読切小説
[TOP]
親愛なるボクのパパへ
「パパ〜♪」
「アルム〜♪パパの胸に飛び込んdぐはああぁぁぁ…!!
「えっへへ〜♪」


家の庭でボクの夫のコードと娘のアルムが遊んでいる。
今はアルムがコードの胸に文字通り頭から勢いよく飛び込んで胸を強打したコードが苦しみのたうちまわっている。
その姿には父親としても、元勇者としても、男としても威厳が見当たらない。


コードもまだまだだなぁ…笑顔でコードに向かって走っていたアルムの尻尾がピコピコ動いてたじゃないか。
あれはアルムがイタズラを考えて実行しようとしてる合図だ。
流石ボクの娘…そういうところはボクと同じだなあ…


「こーらアルム!パパ痛がってるでしょ!ちゃんと謝りなさい!」
「はーい…パパゴメンね♪」
「は、はは…いいよ…でももうちょっと自重してほしいな…」
「うんわかった」

あ、返事が棒だ。これはまたやるな。




……………




こんな親子のやりとりを見ていると昔を思い出す。
ボクも同じような事をパパにやったなあって…




……………




パパ……




====================



「パパ〜♪」
「おーどうしたメリー?」

これはまだボクがアルムと同じ位の歳だった頃の事だ。
パパの胸に飛び込むフリをしてパパを後ろの池に突き落としてやろうと考えたボクは笑顔でパパの下に走っていた。

「パパだーいすき♪(ニヤリッ)」
「……(ニヤリッ)」ヒョイッ
「えっ!?うわわっ!!」




バシャーン!!




そして実行しようとパパに向かってボクはニヤリとしながら勢いよく飛び込んだ。
だけどパパにはお見通しだったようで、同じようにニヤリとしながらヒョイッとボクをかわした。
その結果、ボクは翼を動かすことも出来ずに勢いよく池に飛び込む羽目になった。

「うぅ…何でよけたの?パパはボクがきらいなの?」
「さっきも今もメリーの尻尾がピコピコしてたからな。メリーの尻尾がピコピコしてる時は何かイタズラしようと考えてる時だからな」
「あ、あはは…」
「さっきは俺を池に落とそうとしていたんだろ?そんで今はそう言うメリーに近付いた俺を池に引き摺り込もうとしてたんだろ?」
「むー…パパにはかなわないや…」

万が一失敗したときの為に考えておいたものも簡単に見破られてしまった。

イタズラをしようとした時に尻尾が動くのは無意識だからどうしようもない。
それに、例え尻尾を隠してイタズラしても何故かパパにはすぐバレてしまう。
だからボクは一度もパパにイタズラが成功した事が無かった。

「ほら、いつまでも池に浸かってないで濡れた服を着替えるぞ」
「はーい!」

そんなパパはボクのイタズラに注意する事はあっても怒る事はなかった。
まあボクが怒られるようなイタズラはしないようにしているのもあるけど、パパがとても優しいからだ。

そんな優しいパパがボクは親として大好きだった。



…………



………



……







「ねぇパパ、パパはママのことすき?」
「何度も言ってるだろ?愛してるさ!」
「ふ〜ん…」

パパはママの事が大好きだ。
どのくらい好きかと言うと、ママの事を話しているだけで頂点にあった太陽が沈みきってしまうほど好きなのである。

「でも、ボクはやっぱりママのことおぼえてないや…」
「はは…まぁ仕方ないよ…まだメリーが1歳にもなってない時に死んじまったからな…」

でも、ボクはママがどんな人なのか知らない。
パパが言う通りボクが物心つく前に死んじゃったんだって。
この時はまだママがなんで死んだのか、またどんな顔をしていたかボクは知らなかった。

「でもいいや。ボクにはパパがいるから寂しくないしね♪」
「ははは!!嬉しい事言ってくれるじゃねえか!!」

ママの分の愛情はパパからきちんともらっている。
だからボクは寂しくはなかったし、この時はパパと一緒にお話している時間がただ幸せだった。





でも、ボクは自分にとってもパパにとっても辛い真実を知ってしまったのだ。
知らなかったらずっとただ幸せのままでいれたのに、ふとした事で知ってしまったのだ…


====================



「ねえパパ…これって…どういう事?」
「メリー…見てしまったのか…」


ボクが10歳の誕生日を迎えてからそう日にちが経っていないある日のこと。
ボクはふとママの事が気になってしまった。
パパが良く愛を語っているママだけど、どうしてそこまで愛されているのか気になったのだ。
その出逢いや初めての交わり、ボクが産まれた時はどんな感じだったのかが気になったのだ。

ボクは女…魔物だから、いつか現れる好きな人を自分のものにするためのヒントが欲しかったのかもしれない。

でもパパはママの外見とかボクを産むときとかの詳しい話は何故かしたことがなかった。
それこそ、ボクと似た顔をしているかどうかの話すら全くしたことがなかった。


だからボクはパパが町の行事で留守にしている隙に、パパの部屋に何かママの手掛かりが無いか調べようと思ったのだ。


早速ベッドの下や机の引き出しなどを探してみたけど、望むような物は何も無かった。
日記とか無いかなあと探していたが、パパはそんなに几帳面ではなく、それらしき物はなかった。


諦めかけたその時、クローゼットの奥に鍵付きの古い箱が大事そうに仕舞われているのを見つけてしまった。


何かあると思ってその箱を取り出し、魔力を使って鍵を開け中身を見た。
思った通り、ボクが望んでいたもの…ママの手掛かりがその箱には入っていた。
ママとの思い出の品だと思われる物やママとの結婚指輪だと思われる指輪、さらにママに宛てたパパの手紙らしきものなどが入っていた。

更には、少し前まで近所に住んでいたリャナンシーさんが描いたと思われるママとパパ、そして赤ん坊の頃のボクの絵が入っていた。

「ねえパパ…ボクは……ボクは…!!」
「メリー………」

でもその絵に描かれた、ボクを抱いているママの姿は…

綺麗な手足に優しい顔…瞳の色は鮮やかな空色をしていて…髪の毛は茶色ロングで少しウェーブがかかっている。
でもボクは白髪ストレートに紅い瞳だ。全く似ていない。
ちなみにパパは茶髪で空色の瞳をしている。こちらも似ていない。

そして、ママの頭には髪の毛以外のものは何もなく、背中には何も生えていないし、腰にも何も付いてない。

つまり、そこに描かれていたママは…………人間だった。

だからボクは……

「ボクは…パパの本当の子供じゃないの?」

少なくともママの子供ではない…人間から魔物…少なくともインプが産まれるわけがないから…

そしてそんな人間のママを愛しているパパが、インプと子供を作るとは思えないし、その場合そのインプは何処に行ったのか謎が残る…

つまり、ボクはパパの本当の子供ではないとボクの中で結論がでた。


「……」
「パパ…黙ってないで何か言ってよ…」
「……」
「パパ!!」

いくら聞いても否定も肯定もせずだんまりを通すパパ…

つまり…ボクは…

「やっぱり…ボクは本当の子供じゃないんだね…」
「……」

何も言わないまま小さく首を上下したパパ……つまり肯定……ボクはパパの本当の子供じゃない。





パパは…ボクの本当のパパじゃない…





「は、はは…おかしいと思ったんだ…」

事実であってほしくない事が事実だったから…

「どおりで産まれた時の話しはしなかったわけだ…産んでなんかいないもんね…」

怒りと、悲しみと、絶望と…

「あーあ…つまりパパは本当のパパじゃなかったんだ…」

そして…

「はは…なんだよそれ…ふざけないでよ…」

やるせなさが、ボクを覆っていた…
だからボクは…

「それじゃあ『おじさん』、お邪魔しました…ボクは本当の親を探しに行くよ…」

いまだに何も言わないパパにそう言い残し、家を飛び出した。



…………



………



……








「クソ…クソッ…!!」

寒空の乾いた空気の中、ボクはただ闇雲に走っていた。
目的もあても無く、ただ道を走っていた。

「なんだよ…ホントなんだよ…!!」

今までパパと思っていた人はパパじゃなかった。
今まで大切な家族だと思っていた人が、本当の家族じゃなかった。


今までの幸せな思い出が、全部否定された気分になっていた。


その為だろう…ボクは自分が何処を走っているのか意識してなかった。

「クソッ!!どうしたらいいんだよ…!!」







「…死ねばいいんじゃね?」





「…えっ!?きゃああっ!!

意識してなかったから……ボクは反魔物領の都市に続く道を走っていたようだ。
そして…襲撃にでも行くつもりだったのか…勇者に出会ってしまい、剣で軽く斬られてしまった。
幸いにもお腹に軽く掠った程度だったが、痛いものは痛い。

「うぅ…い、痛い…」
「チッ、軽く掠めた程度か…しっかしインプとはなぁ…しかも少し白いインプときた…もしかしてお前あの時のインプか?」
「えっ?」

勇者が、よくわからない事を言い出した。
ボクの事を知っているのか?

「それってどういう…ぐっ!?」
「気になるか?だったら冥土の土産に話してやるよ。もしかしたらお前かもしれないインプのガキと馬鹿な男の話をな!」

ボクの腹の剣で斬られた場所をグリグリと踏みながら勇者は語り始めた。

「10年程前にな、俺達はある魔物の集落を『浄化』しに行ったんだ。そこにはお前みたいな悪魔型の魔物と…ほとんどインプだったがな…そんな魔物共と結婚したキチガイな男共が居たんだわ」
「ぐっ…がっ…」

痛みで話を聞くどころじゃない筈なのに、ボクは苦しみながらも勇者の話をよく聞いていた。

「そんでな、当時の同僚とそんな魔物共を浄化していた時にな、あるインプ…ちょうどお前のような少し白いインプが俺達に歯向かってきやがったんだ」

ボクのような少し白いインプ?インプって皆ボクのような姿をしているわけじゃ無いのか?

この時はまだボクはボク以外のインプを知らなかった。
だからこの時は勇者が言っている事がよくわからなかった。

「そいつ、インプのくせにやたら強くて危なかったんだがな…そいつの男を人質にとったら無抵抗になってな…あっという間に同僚に殺されたんだ!もちろん男のほうもすぐに殺してあげたさ!」

楽しそうに語る勇者に苛立ちを感じたが、お腹を踏まれて激痛が走るし、話の続きが気になるのもあって何も出来なかった。

「その後そいつらの家の中を調べ始めた同僚が、家の奥の部屋に産まれたばかりのインプを発見した。もちろん俺はその赤ん坊インプも殺そうとした」

こう言うと話していた勇者の顔が段々と面白くなさげになり…

「だがな、その同僚の奴殺す寸前にインプに何かやられたのか『子供に罪はない!』とか言い出したんだ!」

ガンガンとボクを蹴りながら叫び始めた。

「あげくそいつはそのインプのガキを育てるとか言いやがった!頭がイカれたと思った俺はその同僚をその場で処刑してやろうとした!」

段々と怒りがエスカレートしているのか、蹴りの強さも上がっている。

「でも返り討ちにされて、そいつはインプのガキを抱いたままお前が来た方向に逃げやがった!!」

それがどうした!!
…とは言えなかった。

「その面影がお前にあるから、俺はお前を殺して、あの日あの野郎が守ったものを潰すんだよ!!」

何でだよ!?ボクには関係の無い事じゃないか!!
…とも言えなかった。


確かにボクは蹴られ続けてもう身体が思うように動かず、喋れなかったが、例え喋る事が出来たとしても、言えるわけがなかった。

何故なら…パパはとても強いから…それこそ元勇者と言っても違和感が無い程強いからだ。
それに、しがない町民にしては剣術に長け、魔法もそこそこ扱える。魔力で武器を形成するなんてただの町民ができる事ではないのに、パパはいとも簡単にできる。
だからパパは元勇者の可能性が高い。

おそらく勇者の話に出てきたインプの赤ん坊と、その赤ん坊を育てると言ってどこかに行った勇者は…ボクとパパの事だと思っていた。



でもそうすると…



「じゃあ死ねや!!」



ボクを殺そうと、剣を振り下ろしてきた勇者を…



「させるかああああ!!」
「な!?グワッ!!」



魔力で作った剣を爆発させて吹き飛ばした…



「メリー!大丈夫か!?生きているか!!」
「パ………パ…………」



この男が…パパがボクの本当のママを殺した事になる。



「くそが……!!」
「テメェ…俺の娘をよくも痛め付けてくれたな!!」
「な!?お前は……じゃあやはりこのインプはあの時のガキか!!」
「だったらどうした!!テメェは俺の娘を傷つけた!!その事実は変わらねえんだよ!」



2人のやりとりから…間違いなくさっきの話はボクとパパの事だろう。



「うるさい!!お前もインプも殺してやる!!」
「……残念だな!もう遅い!!」
「はあ!?何言ってrぶぎゃああああああああっ…………!!

勇者は怒り狂いボク達を殺そうとして剣を振り回そうとした。
だがパパが何かをしておいたのか勇者が動き始めた瞬間に勇者の胸元で大きな爆発が起こった。
それが原因で勇者は断末魔の叫びをあげながら遠くへ吹き飛んでいった。



………



……







「大丈夫かメリー!」
「うん…」

勇者が吹き飛んでいったのを確認したあと、パパはボクに治癒の魔術をかけてくれたのでなんとか立って歩けるぐらいまでは回復した。
もちろん喋る事もできる程には回復した。

「ねえパパ…」
「…どうしたメリー…」

だからボクはパパに…

「ボクの本当のママを殺したのは………パパなの?」

事の真相を聞いた。



「………………ああ、そうだ…」




あの話は…やっぱりボクとパパの事だった。




「俺が…メリーの本当のママを……本当の両親を殺した…」




パパは…ボクの本当のママの…仇だった。








「はは…やっぱりそうだったんた…」




ボクは…




「ボクを育てたのはもしかして罪滅ぼしのつもりなの?」




目の前の男に…




「ボクに真実を伝えず、自分の子供として育てたんだね…」




憎しみ…




「でもボクは真実を知っちゃった…」




怒り…




「ボクは本当の親の仇を知っちゃったんだ…」




そして…




「だから…ボクに何をされても…文句は言えないよね?」




殺意を…





「ああ…メリーが俺を殺したいのなら…親の仇をとりたいのなら…俺はそれを受け入れるy」
「パパのバカぁっ!!」
「…!?」





抱くことなんて…出来なかった。





「パパを殺したいなんて思うわけないよ!!」
「メリー…」




ボクは泣き叫びながら…パパに抱きついた。




「たしかにパパが本当のママを殺したって知ってショックだった!パパが本当の親じゃないってわかってショックだった!」

「でも!!」

「ボクはパパの事が大好きなんだ!!本当の親のように愛情を込めてボクを育ててくれたパパが大好きなんだ!!そんなパパを殺そうと思えるわけないよ!!だからそんな事言わないでよ!!」




そして…ボクの気持ちを、パパに伝えた。





「メリー…メリー!!」

パパは…涙を流しながら…ボクをギュッと力強く、それでいて優しく包み込むように抱きしめた。






ひとしきり落ち着いた後、ボクとパパは一緒に家に帰った。
帰る間に、パパはより詳しい話をしてくれた。

ボクの本当のママ…少しややこしいのでお母さんって言うことにする…お母さんにとどめをさす寸前に、パパはお母さんにとある事を言われたらしい。
それは…自分はいいから、旦那と産まれたばかりの娘…つまりボクの本当のパパ…こっちもややこしいからお父さんとする…お父さんとボクを逃がしてほしいということだった。
そう言ったお母さんの目は本気で、その顔は覚悟を決めた母親の顔であったそうだ。

そんなお母さんを目の当たりにして、パパは自分がしている事は間違っていると思ったけど…思った時にはもう…

……パパが魔力で作った剣は、お母さんの胸を貫いていた。

そして…さっきの勇者が、お父さんを殺していた。

その時パパは…自分のした事をひどく後悔したらしい。
そして、娘だけは…ボクだけはなにがなんでも護ろうと決意したとのことだ。
だからパパはボクを家の中から見つけ出して、さっきの勇者をボクを庇いながら退けて、今住んでいる町に逃げた。
その行動をした事そのものには後悔はしていないとのこと。


でも、パパは一つだけ後悔していた。
それは、ママの事だった。


実はその時、パパとママは結婚したばかりだった。
だから、ママに何も言わずに親魔物領に行った事を悔やんでいた。

でもそんなある日…家でボクの世話をしていた時に、なんとママが家にやってきたとのこと。
パパの裏切りを聞いたママは街からこっそりと脱け出し、聞いた話を頼りにこの町までたどり着き、町の人や魔物に家の場所を聞きながら来たそうだ。
そして、ボクの話をパパから聞いて、ボクやパパと一緒に暮らす事を即決したらしい。

そしてあの絵はママがボクを初めて抱っこした記念…ボク達が初めて家族となった記念に書いてもらったもの。
ママは、パパやご近所さんに娘ができて嬉しいと言ってたんだって。



つまり、ボクはママからもきちんと愛されていたということだ。
その事を知って、ボクは嬉しくなった。



ちなみにママはその後一年程で病気で死んでしまった。
パパは悲しくなったけど、ボクのためにも前向きに生きなければと、クヨクヨはしなかったとの事。
パパとママの仲の良さは町中に知れ渡っていて、葬式の時に墓守りのグールさんにママをグールにしようか?って言われたらしいけど、自分の勝手で(厳密には違うけど)生き返らせたりするのはよくないとパパは断ったそうだ。


この話を聞いて、パパがママの事をあそこまで好きな理由がなんとなくわかった気がした。
パパとママは互いに愛し合っていて、素敵だと思った。
ボクはそんなパパとママの娘で誇らしく思った。
だからなのか、ボクは魔物によくある父親を恋人として好きになるって事はなかった。


だからこそ、ボクはコードの事が好きになったんだと思う…





余談だが、あの勇者はパパに飛ばされた後ボロボロになっていたところを近所に住むサキュバスのお姉さんが拾って、世話したりしているうちに互いに好きになりいつの間にか結婚していた。
もちろんその過程で考えを改めており、謝罪もしてきたが、パパと違いあの人は好きではないので今でも会う度に軽く性的なイタズラをしている(その後に毎回サキュバスさんにシバかれている。いい気味である)。


====================



「あっ…いや…なにこれぇ…」
「あはは♪とっても気持ち良いでしょ♪」

ボクが16歳のとき、町に勇者パーティが攻めてくるって情報が入った。
なので早速ボクはパパと一緒に対策本部に向かった。
この頃になるとボクの魔力はパパのそれと比べて遥かに多く、十分な戦力となっていたのだ。

まあパパはボクに危険な事をさせたくなさそうだったけどね。


「いやぁ…気持ちよくなんかぁ…んっ!」
「へぇ〜…じゃあなんでこんなに濡れているの?気持ち良くないとこうはならないよね?」
「し、知らなっああっ!」

町に攻めてくる勇者パーティは、腕の立つ勇者と、細身にしてはパワーと、珍しくテクニックもある戦士と、ボクよりも3歳も年下の魔法使い…というよりは魔法少女か…の3人で構成されているらしい。
見張りをしているのはこの大陸では珍しいカラステングのお姉さんだからこの情報は正しいだろう。

とりあえずボクは魔法少女をどうにかしようと思い、少女が一人になるタイミングを見計らって転移魔法を使用し、人が入ってこれない茂みの奥深くに連れ去った。


「やめてぇ…わたしおかしくなっちゃうよぉ…」
「おかしくなって大丈夫だって♪そうすればあの戦士さんはキミのものにできるよ♪」
「……えっ?」

そこでボクは1対1の魔法対決でもしようと思っていたのだけど、少女が可愛かったし、どうやらパーティの戦士さんのことを少なからず想っている様子だったから…

「ボクは何でも知ってるよ〜♪キミはあの戦士さんに恋をしているでしょ?」
「う、うん…」
「だからボクはキミに教えてあげているのさ!戦士さんと恋が出来る気持ちいい事をね♪」


…気持ちいい遊びを少女に教えてあげることにした。

今ボクは少女の邪魔な衣服を剥ぎ取り、後ろから逃げられないように抱きつきながら発育途中の小さな胸と、少女の陰唇を同時に弄っている。
(ボクも大差ないけど)小柄な胸の頂点にある可愛い乳首を右手で突いたり弾いたりしながら、左手は陰唇の筋に沿って擦ってみたり軽く割れ目のナカに指を入れて膣壁に触れたりしている。
たまに少女の首筋をボクの舌で舐めてあげると「ひゃん♪」ってカワイイ声を出す。

「で、でもこれはやっちゃいけないこと…ひゃんっ!」
「ううん…これは好きな人とやると幸せになることだよ♪」
「えっ、そんなとこに指を入れられてもぉ…」
「ホントだって!…そうだ!ボクのこの指を戦士さんの綺麗な指だと思ってみてよ!」
「ふぇ?あ、せ、せんしさまぁああああ♪」


…効果テキメン♪

少女に軽い暗示を掛けて、ボクの指を戦士さんのものに見えるようにした瞬間、少女は一気に蕩け、身体を震わせた。
どうやらもうすぐイきそうだ。
さっきまでは羞恥が見え隠れしていた顔も、今は淫らな笑みが占めている。

「ね?オマンコを指で触ってもらえると気持ちいいでしょ?」
「は、はいぃ♪きもちいいれしゅぅ…」
「でもね、本当は指よりも入れるともっと気持ちいいものがあるんだよ♪」
「え?それはなんでしゅかぁ?」
「それはね…大好きな男の人のオチンポだよ♪」
「おちんぽ…おちんちんですか?」
「そうだよ♪男の人は女の子におちんちんを触られると大きくなって、それをオマンコに入れると…とっても気持ちよくなれるんだよ♪」
「ほ、ホントでしゅか?」
「うん♪自分だけじゃなくて、相手も一緒に気持ちよくなれる、素敵な気持ちよさだよ♪」
「わああ…!!」

より良い表情になってきたし、そろそろ仕上げとしますか。

「そんなキミにボクからプレゼント!戦士さんが絶対キミのことを好きになって気持ちいい事が出来るようにしてあげる♪」
「えっ!?ホントに?」
「うんっ!!」

ボクは左手の指に魔力を集中させて…

「じゃあいっくよー♪」
「あ、あ、ひゃあああぁぁああんんん♪」

少女の陰核を、おもいっきりその指で擦った。
少女は一際高い声をだし、身体をビクビクと痙攣させながらイった。


その結果、ボクの魔力が少女の身体に浸透して…

「ああ、あ、にゃ、にゃんかむずむずする〜♪」



ぐぐ……ぷしゅっ♪



「ひゃうん♪」

少女の頭には黒い角が、背中からは可愛いサイズの黒い翼が、腰からは黒くしなやかな尻尾が生え、耳は先端が尖った。
ボクと違って翼や尻尾が完全に黒いから自信が無いけど、少女はインプになった。

「はぁ…あれ?わたし…魔物に?」
「おめでとう!これで戦士さんはキミにメロメロになるよ♪気持ちよくなりながら戦士さんのおちんちんを気持ちよくさせてあげようね♪」
「えっ…そっかあ♪せんしさまあ♪」

そのままふらふらと飛んでいった。きっと戦士さんの下に行ったのであろう。
あの少女の可愛さに抵抗できる人間がいるとは思えないし、少女と戦士は幸せになるだろう。

「さてと、あと一人、二人にとってのお邪魔虫クンの所に行こっと!」

ボクの担当は魔法少女だけだったけど、少女を弄っているうちにボク自信も興奮してきたので勇者の所に行くことにした。



…………



………



……







「くっそ〜!お前か!うちの魔法使いを魔物に変えたのは!」
「そーだよ!戦士さんのことが好きだって言ってたから幸せになれる身体をあげたんだ♪」
「ふざけたマネを…このアークインプが!!」

勇者を空から探していると、ボクは一人道を進んでいる勇者を発見したので早速襲いかかろうと目の前に降り立った。
どうやら少女は戦士さんとうまくやっているようだ。
そして、一人残された勇者はかつての仲間に手を掛ける事が出来ずに一人で侵攻しようとしていたらしい。

しかし…今とっても気になることを言ったなぁ…

「アークインプ?」
「なんだ?自分の種族すら知らないのか?お前みたいに髪の一部が白く染まり翼や尻尾の色素が薄く、さらに人間をインプに変えることが出来るインプをアークインプっていうんだよ…ってなんでこんな丁寧に教えているんだ俺は!?」
「へぇ〜…ボクはただのインプじゃなかったのかぁ…知らなかったなぁ…」

このとき、初めて自分がアークインプだって知った。
今になって思えば、ボクはインプにしては昔から魔力が高かった。それこそ近所のサキュバスさんよりも高かったのだ。
インプは下級悪魔だって聞いたことがあったから不思議には思っていたけど、これで納得することが出来た。

「教えてくれてありがとうね勇者のお兄さん♪」
「あ、ああ…って魔物にお礼を言われる筋合いは無い!!」
「お兄さんならボクの身体を好きにしても良いよ♪」
「そ、そうか…なら……ってするか!!」
「まったまた〜。さっきからボクの事熱い視線で見つめてるじゃん!」
「ち、ちがう!!こ、これはお前が何をするか見逃さないためだ!!」
「へぇ…ホントかなぁ?」

必死に突っぱねているけど、やっぱりこの勇者なんか様子がおかしい。
さっきからボクの事をじっと見てくる…憎悪や嫌悪ではなく、どこか熱く、そして甘い視線を感じる…
そんなボクも…見られていると何故か下腹部がじんってする…

「あ!じゃあもしかしてお兄さんロリコン?」
「ちちち違うわ!!」
「必死なのが怪しいなぁ…あ、だから魔法少女と戦士さんが気持ちいい事してるのをみて妬いてたんだ〜!」
「違うし妬いてねえよ!!仲間が魔物になって他の仲間を襲ってたのがショックなだけだ!!」
「ふーん…じゃあなんでボクを見つめてくるのかな?もしかしてボクのこと気にいった?」
「そりゃあお前がかw……!!き、気にいってなんかない!!」

反応がいちいちおもしろいのでからかいがいがある。
この勇者と話していると凄く楽しい。

…なんか話しているうちにこの勇者をボクのものにしたくなってきた。
この勇者と…気持ちいい遊びをしたくなってきた。


だから必死に否定し続ける勇者に…ボクは……

「気にいってくれたのなら、ボクと気持ちいいことしようよ、『おにいちゃん』♪」
「!!!?」

とどめに、胸に着けていたリボンを外しながら、物欲しそうなとびっきりの笑顔でこう言った。

…ちょっと恥ずかしかった。あまりボクらしくないことを言うもんじゃないな…

だけどおにいちゃん発言が功を奏したのか、ボクを見る勇者の顔が、言うなればエッチな顔になっていた。
さらに荒い息を吐き、ズボンの股間部分が山を作っていた。

「はあ、ああ…」
「わあ♪おにいちゃんのオチンポとっても苦しそうだね♪ボクが出してあげるよ!!」
「ああ…」

勇者のズボンに手を掛け…る前に道から外れていい具合に他人に見られなさそうな茂みの中に入って勇者を押し倒してからズボンに手を掛け下着ごと一気にずり下ろした。
もうすでに勇者の陰茎は硬くなっていたので、勢いよく跳ねながら飛び出した。

立派に反り立つ勇者の陰茎を見たボクは…

「わあああ♪」

今までに感じたことが無いほどの濃い男の臭いを感じて、下着がボクから漏れ出る愛液でぐちょぐちょになるほど興奮した。

「おにいちゃんのおちんちん苦しそうだね♪ボクが気持ちよくしてあげるね♪」
「え!?いや、まっtうあっ!!」

勇者の精が欲しくてたまらない…目の前の勇者が欲しい…
ボクは目の前の勇者がとても気にいっていた。

だからボクは下着をずらし勇者の上に跨いで、濡れぼそった秘所に反り立つ陰茎を一気に咥え込んだ。

初めてだったけれど、痛みはほとんど感じなかった。
そのかわり、挿入れた瞬間から身体中に電流が流れたかのように、甘く痺れる快感が駆け巡った。

「おにいちゃんきもちいいよぉ…♪」
「あぅ、ちょ、きつっ…うっ…」

もっと気持ちよくなりたい…もっと彼を感じたい…

いつの間にかボクは目の前で喘ぎ声を出すことしかできない勇者…彼のことを特別な一人の男として見ていた。
腰を動かしつつボクは小さな胸を程良い筋肉がついているお腹に擦りつけ、尻尾を彼の足に巻き付けていた。
本当はキスもしたいけれど…残念ながら身長差があってボクの唇は顔に届かなかった。

けど…

「おにいちゃん、いいよぉ…んぷっ!」

彼が少し上体を起こし顔を動かして…ボクにキスをしてくれた。
互いの舌を絡める、蕩けるようなキスを。

そしてそれがとどめとなったのか…

「う、うぅうああ!!」
「ひゃう♪あ、あついよぉ♪おにいちゃんのあついのがいっぱいでてるよぉおお♪」

ボクのナカで彼の陰茎が脈動し、熱いものを…彼の精子が吹き出した。
ボクの子宮に打ち付けられる度に気持ちよさに頭が真っ白になり…そして…

「ひゃあああああああん♪」

ボクもイってしまった。

…最高の幸せを感じながら……



………



……







「えへへへ〜♪これで契約成立だねお・に・い・ちゃ・ん♪
「くっそ…嵌められた気分だ…」
「え?ハメたのはそっちだろ?」
「いや、俺はお前に誘惑されただけだし先に挿入れたのもお前だ!」
「その後快感でまともに動けないボクのナカに何回も射精したのはどこの勇者かな?」
「うっ……」

あの後も何度も何度もお互いに貪りあうように身体を重ね合ったボクは、この勇者をボクのおt…いや使い魔にすることにした。
彼の精をたくさん吸収したしもう彼はボクには勝てないだろう。
だからボクから逃げることも出来ないだろう。

ま、なんだかんだ言いつつもボクを気にいってるみたいだからこんな事しなくても逃げ出したりはしないだろうけどね。

「で、ずっとキミとか彼とか勇者とか言うの嫌だから名前教えてよ」
「わかったよ…俺はコード。お前は?」
「ボクはメリー。これからよろしくね使い魔のコード♪」
「へいへい…ま、いいか」


これがボクとコードの出会いと、馴れ初めであった。



…………



………



……







「たっだいま〜!!」
「メリー!!遅かったから心配したぞ!無事でよかった〜…!!」

コードを連れて町まで帰り、早速本部に報告しに行ったら、中で待ってたパパが猛スピードでボクのほうに駆け寄ってきた。
そういえば最初の魔法少女の所に行ってからかなり時間が経っていた。

「ずっと帰ってこないからもしかしたら魔法使いに酷い目に遭っているかもと心配したんだぞ!!」
「ぜんぜん!むしろ勇者パーティ全滅してきちゃった♪」
「そうか…ったくパパを心配させるな!」
「はぁーい。ごめんねパパ!」

パパに心配かけちゃったな…

「まぁ無事に帰ってきたからいいさ。一人で皆倒したことも褒めてやらなくちゃな!よくやったメリー!!」
「えへへ…///」

めずらしくちょっと怒られた後に、褒められた。
パパに褒められるとボクは凄く嬉しくなる。

「ん?ところでメリー、この男は誰だい?」

と、パパがずっとボクの後ろにいたコードの存在に今気がついたようだ。
ちゃんとパパに紹介しなくちゃね♪

「ボクの使い魔になった勇者のコードだよ!パパもコードを好きに使っていいからね♪」
「おいぃ!?」
「ええっ!?……ふむ……」

ボクの紹介に不満があるのかコードはボクを非難の目で見てきたが無視する。
パパはパパでそれを聞いてビックリしていたと思ったら、何か考え事をし始めて…

「そうか…コード君だったね」
「は、はい…」
「…うちの娘を幸せにしてやってくれ!」
「「はへ!?」」

急にわけがわからない事を言った。

「な、なんでそうなるのさ!?」
「メリーが言ってる使い魔ってつまり夫って事だろ?メリーが好きになった男の事を俺はとやかく言うつもりは無いからな」
「なっ!?ち、ちがっ!!」
「どうせもう身体も交えたんだろ?なあコード君?」
「えっ!?あ、その…」
「別に俺は『娘を傷ものにしやがって!!』なんて言わないから素直に言いな!」
「えっと…はい…」
「ほらな!メリーは自分が夫と認める男以外と身体を交える気はないって言ってたじゃねえか。だからコード君はメリーが認めた夫だろ?」
「うう……そうだよ!!そーですよ!!でもはっきり言うなー!!」

やっぱりパパにはボクのことはお見通しだってわけだ。堂々と言われて顔から火が出るかと思うほど恥ずかしかった。
コードはコードでそれを聞いてなんかニヤニヤしてるし…後でまた絞り出してやる…

やっぱいつまでたってもパパには敵わないや。



この後すぐにボクはコードと結婚した。
コードは優しくて、パパの次に頼りになるし、精もおいしいし…♪
ボクの素敵な使い魔…じゃなくて夫になった。

ちなみに魔法少女と戦士さんもこの町で仲良くやっている。
特に魔法少女のほうはボクの妹分みたいなものだからとても仲良くなった。たまに一緒に見せあいながらヤったりするほどだ。

パパもコードと仲が良い。
どうやら同じ元勇者な事もあり話が合うらしい。
二人でお酒を飲みながら笑い合い騒いでる姿も日常茶飯事だ。

こんな楽しい日々がいつまでも続いたらと思っていた…


====================



「パパ…嫌だよ…もうすぐ娘だって産まれるのに…」
「…ごめんな……でも…もう……」

そして、運命の日。
数年の時が経ち、やっとボクとコードとの間に娘ができ、あと1月ほどで産まれるとなった頃…

パパは、永遠の眠りにつきそうだった。

「せめて…せめて孫の顔を見てよ!」
「俺だって…見たいさ……」

ママを死に追いやった病気と同じ病気にパパが罹ってしまった。
この病気は不治の病だから…もうパパは助からない…

「見たいなら…もっと生きてよ!!死なないでよ!!」
「はは……もう喋るのも辛いんだ……頑張ったけど…無理みたいだ……」
「パパ!!そんな事言わないでよ!!」

日が経つほどにだんだん衰弱していくパパ…
もう、起き上がる事すらできなくなっていた。

そして、今日が…命日と言われている日だった。



「やっぱりボクの魔力をパパに…!!」

パパに注いでインキュバスに変えるって言おうとしたけど…

「…それをしたら…パパ、メリーのこと嫌いになっちゃうって…言っただろ……」
「でも…でも!!」

もうまともに動かない腕を震えながらも上げて、ボクの頬に触れながらそう言われてしまい、最後まで言えなかった。

インキュバスになればこの病気も治る可能性があるから、何度もパパをインキュバスにしようとした。
でもその度にパパは怒って止めさせた。
そして、パパは人間のまま死にたい、人間として一生を終える、人間のままママの所に行くといつも言っていた。

だからボクは、パパの想いを尊重して、インキュバスにはしなかった。
でも、そうするとパパは死んでしまう…

「でも、パパと別れたくない!!まだボクはパパと一緒に居たいんだ!!」

パパと…永遠のお別れをする事になってしまう…


それは…嫌だった。


「わがまま…言うな……それに…お前には…コード君が…居るだろ……」
「コードはコード、パパはパパだよ!!いくらコードでもパパの代わりにはならないよ!!」


嫌だけど…どうしようもない……


「…ごめんな…メリー……」
「パパ!あやまらないで!!謝る位なら生き続けてよ!!」




ボクはただ泣き叫ぶことしかできなかった。




「メリー…こんな事を…言うのもなんだけど…最後に…言いたい事が…」
「最後なんて言わないでよ!!」
「いいから…だまって…聞いてくれ…」

そしてパパは、最後の力でも振り絞ったのか…









「メリー、俺の娘でいてくれてありがとう!愛してる!!」









ここ数日は出る事のなかったはっきりとした声で、ボクにこう言った。


「パパっ!!ボクもパパの事愛してるから!!だから!!」
「はは………ありが…………と……………」
「パパ!!寝ちゃだめだ!!寝たら死んじゃう!!」
「……」





そして、ゆっくりと目を閉じていき…





「パパ!!お願いだから冗談と言って目を覚ましてよ!!パパぁー!!





静かに、息を引き取った…




「う、うう、うわああああああああああああああああああああ!!!!」

ボクの泣き声だけが、部屋の中に響いていた……



====================



「ママ?何ぼーっとしてるの?」
「へ?あ、何アルム?」
「なんでもないけど…私がはなしかけてもママずっとぼーっとしてたから」
「あ、ごめんね。ちょっと昔のことを思い出してたんだ」
「ふーん」

アルムに話しかけられはっとして、ボクは思い出の旅から帰ってきた。

「どうしたメリー、ぼーっとしてるなんて珍しいじゃないか」
「ちょっとね…コードとアルムを見てたらパパの事思いだしてね…」
「…そっか…」

コードもパパが死んだとき、涙を流しながら悲しんでいた。
たまたま仕事があって死に目に会えなかったのも悔やんでいたほどだ。それほど二人は仲が良くなっていたのだ。

「よし、じゃあお義父さんの所に行くか!」
「えっ?」
「墓参りだよ!別に命日じゃなくても問題ないだろ?」
「あ……それもそうだね!それじゃあ行こうか!アルム〜出掛けるよ〜!!」
「はーい」

突然コードが墓参りに行こうと言いだしたので、ボク達はパパが眠っているお墓まで行くことにした。



………



……







「パパ、久しぶり。たまにしか会いに来なくてごめんね」
「お義父さんお久しぶりです。俺達は皆元気に過ごしています」
「おじいちゃん!わたしも元気だよ!!」

パパのお墓の前で近況報告。

「ママも久しぶり…それに、お父さんとお母さんも久しぶり。ボクは立派に育ったよ」

そして、パパのお墓の近くにはママのお墓と、お父さんとお母さんのお墓もある。
皆、ボクにとって大切な家族…
ボクを愛してくれた、誇れる家族だ。

「皆さん、皆さんが愛したメリーは、俺がずっと愛し続けます!」
「コードが言っていることはホントだよ。今でもロリッ子プレイをねだってくる程だし…」
「ちょおま!?そう言う事は言わなくていいだろ!?」

冗談も言えた事だし…そろそろ帰るね。

「じゃ、帰ろうか」
「もういいのか?」
「うん。アルムも疲れただろうし、また会いに来ればいいしね!」


最後に皆に言っておくよ…



死に際の時に言えなかった事を…







まずはお父さん…お母さんを好きになって、ボクをつくってくれてありがとう。





次にお母さん…ボクを産んでくれて、護ってくれてありがとう。





そしてママ…ボクを受け入れて、娘と言ってくれてありがとう。





最後にパパ…



パパ、ボクのパパでいてくれてありがとう!愛してる!!
12/04/02 21:51更新 / マイクロミー

■作者メッセージ
ひさびさの読み切り。連載のほうはまだ迷っているので待っていてください。

今回はアークインプの更新を見て思いついたお話…にしては魔物娘っぽさが薄いような気が…
そしてひさびさのエロだから難しくって…おかしな部分があるかもしれません…

誤字、脱字、その他ここおかしいぞ?って事がありましたら遠慮なく言ってください。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33