今二人が紡ぐ日々
ユング君と出会ってからもう半年くらい経ったかな?
このところ私はずっと魔界にとどまっている。
恒例の外界巡りもあれ以来行っていない。
なにしろ他にやることが一杯できたから、それどころじゃないのよね。
まず一つ目の理由はもちろんユング君とのエッチ♪
夜も昼もあまり関係ない魔界だと、生活のリズムとかもあまりないから
好きな時に好きなだけ交わる性活(誤字にあらず)が続いてるの。
最近ユング君もちょっと積極的になってくれたから、
私もますます燃え上がっちゃって……♪三日三晩なんて日常茶飯事で、
この前なんかノワちゃんに声をかけられるまでエンドレスセックスだったわ。
ああ、思い出すだけでも……おっと涎が。
そして二つ目の理由が…
「ねぇヴィオラ………なに涎垂らしてるの?」
「え、あぁ、ちょっと妄想してただけよ。」
「そーゆーところは相変わらずだよねヴィオラ。
ちょっとは妄想癖なおした方がいいと思うよ。…場合によっては協力してあげるから。」
「じゃあ練習始める前に『ユング君の笛』で準備運動したいな♪」
「ダーメ。今日はノワール達も一緒にやるんだからそういうのはナシ。」
「むぅ…、いいもん、後で目一杯お返ししてやるんだから。」
最近私は楽器を習い始めた。
前にユング君にやってみなよと言われたのもあるんだけど、
ユング君が楽器を演奏するのを見て私もやってみたいなと思ったからよ。
ちなみに、私の楽器はフルート。即決だったわ。
ユング君からは「もう少し悩もうよ」って言われたけど、
やっぱり私にはフルートが一番合ってると思う。
私愛用のフルートはなんとミスリス製!頑丈で綺麗な音が出る素晴らしい一品よ。
初めて三日くらいはなかなか音が出なかったんだけど、
ユング君が教えてくれた甲斐があって、今では結構高い音も出せるの。
ふっふっふ…やっぱり私はやろうと思えば何でもできるのだよ。
これは余談だけど『新鮮な果物』を英語で『fresh fruit』って書くけど
綴りを間違って『flesh flute』って書いちゃうと凄い意味になるから気をつけてね♪
「やっほーヴィオラちゃん!もう練習始めてる?」
「お、ノワちゃんお出ましのようね。それにジオさんも。」
「ごきげんようヴィオラお嬢さん。それにユング君、また大きくなったかな?」
「ごきげんよう二人とも。っていうかジオはついさっき廊下ですれ違ったじゃん。」
「ふぉっふぉっふぉ!そうじゃったな!」
ノワちゃんも部屋に来たみたい。それとヴィオラちゃんの旦那のジオさんも。
私が楽器をやるってノワちゃんに言ったら
「じゃあ折角だからわたしもやってみる!」ってことで、
旦那さんまで巻き込んで小規模な演奏団を結成してみたわ。
意外だと思うけどノワちゃんは色々楽器を扱えるの。ピアノとかバイオリンとか。
でも今回ノワちゃんはクラリネットに挑戦。私は縦笛でノワちゃんは横笛ってかんじ。
そしてジオさんがなぜか三味線………ノワちゃんの旦那さんって
とても強い剣士だった人なんだけど、やっぱどこかずれてるのよね…
「ヴィオラちゃん大分上手に吹けるようになってきたね!」
「あったり前よ♪ずっと頑張ってきたんだから、ねぇユング君♪」
「まあね、ヴィオラにしてはよく頑張ってる方だと思うよ。
正直最初はすぐ飽きちゃうんじゃないかって思ったし。」
「強いて言えばもう少しデレてくれると嬉しいんだけど…」
さ、これでメンバー全員がそろったことだし、
今度開く予定のコンサートに向けて練習を開始しましょう。
もっともコンサートと言ってもそんなに大規模じゃなくて、
魔王城の広場の一角を借りてやるささやかなものだけど、
そのうち私も有名になっていくでしょう。その時が楽しみだわ。
「はいはい、有名になるためにも練習練習♪」
「人の心(挿入文)読まないでよノワちゃん…」
「おー、今日もやってるのですね。ヴィオラ様にしては感心なのです。」
「フェルリ…あなたまでそーゆーこと言うのね。」
練習しているうちにフェルリもやってきたようね。何の用かしら?
「それはそうとヴィオラ様、この度演奏団に加わりたいと申している奴がいるので
もしよかったらそいつも加えてやってほしいのです。」
「もう一人?誰かしら…?」
「やっはーー!!ヴィオラちゃん!おひさしブリザード!!」
「ちょ…エナーシア……!」
「無事調教が完了したのです。」
忘れてた。エナーシアのことデュラハンにしたまま放置してたわ。
調教したっていうけど、あんまり変わってないような…
「ユング君も改めてよろしくぅ!」
「あ、うん。でもエナーシアは何か楽器使えるの?」
「ふっふっふ…私の楽器はこれだ〜!!」
エナーシアはタンバリンを取り出した!
「このタンバリンがあれば百人力!!シャカシャカヘイ!シャカシャカヘイ!」
「やかましいわよ!!リュート・フルート・クラリネット・三味線に加えて
タンバリンってどんだけカオスな演奏団なのよ!もっとましなのにしなさい!」
「ちぇーーっ。私こう見えても生前は世界一のタンバリンファイターだったのに。」
「いやいや生前とか関係ないから。あとあなたはクローンだから生前も何もないし、
そもそもタンバリンファイターって何よ!?タンバリンは武器じゃないのよ!」
「まあまあヴィオラちゃん…突っ込んでるときりが無くなっちゃうよ…」
「仕方ない。エナーシアに会う楽器を見つくろってみるよ。」
結局その場はユング君の提案によりエナーシアの楽器は小太鼓になった。
ユング君曰く「エナーシアは手先が器用だけど性格的に細かい演奏に向いてない」
ってことらしい。まあもう少し長めに練習すればサックスもできるかもしれないわ。
「そうだ、フェルリも一緒に演奏してみない?」
「私もですか?私は指が小さくて楽器の演奏には向いてないのです。」
そう言って普通に断ろうとしたフェルリにノワちゃんが
「はい、フェルリさんにはこんな楽器がお勧めです♪」
「おおっ!これは…ちっちゃい私の手にもなじんで、なおかつ可愛い外見、
さらに単純な構造だかっ練習も不要……ってこれはカスタネットじゃないですか!」
「ぷっ……とても似合ってるわよフェルリ♪」
「ムキーーーーーーーーーーー!!!」
本当にからかい甲斐があるバフォメットだこと。
まあどの道この子に合うのはピッコロやハーモニカでしょうね。
「もういいのです。演奏会で恥をかかないようせいぜい頑張るのです。」
「そうだね。ヴィオラだけならともかく僕も恥をかくのは御免だよ。」
「うぇ〜ん、ユング君が冷たい〜」
「ちょ、ちょっとヴィオラ!?」
仕返しに思いっきり寄りかかってやる。
ほらほら股間がもっこりしてきたわよ。
「少年。自身も成長したようだな。」
「やめてよジオ…。」
「あはは、何だかんだでユング君もヴィオラちゃんに弱いなぁ。
それにそんなんじゃ練習にもならないんじゃない?一回休憩にする?」
「そ…そんな、まだ三十分しか練習してないよ…」
「いいじゃない、私もユング君の反り具合見て我慢できなくなってきたところなの♪
なぁに、たったの一時間だけだから、休憩したらまた練習再開しましょ♪」
「心得ましたぞ。我が妻よ、喉は渇いておらぬか?」
「うん♪もうカラカラ♪」
「じゃあ私もちょっとエッチして……って相手いねぇ!
ねぇねぇヴィオラちゃん、私も混ぜて混ぜて!」
「だが断る!自分で理想のお相手探しなさいよ!」
「お〜まいがっ!」
「この様子では先行きが激しく不安なのです。」
フェルリに呆れられちゃったけど、これもまた魔界ではよくあること♪
「まあいいのです。ヴィオラ様とユングは一ヶ月以内にもっと上達するように頑張るのです。」
「一ヶ月以内?」
「そうなのです。覚悟しておくのです。」
そう言ってフェルリは出て行ってしまった。本当に何だったのあの子?
「じゃあ私達も少し休んでくるから。」
「うむ、一時間したらまた戻ってまいる。」
他の三人も一度部屋から出たようだ。
「さ、て、と♪また随分大きくなったんじゃないのユング君?」
「う、うぅ〜〜///」
私はユング君と一緒のソファーに腰かけて、ユング君の屹立を取り出す。
ここ半年の私の開発のせいで結構な大きさに育っちゃったかも♪
「でもさ、ヴィオラは……何でここがこんなに濡れてるのかな?」
「んんっ……だって、それは……」
ユング君も負けじと私の下着の中に手を差し込んでくる。
「フルート吹いてるとどうしてもユング君のコレを連想しちゃって…」
「はぁ、ヴィオラってどこまでも変態だよね。」
「何とでも言えばいいのよ。じゃあユング君、舌のお口にキス…よろしくね♪」
自然とお互いの性器を舐める態勢に移行した私達。
こうやって何回も愛を確かめ合う生活が当たり前のように思えるのは、
私もユング君も成長した証かもしれない。
ユング君はもともと恋愛にとても覚めた性格だったし、
私だってユング君と会うまで本気の恋愛なんてしてなかった。
今こうして繋がっていられるのは、私自身も頑張った成果。
苦労して、涙を流して、やっと手に入れた愛の形。
その気になれば何でも手に入る私にとって、何物にも代えがたい宝物。
ユング君が欲しい。
ユング君の愛が欲しい。
ユング君の身体が欲しい。
ユング君の心が欲しい。
ユング君の笑顔が欲しい。
ユング君の全てが…
これからもずっと満たされない欲が、私とユング君を繋いでいく。
「んはぁ♪ユング君……じゅぽじゅぽ早くぅ♪」
「はいはい、言われなくてもたっぷりあげるよ♪」
楽器の練習なんかすっかり忘れて愛し合う私達。
一ヶ月後、お母様とお父様、それに大勢の姉妹の前で
ウェディングドレスを着ながらフルートを演奏する羽目になるとも知らずに……
おしまい♪
12/04/12 19:29更新 / バーソロミュ
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