五日目
「バフォ様ー、お客様がお見えになりましたよ?」
昼下がり、暇なのでベッドでごろごろしながら魔道書を読んでいると、魔女が部屋に入ってきた。
「ふむ・・・?今日は特に面会とかの予定はなかったはずじゃが・・・」
「どうします?」
「まぁ暇じゃし通してくれ」
「かしこまりましたー」
「はじめまして、ヴェルクルス・セイラル・フォーケインです」
「嫁のワルフです」
「・・・同じくルゥです・・・」
件のバフォ様との初対面。
「この町のサバトを統べておるメルトじゃ。はじめまして、じゃな。ドナーの馬鹿は元気かのう?」
「え?」
「む?あやつの血縁じゃないのかの?」
「え、はい、従兄弟です。・・・けど、あいつが今どこにいて何してるかは知らないです・・・」
まず昨日初めて聞かされたし。
「ふむ、そうか・・・。まったく、旅なんぞに出んでもあのまま押し倒してくれれば受け入れたのにのう・・・」
いったい何があったんですか・・・。
「かくかくしかじかでの、なんかそのまま出て行ってしもうたわ」
バフォ様からドナーの事を聞いたが、
「そ、そうですか・・・」
としか言えない。
本当に何やってんだあの馬鹿は・・・。
「一応、旅先で手紙を出すとは言っておったがのう・・・正直心配じゃ」
ですよねー。馬車とかあるわけないし。
「とりあえず旅行で回った先で探してはみます・・・」
「うむ、すまんの。あやつを頼む」
どこまでいけるか・・・というか、生きて次の町につけてるのかも怪しいんだけど。
「とりあえず、ぬしの村にいっとらんのなら、一番近いのは・・・グランヘブンか・・・」
「・・・そこはパスでいいですか」
この地域最大の教会都市じゃねーか。死ぬわ。
「まぁ・・・しかたないのう。流石に魔物連れは無理じゃな・・・」
バフォ様とかの上位勢の魔力があれば別だろうけど、変装なんかしても余裕でばれる。
ばれたら速攻討伐だ。流石にまだ死にたくないし死なせたくない。
「そうじゃな・・・あのバカもそんなとこにはよっとらんじゃろうし、ここをこう迂回してもう一つ隣の村に行っておるじゃろう・・・。ここは魔物と人の共存がうまくいっておるところでな。サバトもあるのじゃよ」
バフォ様は地図を指しながら説明してくれている。
「でも・・・流石にこの距離を一気に行くのはつらいですね・・・」
直線距離でも家からこの町までの距離の軽く3倍はありそうだ。
いやらしいことに、その直線上にグランヘブンがあるせいで迂回路を取らなければならない。しかも近くを見張っているらしいのでかなり大きく迂回しなければならないらしく、さらに倍くらいにはなりそうだ。
流石にこれは食料的な意味でつらい。
「安心せい、この森を抜けるとグランヘブンよりとはいえ、魔女がもぐりこんだりしていて平和な村がある。そこで色々補充できるじゃろ・・・ここじゃ」
「こんなところに村が・・・」
小さすぎてわからなかったが、バフォ様がしたところには確かに村があった。
「まぁ、魔女に補給部隊をやらせてもよいがの?」
「いや、流石にそれは・・・」
それは悪いし、この旅行自体ワルフとの新婚旅行である。
ただでさえ、ルゥという予想外の旅の伴侶が出来てしまったのだ。
もうこれ以上邪魔者はいらない。
「ふむ・・・ならばせめて、旅の準備の負担はこちらでさせてくれ。面倒ごとを押し付けてしまうわけじゃからの」
「あ、ありがとうございます・・・」
これはお言葉に甘えとこう。
「それでは明後日出発します。明日は準備ということで」
「うむ、わかった」
「・・・勝手に決めちゃったけど、よかったかな?」
勝手に色々と決めてしまった。ちょっと反省。
「私はヴェルさんについていきますよ。一緒にいられるなら、場所は気にしませんので♪」
「・・・私も・・・ご主人様と一緒なら・・・どこでもいいです・・・」
「ん、ありがとう、二人とも」
二人をなでなでしてあげた。
「とりあえず、今日はもう寝ようk」ドサッ
「何言ってるんですかヴェルさん♪」
「・・・まだまだ寝るには早いです・・・♪」
「えっ、ちょっ、アーッ!?」
続く・・・
昼下がり、暇なのでベッドでごろごろしながら魔道書を読んでいると、魔女が部屋に入ってきた。
「ふむ・・・?今日は特に面会とかの予定はなかったはずじゃが・・・」
「どうします?」
「まぁ暇じゃし通してくれ」
「かしこまりましたー」
「はじめまして、ヴェルクルス・セイラル・フォーケインです」
「嫁のワルフです」
「・・・同じくルゥです・・・」
件のバフォ様との初対面。
「この町のサバトを統べておるメルトじゃ。はじめまして、じゃな。ドナーの馬鹿は元気かのう?」
「え?」
「む?あやつの血縁じゃないのかの?」
「え、はい、従兄弟です。・・・けど、あいつが今どこにいて何してるかは知らないです・・・」
まず昨日初めて聞かされたし。
「ふむ、そうか・・・。まったく、旅なんぞに出んでもあのまま押し倒してくれれば受け入れたのにのう・・・」
いったい何があったんですか・・・。
「かくかくしかじかでの、なんかそのまま出て行ってしもうたわ」
バフォ様からドナーの事を聞いたが、
「そ、そうですか・・・」
としか言えない。
本当に何やってんだあの馬鹿は・・・。
「一応、旅先で手紙を出すとは言っておったがのう・・・正直心配じゃ」
ですよねー。馬車とかあるわけないし。
「とりあえず旅行で回った先で探してはみます・・・」
「うむ、すまんの。あやつを頼む」
どこまでいけるか・・・というか、生きて次の町につけてるのかも怪しいんだけど。
「とりあえず、ぬしの村にいっとらんのなら、一番近いのは・・・グランヘブンか・・・」
「・・・そこはパスでいいですか」
この地域最大の教会都市じゃねーか。死ぬわ。
「まぁ・・・しかたないのう。流石に魔物連れは無理じゃな・・・」
バフォ様とかの上位勢の魔力があれば別だろうけど、変装なんかしても余裕でばれる。
ばれたら速攻討伐だ。流石にまだ死にたくないし死なせたくない。
「そうじゃな・・・あのバカもそんなとこにはよっとらんじゃろうし、ここをこう迂回してもう一つ隣の村に行っておるじゃろう・・・。ここは魔物と人の共存がうまくいっておるところでな。サバトもあるのじゃよ」
バフォ様は地図を指しながら説明してくれている。
「でも・・・流石にこの距離を一気に行くのはつらいですね・・・」
直線距離でも家からこの町までの距離の軽く3倍はありそうだ。
いやらしいことに、その直線上にグランヘブンがあるせいで迂回路を取らなければならない。しかも近くを見張っているらしいのでかなり大きく迂回しなければならないらしく、さらに倍くらいにはなりそうだ。
流石にこれは食料的な意味でつらい。
「安心せい、この森を抜けるとグランヘブンよりとはいえ、魔女がもぐりこんだりしていて平和な村がある。そこで色々補充できるじゃろ・・・ここじゃ」
「こんなところに村が・・・」
小さすぎてわからなかったが、バフォ様がしたところには確かに村があった。
「まぁ、魔女に補給部隊をやらせてもよいがの?」
「いや、流石にそれは・・・」
それは悪いし、この旅行自体ワルフとの新婚旅行である。
ただでさえ、ルゥという予想外の旅の伴侶が出来てしまったのだ。
もうこれ以上邪魔者はいらない。
「ふむ・・・ならばせめて、旅の準備の負担はこちらでさせてくれ。面倒ごとを押し付けてしまうわけじゃからの」
「あ、ありがとうございます・・・」
これはお言葉に甘えとこう。
「それでは明後日出発します。明日は準備ということで」
「うむ、わかった」
「・・・勝手に決めちゃったけど、よかったかな?」
勝手に色々と決めてしまった。ちょっと反省。
「私はヴェルさんについていきますよ。一緒にいられるなら、場所は気にしませんので♪」
「・・・私も・・・ご主人様と一緒なら・・・どこでもいいです・・・」
「ん、ありがとう、二人とも」
二人をなでなでしてあげた。
「とりあえず、今日はもう寝ようk」ドサッ
「何言ってるんですかヴェルさん♪」
「・・・まだまだ寝るには早いです・・・♪」
「えっ、ちょっ、アーッ!?」
続く・・・
13/01/13 02:47更新 / マオ・チャルム
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