ドロームvs種付けおじさん
彼は敬虔なる信者である。
神を信じ、魔物を許さない者。
彼は、毎日の地域奉仕として清掃活動を欠かさない。
しかし、そんな聖人然とした彼にも裏の顔がある。
それは、種付けおじさんの顔だ。
まだ被害報告もなく、誰にも知られていない姿だ。
だが無理もない。
なんと、種付けおじさんと自称しながらも性交経験がないのだ。
しかも純情。
純愛を好むせいか、お付き合いもしたことがない。
なるほど、童貞を拗らせるワケだ。
町の自警団様が知る由も無い。
でも、種付けおじさんに変化する瞬間というものは、一体どうやって自覚するのだろうか。
一つにその特性が挙げられるだろう。
実は、彼は多重人格者であり、ザッピングのように意識が切り替わるそうなのだ。
だから、種付けおじさんとして動いている時の記憶はなく、記憶がトんだ事から推測して、今日はここで変身したと感取するしかないので、毎日、人の話を盗み聞きするクセが付いてしまった。
もしも、この丕愆が許されるのであれば何不自由なく生きていられただろう。
しかし、神は不羈になる事を許さず、また、救済されない。
彼は神を糾弾する事に決めた。
どのようにして、神に抗うのか。
それは愚問というものだが、聴きたいのならば言わねばなるまい。
それは……。
「魔物とセックスだ!」
そういう事だ。
彼を二重人格者として産んだ事を後悔せよ。
衣を華麗に脱ぎ捨てて、鬱蒼とした森の中に消えていった。
それから何時間も森を彷徨い続けた。
一体、 今はどこで一日のどの時間帯なのか、ほとほと知る術はない。
こうして迷っている内にも、歩くたびに揺れる狸の玉袋のような大きさのモノと馬のようなイチモツは我慢できないのか、空腹の狼のようにガマン汁をたらしている。
それは、フェロモンにも似た淫臭を漂わせ、その匂いに反応するように、森が騒がしく騒めき始めた。
(全てが女に見えてくる)
どこにもぶつけられない性欲は、二股に分かれた木の幹さえも煽情的に映ってしまう。
なんて嘆かわしい、と歎声を漏らしながらも、どこからやって来るか分からない女性の事を考えてビンビンとさせていた。
引き締まるくらいパンパンな玉袋は、もう揺れもしない。
前傾姿勢になって、モンスターすらも犯す気概が感じられる。
そんな彼の前に、シクシクと泣いている女がいた。
僝僝とした川のような澄んだ声で、よく見れば瑰麗な人ではないか。
どのような身分なのか分からないため、無暗に手を出して捕まっては意味がない。
そう考えた彼は、その場を去ることにした。
襲う気など、人格が変わろうと毛頭なかったのだ。
しかし、その影は凄まじい動きを見せた。
影に潜り込むようにして、地面に溶け込んでしまったのだ。
これには、彼も思わず身構えて辺りを見渡した。
(どこだ)
木の陰や木の葉の中。
更には、茂みの中から小枝の下まで。
あれはきっと、魔物に違いあるまい。
そう踏んだ彼は、あの瞬間を思い出す。
それは、地面に吸い込まれるように消えていった人影が、どこに移動したかだ。
そうなれば。
水面から飛び出す音が地面より彼に向けて飛んでくる。
だが、そこには彼の姿はない。
魔物は困惑しているようで、キョロキョロと目線を巡らしていた。
ガバッ、と風を切る音が魔物の上でした。
仰ぐとそこには彼の姿が。
だらしなく垂れた魅惑のワガママお腹が、モノの変形する瞬間をスローモーションで再生するように形を変えながら迫っていた。
「食らえ!必殺……スクリューハリケーンミキサー挿入!」
空中で身を美しく翻し、足首を掴んで高速回転しながら魔物に突っ込んでいく。
しかし、この技には欠点がある。
それは、このまま受け止められずに不時着すれば、間違いなく陰茎折症を引き起こす危険性があった。
もはや、露骨とも云える見え見えの弱点を突かないはずがない。
魔物に屈する前に己の無力さに頓挫するとは、なんと虚しい最後だろうか。
だが、これで終わるはずもない。
相手は魔物である。
「うおぉぉぉお!!!」
ブスリッ。
なんと、なんと。
マンぐり返しによって、彼の偉大なる技を見事、完封してみせたのだ。
ぬるぷぷぷっ、と差し込まれた男根は、魔物の無限ヒダ地獄に包み込まれるように吸い付かれ、無数の舌に囲まれたようにトロトロな膣内では、軽い膣内パニックによって肉棒が躍り狂って肉壁を叩き回っていた。
そんな彼は、既にイキそうであった。
童貞にこの刺激は強すぎたのだ。
いくら前戯いらずの淫乱メス汁まみれ童貞専用便器のような相手でも、未体験ほど恐ろしい快感を発明するものはない。
童貞とは、怡楽のエジソンである。
しかも、それが男性一番搾りの搾取名人である魔物が相手であるということは、人生経験を検索しても出てこないものなのだ。
つまるところ、未知の快楽である。
剛直さんを引き抜こうとすると、びゅっびゅっ、と小籠包みたいにマン汁が溢れ出てくるではないか。
でも、そんな事に気を取られてしまう程の童貞ではない。
樹肉を引っこ抜いた折には、魔物の身体をひっくり返して、お尻方向から腕の肯綮に手を引っかけて腰を打ち付ける。
彼は、これをこう名付けた。
「パワフルバックインパクト!」
俗に言う後背位である。
パチュッパチュッ、と激しい交合を繰り広げようと腰を無駄に打ち続ける童貞マン。
だが、魔物の恐ろしさを彼はまだ知らなかった。
その絡みつくような蜜壺の他に、雰囲気の艶っぽさがより一層のまったり空間を生み出し、相対的に動きを鈍らされていった。
お尻の肉の跳ね返りがゆったりとして来て、彼もそろそろ魔物のペースに差し掛かっていたところ、彼は更なる豪快セックスを求めて技を掛けようと腕を脇の下から回して、がっちりホールド。
そこから、電池を換えた電気マッサージ機のように盛り狂った腰打ち。
その抽迭は、子宮のちょっと前でコツコツと同じ場所を何度も執拗に狙い、相手の絶頂を狙うつもりだ。
しかし、彼にはまだまだ誤算があった。
それは、魔物の身体がローションのようにドロドロとしている身体が持つ、触れただけで訪れる極楽によって動きが鈍重になってしまっていた事を。
その上、前記の要素が加われば、もはやフワトロ甘交尾を避ける事など不可能。
ここからは、魔物の中を楽しむターンである。
スライム千匹を敷き詰めたような肉壺には、螺旋構造みたいな引き込む構造でありながら、引き抜く時には、カリ首に引っかかる唇のように優しく撫で上げられる。
それを三擦り。
彼は身体を支える力を擦る力に奪われたかの如く脱力しながら、寝バックプレスの形になっていき、最後には情けなく抱き着いて腰を振るおサルさんになってしまっていた。
寝バックプレス状態は、肉々しい膣が一瞬にして、精搾機となって彼のチンポを圧迫し、亀頭に血液が溜まってマグマのように熱々になっていた。
喧鬧する度に込み上げてくる精液を堪え、何としても表向きで注ぎたい彼は、このまま正常位にして覆いかぶさりたい。
そんな彼の意志を汲んだのか、お尻を突き出して彼の身体を浮かし、潤滑に愚息を中心に回転した。
そして、その回転によって擦られた欲棒は限界を迎えていたため、そのまま切れた弦のように膣射精しする。
「あ〜でるでる出るぅ!!!!!」
思いっきり抱き着いたまま射精す快感に思わず、加えてこう言った。
「子宮のお口とちゅっちゅ〜♥孕め〜?孕め〜♥」
グリグリと押し付けるようにして、残りの子種を流し込んでいくおじさん。
種付けおじさんの沽券が守られ、これで満足かと思われたが、秘奥義を残したおじさんと魔物は、まだまだセックスをしたいようで、第二ラウンドを抜きもせずに開始した。
魔物の柔らかな唇は、彼の何年にも募らされたイメージだけで作られたディープキスによってベチャベチャに濡らされ、まるで一方的に襲っているように見えた。
しかし、そんな魔物は顔を紅潮させて滅茶苦茶なキスを受け止め、上手に興奮させるために誘引して舌を絡める。
ヌットリとした口腔内には、甘い女性特有の口臭が漂い、歯の裏や歯茎に舌を這わせ、溶けあうように抱きしめあって吐息を交換する。
フワフワな喘ぎ声が森を木霊し、冪冪たる空を突き抜ける。
彼は魔物の胸に手を当て、元に戻らなくなるくらい強く揉みしだき、魔物のだらしなく垂れたお腹と彼の膨れ上がった贅肉とを合わせ、怒張した珍宝が子宮と接吻できるように押し付ける。
腰を左右にくねらせ、水車のように一方方向に回し、不意に回転方向を逆転させ、相手の絶頂を促す。
(これぞ、アへアへ車!)
ジュルジュル、と唾液を吸いながら技名を想像するおじさん。
だが、おじさんは再び、激しい動きを魔物の特性によって奪われ、段々と弱弱しい攻めになってしまい、ついには魔物に足でその状態で固定され、上体を抱擁されてしまった。
これは、俗に謂うだいしゅきホールドである。
とは言え、相手に無理強いする訳でもなく、抱いたまま動かずにナカで締め上げているだけで、特に激しい事はしない。
ただ、口吻するだけ。
彼の手を自身の髪に宛がって、頭頂から撫でおろさせる。
顔の輪郭まで行って、顎まで辿り着くと、頬擦りしながらイヤらしい目つきで彼を見つめ、繋がった口を通して甘い息を送った。
激しい運動の後のように心臓を締め付けられる行為に、充足感を覚え始める彼。
そんな彼は、もはや人体と生命体の境界線もなく交わっていた。
魂の救済を施す天使のように弛張するヴァギナ。
マーラは、溜め込んだ悪性の魔力を解き放たんとグラグラ煮えたぎり、女神級のとろマンを溶かし尽かそうと企てていた。
しかし、そう陥落するはずもなく、彼はスライム千匹に貪り食われるようにして搾り取られ、情けなく吐精した。
「ぼっびゅびゅっぼぼ♥」
腰をガクガクさせている。
痙攣して、もう動けなさそうな様子。
しかし、種付けおじさんとして自覚している彼が、これだけでへばるはずが無いのだ。
彼は突然、腹の余った肉の段々に挟んであった精力剤、『めちゃビンビンロイヤルZ』を取り出して、徐に封を切って飲み干した。
これは、疲れた男性の身体を回復させて、瞬時に再度戦えるようにする魔法のアイテムであるが、独自に調合したものであるため、合法性も安全性も疑わしい種付けおじさん専用アイテムでしかない。
ただ、飲んだのは彼であるため、何の問題もない。
「元気1000%パンパンマン!」
前よりも一回り逞しくなった息子は、ビンビンと魚の掛かった竿のようにしなっていた。
乗っかったまま、三回戦。
ずっとやられっぱなしだったおじさんは、ここで巻き返せるのか。
彼は腰を浮かし、魔物の肉体から距離を取って構える。
ここまでは、以前のおじさんと何ら変わりのない風景であるが、魔物から見た風景は違った。
以前は、魔物が自分のペースで進めるイチャイチャセックスであったが、今回はそうもいかないからだ。
なんと、魔物のミラクル搾精器を破壊するのではないかというくらいに張りつめているのだ。
魔物も普段は落ち着いたセックスばかりだが、これには嫁化せざるを得ない。
そんな接戦にまで上り詰めていたのだ。
フワとろマンコがキツキツマンコになって、互いの脳には電流と噴き出すピンクの霧が立ち込めて、考えている余裕もないくらいに発情している。
魔物は、ワガママなだらしなボディを震わして、下から腰をゆっくり振ってくる。
彼はそれに敢えてタイミングをずらした腰の運びをすることで、最も運動が働く位置に衝撃を持って来て、イかせる作戦のようだ。
艶めかしい嬌声を上げる魔物は、目の中にハートを乗せて、鼻の穴で息がしにくくなるくらい舐めまわしてきた。
ヌルヌルとした肉体が動くたびに、水面に一滴落ちて来た時の音がし、肉体を重ねている事を意識させられてしまう。
切なげな息遣いのキスと嬉し涙を浮かべる魔物の顔貌を見ている内に、熟した果実のようにグシャグシャのマンゴーから沢山の蜜がとめどなく溢れて来た。
前よりも情熱的に踊り狂いながら、しかし魔物としての穏やかなセックスを尊重しつつ、その行為は長く続いた。
相手が気持ちの良いところを突くのと同時に、一気に磨き上げることで二倍の快感を味合わせるクリ責めや乳房にしゃぶりつきながら空いた乳首を暇にさせる事なく執拗に弄りまくる乳首責めをし、なるべく相手が気持ちよくなるように心がける。
身を捩らせ、指を咥えながらよがっている魔物。
予想以上にいい反応をする魔物に、彼もついつい速度を上げていく。
静かな水面を強風が吹き荒らしていくように、淫らな笑みがよりエロくなっていった。
尿道にコブを作り、奥から大蛇が飛び出してきそうな予感をさせていた。
「孕めっ!!」
三回目だというのに、勢い衰える事なく力強い生命の流動を与える。
腰を思いっきり振り落とし、子宮の奥へと全速力で駆け抜ける給油官のようなチンポがぶっすり、と穿った。
魔物は声にならない喜びの悲鳴を上げながら、種付けおじさんの恰幅のよい身体を抱き寄せる。
種付け冥利につきる格好でフィニッシュ。
彼は、これ以上望む物もない。
目標がなくなった彼の目の前にあるものと言えば、泥のように形を留めない魔物の豊満な身体のみである。
もはや、情熱溢れるセックスなど不要であった。
どこかに、甘やかし赤ちゃんプレイとかしてくれるヒトはいないものか。
彼の心は、ぽっかりと穴が開いてしまった。
力なく倒れ込んだ彼は、魔物に抱きすくめられながら横に倒れて、抱き枕か人形のようにしがみ付かれたまま、繋がっていた。
毎日、煢然と生きて来ただけに、こんな幸せな感情は生まれて初めてのモノであり、彼からも抱き着き、熱いとろけるような抱擁を交わす。
それからの彼らは頽廃的で、日を追うごとに回数を増やしていくものの、激しく動く訳でもなく、泥のように眠る交尾をするだけ日々。
膣が締め付け、別の生き物のように蠢く中に、生命力の強いぷりぷりな精液を注ぐだけ。
そうした日常を送っていた彼だったが、ある日、教会によって聖職者にならないかという誘いを受けていたのだ。
だが、彼はもう生殖者である。
あのまま童貞であり続けたなら、教会の偉い人になっていたかもしれない。
しかし、彼にはもう魔物との経験が何度もあるため、そんな願いも叶うことはないだろう。
そんな苦悩の種を持ち込まれ、家で頭を抱えて机に両肘を付いていると、風も吹いていないという日に、窓がひとりでにカタカタ喋り出した。
怪訝そうにそちらを見ていると、ガラスに泥遊びをしたあとのような手形が一つ、付けられた。
そんな怪奇現象じみたものが起こったにも関わらず、恐懼しないトーテムポールがズボンを突き破ろうと試みていた。
身体に染み付いた、ネバついた体液を髣髴とさせられて発情しているのだ。
だが残念なことに、発情しているのは聖人の人格である。
夜な夜な森に消えていった人格は、種付けプレスマンの方。
よって、誰も彼もが純潔を守っていると思っていた。
本人もそう思っている。
だから、彼はそんな自分に困惑していた。
戸惑い、怯夫して、魔物を忌み嫌う。
須臾、戸を叩く音が部屋に響いた。
窓に手形を付けていった魔物だろうか。
ビクビクしながらも、怖いもの見たさで扉のほうへ向かって行き、ゆっくりとドアノブに手を掛けて、思いっきり押し開けた。
「だ、誰も……いない?」
そんな馬鹿な。
確かに音がして、外に気配がしていたはずだ、と慌てている彼。
首を傾げて、ドアを閉めた。
もしも、ストレスによって幻聴が聞こえていたのなら、話は断った方がいいのだろうか。
急な話であったため、結論を出すまでの猶予がそれなりにはあったのだが、心配性なだけあって、責任感で押しつぶされそうになっている。
種付けおじさん人格でなければ、彼は普通の優しい男なのだ。
誰かに甘え生きていきたい理由があるのだ。
深いため息を吐いた。
青い吐息。
そんな彼の感情を察知したトラップのように、突然、床から泥の塊が覆い被さって来た。
覚えのある感触、垂れ下がった身体の肉、束脩よりもこちらを取るくらいに切望していた匂い。
瞬く間に目の前にお花畑が広がって、一面をフローラルなフロアに変えてしまった。
そして、花園の中心で佇んでいる陰を見つけた。
湿気った森の沼地で出会った記憶と重なって、今までの記憶が結合して行く。
人格が一つに統合されていくようだ。
彼は走った。
愛おしい彼女とハグするために。
ドロームは、艶笑しながら手を伸ばして待っている。
今までは隠れながらしていたが、これからはそんな必要もない。
彼女の伸ばした腕をヒラリと躱して、お姫様抱っこをし、そのままベッドまで運び込み寝転がした。
それから隙も見せずにキスを迫り、間隙のない愛撫が始まる。
大胆に乳をしたから揉みしだきながら搾るように乳首へと流す。
シーツを乱し、甘い声を漏らす。
そのムチムチとした肉体が、シーツにシミを作る。
口が塞がったまま漏れる声は、どこの誰よりも可愛らしく映り、どこまでもハマらせていく。
ハグハグと言いながら互いを求めあう。
閉じた貝を開かせて、割れ目に人差し指と中指を突っ込み、弦楽器を扱うように弄る。
以前よりもキツくなっていたナカは、指を持っていくくらいに強く誘っていた。
彼はズボンを下ろしながら言った。
「入れても……いいかい?」
コクリと頷いた彼女の股間にイチモツを当てて、滑り込ませていく。
シーツを握りしめながら、淫靡な笑みを浮かべる彼女は、屹立した御珍宝を溶かすように包み込み、ポルチオまで入った。
奥を突く度に喘ぎは増して、腰を振る速度が増していった。
これが本来の人格、種付けおじさんである。
パコパコがズコバコに変わっていき、ババババと音に余裕がなくなって来たところで、二人の絶頂ポイントに至ったところで、彼はお得意の種付けプレスをし、彼女はだいしゅきホールドによって全ての子種で孕む考えで抱きしめた。
ぶびゅるるるる。
中では、ジェットコースターの一回転のようなスピードで肉壁にぶつかり、荒波のように返る精液。
この精子が、長い長い旅の末に卵子と出会って、やがては子どもを成すかもしれない。
そんな兆しが感じられた。
その日から二人は夫婦となったのか、人前に現れる事もなく、教会からの話をすっぽかした彼の家を訪れた友人の話によれば、サイクロンを家の中に連れ込んだようなありさまだったようだ。
町中大騒ぎで、一週間ほど心配で不眠になってしまう人が続出していた。
しかし、そんな折に彼を見たという目撃証言を仄聞し、町は落ち着いて、やがては闃然としたいつもの町に戻った。
目撃者の話では、森の中に消えていく二つの陰があって、とても仲睦まじそうな夫婦にみえたが、夫側が失踪した彼にそっくりであったという。
世の中、奇妙な話もあるものだ。
神を信じ、魔物を許さない者。
彼は、毎日の地域奉仕として清掃活動を欠かさない。
しかし、そんな聖人然とした彼にも裏の顔がある。
それは、種付けおじさんの顔だ。
まだ被害報告もなく、誰にも知られていない姿だ。
だが無理もない。
なんと、種付けおじさんと自称しながらも性交経験がないのだ。
しかも純情。
純愛を好むせいか、お付き合いもしたことがない。
なるほど、童貞を拗らせるワケだ。
町の自警団様が知る由も無い。
でも、種付けおじさんに変化する瞬間というものは、一体どうやって自覚するのだろうか。
一つにその特性が挙げられるだろう。
実は、彼は多重人格者であり、ザッピングのように意識が切り替わるそうなのだ。
だから、種付けおじさんとして動いている時の記憶はなく、記憶がトんだ事から推測して、今日はここで変身したと感取するしかないので、毎日、人の話を盗み聞きするクセが付いてしまった。
もしも、この丕愆が許されるのであれば何不自由なく生きていられただろう。
しかし、神は不羈になる事を許さず、また、救済されない。
彼は神を糾弾する事に決めた。
どのようにして、神に抗うのか。
それは愚問というものだが、聴きたいのならば言わねばなるまい。
それは……。
「魔物とセックスだ!」
そういう事だ。
彼を二重人格者として産んだ事を後悔せよ。
衣を華麗に脱ぎ捨てて、鬱蒼とした森の中に消えていった。
それから何時間も森を彷徨い続けた。
一体、 今はどこで一日のどの時間帯なのか、ほとほと知る術はない。
こうして迷っている内にも、歩くたびに揺れる狸の玉袋のような大きさのモノと馬のようなイチモツは我慢できないのか、空腹の狼のようにガマン汁をたらしている。
それは、フェロモンにも似た淫臭を漂わせ、その匂いに反応するように、森が騒がしく騒めき始めた。
(全てが女に見えてくる)
どこにもぶつけられない性欲は、二股に分かれた木の幹さえも煽情的に映ってしまう。
なんて嘆かわしい、と歎声を漏らしながらも、どこからやって来るか分からない女性の事を考えてビンビンとさせていた。
引き締まるくらいパンパンな玉袋は、もう揺れもしない。
前傾姿勢になって、モンスターすらも犯す気概が感じられる。
そんな彼の前に、シクシクと泣いている女がいた。
僝僝とした川のような澄んだ声で、よく見れば瑰麗な人ではないか。
どのような身分なのか分からないため、無暗に手を出して捕まっては意味がない。
そう考えた彼は、その場を去ることにした。
襲う気など、人格が変わろうと毛頭なかったのだ。
しかし、その影は凄まじい動きを見せた。
影に潜り込むようにして、地面に溶け込んでしまったのだ。
これには、彼も思わず身構えて辺りを見渡した。
(どこだ)
木の陰や木の葉の中。
更には、茂みの中から小枝の下まで。
あれはきっと、魔物に違いあるまい。
そう踏んだ彼は、あの瞬間を思い出す。
それは、地面に吸い込まれるように消えていった人影が、どこに移動したかだ。
そうなれば。
水面から飛び出す音が地面より彼に向けて飛んでくる。
だが、そこには彼の姿はない。
魔物は困惑しているようで、キョロキョロと目線を巡らしていた。
ガバッ、と風を切る音が魔物の上でした。
仰ぐとそこには彼の姿が。
だらしなく垂れた魅惑のワガママお腹が、モノの変形する瞬間をスローモーションで再生するように形を変えながら迫っていた。
「食らえ!必殺……スクリューハリケーンミキサー挿入!」
空中で身を美しく翻し、足首を掴んで高速回転しながら魔物に突っ込んでいく。
しかし、この技には欠点がある。
それは、このまま受け止められずに不時着すれば、間違いなく陰茎折症を引き起こす危険性があった。
もはや、露骨とも云える見え見えの弱点を突かないはずがない。
魔物に屈する前に己の無力さに頓挫するとは、なんと虚しい最後だろうか。
だが、これで終わるはずもない。
相手は魔物である。
「うおぉぉぉお!!!」
ブスリッ。
なんと、なんと。
マンぐり返しによって、彼の偉大なる技を見事、完封してみせたのだ。
ぬるぷぷぷっ、と差し込まれた男根は、魔物の無限ヒダ地獄に包み込まれるように吸い付かれ、無数の舌に囲まれたようにトロトロな膣内では、軽い膣内パニックによって肉棒が躍り狂って肉壁を叩き回っていた。
そんな彼は、既にイキそうであった。
童貞にこの刺激は強すぎたのだ。
いくら前戯いらずの淫乱メス汁まみれ童貞専用便器のような相手でも、未体験ほど恐ろしい快感を発明するものはない。
童貞とは、怡楽のエジソンである。
しかも、それが男性一番搾りの搾取名人である魔物が相手であるということは、人生経験を検索しても出てこないものなのだ。
つまるところ、未知の快楽である。
剛直さんを引き抜こうとすると、びゅっびゅっ、と小籠包みたいにマン汁が溢れ出てくるではないか。
でも、そんな事に気を取られてしまう程の童貞ではない。
樹肉を引っこ抜いた折には、魔物の身体をひっくり返して、お尻方向から腕の肯綮に手を引っかけて腰を打ち付ける。
彼は、これをこう名付けた。
「パワフルバックインパクト!」
俗に言う後背位である。
パチュッパチュッ、と激しい交合を繰り広げようと腰を無駄に打ち続ける童貞マン。
だが、魔物の恐ろしさを彼はまだ知らなかった。
その絡みつくような蜜壺の他に、雰囲気の艶っぽさがより一層のまったり空間を生み出し、相対的に動きを鈍らされていった。
お尻の肉の跳ね返りがゆったりとして来て、彼もそろそろ魔物のペースに差し掛かっていたところ、彼は更なる豪快セックスを求めて技を掛けようと腕を脇の下から回して、がっちりホールド。
そこから、電池を換えた電気マッサージ機のように盛り狂った腰打ち。
その抽迭は、子宮のちょっと前でコツコツと同じ場所を何度も執拗に狙い、相手の絶頂を狙うつもりだ。
しかし、彼にはまだまだ誤算があった。
それは、魔物の身体がローションのようにドロドロとしている身体が持つ、触れただけで訪れる極楽によって動きが鈍重になってしまっていた事を。
その上、前記の要素が加われば、もはやフワトロ甘交尾を避ける事など不可能。
ここからは、魔物の中を楽しむターンである。
スライム千匹を敷き詰めたような肉壺には、螺旋構造みたいな引き込む構造でありながら、引き抜く時には、カリ首に引っかかる唇のように優しく撫で上げられる。
それを三擦り。
彼は身体を支える力を擦る力に奪われたかの如く脱力しながら、寝バックプレスの形になっていき、最後には情けなく抱き着いて腰を振るおサルさんになってしまっていた。
寝バックプレス状態は、肉々しい膣が一瞬にして、精搾機となって彼のチンポを圧迫し、亀頭に血液が溜まってマグマのように熱々になっていた。
喧鬧する度に込み上げてくる精液を堪え、何としても表向きで注ぎたい彼は、このまま正常位にして覆いかぶさりたい。
そんな彼の意志を汲んだのか、お尻を突き出して彼の身体を浮かし、潤滑に愚息を中心に回転した。
そして、その回転によって擦られた欲棒は限界を迎えていたため、そのまま切れた弦のように膣射精しする。
「あ〜でるでる出るぅ!!!!!」
思いっきり抱き着いたまま射精す快感に思わず、加えてこう言った。
「子宮のお口とちゅっちゅ〜♥孕め〜?孕め〜♥」
グリグリと押し付けるようにして、残りの子種を流し込んでいくおじさん。
種付けおじさんの沽券が守られ、これで満足かと思われたが、秘奥義を残したおじさんと魔物は、まだまだセックスをしたいようで、第二ラウンドを抜きもせずに開始した。
魔物の柔らかな唇は、彼の何年にも募らされたイメージだけで作られたディープキスによってベチャベチャに濡らされ、まるで一方的に襲っているように見えた。
しかし、そんな魔物は顔を紅潮させて滅茶苦茶なキスを受け止め、上手に興奮させるために誘引して舌を絡める。
ヌットリとした口腔内には、甘い女性特有の口臭が漂い、歯の裏や歯茎に舌を這わせ、溶けあうように抱きしめあって吐息を交換する。
フワフワな喘ぎ声が森を木霊し、冪冪たる空を突き抜ける。
彼は魔物の胸に手を当て、元に戻らなくなるくらい強く揉みしだき、魔物のだらしなく垂れたお腹と彼の膨れ上がった贅肉とを合わせ、怒張した珍宝が子宮と接吻できるように押し付ける。
腰を左右にくねらせ、水車のように一方方向に回し、不意に回転方向を逆転させ、相手の絶頂を促す。
(これぞ、アへアへ車!)
ジュルジュル、と唾液を吸いながら技名を想像するおじさん。
だが、おじさんは再び、激しい動きを魔物の特性によって奪われ、段々と弱弱しい攻めになってしまい、ついには魔物に足でその状態で固定され、上体を抱擁されてしまった。
これは、俗に謂うだいしゅきホールドである。
とは言え、相手に無理強いする訳でもなく、抱いたまま動かずにナカで締め上げているだけで、特に激しい事はしない。
ただ、口吻するだけ。
彼の手を自身の髪に宛がって、頭頂から撫でおろさせる。
顔の輪郭まで行って、顎まで辿り着くと、頬擦りしながらイヤらしい目つきで彼を見つめ、繋がった口を通して甘い息を送った。
激しい運動の後のように心臓を締め付けられる行為に、充足感を覚え始める彼。
そんな彼は、もはや人体と生命体の境界線もなく交わっていた。
魂の救済を施す天使のように弛張するヴァギナ。
マーラは、溜め込んだ悪性の魔力を解き放たんとグラグラ煮えたぎり、女神級のとろマンを溶かし尽かそうと企てていた。
しかし、そう陥落するはずもなく、彼はスライム千匹に貪り食われるようにして搾り取られ、情けなく吐精した。
「ぼっびゅびゅっぼぼ♥」
腰をガクガクさせている。
痙攣して、もう動けなさそうな様子。
しかし、種付けおじさんとして自覚している彼が、これだけでへばるはずが無いのだ。
彼は突然、腹の余った肉の段々に挟んであった精力剤、『めちゃビンビンロイヤルZ』を取り出して、徐に封を切って飲み干した。
これは、疲れた男性の身体を回復させて、瞬時に再度戦えるようにする魔法のアイテムであるが、独自に調合したものであるため、合法性も安全性も疑わしい種付けおじさん専用アイテムでしかない。
ただ、飲んだのは彼であるため、何の問題もない。
「元気1000%パンパンマン!」
前よりも一回り逞しくなった息子は、ビンビンと魚の掛かった竿のようにしなっていた。
乗っかったまま、三回戦。
ずっとやられっぱなしだったおじさんは、ここで巻き返せるのか。
彼は腰を浮かし、魔物の肉体から距離を取って構える。
ここまでは、以前のおじさんと何ら変わりのない風景であるが、魔物から見た風景は違った。
以前は、魔物が自分のペースで進めるイチャイチャセックスであったが、今回はそうもいかないからだ。
なんと、魔物のミラクル搾精器を破壊するのではないかというくらいに張りつめているのだ。
魔物も普段は落ち着いたセックスばかりだが、これには嫁化せざるを得ない。
そんな接戦にまで上り詰めていたのだ。
フワとろマンコがキツキツマンコになって、互いの脳には電流と噴き出すピンクの霧が立ち込めて、考えている余裕もないくらいに発情している。
魔物は、ワガママなだらしなボディを震わして、下から腰をゆっくり振ってくる。
彼はそれに敢えてタイミングをずらした腰の運びをすることで、最も運動が働く位置に衝撃を持って来て、イかせる作戦のようだ。
艶めかしい嬌声を上げる魔物は、目の中にハートを乗せて、鼻の穴で息がしにくくなるくらい舐めまわしてきた。
ヌルヌルとした肉体が動くたびに、水面に一滴落ちて来た時の音がし、肉体を重ねている事を意識させられてしまう。
切なげな息遣いのキスと嬉し涙を浮かべる魔物の顔貌を見ている内に、熟した果実のようにグシャグシャのマンゴーから沢山の蜜がとめどなく溢れて来た。
前よりも情熱的に踊り狂いながら、しかし魔物としての穏やかなセックスを尊重しつつ、その行為は長く続いた。
相手が気持ちの良いところを突くのと同時に、一気に磨き上げることで二倍の快感を味合わせるクリ責めや乳房にしゃぶりつきながら空いた乳首を暇にさせる事なく執拗に弄りまくる乳首責めをし、なるべく相手が気持ちよくなるように心がける。
身を捩らせ、指を咥えながらよがっている魔物。
予想以上にいい反応をする魔物に、彼もついつい速度を上げていく。
静かな水面を強風が吹き荒らしていくように、淫らな笑みがよりエロくなっていった。
尿道にコブを作り、奥から大蛇が飛び出してきそうな予感をさせていた。
「孕めっ!!」
三回目だというのに、勢い衰える事なく力強い生命の流動を与える。
腰を思いっきり振り落とし、子宮の奥へと全速力で駆け抜ける給油官のようなチンポがぶっすり、と穿った。
魔物は声にならない喜びの悲鳴を上げながら、種付けおじさんの恰幅のよい身体を抱き寄せる。
種付け冥利につきる格好でフィニッシュ。
彼は、これ以上望む物もない。
目標がなくなった彼の目の前にあるものと言えば、泥のように形を留めない魔物の豊満な身体のみである。
もはや、情熱溢れるセックスなど不要であった。
どこかに、甘やかし赤ちゃんプレイとかしてくれるヒトはいないものか。
彼の心は、ぽっかりと穴が開いてしまった。
力なく倒れ込んだ彼は、魔物に抱きすくめられながら横に倒れて、抱き枕か人形のようにしがみ付かれたまま、繋がっていた。
毎日、煢然と生きて来ただけに、こんな幸せな感情は生まれて初めてのモノであり、彼からも抱き着き、熱いとろけるような抱擁を交わす。
それからの彼らは頽廃的で、日を追うごとに回数を増やしていくものの、激しく動く訳でもなく、泥のように眠る交尾をするだけ日々。
膣が締め付け、別の生き物のように蠢く中に、生命力の強いぷりぷりな精液を注ぐだけ。
そうした日常を送っていた彼だったが、ある日、教会によって聖職者にならないかという誘いを受けていたのだ。
だが、彼はもう生殖者である。
あのまま童貞であり続けたなら、教会の偉い人になっていたかもしれない。
しかし、彼にはもう魔物との経験が何度もあるため、そんな願いも叶うことはないだろう。
そんな苦悩の種を持ち込まれ、家で頭を抱えて机に両肘を付いていると、風も吹いていないという日に、窓がひとりでにカタカタ喋り出した。
怪訝そうにそちらを見ていると、ガラスに泥遊びをしたあとのような手形が一つ、付けられた。
そんな怪奇現象じみたものが起こったにも関わらず、恐懼しないトーテムポールがズボンを突き破ろうと試みていた。
身体に染み付いた、ネバついた体液を髣髴とさせられて発情しているのだ。
だが残念なことに、発情しているのは聖人の人格である。
夜な夜な森に消えていった人格は、種付けプレスマンの方。
よって、誰も彼もが純潔を守っていると思っていた。
本人もそう思っている。
だから、彼はそんな自分に困惑していた。
戸惑い、怯夫して、魔物を忌み嫌う。
須臾、戸を叩く音が部屋に響いた。
窓に手形を付けていった魔物だろうか。
ビクビクしながらも、怖いもの見たさで扉のほうへ向かって行き、ゆっくりとドアノブに手を掛けて、思いっきり押し開けた。
「だ、誰も……いない?」
そんな馬鹿な。
確かに音がして、外に気配がしていたはずだ、と慌てている彼。
首を傾げて、ドアを閉めた。
もしも、ストレスによって幻聴が聞こえていたのなら、話は断った方がいいのだろうか。
急な話であったため、結論を出すまでの猶予がそれなりにはあったのだが、心配性なだけあって、責任感で押しつぶされそうになっている。
種付けおじさん人格でなければ、彼は普通の優しい男なのだ。
誰かに甘え生きていきたい理由があるのだ。
深いため息を吐いた。
青い吐息。
そんな彼の感情を察知したトラップのように、突然、床から泥の塊が覆い被さって来た。
覚えのある感触、垂れ下がった身体の肉、束脩よりもこちらを取るくらいに切望していた匂い。
瞬く間に目の前にお花畑が広がって、一面をフローラルなフロアに変えてしまった。
そして、花園の中心で佇んでいる陰を見つけた。
湿気った森の沼地で出会った記憶と重なって、今までの記憶が結合して行く。
人格が一つに統合されていくようだ。
彼は走った。
愛おしい彼女とハグするために。
ドロームは、艶笑しながら手を伸ばして待っている。
今までは隠れながらしていたが、これからはそんな必要もない。
彼女の伸ばした腕をヒラリと躱して、お姫様抱っこをし、そのままベッドまで運び込み寝転がした。
それから隙も見せずにキスを迫り、間隙のない愛撫が始まる。
大胆に乳をしたから揉みしだきながら搾るように乳首へと流す。
シーツを乱し、甘い声を漏らす。
そのムチムチとした肉体が、シーツにシミを作る。
口が塞がったまま漏れる声は、どこの誰よりも可愛らしく映り、どこまでもハマらせていく。
ハグハグと言いながら互いを求めあう。
閉じた貝を開かせて、割れ目に人差し指と中指を突っ込み、弦楽器を扱うように弄る。
以前よりもキツくなっていたナカは、指を持っていくくらいに強く誘っていた。
彼はズボンを下ろしながら言った。
「入れても……いいかい?」
コクリと頷いた彼女の股間にイチモツを当てて、滑り込ませていく。
シーツを握りしめながら、淫靡な笑みを浮かべる彼女は、屹立した御珍宝を溶かすように包み込み、ポルチオまで入った。
奥を突く度に喘ぎは増して、腰を振る速度が増していった。
これが本来の人格、種付けおじさんである。
パコパコがズコバコに変わっていき、ババババと音に余裕がなくなって来たところで、二人の絶頂ポイントに至ったところで、彼はお得意の種付けプレスをし、彼女はだいしゅきホールドによって全ての子種で孕む考えで抱きしめた。
ぶびゅるるるる。
中では、ジェットコースターの一回転のようなスピードで肉壁にぶつかり、荒波のように返る精液。
この精子が、長い長い旅の末に卵子と出会って、やがては子どもを成すかもしれない。
そんな兆しが感じられた。
その日から二人は夫婦となったのか、人前に現れる事もなく、教会からの話をすっぽかした彼の家を訪れた友人の話によれば、サイクロンを家の中に連れ込んだようなありさまだったようだ。
町中大騒ぎで、一週間ほど心配で不眠になってしまう人が続出していた。
しかし、そんな折に彼を見たという目撃証言を仄聞し、町は落ち着いて、やがては闃然としたいつもの町に戻った。
目撃者の話では、森の中に消えていく二つの陰があって、とても仲睦まじそうな夫婦にみえたが、夫側が失踪した彼にそっくりであったという。
世の中、奇妙な話もあるものだ。
19/05/03 20:42更新 / ヌルスルたん