュルッと売るんだ瞳で上目遣いにそういわれた僕は、その瞬間、頭の中で何かがぶちっと切れた音がした気がした。
「あ、アウラァ・・・っ!」
「ひゃんっ、す、すきにしていいけどっそんながっつかないでっ」
僕はさけびながら必死にムスコをアウラのその入り口に押し当てようと腰を動かしだすが、すべって的が外れてしまい、上手くいかない。
真っ赤になったアウラは、その様子に苦笑いしながら、僕を抱きしめるとさっきよりも硬さを増したムスコを優しく握る。
「あせらないで、私は逃げないよ。ほら、ここ・・・」
アウラはそっと、やさしく僕にキスをすると、ムスコの先を動かし、少し腰を浮かして誘導する。
「い、いくよっアウラっ・・・!」
「き、きてっっクロア君!」
僕は興奮しきった声で叫ぶとアウラの声を聞くや否や、アウラの中へとムスコを根元まで一気に突っ込む。
ずにゅぅぅぅう、とという感触とともに、なにかがぷちんっと切れる感覚がした。それと同時にアウラがうめき、涙を目の端に浮かべる。僕は、そのあまりの狭さや締め付けてくる感触の気持ちよさに体が震えたが、辛そうなアウラをみて動きたい衝動をぐっとおさえる。
「あっあぅぅっうっく・・・・」
「あ、アウラっ大丈夫っ!?」
「へ、平気だよっ・・・クロア君に初めてをあげられた事のほうがうれしいもん・・・っ」
と、アウラは平気だと僕に笑いかけるが額には汗が浮かんでいてかなり痛いことを示していた。僕はその痛々しい姿に、彼女の身体をぎゅっと抱きしめた。
「・・・アウラ・・・おちつくまで抱きしめてるから・・・」
「クロア君・・・ありがと・・・」
二人でぎゅっと抱き合って数分しただろうか、アウラが軽く背中をたたいた。
「もう大丈夫。動いていいよ」
「本当?無理してない?」
「ぅん。大丈夫、だいぶ収まってきた。というより、今は動いてくれないほうがせつなすぎてつらいかな・・・」
えへへ、と笑う彼女の顔はまだすこし痛そうだったが、これ以上動かないと逆に彼女を傷つけることになってしまうし、僕もこれ以上は彼女の中の締め付ける感触に耐えられなさそうだ。
僕は途中でとまった挿入を再開し、ぐぐっと根本までムスコを彼女の奥につきこむ。
「うぐ・・・・っくは・・・・」
「いいいぃ・・・」
お互いにその快楽にこらえきれない声を漏らしまう。アウラの膣がきゅっとやさしくしめつけ、その途中の壁に擦れる感触がなんともいえない刺激で脳を狂わす。オナニーなどでは味わえない感覚に僕は危うくも、もう出しかけてしまいそうになるが臍にちからを入れ、何とか耐える。そして、ゆっくりとそれでいて力強く腰を振り、彼女のなかをゆっくりと行き来する。
「あ、あ、ああああぁあああ」
その感覚に痛みよりも快感が勝ったのか、アウラの口からあえぎ声が漏れる。僕にとっても耐え切れないほどの快楽だが彼女にとっても、あえぎ声を漏らしてしまうほどの気持ちの良さらしい。
「凄い、いぃ・・・・クロア君っいいよぉっ」
アウラの声がどんどんと高く大きくなっていく。彼女のその声に僕は興奮していって、だんだんと挿入する感覚が短くなり、強さもどんどんと強くなっていく。
パンパンパンパンッと騎乗位になった彼女のお尻と僕の臀部がなんどもぶつかり音をたてる。それとともに、彼女の膣からあふれ出た愛液が破瓜の血と混ざり合ってあふれだし、それがさらに潤滑液となって激しさを増ささせる。
「あ、アウラっ。気持ちいいよっ」
「わ、わたしもぉっ、すっごく気持ちがいいよぉっ!」
僕は腰を振りながらアウラの胸をつかみ、ぐにゅぐにゅと力いっぱい揉む。そうしながら腰は力いっぱい付きこみ、そのさきにあるなにかこりこりするもの、おそらく子宮口をノックし続ける。
「あっ、ひゃぁああああん!そ、それだめぇ!腰振って子宮たたきながら胸揉んじゃだめぇえ!」
「そ、そんな事いったって!僕が振らなくてもアウラ自身が腰振ってるじゃないかっ!」
「だ、だってぇっ腰がっ勝手にうごいちゃうのぉっ!」
快楽を求めて、アウラの腰がおおきくグラインドし、僕も腰をビタンビタンと、彼女の中に力の限りムスコを突き入れる。アウラの膣肉と子宮口が僕を受け入れるようにムスコを引き絞り、奥へ奥へと蠕動する。
「ううぅっ、いい、いいっ、アウラっ、気持ちよすぎるよぉっ!」
「あ、あ、あ、あ、うん。わ、たしもぉ、いいよ、いいよぉおお」
ムスコがごんごんと子宮を突き上げ、アウラは喉の奥から搾り出すように喘ぎ続ける。と、同時にまた、僕の息子の根本に熱い塊のマグマがたまり、こみあがってきていた。
「あああああ、アウラぁ、僕、も、もう、出る。膣内でだしちゃぅよぉっ!」
「いいよっ、中に、中にだしてぇっ、クロア君のを、私にそそぎこんでぇ」
「い、いく!」
僕はアウラの細い腰をガシッと掴みと固定すると、ズンズンっとムスコで膣の奥の奥まで一気に突き上げる。
「あ、ひゃああああああああああああ!!!!!!」
「う、うううううううううああああああ!!!!!」
ドクドクドクドクドクっと音がするほど激しく僕の精液がアウラの中に流し込まれる。それと同時に、お互いの脳に神経が焼ききれるほどの快感がなだれ込み、獣のように吼えた
「あぁっ、でてるぅ、私の中にクロア君の精液がながれこんでるぅ・・・っ」
アウラが白い喉を反らして、身体をピンッとはりつめさせる。その間にも彼女の膣の中でドクドクドクドクドクッと僕の精液がなだれ込んでいた。
「うう、まだ・・・っ」
僕の身体が無意識に腰をブルブル震わせ、根本にたまった熱いマグマを最後の一滴まで搾り出す。アウラは、体を痙攣させながらギュウッと僕にしがみ付き、快楽におぼれた緩んだ顔をみせていた。
「はぁああああああ」
長い長い射精の後で、僕は例えようもない快楽に満足しながら、そのまま深い眠りの中に引きずりこまれていった。
† † †
チュンチュンチュン
「ぅ・・・ふぁー・・・」
鳥の声に起こされ、うーん、と僕は大きく伸びをしてからベッドから降りる。アウラは、とベッドを見るが、そこには誰もいなかった・・・
あぁ、そっか彼女はもういないんだ・・・昨日のあれは夢だったのか・・・
そう気づくと、身体中が鉛に置き換わったようにどんどんと重くなっていって木製の床に沈みこんでいくようなに感覚に陥った。
その時だった。
「あれ?クロア君、もうおきちゃったの?」
と、寝室の入り口から明るい声が、沈み込もうとしていた僕の背にかけられた。その声に慌てて扉の方を振り向くと、エプロンをつけたアウラがフライ返しを持って立っていた。
「あれから大変だったんだよ?私が気づいたらクロア君はどろどろのまま寝ちゃってるし。ぬれたタオルで身体拭いて、床も掃除してってどうしたの・・・?」
いつのまにかポロポロと涙を流していたらしく、アウラは目を丸くして僕をみていた。
「ど、どうしたの・・・?」
「い、いや・・・」
そうだ。アウラは帰ってきたんだ。いや、そもそもの死んだというのが嘘で、僕は村ぐるみの嘘にだまされていたんだった。
そう思うと、重くなっていた体に一気に活気が満ちていく。
僕の様子を変に思ったのか心配そうな顔になっていたアウラを安心させるために、僕はにっこりと笑った。
「なんでもないよ、ただちょっとぼーっとしてて驚いただけだよ。この涙もあくびででたんだ」
「そっか、よかった」
「うん、心配させてごめん」
「うぅん、突然声をかけた私も悪いからいいよ。さ、朝ごはん作ってあるからご飯にしよ?」
「わ、わかった」
アウラの天使のような笑顔に、僕は昨日のことを思い出して顔をちょっと赤くしながらもリビングへと向かうアウラの背中を追いかけた。
リビングの机の上にあったのは、キツネ色に焼けたトーストに新鮮な野菜を刻んだ野菜のサラダ、そしてまだ湯気を立てている目玉焼きだった。
定番過ぎると思うだろうが、僕の朝食はいつもこれなのだ。
「うわぁ、うまそうだ」
「えへへ。今日のはちょっと自信作なんだ」
「へぇ、じゃあ早速」
対面の席にアウラが座るのを確認すると、僕は早速トーストにかじりつき、目玉焼きに軽く塩を振るとナイフで一部を切りとろける黄身をこぼさないようにしながら口に運んだ。
アウラが期待した目で僕を見る中、僕はその味に驚いた。
「う、うまい!すごいおいしいよ!」
「ホント?よかったっ」
「すごいよ、これっ。店のよりうまい!」
「ほ、ほめすぎだよ・・・」
「いやいや、これはホント凄いってっ」
次々と口に運ぶ僕をアウラはくすくすと笑うと自分もゆっくりと食べ始めた。
アウラが食事中に会話するのは行儀が悪い、と窘めるので、しばし無言の食事が続き、僕はナイフをフォークを置いた。
「いやぁ、おいしかった!こんなにおいしいのに今まで作ってくれなかったなんてっ」
「ごめんね?実は影で練習してて・・・ようやく満足できるくらいになったから・・・」
「お、怒ってるわけじゃないよっ!そっか、練習してくれてたんだね・・・ありがとう、アウラ」
「ぅ、うん・・・」
僕の心からの礼にアウラは真っ赤になって言った。
可愛いなぁ、うちの彼女は。料理もうまいし綺麗だしなにより可愛いしっあとその・・・床も上手だし?と、僕はぼーっと昨日のことを思い出していると、食器を流しに出していたアウラが戻ってきた。
「さ、今日からお仕事にもどるでしょ?そろそろ出ないとまずいんじゃない?」
「ぇ、あ!本当だ!」
仕返しとばかりにアウラはイタズラっぽい笑顔で僕に言った。
それに気づいて、壁にかけられた時計を見ると、仕事まであと二十分程度しか残っていなかった。走ればまだまだ間に合う時間とはいえ、ゆっくりとはしてられる時間ではない。
もうすこし、アウラとの幸せな時間を味わっていたかった、と名残惜しげに見たのに気づいたのかアウラはくすくすと笑うと、顔をよせてやさしくキスをしてきた。
「帰ってきたら、もっとしましょ?それまで待ってるから」
「う、うん!」
アウラのウィンクに僕は一気に仕事へのやる気をみなぎらせて、家を出て行こうとしたところでアウラに声をかけられた。
「これ、お弁当。あ、あと村の人たちに私の事とクロア君が私が生きてるって知ったって事、いわないでね?」
「ぇ?なんで?」
「まだ帰ってきたって言ってないの」
今度は村のみんなを驚かせたいから、ね?、とアウラはいたずらっぽく笑っていった。
僕は一瞬怪訝に思ったが、騙されてたんだから今度はこっちが騙して仕返しするのも有りだろう、と思い返し、アウラの言葉に頷いた。
「うん、わかった。なんとか立ち直った、って感じに振舞うよ」
本当だったら絶対無理だけどね、と呟きながら僕は家を出た。
村のみんなは、僕を今までだましてきたんだ。今度は僕がだまして、その驚く顔をとくと味わってやる、と期待をみなぎらせながら僕は仕事場へと全速力で走り出した。
† † †
「ぉー、クロア。久しぶり」
「あぁ、三日ぶり、ニア」
仕事場に顔をだした僕に早速声をかけてきたのは、アウラの次に親しい親友とも言ってもよい友達のミノタウロス、ニアだった。彼女はいつも持ち歩いている巨大なバトルアックスではなく、特注の大きな鍬を肩にかけて持っていた。
僕の仕事、なんでもないただの村の農家だ。
それが、こんなに若く立派な家をもってるのは一重に目の前の彼女のおかげだ。
七年前、家を立てる、と突然村にやってきた幼い僕に、ちっこいのに家をたてるなんて感心だ!と彼女が木を切るのを手伝ってくれた。そして、ニアと僕が親しげに話しているのをみて、初めは領主の息子だからと遠巻きに見ていた大人たちも協力してくれて、あんな立派な家を建てることができたのだ。
その当時の大人たち、今の老人たちには今でも頭が上がらないし、もちろん目の前の彼女にはそれ以上に頭が上がらない。
アウラと同棲する、といったときはとても悲しそうな顔をしたが、祝ってくれた。本当にいい友達を持ったなぁ・・・とその時実感した。
「その・・・どうだ?立ち直れたか?」
ニアはおそるおそる、僕の顔色をうかがいながらいった。
大丈夫、っていうかだましてたんだろ?、と言いかけて、さっきアウラが自分が生きていると知ったことをしゃべるな、といっていたことを思い出す。
彼女にはすべての秘密をはなしているのだが、今回はあっちが先にしたのだ。と言い訳地味た事を思いながら、僕はちょっと影ができるように笑った。
「うん。なんとかね」
「そ、そうか!じゃぁ心配ないな!この時期は手が必要なんだ!たとえ事情があっても顔を出したからには容赦ないからな!」
「はは、わかったよ」
僕はくるんっ、と背を向けたニアに苦笑しながら付いていった。
その後も何人もの村びとと似たような会話をしたが、すべてだまし通せた様だった。その度に、心がちょっとだけ痛くなったが、そんな彼らの心配も演技なんだ。と心に言い聞かせると不思議とすとんと落ち着いた。
† † †
夕焼けが村中を赤く染めるなか、僕は若干肩を落として、だが、内心はうきうきとしながら、帰路についていた。
道をあるいている村人や魔物娘は、僕が出てきていることにほっとした顔になるが肩をおとしている姿をみると哀れんだような顔になって声はかけてこなかった。
ずいぶんと身の入った演技だ。みんなそんなに僕をおどろかしたいのか?と若干思いもしたが、このイタズラっぽい住民のおおい村のことだ。それ位はやるなと考えながら、僕は家に帰った。
「お帰り!」
「ただいまっ、アウラ」
玄関に入り、扉を閉めると同時にアウラが飛び出してきて抱きついてくる。
僕はそれをしっかりと受け止め、彼女の髪を優しくなでる。
「帰ってくるまでずっと待ってたの?」
「うぅん、掃除とか洗い物して。ばれないように洗濯とか料理もして忙しかったんだけど、そろそろかなー、って思ってたら丁度帰ってきたの」
「そっか」
ふと、アウラが飛び出してきたあたりを見ると、本棚にはいっていた本が床にページを開いた状態でおちていた。本当はかなり待っていたのだろう。
「じゃ、ご飯にしよっか?」
「ぇ?」
「え?できてるんだよね・・・?」
僕が言うと、彼女は驚いたような顔をして僕を見上げてきた。不思議に思って聞き返すと、彼女ははっと我に帰って言った。
「う、うん!できてるよ!そ、そんなへんな期待してたんじゃないよ?」
「ふーん・・・」
そこまで言われると、さすがに鈍感な僕でも気づいた。慌てて僕の手から離れて、リビングにいこうとするアウラを後ろから抱きとめ、そのまま後ろから彼女に耳元でささく。
「ごめんね?期待してたんだよね?」
「そ、そんなことはっ!」
「ないの?」
「・・・ぅ、ぅーっ!」
アウラは涙目で僕をにらみつけてくるが、それに何もわかってないような顔で、ん?と首をかしげると追い詰められて小さく身体を最小限まで縮めて真っ赤になると、プルプルと振るえはじめるとついに我慢できなくなり、
「・・・し、してた・・・」
「ん?聞こえなかったよ。もう一度言って?」
「・・・い、いじわる・・・き、期待してました!クロア君とHしたくて待ってました・・・!」
「ははは、ごめんごめん。いじわるしすぎたよ」
僕は笑いながら、小さく震える彼女の身体をヒョイッと持ち上げた。意外と農業はからだが鍛わるもんで、これくらいのことなら楽勝だ。農業やっててよかったなー、と思いながらそのまま寝室へ直行した。
深夜、戸口が控えめにたたかれる音がして、僕は泣き寝入りしていた枕から顔をあげた。
「うるさいなぁ・・・」
このノック、実に三十分ほどは続いている。いつもならこんな時間に誰か尋ねてくれば、村の誰かが急ぎの知らせでも持ってきたかもしれないと思い、慌てて戸口に出たことだろう。だが、今の僕は絶賛失恋中だ。村の人々もそれはわかってくれていて、この二、三日、だれも尋ねてこなかった。
ただの失恋に大げさだ、と思うかもしれない。だけど、しようがないだろ?
その相手は、どこか別の男に恋をしてるわけでも、どこか遠くへ行ってしまったわけでもない。いや、どこか遠くへ行ってしまったというのは当たっているかもしてない。だったら追いかけろ、とでも思うかも知れないが、それは無理だ。
だって、彼女が今いるのは、村の外れにある墓場の暗い土のなかだ。
出会って三年、同棲して一年の彼女だった。
領主の息子だから、と村の皆との壁が少しあった頃、彼女と出会った。その直後くらいに、彼女のおかげか村の皆とも壁がなくなったかのように触れ合えるようになった。
その彼女が、死んだ。
死因はよくある事故。僕を驚かせようとでも思ったのだろう。彼女は、僕を起こすことなく朝早くに家を出て、村から町のほうへと出掛けていた。その先で馬車が横転する事故に遭ったのだ。当たり所が悪かったらしく、死に際の言葉も聞けないまま死んでしまったらしい。曖昧なのは、僕はそれをあとから人づてに聞いたからだ。
葬儀の最中、僕は必死に参列したリリムに、ゾンビでもスケルトンでもいいから、彼女を甦らせてくれと頼んだが、その答えは僕の希望を裏切るものだった。彼女の話によると、血統的に無理らしい。
そして、今にいたるわけだ。
僕は恋人を失った悲しみにくれているというのに無遠慮なこの客は、どうにかして僕を無理にでも起こそうとしているらしい。
コンコンコンッ
「・・・」
いいかげんイラだってきた。
一言言ってやらないと気がすまない!と憤った僕は、ずいぶんと広く感じるようになったベットから抜け出し、ズンズンズンッと足を踏み鳴らしながら戸口に出た。
「はいはい!どちらさま!?僕はあんたみたいなしつこいひ・・と・・・」
「やっ、久しぶり。クロア君」
煌煌と輝く満月の下、彼女が立っていた。いつものようににっこりと屈託のない笑みで僕をみつめて、その綺麗な鈴を鳴らすような声で僕の名前を呼ぶ、いつもの彼女だ。
「ぇ、アウラ?えぇ?そんな?」
僕は慌てて彼女の名前を呼び、身体中を見回す。生前(?)と全く変わらぬキメこまやかな白い肌に満月の光りを浴びてつやつやとかがやく腰まである金髪、それでいて、白いブラウスと青いフレアスカートに身を包んだ身体は、女性であると主張するかのように胸は突き出し、腰はくびれ、お尻も突き出ている。理想的なスタイル、といっても過言ではない、まさに僕の趣味にドストライクな豊満な体。
事故で打ったという頭を触ってみるが、何も別状もなく細い金髪が指に優しく絡まり、そしてスルスルと抜けていくだけだった。
「なあに?突然?」
くすくすと天使のように笑って、アウラは僕を見た。僕は深夜で周りに誰も人がいないことをいいことに、ガバッと彼女に抱きついた。
「きゃっ」
腕の中でアウラが驚きの声をあげるが、そんなことは知っったことか。
「怖かった。本当に怖い夢を見たんだ・・・君が死んじゃうなんて・・・」
「あはは、心配かけちゃったね。事故にあったのは本当なんだけど、本当に大丈夫だから」
「ぇ!だ、大丈夫なの!?」
「大丈夫大丈夫。かるい脳震盪をおこしただけだから。しばらく気絶してて、街の病院の方で目がさめたの」
「よ、よかった・・・」
「そんなに心配してくれてたんだ・・・ごめんね、貴方を驚かせたくてみんなに黙ってもらってたんだ」
アウラはそういって済まなそうな顔をした。そうだ、彼女はこういうイタズラっ子のような面も持っていた。
それで村のみんなが葬儀の時、彼女が死んだというのに、どこかよそよそしい雰囲気をだして、号泣していたのが僕だけだったんだな、と彼女の言葉が一気に僕の違和感を消し去った。
「そっか、みんなひどいなぁ。僕をだましてたなんて、本気にしちゃったよ」
「ごめんね?私が言ったからだから、みんなを責めないで?」
「わかってるよ、君と付き合うって決めた時から、君のイタズラに振り回されることは覚悟してたしね。さ、中に入ろう。こんな夜中に外で何十分もいたんだ、身体、冷えただろう?ごめんね、ずっと出なくて」
「うぅん、いいの。クロア君がどれくらい私のこと思ってくれてるのがよくわかったもの」
と、アウラはやさし聖母のような笑顔で僕に言った。
なんてやさしい彼女だろう!とぼくは叫びたくなった。これ以上の理想の彼女などいないと言いたくなるほど、やさしく、そして時々お茶目な彼女。 本当にイタズラでよかった、これが本当に失われていたとしたら・・・と、僕は背筋をゾッとさせながら思った。
「どうしたの?体調でも悪い?」
「い、いや大丈夫だよ。すこし冷えただけだから」
「でも顔が真っ青だよ?」
まさか、君がいなくなるっておもったらこんなになってしまった、なんて恥ずかしいこといえるはずもなく、僕は大丈夫大丈夫、と繰り返していた。だが、アウラはムンっと唇を∧という形にして、僕の鼻先に人差し指を立てた。
「もー、クロア君はいつもそう。自分の体調のことを自分が一番わかってないんだよ。ほら、座って座って。身体が暖まるもの作るから」
アウラは僕をリビングのいすに座らせるとかけてあったエプロンを取り、キッチンに立った。
冷蔵庫をあけ、彼女は驚いた声を上げる。
「え!嘘!私が事故にあった日ときから何一つ変わってないじゃない!この三日飲まず喰わずだったの!?」
「ぁ、あはは・・・そうかも・・・食べてられる余裕なんてなかったから・・・」
そう自覚すると一気に胃はきゅうきゅうと鳴り、のどはからからに渇いてきた。そんな姿をみて、アウラは下唇が白くなるほどかみ締めていた。
「そんなに悲しそうな顔しないでよ・・・僕は笑ってるアウラが好きだよ・・・」
「ぅ、うん。わかった!すぐおいしいものつくるから待っててね!」
服の袖でアウラは目の端にたまっていた涙をぬぐい、一生剣命明るく振る舞うと、キッチンに戻っていった。
あぁ、やっぱりアウラはやさしいな・・・と思いながら、僕は半分ほどもやのかかった思考で考え、机に突っ伏した。
しばらくして、僕はなにか途轍もなくやわらかく甘いものが口に触れている感触で目がさめた。不思議に思って目を開けると、そこにはほんの1,2センチしか離れていない距離にアウラの顔があった。
つ、つまり・・・いまくちに触れているのはアウラの唇なわけで・・・と驚いているうちにアウラと目が合った。
「おはよう。クロア君、あんまりにも幸せそうに寝てるもんだから、ついキスしちゃったっ」
てへ、と小悪魔的な笑みを浮かべる彼女に、僕は猛然としかえししたい気分になった。
「そっか、じゃぁ」
といって、僕は彼女をリビングの床に押し倒した。
「僕はあんまりにも可愛いアウラをたべちゃおうかな」
「な、な、にゃっ、か、可愛いなんて・・・」
「アウラは可愛いよ。世界のだれよりも可愛い。その金髪も、ちょっと童顔なその顔も、青い瞳も。全部が可愛いよ」
「も、もー、やめてよぉ・・・はずかしいよぉ」
本当にそう思っているらしくアウラはその白い肌を真っ赤に染めて、僕を見上げていた。その無意識にしているのだろう上目遣いと恥ずかしさからくる紅潮にちょっと涙目の瞳、そのすべてが僕を誘ってやまなかった。
「ご、ごめん・・・っアウラっ僕、もう我慢できない・・・ッ」
「ぇ?きゃああああ!」
いままでこれ以上の速度はだしたことがないんじゃないか?と思うほど高速な手つきで、僕はプチプチプチっとアウラの着ていた白いブラウスのボタンをはずしていき、そのまま白いレースのブラジャーも取り去ってしまい、そのなかの桃色に染まった瑞々しい大きな果実を露出させた。
「綺麗だよ・・・アウラ・・・」
「もー、甘えん坊だなぁ、クロア君は。・・・いいよ・・・」
恥ずかしそうながらも期待の込もった声で言ったアウラの言葉に、僕の理性は一気に瓦解した。
その綺麗な形をした張りのいい胸に舌を這わす。
「あっ、あぁ」
アウラは敏感なのか、軽く舌を這わしただけで切なげに甘い吐息を吐き出した。
僕はその様に満足して、今度はその胸を手でつかむ。柔らかく温かいアウラの胸に、なんともいえない感動を得ながら揉みしだく。
「あん、ぅ、ぅん・・・」
アウラは恥ずかしそうに身体をよじっているが、僕の手の動きの邪魔はしようとはせず、むしろ自ら背を反らし、胸を突き出し始めている。感じているんだ、と思うととてもうれしくなる。
「まだ、掴んだだけだよ?」
加虐心が湧きあがった僕がニヤニヤ笑いながらアウラの顔をみると、アウラはとろけた目で僕を見ていった。
「あふっ・・・だ、だって・・・貴方の手だと思うと・・・っちゅ、んん」
「んん!」
アウラは、自分をみつめる僕の視線に我慢できなかったのか、首をのばすとお返しとばかりに、口に接吻する。
桜色のふっくらとした唇から這い出した舌が、僕の唇の隙間から潜り込んでくる。すぐさま、二人の口の間から絡み合う舌と舌が絡み合う。
「あうふう、ああぁああ」
アウラの瞳はもう欲情でトロトロに蕩け、僕の顔しか映っていない。そう思うと無性にうれしくなり、よりきつく彼女の舌と自分の舌を絡める。
キスをしながらぐにゅぐにゅと彼女の胸を揉みしだく。僕は、甘いアウラの舌を吸いながら、大きな胸に再度感動していた。
胸の中に自分の手首ちょっと前位まで入ってしまうほどの、大きさと柔らかさ。そして、手を放せば、すぐに元の形に戻る心地よい弾力。その全てが自分の物である、という思いに満たされたまま僕はアウラの胸を揉む。
「クロア君・・・好き・・・大好き・・・」
僕に押し倒されたまま、アウラは幸せを顔に表していった。僕は、そのまま幸せそうに頬を染める彼女の口に舌を絡めあいながら、その胸を揉み続ける。発情して身体が熱くなってきたのか、ゆっくりと浮いてきた汗が綺麗な曲を描いて滴っていく彼女の胸をぐにゅっと掴むたび、ビクンとアウラのしなやかな体が痙攣する。
僕は調子にのって、胸を両手でこね回しはじめると、
「むぅ・・・・っ!」
「うわっ!?」
ドンッとアウラが僕の身体を突き飛ばし、倒れこむとそのまま僕の上に乗っかってくる。
心地よい重みが、僕の身体にのってくるが、それ以上に突き飛ばされたことに驚いて僕が目をぱちくりとしていると、アウラはいたずらっ子のような笑みをして、僕のズボンのジッパーを下ろした。
「ぇ、ちょっ!?」
「ふーん、ずっと責められ続けるなんてヤダもん」
と、彼女はいうとズボンのなかで膨張、硬化しきった僕のムスコを取り出す。
「うわぁ・・・おっきい・・・」
「そ、そうかな・・・?」
アウラはそれを見て呆然として呟いた。自分としては平均サイズでむしろ小さいのではないか、とよく心配になっていたのだ。他人と比べるなんて機会は全くないし、どこかのメロウがだしている本の中では、彼女の真っ黒な格好をした夫のソレは、もっと大きいようなこと言ってたし・・・と本棚の裏にある、そういう本のことを考えていると、考えていることがわかったのかアウラはむーっと膨れた。
「私としてるんだから、ほかの事考えちゃだめーっ」
「ご、ごめんって、うあっ!?」
アウラの唇が優しくペニスの先にキスをしたのだ!
そのまま、私のこと以外考えられなくしてやる!とでも言うとように、何度も何度も繰り返しキスされる。そのあまりに甘美な快楽に思わずぼくの口からうめき声が漏れる。
「ぅ、ぅぅぅっ・・・く、は・・・」
「んっ、ん、ちゅ、ちゅぱ」
やがて、彼女はキスを止め、今度は竿のあたりに舌を這わす。唾液がたらたらと垂らされ、舌が僕のムスコの竿を這い回り、丹念に舐められる。
「えへへ・・・・どうかな?きもちいい?」
「あ、あっは・・・凄い・・・気持ちいいよ・・・アウラ・・・」
「そっかぁ、えへへ・・・・もっとつづけるね・・・」
アウラは、僕があまりの快楽にもだえているのをみると楽しそうに笑った。だが、それだけではアウラはとまらず、そのまましたを這わせ続ける。ぴちゃぴちゃ、びちゃ、と湿った卑猥な音が木製のリビングに響き渡る。
「あ、ア、アウラァ・・・」
「ふふふ・・・・クロア君、切なそう・・・」
快楽で腰をガクガクゆする僕のムスコをアウラは優しく丹念になめ続け、そして口を離す。アウラによって舐めつくされたムスコは、いつのまにかアウラの唾液がたっぷりと行き渡っていた。
「ふ・・・・ふぅぅ・・・」
ようやく快楽の波がおさまった事で僕が長く息をつくと、アウラはそれをみて、ふふ、と笑い
「じゃあ、そろそろ次、いっちゃうね?」
「へ?」
おもむろにアウラはペニスの根元を掴むと、僕を見てニッコリと微笑する。そして、あーーーんと、その楽しそうに曲を描く唇を大きく開けると、僕に見せつけるようにムスコをゆっくりと咥えこんでいく。
舌と口の中にペニスの先端を擦らせながら、じゅぶじゅぶと唾液を啜る音ともに、ムスコがアウラの口の中に吸い込まれていく。
「うああああぁっ」
温かく湿った口腔粘膜に包まれ、僕はたまらず声をだす。じゅるっ、じゅるる、とアウラは僕の反応を楽しむようにフェラチオをはじめた。そのままペニスを吸い込み、口のなかで舌で絡まりながら首を軽く振る。
「んー、んぅ。んぐぅ」
「あ、アウラ・・・っどこで、こんなぁ・・・」
そううめくと、アウラはにやりっと笑い、ムスコから口を離し彼女はその細い指で寝室の方を指差した。
「寝室の本棚の裏に隠してある本・・・名前はわすれちゃったけど、メロウの女の人が書いてる本を読んだの」
「・・・・っ!!!!!」
うぎゃぁ、っと叫びそうになりながらも、それに耐える。ま、まさかあの本が見つかってたなんて、とさっきとは別の意味でガクガクと身体を揺らしながら僕はアウラを見た。アウラはイタズラっ子の笑みを浮かべたままいった。
「クロア君もオトコノコだもんね、そういう本の一冊くらいは持ってるとは思ってたよ。だから・・・その、いざこういうときになった時のために予習しておいたの」
「そ、そうなんだ・・・」
アウラの恥ずかしそうに言った後半の言葉が胸の中に何か暖かいものを次々と湧き上がらせ、満たしていく。僕のためにそこまでしてくれたんだ・・・
「て、わけで、その本にのってた通り、一回ださせちゃうね?」
「え」
胸の中を温かいもので満たしていた隙を突いてアウラはもう一度僕のムスコをくわえ込んだ。そして、さっきよりも強くムスコを吸い込み、舌を絡まりながら首を激しく振り出す。
「う、うわぁっ」
じゅぼっじゅぼぼっちゅぽっと頬を窄ませたアウラが顔をふるたび、口の端からいやらしい音が響き、腰までの金髪が激しく揺れる。アウラは口全体で僕のムスコを締め付けて吸い上げ、愛しつづける。
「あ、あ、あぐ、あぅっ」
声をあげる僕を嬉しそうに見上げながら、アウラはどんどんとその勢いを加速させていく。
「ん、ん、ん、んん、んんん、ん、んん、んん」
ガクガクとアウラの首がうごき、ムスコがそれにあわせて強く吸われる。そのあまりの激しさにムスコの奥で静止が上ってくる感覚がし始め、僕は思わず激しく振れ続けるアウラの頭を無意識の内に両手でつかんでしまっていた。
「んっんぐぅ!」
「くぅっっっ、で、で、でるっ・・・アウラっでちゃうよぉっ!」
「いいひょっ。いっひゃいだしへぇっ!」
頭を固定されたアウラは、僕の声を聞くと同時にもごもごと話ながら、口の奥でペニスを吸い込み、舌先でムスコのさきをぐにぐにと押す。その射精をうながす舌の動きに、僕はついに耐えられなくなり、ついにこらえきれなくなり、快楽が決壊しまった。
「う、ああああっ」
たまりにたまった精子が一気にムスコをその先へと駆け上がり、どっと大量の精液が鈴口から迸り出る。
「んぐっ!ん、ぐぅ・・・・んううぅう………」
アウラはその勢いに目が見開くと、やがてその白い喉がコクンコクンと鳴りつづける。僕は、その様子を呆然と眺めていた。
飲まれている。アウラが、僕の精液を飲んでるんだ。あんな青臭いものおいしいはずもないのに、アウラはいやな顔ひとつせず、コクコクと飲み続け、ゴクンと最後に喉を大きく鳴らして、絡みつく濃厚な精液を全て飲み干したことを伝えた。と、僕が呆然としているのをっみると彼女は、くすっと淫らに唇に薄い笑みを浮かべた。
「いぃっぱいでちゃったねぇ・・・濃くって量もおおくて、飲みきれないかと思ったよ」
「ご、ごめんっ。その、最近抜く暇なんてなくって・・・」
「うぅん、いやがってるわけじゃないよ。うれしいだけっ」
と、アウラは言うと、ずりずりと僕の身体をよじのぼってきて、僕の股間のあたりにあった顔を顔の前までもってきた。
「じゃ、しよっか・・・クロア君・・・」
「うん・・・」
二人で見つめあい、そのままだんだんと唇の間が狭くなっていき・・・と、キスをする直前でアウラの顔が引いた。
「?どうしたの?」
「ぁ、えっと・・・その、フェラとかした口じゃいやかなぁ・・・って思って・・・・」
アウラがおどおどっと言うので、僕はその様子に笑みがこぼれた。そしてそのまま彼女の唇を奪う。うぶっっと驚いたような声がもれたが、彼女の唇の中に舌を付きいれ、歯茎の裏や頬の裏を舌先でなぞると、彼女の青い瞳がとろんとした色になった。やがて、ぷはっとどちらからともなく口を離した。
「そんなことないよ。僕がだしたものだからね。それに、どんなでも君を拒むなんて僕は考えられないよ」
「く、クロア君・・・っ」
アウラは感極まって涙を流しだすとぎゅっと僕に抱きついてきた。
「わ、私もっ私もクロア君ならどんなことされてもいいからっ」
「はは、どんなことでもって大げさな」
「大げさじゃないよ!それくらいすきなの!」
アウラに真正面からがんと好きだと言われる。もしかしたら、いままでこんな風にちゃんと好きだ、といわれたことはなかったかもしれない。その、言い難いことだが、アウラとこういう行為に及ぶのも初めてだし・・・
「そっか・・・・僕もだよ・・・アウラ・・・」
「クロア君・・・」
僕らはもう一度そのまま深いディープキスを交わすと、ゆっくりと離れた。
「それじゃぁ・・・いれるね・・・?」
「ぇ、ア、アウラは平気なの?その、濡らさないと・・・」
「ふふ・・・」
アウラは意味深に笑うと、自分のはいていたフレアスカートの端をめくり上げた。するとそこには桃色の下着があって、その重要な部分には大きな染みができていた。
「クロア君のなめてたら、こんな風になっちゃったんだ・・・」
「な、なめてただけで・・・?こんな風になるものなの・・・?」
「だって、クロア君の感じてる顔があんまりにも可愛くて・・・」
「そ、そうなんだ・・・じゃ、じゃぁ、前戯はいらないね・・・」
「ぅ、うん・・・だから・・・早く入れて・・・」
というとアウラは染みのできた下着を抜ぎ、片足にひっかけたまま僕の臀部に腰をおろしてきた。アウラは、その白く細い指で髪と同じ金色の毛の茂みの下にあるピンク色の肉の割れ目を押し開く。ちゃっ 湿った音をたてるいやらしい汁に溢れたそこは、誘い込むような淫気を漂わせていた。
「クロア君、好きに、して・・・」
キュルッと売るんだ瞳で上目遣いにそういわれた僕は、その瞬間、頭の中で何かがぶちっと切れた音がした気がした。
「あ、アウラァ・・・っ!」
「ひゃんっ、す、すきにしていいけどっそんながっつかないでっ」
僕はさけびながら必死にムスコをアウラのその入り口に押し当てようと腰を動かしだすが、すべって的が外れてしまい、上手くいかない。
真っ赤になったアウラは、その様子に苦笑いしながら、僕を抱きしめるとさっきよりも硬さを増したムスコを優しく握る。
「あせらないで、私は逃げないよ。ほら、ここ・・・」
アウラはそっと、やさしく僕にキスをすると、ムスコの先を動かし、少し腰を浮かして誘導する。
「い、いくよっアウラっ・・・!」
「き、きてっっクロア君!」
僕は興奮しきった声で叫ぶとアウラの声を聞くや否や、アウラの中へとムスコを根元まで一気に突っ込む。
ずにゅぅぅぅう、とという感触とともに、なにかがぷちんっと切れる感覚がした。それと同時にアウラがうめき、涙を目の端に浮かべる。僕は、そのあまりの狭さや締め付けてくる感触の気持ちよさに体が震えたが、辛そうなアウラをみて動きたい衝動をぐっとおさえる。
「あっあぅぅっうっく・・・・」
「あ、アウラっ大丈夫っ!?」
「へ、平気だよっ・・・クロア君に初めてをあげられた事のほうがうれしいもん・・・っ」
と、アウラは平気だと僕に笑いかけるが額には汗が浮かんでいてかなり痛いことを示していた。僕はその痛々しい姿に、彼女の身体をぎゅっと抱きしめた。
「・・・アウラ・・・おちつくまで抱きしめてるから・・・」
「クロア君・・・ありがと・・・」
二人でぎゅっと抱き合って数分しただろうか、アウラが軽く背中をたたいた。
「もう大丈夫。動いていいよ」
「本当?無理してない?」
「ぅん。大丈夫、だいぶ収まってきた。というより、今は動いてくれないほうがせつなすぎてつらいかな・・・」
えへへ、と笑う彼女の顔はまだすこし痛そうだったが、これ以上動かないと逆に彼女を傷つけることになってしまうし、僕もこれ以上は彼女の中の締め付ける感触に耐えられなさそうだ。
僕は途中でとまった挿入を再開し、ぐぐっと根本までムスコを彼女の奥につきこむ。
「うぐ・・・・っくは・・・・」
「いいいぃ・・・」
お互いにその快楽にこらえきれない声を漏らしまう。アウラの膣がきゅっとやさしくしめつけ、その途中の壁に擦れる感触がなんともいえない刺激で脳を狂わす。オナニーなどでは味わえない感覚に僕は危うくも、もう出しかけてしまいそうになるが臍にちからを入れ、何とか耐える。そして、ゆっくりとそれでいて力強く腰を振り、彼女のなかをゆっくりと行き来する。
「あ、あ、ああああぁあああ」
その感覚に痛みよりも快感が勝ったのか、アウラの口からあえぎ声が漏れる。僕にとっても耐え切れないほどの快楽だが彼女にとっても、あえぎ声を漏らしてしまうほどの気持ちの良さらしい。
「凄い、いぃ・・・・クロア君っいいよぉっ」
アウラの声がどんどんと高く大きくなっていく。彼女のその声に僕は興奮していって、だんだんと挿入する感覚が短くなり、強さもどんどんと強くなっていく。
パンパンパンパンッと騎乗位になった彼女のお尻と僕の臀部がなんどもぶつかり音をたてる。それとともに、彼女の膣からあふれ出た愛液が破瓜の血と混ざり合ってあふれだし、それがさらに潤滑液となって激しさを増ささせる。
「あ、アウラっ。気持ちいいよっ」
「わ、わたしもぉっ、すっごく気持ちがいいよぉっ!」
僕は腰を振りながらアウラの胸をつかみ、ぐにゅぐにゅと力いっぱい揉む。そうしながら腰は力いっぱい付きこみ、そのさきにあるなにかこりこりするもの、おそらく子宮口をノックし続ける。
「あっ、ひゃぁああああん!そ、それだめぇ!腰振って子宮たたきながら胸揉んじゃだめぇえ!」
「そ、そんな事いったって!僕が振らなくてもアウラ自身が腰振ってるじゃないかっ!」
「だ、だってぇっ腰がっ勝手にうごいちゃうのぉっ!」
快楽を求めて、アウラの腰がおおきくグラインドし、僕も腰をビタンビタンと、彼女の中に力の限りムスコを突き入れる。アウラの膣肉と子宮口が僕を受け入れるようにムスコを引き絞り、奥へ奥へと蠕動する。
「ううぅっ、いい、いいっ、アウラっ、気持ちよすぎるよぉっ!」
「あ、あ、あ、あ、うん。わ、たしもぉ、いいよ、いいよぉおお」
ムスコがごんごんと子宮を突き上げ、アウラは喉の奥から搾り出すように喘ぎ続ける。と、同時にまた、僕の息子の根本に熱い塊のマグマがたまり、こみあがってきていた。
「あああああ、アウラぁ、僕、も、もう、出る。膣内でだしちゃぅよぉっ!」
「いいよっ、中に、中にだしてぇっ、クロア君のを、私にそそぎこんでぇ」
「い、いく!」
僕はアウラの細い腰をガシッと掴みと固定すると、ズンズンっとムスコで膣の奥の奥まで一気に突き上げる。
「あ、ひゃああああああああああああ!!!!!!」
「う、うううううううううああああああ!!!!!」
ドクドクドクドクドクっと音がするほど激しく僕の精液がアウラの中に流し込まれる。それと同時に、お互いの脳に神経が焼ききれるほどの快感がなだれ込み、獣のように吼えた
「あぁっ、でてるぅ、私の中にクロア君の精液がながれこんでるぅ・・・っ」
アウラが白い喉を反らして、身体をピンッとはりつめさせる。その間にも彼女の膣の中でドクドクドクドクドクッと僕の精液がなだれ込んでいた。
「うう、まだ・・・っ」
僕の身体が無意識に腰をブルブル震わせ、根本にたまった熱いマグマを最後の一滴まで搾り出す。アウラは、体を痙攣させながらギュウッと僕にしがみ付き、快楽におぼれた緩んだ顔をみせていた。
「はぁああああああ」
長い長い射精の後で、僕は例えようもない快楽に満足しながら、そのまま深い眠りの中に引きずりこまれていった。
† † †
チュンチュンチュン
「ぅ・・・ふぁー・・・」
鳥の声に起こされ、うーん、と僕は大きく伸びをしてからベッドから降りる。アウラは、とベッドを見るが、そこには誰もいなかった・・・
あぁ、そっか彼女はもういないんだ・・・昨日のあれは夢だったのか・・・
そう気づくと、身体中が鉛に置き換わったようにどんどんと重くなっていって木製の床に沈みこんでいくようなに感覚に陥った。
その時だった。
「あれ?クロア君、もうおきちゃったの?」
と、寝室の入り口から明るい声が、沈み込もうとしていた僕の背にかけられた。その声に慌てて扉の方を振り向くと、エプロンをつけたアウラがフライ返しを持って立っていた。
「あれから大変だったんだよ?私が気づいたらクロア君はどろどろのまま寝ちゃってるし。ぬれたタオルで身体拭いて、床も掃除してってどうしたの・・・?」
いつのまにかポロポロと涙を流していたらしく、アウラは目を丸くして僕をみていた。
「ど、どうしたの・・・?」
「い、いや・・・」
そうだ。アウラは帰ってきたんだ。いや、そもそもの死んだというのが嘘で、僕は村ぐるみの嘘にだまされていたんだった。
そう思うと、重くなっていた体に一気に活気が満ちていく。
僕の様子を変に思ったのか心配そうな顔になっていたアウラを安心させるために、僕はにっこりと笑った。
「なんでもないよ、ただちょっとぼーっとしてて驚いただけだよ。この涙もあくびででたんだ」
「そっか、よかった」
「うん、心配させてごめん」
「うぅん、突然声をかけた私も悪いからいいよ。さ、朝ごはん作ってあるからご飯にしよ?」
「わ、わかった」
アウラの天使のような笑顔に、僕は昨日のことを思い出して顔をちょっと赤くしながらもリビングへと向かうアウラの背中を追いかけた。
リビングの机の上にあったのは、キツネ色に焼けたトーストに新鮮な野菜を刻んだ野菜のサラダ、そしてまだ湯気を立てている目玉焼きだった。
定番過ぎると思うだろうが、僕の朝食はいつもこれなのだ。
「うわぁ、うまそうだ」
「えへへ。今日のはちょっと自信作なんだ」
「へぇ、じゃあ早速」
対面の席にアウラが座るのを確認すると、僕は早速トーストにかじりつき、目玉焼きに軽く塩を振るとナイフで一部を切りとろける黄身をこぼさないようにしながら口に運んだ。
アウラが期待した目で僕を見る中、僕はその味に驚いた。
「う、うまい!すごいおいしいよ!」
「ホント?よかったっ」
「すごいよ、これっ。店のよりうまい!」
「ほ、ほめすぎだよ・・・」
「いやいや、これはホント凄いってっ」
次々と口に運ぶ僕をアウラはくすくすと笑うと自分もゆっくりと食べ始めた。
アウラが食事中に会話するのは行儀が悪い、と窘めるので、しばし無言の食事が続き、僕はナイフをフォークを置いた。
「いやぁ、おいしかった!こんなにおいしいのに今まで作ってくれなかったなんてっ」
「ごめんね?実は影で練習してて・・・ようやく満足できるくらいになったから・・・」
「お、怒ってるわけじゃないよっ!そっか、練習してくれてたんだね・・・ありがとう、アウラ」
「ぅ、うん・・・」
僕の心からの礼にアウラは真っ赤になって言った。
可愛いなぁ、うちの彼女は。料理もうまいし綺麗だしなにより可愛いしっあとその・・・床も上手だし?と、僕はぼーっと昨日のことを思い出していると、食器を流しに出していたアウラが戻ってきた。
「さ、今日からお仕事にもどるでしょ?そろそろ出ないとまずいんじゃない?」
「ぇ、あ!本当だ!」
仕返しとばかりにアウラはイタズラっぽい笑顔で僕に言った。
それに気づいて、壁にかけられた時計を見ると、仕事まであと二十分程度しか残っていなかった。走ればまだまだ間に合う時間とはいえ、ゆっくりとはしてられる時間ではない。
もうすこし、アウラとの幸せな時間を味わっていたかった、と名残惜しげに見たのに気づいたのかアウラはくすくすと笑うと、顔をよせてやさしくキスをしてきた。
「帰ってきたら、もっとしましょ?それまで待ってるから」
「う、うん!」
アウラのウィンクに僕は一気に仕事へのやる気をみなぎらせて、家を出て行こうとしたところでアウラに声をかけられた。
「これ、お弁当。あ、あと村の人たちに私の事とクロア君が私が生きてるって知ったって事、いわないでね?」
「ぇ?なんで?」
「まだ帰ってきたって言ってないの」
今度は村のみんなを驚かせたいから、ね?、とアウラはいたずらっぽく笑っていった。
僕は一瞬怪訝に思ったが、騙されてたんだから今度はこっちが騙して仕返しするのも有りだろう、と思い返し、アウラの言葉に頷いた。
「うん、わかった。なんとか立ち直った、って感じに振舞うよ」
本当だったら絶対無理だけどね、と呟きながら僕は家を出た。
村のみんなは、僕を今までだましてきたんだ。今度は僕がだまして、その驚く顔をとくと味わってやる、と期待をみなぎらせながら僕は仕事場へと全速力で走り出した。
† † †
「ぉー、クロア。久しぶり」
「あぁ、三日ぶり、ニア」
仕事場に顔をだした僕に早速声をかけてきたのは、アウラの次に親しい親友とも言ってもよい友達のミノタウロス、ニアだった。彼女はいつも持ち歩いている巨大なバトルアックスではなく、特注の大きな鍬を肩にかけて持っていた。
僕の仕事、なんでもないただの村の農家だ。
それが、こんなに若く立派な家をもってるのは一重に目の前の彼女のおかげだ。
七年前、家を立てる、と突然村にやってきた幼い僕に、ちっこいのに家をたてるなんて感心だ!と彼女が木を切るのを手伝ってくれた。そして、ニアと僕が親しげに話しているのをみて、初めは領主の息子だからと遠巻きに見ていた大人たちも協力してくれて、あんな立派な家を建てることができたのだ。
その当時の大人たち、今の老人たちには今でも頭が上がらないし、もちろん目の前の彼女にはそれ以上に頭が上がらない。
アウラと同棲する、といったときはとても悲しそうな顔をしたが、祝ってくれた。本当にいい友達を持ったなぁ・・・とその時実感した。
「その・・・どうだ?立ち直れたか?」
ニアはおそるおそる、僕の顔色をうかがいながらいった。
大丈夫、っていうかだましてたんだろ?、と言いかけて、さっきアウラが自分が生きていると知ったことをしゃべるな、といっていたことを思い出す。
彼女にはすべての秘密をはなしているのだが、今回はあっちが先にしたのだ。と言い訳地味た事を思いながら、僕はちょっと影ができるように笑った。
「うん。なんとかね」
「そ、そうか!じゃぁ心配ないな!この時期は手が必要なんだ!たとえ事情があっても顔を出したからには容赦ないからな!」
「はは、わかったよ」
僕はくるんっ、と背を向けたニアに苦笑しながら付いていった。
その後も何人もの村びとと似たような会話をしたが、すべてだまし通せた様だった。その度に、心がちょっとだけ痛くなったが、そんな彼らの心配も演技なんだ。と心に言い聞かせると不思議とすとんと落ち着いた。
† † †
夕焼けが村中を赤く染めるなか、僕は若干肩を落として、だが、内心はうきうきとしながら、帰路についていた。
道をあるいている村人や魔物娘は、僕が出てきていることにほっとした顔になるが肩をおとしている姿をみると哀れんだような顔になって声はかけてこなかった。
ずいぶんと身の入った演技だ。みんなそんなに僕をおどろかしたいのか?と若干思いもしたが、このイタズラっぽい住民のおおい村のことだ。それ位はやるなと考えながら、僕は家に帰った。
「お帰り!」
「ただいまっ、アウラ」
玄関に入り、扉を閉めると同時にアウラが飛び出してきて抱きついてくる。
僕はそれをしっかりと受け止め、彼女の髪を優しくなでる。
「帰ってくるまでずっと待ってたの?」
「うぅん、掃除とか洗い物して。ばれないように洗濯とか料理もして忙しかったんだけど、そろそろかなー、って思ってたら丁度帰ってきたの」
「そっか」
ふと、アウラが飛び出してきたあたりを見ると、本棚にはいっていた本が床にページを開いた状態でおちていた。本当はかなり待っていたのだろう。
「じゃ、ご飯にしよっか?」
「ぇ?」
「え?できてるんだよね・・・?」
僕が言うと、彼女は驚いたような顔をして僕を見上げてきた。不思議に思って聞き返すと、彼女ははっと我に帰って言った。
「う、うん!できてるよ!そ、そんなへんな期待してたんじゃないよ?」
「ふーん・・・」
そこまで言われると、さすがに鈍感な僕でも気づいた。慌てて僕の手から離れて、リビングにいこうとするアウラを後ろから抱きとめ、そのまま後ろから彼女に耳元でささく。
「ごめんね?期待してたんだよね?」
「そ、そんなことはっ!」
「ないの?」
「・・・ぅ、ぅーっ!」
アウラは涙目で僕をにらみつけてくるが、それに何もわかってないような顔で、ん?と首をかしげると追い詰められて小さく身体を最小限まで縮めて真っ赤になると、プルプルと振るえはじめるとついに我慢できなくなり、
「・・・し、してた・・・」
「ん?聞こえなかったよ。もう一度言って?」
「・・・い、いじわる・・・き、期待してました!クロア君とHしたくて待ってました・・・!」
「ははは、ごめんごめん。いじわるしすぎたよ」
僕は笑いながら、小さく震える彼女の身体をヒョイッと持ち上げた。意外と農業はからだが鍛わるもんで、これくらいのことなら楽勝だ。農業やっててよかったなー、と思いながらそのまま寝室へ直行した。
11/08/27 21:05更新 / うぃる こと 7
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