終話 お話の終わりと新たな始まり
これは、まだ魔物と人間が互いに殺し合う程敵対していた時代の出来事。
小さな村に住む魔物狩りの青年と、人間が嫌いなバフォメットの少年のお話です。
好き勝手に人を殺し食べ回るバフォメットを、偶然居合わせた青年が妹と一緒に止めたところから始まった二人の因縁。
この日もまた、二人は名もない山道で闘っていました。
火の玉が降り注ぎ、剣で魔術を斬り裂いたり、水でできた龍が飛び交ったりと、それはそれは激しい闘いでした。
しかし、どんなに激しい闘いになろうと、二人の闘いの結果はいつも一緒。
魔術が飛び交おうが、地面が裂けようが、最後はいつもパンチやキックで闘って、互いの攻撃が互いにヒット。二人は仲良く気を失って倒れてしまいます。
今日も互いのパンチが見事に決まって、二人して倒れてしまいました。
青年の妹とバフォメットの部下の魔女が互いに連れ帰り、その日もまた決着がつかないまま別れました。
それが、長い長いお別れになるなんて、この時は誰も思いませんでした……
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「ん……くぁ……」
天窓から差し込む日差しに、俺は眠りから目が覚めた。
ここは親魔物領の村『ティムフィト』の村長の家の一室。そして現在は俺も住む家の寝室でもある。
その寝室にドンっと置かれた大きくふかふかなベッドの上で、俺はゆっくりと身体を伸ばす。
「ふぅ……あれ? ティマは……」
寝ぼけ眼を擦りながら、隣に眠る妻――いや、サバト的に言えば妹か――妹のティマのほうを向いたが……そこにティマの姿はなかった。
「もう起きたのか……んむっ!?」
今日は二人揃ってお休みだしもう少し寝ていると思っていたが、どうやらすでに起きているようだ。
昨日の段階で今日の準備はそこそこ済ませてあるし、動くのは昼からで問題ないが、起きたなら何かしらしているのだろう……なんて思った瞬間、下腹部にねとっとした感覚が走り、思わず変な声がでた。
「ちょ……おい!」
「んあ? あ、おはよう兄様」
まさかと思い布団を投げ飛ばしたら、やはり俺の股の間に寝間着姿のティマが居た。
「おはよう。まったく……寝込みを襲うなよ」
「仕方ねえじゃん。こんなにいきり勃たせたおちんちんが目の前にあるんだぜ? 弄るなって言う方が酷じゃねえか♪」
ティマは寝ていた俺の寝間着のズボンを下ろし、朝勃ちしていたペニスをそのモフモフの手で握っていた。ぷにぷにの肉球が根本を緩急付けてマッサージし、毛皮が鈴口をくすぐる感覚に、男根がビクンビクンと震える。先程のねとっとした感覚は、全体的に濡れているところからしておそらくその可愛らしい小さな舌で舐めていたのだろう。
「いや……本当にお前は寝込みを襲うの好きだなって。互いに休みの時は3回に2回ぐらいのペースで朝起きたらフェラされてるしさ……」
「まあ……兄様はそういうの嫌か?」
「う……嫌ではないが、不意打ち喰らった気分になるなと……なんか、勿体ないというか……」
「はは、何だよそれ!」
愛する伴侶に可愛らしくキョトンとした顔で嫌かと聞かれ、嫌だといえる人は果たしてどれほどいるのだろうか。少なくとも俺には言えなかった。
ただ、ティマはこっちが寝ている時に性的に襲ってくる事が本当に多い。以前指摘した時には「何百年もお預けされてたからか寝起きとかで頭がぼーっとしている時に朝勃ちで精の匂いを感じると歯止めが利かなくなっちまう」と言っていた。そう言われるともう何も言えなくなる。
ちなみに後から知った事だが、俺の初キスも初セックス前の気絶中に奪っていたとの事だ。そういった二人で共有したい物を、自分が知らないうちに済まされているのはちょっと空しくもなるのでできれば控えて欲しいが……現状からして難しいだろう。
「で、続きしていいか兄様?」
「はぁ……いいぞ。でも黒ミサの時以外に兄様は止めてくれ。ムズムズする」
「わかってるよタイト、からかっただけだ♪」
「まったく……」
にっこり顔で続きをしていいかと聞いてきたティマ。それに対し、俺は兄様呼ばわりされている部分に溜息を吐きながらも許可を下ろした。
駄目だと言ってもどうせ無理矢理されるし、そもそもインキュバス化して久しい俺が途中で止められて我慢などできない。だから中断させる理由がなかった。
「それじゃあ改めて……はむっ」
許しを得られたティマは、ウキウキとして俺のペニスをその小さな口で咥えた。
「んる、れろ、じゅる……んっ」
陰茎を肉球で扱きつつ、柔らかな舌で口内に含んだ鈴口を舐めるティマ。雁首を小さな牙で引っ掛けながら、尿道口を舌でなぞり攻める。
小さな女の子が赤黒く血管が浮き出るペニスを、まるで甘いキャンディでも舐めているかのように夢中でしゃぶっている様に、背徳感と興奮を覚え高ぶる。
ティマ限定とはいえ少女の姿をした者の淫らな行為に興奮している俺は、もう立派にロリコンに堕とされたのだなと思いながらも、リリム顔負けのその性テクニックに俺は心も股間も震わせる。
「じゅぷっ、じゅ、ぢゅぽ、ぢゅるる……」
舐めるだけでは飽き足らず、顔をゆっくりと上下に動かす。唇の先が触れているぐらいまで顔を引き、またゆっくりと先端が喉につっかえる程飲み込んでいく。毎度苦しくないのかと思うが、喉を突く度に快感を得たように目をとろんとさせているので心配は無用なのだろう。
また根本での肉球コキも、それ単体と比べれば動きは大人しめとはいえ、じわじわと性感を刺激する。ぷにぷにで、それでいて柔らか過ぎない一部の獣系特有の軟肉の塊に挟まれて感じないわけがなく、先走り液をその口の中に溢れ出させる。
「れるっ、ぢゅっ、じゅるっ、ちゅ……」
段々激しくなる顔の動き。それに併せ、舌も縦横無尽にペニスを舐めまわす。
しかも、ストローでジュースでも飲むかの様に時々強く吸う動作も混ざり、その勢いに腰が浮き彼女の喉奥を突いてしまい、それがまたじんわりとした快感を生み出す。
「じゅずず……ぢゅる、じゅぷっ……んんっ、ごくんっ❤」
そのままねっとりとフェラチオをされ続け……俺はオーガズムに達し、目の前の幼女の口の中に精液を放出した。
どくどくと勢い強く溢れ出る精液を一滴も逃すまいと口を窄め、喉を鳴らして美味しそうに飲み込むティマ。悦びながら精飲する愛しい妹の姿に更なる興奮を覚え、射精の量と勢いを上乗せする。
「ん……ちゅ。んふふ、相変わらず濃いザーメンだな♪」
数十秒続いた射精が落ち着き、ティマは名残惜しむようゆっくりと顔を上げ、口からペニスを離した。
全部飲み込んだことを見せつける為か、大きく口を開けながら機嫌良くそう言ってきた。喜んでもらえて何よりだ。
「それじゃあ今度はこっちに……」
しばらくは余韻に浸っていたが、ある程度堪能した後身体の向きを変え、自身の股を広げながらそう言ってきたティマ。つまりはそのまま本番行為をお望みなのだろう。
「おいおい、今日は大切な日だろ?」
だがしかし、今日はとても大切な日だ。それに向けてこれから色々と準備しなければならないから、そこまでゆっくり交わる時間はないので誘いを断ろうとした。
「まあそうだが、だからこそだ」
「え?」
「前にさり気無く欲しい物を聞きだしてみたけど……妹が欲しいってさ」
「……そうか」
が、そう言われると断れない。
真偽はわからないが、バフォメットは強大かつ長寿の魔物だからか他の魔物以上に子供が産まれにくいと聞いた事がある。だからこそ、妊娠させるためには回数を重ねる必要があるのだ。
「それにさ、タイトは一回口に出しただけで満足したか?」
「それはまあ……お察しの通りで」
それに、ティマの指摘通り俺自身満足はしていない。一回射精したというのに、俺のペニスは未だはち切れんばかりに勃起している。
そもそもインキュバス化した人間が一発口で抜かれただけで満足なんてできるわけがない。特に自身をインキュバスにした伴侶が満足していないのに、それで性欲が収まるなんてありえないのだ。
「という事で……いいよな?」
「わかったよ。でも、本当にほどほどにな」
「わかってるって」
そういうわけで、結局は時間を忘れないようにしつつ続ける事にした。全く時間がないわけではないので、気を付けていれば大丈夫だろう。
「それじゃあ、脱がすぞ」
「ああ……ひゅんっ!?」
俺はティマが着ている子供用の寝間着に手を掛けてゆっくりと脱がしていく。すべすべとしたお腹、小さくて綺麗なお臍、そして……ふっくらとしたちっぱいが現れる。きめ細やかな肌がほんのり赤らみ、また乳首が膨らんでいるので興奮しているのだろう。
途中角や耳に引っ掛ける事無く脱がした後は、ズボンのほうも脱がしに掛かる。膝立ちになってもらい、膝まで一気に下ろした。露わになった、寝間着とは違いこちらは大人の女性が穿くような無地の下着は、丁度股間の辺りが一筋の線状に染みができている。
思わずそれに目を奪われつつも、今度は座ってもらい膝から片足ずつパジャマを脱がした。昔はよく引っかかっていた蹄だが、今はスムーズに外せるようになっていた。それどころか脱がせついでに硬い蹄に指を這わせる。なんだかムズムズするらしく変な声をあげるので少し楽しい。
「蹄触りやがったなこの野郎……触るならこっちにしてくれ♪」
そう言いながら下着をずらし、毛が一本も生えていない一見未成熟な女性器を見せつけてきたティマ。染みがついていたので予想はできていたが、そこは既に湿っていた。
「何なら舐めてくれても……あっ❤」
「いいぞ。望み通りにな」
ティマが言い切る前に、俺は彼女の股の間に頭を持って行き、その小さなスリットに舌を這わせた。決して不快ではない牝の匂いが鼻腔を突く。
また舌先でちょんっとクリトリスに触れる度、普段の男勝りな口調からは想像つかない可愛らしい声が漏れる。そして、愛液が溢れる。
「ふぁっ、んっ、んんっ♪」
ティマの腕が、もっと舐めてくれと言わんばかりに俺の頭を押さえつける。
陰唇に唇が触れるぐらい押さえつけられたので、垂れてくる愛液を舌で掬い取りながら、指で広げつつ表面だけでなくその綺麗な膣内にも舌をねじ入れる。ぐにぐにと蠢く膣襞が舌を絡めとり、唾液を搾り取ってくる。その動きは、まさに精を搾り取ろうとしているようだ。
「んあ……ん? やめちゃうのか?」
「ああ。もう挿れたい」
「うわ……仕方ないなぁ……❤」
何時もならばそのまま一回イかせるが、今日は予定もあるし充分解れたところでクンニを止めた。
ちょっと不満そうな顔を浮かべたティマだったが、血管が浮き出る程ガチガチに勃起したペニスを見せたらそれだけで涎を垂らす程笑顔になった。
「ほら、挿れるぞ……」
「ああ……んんんっ♪」
横になったティマに覆い被さり股を広げさせ、上の口と同じように涎を垂らす割れ目に狙いを定め……ゆっくりとその肉棒を挿入した。蕩けるような熱を持つ肉を掻き分け、根本まできっちりと飲み込ませる。
「あっ、ああっ、いっ良いぞ、タイトッ!」
片手をベッドにつき体重を支え、ティマのうっすらと膨らむ胸にもう片方の手を添えて、始めはゆっくりと腰をスライドさせた。
狭く締まる膣がペニスに絡みつき、舌の時以上に貪欲に精を貪る。あれから10年は経ったが、このロリマンコに慣れる事も飽きる事も無く快楽を叩きつけられる。流石に童貞の時と違い挿入即射精には至らないものの、長い時間耐える事は到底できない。
「ふぁぁっ、ぁっ、あはっ、ああぁあはぁああっ❤」
腰の動きを速め、子宮口に亀頭を叩きつけるように打ち込む。イキかけていた状態での激しいピストン運動に相当感じているようで、モフモフで肌触りの良い手を背中に回してしがみ付くティマは、涎を撒き散らしながら身を捩っている。硬くしこり勃つ乳首を弾く度、ぎゅっぎゅと膣が締まりペニスを搾り溶かす。
直接的に触れる刺激だけではなく、部屋中に響く卑猥な水音に混じる、目の前の見た目幼女の妖絶な息遣いが耳を犯す。トロトロに蕩けた恍惚な表情や、柔らかく綺麗で張りのある肌が目を犯す。舌に残る愛液が口の中で絡みつき舌を犯す。全身から溢れ出す汗の甘く良い匂いが鼻を犯す。
余す事無く五感を犯された俺は、最後に子宮にねじ込むように腰を打ち出し、激しく射精した。
「ひぐっ、ふあああああっ! 熱いのいっぱいだぁ……❤」
びゅくびゅくと激しく腰を震わせながら放出する子種汁は、その小さな蜜壺に余す事無く注がれていく。
全身を走る快感に身体が強張り、精を沢山搾り取られる。ティマも絶頂に達したようで、小刻みに腰を震わせながら全身をくねらせ、溢れ出る精をその魔性の幼膣で吸い上げている。
「ひぁぁ……ぁっ……❤」
長く続いた射精も落ち着き、力が抜けた俺はティマの小さな体に圧し掛かる。汗ばんだティマの身体と触れ合うが、そこに不快感など欠片もない。ドクンドクンと激しく脈打つ互いの鼓動を強く感じ、心が更に高まっていく。
「はぁ……はぁっ……んっ」
快楽に潤んだ目でしばらく見つめ合った後、俺達は息も整い切らないうちに唇を重ねる。柔らかく小さな唇を舌で割って入れ込み、口の中でぬめった舌を絡めた。
ぬちゃ……と淫靡な音が耳に響く。俺の唾液がティマに流れ、ティマの甘い唾液が流れ込む。
ディープな口付けに伴い、俺とティマの身体も強く密着する。温かで滑々な身体が擦れ、欲望がまたむくむくと膨れ上がっていく。
「んぁ……タイトぉ……」
口を離し、繋がった雫が落ちる間また見つめ合う。
そのまま再び腰を動かそうとしたのだが……
「もう一回……」
「うわっ!?」
「……ん?」
すぐ隣からガタっと何かが落ちる音と、小さく可愛らしい驚きの声が聞こえてきたので、思わず音のした方へと振り向いた。
「あ……」
「え、えへへ……お、おはよう父様、母様……」
そこには、ティマと瓜二つな容姿ながらも一回り小さいバフォメットの女の子が、少し興奮で顔を赤らめつつも苦笑いをしながら転がっていた。
「こらエミル。こっそりと覗いていたな?」
「あ、あはは……ごめんなさい」
彼女の名はエミル。俺とティマとの間にできた娘だ。
今日で5歳となる彼女は、半年ほど前から同じ部屋の別のベッドで寝ている。どうやら俺とティマが交わっている間に起き、布団の中からこっそり覗いていたようだ。そして夢中になりすぎて前のめりになってベッドの上から転がり落ちたようだ。
「まったく……見るなら堂々と見なさい」
「え?」
「は?」
「なんだ? 別におかしなこと言ってねえだろ?」
黒ミサで他の魔女や使い魔たちの前で淫らな事をさせられる事もあるとはいえ、実の娘に夫婦の営みを見られるのは流石に恥ずかしい。
それはティマも一緒でエミルを叱った……と思ったら、どうやらちょっと違っているようだ。
「エミルも今日で5歳。多くの魔女達を率いサバトを統べる者として兄様の堕とし方を、女としての幸せを知る必要もあるだろ」
「いや、まだ5歳だしいくらなんでも流石に早くないか?」
「それは人間の基準だったらだろ? エミルは魔物、しかもバフォメットだ。性行為自体は流石にちょっと早いとは思うが、その知識を学ぶのは5歳でも充分だ」
「そう……なのか?」
どうやらティマは丁度良い機会だからとエミルに性知識を教えるつもりらしい。
見た目通り幼い子供に教える事ではないと苦言を呈したが、ティマ曰くバフォメットならそうでもないとの事。そんなわけない……と言いたいところだが、バフォメット本人に反論できるほど俺はバフォメットを始め魔物全般の事はわからないので、引き下がるしかなかった。
「はぁ……娘に見られながらってのは恥ずかしいのだがな……」
「まあまあ、これも大事な娘への教育だからな。ほらエミル、もっと近づきな」
「うん!」
ティマに呼ばれ、とてとてとベッドの淵までやってきたエミル。
その視線は俺とティマが繋がっている場所に向いている。魔物だからか、それとも自分の知らない事だからか、興味津々な様子だ。
「それじゃあタイト、今度はオレが上な」
娘に見られながらだからか、先程までより余裕があるティマがそう言ってきたので、俺は一旦結合を解きベッドに横たわった。
そしてティマは起き上がり、俺の腰の上に跨った。ティマの性器から足伝いに垂れ落ちる白濁液……俺が出したものだけではなく、ティマ自身の体液も混じったそれが、ベッドに小さく染みを作る。
「それじゃ挿れるぞ……んんっ♪」
そして、天井を指しているペニスに手を添え位置を調整し、ゆっくりと腰を下ろし挿入した。
狭く濡れた膣内を引っ掛かりなく進み、あっという間に根本まで飲み込まれた。
「凄い……父様の大きいおちんちん、母様に入っちゃった……痛くないの?」
「痛くないぞ。それどころか、好きな人のおちんちんがおまんこに入ると、すっごく気持ちいいんだ」
エミルと会話をしながらも、手を俺の胸につき腰を前後に小さくスライドさせ、絶え間なくペニスに刺激を送るティマ。その言葉通り、目尻をとろんとさせとても気持ちよさそうな表情を浮かべっぱなしだ。
「勿論、挿れたほうも……な?」
「あ、ああ……ぅあっ……」
「父様……すっごく気持ちよさそう……」
目を輝かしながら結合部をじっと見ているエミルを余所に、俺はティマの膣が与えてくる快感に身体を震わしっぱなしだ。
初めての時と違い俺も腰を下から突き上げてはいるが、騎乗位ではやはりティマに一方的に犯される形になりやすい。余裕があるティマと比べて俺には余裕がなく、単調な動きで突き上げるだけになってしまう。
「んぁっ、んっ、こ、こうやって腰を動かすと、ふぁっ、おちんちんが精液を出したいよってびくびくって震えるんだよ」
「へぇ……精液って?」
「男の人が出す、んっ、美味しい赤ちゃんの素だ」
「赤ちゃんの……」
ティマの爪で乳首を弄られ、じわりと高まっていく快感。俺の股間は透明な液をティマの膣内へと垂れ流しながら痙攣を繰り返している。
顔を赤らめながらティマの言った事を復唱するエミル。しかしその声は俺の耳には入ってこない。何故ならば、ティマはラストスパートと言わんばかりに激しく上下に腰を動かすからだ。暴力的なまでの妖絶な幼膣の攻めに、根こそぎ精が搾り取られるようだ。
「あっ、んんっ、ああっ❤」
貪欲な腰の動きに勿論耐えられるわけもなく、俺は再びティマの子宮へ射精した。
精巣から一滴残らず搾り取るかの如く蠢く膣に、今日だけで3発目だというのになおも勢いを強くする。
「ん……ふぅ……」
十数秒は続いた射精が止まり、ティマは腰を上げペニスを抜いた。
栓がなくなり、こぽ……と泡を立て秘部から流れ落ちる白濁液。それだけの量を射精したと思うと、インキュバスも凄い物だと実感する。
「母様、その変な臭いの白いのが……」
「ああ、精液だ。こうやっておまんこの中に出してもらう事で、子供を作れるんだ。もしかしたら妹もできるかもな」
「妹……! じゃあオレにも妹ができるの!?」
「絶対じゃないけどな。だからこそこうやって愛しい人といっぱいセックスするんだ」
これだけ出しても確実に妊娠するわけじゃないし、むしろ受精するかどうかも怪しい所だ。エミルの時だって、兄妹になって数年でティマが妊娠したことに周りの魔女達は凄く驚いていたし、そう都合よくはいかないだろう。
それでも、妹ができるかもと喜ぶエミルを見ていたら、是非ともできていてほしいと願うものだ。
「さてと、満足まではしてねえが……エミルも起きた事だし、ここで止めて朝飯にするか」
「だな」
妹を作るのであればもう何発かシたほうが良いとはいえ、今日はそこまで時間に余裕はない。エミルも起きたので少し遅めの朝食にするべく、交わりはここでやめる事にした。
「やめちゃうの?」
「ああ。ほら、今日はエミルの5歳の誕生日パーティーがあるからな」
「ホーラとかお友達も呼んであるし準備もあるから、何時までもシてるわけにはいかん。エミルもパーティーは楽しみだろ?」
「うん!」
そう、今日はエミルの誕生日。それを祝うパーティーを夜に行う予定だ。
家族だけで祝うならともかく、ホーラ達やティマの部下、友人達も招待したそこそこ大きな規模のパーティーなので、それなりに準備がかかるし遅らせるわけにはいかない。時間がないと言っていたのはその為だ。
「それじゃオレは軽く朝飯を作ってくるから、タイトとエミルは食卓の用意をしておいてくれ」
「ああ」
「はーい!」
ベッドから降りて身体を拭き、服を着て身を整えた後、ティマは朝食を作るためキッチンへと向かった。
俺とエミルはダイニングルームへと向かい、机を拭くなど準備をしながらティマの美味しいご飯を待っているのだった。
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そして、何度目かわからない二人の対決の日。
準備は万端。意気揚々とバフォメットと決着をつけるために山道を歩く青年とその妹。
今日はどうやって闘おう、どんな魔術が飛んでくるだろうなんて、これからの闘いの事を思い思いに喋りながら歩いていました。
しかし、それは突然やってきました。
もう少しでバフォメットと闘う場所まで辿り着くという所で、二人の目の前がぐにゃりと曲がりました。
真っ直ぐな気はぐるぐるになり、ぐにゃぐにゃな山道は大きく波打ち、ぷかぷか雲が浮かんだ青空はぐちゃぐちゃで青白いあみあみになりました。
風景だけではありません。二人の身体もふにゃふにゃと揺らめき、言葉も自分で何を言っているかわからない程ぐわんぐわんになっています。
一体何が起きているのかまったく状況が飲み込めない青年は、いつしか気絶して……
目が覚めたら、なんと500年後の世界に飛ばされていました。
そして、そこに居たのは……幼く可愛い少女の姿になった、かつて闘っていたバフォメットでした。
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「ホーラ、忘れ物はない?」
「完璧」
丁度お昼を過ぎた頃、私とヴェンは家を出る準備をしていた。
「エミルちゃんへのプレゼントも持った?」
「勿論。何度も確認したから大丈夫」
今日は姪であるエミルちゃんの5歳の誕生日パーティーが開かれる。
開始時間は夜だが、私達はただ参加するだけではなく準備の手伝いも頼まれているので、他の人より少し早めに会場である村長宅へと向かおうとしているのだ。
「それじゃああとはお義母さん達を呼ぶだけだね」
「そうだね。お母さーん!」
誕生日プレゼントを始め、パーティーに必要な荷物を纏め終えあとは出発するだけになったので、私は両親の部屋を開けてゆっくりと寛いでいる母を呼んだ。
「あら、出発時間?」
「うん。ちゃんとお父さんも連れてきてね」
「ええ勿論。ふふっ、孫の誕生日パーティーなんて楽しみだわ♪」
私の両親はもうとっくの昔に故人になっている。だからここに居る母は……私が死霊魔術でゴースト化した正真正銘私の母である。
どうやら両親は亡くなった後私とお兄ちゃんの守護霊として見守っていてくれていたらしい……が、私達が今の時代に飛ばされたせいで見失い、それが原因で心が壊れた状態でこの家のこの部屋に地縛霊として500年の間ずっと縛られていたみたいだ。これは後に知った事だが、ティマさん達がこの部屋を一切手を付けずに強力な保存魔術だけ掛けていたのはその関係もあったそうだ。
10年前ティマさん達とコロシアムで闘うために精を搾り力を付けた私は、そこで初めて限界近くまで削れていた両親の魂を感じ取れた。だから完全に手遅れになる前に母をゴーストとして蘇らせ、正気を取り戻させたのだ。
「じゃあ行きましょうかお父さん」
ちなみに、父は未だに魂として存在している。女性を魔物化させるのと違い、私では男性を実体として蘇らせる事ができないからだ。
一応母の手厚い介護……というか熱い抱擁の甲斐もあって父もきちんと正気を取り戻しているが、現状私や母などアンデッド型の魔物以外との意思疎通はできない。この家に住むようになり毎日アンデッドに囲まれて暮らすが故霊感が付いたらしいヴェンはなんとなく存在を感じられるが、逆にティマさんの所で暮らすようになったお兄ちゃんに至ってはその魂を感じる事もできないのが現状だ。
とはいえ、聞いた話によると不死者の国へ行けば父を肉体をもつインキュバスにする方法もあるらしい。孫に触れられないままでは流石に寂しいだろうし、そのうち行く予定だ。
「ごめんね、ヴェン君にばかり重たい荷物を持たせちゃって」
「いえ、僕は非力ですがこれぐらいなら問題ありません。それに乗合魔力車を使うのでそう苦労もしませんから」
両親やヴェンと共に家を出て、そこそこ荷物もあるので徒歩で向かわず、乗合魔力車の停留所まで向かった私達。
「そろそろ停留所だね……おや、あの人は……」
「あ、こんにちはヒーナさん」
「あら、こんにちはホーラちゃん達。今から村長さんの所?」
「はい」
そこには、魔力車を待つヒーナさんが居た。
「ヒーナさんはどうしてここに?」
「私は仕事終わりで、ちょっとした用があってジュリーの家に寄っていたのよ。帰ったら少し寝させてもらうけど、夜のパーティーには息子達を連れて参加するわ」
ヒーナさんの家や自警団本部はここからだとちょっと離れた場所にあるのでどうしてここに居るのか疑問だったが、どうやらお隣さんに寄っていたらしい。
ちなみにそんなヒーナさんは未だに人間であり、息子が二人いる既婚者だ。お母さんでありながらまだ自警団をやっているのは、本人曰くこれが天職だからだそうだ。
「あら、それはエミルも喜ぶわね」
「ええ。うちの長男ととっても仲が良いですからね。まあ、メイを始め多くの知り合いに狙われていますから将来的にどうなるかはわからないですけど」
「ははは……」
そんなヒーナさんのとこの長男とエミルちゃんは仲が良い。エミルちゃんのほうが2歳年下で、兄貴分として慕っているし、将来的には本当に兄になるんじゃないかと私達の間では噂になっている。
とはいえ、近年人口が、特に魔物人口が増加傾向にあるこの村では貴重な男の子なので、結構狙っている人が多いのも事実。だから将来どうなるかは……時間を越えてみたりでもしない限りわからないだろう。
「はは……おっと、魔力車が来たようだね」
「だね。あ、引いてるのヨルムさんだ。久しぶりに見た」
ヒーナさんとお喋りしていたら、定時通りに乗合魔力車が停留所に向かって走ってきているのが見えた。漆黒の鱗肌や大きな翼、紅い長髪が見えるので、引いているのはヨルムさんだろう。
「よっと。時間通りだな。乗るかい?」
「ええ」
見えていたとおり、丁度降りたモックさん以外誰も乗っていなかった魔力車を引くヨルムさんが到着したので、私達やヒーナさんは乗り込んだ。
「それじゃ出発するぜ。気持ち悪くなったらオレ様に声掛けてくれ」
全員が乗り込んだ後、ゆっくりと動き始めた。
「ヨルムさんが引いているのって久しぶりじゃないですか?」
「まあな。今日はこっちが人手不足だったもんでな。空運部隊は問題ないが、こっちが今日発情休みが多くてさ。あんま盛り過ぎるのも困ったもんだわ」
「はは……お疲れ様です」
ヨルムさんが個人で始めた運送事業も、ここ10年で多くの人……というか魔物を雇い規模が大きくなった。今では言った場所に行ってくれるものだけでなく、村中を何台もの魔力車が停留所で待っていれば一定のルートで走ってくれるようになってさらに便利になった。近くの街までならば空を飛べる魔物によって運んでもらえたりもする。台車自体も引いている人の魔力を媒体に動く魔力車に改造され、前より負担が軽減されているらしい。
「それにしても、この運送業もすっかり人気になりましたね。それに伴ってヨルムさん自身も」
「ほんと、人食いのドラゴンがここまで村に馴染むとはねー」
「うぐっ、昔の事言うのは勘弁してくれよヒーナ。食おうとしたことは本当に済まなかったと思ってるからさ……」
「ふふっ冗談よ。ま、こんな感じに揶揄えるぐらいには身近になったかな」
ヨルムさん自体は雇い主として今は取締りの立場だが、今日みたいに人が足りないと現場に出てくる時もある。どちらにせよ、今となってはティマさん並に村の顔となっており欠かせない存在になっていた。
「昔といえば、なんで私達は時間を越えたんだろうね?」
「さあな。てかそれはお前らが調べてるんじゃなかったのか?」
「結局何も進展ないからとうの昔に打ち切ってる。私個人がたまに調べてるだけ。現状何もわからないけどね」
そんなヨルムさんも、元はといえば私達と同じく500年の時を越えてきたドラゴンだ。
「そっか。オレ様はなんとなく推測できてるけどな」
「へぇ……何?」
「オレ様もお前も、お前の兄貴も、きっと時間を越えなければこうして生涯のパートナーを見つける前に死んでたと思うんだよ。オレ様はエインの奴に、お前ら兄妹はティマ達に殺される形でな」
「それは……そうかもね」
何故私達がこの時代に飛ばされたのかは、今でも正確な理由はわかっていない。
「だが、それはティマにとっては不幸以外の何物でもねえからな。だから、今のお人好しそうな魔王か、あるいはそれよりもっと上の存在が気を利かせてそうならない様に時間移動させた。んでオレ様達はそのついでだな」
「うーん……適当すぎるけど、見当外れとも思えないわね。実際時間移動したからお兄ちゃんとティマさんは結ばれた。私もこの時代に来たからヴェンと会えたわけだし、ヨルムさんもアルサさんと出会えた」
「だろ?」
それでも、ヨルムさんが言った推測は全てが正しいとは思わないが、あながち間違ってもないと思う。
あの時代に居たままなら、魔王が交代する前に私達が殺されていた可能性は否定できない。ただその場合、ティマさんは今の幸せを一生掴む事は無かった。ティマさんだけではなく、私達もだ。
「まあ、一つだけ確実に言えるのは、オレ様達はこの時代に来れて良かったってこった」
「まあね」
だからこそ、原因はともあれ私達はみんなこの時代に来れてよかったと言えるだろう。
そうでなければ、私はヴェンという最高のパートナーと出会う事すらなかったのだから。
「おっと、次の停留所が見えてきたが、誰もいねえな。降りるわけじゃなければそのまま過ぎ去るけどいいか?」
「私達はいいよ。目的地は村長の屋敷だからね」
「私も自分の家の最寄だから構わないわ。それより、折角だから過去の話を聞かせてよ」
「わかった。んじゃ何から話すかな……」
ガタンガタンと揺られながら、私達は目的地まで過去の話などで盛り上がったのだった。
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自分達の暮らす村から闘っていたバフォメットまで、何もかも変わってしまった世界。
どうしてこの時代に来たのかも、元の時代に帰る方法もわかりません。
当然のように青年は困ってしまい、素直に受け入れる事ができませんでした。
それでも、村長さんになったバフォメットに助けられながら村を護る自警団として500年後の世界を生きる事にした青年。
元々は敵だった魔物達と共に、バフォメットを倒そうと息巻いた勇者を難なく倒したり、同じく500年前から来た人食いドラゴンをなんとか退けたりと大忙し。
また、なんだかんだ言いつつも、青年は少女となったバフォメットとも仲良く500年後の世界を楽しんでいました。
二人でお喋りしたり、時には美味しいご飯を作ってもらったりして、ちょっとした冗談こそ言い合っても昔のように喧嘩はせず一緒に笑い合っていました。
長い月日が経ち人間が嫌いではなくなっていたのですから、バフォメットもそれが楽しくて仕方ありません。心の底から笑う彼女は、今の時間を本当に大切にしていました。
昔は殺し合っていたなんて雰囲気はまったく感じる事無く、周りの人々もまるで二人の事を恋人同士のように見ていました。それぐらい息もぴったりになっていたのです。
しかし、それでも心のどこかではやっぱり元の時代に帰りたいと思っている青年。
そんな青年に、その考えを大きく膨らませてしまうような事件が起きました。
一緒に時間を越え、唯一の家族だった妹が事故に巻き込まれ死んでしまったのです。
悲しみに沈む青年。涙を流し、雨が降るお葬式の中で叫び続けます。
バフォメットが声を掛けてちょっとは落ち着いたものの、やっぱり心は暗く沈んだままでした。
そんな青年の前に現れたのは……なんと、死んだはずの妹でした。
この時代に来て好きな男の子ができた妹は、その想いが実を結びリッチとして蘇ったのです。
青年は戻ってきた妹を見て元気になり、立ち直ったかのように思えました。
しかし、青年は元々魔物狩りをしていた人間。形はどうあれ魔物化した妹の事も、全部は受け入れられませんでした。
だからこそ、それが引き金となり……青年は元の時代に帰りたいと強く思うようになってしまったのでした。
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「ようこそお待ちしておりました。荷物はこちらでお預かりいたします。それではご案内いたします」
「どうもエインさん」
魔力車に揺られながら数十分。私達は目的地である村長宅に着いた。
別に見知った場所なので必要はないが、エインさんの案内で私達はお兄ちゃん達がいる部屋へと向かう。
「もう二人とも準備を始めてる感じ?」
「ええ。タイト様はパーティー会場の設営を、ティマ様はパーティー用の料理を作っています」
「毎年の事だけど、娘の誕生日だからと張り切ってるみたいね」
「それはもう張り切っていますね。ちなみにエミル様は現在隣の部屋で絵本を読んでいますよ」
大きなお屋敷をゆっくりとお話しながら歩いて二人の元へと向かう。
所々開いている窓からは涼しく心地よい風が流れており、カーテンが少し靡いている。
「いやしかし今日のパーティーを無事に開けて良かったですね。数日前、ティマさんを狙った勇者が屋敷に侵入したと聞いたのですが……」
「ええまあ。勇者もかつてのアルサさんと違い結構な強者でした。バフォメット対策もばっちりでしたし、下手をすればティマ様も危うかったかもしれません。ですが、タイト様が駆けつけ難なく倒したので大事にはなりませんでした」
「流石うちの息子ね」
ほんの数日前、ティマさんを倒そうと一人の勇者がこの屋敷へと侵入した。環奈さんの監視すら掻い潜り暴れ回った勇者に、幸い死者こそ出なかったとはいえ怪我人や物損などの被害が出た。
しかし、有事の際はすぐに屋敷へと転移できるようになっていたお兄ちゃんがすぐさま家族の元へ駆けつけ、その勇者と闘い掠り傷を負う程度で勝利したため大事には至らなかったのだ。
「それもエインさんが引き続きお兄ちゃんを鍛え上げてくれたからだね。ありがとうございます」
「いえいえ。それも、主の為ですから」
この時代に来たばかりのお兄ちゃんでは到底歯が立たなかっただろうその勇者に勝てたのは、単にエインさんがあのコロシアムでの闘い以降もお兄ちゃんを鍛えてくれていたからだろう。
拳は勿論、今となってはへなちょこだった剣の腕前も達人レベルになっていた。それどころか、バフォメットの魔力によってインキュバスになったおかげか、自身の魔力で身体強化魔術を掛ける事もできるようになっていた。
その為、現在ではその実力はバフォメットの兄にふさわしく単独でもティマさんに並ぶようになっており、エミルちゃんは勿論、ティマさんもかなり頼りにしているようだ。
「そんな感じでタイト様が被害を抑えてくれましたし、折角のエミル様のお誕生日会を中止にさせるわけにもいきませんから、荒らされた屋敷も即日で元通りにしました」
「まあ、それはここの魔術研究室で働くあなた達も知っている事だとは思うけどね」
「あ、ウェーラさん。こんにちは」
そして、今日の誕生日会の為に魔女達総出で元通りに直された屋敷を見て回っていたら、廊下の向こう側からウェーラが歩いてきた。
「登場が遅かったじゃない。何かしてたの?」
「ええまあ。長女と、ついでにたまたま長女の所に居た次女と連絡を取っていたものでね」
「おや、プリンの所にサマもいたのかい? どんな様子だった?」
「はぁ……もう知らないわあんな娘。心配していた人の事を根暗ババアだの何だのと五月蠅いったらありゃしない。今度会ったら24時間快楽地獄の刑にでも合わせないと気が済まないわ……」
「は……はは……ま、まあ元気そうで良かったよ……」
何時もならエインさんと一緒なのだが、今日は居なかったうえに見るからに物凄く不機嫌だったのでどうしたのか聞いたところ……どうやら音信不通の次女と連絡がついたついでに親子喧嘩でもしていたみたいだ。
今の魔女らしく可愛いらしい容姿ながらもそれを打ち消すレベルのどす黒いオーラを放つウェーラに、エインさんも珍しくたじたじだ。
「でもいいなぁ……そうやって喧嘩できる娘が居てさ、羨ましいよ」
「はぁ? 何が……ってそうか。そういえばあなた達はまだ子供居ないのよね」
「そうだよ。私も娘、欲しいなぁ……」
でも、そんな感じに喧嘩できる娘が居るウェーラを、私は羨ましく思ってしまう。
私はお兄ちゃん達やウェーラ達と違い、まだ子宝に恵まれてはいない。度重なる性交で子宮の機能は完全に回復しているのだが、残念ながら実を結ぶ所までは行ってない。
今は姪のエミルちゃんを可愛がっているが、やっぱり自分の子供は欲しい。ヴェンに魔界の植物を盛ったり排卵しやすくしたり経箱から魂を戻した状態で交わったりと色々工夫はしているのだが、結果は出せていないのだ。
「ま、そのうちできるわよ。私なんて余程運が悪くて一人目まで一世紀は掛かったわけだしね。そっから先もほぼ百年単位だし、焦っても仕方ないわよ」
「うん……そうだね」
「代わりじゃないけど、今日は姪っ子のエミル様をその分可愛がってあげなさい。ほら、会場に着いたわよ」
「勿論そのつもりだよ。あと、案内ありがとうね」
子供が欲しい願望を垂れ流しているうちに、パーティー会場に辿り着いたようだ。
ちなみに会場は村長の屋敷の中でも一番大きい食堂のようだ。ここならキッチンも近いし、料理の追加もしやすいから選んだのだろう。
「お兄ちゃーん、来たよー」
会場の扉を開け、来訪を伝える。
そこでは、お兄ちゃんが部屋の飾りつけを行い、ティマさんが何かしら甘い匂いのする料理……おそらく誕生日ケーキを作っている最中だった。
「おっ来たか。早速だがヴェンはこっちを手伝ってくれ」
「はい!」
既にテーブルと椅子の準備はされているが、まだまだ部屋全体は飾り気がない状態だ。
大きい物を飾ったりする関係で男手が欲しかったのか、お兄ちゃんは私達を見るなりヴェンに手伝ってほしいと頼んできた。
「おっ増援はありがたい。義母様はオレと一緒に料理作りを手伝ってくれ。んでホーラと義父様は隣の部屋にいるエミルの相手をしていてくれ」
「はい、手伝うわね♪」
「うんわかった。隣の部屋ね」
そしてティマさんはお母さんに手伝ってほしいと声を掛け、私とお父さんにはエミルちゃんの相手をしてほしいと言ってきた。
居ても手伝えない父はともかく、正直料理の手伝いならば実体化できる時間がまださほど長くない母より私のほうが適任だが……ティマさんは父親は知っていても母親は知らないというのもあり、母親として成長する為にもうちの母と仲良くして色々と子育ての参考にしたいらしい。
だから私はそれを言わず、素直に隣の部屋に向かう事にしたのだった。
……………………
「過去に帰りたいと言う青年。でも、今の時代で折角仲良くなれたバフォメットは、それを聞いて怒ってしまいます」
「そのまま二人は大喧嘩。その場で殴り合いになりそうでしたが、二人の喧嘩を止めようとしたファミリアの提案で、出来たばかりのコロシアムで後日闘う事になりました」
「そして迎えた当日。500年前と同じように青年は妹と、バフォメットは部下の魔女と組んで闘いを始めました」
「剣と鎌がぶつかり合い、魔術が飛び交う激しい闘い。500年前と違うのは、死んでしまうような魔術がないというだけ。青年もバフォメットも、かつてと同じ闘いに熱くなってきました」
「そして闘いも終盤。500年の差をひっくり返すような強さを見せる青年に、バフォメットも最後の切り札を見せます。それは、500年前の大きな怪物姿に変身する魔術でした」
「パワーもスピードも桁違いに強くなったバフォメットに青年は大ピンチ。なのに……青年は変わらないバフォメットの姿に思わずにっこりしています」
「そして、昔と同じようにパンチやキックで闘い、最後はお互い攻撃を決め合い……変わらず二人仲良く倒れてしまいました」
「闘いも終わり、目を覚ました青年。ふと身体の上を見ると、バフォメットの少女が上に乗っていました」
「同じく気絶していた少女は、夢で思い出していました……青年への恋心と、お兄ちゃんになってほしいという願いを」
「尚も帰りたいと言う青年に、少女は泣きながらもその想いを伝えました。するとどうでしょう……想いが届き、青年は帰りたいと言わず、ずっと少女とこの時代で暮らす事を伝えました」
「嬉しさのあまり満面の笑顔を浮かべる少女。その可愛さに見事恋に落ちた青年と、何時までも抱き合っていましたとさ」
「めでたし、めでたし……えへへっ♪」
大食堂の隣の部屋……食事中の親を待つ子供の為のプレイルーム。
窓が開けられ涼しい風が入るこの部屋の中央付近で、エミルちゃんが一人で絵本を読んでいた。
「こんにちはエミルちゃん」
「あ、ホーラ叔母様! 爺様も! こんにちはー!」
丁度絵本を読み終えたタイミングで声を掛けたら、そこで初めて私達に気付いたらしく、口を大きく開け可愛い笑顔で挨拶をしてきた。
「エミルちゃん、その絵本好きだね」
「うん! オレ、この絵本大好き! だってこれ、父様と母様のお話でしょ?」
「そうだよ。二人が夫婦になるまでのお話。素敵でしょ?」
「うん!」
エミルちゃんが手にしている本は、とある青年とバフォメットのお話……というか、お兄ちゃんとティマさんをモデルに少しだけ脚色を加えつつ要点をかい摘んだ絵本だ。
元々はセックさんが二人に取材し、ちょっと脚色を加えつつも大体そのまま初夜描写までそっくり書いた官能小説があり、これはミーテさんの友人のリャナンシーが気に入り子供向けの絵本にしたものだ。
大好きな両親が元々どのような関係で、どうして結婚したのかがわかる絵本だからか、エミルちゃんはこの絵本を物心ついた時から何度も繰り返し読んでいる。お兄ちゃんは少し恥ずかしいみたいだが、エミルちゃんは素敵だといつも言っていた。
「それはそうとして……エミルちゃん、何時も言ってるけど女の子が自分の事オレっていうのはどうかと思うよ?」
「えぇー!? だって母様だって自分の事オレって言ってるもん!」
「ティマさんはそこの絵本にあるように元々男の子だったから仕方ない。でも、エミルちゃんは生まれた時から女の子でしょ?」
「むぅ……別に良いじゃんか……」
まあ、両親のお話が好きなのは良いとして……女の子なのに自分の事をオレと言うエミルちゃんに軽く注意する。
同じ一人称のティマさんは勿論、そんなティマさんがいるせいかお兄ちゃんも全く注意しないどころかそれが普通だと思っているし、そんな二人に立場上ウェーラ達は何も言えないので、私しか注意する人が居ないのは困りものだ。
「もう……なんでオレにこだわるの?」
「だって……母様がそう言ってるから……」
「はぁ……まあ、そうだよね」
とはいえ、無理やり変えさせるのも違うと思うので、あまり強くは言えない。可愛らしい姿とのギャップに惹かれる人も居るだろうし、悪いとも言い辛いところだ。
でもやっぱり自分的にはもう少し言葉遣いも女の子らしくなってほしいなと思う。周りが普通に受け入れているので私のエゴではあると思うが、そっちの方が可愛いと考えてしまう。
「ま、いいか。それで可愛くなくなるわけでもないしね。さて、何しようか?」
この話は簡単に決着するものでもないのでとりあえず置いておき、私はエミルちゃんと一緒に何かで遊ぼうとした。
「ホーラ、エミル、ちょっといいかしら?」
「ん? どうしたのお母さん?」
「あ、婆様! こんにちはー!」
その瞬間、壁をすり抜けてプレイルームに来た母が私達に呼び掛けてきた。
「こんにちは。いやね、やっぱりホーラにもこっち手伝ってもらえないかなと……結構な量を作らないといけないし、二人だと手が回らないわ」
「成る程、わかった。エミルちゃんは?」
「そうねえ……一緒にこっちに来てくれるかな? お友達を迎え入れるために、父様のお手伝いでお部屋の飾りつけを頼めるかしら?」
「うん! オレも父様と一緒に頑張る!」
やはり人手が足りないみたいで、会場の手伝いをしてほしいと言ってきた。
エミルちゃんもまた一人で残すのは良くないと考えたのか、飾りつけを手伝ってもらうという名目で会場に呼び寄せる事にしたようだ。正確には父もいるとはいえ、触れられないので場合によっては何もできなくなってしまうし、それがいいだろう。
「それじゃあ行こうかエミルちゃん」
「うん!」
エミルちゃんは手に持っていた絵本を開いたまま床に置き、私の手を握ってきた。
私はエミルちゃんの小さな手を握り返し、二人でゆっくりと扉を開けてお手伝いをしに行くのであった。
カーテンを大きく揺らしながら、部屋の中に入り込む少しだけ強い温かな風
風に吹かれ、部屋の真ん中に置かれた絵本のページがパラパラと捲れていく
幸せな少女の顔、真剣な青年の表情、泣いてる青年と慰める少女、美味しいご飯を囲む笑顔な二人……ページが巻き戻り、様々なイラストが代わる代わる現れる
そして、青年と大きなバフォメットの少年が互いにパンチを繰り出している絵も捲られ……絵本は表紙を上にしてパタンと閉じた
絵本の表紙に描かれているのは……最高の笑顔を浮かべながら、互いに見つめ合っているバフォメットと青年の絵
そして、この絵本のタイトル……
『タイムトラベルストーリー』
──Fin.
小さな村に住む魔物狩りの青年と、人間が嫌いなバフォメットの少年のお話です。
好き勝手に人を殺し食べ回るバフォメットを、偶然居合わせた青年が妹と一緒に止めたところから始まった二人の因縁。
この日もまた、二人は名もない山道で闘っていました。
火の玉が降り注ぎ、剣で魔術を斬り裂いたり、水でできた龍が飛び交ったりと、それはそれは激しい闘いでした。
しかし、どんなに激しい闘いになろうと、二人の闘いの結果はいつも一緒。
魔術が飛び交おうが、地面が裂けようが、最後はいつもパンチやキックで闘って、互いの攻撃が互いにヒット。二人は仲良く気を失って倒れてしまいます。
今日も互いのパンチが見事に決まって、二人して倒れてしまいました。
青年の妹とバフォメットの部下の魔女が互いに連れ帰り、その日もまた決着がつかないまま別れました。
それが、長い長いお別れになるなんて、この時は誰も思いませんでした……
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「ん……くぁ……」
天窓から差し込む日差しに、俺は眠りから目が覚めた。
ここは親魔物領の村『ティムフィト』の村長の家の一室。そして現在は俺も住む家の寝室でもある。
その寝室にドンっと置かれた大きくふかふかなベッドの上で、俺はゆっくりと身体を伸ばす。
「ふぅ……あれ? ティマは……」
寝ぼけ眼を擦りながら、隣に眠る妻――いや、サバト的に言えば妹か――妹のティマのほうを向いたが……そこにティマの姿はなかった。
「もう起きたのか……んむっ!?」
今日は二人揃ってお休みだしもう少し寝ていると思っていたが、どうやらすでに起きているようだ。
昨日の段階で今日の準備はそこそこ済ませてあるし、動くのは昼からで問題ないが、起きたなら何かしらしているのだろう……なんて思った瞬間、下腹部にねとっとした感覚が走り、思わず変な声がでた。
「ちょ……おい!」
「んあ? あ、おはよう兄様」
まさかと思い布団を投げ飛ばしたら、やはり俺の股の間に寝間着姿のティマが居た。
「おはよう。まったく……寝込みを襲うなよ」
「仕方ねえじゃん。こんなにいきり勃たせたおちんちんが目の前にあるんだぜ? 弄るなって言う方が酷じゃねえか♪」
ティマは寝ていた俺の寝間着のズボンを下ろし、朝勃ちしていたペニスをそのモフモフの手で握っていた。ぷにぷにの肉球が根本を緩急付けてマッサージし、毛皮が鈴口をくすぐる感覚に、男根がビクンビクンと震える。先程のねとっとした感覚は、全体的に濡れているところからしておそらくその可愛らしい小さな舌で舐めていたのだろう。
「いや……本当にお前は寝込みを襲うの好きだなって。互いに休みの時は3回に2回ぐらいのペースで朝起きたらフェラされてるしさ……」
「まあ……兄様はそういうの嫌か?」
「う……嫌ではないが、不意打ち喰らった気分になるなと……なんか、勿体ないというか……」
「はは、何だよそれ!」
愛する伴侶に可愛らしくキョトンとした顔で嫌かと聞かれ、嫌だといえる人は果たしてどれほどいるのだろうか。少なくとも俺には言えなかった。
ただ、ティマはこっちが寝ている時に性的に襲ってくる事が本当に多い。以前指摘した時には「何百年もお預けされてたからか寝起きとかで頭がぼーっとしている時に朝勃ちで精の匂いを感じると歯止めが利かなくなっちまう」と言っていた。そう言われるともう何も言えなくなる。
ちなみに後から知った事だが、俺の初キスも初セックス前の気絶中に奪っていたとの事だ。そういった二人で共有したい物を、自分が知らないうちに済まされているのはちょっと空しくもなるのでできれば控えて欲しいが……現状からして難しいだろう。
「で、続きしていいか兄様?」
「はぁ……いいぞ。でも黒ミサの時以外に兄様は止めてくれ。ムズムズする」
「わかってるよタイト、からかっただけだ♪」
「まったく……」
にっこり顔で続きをしていいかと聞いてきたティマ。それに対し、俺は兄様呼ばわりされている部分に溜息を吐きながらも許可を下ろした。
駄目だと言ってもどうせ無理矢理されるし、そもそもインキュバス化して久しい俺が途中で止められて我慢などできない。だから中断させる理由がなかった。
「それじゃあ改めて……はむっ」
許しを得られたティマは、ウキウキとして俺のペニスをその小さな口で咥えた。
「んる、れろ、じゅる……んっ」
陰茎を肉球で扱きつつ、柔らかな舌で口内に含んだ鈴口を舐めるティマ。雁首を小さな牙で引っ掛けながら、尿道口を舌でなぞり攻める。
小さな女の子が赤黒く血管が浮き出るペニスを、まるで甘いキャンディでも舐めているかのように夢中でしゃぶっている様に、背徳感と興奮を覚え高ぶる。
ティマ限定とはいえ少女の姿をした者の淫らな行為に興奮している俺は、もう立派にロリコンに堕とされたのだなと思いながらも、リリム顔負けのその性テクニックに俺は心も股間も震わせる。
「じゅぷっ、じゅ、ぢゅぽ、ぢゅるる……」
舐めるだけでは飽き足らず、顔をゆっくりと上下に動かす。唇の先が触れているぐらいまで顔を引き、またゆっくりと先端が喉につっかえる程飲み込んでいく。毎度苦しくないのかと思うが、喉を突く度に快感を得たように目をとろんとさせているので心配は無用なのだろう。
また根本での肉球コキも、それ単体と比べれば動きは大人しめとはいえ、じわじわと性感を刺激する。ぷにぷにで、それでいて柔らか過ぎない一部の獣系特有の軟肉の塊に挟まれて感じないわけがなく、先走り液をその口の中に溢れ出させる。
「れるっ、ぢゅっ、じゅるっ、ちゅ……」
段々激しくなる顔の動き。それに併せ、舌も縦横無尽にペニスを舐めまわす。
しかも、ストローでジュースでも飲むかの様に時々強く吸う動作も混ざり、その勢いに腰が浮き彼女の喉奥を突いてしまい、それがまたじんわりとした快感を生み出す。
「じゅずず……ぢゅる、じゅぷっ……んんっ、ごくんっ❤」
そのままねっとりとフェラチオをされ続け……俺はオーガズムに達し、目の前の幼女の口の中に精液を放出した。
どくどくと勢い強く溢れ出る精液を一滴も逃すまいと口を窄め、喉を鳴らして美味しそうに飲み込むティマ。悦びながら精飲する愛しい妹の姿に更なる興奮を覚え、射精の量と勢いを上乗せする。
「ん……ちゅ。んふふ、相変わらず濃いザーメンだな♪」
数十秒続いた射精が落ち着き、ティマは名残惜しむようゆっくりと顔を上げ、口からペニスを離した。
全部飲み込んだことを見せつける為か、大きく口を開けながら機嫌良くそう言ってきた。喜んでもらえて何よりだ。
「それじゃあ今度はこっちに……」
しばらくは余韻に浸っていたが、ある程度堪能した後身体の向きを変え、自身の股を広げながらそう言ってきたティマ。つまりはそのまま本番行為をお望みなのだろう。
「おいおい、今日は大切な日だろ?」
だがしかし、今日はとても大切な日だ。それに向けてこれから色々と準備しなければならないから、そこまでゆっくり交わる時間はないので誘いを断ろうとした。
「まあそうだが、だからこそだ」
「え?」
「前にさり気無く欲しい物を聞きだしてみたけど……妹が欲しいってさ」
「……そうか」
が、そう言われると断れない。
真偽はわからないが、バフォメットは強大かつ長寿の魔物だからか他の魔物以上に子供が産まれにくいと聞いた事がある。だからこそ、妊娠させるためには回数を重ねる必要があるのだ。
「それにさ、タイトは一回口に出しただけで満足したか?」
「それはまあ……お察しの通りで」
それに、ティマの指摘通り俺自身満足はしていない。一回射精したというのに、俺のペニスは未だはち切れんばかりに勃起している。
そもそもインキュバス化した人間が一発口で抜かれただけで満足なんてできるわけがない。特に自身をインキュバスにした伴侶が満足していないのに、それで性欲が収まるなんてありえないのだ。
「という事で……いいよな?」
「わかったよ。でも、本当にほどほどにな」
「わかってるって」
そういうわけで、結局は時間を忘れないようにしつつ続ける事にした。全く時間がないわけではないので、気を付けていれば大丈夫だろう。
「それじゃあ、脱がすぞ」
「ああ……ひゅんっ!?」
俺はティマが着ている子供用の寝間着に手を掛けてゆっくりと脱がしていく。すべすべとしたお腹、小さくて綺麗なお臍、そして……ふっくらとしたちっぱいが現れる。きめ細やかな肌がほんのり赤らみ、また乳首が膨らんでいるので興奮しているのだろう。
途中角や耳に引っ掛ける事無く脱がした後は、ズボンのほうも脱がしに掛かる。膝立ちになってもらい、膝まで一気に下ろした。露わになった、寝間着とは違いこちらは大人の女性が穿くような無地の下着は、丁度股間の辺りが一筋の線状に染みができている。
思わずそれに目を奪われつつも、今度は座ってもらい膝から片足ずつパジャマを脱がした。昔はよく引っかかっていた蹄だが、今はスムーズに外せるようになっていた。それどころか脱がせついでに硬い蹄に指を這わせる。なんだかムズムズするらしく変な声をあげるので少し楽しい。
「蹄触りやがったなこの野郎……触るならこっちにしてくれ♪」
そう言いながら下着をずらし、毛が一本も生えていない一見未成熟な女性器を見せつけてきたティマ。染みがついていたので予想はできていたが、そこは既に湿っていた。
「何なら舐めてくれても……あっ❤」
「いいぞ。望み通りにな」
ティマが言い切る前に、俺は彼女の股の間に頭を持って行き、その小さなスリットに舌を這わせた。決して不快ではない牝の匂いが鼻腔を突く。
また舌先でちょんっとクリトリスに触れる度、普段の男勝りな口調からは想像つかない可愛らしい声が漏れる。そして、愛液が溢れる。
「ふぁっ、んっ、んんっ♪」
ティマの腕が、もっと舐めてくれと言わんばかりに俺の頭を押さえつける。
陰唇に唇が触れるぐらい押さえつけられたので、垂れてくる愛液を舌で掬い取りながら、指で広げつつ表面だけでなくその綺麗な膣内にも舌をねじ入れる。ぐにぐにと蠢く膣襞が舌を絡めとり、唾液を搾り取ってくる。その動きは、まさに精を搾り取ろうとしているようだ。
「んあ……ん? やめちゃうのか?」
「ああ。もう挿れたい」
「うわ……仕方ないなぁ……❤」
何時もならばそのまま一回イかせるが、今日は予定もあるし充分解れたところでクンニを止めた。
ちょっと不満そうな顔を浮かべたティマだったが、血管が浮き出る程ガチガチに勃起したペニスを見せたらそれだけで涎を垂らす程笑顔になった。
「ほら、挿れるぞ……」
「ああ……んんんっ♪」
横になったティマに覆い被さり股を広げさせ、上の口と同じように涎を垂らす割れ目に狙いを定め……ゆっくりとその肉棒を挿入した。蕩けるような熱を持つ肉を掻き分け、根本まできっちりと飲み込ませる。
「あっ、ああっ、いっ良いぞ、タイトッ!」
片手をベッドにつき体重を支え、ティマのうっすらと膨らむ胸にもう片方の手を添えて、始めはゆっくりと腰をスライドさせた。
狭く締まる膣がペニスに絡みつき、舌の時以上に貪欲に精を貪る。あれから10年は経ったが、このロリマンコに慣れる事も飽きる事も無く快楽を叩きつけられる。流石に童貞の時と違い挿入即射精には至らないものの、長い時間耐える事は到底できない。
「ふぁぁっ、ぁっ、あはっ、ああぁあはぁああっ❤」
腰の動きを速め、子宮口に亀頭を叩きつけるように打ち込む。イキかけていた状態での激しいピストン運動に相当感じているようで、モフモフで肌触りの良い手を背中に回してしがみ付くティマは、涎を撒き散らしながら身を捩っている。硬くしこり勃つ乳首を弾く度、ぎゅっぎゅと膣が締まりペニスを搾り溶かす。
直接的に触れる刺激だけではなく、部屋中に響く卑猥な水音に混じる、目の前の見た目幼女の妖絶な息遣いが耳を犯す。トロトロに蕩けた恍惚な表情や、柔らかく綺麗で張りのある肌が目を犯す。舌に残る愛液が口の中で絡みつき舌を犯す。全身から溢れ出す汗の甘く良い匂いが鼻を犯す。
余す事無く五感を犯された俺は、最後に子宮にねじ込むように腰を打ち出し、激しく射精した。
「ひぐっ、ふあああああっ! 熱いのいっぱいだぁ……❤」
びゅくびゅくと激しく腰を震わせながら放出する子種汁は、その小さな蜜壺に余す事無く注がれていく。
全身を走る快感に身体が強張り、精を沢山搾り取られる。ティマも絶頂に達したようで、小刻みに腰を震わせながら全身をくねらせ、溢れ出る精をその魔性の幼膣で吸い上げている。
「ひぁぁ……ぁっ……❤」
長く続いた射精も落ち着き、力が抜けた俺はティマの小さな体に圧し掛かる。汗ばんだティマの身体と触れ合うが、そこに不快感など欠片もない。ドクンドクンと激しく脈打つ互いの鼓動を強く感じ、心が更に高まっていく。
「はぁ……はぁっ……んっ」
快楽に潤んだ目でしばらく見つめ合った後、俺達は息も整い切らないうちに唇を重ねる。柔らかく小さな唇を舌で割って入れ込み、口の中でぬめった舌を絡めた。
ぬちゃ……と淫靡な音が耳に響く。俺の唾液がティマに流れ、ティマの甘い唾液が流れ込む。
ディープな口付けに伴い、俺とティマの身体も強く密着する。温かで滑々な身体が擦れ、欲望がまたむくむくと膨れ上がっていく。
「んぁ……タイトぉ……」
口を離し、繋がった雫が落ちる間また見つめ合う。
そのまま再び腰を動かそうとしたのだが……
「もう一回……」
「うわっ!?」
「……ん?」
すぐ隣からガタっと何かが落ちる音と、小さく可愛らしい驚きの声が聞こえてきたので、思わず音のした方へと振り向いた。
「あ……」
「え、えへへ……お、おはよう父様、母様……」
そこには、ティマと瓜二つな容姿ながらも一回り小さいバフォメットの女の子が、少し興奮で顔を赤らめつつも苦笑いをしながら転がっていた。
「こらエミル。こっそりと覗いていたな?」
「あ、あはは……ごめんなさい」
彼女の名はエミル。俺とティマとの間にできた娘だ。
今日で5歳となる彼女は、半年ほど前から同じ部屋の別のベッドで寝ている。どうやら俺とティマが交わっている間に起き、布団の中からこっそり覗いていたようだ。そして夢中になりすぎて前のめりになってベッドの上から転がり落ちたようだ。
「まったく……見るなら堂々と見なさい」
「え?」
「は?」
「なんだ? 別におかしなこと言ってねえだろ?」
黒ミサで他の魔女や使い魔たちの前で淫らな事をさせられる事もあるとはいえ、実の娘に夫婦の営みを見られるのは流石に恥ずかしい。
それはティマも一緒でエミルを叱った……と思ったら、どうやらちょっと違っているようだ。
「エミルも今日で5歳。多くの魔女達を率いサバトを統べる者として兄様の堕とし方を、女としての幸せを知る必要もあるだろ」
「いや、まだ5歳だしいくらなんでも流石に早くないか?」
「それは人間の基準だったらだろ? エミルは魔物、しかもバフォメットだ。性行為自体は流石にちょっと早いとは思うが、その知識を学ぶのは5歳でも充分だ」
「そう……なのか?」
どうやらティマは丁度良い機会だからとエミルに性知識を教えるつもりらしい。
見た目通り幼い子供に教える事ではないと苦言を呈したが、ティマ曰くバフォメットならそうでもないとの事。そんなわけない……と言いたいところだが、バフォメット本人に反論できるほど俺はバフォメットを始め魔物全般の事はわからないので、引き下がるしかなかった。
「はぁ……娘に見られながらってのは恥ずかしいのだがな……」
「まあまあ、これも大事な娘への教育だからな。ほらエミル、もっと近づきな」
「うん!」
ティマに呼ばれ、とてとてとベッドの淵までやってきたエミル。
その視線は俺とティマが繋がっている場所に向いている。魔物だからか、それとも自分の知らない事だからか、興味津々な様子だ。
「それじゃあタイト、今度はオレが上な」
娘に見られながらだからか、先程までより余裕があるティマがそう言ってきたので、俺は一旦結合を解きベッドに横たわった。
そしてティマは起き上がり、俺の腰の上に跨った。ティマの性器から足伝いに垂れ落ちる白濁液……俺が出したものだけではなく、ティマ自身の体液も混じったそれが、ベッドに小さく染みを作る。
「それじゃ挿れるぞ……んんっ♪」
そして、天井を指しているペニスに手を添え位置を調整し、ゆっくりと腰を下ろし挿入した。
狭く濡れた膣内を引っ掛かりなく進み、あっという間に根本まで飲み込まれた。
「凄い……父様の大きいおちんちん、母様に入っちゃった……痛くないの?」
「痛くないぞ。それどころか、好きな人のおちんちんがおまんこに入ると、すっごく気持ちいいんだ」
エミルと会話をしながらも、手を俺の胸につき腰を前後に小さくスライドさせ、絶え間なくペニスに刺激を送るティマ。その言葉通り、目尻をとろんとさせとても気持ちよさそうな表情を浮かべっぱなしだ。
「勿論、挿れたほうも……な?」
「あ、ああ……ぅあっ……」
「父様……すっごく気持ちよさそう……」
目を輝かしながら結合部をじっと見ているエミルを余所に、俺はティマの膣が与えてくる快感に身体を震わしっぱなしだ。
初めての時と違い俺も腰を下から突き上げてはいるが、騎乗位ではやはりティマに一方的に犯される形になりやすい。余裕があるティマと比べて俺には余裕がなく、単調な動きで突き上げるだけになってしまう。
「んぁっ、んっ、こ、こうやって腰を動かすと、ふぁっ、おちんちんが精液を出したいよってびくびくって震えるんだよ」
「へぇ……精液って?」
「男の人が出す、んっ、美味しい赤ちゃんの素だ」
「赤ちゃんの……」
ティマの爪で乳首を弄られ、じわりと高まっていく快感。俺の股間は透明な液をティマの膣内へと垂れ流しながら痙攣を繰り返している。
顔を赤らめながらティマの言った事を復唱するエミル。しかしその声は俺の耳には入ってこない。何故ならば、ティマはラストスパートと言わんばかりに激しく上下に腰を動かすからだ。暴力的なまでの妖絶な幼膣の攻めに、根こそぎ精が搾り取られるようだ。
「あっ、んんっ、ああっ❤」
貪欲な腰の動きに勿論耐えられるわけもなく、俺は再びティマの子宮へ射精した。
精巣から一滴残らず搾り取るかの如く蠢く膣に、今日だけで3発目だというのになおも勢いを強くする。
「ん……ふぅ……」
十数秒は続いた射精が止まり、ティマは腰を上げペニスを抜いた。
栓がなくなり、こぽ……と泡を立て秘部から流れ落ちる白濁液。それだけの量を射精したと思うと、インキュバスも凄い物だと実感する。
「母様、その変な臭いの白いのが……」
「ああ、精液だ。こうやっておまんこの中に出してもらう事で、子供を作れるんだ。もしかしたら妹もできるかもな」
「妹……! じゃあオレにも妹ができるの!?」
「絶対じゃないけどな。だからこそこうやって愛しい人といっぱいセックスするんだ」
これだけ出しても確実に妊娠するわけじゃないし、むしろ受精するかどうかも怪しい所だ。エミルの時だって、兄妹になって数年でティマが妊娠したことに周りの魔女達は凄く驚いていたし、そう都合よくはいかないだろう。
それでも、妹ができるかもと喜ぶエミルを見ていたら、是非ともできていてほしいと願うものだ。
「さてと、満足まではしてねえが……エミルも起きた事だし、ここで止めて朝飯にするか」
「だな」
妹を作るのであればもう何発かシたほうが良いとはいえ、今日はそこまで時間に余裕はない。エミルも起きたので少し遅めの朝食にするべく、交わりはここでやめる事にした。
「やめちゃうの?」
「ああ。ほら、今日はエミルの5歳の誕生日パーティーがあるからな」
「ホーラとかお友達も呼んであるし準備もあるから、何時までもシてるわけにはいかん。エミルもパーティーは楽しみだろ?」
「うん!」
そう、今日はエミルの誕生日。それを祝うパーティーを夜に行う予定だ。
家族だけで祝うならともかく、ホーラ達やティマの部下、友人達も招待したそこそこ大きな規模のパーティーなので、それなりに準備がかかるし遅らせるわけにはいかない。時間がないと言っていたのはその為だ。
「それじゃオレは軽く朝飯を作ってくるから、タイトとエミルは食卓の用意をしておいてくれ」
「ああ」
「はーい!」
ベッドから降りて身体を拭き、服を着て身を整えた後、ティマは朝食を作るためキッチンへと向かった。
俺とエミルはダイニングルームへと向かい、机を拭くなど準備をしながらティマの美味しいご飯を待っているのだった。
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そして、何度目かわからない二人の対決の日。
準備は万端。意気揚々とバフォメットと決着をつけるために山道を歩く青年とその妹。
今日はどうやって闘おう、どんな魔術が飛んでくるだろうなんて、これからの闘いの事を思い思いに喋りながら歩いていました。
しかし、それは突然やってきました。
もう少しでバフォメットと闘う場所まで辿り着くという所で、二人の目の前がぐにゃりと曲がりました。
真っ直ぐな気はぐるぐるになり、ぐにゃぐにゃな山道は大きく波打ち、ぷかぷか雲が浮かんだ青空はぐちゃぐちゃで青白いあみあみになりました。
風景だけではありません。二人の身体もふにゃふにゃと揺らめき、言葉も自分で何を言っているかわからない程ぐわんぐわんになっています。
一体何が起きているのかまったく状況が飲み込めない青年は、いつしか気絶して……
目が覚めたら、なんと500年後の世界に飛ばされていました。
そして、そこに居たのは……幼く可愛い少女の姿になった、かつて闘っていたバフォメットでした。
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「ホーラ、忘れ物はない?」
「完璧」
丁度お昼を過ぎた頃、私とヴェンは家を出る準備をしていた。
「エミルちゃんへのプレゼントも持った?」
「勿論。何度も確認したから大丈夫」
今日は姪であるエミルちゃんの5歳の誕生日パーティーが開かれる。
開始時間は夜だが、私達はただ参加するだけではなく準備の手伝いも頼まれているので、他の人より少し早めに会場である村長宅へと向かおうとしているのだ。
「それじゃああとはお義母さん達を呼ぶだけだね」
「そうだね。お母さーん!」
誕生日プレゼントを始め、パーティーに必要な荷物を纏め終えあとは出発するだけになったので、私は両親の部屋を開けてゆっくりと寛いでいる母を呼んだ。
「あら、出発時間?」
「うん。ちゃんとお父さんも連れてきてね」
「ええ勿論。ふふっ、孫の誕生日パーティーなんて楽しみだわ♪」
私の両親はもうとっくの昔に故人になっている。だからここに居る母は……私が死霊魔術でゴースト化した正真正銘私の母である。
どうやら両親は亡くなった後私とお兄ちゃんの守護霊として見守っていてくれていたらしい……が、私達が今の時代に飛ばされたせいで見失い、それが原因で心が壊れた状態でこの家のこの部屋に地縛霊として500年の間ずっと縛られていたみたいだ。これは後に知った事だが、ティマさん達がこの部屋を一切手を付けずに強力な保存魔術だけ掛けていたのはその関係もあったそうだ。
10年前ティマさん達とコロシアムで闘うために精を搾り力を付けた私は、そこで初めて限界近くまで削れていた両親の魂を感じ取れた。だから完全に手遅れになる前に母をゴーストとして蘇らせ、正気を取り戻させたのだ。
「じゃあ行きましょうかお父さん」
ちなみに、父は未だに魂として存在している。女性を魔物化させるのと違い、私では男性を実体として蘇らせる事ができないからだ。
一応母の手厚い介護……というか熱い抱擁の甲斐もあって父もきちんと正気を取り戻しているが、現状私や母などアンデッド型の魔物以外との意思疎通はできない。この家に住むようになり毎日アンデッドに囲まれて暮らすが故霊感が付いたらしいヴェンはなんとなく存在を感じられるが、逆にティマさんの所で暮らすようになったお兄ちゃんに至ってはその魂を感じる事もできないのが現状だ。
とはいえ、聞いた話によると不死者の国へ行けば父を肉体をもつインキュバスにする方法もあるらしい。孫に触れられないままでは流石に寂しいだろうし、そのうち行く予定だ。
「ごめんね、ヴェン君にばかり重たい荷物を持たせちゃって」
「いえ、僕は非力ですがこれぐらいなら問題ありません。それに乗合魔力車を使うのでそう苦労もしませんから」
両親やヴェンと共に家を出て、そこそこ荷物もあるので徒歩で向かわず、乗合魔力車の停留所まで向かった私達。
「そろそろ停留所だね……おや、あの人は……」
「あ、こんにちはヒーナさん」
「あら、こんにちはホーラちゃん達。今から村長さんの所?」
「はい」
そこには、魔力車を待つヒーナさんが居た。
「ヒーナさんはどうしてここに?」
「私は仕事終わりで、ちょっとした用があってジュリーの家に寄っていたのよ。帰ったら少し寝させてもらうけど、夜のパーティーには息子達を連れて参加するわ」
ヒーナさんの家や自警団本部はここからだとちょっと離れた場所にあるのでどうしてここに居るのか疑問だったが、どうやらお隣さんに寄っていたらしい。
ちなみにそんなヒーナさんは未だに人間であり、息子が二人いる既婚者だ。お母さんでありながらまだ自警団をやっているのは、本人曰くこれが天職だからだそうだ。
「あら、それはエミルも喜ぶわね」
「ええ。うちの長男ととっても仲が良いですからね。まあ、メイを始め多くの知り合いに狙われていますから将来的にどうなるかはわからないですけど」
「ははは……」
そんなヒーナさんのとこの長男とエミルちゃんは仲が良い。エミルちゃんのほうが2歳年下で、兄貴分として慕っているし、将来的には本当に兄になるんじゃないかと私達の間では噂になっている。
とはいえ、近年人口が、特に魔物人口が増加傾向にあるこの村では貴重な男の子なので、結構狙っている人が多いのも事実。だから将来どうなるかは……時間を越えてみたりでもしない限りわからないだろう。
「はは……おっと、魔力車が来たようだね」
「だね。あ、引いてるのヨルムさんだ。久しぶりに見た」
ヒーナさんとお喋りしていたら、定時通りに乗合魔力車が停留所に向かって走ってきているのが見えた。漆黒の鱗肌や大きな翼、紅い長髪が見えるので、引いているのはヨルムさんだろう。
「よっと。時間通りだな。乗るかい?」
「ええ」
見えていたとおり、丁度降りたモックさん以外誰も乗っていなかった魔力車を引くヨルムさんが到着したので、私達やヒーナさんは乗り込んだ。
「それじゃ出発するぜ。気持ち悪くなったらオレ様に声掛けてくれ」
全員が乗り込んだ後、ゆっくりと動き始めた。
「ヨルムさんが引いているのって久しぶりじゃないですか?」
「まあな。今日はこっちが人手不足だったもんでな。空運部隊は問題ないが、こっちが今日発情休みが多くてさ。あんま盛り過ぎるのも困ったもんだわ」
「はは……お疲れ様です」
ヨルムさんが個人で始めた運送事業も、ここ10年で多くの人……というか魔物を雇い規模が大きくなった。今では言った場所に行ってくれるものだけでなく、村中を何台もの魔力車が停留所で待っていれば一定のルートで走ってくれるようになってさらに便利になった。近くの街までならば空を飛べる魔物によって運んでもらえたりもする。台車自体も引いている人の魔力を媒体に動く魔力車に改造され、前より負担が軽減されているらしい。
「それにしても、この運送業もすっかり人気になりましたね。それに伴ってヨルムさん自身も」
「ほんと、人食いのドラゴンがここまで村に馴染むとはねー」
「うぐっ、昔の事言うのは勘弁してくれよヒーナ。食おうとしたことは本当に済まなかったと思ってるからさ……」
「ふふっ冗談よ。ま、こんな感じに揶揄えるぐらいには身近になったかな」
ヨルムさん自体は雇い主として今は取締りの立場だが、今日みたいに人が足りないと現場に出てくる時もある。どちらにせよ、今となってはティマさん並に村の顔となっており欠かせない存在になっていた。
「昔といえば、なんで私達は時間を越えたんだろうね?」
「さあな。てかそれはお前らが調べてるんじゃなかったのか?」
「結局何も進展ないからとうの昔に打ち切ってる。私個人がたまに調べてるだけ。現状何もわからないけどね」
そんなヨルムさんも、元はといえば私達と同じく500年の時を越えてきたドラゴンだ。
「そっか。オレ様はなんとなく推測できてるけどな」
「へぇ……何?」
「オレ様もお前も、お前の兄貴も、きっと時間を越えなければこうして生涯のパートナーを見つける前に死んでたと思うんだよ。オレ様はエインの奴に、お前ら兄妹はティマ達に殺される形でな」
「それは……そうかもね」
何故私達がこの時代に飛ばされたのかは、今でも正確な理由はわかっていない。
「だが、それはティマにとっては不幸以外の何物でもねえからな。だから、今のお人好しそうな魔王か、あるいはそれよりもっと上の存在が気を利かせてそうならない様に時間移動させた。んでオレ様達はそのついでだな」
「うーん……適当すぎるけど、見当外れとも思えないわね。実際時間移動したからお兄ちゃんとティマさんは結ばれた。私もこの時代に来たからヴェンと会えたわけだし、ヨルムさんもアルサさんと出会えた」
「だろ?」
それでも、ヨルムさんが言った推測は全てが正しいとは思わないが、あながち間違ってもないと思う。
あの時代に居たままなら、魔王が交代する前に私達が殺されていた可能性は否定できない。ただその場合、ティマさんは今の幸せを一生掴む事は無かった。ティマさんだけではなく、私達もだ。
「まあ、一つだけ確実に言えるのは、オレ様達はこの時代に来れて良かったってこった」
「まあね」
だからこそ、原因はともあれ私達はみんなこの時代に来れてよかったと言えるだろう。
そうでなければ、私はヴェンという最高のパートナーと出会う事すらなかったのだから。
「おっと、次の停留所が見えてきたが、誰もいねえな。降りるわけじゃなければそのまま過ぎ去るけどいいか?」
「私達はいいよ。目的地は村長の屋敷だからね」
「私も自分の家の最寄だから構わないわ。それより、折角だから過去の話を聞かせてよ」
「わかった。んじゃ何から話すかな……」
ガタンガタンと揺られながら、私達は目的地まで過去の話などで盛り上がったのだった。
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自分達の暮らす村から闘っていたバフォメットまで、何もかも変わってしまった世界。
どうしてこの時代に来たのかも、元の時代に帰る方法もわかりません。
当然のように青年は困ってしまい、素直に受け入れる事ができませんでした。
それでも、村長さんになったバフォメットに助けられながら村を護る自警団として500年後の世界を生きる事にした青年。
元々は敵だった魔物達と共に、バフォメットを倒そうと息巻いた勇者を難なく倒したり、同じく500年前から来た人食いドラゴンをなんとか退けたりと大忙し。
また、なんだかんだ言いつつも、青年は少女となったバフォメットとも仲良く500年後の世界を楽しんでいました。
二人でお喋りしたり、時には美味しいご飯を作ってもらったりして、ちょっとした冗談こそ言い合っても昔のように喧嘩はせず一緒に笑い合っていました。
長い月日が経ち人間が嫌いではなくなっていたのですから、バフォメットもそれが楽しくて仕方ありません。心の底から笑う彼女は、今の時間を本当に大切にしていました。
昔は殺し合っていたなんて雰囲気はまったく感じる事無く、周りの人々もまるで二人の事を恋人同士のように見ていました。それぐらい息もぴったりになっていたのです。
しかし、それでも心のどこかではやっぱり元の時代に帰りたいと思っている青年。
そんな青年に、その考えを大きく膨らませてしまうような事件が起きました。
一緒に時間を越え、唯一の家族だった妹が事故に巻き込まれ死んでしまったのです。
悲しみに沈む青年。涙を流し、雨が降るお葬式の中で叫び続けます。
バフォメットが声を掛けてちょっとは落ち着いたものの、やっぱり心は暗く沈んだままでした。
そんな青年の前に現れたのは……なんと、死んだはずの妹でした。
この時代に来て好きな男の子ができた妹は、その想いが実を結びリッチとして蘇ったのです。
青年は戻ってきた妹を見て元気になり、立ち直ったかのように思えました。
しかし、青年は元々魔物狩りをしていた人間。形はどうあれ魔物化した妹の事も、全部は受け入れられませんでした。
だからこそ、それが引き金となり……青年は元の時代に帰りたいと強く思うようになってしまったのでした。
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「ようこそお待ちしておりました。荷物はこちらでお預かりいたします。それではご案内いたします」
「どうもエインさん」
魔力車に揺られながら数十分。私達は目的地である村長宅に着いた。
別に見知った場所なので必要はないが、エインさんの案内で私達はお兄ちゃん達がいる部屋へと向かう。
「もう二人とも準備を始めてる感じ?」
「ええ。タイト様はパーティー会場の設営を、ティマ様はパーティー用の料理を作っています」
「毎年の事だけど、娘の誕生日だからと張り切ってるみたいね」
「それはもう張り切っていますね。ちなみにエミル様は現在隣の部屋で絵本を読んでいますよ」
大きなお屋敷をゆっくりとお話しながら歩いて二人の元へと向かう。
所々開いている窓からは涼しく心地よい風が流れており、カーテンが少し靡いている。
「いやしかし今日のパーティーを無事に開けて良かったですね。数日前、ティマさんを狙った勇者が屋敷に侵入したと聞いたのですが……」
「ええまあ。勇者もかつてのアルサさんと違い結構な強者でした。バフォメット対策もばっちりでしたし、下手をすればティマ様も危うかったかもしれません。ですが、タイト様が駆けつけ難なく倒したので大事にはなりませんでした」
「流石うちの息子ね」
ほんの数日前、ティマさんを倒そうと一人の勇者がこの屋敷へと侵入した。環奈さんの監視すら掻い潜り暴れ回った勇者に、幸い死者こそ出なかったとはいえ怪我人や物損などの被害が出た。
しかし、有事の際はすぐに屋敷へと転移できるようになっていたお兄ちゃんがすぐさま家族の元へ駆けつけ、その勇者と闘い掠り傷を負う程度で勝利したため大事には至らなかったのだ。
「それもエインさんが引き続きお兄ちゃんを鍛え上げてくれたからだね。ありがとうございます」
「いえいえ。それも、主の為ですから」
この時代に来たばかりのお兄ちゃんでは到底歯が立たなかっただろうその勇者に勝てたのは、単にエインさんがあのコロシアムでの闘い以降もお兄ちゃんを鍛えてくれていたからだろう。
拳は勿論、今となってはへなちょこだった剣の腕前も達人レベルになっていた。それどころか、バフォメットの魔力によってインキュバスになったおかげか、自身の魔力で身体強化魔術を掛ける事もできるようになっていた。
その為、現在ではその実力はバフォメットの兄にふさわしく単独でもティマさんに並ぶようになっており、エミルちゃんは勿論、ティマさんもかなり頼りにしているようだ。
「そんな感じでタイト様が被害を抑えてくれましたし、折角のエミル様のお誕生日会を中止にさせるわけにもいきませんから、荒らされた屋敷も即日で元通りにしました」
「まあ、それはここの魔術研究室で働くあなた達も知っている事だとは思うけどね」
「あ、ウェーラさん。こんにちは」
そして、今日の誕生日会の為に魔女達総出で元通りに直された屋敷を見て回っていたら、廊下の向こう側からウェーラが歩いてきた。
「登場が遅かったじゃない。何かしてたの?」
「ええまあ。長女と、ついでにたまたま長女の所に居た次女と連絡を取っていたものでね」
「おや、プリンの所にサマもいたのかい? どんな様子だった?」
「はぁ……もう知らないわあんな娘。心配していた人の事を根暗ババアだの何だのと五月蠅いったらありゃしない。今度会ったら24時間快楽地獄の刑にでも合わせないと気が済まないわ……」
「は……はは……ま、まあ元気そうで良かったよ……」
何時もならエインさんと一緒なのだが、今日は居なかったうえに見るからに物凄く不機嫌だったのでどうしたのか聞いたところ……どうやら音信不通の次女と連絡がついたついでに親子喧嘩でもしていたみたいだ。
今の魔女らしく可愛いらしい容姿ながらもそれを打ち消すレベルのどす黒いオーラを放つウェーラに、エインさんも珍しくたじたじだ。
「でもいいなぁ……そうやって喧嘩できる娘が居てさ、羨ましいよ」
「はぁ? 何が……ってそうか。そういえばあなた達はまだ子供居ないのよね」
「そうだよ。私も娘、欲しいなぁ……」
でも、そんな感じに喧嘩できる娘が居るウェーラを、私は羨ましく思ってしまう。
私はお兄ちゃん達やウェーラ達と違い、まだ子宝に恵まれてはいない。度重なる性交で子宮の機能は完全に回復しているのだが、残念ながら実を結ぶ所までは行ってない。
今は姪のエミルちゃんを可愛がっているが、やっぱり自分の子供は欲しい。ヴェンに魔界の植物を盛ったり排卵しやすくしたり経箱から魂を戻した状態で交わったりと色々工夫はしているのだが、結果は出せていないのだ。
「ま、そのうちできるわよ。私なんて余程運が悪くて一人目まで一世紀は掛かったわけだしね。そっから先もほぼ百年単位だし、焦っても仕方ないわよ」
「うん……そうだね」
「代わりじゃないけど、今日は姪っ子のエミル様をその分可愛がってあげなさい。ほら、会場に着いたわよ」
「勿論そのつもりだよ。あと、案内ありがとうね」
子供が欲しい願望を垂れ流しているうちに、パーティー会場に辿り着いたようだ。
ちなみに会場は村長の屋敷の中でも一番大きい食堂のようだ。ここならキッチンも近いし、料理の追加もしやすいから選んだのだろう。
「お兄ちゃーん、来たよー」
会場の扉を開け、来訪を伝える。
そこでは、お兄ちゃんが部屋の飾りつけを行い、ティマさんが何かしら甘い匂いのする料理……おそらく誕生日ケーキを作っている最中だった。
「おっ来たか。早速だがヴェンはこっちを手伝ってくれ」
「はい!」
既にテーブルと椅子の準備はされているが、まだまだ部屋全体は飾り気がない状態だ。
大きい物を飾ったりする関係で男手が欲しかったのか、お兄ちゃんは私達を見るなりヴェンに手伝ってほしいと頼んできた。
「おっ増援はありがたい。義母様はオレと一緒に料理作りを手伝ってくれ。んでホーラと義父様は隣の部屋にいるエミルの相手をしていてくれ」
「はい、手伝うわね♪」
「うんわかった。隣の部屋ね」
そしてティマさんはお母さんに手伝ってほしいと声を掛け、私とお父さんにはエミルちゃんの相手をしてほしいと言ってきた。
居ても手伝えない父はともかく、正直料理の手伝いならば実体化できる時間がまださほど長くない母より私のほうが適任だが……ティマさんは父親は知っていても母親は知らないというのもあり、母親として成長する為にもうちの母と仲良くして色々と子育ての参考にしたいらしい。
だから私はそれを言わず、素直に隣の部屋に向かう事にしたのだった。
……………………
「過去に帰りたいと言う青年。でも、今の時代で折角仲良くなれたバフォメットは、それを聞いて怒ってしまいます」
「そのまま二人は大喧嘩。その場で殴り合いになりそうでしたが、二人の喧嘩を止めようとしたファミリアの提案で、出来たばかりのコロシアムで後日闘う事になりました」
「そして迎えた当日。500年前と同じように青年は妹と、バフォメットは部下の魔女と組んで闘いを始めました」
「剣と鎌がぶつかり合い、魔術が飛び交う激しい闘い。500年前と違うのは、死んでしまうような魔術がないというだけ。青年もバフォメットも、かつてと同じ闘いに熱くなってきました」
「そして闘いも終盤。500年の差をひっくり返すような強さを見せる青年に、バフォメットも最後の切り札を見せます。それは、500年前の大きな怪物姿に変身する魔術でした」
「パワーもスピードも桁違いに強くなったバフォメットに青年は大ピンチ。なのに……青年は変わらないバフォメットの姿に思わずにっこりしています」
「そして、昔と同じようにパンチやキックで闘い、最後はお互い攻撃を決め合い……変わらず二人仲良く倒れてしまいました」
「闘いも終わり、目を覚ました青年。ふと身体の上を見ると、バフォメットの少女が上に乗っていました」
「同じく気絶していた少女は、夢で思い出していました……青年への恋心と、お兄ちゃんになってほしいという願いを」
「尚も帰りたいと言う青年に、少女は泣きながらもその想いを伝えました。するとどうでしょう……想いが届き、青年は帰りたいと言わず、ずっと少女とこの時代で暮らす事を伝えました」
「嬉しさのあまり満面の笑顔を浮かべる少女。その可愛さに見事恋に落ちた青年と、何時までも抱き合っていましたとさ」
「めでたし、めでたし……えへへっ♪」
大食堂の隣の部屋……食事中の親を待つ子供の為のプレイルーム。
窓が開けられ涼しい風が入るこの部屋の中央付近で、エミルちゃんが一人で絵本を読んでいた。
「こんにちはエミルちゃん」
「あ、ホーラ叔母様! 爺様も! こんにちはー!」
丁度絵本を読み終えたタイミングで声を掛けたら、そこで初めて私達に気付いたらしく、口を大きく開け可愛い笑顔で挨拶をしてきた。
「エミルちゃん、その絵本好きだね」
「うん! オレ、この絵本大好き! だってこれ、父様と母様のお話でしょ?」
「そうだよ。二人が夫婦になるまでのお話。素敵でしょ?」
「うん!」
エミルちゃんが手にしている本は、とある青年とバフォメットのお話……というか、お兄ちゃんとティマさんをモデルに少しだけ脚色を加えつつ要点をかい摘んだ絵本だ。
元々はセックさんが二人に取材し、ちょっと脚色を加えつつも大体そのまま初夜描写までそっくり書いた官能小説があり、これはミーテさんの友人のリャナンシーが気に入り子供向けの絵本にしたものだ。
大好きな両親が元々どのような関係で、どうして結婚したのかがわかる絵本だからか、エミルちゃんはこの絵本を物心ついた時から何度も繰り返し読んでいる。お兄ちゃんは少し恥ずかしいみたいだが、エミルちゃんは素敵だといつも言っていた。
「それはそうとして……エミルちゃん、何時も言ってるけど女の子が自分の事オレっていうのはどうかと思うよ?」
「えぇー!? だって母様だって自分の事オレって言ってるもん!」
「ティマさんはそこの絵本にあるように元々男の子だったから仕方ない。でも、エミルちゃんは生まれた時から女の子でしょ?」
「むぅ……別に良いじゃんか……」
まあ、両親のお話が好きなのは良いとして……女の子なのに自分の事をオレと言うエミルちゃんに軽く注意する。
同じ一人称のティマさんは勿論、そんなティマさんがいるせいかお兄ちゃんも全く注意しないどころかそれが普通だと思っているし、そんな二人に立場上ウェーラ達は何も言えないので、私しか注意する人が居ないのは困りものだ。
「もう……なんでオレにこだわるの?」
「だって……母様がそう言ってるから……」
「はぁ……まあ、そうだよね」
とはいえ、無理やり変えさせるのも違うと思うので、あまり強くは言えない。可愛らしい姿とのギャップに惹かれる人も居るだろうし、悪いとも言い辛いところだ。
でもやっぱり自分的にはもう少し言葉遣いも女の子らしくなってほしいなと思う。周りが普通に受け入れているので私のエゴではあると思うが、そっちの方が可愛いと考えてしまう。
「ま、いいか。それで可愛くなくなるわけでもないしね。さて、何しようか?」
この話は簡単に決着するものでもないのでとりあえず置いておき、私はエミルちゃんと一緒に何かで遊ぼうとした。
「ホーラ、エミル、ちょっといいかしら?」
「ん? どうしたのお母さん?」
「あ、婆様! こんにちはー!」
その瞬間、壁をすり抜けてプレイルームに来た母が私達に呼び掛けてきた。
「こんにちは。いやね、やっぱりホーラにもこっち手伝ってもらえないかなと……結構な量を作らないといけないし、二人だと手が回らないわ」
「成る程、わかった。エミルちゃんは?」
「そうねえ……一緒にこっちに来てくれるかな? お友達を迎え入れるために、父様のお手伝いでお部屋の飾りつけを頼めるかしら?」
「うん! オレも父様と一緒に頑張る!」
やはり人手が足りないみたいで、会場の手伝いをしてほしいと言ってきた。
エミルちゃんもまた一人で残すのは良くないと考えたのか、飾りつけを手伝ってもらうという名目で会場に呼び寄せる事にしたようだ。正確には父もいるとはいえ、触れられないので場合によっては何もできなくなってしまうし、それがいいだろう。
「それじゃあ行こうかエミルちゃん」
「うん!」
エミルちゃんは手に持っていた絵本を開いたまま床に置き、私の手を握ってきた。
私はエミルちゃんの小さな手を握り返し、二人でゆっくりと扉を開けてお手伝いをしに行くのであった。
カーテンを大きく揺らしながら、部屋の中に入り込む少しだけ強い温かな風
風に吹かれ、部屋の真ん中に置かれた絵本のページがパラパラと捲れていく
幸せな少女の顔、真剣な青年の表情、泣いてる青年と慰める少女、美味しいご飯を囲む笑顔な二人……ページが巻き戻り、様々なイラストが代わる代わる現れる
そして、青年と大きなバフォメットの少年が互いにパンチを繰り出している絵も捲られ……絵本は表紙を上にしてパタンと閉じた
絵本の表紙に描かれているのは……最高の笑顔を浮かべながら、互いに見つめ合っているバフォメットと青年の絵
そして、この絵本のタイトル……
『タイムトラベルストーリー』
──Fin.
17/05/02 00:23更新 / マイクロミー
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