旅人がいちゃいちゃするだけ
晴れという天気は総じて良いことと思われやすいと思う。
ボクも事実、そうである。
親がどういうかはわからないが、カラッと晴れた雲ひとつない青空、優しく頬を撫でる微風、あたり一面に続く草原と地平線、想像しただけで胸が踊る。
そして、今日はそんな理想的な晴れであった。
太陽は燦々と輝いて、そよ風がふわりと吹いて、それに煽られて背の低い草たちがそよそよと揺れている。
……ついでに、そこらへんの木から聞こえる、セミの大合唱付きで。
「ぜぇっ、ぜえっ、ぜーっ」
「ん……はぁ、はぁ」
暑い、暑い、もはや熱い。
恐ろしいほどの暑さに打ちのめされながら、ボクと相棒は肩で息をしながら炎天下の下を歩いていた。
ちょうど正午頃か、中天からこちらを焼付くさんと光る太陽から隠れるように、ボクは帽子のツバを、相棒は真っ白なローブを深く被ってはいるがあまり効果はない。
だってそもそも気温が高い、直射日光に焼かれるよりはよほどましだが、あたり一面にむわっと広がる熱気は、その手の魔法を使えないボクらにはどうしようもなかった。
「はぁ、はぁっ、んっ、キティ、大丈夫?」
「君こそ、平気か?」
キティと呼ばれ、ボクは相棒に答える。
キティとはボクの愛称であり本名はキトリー(Quitterie)である。
この愛称を呼ぶことを許したのは今の所相棒以外にはいない。
「んっ、当然、ですよ、この程度、ぬるい風呂みたいな、もん……ぜぇ、ぜぇ」
低い背と薄い胸板をそらしてダヴィは強がるが、最後まで言い切る前に息を荒くしているあたり相当辛いのだろう、わかるよ、ボクも辛いもん。
ぐぅ、胸の谷間がむわむわでびちょびちょだ、気持ちわりー……
「意地は、張らなくて、いい……はぁ、しかし、まだ、次の街は見えないかな……」
「くっ、こんなことなら、涼しい夜のうちに、動いて、朝は休む、べき、でした」
「後悔、先に、立たずって、やつかな」
「なん、ですかぁ、はぁ、それ」
「ジパングのコトワザ……ふぅっ」
額の汗を拭う。
お互い顎から汗を滴らせながらも軽口を叩き会えば、少しだけ気分が楽になった。
もう少し、もう少しのはず……
それからしばらくとろっちく歩くうちに、突然ダヴィが声を上げた。
「……!キティ!あれ!」
「おぉ……見えてるよ、ダヴィ」
ダヴィが顔を輝かせて前を指差す。
ボクもその方角をみた、思わず笑みがこぼれた。
前の街を出てから十一日、ついに、ついに見つけた……!!
「やっと、街だ……街が見えた……やったぁぁぁぁ……!!」
大声をあげる気力もないか、ダヴィが崩れ落ちて歓喜の声を絞り出す。
そう、この灼熱の道を抜けて、ようやく僕たちは目指していた街、ラムルピュールにたどり着いたのだ!
……いや、街が見えただけだからまだ歩かなきゃいけないけど。
目的地を視認さえすればあとは早いもの、ボクとダヴィは先ほどまでの芋虫にも劣る歩行速度から打って変わってコカトリスのごとき速度で街へたどり着いたのだった。
街の門に着く頃には脱水症状でくたばりかけてしまったが、てへぺろっ☆
ーそれからどーしたー
「っはぁー……いい湯だったぁ……」
ダヴィはゴシゴシとその長めの茶髪をタオルで拭いながら、浴室から上機嫌で出てきた。
薄手のワイシャツににハーフパンツという格好のダヴィに思わずボクは釣られて目で追ってしまうが、すぐに視線をそらす、恥ずかしいし。
「シャワーはいい……私にはこれが必要なんだ」
「あぁ、4日前に川で水浴びして以来だからな、やはり文明人たるもの、熱いシャワーは欠かせないね」
かくいうボクもダヴィの前にシャワーをいただいていた。
ダヴィも同じく汗だくだったけど、レディに譲るのは紳士のたしなみと譲ってくれた、ダヴィ様様だね。
そんなわけでボク、ダヴィの順番で旅の汗とチリを流したのであった。
いやぁ!シャワーというのは素晴らしいね!魔法技術バンザイ!武器とかそんなんよりこういう日常を豊かにする技術こそが真の技術だよね!
さすがこの地方でも大きな村だけあって、宿の設備はかなりE感じだ!
「ほら、ダヴィ」
「あ、ありがとうキティ……おっ!キンッキンに冷えてる……!乾杯!」
「はいはい、乾杯」
風呂上がりのダヴィに、僕は注文しておいたラガー酒とソーセージを差し出した。
ダヴィは目を輝かせてすぐさまその中身の黄金の雫を喉に流し込んで、僕もそれを横目で見たあと、同じく中身をあおる。
っーーー!!犯罪的だ……!うますぎる……!
日持ちのいいぬるいワインを口慰みにチマチマやるのとは違う、贅沢極まりない一気飲み……頭がキーンと痛くなるのさえ心地よい!
思わず僕は一気にジョッキの中身を空っぽにしてしまった。
「ーーーーーっぷあ!んーーーー!!お酒サイコー!」
「同感です、こいつはいい……!!」
「ラガーの苦味が臓腑に染み込んで……堪らん!まるで……あー……なんだろーね」
ダヴィも同じくらいのタイミングで空っぽのジョッキを口から離し、乱暴に腕で口元を拭った。
ううん、いい仕草……こう、酒でかすかに滑った唇とか端に残った泡とかね、うふふふふふ……ハッ。
イカンイカン、酔っ払うにはまだ早い。
「……しまった、ヴルストがあるのに全部飲んじゃった」
「安心したまえダヴィ、このビアタンクいっぱいにラガーが詰まってる」
「パーフェクトですキトリー」
「ふふん、だろう」
一瞬慌てかけたダヴィにすぐさまおかわりのラガーを注いでやる。
ダヴィはそれを見て安心したかホッと息を吐き、テーブルを挟んでボクの向かいに座った。
今度はしっかりとジョッキをがつんとぶつけ合い、ソーセージとがっつり向かい合う。
今から始まるは、食に飢えた旅人(餓鬼)のお食事(闘争)である。
互いに食事の邪魔はしない、長いこと共に旅してきたボクらは、食事とは孤独で自由で豊かであるべきと知っているからである。
今ここにあるのは、熱々のソーセージ、そしてラガー、それで十分じゃあないか。
フォークが踊り、ジョッキが舞った。
ーそれからこーなるー
「…………ぁー」
飲みすぎた。
飲みすぎました、はい。
ビアタンクってのはねー、結構な量入りましてねー、それを空っぽになるまで飲むなんてねー、当たり前のように酔っ払いましたねー、うおおおおー。
「……あははひひ……きてーあいしてるー……」
僕の相棒は虚ろな目で机に突っ伏しながら何故かボクへの愛を囁いている、まんざらでもない。
……飲ませすぎたなぁ、ボクよりお酒弱いもんねー
「ヘーイ、ダヴィ……?」
腕を伸ばして、ツンツンとダヴィの頬をつつく。
少々痩せ気味の彼だが、ほっぺたはなかなかに柔らかく弾力があって心地よい。
「……」
酔ってダウンしたダヴィを眺めていると、なんとなく体の奥に渦巻く熱を感じた。
考えてみれば、この町にたどり着くまでの11日間、一回もセックスしていない。
魔物娘の欲求が疼く。
睡眠でも、食事でもごまかせないもう一つの三大欲求、性欲が鎌首をもたげる。
旅の間は疲れとだるさですっかりそんな気失せてたからなぁ、野外で繋がる趣味はないし。
むむむ、しかしダヴィは今完全に意識を手放している。そんな彼を勝手に犯すなど、そんなことが人の道理的に許されるのだろうか。
魔物的には有りなんだけども、むむむむ。
と、葛藤しているとダヴィがコロリと寝返りをうった。
おいおい、そんな突っ伏した姿勢で寝返りなんてうとうものなら机から落ちるだろああ落ちたし。
「ほっ」
すかさずダヴィの体を支える。
うむ、軽い。
ボクよりも肉付きも薄く背も低いダヴィはやはり羽のように軽いね、まぁボクが力持ちなのもあるけど。
そのまま膝裏にも腕を回して抱え上げる、お姫様抱っこー……うーんなんか立場が逆じゃない?
でもこれはこれで……
「すー……すー……」
普段の大人ぶった仮面をとったダヴィの寝顔は堪らなく可愛らしくて、思わず体の芯が熱を帯びる。
人嫌いのダヴィがボクにだけは見せてくれる、素の部分。
可愛くて、色っぽくて、先ほどまでの葛藤を忘れて思わずボクはダヴィの顔を引き寄せて口づけをした。
「んっ……ふぅ……」
「んむ……じゅ……」
唇と唇を重ねると、僅かな隙間からスースーと息が漏れ出る音がする。
その浅いキスは泥酔状態のダヴィの呼吸が苦しくならないための配慮だ。
道理なんて知ったものか、始めたんだから最後までやろう、生殺しなんて冗談じゃない。
そのまま、ゆったりとベッドに体を預け、ダヴィを寝かせてその上に体重をかけないよう馬乗りになる。
「……あむ」
そしてボクはダヴィの首筋に吸いついた。
風呂上がりの石鹸とビールの匂い、そして何よりダヴィの香り。
「ん……ひ……」
「む、ぅん……はぷっ……」
舌を押し付けて嬲るように舐め上げ跡を残すようにわざと音を立てて吸い付くと、ボクの下敷きになっているダヴィがくすぐったそうに身じろぎをする。
逃さない、ダヴィの手の平にボクの手を重ねて、指を絡めて握る。
微かにダヴィも握り返してくれから嬉しくて、もう片手も、ギュッと握る。
そのまま、完全に上体を倒して、ダヴィの首筋をしゃぶり尽くす。
ああ、もう止まれない、こんなにおいしくてかわいいダヴィが悪い、ダヴィのお腹あたりに押し付けたボクの胸は、もう先っぽがかちかちになってしまった。
「んっ……ん、ぷは」
じゅるりじゅるりとヨダレを塗りたくっては吸い上げて、チュパっと大きな音を立てて離れた。
ダヴィのうなじにはくっきりとボクの吸いついた跡が残っている。
……あぁ、なんか
「っ……♪」
ゾクゾクする。
「ダヴィ……ん、ぁー……」
「ぁ……ひゃ……」
続けてダヴィの頬をなめる。
まだヒゲも生えてない、絹のように滑らかな頬だ。
酒を飲んで血行がよくなったおかげがわずかに汗の味がする。
「らゔぃ……あゔぃ……」
舌ったらずに名を囁きながら、そこらじゅうを舐める。
閉じられた瞳にキスを落とし、鼻先をチュッと吸い、おでこをコツリと合わせあって、頬ずりもして。
「はぁ……はぁ……」
もう、すっかり出来上がってしまった。
「ダヴィ、君はずるいよ、こんなちゃちなスキンシップしかしてないのにさ……」
服を、脱ぐ。
宿に備え付けのガウンを脱げば、深い谷間を作るボクの胸とブラがぶるんと震えてまろびでる。
結構胸には自信あるんだ、母さんと違って。
そしてガウンを脱ぐとなると必然的に下も露出するわけで、我ながら惚れ惚れする、出るところは出て引き締まるべきところはキュッと締まった女体が露わになる。
この体型を維持するために一応努力もしてるのだ、ダヴィに嫌われたくないし……まぁあんまり必要ない努力ではあるけど、やるとやらないならやる方がいいに決まってるのだ。
「ダヴィ……」
何度呼んでも呼び飽きない名前を呟いて、ボクはダヴィのシャツのボタンを外す。
白いシャツをはだければダヴィの浅黒い健康的な肌と……無数の、傷跡。
「っーー……ん、ふ」
一瞬だけ身を焼き尽くすほどの憎悪が湧き上がるがすぐに霧散する。
こーいうロマンスにはドロドロした感情は不要。
ひときわ傷の深い胸板に両手をついて、そのまま指をわきわきとうごかす。
「くっ……ふふっ……きてぃ……やめて……」
子猫のように身をよじりながらダヴィが寝言をもらす、夢の中でもボクに犯されてるのか、いいね、興奮する。
ダヴィの胸は薄く脂肪も少ないがそれでもこねてやればハリのある肌の感触を楽しむことができる。
4本の指で撫でるようにダヴィの胸を揉み捏ねながら、親指だけで小さな乳首をキュッと潰してやる。
「んひっ……」
ふふん、可愛い声だ、女の子みたい。
そのまま乳首をこねくり回してダヴィの反応を楽しむと、頬を赤らめたダヴィは口の端からよだれを垂らして色っぽい吐息を吐き始めた。
「んっ……はぁ、はぁ……きてぃ……きてぃ……」
あ、ダメです、これもういい加減前戯じゃ我慢できません。
ボクは上体を倒して左手で深くダヴィを抱き、唇を奪う。
ぐにゅりとひしゃげたボクの乳肉越しにダヴィのドキドキを感じながら右手をハーフパンツの中に忍び込ませる。
探すまでもなく、おめあてのものはすぐに手の中に収まった。
「焦らしてごめんね、ダヴィ……ふふ、ボクのダヴィ、ボクだけのダヴィ」
ボクなりの愛を囁いて、そのままもぞもぞとダヴィのモノをハーフパンツから引き出す。
正確にはハーフパンツを右手だけでずり下ろした、というのは、まぁどうでもいいか。
ダヴィのかちかちなのをニギニギしてあげながら、なるべく優しく、ボクのショーツ越しの秘所にあてがう。
くちっと、液体の音。
「くぅ、ん……」
それだけで、なんだかとっても心地いい。
上体をさらに倒して、もっとくっつき合う。
ダヴィの顔のすぐ真横にボク顔を埋まらせて、右手でショーツをズラして、ゆっくりと、ダヴィの肉棒を膣内に押し込む。
「く、あ、ふぅぅぅぅ……ぁ……♪」
「ぁ……は……」
ぬちぬちと、いやらしい音を立てながら、ボクがダヴィを呑み込んでいく。
ダヴィのペニスは体格相応で少し小さいけれど、ボクのあそこはそれでもいっぱいいっぱいなほど狭いらしくて、何度セックスしてもダヴィで埋め尽くす制圧感を味わえる。
「はぁ、はぁ、ダヴィ、ダヴィ♪」
「んっ……キティ……」
強くダヴィを抱きしめて、重なり合ったまま深くまでダヴィの分身を、ぐぷぐぷと奥へと導く、そして、腰と腰が深く密着して、同時にボクの一番大切なところに、ダヴィの先っぽがコツンと当たった。
「うあああぁぁぁぁっ……♪」
「……あれ、キティ?」
「あ、ダヴィ、ダ〜ヴィ〜……♥」
「え、ちょ……キティ?っ、これ、どーいう……」
ボクとダヴィが完全に結合した喜びに震えていると、漸くというか、ボクの真横で大好きなダヴィの声がした。
嬉しくなってついもっと強く抱きしめちゃって、僕の中でダヴィのいちもつがが強く擦れあって、ぐちゅんと音がなる。
たまらず体が跳ねちゃった。
「だゔぃ〜……ゴメンね、ボク我慢できなくなっちゃった……十一日ぶりの君のあんな姿みたら、もう、あそこが疼いて仕方がなかったんだよ……」
「キティ……んっ」
まだ酒精が残っているのかな、目尻をとろけさせたダヴィは僕のキスを静かに受け入れてくれた、さっきとは違う、舌を絡ませあう大人のキス。
唇の隙間をボクの舌でこじ開け、ダヴィの口腔を舐めまわす。
舌と舌が擦れ合うたびにボクのナカのダヴィがピクンと震える。
ダヴィを完全に支配している感覚に、脳が溶ける。
「……らゔぃ、ん」
「んっ、んんっ」
そのまま、腰を動かし始める。
持ち上げた尻をそのまままっすぐ下ろせば、ダヴィの反り返った陰茎がボクの膣肉を抉りながらコツンと子宮口を叩く。
ぱちゅぱちゅ、こつんこつんと、ボクとダヴィだけに聞こえるいやらしい音。
「っ、はぁっ、ダヴィっ♪」
「キティ……」
腕ごと巻き込まれて抱き締められているダヴィは身動きが取れない。
顔を真っ赤にして息を荒げる姿が最高に可愛くて、より一層深くダヴィを抱く。
座高の低い彼の顔が、ボクの胸元に埋まる。
「ダヴィっ、気持ちいい?僕は、とっても、イイん、だけど……ぁっ♪」
「キティっ……キティっ……」
ボクになすがままにレイプされてるダヴィは答える余裕がないのか、ボクのブラ越しに胸に埋まって、顔がよく見えない、でもダヴィの吐息がお腹にかかってくすぐったくて、幸せで、より強く膣内が引き締まっちゃう。
「ダヴィっ……だしてっ、溜め込んだ濃いの、ボクに、だしてっ♪」
「キティ……アァッ、出る、出るっ」
ボクの言葉に呼応するように、ダヴィの肉棒が今までになく痙攣する。
当然それを察知したボクは、それを完全に引き抜きかけるほどに腰を上げた。
愛液にまみれたダヴィのペニスが亀頭の半分まで外気に晒されて、ボクはそれを恍惚と眺め、ダヴィは虚ろな顔で見下ろす。
「……っ、ぁ……たくさん、出して、ね……♥」
そして、ボクは一気に腰を叩き下ろして、子宮口と亀頭を強く付き合わせた。
「ひっ……あああぁ……」
「んん〜〜〜っ、来た、来た♥」
どっくんと、ボクの膣内にダヴィのザーメンが吐き出される。
一滴たりともとも逃したくなくて、ボクは思いっきりダヴィを抱きすくめてベッドに押し付けた。
これ以上なく密着した腰の奥で、とくん、とくんと命の素が子宮の中に解き放たれる。
「っ……たくさん、出すね、ダヴィ♪君は本当に乱暴に、されるのが好き、なんだね♪」
「ひっ……あう……」
まだ射精を続けるダヴィは弱々しく僕にしがみつき、胸の谷間で深呼吸をしている。
あぁ、愛らしい、こんな可愛らしいんだから、もっと、もっと求めたって問題ないはずだよね。
「ダヴィ……」
「っ」
ボクはダヴィを抱える力を弱め、耳元に口を寄せた。
ふるふると震えているダヴィの耳は、先まで真っ赤に染まっている。
「続き、するよ」
「……ぁ」
確認事項ではなく確定事項、あれだけの精液を飲み干して尚痛いほどに疼く自分の欲求に従い、ボクは上体を起こしてダヴィの肩口を両手で押さえつけた。
ダヴィは怯えたような顔こそしているが、その瞳の奥には確かに情欲の炎が静かに燃えている。
お互いに、まだ、満足できていない。
「……優しく、してくださいね」
萌えた。
萌えに萌えた。
思わず鼻から赤い愛が垂れ流されるのを寸前でこらえ、その行き場を失った熱が体の中で暴れ狂うようだ、ボクはダヴィに激しくキスをした。
「んっ……きてぃ、ふぁ……!」
「まったく、君というやつは、誘ってるんだね?誘ってるんだよ、こうなったら今日はとことんやろう」
ボクの中についた炎はなかなか収まりそうにない、今日は、とことんやってやろう、せっかく流した汗で再びヌルヌルになるまで、ね。
ボクも事実、そうである。
親がどういうかはわからないが、カラッと晴れた雲ひとつない青空、優しく頬を撫でる微風、あたり一面に続く草原と地平線、想像しただけで胸が踊る。
そして、今日はそんな理想的な晴れであった。
太陽は燦々と輝いて、そよ風がふわりと吹いて、それに煽られて背の低い草たちがそよそよと揺れている。
……ついでに、そこらへんの木から聞こえる、セミの大合唱付きで。
「ぜぇっ、ぜえっ、ぜーっ」
「ん……はぁ、はぁ」
暑い、暑い、もはや熱い。
恐ろしいほどの暑さに打ちのめされながら、ボクと相棒は肩で息をしながら炎天下の下を歩いていた。
ちょうど正午頃か、中天からこちらを焼付くさんと光る太陽から隠れるように、ボクは帽子のツバを、相棒は真っ白なローブを深く被ってはいるがあまり効果はない。
だってそもそも気温が高い、直射日光に焼かれるよりはよほどましだが、あたり一面にむわっと広がる熱気は、その手の魔法を使えないボクらにはどうしようもなかった。
「はぁ、はぁっ、んっ、キティ、大丈夫?」
「君こそ、平気か?」
キティと呼ばれ、ボクは相棒に答える。
キティとはボクの愛称であり本名はキトリー(Quitterie)である。
この愛称を呼ぶことを許したのは今の所相棒以外にはいない。
「んっ、当然、ですよ、この程度、ぬるい風呂みたいな、もん……ぜぇ、ぜぇ」
低い背と薄い胸板をそらしてダヴィは強がるが、最後まで言い切る前に息を荒くしているあたり相当辛いのだろう、わかるよ、ボクも辛いもん。
ぐぅ、胸の谷間がむわむわでびちょびちょだ、気持ちわりー……
「意地は、張らなくて、いい……はぁ、しかし、まだ、次の街は見えないかな……」
「くっ、こんなことなら、涼しい夜のうちに、動いて、朝は休む、べき、でした」
「後悔、先に、立たずって、やつかな」
「なん、ですかぁ、はぁ、それ」
「ジパングのコトワザ……ふぅっ」
額の汗を拭う。
お互い顎から汗を滴らせながらも軽口を叩き会えば、少しだけ気分が楽になった。
もう少し、もう少しのはず……
それからしばらくとろっちく歩くうちに、突然ダヴィが声を上げた。
「……!キティ!あれ!」
「おぉ……見えてるよ、ダヴィ」
ダヴィが顔を輝かせて前を指差す。
ボクもその方角をみた、思わず笑みがこぼれた。
前の街を出てから十一日、ついに、ついに見つけた……!!
「やっと、街だ……街が見えた……やったぁぁぁぁ……!!」
大声をあげる気力もないか、ダヴィが崩れ落ちて歓喜の声を絞り出す。
そう、この灼熱の道を抜けて、ようやく僕たちは目指していた街、ラムルピュールにたどり着いたのだ!
……いや、街が見えただけだからまだ歩かなきゃいけないけど。
目的地を視認さえすればあとは早いもの、ボクとダヴィは先ほどまでの芋虫にも劣る歩行速度から打って変わってコカトリスのごとき速度で街へたどり着いたのだった。
街の門に着く頃には脱水症状でくたばりかけてしまったが、てへぺろっ☆
ーそれからどーしたー
「っはぁー……いい湯だったぁ……」
ダヴィはゴシゴシとその長めの茶髪をタオルで拭いながら、浴室から上機嫌で出てきた。
薄手のワイシャツににハーフパンツという格好のダヴィに思わずボクは釣られて目で追ってしまうが、すぐに視線をそらす、恥ずかしいし。
「シャワーはいい……私にはこれが必要なんだ」
「あぁ、4日前に川で水浴びして以来だからな、やはり文明人たるもの、熱いシャワーは欠かせないね」
かくいうボクもダヴィの前にシャワーをいただいていた。
ダヴィも同じく汗だくだったけど、レディに譲るのは紳士のたしなみと譲ってくれた、ダヴィ様様だね。
そんなわけでボク、ダヴィの順番で旅の汗とチリを流したのであった。
いやぁ!シャワーというのは素晴らしいね!魔法技術バンザイ!武器とかそんなんよりこういう日常を豊かにする技術こそが真の技術だよね!
さすがこの地方でも大きな村だけあって、宿の設備はかなりE感じだ!
「ほら、ダヴィ」
「あ、ありがとうキティ……おっ!キンッキンに冷えてる……!乾杯!」
「はいはい、乾杯」
風呂上がりのダヴィに、僕は注文しておいたラガー酒とソーセージを差し出した。
ダヴィは目を輝かせてすぐさまその中身の黄金の雫を喉に流し込んで、僕もそれを横目で見たあと、同じく中身をあおる。
っーーー!!犯罪的だ……!うますぎる……!
日持ちのいいぬるいワインを口慰みにチマチマやるのとは違う、贅沢極まりない一気飲み……頭がキーンと痛くなるのさえ心地よい!
思わず僕は一気にジョッキの中身を空っぽにしてしまった。
「ーーーーーっぷあ!んーーーー!!お酒サイコー!」
「同感です、こいつはいい……!!」
「ラガーの苦味が臓腑に染み込んで……堪らん!まるで……あー……なんだろーね」
ダヴィも同じくらいのタイミングで空っぽのジョッキを口から離し、乱暴に腕で口元を拭った。
ううん、いい仕草……こう、酒でかすかに滑った唇とか端に残った泡とかね、うふふふふふ……ハッ。
イカンイカン、酔っ払うにはまだ早い。
「……しまった、ヴルストがあるのに全部飲んじゃった」
「安心したまえダヴィ、このビアタンクいっぱいにラガーが詰まってる」
「パーフェクトですキトリー」
「ふふん、だろう」
一瞬慌てかけたダヴィにすぐさまおかわりのラガーを注いでやる。
ダヴィはそれを見て安心したかホッと息を吐き、テーブルを挟んでボクの向かいに座った。
今度はしっかりとジョッキをがつんとぶつけ合い、ソーセージとがっつり向かい合う。
今から始まるは、食に飢えた旅人(餓鬼)のお食事(闘争)である。
互いに食事の邪魔はしない、長いこと共に旅してきたボクらは、食事とは孤独で自由で豊かであるべきと知っているからである。
今ここにあるのは、熱々のソーセージ、そしてラガー、それで十分じゃあないか。
フォークが踊り、ジョッキが舞った。
ーそれからこーなるー
「…………ぁー」
飲みすぎた。
飲みすぎました、はい。
ビアタンクってのはねー、結構な量入りましてねー、それを空っぽになるまで飲むなんてねー、当たり前のように酔っ払いましたねー、うおおおおー。
「……あははひひ……きてーあいしてるー……」
僕の相棒は虚ろな目で机に突っ伏しながら何故かボクへの愛を囁いている、まんざらでもない。
……飲ませすぎたなぁ、ボクよりお酒弱いもんねー
「ヘーイ、ダヴィ……?」
腕を伸ばして、ツンツンとダヴィの頬をつつく。
少々痩せ気味の彼だが、ほっぺたはなかなかに柔らかく弾力があって心地よい。
「……」
酔ってダウンしたダヴィを眺めていると、なんとなく体の奥に渦巻く熱を感じた。
考えてみれば、この町にたどり着くまでの11日間、一回もセックスしていない。
魔物娘の欲求が疼く。
睡眠でも、食事でもごまかせないもう一つの三大欲求、性欲が鎌首をもたげる。
旅の間は疲れとだるさですっかりそんな気失せてたからなぁ、野外で繋がる趣味はないし。
むむむ、しかしダヴィは今完全に意識を手放している。そんな彼を勝手に犯すなど、そんなことが人の道理的に許されるのだろうか。
魔物的には有りなんだけども、むむむむ。
と、葛藤しているとダヴィがコロリと寝返りをうった。
おいおい、そんな突っ伏した姿勢で寝返りなんてうとうものなら机から落ちるだろああ落ちたし。
「ほっ」
すかさずダヴィの体を支える。
うむ、軽い。
ボクよりも肉付きも薄く背も低いダヴィはやはり羽のように軽いね、まぁボクが力持ちなのもあるけど。
そのまま膝裏にも腕を回して抱え上げる、お姫様抱っこー……うーんなんか立場が逆じゃない?
でもこれはこれで……
「すー……すー……」
普段の大人ぶった仮面をとったダヴィの寝顔は堪らなく可愛らしくて、思わず体の芯が熱を帯びる。
人嫌いのダヴィがボクにだけは見せてくれる、素の部分。
可愛くて、色っぽくて、先ほどまでの葛藤を忘れて思わずボクはダヴィの顔を引き寄せて口づけをした。
「んっ……ふぅ……」
「んむ……じゅ……」
唇と唇を重ねると、僅かな隙間からスースーと息が漏れ出る音がする。
その浅いキスは泥酔状態のダヴィの呼吸が苦しくならないための配慮だ。
道理なんて知ったものか、始めたんだから最後までやろう、生殺しなんて冗談じゃない。
そのまま、ゆったりとベッドに体を預け、ダヴィを寝かせてその上に体重をかけないよう馬乗りになる。
「……あむ」
そしてボクはダヴィの首筋に吸いついた。
風呂上がりの石鹸とビールの匂い、そして何よりダヴィの香り。
「ん……ひ……」
「む、ぅん……はぷっ……」
舌を押し付けて嬲るように舐め上げ跡を残すようにわざと音を立てて吸い付くと、ボクの下敷きになっているダヴィがくすぐったそうに身じろぎをする。
逃さない、ダヴィの手の平にボクの手を重ねて、指を絡めて握る。
微かにダヴィも握り返してくれから嬉しくて、もう片手も、ギュッと握る。
そのまま、完全に上体を倒して、ダヴィの首筋をしゃぶり尽くす。
ああ、もう止まれない、こんなにおいしくてかわいいダヴィが悪い、ダヴィのお腹あたりに押し付けたボクの胸は、もう先っぽがかちかちになってしまった。
「んっ……ん、ぷは」
じゅるりじゅるりとヨダレを塗りたくっては吸い上げて、チュパっと大きな音を立てて離れた。
ダヴィのうなじにはくっきりとボクの吸いついた跡が残っている。
……あぁ、なんか
「っ……♪」
ゾクゾクする。
「ダヴィ……ん、ぁー……」
「ぁ……ひゃ……」
続けてダヴィの頬をなめる。
まだヒゲも生えてない、絹のように滑らかな頬だ。
酒を飲んで血行がよくなったおかげがわずかに汗の味がする。
「らゔぃ……あゔぃ……」
舌ったらずに名を囁きながら、そこらじゅうを舐める。
閉じられた瞳にキスを落とし、鼻先をチュッと吸い、おでこをコツリと合わせあって、頬ずりもして。
「はぁ……はぁ……」
もう、すっかり出来上がってしまった。
「ダヴィ、君はずるいよ、こんなちゃちなスキンシップしかしてないのにさ……」
服を、脱ぐ。
宿に備え付けのガウンを脱げば、深い谷間を作るボクの胸とブラがぶるんと震えてまろびでる。
結構胸には自信あるんだ、母さんと違って。
そしてガウンを脱ぐとなると必然的に下も露出するわけで、我ながら惚れ惚れする、出るところは出て引き締まるべきところはキュッと締まった女体が露わになる。
この体型を維持するために一応努力もしてるのだ、ダヴィに嫌われたくないし……まぁあんまり必要ない努力ではあるけど、やるとやらないならやる方がいいに決まってるのだ。
「ダヴィ……」
何度呼んでも呼び飽きない名前を呟いて、ボクはダヴィのシャツのボタンを外す。
白いシャツをはだければダヴィの浅黒い健康的な肌と……無数の、傷跡。
「っーー……ん、ふ」
一瞬だけ身を焼き尽くすほどの憎悪が湧き上がるがすぐに霧散する。
こーいうロマンスにはドロドロした感情は不要。
ひときわ傷の深い胸板に両手をついて、そのまま指をわきわきとうごかす。
「くっ……ふふっ……きてぃ……やめて……」
子猫のように身をよじりながらダヴィが寝言をもらす、夢の中でもボクに犯されてるのか、いいね、興奮する。
ダヴィの胸は薄く脂肪も少ないがそれでもこねてやればハリのある肌の感触を楽しむことができる。
4本の指で撫でるようにダヴィの胸を揉み捏ねながら、親指だけで小さな乳首をキュッと潰してやる。
「んひっ……」
ふふん、可愛い声だ、女の子みたい。
そのまま乳首をこねくり回してダヴィの反応を楽しむと、頬を赤らめたダヴィは口の端からよだれを垂らして色っぽい吐息を吐き始めた。
「んっ……はぁ、はぁ……きてぃ……きてぃ……」
あ、ダメです、これもういい加減前戯じゃ我慢できません。
ボクは上体を倒して左手で深くダヴィを抱き、唇を奪う。
ぐにゅりとひしゃげたボクの乳肉越しにダヴィのドキドキを感じながら右手をハーフパンツの中に忍び込ませる。
探すまでもなく、おめあてのものはすぐに手の中に収まった。
「焦らしてごめんね、ダヴィ……ふふ、ボクのダヴィ、ボクだけのダヴィ」
ボクなりの愛を囁いて、そのままもぞもぞとダヴィのモノをハーフパンツから引き出す。
正確にはハーフパンツを右手だけでずり下ろした、というのは、まぁどうでもいいか。
ダヴィのかちかちなのをニギニギしてあげながら、なるべく優しく、ボクのショーツ越しの秘所にあてがう。
くちっと、液体の音。
「くぅ、ん……」
それだけで、なんだかとっても心地いい。
上体をさらに倒して、もっとくっつき合う。
ダヴィの顔のすぐ真横にボク顔を埋まらせて、右手でショーツをズラして、ゆっくりと、ダヴィの肉棒を膣内に押し込む。
「く、あ、ふぅぅぅぅ……ぁ……♪」
「ぁ……は……」
ぬちぬちと、いやらしい音を立てながら、ボクがダヴィを呑み込んでいく。
ダヴィのペニスは体格相応で少し小さいけれど、ボクのあそこはそれでもいっぱいいっぱいなほど狭いらしくて、何度セックスしてもダヴィで埋め尽くす制圧感を味わえる。
「はぁ、はぁ、ダヴィ、ダヴィ♪」
「んっ……キティ……」
強くダヴィを抱きしめて、重なり合ったまま深くまでダヴィの分身を、ぐぷぐぷと奥へと導く、そして、腰と腰が深く密着して、同時にボクの一番大切なところに、ダヴィの先っぽがコツンと当たった。
「うあああぁぁぁぁっ……♪」
「……あれ、キティ?」
「あ、ダヴィ、ダ〜ヴィ〜……♥」
「え、ちょ……キティ?っ、これ、どーいう……」
ボクとダヴィが完全に結合した喜びに震えていると、漸くというか、ボクの真横で大好きなダヴィの声がした。
嬉しくなってついもっと強く抱きしめちゃって、僕の中でダヴィのいちもつがが強く擦れあって、ぐちゅんと音がなる。
たまらず体が跳ねちゃった。
「だゔぃ〜……ゴメンね、ボク我慢できなくなっちゃった……十一日ぶりの君のあんな姿みたら、もう、あそこが疼いて仕方がなかったんだよ……」
「キティ……んっ」
まだ酒精が残っているのかな、目尻をとろけさせたダヴィは僕のキスを静かに受け入れてくれた、さっきとは違う、舌を絡ませあう大人のキス。
唇の隙間をボクの舌でこじ開け、ダヴィの口腔を舐めまわす。
舌と舌が擦れ合うたびにボクのナカのダヴィがピクンと震える。
ダヴィを完全に支配している感覚に、脳が溶ける。
「……らゔぃ、ん」
「んっ、んんっ」
そのまま、腰を動かし始める。
持ち上げた尻をそのまままっすぐ下ろせば、ダヴィの反り返った陰茎がボクの膣肉を抉りながらコツンと子宮口を叩く。
ぱちゅぱちゅ、こつんこつんと、ボクとダヴィだけに聞こえるいやらしい音。
「っ、はぁっ、ダヴィっ♪」
「キティ……」
腕ごと巻き込まれて抱き締められているダヴィは身動きが取れない。
顔を真っ赤にして息を荒げる姿が最高に可愛くて、より一層深くダヴィを抱く。
座高の低い彼の顔が、ボクの胸元に埋まる。
「ダヴィっ、気持ちいい?僕は、とっても、イイん、だけど……ぁっ♪」
「キティっ……キティっ……」
ボクになすがままにレイプされてるダヴィは答える余裕がないのか、ボクのブラ越しに胸に埋まって、顔がよく見えない、でもダヴィの吐息がお腹にかかってくすぐったくて、幸せで、より強く膣内が引き締まっちゃう。
「ダヴィっ……だしてっ、溜め込んだ濃いの、ボクに、だしてっ♪」
「キティ……アァッ、出る、出るっ」
ボクの言葉に呼応するように、ダヴィの肉棒が今までになく痙攣する。
当然それを察知したボクは、それを完全に引き抜きかけるほどに腰を上げた。
愛液にまみれたダヴィのペニスが亀頭の半分まで外気に晒されて、ボクはそれを恍惚と眺め、ダヴィは虚ろな顔で見下ろす。
「……っ、ぁ……たくさん、出して、ね……♥」
そして、ボクは一気に腰を叩き下ろして、子宮口と亀頭を強く付き合わせた。
「ひっ……あああぁ……」
「んん〜〜〜っ、来た、来た♥」
どっくんと、ボクの膣内にダヴィのザーメンが吐き出される。
一滴たりともとも逃したくなくて、ボクは思いっきりダヴィを抱きすくめてベッドに押し付けた。
これ以上なく密着した腰の奥で、とくん、とくんと命の素が子宮の中に解き放たれる。
「っ……たくさん、出すね、ダヴィ♪君は本当に乱暴に、されるのが好き、なんだね♪」
「ひっ……あう……」
まだ射精を続けるダヴィは弱々しく僕にしがみつき、胸の谷間で深呼吸をしている。
あぁ、愛らしい、こんな可愛らしいんだから、もっと、もっと求めたって問題ないはずだよね。
「ダヴィ……」
「っ」
ボクはダヴィを抱える力を弱め、耳元に口を寄せた。
ふるふると震えているダヴィの耳は、先まで真っ赤に染まっている。
「続き、するよ」
「……ぁ」
確認事項ではなく確定事項、あれだけの精液を飲み干して尚痛いほどに疼く自分の欲求に従い、ボクは上体を起こしてダヴィの肩口を両手で押さえつけた。
ダヴィは怯えたような顔こそしているが、その瞳の奥には確かに情欲の炎が静かに燃えている。
お互いに、まだ、満足できていない。
「……優しく、してくださいね」
萌えた。
萌えに萌えた。
思わず鼻から赤い愛が垂れ流されるのを寸前でこらえ、その行き場を失った熱が体の中で暴れ狂うようだ、ボクはダヴィに激しくキスをした。
「んっ……きてぃ、ふぁ……!」
「まったく、君というやつは、誘ってるんだね?誘ってるんだよ、こうなったら今日はとことんやろう」
ボクの中についた炎はなかなか収まりそうにない、今日は、とことんやってやろう、せっかく流した汗で再びヌルヌルになるまで、ね。
16/03/26 18:16更新 / Y