あと
「ふぅ……華ちゃーん?」
「はーい!」
そして、次の日曜日。
「お待たせしました!」
「今日は大丈夫? 昨日も夜遅くまでアルバイトしていたんでしょ?」
「大丈夫ですよ。終わった後すぐ寝ましたし。それに土呂さんとのデートなのに寝惚けてなんて居られませんよ!」
俺はマイカーを購入……なんて事は流石にできないので、車をレンタルして華ちゃんの家に向かった。
もちろん目的は華ちゃんとのデートだ。車で1時間ちょっと掛かるような少し遠くの街にある、色とりどりの花が咲いている大きな公園へ行く事になっている。
「それじゃあ行こうか。そういえば今日は良いお天気だけど、そっちも大丈夫? 車移動とはいえ、公園に着いてからは歩くし……」
「それも大丈夫です。これを持って行くんで!」
「これ……日傘?」
「はい。日光を完全に遮断します。普段大学で使っているので効果は保証付きです」
「そうなんだ。じゃあ大丈夫そうだね」
家に付いた俺は早速華ちゃんを呼び、出発する事にした。
まだ朝の8時と早いが、寝不足でもないみたいだ。目もハッキリと開いている。
それに、この前みたいに日光を浴びて暴走しないよう漆黒の日傘を持っていた。これなら公園デートも充分に楽しめるだろう。
「それじゃあ車に乗ってね。荷物は後ろに置いていいからね」
「はい。それじゃあよろしくお願いします」
という事で、華ちゃんを助手席に乗せ、目的地に向かって車を走らせた。
「華ちゃんってさ、普段大学でどんな勉強をしているの?」
「私は生物学部なので生物のお勉強をしています。植物が中心ですが、動物も学んでいます」
「へえ。それは華ちゃんらしいね。楽しい?」
「はい! まあ、レポートは大変ですけどね。特にいくつもの講義で同時にレポート課題が出されたら地獄です」
「はは。大学生らしいね。自分もそうだったよ。特に学期末のレポートは辛かったな……」
目的地に向かう途中、もちろん無言である筈はなく、華ちゃんと楽しくお喋りをする。
「そういえば土呂さんはどんなお仕事を? 会社の場所はなんとなく聞いてましたが、仕事内容を知らないなと思ったので……」
「そういえば言ってなかったっけ。俺はただの営業だよ。あちこち駆け回って、会社で作った商品を売り込んでる。大変だけど自分の売り込みで商品を買ってもらえた時は結構嬉しいんだ。あ、そうだ。これ出張土産」
「わああ! ありがとうございます!」
話の途中、出張で奈良まで行った時のお土産があった事を思い出したので、信号待ちのタイミングで鞄を漁り華ちゃんにお土産を渡した。
ちなみにお土産の中身は可愛らしくアレンジされた鹿のストラップだ。気に入ってくれたようで、早速携帯電話に取りつけた。
「ってその携帯電話、今気付いたけどボタン大きいね」
「はい。私のような指が大きい種族専用の携帯電話です。これじゃないと上手く番号が打てなくて困りものです。そのせいでスマホに変えられませんし……別にそれで困る事はありませんが、選択肢は多いほうがいいじゃないですか」
「ああ、スマホは無いんだね。結構特定の魔物娘用のスマホって出てた気がするからてっきりトロール用もあるものかと思ってたよ」
「ところがないんですよね……一応大きいやつに一部の通信機能アプリを入れれば近い物は使えますが、結局は裏技みたいなものですからね」
「あーそうなんだ。早く対応しているの出れば良いね」
3連休の丁度2日目なので、自分のように日帰りで遊びに行く人が多いからかちょっとした渋滞になっている。
とはいえ、それを見越してちょっと早い時間から出発しているので問題はない。それに、どちらにせよ華ちゃんとゆっくり会話を楽しむ事には変わらないのでそこまで気にする事はない。
「ああそうだ華ちゃん。朝ご飯食べた?」
「いえ。準備にかかる時間ギリギリまで寝ていたので食べてません」
「じゃあコンビニで何か買ってく? 俺も食べてないし、到着してからって思ってたけど、このペースじゃ10時前ぐらいになりそうだしさ」
「そうですね。普段日曜の朝は寝ている事が多くて食べてませんが、流石に朝から起きているのでお腹空きました」
「了解。じゃああそこのコンビニに入るよ」
そう、時間は気にする必要はない。しかし、空腹感はそうはいかない。
目的地の公園には色々と食べる物も売っているのでそれを朝食代わりにしようと考えていたのだが、この渋滞じゃ到着して少ししたらもうお昼ご飯になってしまうし、お腹が保つとも思わない。
という事で、ちょっと脱線してしまうが俺達はコンビニで軽く朝食を買って食べる事にした。
「いらっしゃいませー!」
「華ちゃんは何食べたい? 飲み物は?」
「そうですね。軽くおにぎりでも……って、おごって下さるのですか?」
「うん。流石に何十万と掛かるネックレスを買ってとか言われると困っちゃうけど、これぐらいならいくらでも出してあげるよ」
「はい。ありがとうございます!」
コンビニに入り、華ちゃんの食べたいものを聞きながら商品を見る。
やはりあちらでも食べたいので、繋ぎ程度に軽くおにぎりかパンを一つ買おうかなと思いつつ、とりあえず手頃なお茶を2本手に取る。
「それじゃあツナマヨおにぎりでいい?」
「はい。お願いします」
「おっけー。じゃあ俺は昆布にしよう……あ、唐揚げ1個増量中だって。食べる?」
「そうですね。買いましょう」
それぞれ食べたいおにぎりも手に取り、ついでに唐揚げも買うためにレジへ持って行く。
「すみません。あと唐揚げちゃん一つ」
「はい……って、大野?」
「あ、天野さん」
そしてレジで商品を通してもらっている時、アルバイトらしき店員のエンジェルが華ちゃんを見て反応した。
「という事は、この人がこの前言っていた最近できた年上の彼氏か。なんだデートか?」
「はい。今からフラワーフェスティバルを開催している公園へ行ってきます」
「そうか……」
そのまま自然に会話をし始めた。どうやら知り合いみたいだ。
「何、知り合い?」
「はい。大学での同じサークルの友達です」
「へぇ……」
華ちゃんに確認してみたところ、どうやら同じサークルの友達らしい。
そういえば華ちゃんはどんなサークルに入っているのだろうか。買ったご飯を食べながらでも聞いてみようと思う。
「合計626円です」
「はい。あ、レシートはいりません」
「そうですか。ありがとうございます」
「それじゃあ天野さん。アルバイト頑張って下さいね」
「ああ。大野こそデート楽しんでくれ。またな」
会計を済ませ、レンタカーへと戻る俺達。
「……ああもう……しょーこといい大野といいどいつもこいつも3連休だからってデートデートとハシャギ過ぎなんだ全く……あー羨ましい……私も彼氏ほしいよ……もう20歳なんだから妹だけじゃなくて男の一人ぐらい悦ばせてあげたいんだよ……」
なんて声は耳に届く事なく、俺はおにぎりを食べながら車を発進させた。
「はむっもぐもぐ……」
「そういえば華ちゃん。華ちゃんはどんなサークルに入ってるの?」
「ごくんっ……んーそうですね。緑化サークルってとこですね」
もぐもぐと買ったおにぎりを頬張る華ちゃん。手が大きいせいか、普通のサイズなのにおにぎりがどこか小さく見える。
そんな彼女に、先程思った通りにどんなサークルに入っているのかを尋ねてみた。
「緑化? という事は木でも埋めてるの?」
「はい、植樹も行ってます。キャンパス内を中心に花壇の世話や堆肥作りなどを行っているサークルです」
「へぇ〜……なんだか華ちゃんらしいね」
「そうかもしれませんね。実際沢山のお花のお世話ができて楽しいです」
どうやら花の世話など自然に関係するサークルに所属しているらしい。なんとも華ちゃんらしいと思った。
「華ちゃんは本当にお花が好きなんだね」
「はい! 小さい頃から身近にある存在ですからね。私の周りだけかもしれませんが、わりとお花が好きなトロールって多いんですよ」
「そうなんだ。また一つ華ちゃん達トロールについて詳しくなったよ」
「土呂さんってあまり魔物の事知らなかったんでしたっけ?」
「うん。俺が生まれ育った町ではあまり魔物娘は居なかったからね。せいぜいクラスに1人か2人ぐらいだったよ。だからこの前買った魔物娘図鑑を読んで初めて知った事どころか、ラーヴァゴーレムとかアントアラクネとか初めてそんな種族がある事を知った魔物娘も居たよ」
この前、ようやく華ちゃんもといトロールの事を詳しく調べようとして魔物娘図鑑なる物を購入したが、その図鑑のトロールの項目に「大地の力をその身に宿している」と書かれていた。
そんなトロールだからこそ、大地の力を受ける植物、その中でも花が好きなのかなと考えたものだ。
「そんな土呂さんでもトロールの事は知ってたんですね」
「名前と手足が大きいって事だけね。日中は欲望のままに襲いかかる凶暴で知性が低い種族だと思われていたり、逆に夜だと知能が高く温厚な種族だったりする事は図鑑を読んで初めて知ったよ」
「う……この前欲望のままに土呂さんを襲ってしまったので、そんな凶暴じゃないですって反論できませんね……」
「ははは、まあでもいいんじゃないかな。あの時も謝ってくれたし、驚いたけど華ちゃんの意外でエッチな一面も見れたから俺は満足だよ」
「うぅ……なんだか嬉しいようで恥ずかしいです……」
そう言うと、顔を目の前の信号よりも真っ赤にして俯いてしまった華ちゃん。
手をもじもじしている姿もなんとも可愛らしいものだ。
「その……また土呂さんがシたいって言うならいつでもしますからね。日傘も閉じるだけですから」
「え……あ、うん。でも今日は折角だし普通にデートしようね」
「そう、ですね……まあ、わかってますよ……でも、今日帰った後とかなら……」
「……うん。まあ明日も休みではあるし考えておくよ」
「お願いしますね♪」
それでもやっぱり一般的な魔物と同じく、華ちゃんも性欲旺盛で好色であるみたいだ。
顔を真っ赤にして、上目遣いで「今夜どうですか?」みたいな事を彼女に聞かれたら断れるわけがない。というかマジでエロ可愛い。
「あ、そうだ華ちゃん。さっき買った唐揚げ食べていいよ」
「じゃあ貰います。土呂さんは食べないのですか?」
「運転中だからね。丁度道も空いてきてスピード出せるし、そこまで運転慣れしてないからあまり片手運転も良くないしね」
とりあえず性的なお話は置いといて、買っておいて食べていなかった唐揚げを華ちゃんに勧めた。
「それなら私が食べさせてあげます。はいあーん♪」
「え、あ、あーん……」
「はいっ。美味しいですか?」
「うん……凄く美味しい……」
そしたらなんと、華ちゃんがまさかのあーんをしてくれた。
口の中にぽいっと入れられた唐揚げの味も確かに美味しいが、華ちゃんがあーんってしてくれた事が何よりも最高の調味料だ。
「ぱくっもぐもぐ……んーたしかに美味しいですね! それではもう一つ。あーん♪」
「あーん」
幸せを噛みしめながら、俺達は目的地までの長いドライブを楽しむのであった。
……………………
「わあああっ! この辺りは一面ひまわり畑ですね!!」
「そうだね……まるで黄色い絨毯のようだよ!」
「もう、なんですかそれ? でも確かにそうですね!」
結局10時過ぎになってしまったが、無事に公園まで辿り着いた俺達は、早速園内をゆっくりと見て回る事にした。
「あはははっ! お花に囲まれた中を駆け回るって楽しいですね!」
「確かにそうだね!」
まずは入口正面、大きなひまわりがいっぱい咲いている『ひまわり広場』を回る。
その名の通りいろんな種類のひまわりが並んでおり、中にある道を自由に歩き回れる広場だ。
「でも知らなかったな。ひまわりって言ってもいろんな種類があるんだね」
「そうですよ! 先程通った所にあったのがソラヤで、ここにあるものが太陽です。それで、あっちの方に見えるのがよく見掛けるソニアで、そっちに咲いているのが食用として使われるロシアですね!」
「やっぱり詳しいんだね華ちゃんは」
「もちろんです! お花の事でしたら誰にも負けませんよ!」
大好きなお花に囲まれているからか、華ちゃんが今までにないぐらい生き生きとしている。
元気にはしゃぐ彼女を見ていると、こっちもなんだかテンションが上がってくる。
「それで次は……ミニフラワーロードだね」
「うわあっ! 可愛いお花がいっぱいですね!」
「そうだね……あれ? あの黄色い花って華ちゃんの頭にも生えてる奴じゃない?」
「え? ああそうですね。あれは河骨って名前のお花です」
「へぇ〜。それは知らなかったな……あ、じゃああの街中でよく見かける赤い花は?」
「あれは百日紅ですよ。ちなみに品種によっては白かったり桃色だったりします」
「そうなんだ!」
ひまわり広場を抜けて、アーチ状に小さい花が並べられている『ミニフラワーロード』を、二人手を繋ぎながらくぐり抜ける。
華ちゃんと俺では手のサイズが違い過ぎるから恋人つなぎはできないので普通に握り合っている……どころか俺の手が華ちゃんの柔らかい手に包まれている状態になっている。それでも手を繋いでいる事に変わりはなく、恋人同士なんだなと実感する。
「あ、次は色々分岐してるみたいですね」
「そうだね。えっと……右が日陰でも咲く花を集めた陰に負けない花畑、真っ直ぐ行くと魔界の花を集めた魔界植物園、左に行くと水上に咲く花を集めたフラワーレイクだそうだよ」
「んー……ではまずは左のフラワーレイクから行ってみましょう!」
「そうだね……あ、ちょっと待って。あそこに何か屋台があるよ。どれどれ……薔薇と桜味のアイスが売ってるんだって。買ってみる?」
「そうですね。あまり市販では見かけませんし、買ってみましょうか!」
ちょっと広い場所にあった屋台で俺は薔薇味、華ちゃんは桜味のアイスを買って、二人で食べ合いながら『フラワーレイク』の方まで歩いて行った。
華ちゃんは片方の手で日傘をさしているので、アイスを食べている間は手を繋げない。だが、お互いのアイスを交換しながら食べ合っているから不満はない。
「これはスイレンかな? まだ花は咲いてないみたいだね」
「スイレンは午後になるとお花を咲かせるのですよ。まだギリギリ午前中ですから花は閉じてます」
「そうなんだ。やっぱり俺全然花の事わかってないなぁ……昔からハスの葉の上に乗ってみたいなんて事しか考えてなかったよ」
「まあ、普通の人はそうだと思いますよ。なんせ私はお花マニアですから!」
フラワーレイクはその名の通り湖……というよりは大きな池だが、池の上に沢山の花が咲いている場所だった。
その池の上に掛かる大きな橋から見下ろす。ハスやスイレンなど、大きな葉が特徴的な花がいっぱいある。
「じゃあ次は陰に負けない花畑に行こうか」
「はい!」
橋から降り、池の周りを一通り歩いたので、次は反対側にある『陰に負けない花畑』に向かう。
休日という事もあってちょっと混んでいるので、アイスも食べ終わったし再び手を繋いで歩き始める。
「ここはちょっとジメッとしてる感じだね。キノコも生えてるし」
「そうですね。あ、シュウメイギクが咲いてます。この花はこのように湿り気の多い所のほうが日当たりのいい場所よりよく育つんですよ」
「へえ、そんな花もあるんだ……あ、このハスっぽいの華ちゃんの家で見た気がする」
「レンゲショウマですね。確かに家にありますよ。これも強い日差しに弱いお花です」
そこは湿り気が多く、日差しもあまりない場所だった。
こんな場所にも咲いている花は沢山ある事に驚く。華ちゃんはそういうのも知っており、嬉々として俺に説明してくれる。
「それじゃあ次は魔界植物園ですね。そしてここを抜けた先にあるレストランで昼食にしましょうか」
「そうだね。しかし魔界の植物か〜……今までも知らない花が多かったけど、魔界の植物は魔灯花以外全くわからないなぁ……」
「むしろ魔灯花は知っていたのですか。どうやら土呂さんって魔物娘や魔界の事はピンポイントで知っているみたいですね」
「うん。インターネットとかで齧ったぐらいなら。それ以上は全く知らなかったけどね」
3つに分かれていた場所の最後の一つ『魔界植物園』へと向かう俺達。
この公園は精霊系の魔物も管理しているらしく、花に合わせていろんな環境が作られているようで、この魔界植物園もその一つだ。
「うわ、さっきよりも薄暗い。それになんだか空気も重いような……」
「どうやらこの区間だけ擬似的に魔界を作ってるみたいですね。魔灯花も家にあるのよりは強く輝いていますし、私にとっては良い空気ですから」
「そうなんだ……俺はまだまだインキュバスにはなれそうにないな」
「まだ私と一回身体を重ねただけですからね。インキュバスになるならもっとシないといけません」
「あ、うん。そうだね……あ、ここでも一応日傘は差しておいてね」
「わかってますよ……」
中に入ると、その途端に甘ったるい空気が纏わりついてきた。
どうやらこれが魔界の空気らしい。俺はそこまで快適とは思えないが、華ちゃんは深呼吸してるし、魔灯花も仄かとはいえ、華ちゃんの家で見た時の数倍は輝いているように見える。
「これはなんだろう?」
「これは夫婦の果実が生る前の花ですね。それと、これが有名な虜の果実の花です」
「あー、それは聞いた事ある。というかこれも華ちゃんの頭に生えているような……」
「はい、生えてますよ。おそらくもう少ししたら実がなると思うので、その時は土呂さんに食べてもらいますね❤」
「あ、うん。食べた事ないし楽しみにしておくよ。華ちゃんの頭って本当に色々生えてるんだね」
「私が魔物だからか魔界のものも多いですよ。だから催淫効果なんてあるわけです」
「まあそうだよね」
魔灯花以外にも、どこか妖しかったり禍々しかったりと、人間界では滅多に見掛けない花が沢山生えていた。
一切行った事も見た事もなかったが、これが暗黒魔界というものなのだろう。
とてもじゃないが、華ちゃんに言われない限りは住む気にはなれない場所だ。というのも、インキュバスになったら変わるらしいが、本当にそうなのだろうか。
「あ、もうすぐ外ですね」
「そうだね。なんかここは擬似魔界体験みたいで他とは違う面白さがあったよ」
「そうですね。こういうのも楽しいですよね」
とはいえ、今言った通り魔界体験としては結構面白かった。
魔界にある花も色々知れたし、一度ぐらいなら華ちゃんと一緒に本物の魔界に旅行してみたいと思ったものだ。
「さーて、じゃああそこのレストランでお昼にしようか。混んでそうだけどちょっと待てば入れそうだしね」
「はい。さっきアイス食べましたし、少しぐらいなら待っても大丈夫ですしね。しかもこのレストラン、どこの席でもカラフルなお花畑が見えてよさげですし、是非ここで食事をしてみたいですから」
「そうだね。じゃあ並ぼうか」
魔界植物園を出て、向かいにあるレストランに入った俺達。
この公園内には他にもレストランはあるが、ここのレストランは窓から色とりどりの花畑が一望できるので大人気であり、結構なグループが順番待ちをしていた。
それでもどこぞのアトラクションのように2時間待ちとかする事はなく、数十分待てば入れるだろう。なので俺達は店の中でゆっくりと順番を待つ事にした。
「メニューあるね。何食べる?」
「そうですねー……美味しそうなものが沢山あって迷っちゃいます」
「だよね。メインもそうだし、デザートも美味しそうなのが多いからね」
「ですねー」
置いてあったメニューを見ながら、何を食べるか決める俺達。
「よし、俺は蟹とサーモンのクリームパスタにチョコサンデーにしよう」
「もう決めちゃったんですか? 私はまだ小エビとほうれん草のパスタかグリルチキンと夏野菜盛り合わせかアスパラとベーコンのラザニアで悩んでます……どれも美味しそうだけどどれか一つって言われると難しいです」
「じゃあ全部頼む?」
「いくらなんでも食べきれませんよ! それともそんなに食べるように思いますか? 土呂さん酷いです……」
「いやいや食いしん坊だなんて思ってないよ。冗談だよ冗談!」
「ぷぷ……わかってますよ。こっちも冗談です♪」
「2名でお待ちの土呂様ー!」
「あ、呼ばれたね」
大体決まったところで名前を呼ばれたので、店員に席まで案内してもらう。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい。蟹とサーモンのクリームパスタにチョコサンデー」
「あと小エビとほうれん草のパスタにマンゴーパフェ下さい」
「畏まりました」
案内されてすぐに料理を注文し、料理を待ちながら外の景色を見る。
「確かに、一面赤に黄色に青にオレンジにと色とりどりの花畑が広がっていたら圧巻だよなぁ……」
「そうですよねぇ……」
パンフレットに記載されていた通り、窓からは本当に色とりどりの花畑が一望できた。
ちょっと吹いた風に乗って、ふわりと舞う虹を越える色の花びら……圧巻される。
「私、いつかこんなお花畑に囲まれてみたいです……」
「華ちゃん……」
「お待たせしましたー。小エビとほうれん草のパスタです」
「あ、料理が来たみたいだね」
何気なしに呟いた華ちゃんの言葉が、自分の頭の中で響き渡る。
花びらの舞う花畑の中で微笑む華ちゃんの姿……想像するだけでも可愛いと思うし、綺麗だとも思える。ぜひ見てみたいものだ。
そして、その夢を叶えるのは……
「蟹とサーモンのクリームパスタです」
「あ、土呂さんのも来ましたね。では早速食べましょうか」
「そうだね。いただきます」
「いただきます!」
なんて、いろんな事を考えながらも俺は運ばれてきた料理を華ちゃんと一緒に食べたのであった……
…………
「おおっ! ここは風も強いですね!」
「そうだね。傘飛ばされないようにしっかりね」
「わかってますよ!」
レストランでお腹いっぱいまで食べた俺達は、公園でも奥の方にある小高い丘の上に来ていた。
ここからは今まで通ってきた場所や、まだ行っていないエリアまで園全体を見渡せられた。
他に人もいないし、パンフレットに記載されていないのでもしかしたら立ち入り禁止場所だったかもしれないけど……特に注意書きの看板などは見掛けなかったし、何より華ちゃんと二人きりになれているので気にしない事にした。
「土呂さん、今日はありがとうございました」
「えっ何が?」
「今日ここに連れて行ってくれた事ですよ。ずっと行きたかったので本当に嬉しかったです」
「ああなるほど。どういたしまして」
今日、この公園に行きたいと言ったのは華ちゃんであり、俺としては華ちゃんと一緒だったらどこでも良かったのでここに来たという感じだった。
でも、想像よりもよっぽど楽しめたし、それに……華ちゃんが満面の笑みを浮かべてお礼を言ってくれたのだから、本当にここへ来て良かったと思う。
「これからも華ちゃんが行きたい場所へ連れて行ってあげるからね」
「ありがとうございます。でも、私のわがままに付き合わせてばかりは……」
「いいのいいの。それにもちろんたまには俺の行きたいところに連れ回したりもするからさ。まあ、その為にはまず車を買わないといけないけどね……」
「あははっいつまでもレンタルでは大変ですからね。でも……その為に無茶をしたりはしないで下さいよ」
「うん。わかってるよ」
だから、これからも華ちゃんといろんな場所にデートしに行きたいと思う。
その為には自分の車ぐらい持っていないと駄目だが、それを手に入れる為に無茶はしないと誓う。
何故なら……無茶をしないでという華ちゃんの顔は、少し悲しそうだったからだ。彼女のそんな顔を見て、無茶できる奴はそういない。
「……」
そのまま二人、言葉を交わす事なく遠くの景色を見つめていたが……
「ねえ……土呂さん……」
「……なんだい華ちゃん?」
何かの花の香りが風に乗ってきた中で、ふいに華ちゃんが口を開いた。
「私が卒業したら……いえ、生活が安定した後でもいいので……」
「……」
華ちゃんが言おうとしている事は……なんとなく想像がついた。
もしかしたら間違っているかもしれないが……そうであれば、先に言うのは男のほうだ。
「ねえ華ちゃん」
「あ……はい……」
だから俺は、華ちゃんの言葉を遮り……
「……」
「んっ……!?」
華ちゃんに近付き、顔を引きよせ、唇が触れ合う接吻を交わした。
「……華ちゃんが卒業してからでいいから……将来、俺と結婚して下さい」
そして、近い将来、自分と結婚してほしいと華ちゃんに伝えた。
「土呂さん……」
そして、華ちゃんも……
「こちらこそ、よろしくお願いします。近い将来、私と結婚して下さい」
俺に、近い将来結婚してほしいと返された。
「ありがとう、華ちゃん……」
「……」
感極まった俺は、再び華ちゃんの顔に顔を近付け……先程よりも長く、互いの唇を触れ合わせた。
「……ファーストキス、でした」
「え……ああそうか。そういえばこの前はキスしなかったね」
「はい。実はずっと心残りでした」
どうやらこのキスが、華ちゃんにとってのファーストキスだったらしい。
そう言われて思い返してみたが、たしかに先週身体を重ねたくせに唇を重ねはしなかった。
「なんというか、順番がちぐはぐだなぁ……」
「確かにそうかもしれませんが、魔物娘としてはこちらのほうも不自然ではないかと」
「そんなものなのかなぁ……まあ、華ちゃんがそう思うなら良いか」
「はい!」
普通は口づけからで、性行為はその後じゃないかなと思ったが、たしかにそれは人間でのお約束みたいなものだし、魔物娘である華ちゃんには性行為からでもいい……かは些か自信はないが、華ちゃんが良いと言うので良いという事にする。
「さてと、じゃあ見ていないところ回る?」
「あ、ちょっと待って下さい土呂さん」
互いの意思も確認し合い、キスもした。より深い仲になれたので、まだ回っていないところに行こうとしたのだが……華ちゃんに待ってと言われた。
「どうかしたのかい?」
「いえ……その……」
ちょっと顔を赤らめ、言い辛そうに目を逸らす華ちゃん。
こういう反応は大体俺の身に恥ずかしい事が起きている時のものなので、とりあえずチャックやお尻を確認する。
だが、開いてたり破れていたりしないので特に問題無いように思う。
「ん? 何かおかしなところある?」
「あ、いえ。そういうわけじゃなくてですね……」
と思ったら、別にそういう事じゃないみたいだ。
「そうですね……」
「あっ」
じゃあなんだろうと思ったら、突然華ちゃんがしっかりと握っていた日傘を、吹いている風に乗せて手放した。
ふわふわと飛んで、そこまで強い風ではなかったので俺の足元にぽすっと落ちた日傘。
「ちょっと華ちゃん、何を……」
「私はトロールです。こうして日傘である程度は抑えられますが、本来なら日光の下ではぼんやりとしちゃう種族です」
「へ?」
日傘を手放したら凶暴で知性も低くなってしまうんじゃ……そう思って日傘を拾って渡そうとしたら、華ちゃんにそう言われた。
「実を言うと、少し不安もあるのです。今日もやたらと日傘を差しているように言ってましたし。だからこういった時、土呂さんが嫌がるんじゃないかなって」
「そんなこと……」
「そんなことないのでしたら、このままでいて下さい。この特性だけは種族柄治せません。だから、私のこんな部分も受け入れて下さい」
たしかに、華ちゃんが言う通り俺は日傘を差すようにとやたら言っていた気はする。でもそれは今日は純粋にデートを楽しみたかったから言っていたのであり、別に華ちゃんのそういったところが嫌で言っていたわけではない。
しかし、華ちゃんは俺がそういった特性そのものが嫌だと思っていたらしい。
「……わかった。じゃあもうちょっと木々の奥に行こうか。ここだと見られるかもしれないしね」
「……はい♪」
そんな不安を持たせてはいけない……そう思った俺は、華ちゃんの行動を受け入れる事にした。
「さて、ここなら……わっ!?」
「ここなら……シてもいいんですよね……♪」
華ちゃんは早速花の催淫効果が現れたのか……木陰に移動した俺を、いつも以上の力で押し倒した。
下は地面とはいえ、野草や花が沢山咲いているので押し倒された痛みはない。ほんのりと花の香りが漂う。
「もう、嫌と言っても逃がしませんよ?」
「……ああ、いいよ。確かにこれからも華ちゃんと深いお付き合いをしてくなら、野外でってのは何度もありそうだしね」
豊満な胸で抑えつけながら、顔を蕩けさせて逃さないという華ちゃん……先週のお昼にも見せた発情した表情だ。
もちろん、逃げるつもりはない。受け入れる意思表示として、上に乗る華ちゃんを抱き寄せた。相変わらず安心する抱き心地だ。
「では……好きにしちゃいますね♪」
「んっ……んんっ……」
そのままの勢いで唇を重ね……先程と違い、今度は華ちゃんの舌が俺の口の中に割り入ってきた。
華ちゃんの柔らかな舌が俺の舌と絡む。華ちゃんの甘い唾液と、俺の唾液が混ざりあう。
拙いながらも気持ち良く、俺の股間は少しずつ膨らむ。
「ぷあ……にへへっ❤」
息苦しくなってきたところで、華ちゃんの顔がゆっくりと離れていき……口からはみ出し絡んでいた舌も、そこから伸びていた銀色の橋も、その結合を解く。
「おちんちん、ピクピクってしてますね♪」
「ううっ」
すっかり硬くなったペニスを、ズボンの上からその大きな手で優しく撫でる。
大きいので細かい動きはできない。ただぐにぐにとされているだけだが……それだけでも華ちゃんがシているという事実に、俺の股間にせり上がっていく感覚が込み上がる。
「それでは下ろしますね〜……あはぁ❤」
もう少しで射精してしまうといったところで、華ちゃんは手の動きを止め、ズボンのファスナーを器用に下げ、パンツの穴から反り返ったペニスを取り出した。
外気に晒されたソレは野外にも拘らず興奮で震え、先走り液を滲ませている。これから華ちゃんにされる事を考えると、更に溢れてくる。
「土呂さぁん……またおっぱいで挟んであげますね❤」
「ごくり……」
そして、華ちゃんも火照る身体に耐えきれず、服を脱ぎ始めた。
特注のブラジャーも外し、巨大なおっぱいをボロンと溢す。揺れ動く乳首は、既に興奮で硬くなっている。
そんなおっぱいを華ちゃんは両手で掴み寄せ、俺の股間に近付け……歓喜に濡れる肉棒を包んだ。
「んっ、やっぱり土呂さんのおちんちんは温かいですね……❤」
「は、華ちゃんの胸も……ううっ」
「気持ち良いですか? もっと速く動かしますね❤」
華ちゃんの綺麗なおっぱいの中に汚い自分の分身を挿れている事実に、言いしれぬ背徳感と共に確かな興奮を感じた。
むちむちとした感触が陰茎を襲い、とてつもない快感が押し寄せてくる。子供の頭並みに大きい胸の中に根元から鈴口まで全てが埋もれ、そんな胸すら全体を隠してしまう程大きな手で、左右からぎゅっと圧迫される。
その状態で左右互い違いに動くのだから、気持ち良さも相当なものだ。汗ばみと鈴口から漏れ出る先走りが潤滑油となり、快感を何倍にも高める。
「んっ、んふっ、れるっ、ひもひいいへふか?」
「う、うん。気持ち良い、よ」
勃起も最大限になり、ほんの少しだけ谷間から赤黒い亀頭が現れる。そこへ華ちゃんの柔らかい唇が吸いつき、舌を伸ばして舐め、ぱくりと咥える。
溢れだす先走りを舐め取り、それ以上のものを出せと尿道を吸い上げる。じんわりとした気持ち良さが、腰を中心に身体全体へと広がる。
先週はなかった口による刺激はねっとりと俺を責め立て、何より清楚なイメージが少なからずあった華ちゃんが俺のペニスを咥えて悦んでいるという事実が気持ちを高ぶらせ、射精へと追い込む。
「んふぅ……んぐっ!?」
激しく上下に動かし竿を扱く柔らかいおっぱい。温かな口内に含まれ、裏筋、カリ首、そして尿道口と敏感な所を余す事なく撫でる舌。
そんな刺激に我慢などできるはずもなく、声を出す間もなく華ちゃんの口内へと射精した。
「ん、んく、んぐっ、んんっ……❤」
口の中に出されたザーメンに最初こそ驚いた様子を見せていたが、やがて嬉しそうに顔を綻ばせながら飲み込んでいく。
勢い良く射精しているが、全く苦しむ様子もなく、一滴も漏らさぬよう口を窄めて俺の精液を味わっている。
やがて射精も止まり、少し萎えた陰茎を口から離す華ちゃん。少しだけ残っていた精液も根こそぎ舌で掬い、唾液と混ぜて飲み干した。
「美味しかったです♪」
「そ、そう……んぶっ!?」
「今度はぁ……下にも射精して下さい……❤」
おっぱいから解放されたペニスは、少しだけ小さくなったとはいえまだまだ硬く元気なままだ。
激しい射精で少し息が切れていたが、息を整えようとしていたら、華ちゃんの上半身が身体の上をせり上がってきて、胸を顔に押し付けた。
「ほら、私もこんなに濡れちゃってます。ですから、ぐちょぐちょのおまんこに、いっぱい種付けして下さい……❤」
おっぱいを顔に押し付けたまま、俺の右腕を掴んでグイッと華ちゃんの下半身へと持って行く。
目の前に肉の塊が広がる中、右手が感じ取ったのは……ぬめりを帯びた液体と、熱を帯びた割れ目であった。
華ちゃんの陰唇は、その言葉の通り既に濡れていた。軽く沈んだ指に、みちみちとした肉襞が襲う。
「このガチガチのおちんちんで、私に種を蒔いて、赤ちゃんという花を咲かせて下さい❤」
華ちゃんのおっぱいからは、俺の精液のむさい臭いもしたが……それ以上に華ちゃんの体臭がむわりと漂っていた。
やっぱりこの匂いを嗅いでいると段々とむらむらしてきて、その気になってしまう。
「では、挿れちゃいますね♪」
匂いのせいで真上を向く程ガチガチに勃っているペニスを2本の指で掴み、腰の位置を調節する華ちゃん。
まだ外側に触れているだけなのに、それこそ粘膜同士がくっついているだけなのに……それだけで快感に痺れ、ビクッと痙攣してしまう。
「んんっ……ぜ、全部挿入っちゃいました……❤」
調節が終わり、ゆっくりと腰を下ろした華ちゃん。
華ちゃんという大地に沈んでいく俺のペニスは言われた通り種を蒔こうと震えるが、最後まで入らないうちに出さないようにと我慢する。
そのうち亀頭、カリ首、竿と埋まっていき……やがて根元までもが華ちゃんの肉穴の中に沈んでいった。
まだ二度目だというのに、相変わらず華ちゃんの膣内は柔らかく、俺の性器を優しく締め付ける。
「あふぅ、んっ、あっ、ひぃあっ、イイ♪ 土呂さんのおちんちん、ごりごりってぇ……❤」
地面に手を突き、胸を俺の顔に置いたまま、彼女は下半身を上下に動かす。
動きはゆっくりであるが、心地良さや襲ってくる快感の量は相当なものだ。先端の感じる部分を膣襞に撫でられ、刺激で腰が浮く。
自然と下から突き上げる形になり、華ちゃんの口から淫らな声が漏れ出る。
少しだけ感触が違う気がする場所を擦ると、一際甲高い声を出す。ここが所謂Gスポットだろうか……なんて考える余裕はない。
「んっ、あっ、んひぃ!? お、おっぱい舐めちゃぁ…❤」
しかしこのまま為すがままにされ続けるのは良くないと思い、むにむにと顔を挟む柔肉……その谷間を俺は舐めた。
予想外の刺激だったのか、性感帯だったのか、それとも両方なのか……今までの中で一番の反応を見せた。
気分を良くし、夢中で谷間を舐める。むわっと広がる華ちゃんの香りに、より一層おっぱいを堪能しようと顔を埋める。
華ちゃんの方も感じてくれているようで、舐めたり揉んだり顔を埋めたりする度に膣内がギュッと締まる。
「ひぁっ、あっ、ふあっ、ぅい、イク、イキますうううぅぅぅ❤」
パンパンとぶつかり合う音が速くなる。どうやら華ちゃんの絶頂が近いようだ。
細かく震え、膣も精液を搾り出そうと締め付ける。
もちろん、既に限界を超えていた俺のペニスは……華ちゃんの最奥に射精し始めた。
「ふあああぁああぁぁあっ❤ 種が、種が蒔かれてますぅぅぅうっ❤」
俺が射精したのと同時に華ちゃんもイッたようで、身体を大きく痙攣させながら圧し掛かってきた。
ビクッビクンッと震える彼女に合わせ、俺もまたドクッドクンッと子種を子宮という土壌に勢い良く蒔く。
「ふあぁぁ……あふぅ……んっ……❤」
先週よりも激しい交わりの分、快感もまた激しいものであり、絶頂もその分凄まじかった。
あまりもの激しさに腰が抜け、力無く地面に伏す。華ちゃんも全体重を俺の身体の上に預けている。
「ふぁ……まだ硬いですね……❤」
とはいえ、未だ華ちゃんの胸は俺の顔の前にあり、彼女の強い体臭も100%濃度で嗅ぎ続けているわけで……華ちゃんの膣内にあるペニスは、未だにガチガチのままだ。
「んあっ、ふっ……❤」
少し力が戻ったのか、ゆさゆさと腰を振り始めた華ちゃん。
さっきまでと比べたらよっぽど弱い刺激とはいえ、射精したばかりのペニスには強い快感を与える。
「まだまだいっぱいシましょうね〜❤」
華ちゃんの宣言通り、まだまだずっと野外での性行為は続くだろう。
もちろん俺もまだまだ治まらないので、華ちゃんと一緒に腰を動かし始めたのであった。
……………………
「いやぁ……すっかり暗くなっちゃったね」
「ごめんなさい……」
「いやいや、華ちゃんが謝る事はないよ。なんだかんだで俺もその気になってたし、それに……き、気持ち良かったしね……」
「もう……土呂さんったら……」
すっかり日も暮れて華ちゃんが落ち着きを取り戻した頃、蕾を閉じた花畑の中を花の香りを楽しみながら歩き、俺達はようやく公園を出た。
二人でシていたところは見られていないものの、お互い精液や愛液塗れ、性臭も体臭も付着している。タオルで落としたと言っても限度があるので、まだ園内に居た魔物娘達にはなにをしていたのかバレているかもしれない。
まあ誰も何も言ってこないし、バレていたところでそれは俺と華ちゃんの愛の深さを見せつけているだけだから良いとしよう。というかそう思わないとやっていられない。
「しかし本当に昼間の華ちゃんは激しかったなぁ……」
「嫌でしたか?」
「ううん、嫌じゃないよ。でもやっぱり普段の大人しい華ちゃんと比べるとギャップが凄いなと」
「うぅ……それがトロールって種族なんですよ……」
レンタカーの中に乗り、これから華ちゃんの家に戻る。
夕飯もまだだが、流石に性臭を引っ提げて飲食店に向かうのはマズイと思うので、一旦華ちゃんの家でそういったものを落としてからどこかの飲食店へと向かう予定だ。
「まあ性交の事は置いといて、今日は楽しかったよね。いろんな花も見れたしさ。華ちゃんのおかげで花が好きになったよ」
「本当ですか? それでしたら私も嬉しいです。好きな人が自分と同じものを好きになって下さったのですから」
「はは……面と向かって好きな人に好きな人って言われるとやっぱりちょっと照れくさいな……」
「そ、そうですね……あははっ!」
帰りの車の中でも今日の感想を二人で笑いながら言い合う。
「あまり街中で見ない花もそうだけど、特に魔界の植物は新鮮だったな……」
「土呂さんにとってはそうかもしれませんね。でも、わりと身近にありますよ。私の頭とか」
「へ? あーそういえばそうだね。そういえば華ちゃんの頭の上に生えている物ってほとんど見た事なかったからなんだろうとは思ってたけど……」
「はい、魔界の植物ばかりですよ。実が生ったら土呂さんにも沢山食べさせてあげますからね♪」
「あ、うん……昼間もそれ言ってたけど、魔界の食物って食べたら……」
「はい、そういう事です♪」
「お、おう……頑張るよ……」
行きと違って空いているとはいえ、それでも公園から華ちゃんの家までは1時間ちょっと掛かる。
それまでいっぱいお喋りをする。これまでの事も、これからの事も。
「まあいいや……食べ物と言えば、華ちゃんは夕飯のリクエストとかある?」
「んーそうですねぇ……お昼はパスタでしたし、それ以外ですかね」
「なるほどね……じゃあ海鮮丼とかはどう? 華ちゃんの家から車で10分ぐらい行った、環状線にある店なんだけど……」
「環状線……ああ、あのお店ですね! 行きましょうか!!」
この後の事を二人で楽しく考えながら、俺達は夜の街を車で駆けて行ったのであった……
「そういえば華ちゃん」
「なんでしょうか土呂さん?」
「ずっと土呂さんで名前で呼んでくれないね」
「はえっ!? えっと……な、なんだかその……は、恥ずかしくて……」
「あ、忘れてるわけじゃないんだね」
「覚えてますよ。その……た、長流さん……」
「……うん、やっぱりいいもんだね。今度から長流さんって呼んでよ」
「えっそ、その……わ、わかりました……た、長流さん……あぅ……」
「あー……無理なら無理しなくて良いからね?」
「ど、努力します……」
なんて、『はな』の香りが漂う車内で楽しくお喋りしながら帰ったのであった。
「はーい!」
そして、次の日曜日。
「お待たせしました!」
「今日は大丈夫? 昨日も夜遅くまでアルバイトしていたんでしょ?」
「大丈夫ですよ。終わった後すぐ寝ましたし。それに土呂さんとのデートなのに寝惚けてなんて居られませんよ!」
俺はマイカーを購入……なんて事は流石にできないので、車をレンタルして華ちゃんの家に向かった。
もちろん目的は華ちゃんとのデートだ。車で1時間ちょっと掛かるような少し遠くの街にある、色とりどりの花が咲いている大きな公園へ行く事になっている。
「それじゃあ行こうか。そういえば今日は良いお天気だけど、そっちも大丈夫? 車移動とはいえ、公園に着いてからは歩くし……」
「それも大丈夫です。これを持って行くんで!」
「これ……日傘?」
「はい。日光を完全に遮断します。普段大学で使っているので効果は保証付きです」
「そうなんだ。じゃあ大丈夫そうだね」
家に付いた俺は早速華ちゃんを呼び、出発する事にした。
まだ朝の8時と早いが、寝不足でもないみたいだ。目もハッキリと開いている。
それに、この前みたいに日光を浴びて暴走しないよう漆黒の日傘を持っていた。これなら公園デートも充分に楽しめるだろう。
「それじゃあ車に乗ってね。荷物は後ろに置いていいからね」
「はい。それじゃあよろしくお願いします」
という事で、華ちゃんを助手席に乗せ、目的地に向かって車を走らせた。
「華ちゃんってさ、普段大学でどんな勉強をしているの?」
「私は生物学部なので生物のお勉強をしています。植物が中心ですが、動物も学んでいます」
「へえ。それは華ちゃんらしいね。楽しい?」
「はい! まあ、レポートは大変ですけどね。特にいくつもの講義で同時にレポート課題が出されたら地獄です」
「はは。大学生らしいね。自分もそうだったよ。特に学期末のレポートは辛かったな……」
目的地に向かう途中、もちろん無言である筈はなく、華ちゃんと楽しくお喋りをする。
「そういえば土呂さんはどんなお仕事を? 会社の場所はなんとなく聞いてましたが、仕事内容を知らないなと思ったので……」
「そういえば言ってなかったっけ。俺はただの営業だよ。あちこち駆け回って、会社で作った商品を売り込んでる。大変だけど自分の売り込みで商品を買ってもらえた時は結構嬉しいんだ。あ、そうだ。これ出張土産」
「わああ! ありがとうございます!」
話の途中、出張で奈良まで行った時のお土産があった事を思い出したので、信号待ちのタイミングで鞄を漁り華ちゃんにお土産を渡した。
ちなみにお土産の中身は可愛らしくアレンジされた鹿のストラップだ。気に入ってくれたようで、早速携帯電話に取りつけた。
「ってその携帯電話、今気付いたけどボタン大きいね」
「はい。私のような指が大きい種族専用の携帯電話です。これじゃないと上手く番号が打てなくて困りものです。そのせいでスマホに変えられませんし……別にそれで困る事はありませんが、選択肢は多いほうがいいじゃないですか」
「ああ、スマホは無いんだね。結構特定の魔物娘用のスマホって出てた気がするからてっきりトロール用もあるものかと思ってたよ」
「ところがないんですよね……一応大きいやつに一部の通信機能アプリを入れれば近い物は使えますが、結局は裏技みたいなものですからね」
「あーそうなんだ。早く対応しているの出れば良いね」
3連休の丁度2日目なので、自分のように日帰りで遊びに行く人が多いからかちょっとした渋滞になっている。
とはいえ、それを見越してちょっと早い時間から出発しているので問題はない。それに、どちらにせよ華ちゃんとゆっくり会話を楽しむ事には変わらないのでそこまで気にする事はない。
「ああそうだ華ちゃん。朝ご飯食べた?」
「いえ。準備にかかる時間ギリギリまで寝ていたので食べてません」
「じゃあコンビニで何か買ってく? 俺も食べてないし、到着してからって思ってたけど、このペースじゃ10時前ぐらいになりそうだしさ」
「そうですね。普段日曜の朝は寝ている事が多くて食べてませんが、流石に朝から起きているのでお腹空きました」
「了解。じゃああそこのコンビニに入るよ」
そう、時間は気にする必要はない。しかし、空腹感はそうはいかない。
目的地の公園には色々と食べる物も売っているのでそれを朝食代わりにしようと考えていたのだが、この渋滞じゃ到着して少ししたらもうお昼ご飯になってしまうし、お腹が保つとも思わない。
という事で、ちょっと脱線してしまうが俺達はコンビニで軽く朝食を買って食べる事にした。
「いらっしゃいませー!」
「華ちゃんは何食べたい? 飲み物は?」
「そうですね。軽くおにぎりでも……って、おごって下さるのですか?」
「うん。流石に何十万と掛かるネックレスを買ってとか言われると困っちゃうけど、これぐらいならいくらでも出してあげるよ」
「はい。ありがとうございます!」
コンビニに入り、華ちゃんの食べたいものを聞きながら商品を見る。
やはりあちらでも食べたいので、繋ぎ程度に軽くおにぎりかパンを一つ買おうかなと思いつつ、とりあえず手頃なお茶を2本手に取る。
「それじゃあツナマヨおにぎりでいい?」
「はい。お願いします」
「おっけー。じゃあ俺は昆布にしよう……あ、唐揚げ1個増量中だって。食べる?」
「そうですね。買いましょう」
それぞれ食べたいおにぎりも手に取り、ついでに唐揚げも買うためにレジへ持って行く。
「すみません。あと唐揚げちゃん一つ」
「はい……って、大野?」
「あ、天野さん」
そしてレジで商品を通してもらっている時、アルバイトらしき店員のエンジェルが華ちゃんを見て反応した。
「という事は、この人がこの前言っていた最近できた年上の彼氏か。なんだデートか?」
「はい。今からフラワーフェスティバルを開催している公園へ行ってきます」
「そうか……」
そのまま自然に会話をし始めた。どうやら知り合いみたいだ。
「何、知り合い?」
「はい。大学での同じサークルの友達です」
「へぇ……」
華ちゃんに確認してみたところ、どうやら同じサークルの友達らしい。
そういえば華ちゃんはどんなサークルに入っているのだろうか。買ったご飯を食べながらでも聞いてみようと思う。
「合計626円です」
「はい。あ、レシートはいりません」
「そうですか。ありがとうございます」
「それじゃあ天野さん。アルバイト頑張って下さいね」
「ああ。大野こそデート楽しんでくれ。またな」
会計を済ませ、レンタカーへと戻る俺達。
「……ああもう……しょーこといい大野といいどいつもこいつも3連休だからってデートデートとハシャギ過ぎなんだ全く……あー羨ましい……私も彼氏ほしいよ……もう20歳なんだから妹だけじゃなくて男の一人ぐらい悦ばせてあげたいんだよ……」
なんて声は耳に届く事なく、俺はおにぎりを食べながら車を発進させた。
「はむっもぐもぐ……」
「そういえば華ちゃん。華ちゃんはどんなサークルに入ってるの?」
「ごくんっ……んーそうですね。緑化サークルってとこですね」
もぐもぐと買ったおにぎりを頬張る華ちゃん。手が大きいせいか、普通のサイズなのにおにぎりがどこか小さく見える。
そんな彼女に、先程思った通りにどんなサークルに入っているのかを尋ねてみた。
「緑化? という事は木でも埋めてるの?」
「はい、植樹も行ってます。キャンパス内を中心に花壇の世話や堆肥作りなどを行っているサークルです」
「へぇ〜……なんだか華ちゃんらしいね」
「そうかもしれませんね。実際沢山のお花のお世話ができて楽しいです」
どうやら花の世話など自然に関係するサークルに所属しているらしい。なんとも華ちゃんらしいと思った。
「華ちゃんは本当にお花が好きなんだね」
「はい! 小さい頃から身近にある存在ですからね。私の周りだけかもしれませんが、わりとお花が好きなトロールって多いんですよ」
「そうなんだ。また一つ華ちゃん達トロールについて詳しくなったよ」
「土呂さんってあまり魔物の事知らなかったんでしたっけ?」
「うん。俺が生まれ育った町ではあまり魔物娘は居なかったからね。せいぜいクラスに1人か2人ぐらいだったよ。だからこの前買った魔物娘図鑑を読んで初めて知った事どころか、ラーヴァゴーレムとかアントアラクネとか初めてそんな種族がある事を知った魔物娘も居たよ」
この前、ようやく華ちゃんもといトロールの事を詳しく調べようとして魔物娘図鑑なる物を購入したが、その図鑑のトロールの項目に「大地の力をその身に宿している」と書かれていた。
そんなトロールだからこそ、大地の力を受ける植物、その中でも花が好きなのかなと考えたものだ。
「そんな土呂さんでもトロールの事は知ってたんですね」
「名前と手足が大きいって事だけね。日中は欲望のままに襲いかかる凶暴で知性が低い種族だと思われていたり、逆に夜だと知能が高く温厚な種族だったりする事は図鑑を読んで初めて知ったよ」
「う……この前欲望のままに土呂さんを襲ってしまったので、そんな凶暴じゃないですって反論できませんね……」
「ははは、まあでもいいんじゃないかな。あの時も謝ってくれたし、驚いたけど華ちゃんの意外でエッチな一面も見れたから俺は満足だよ」
「うぅ……なんだか嬉しいようで恥ずかしいです……」
そう言うと、顔を目の前の信号よりも真っ赤にして俯いてしまった華ちゃん。
手をもじもじしている姿もなんとも可愛らしいものだ。
「その……また土呂さんがシたいって言うならいつでもしますからね。日傘も閉じるだけですから」
「え……あ、うん。でも今日は折角だし普通にデートしようね」
「そう、ですね……まあ、わかってますよ……でも、今日帰った後とかなら……」
「……うん。まあ明日も休みではあるし考えておくよ」
「お願いしますね♪」
それでもやっぱり一般的な魔物と同じく、華ちゃんも性欲旺盛で好色であるみたいだ。
顔を真っ赤にして、上目遣いで「今夜どうですか?」みたいな事を彼女に聞かれたら断れるわけがない。というかマジでエロ可愛い。
「あ、そうだ華ちゃん。さっき買った唐揚げ食べていいよ」
「じゃあ貰います。土呂さんは食べないのですか?」
「運転中だからね。丁度道も空いてきてスピード出せるし、そこまで運転慣れしてないからあまり片手運転も良くないしね」
とりあえず性的なお話は置いといて、買っておいて食べていなかった唐揚げを華ちゃんに勧めた。
「それなら私が食べさせてあげます。はいあーん♪」
「え、あ、あーん……」
「はいっ。美味しいですか?」
「うん……凄く美味しい……」
そしたらなんと、華ちゃんがまさかのあーんをしてくれた。
口の中にぽいっと入れられた唐揚げの味も確かに美味しいが、華ちゃんがあーんってしてくれた事が何よりも最高の調味料だ。
「ぱくっもぐもぐ……んーたしかに美味しいですね! それではもう一つ。あーん♪」
「あーん」
幸せを噛みしめながら、俺達は目的地までの長いドライブを楽しむのであった。
……………………
「わあああっ! この辺りは一面ひまわり畑ですね!!」
「そうだね……まるで黄色い絨毯のようだよ!」
「もう、なんですかそれ? でも確かにそうですね!」
結局10時過ぎになってしまったが、無事に公園まで辿り着いた俺達は、早速園内をゆっくりと見て回る事にした。
「あはははっ! お花に囲まれた中を駆け回るって楽しいですね!」
「確かにそうだね!」
まずは入口正面、大きなひまわりがいっぱい咲いている『ひまわり広場』を回る。
その名の通りいろんな種類のひまわりが並んでおり、中にある道を自由に歩き回れる広場だ。
「でも知らなかったな。ひまわりって言ってもいろんな種類があるんだね」
「そうですよ! 先程通った所にあったのがソラヤで、ここにあるものが太陽です。それで、あっちの方に見えるのがよく見掛けるソニアで、そっちに咲いているのが食用として使われるロシアですね!」
「やっぱり詳しいんだね華ちゃんは」
「もちろんです! お花の事でしたら誰にも負けませんよ!」
大好きなお花に囲まれているからか、華ちゃんが今までにないぐらい生き生きとしている。
元気にはしゃぐ彼女を見ていると、こっちもなんだかテンションが上がってくる。
「それで次は……ミニフラワーロードだね」
「うわあっ! 可愛いお花がいっぱいですね!」
「そうだね……あれ? あの黄色い花って華ちゃんの頭にも生えてる奴じゃない?」
「え? ああそうですね。あれは河骨って名前のお花です」
「へぇ〜。それは知らなかったな……あ、じゃああの街中でよく見かける赤い花は?」
「あれは百日紅ですよ。ちなみに品種によっては白かったり桃色だったりします」
「そうなんだ!」
ひまわり広場を抜けて、アーチ状に小さい花が並べられている『ミニフラワーロード』を、二人手を繋ぎながらくぐり抜ける。
華ちゃんと俺では手のサイズが違い過ぎるから恋人つなぎはできないので普通に握り合っている……どころか俺の手が華ちゃんの柔らかい手に包まれている状態になっている。それでも手を繋いでいる事に変わりはなく、恋人同士なんだなと実感する。
「あ、次は色々分岐してるみたいですね」
「そうだね。えっと……右が日陰でも咲く花を集めた陰に負けない花畑、真っ直ぐ行くと魔界の花を集めた魔界植物園、左に行くと水上に咲く花を集めたフラワーレイクだそうだよ」
「んー……ではまずは左のフラワーレイクから行ってみましょう!」
「そうだね……あ、ちょっと待って。あそこに何か屋台があるよ。どれどれ……薔薇と桜味のアイスが売ってるんだって。買ってみる?」
「そうですね。あまり市販では見かけませんし、買ってみましょうか!」
ちょっと広い場所にあった屋台で俺は薔薇味、華ちゃんは桜味のアイスを買って、二人で食べ合いながら『フラワーレイク』の方まで歩いて行った。
華ちゃんは片方の手で日傘をさしているので、アイスを食べている間は手を繋げない。だが、お互いのアイスを交換しながら食べ合っているから不満はない。
「これはスイレンかな? まだ花は咲いてないみたいだね」
「スイレンは午後になるとお花を咲かせるのですよ。まだギリギリ午前中ですから花は閉じてます」
「そうなんだ。やっぱり俺全然花の事わかってないなぁ……昔からハスの葉の上に乗ってみたいなんて事しか考えてなかったよ」
「まあ、普通の人はそうだと思いますよ。なんせ私はお花マニアですから!」
フラワーレイクはその名の通り湖……というよりは大きな池だが、池の上に沢山の花が咲いている場所だった。
その池の上に掛かる大きな橋から見下ろす。ハスやスイレンなど、大きな葉が特徴的な花がいっぱいある。
「じゃあ次は陰に負けない花畑に行こうか」
「はい!」
橋から降り、池の周りを一通り歩いたので、次は反対側にある『陰に負けない花畑』に向かう。
休日という事もあってちょっと混んでいるので、アイスも食べ終わったし再び手を繋いで歩き始める。
「ここはちょっとジメッとしてる感じだね。キノコも生えてるし」
「そうですね。あ、シュウメイギクが咲いてます。この花はこのように湿り気の多い所のほうが日当たりのいい場所よりよく育つんですよ」
「へえ、そんな花もあるんだ……あ、このハスっぽいの華ちゃんの家で見た気がする」
「レンゲショウマですね。確かに家にありますよ。これも強い日差しに弱いお花です」
そこは湿り気が多く、日差しもあまりない場所だった。
こんな場所にも咲いている花は沢山ある事に驚く。華ちゃんはそういうのも知っており、嬉々として俺に説明してくれる。
「それじゃあ次は魔界植物園ですね。そしてここを抜けた先にあるレストランで昼食にしましょうか」
「そうだね。しかし魔界の植物か〜……今までも知らない花が多かったけど、魔界の植物は魔灯花以外全くわからないなぁ……」
「むしろ魔灯花は知っていたのですか。どうやら土呂さんって魔物娘や魔界の事はピンポイントで知っているみたいですね」
「うん。インターネットとかで齧ったぐらいなら。それ以上は全く知らなかったけどね」
3つに分かれていた場所の最後の一つ『魔界植物園』へと向かう俺達。
この公園は精霊系の魔物も管理しているらしく、花に合わせていろんな環境が作られているようで、この魔界植物園もその一つだ。
「うわ、さっきよりも薄暗い。それになんだか空気も重いような……」
「どうやらこの区間だけ擬似的に魔界を作ってるみたいですね。魔灯花も家にあるのよりは強く輝いていますし、私にとっては良い空気ですから」
「そうなんだ……俺はまだまだインキュバスにはなれそうにないな」
「まだ私と一回身体を重ねただけですからね。インキュバスになるならもっとシないといけません」
「あ、うん。そうだね……あ、ここでも一応日傘は差しておいてね」
「わかってますよ……」
中に入ると、その途端に甘ったるい空気が纏わりついてきた。
どうやらこれが魔界の空気らしい。俺はそこまで快適とは思えないが、華ちゃんは深呼吸してるし、魔灯花も仄かとはいえ、華ちゃんの家で見た時の数倍は輝いているように見える。
「これはなんだろう?」
「これは夫婦の果実が生る前の花ですね。それと、これが有名な虜の果実の花です」
「あー、それは聞いた事ある。というかこれも華ちゃんの頭に生えているような……」
「はい、生えてますよ。おそらくもう少ししたら実がなると思うので、その時は土呂さんに食べてもらいますね❤」
「あ、うん。食べた事ないし楽しみにしておくよ。華ちゃんの頭って本当に色々生えてるんだね」
「私が魔物だからか魔界のものも多いですよ。だから催淫効果なんてあるわけです」
「まあそうだよね」
魔灯花以外にも、どこか妖しかったり禍々しかったりと、人間界では滅多に見掛けない花が沢山生えていた。
一切行った事も見た事もなかったが、これが暗黒魔界というものなのだろう。
とてもじゃないが、華ちゃんに言われない限りは住む気にはなれない場所だ。というのも、インキュバスになったら変わるらしいが、本当にそうなのだろうか。
「あ、もうすぐ外ですね」
「そうだね。なんかここは擬似魔界体験みたいで他とは違う面白さがあったよ」
「そうですね。こういうのも楽しいですよね」
とはいえ、今言った通り魔界体験としては結構面白かった。
魔界にある花も色々知れたし、一度ぐらいなら華ちゃんと一緒に本物の魔界に旅行してみたいと思ったものだ。
「さーて、じゃああそこのレストランでお昼にしようか。混んでそうだけどちょっと待てば入れそうだしね」
「はい。さっきアイス食べましたし、少しぐらいなら待っても大丈夫ですしね。しかもこのレストラン、どこの席でもカラフルなお花畑が見えてよさげですし、是非ここで食事をしてみたいですから」
「そうだね。じゃあ並ぼうか」
魔界植物園を出て、向かいにあるレストランに入った俺達。
この公園内には他にもレストランはあるが、ここのレストランは窓から色とりどりの花畑が一望できるので大人気であり、結構なグループが順番待ちをしていた。
それでもどこぞのアトラクションのように2時間待ちとかする事はなく、数十分待てば入れるだろう。なので俺達は店の中でゆっくりと順番を待つ事にした。
「メニューあるね。何食べる?」
「そうですねー……美味しそうなものが沢山あって迷っちゃいます」
「だよね。メインもそうだし、デザートも美味しそうなのが多いからね」
「ですねー」
置いてあったメニューを見ながら、何を食べるか決める俺達。
「よし、俺は蟹とサーモンのクリームパスタにチョコサンデーにしよう」
「もう決めちゃったんですか? 私はまだ小エビとほうれん草のパスタかグリルチキンと夏野菜盛り合わせかアスパラとベーコンのラザニアで悩んでます……どれも美味しそうだけどどれか一つって言われると難しいです」
「じゃあ全部頼む?」
「いくらなんでも食べきれませんよ! それともそんなに食べるように思いますか? 土呂さん酷いです……」
「いやいや食いしん坊だなんて思ってないよ。冗談だよ冗談!」
「ぷぷ……わかってますよ。こっちも冗談です♪」
「2名でお待ちの土呂様ー!」
「あ、呼ばれたね」
大体決まったところで名前を呼ばれたので、店員に席まで案内してもらう。
「ご注文はお決まりですか?」
「はい。蟹とサーモンのクリームパスタにチョコサンデー」
「あと小エビとほうれん草のパスタにマンゴーパフェ下さい」
「畏まりました」
案内されてすぐに料理を注文し、料理を待ちながら外の景色を見る。
「確かに、一面赤に黄色に青にオレンジにと色とりどりの花畑が広がっていたら圧巻だよなぁ……」
「そうですよねぇ……」
パンフレットに記載されていた通り、窓からは本当に色とりどりの花畑が一望できた。
ちょっと吹いた風に乗って、ふわりと舞う虹を越える色の花びら……圧巻される。
「私、いつかこんなお花畑に囲まれてみたいです……」
「華ちゃん……」
「お待たせしましたー。小エビとほうれん草のパスタです」
「あ、料理が来たみたいだね」
何気なしに呟いた華ちゃんの言葉が、自分の頭の中で響き渡る。
花びらの舞う花畑の中で微笑む華ちゃんの姿……想像するだけでも可愛いと思うし、綺麗だとも思える。ぜひ見てみたいものだ。
そして、その夢を叶えるのは……
「蟹とサーモンのクリームパスタです」
「あ、土呂さんのも来ましたね。では早速食べましょうか」
「そうだね。いただきます」
「いただきます!」
なんて、いろんな事を考えながらも俺は運ばれてきた料理を華ちゃんと一緒に食べたのであった……
…………
「おおっ! ここは風も強いですね!」
「そうだね。傘飛ばされないようにしっかりね」
「わかってますよ!」
レストランでお腹いっぱいまで食べた俺達は、公園でも奥の方にある小高い丘の上に来ていた。
ここからは今まで通ってきた場所や、まだ行っていないエリアまで園全体を見渡せられた。
他に人もいないし、パンフレットに記載されていないのでもしかしたら立ち入り禁止場所だったかもしれないけど……特に注意書きの看板などは見掛けなかったし、何より華ちゃんと二人きりになれているので気にしない事にした。
「土呂さん、今日はありがとうございました」
「えっ何が?」
「今日ここに連れて行ってくれた事ですよ。ずっと行きたかったので本当に嬉しかったです」
「ああなるほど。どういたしまして」
今日、この公園に行きたいと言ったのは華ちゃんであり、俺としては華ちゃんと一緒だったらどこでも良かったのでここに来たという感じだった。
でも、想像よりもよっぽど楽しめたし、それに……華ちゃんが満面の笑みを浮かべてお礼を言ってくれたのだから、本当にここへ来て良かったと思う。
「これからも華ちゃんが行きたい場所へ連れて行ってあげるからね」
「ありがとうございます。でも、私のわがままに付き合わせてばかりは……」
「いいのいいの。それにもちろんたまには俺の行きたいところに連れ回したりもするからさ。まあ、その為にはまず車を買わないといけないけどね……」
「あははっいつまでもレンタルでは大変ですからね。でも……その為に無茶をしたりはしないで下さいよ」
「うん。わかってるよ」
だから、これからも華ちゃんといろんな場所にデートしに行きたいと思う。
その為には自分の車ぐらい持っていないと駄目だが、それを手に入れる為に無茶はしないと誓う。
何故なら……無茶をしないでという華ちゃんの顔は、少し悲しそうだったからだ。彼女のそんな顔を見て、無茶できる奴はそういない。
「……」
そのまま二人、言葉を交わす事なく遠くの景色を見つめていたが……
「ねえ……土呂さん……」
「……なんだい華ちゃん?」
何かの花の香りが風に乗ってきた中で、ふいに華ちゃんが口を開いた。
「私が卒業したら……いえ、生活が安定した後でもいいので……」
「……」
華ちゃんが言おうとしている事は……なんとなく想像がついた。
もしかしたら間違っているかもしれないが……そうであれば、先に言うのは男のほうだ。
「ねえ華ちゃん」
「あ……はい……」
だから俺は、華ちゃんの言葉を遮り……
「……」
「んっ……!?」
華ちゃんに近付き、顔を引きよせ、唇が触れ合う接吻を交わした。
「……華ちゃんが卒業してからでいいから……将来、俺と結婚して下さい」
そして、近い将来、自分と結婚してほしいと華ちゃんに伝えた。
「土呂さん……」
そして、華ちゃんも……
「こちらこそ、よろしくお願いします。近い将来、私と結婚して下さい」
俺に、近い将来結婚してほしいと返された。
「ありがとう、華ちゃん……」
「……」
感極まった俺は、再び華ちゃんの顔に顔を近付け……先程よりも長く、互いの唇を触れ合わせた。
「……ファーストキス、でした」
「え……ああそうか。そういえばこの前はキスしなかったね」
「はい。実はずっと心残りでした」
どうやらこのキスが、華ちゃんにとってのファーストキスだったらしい。
そう言われて思い返してみたが、たしかに先週身体を重ねたくせに唇を重ねはしなかった。
「なんというか、順番がちぐはぐだなぁ……」
「確かにそうかもしれませんが、魔物娘としてはこちらのほうも不自然ではないかと」
「そんなものなのかなぁ……まあ、華ちゃんがそう思うなら良いか」
「はい!」
普通は口づけからで、性行為はその後じゃないかなと思ったが、たしかにそれは人間でのお約束みたいなものだし、魔物娘である華ちゃんには性行為からでもいい……かは些か自信はないが、華ちゃんが良いと言うので良いという事にする。
「さてと、じゃあ見ていないところ回る?」
「あ、ちょっと待って下さい土呂さん」
互いの意思も確認し合い、キスもした。より深い仲になれたので、まだ回っていないところに行こうとしたのだが……華ちゃんに待ってと言われた。
「どうかしたのかい?」
「いえ……その……」
ちょっと顔を赤らめ、言い辛そうに目を逸らす華ちゃん。
こういう反応は大体俺の身に恥ずかしい事が起きている時のものなので、とりあえずチャックやお尻を確認する。
だが、開いてたり破れていたりしないので特に問題無いように思う。
「ん? 何かおかしなところある?」
「あ、いえ。そういうわけじゃなくてですね……」
と思ったら、別にそういう事じゃないみたいだ。
「そうですね……」
「あっ」
じゃあなんだろうと思ったら、突然華ちゃんがしっかりと握っていた日傘を、吹いている風に乗せて手放した。
ふわふわと飛んで、そこまで強い風ではなかったので俺の足元にぽすっと落ちた日傘。
「ちょっと華ちゃん、何を……」
「私はトロールです。こうして日傘である程度は抑えられますが、本来なら日光の下ではぼんやりとしちゃう種族です」
「へ?」
日傘を手放したら凶暴で知性も低くなってしまうんじゃ……そう思って日傘を拾って渡そうとしたら、華ちゃんにそう言われた。
「実を言うと、少し不安もあるのです。今日もやたらと日傘を差しているように言ってましたし。だからこういった時、土呂さんが嫌がるんじゃないかなって」
「そんなこと……」
「そんなことないのでしたら、このままでいて下さい。この特性だけは種族柄治せません。だから、私のこんな部分も受け入れて下さい」
たしかに、華ちゃんが言う通り俺は日傘を差すようにとやたら言っていた気はする。でもそれは今日は純粋にデートを楽しみたかったから言っていたのであり、別に華ちゃんのそういったところが嫌で言っていたわけではない。
しかし、華ちゃんは俺がそういった特性そのものが嫌だと思っていたらしい。
「……わかった。じゃあもうちょっと木々の奥に行こうか。ここだと見られるかもしれないしね」
「……はい♪」
そんな不安を持たせてはいけない……そう思った俺は、華ちゃんの行動を受け入れる事にした。
「さて、ここなら……わっ!?」
「ここなら……シてもいいんですよね……♪」
華ちゃんは早速花の催淫効果が現れたのか……木陰に移動した俺を、いつも以上の力で押し倒した。
下は地面とはいえ、野草や花が沢山咲いているので押し倒された痛みはない。ほんのりと花の香りが漂う。
「もう、嫌と言っても逃がしませんよ?」
「……ああ、いいよ。確かにこれからも華ちゃんと深いお付き合いをしてくなら、野外でってのは何度もありそうだしね」
豊満な胸で抑えつけながら、顔を蕩けさせて逃さないという華ちゃん……先週のお昼にも見せた発情した表情だ。
もちろん、逃げるつもりはない。受け入れる意思表示として、上に乗る華ちゃんを抱き寄せた。相変わらず安心する抱き心地だ。
「では……好きにしちゃいますね♪」
「んっ……んんっ……」
そのままの勢いで唇を重ね……先程と違い、今度は華ちゃんの舌が俺の口の中に割り入ってきた。
華ちゃんの柔らかな舌が俺の舌と絡む。華ちゃんの甘い唾液と、俺の唾液が混ざりあう。
拙いながらも気持ち良く、俺の股間は少しずつ膨らむ。
「ぷあ……にへへっ❤」
息苦しくなってきたところで、華ちゃんの顔がゆっくりと離れていき……口からはみ出し絡んでいた舌も、そこから伸びていた銀色の橋も、その結合を解く。
「おちんちん、ピクピクってしてますね♪」
「ううっ」
すっかり硬くなったペニスを、ズボンの上からその大きな手で優しく撫でる。
大きいので細かい動きはできない。ただぐにぐにとされているだけだが……それだけでも華ちゃんがシているという事実に、俺の股間にせり上がっていく感覚が込み上がる。
「それでは下ろしますね〜……あはぁ❤」
もう少しで射精してしまうといったところで、華ちゃんは手の動きを止め、ズボンのファスナーを器用に下げ、パンツの穴から反り返ったペニスを取り出した。
外気に晒されたソレは野外にも拘らず興奮で震え、先走り液を滲ませている。これから華ちゃんにされる事を考えると、更に溢れてくる。
「土呂さぁん……またおっぱいで挟んであげますね❤」
「ごくり……」
そして、華ちゃんも火照る身体に耐えきれず、服を脱ぎ始めた。
特注のブラジャーも外し、巨大なおっぱいをボロンと溢す。揺れ動く乳首は、既に興奮で硬くなっている。
そんなおっぱいを華ちゃんは両手で掴み寄せ、俺の股間に近付け……歓喜に濡れる肉棒を包んだ。
「んっ、やっぱり土呂さんのおちんちんは温かいですね……❤」
「は、華ちゃんの胸も……ううっ」
「気持ち良いですか? もっと速く動かしますね❤」
華ちゃんの綺麗なおっぱいの中に汚い自分の分身を挿れている事実に、言いしれぬ背徳感と共に確かな興奮を感じた。
むちむちとした感触が陰茎を襲い、とてつもない快感が押し寄せてくる。子供の頭並みに大きい胸の中に根元から鈴口まで全てが埋もれ、そんな胸すら全体を隠してしまう程大きな手で、左右からぎゅっと圧迫される。
その状態で左右互い違いに動くのだから、気持ち良さも相当なものだ。汗ばみと鈴口から漏れ出る先走りが潤滑油となり、快感を何倍にも高める。
「んっ、んふっ、れるっ、ひもひいいへふか?」
「う、うん。気持ち良い、よ」
勃起も最大限になり、ほんの少しだけ谷間から赤黒い亀頭が現れる。そこへ華ちゃんの柔らかい唇が吸いつき、舌を伸ばして舐め、ぱくりと咥える。
溢れだす先走りを舐め取り、それ以上のものを出せと尿道を吸い上げる。じんわりとした気持ち良さが、腰を中心に身体全体へと広がる。
先週はなかった口による刺激はねっとりと俺を責め立て、何より清楚なイメージが少なからずあった華ちゃんが俺のペニスを咥えて悦んでいるという事実が気持ちを高ぶらせ、射精へと追い込む。
「んふぅ……んぐっ!?」
激しく上下に動かし竿を扱く柔らかいおっぱい。温かな口内に含まれ、裏筋、カリ首、そして尿道口と敏感な所を余す事なく撫でる舌。
そんな刺激に我慢などできるはずもなく、声を出す間もなく華ちゃんの口内へと射精した。
「ん、んく、んぐっ、んんっ……❤」
口の中に出されたザーメンに最初こそ驚いた様子を見せていたが、やがて嬉しそうに顔を綻ばせながら飲み込んでいく。
勢い良く射精しているが、全く苦しむ様子もなく、一滴も漏らさぬよう口を窄めて俺の精液を味わっている。
やがて射精も止まり、少し萎えた陰茎を口から離す華ちゃん。少しだけ残っていた精液も根こそぎ舌で掬い、唾液と混ぜて飲み干した。
「美味しかったです♪」
「そ、そう……んぶっ!?」
「今度はぁ……下にも射精して下さい……❤」
おっぱいから解放されたペニスは、少しだけ小さくなったとはいえまだまだ硬く元気なままだ。
激しい射精で少し息が切れていたが、息を整えようとしていたら、華ちゃんの上半身が身体の上をせり上がってきて、胸を顔に押し付けた。
「ほら、私もこんなに濡れちゃってます。ですから、ぐちょぐちょのおまんこに、いっぱい種付けして下さい……❤」
おっぱいを顔に押し付けたまま、俺の右腕を掴んでグイッと華ちゃんの下半身へと持って行く。
目の前に肉の塊が広がる中、右手が感じ取ったのは……ぬめりを帯びた液体と、熱を帯びた割れ目であった。
華ちゃんの陰唇は、その言葉の通り既に濡れていた。軽く沈んだ指に、みちみちとした肉襞が襲う。
「このガチガチのおちんちんで、私に種を蒔いて、赤ちゃんという花を咲かせて下さい❤」
華ちゃんのおっぱいからは、俺の精液のむさい臭いもしたが……それ以上に華ちゃんの体臭がむわりと漂っていた。
やっぱりこの匂いを嗅いでいると段々とむらむらしてきて、その気になってしまう。
「では、挿れちゃいますね♪」
匂いのせいで真上を向く程ガチガチに勃っているペニスを2本の指で掴み、腰の位置を調節する華ちゃん。
まだ外側に触れているだけなのに、それこそ粘膜同士がくっついているだけなのに……それだけで快感に痺れ、ビクッと痙攣してしまう。
「んんっ……ぜ、全部挿入っちゃいました……❤」
調節が終わり、ゆっくりと腰を下ろした華ちゃん。
華ちゃんという大地に沈んでいく俺のペニスは言われた通り種を蒔こうと震えるが、最後まで入らないうちに出さないようにと我慢する。
そのうち亀頭、カリ首、竿と埋まっていき……やがて根元までもが華ちゃんの肉穴の中に沈んでいった。
まだ二度目だというのに、相変わらず華ちゃんの膣内は柔らかく、俺の性器を優しく締め付ける。
「あふぅ、んっ、あっ、ひぃあっ、イイ♪ 土呂さんのおちんちん、ごりごりってぇ……❤」
地面に手を突き、胸を俺の顔に置いたまま、彼女は下半身を上下に動かす。
動きはゆっくりであるが、心地良さや襲ってくる快感の量は相当なものだ。先端の感じる部分を膣襞に撫でられ、刺激で腰が浮く。
自然と下から突き上げる形になり、華ちゃんの口から淫らな声が漏れ出る。
少しだけ感触が違う気がする場所を擦ると、一際甲高い声を出す。ここが所謂Gスポットだろうか……なんて考える余裕はない。
「んっ、あっ、んひぃ!? お、おっぱい舐めちゃぁ…❤」
しかしこのまま為すがままにされ続けるのは良くないと思い、むにむにと顔を挟む柔肉……その谷間を俺は舐めた。
予想外の刺激だったのか、性感帯だったのか、それとも両方なのか……今までの中で一番の反応を見せた。
気分を良くし、夢中で谷間を舐める。むわっと広がる華ちゃんの香りに、より一層おっぱいを堪能しようと顔を埋める。
華ちゃんの方も感じてくれているようで、舐めたり揉んだり顔を埋めたりする度に膣内がギュッと締まる。
「ひぁっ、あっ、ふあっ、ぅい、イク、イキますうううぅぅぅ❤」
パンパンとぶつかり合う音が速くなる。どうやら華ちゃんの絶頂が近いようだ。
細かく震え、膣も精液を搾り出そうと締め付ける。
もちろん、既に限界を超えていた俺のペニスは……華ちゃんの最奥に射精し始めた。
「ふあああぁああぁぁあっ❤ 種が、種が蒔かれてますぅぅぅうっ❤」
俺が射精したのと同時に華ちゃんもイッたようで、身体を大きく痙攣させながら圧し掛かってきた。
ビクッビクンッと震える彼女に合わせ、俺もまたドクッドクンッと子種を子宮という土壌に勢い良く蒔く。
「ふあぁぁ……あふぅ……んっ……❤」
先週よりも激しい交わりの分、快感もまた激しいものであり、絶頂もその分凄まじかった。
あまりもの激しさに腰が抜け、力無く地面に伏す。華ちゃんも全体重を俺の身体の上に預けている。
「ふぁ……まだ硬いですね……❤」
とはいえ、未だ華ちゃんの胸は俺の顔の前にあり、彼女の強い体臭も100%濃度で嗅ぎ続けているわけで……華ちゃんの膣内にあるペニスは、未だにガチガチのままだ。
「んあっ、ふっ……❤」
少し力が戻ったのか、ゆさゆさと腰を振り始めた華ちゃん。
さっきまでと比べたらよっぽど弱い刺激とはいえ、射精したばかりのペニスには強い快感を与える。
「まだまだいっぱいシましょうね〜❤」
華ちゃんの宣言通り、まだまだずっと野外での性行為は続くだろう。
もちろん俺もまだまだ治まらないので、華ちゃんと一緒に腰を動かし始めたのであった。
……………………
「いやぁ……すっかり暗くなっちゃったね」
「ごめんなさい……」
「いやいや、華ちゃんが謝る事はないよ。なんだかんだで俺もその気になってたし、それに……き、気持ち良かったしね……」
「もう……土呂さんったら……」
すっかり日も暮れて華ちゃんが落ち着きを取り戻した頃、蕾を閉じた花畑の中を花の香りを楽しみながら歩き、俺達はようやく公園を出た。
二人でシていたところは見られていないものの、お互い精液や愛液塗れ、性臭も体臭も付着している。タオルで落としたと言っても限度があるので、まだ園内に居た魔物娘達にはなにをしていたのかバレているかもしれない。
まあ誰も何も言ってこないし、バレていたところでそれは俺と華ちゃんの愛の深さを見せつけているだけだから良いとしよう。というかそう思わないとやっていられない。
「しかし本当に昼間の華ちゃんは激しかったなぁ……」
「嫌でしたか?」
「ううん、嫌じゃないよ。でもやっぱり普段の大人しい華ちゃんと比べるとギャップが凄いなと」
「うぅ……それがトロールって種族なんですよ……」
レンタカーの中に乗り、これから華ちゃんの家に戻る。
夕飯もまだだが、流石に性臭を引っ提げて飲食店に向かうのはマズイと思うので、一旦華ちゃんの家でそういったものを落としてからどこかの飲食店へと向かう予定だ。
「まあ性交の事は置いといて、今日は楽しかったよね。いろんな花も見れたしさ。華ちゃんのおかげで花が好きになったよ」
「本当ですか? それでしたら私も嬉しいです。好きな人が自分と同じものを好きになって下さったのですから」
「はは……面と向かって好きな人に好きな人って言われるとやっぱりちょっと照れくさいな……」
「そ、そうですね……あははっ!」
帰りの車の中でも今日の感想を二人で笑いながら言い合う。
「あまり街中で見ない花もそうだけど、特に魔界の植物は新鮮だったな……」
「土呂さんにとってはそうかもしれませんね。でも、わりと身近にありますよ。私の頭とか」
「へ? あーそういえばそうだね。そういえば華ちゃんの頭の上に生えている物ってほとんど見た事なかったからなんだろうとは思ってたけど……」
「はい、魔界の植物ばかりですよ。実が生ったら土呂さんにも沢山食べさせてあげますからね♪」
「あ、うん……昼間もそれ言ってたけど、魔界の食物って食べたら……」
「はい、そういう事です♪」
「お、おう……頑張るよ……」
行きと違って空いているとはいえ、それでも公園から華ちゃんの家までは1時間ちょっと掛かる。
それまでいっぱいお喋りをする。これまでの事も、これからの事も。
「まあいいや……食べ物と言えば、華ちゃんは夕飯のリクエストとかある?」
「んーそうですねぇ……お昼はパスタでしたし、それ以外ですかね」
「なるほどね……じゃあ海鮮丼とかはどう? 華ちゃんの家から車で10分ぐらい行った、環状線にある店なんだけど……」
「環状線……ああ、あのお店ですね! 行きましょうか!!」
この後の事を二人で楽しく考えながら、俺達は夜の街を車で駆けて行ったのであった……
「そういえば華ちゃん」
「なんでしょうか土呂さん?」
「ずっと土呂さんで名前で呼んでくれないね」
「はえっ!? えっと……な、なんだかその……は、恥ずかしくて……」
「あ、忘れてるわけじゃないんだね」
「覚えてますよ。その……た、長流さん……」
「……うん、やっぱりいいもんだね。今度から長流さんって呼んでよ」
「えっそ、その……わ、わかりました……た、長流さん……あぅ……」
「あー……無理なら無理しなくて良いからね?」
「ど、努力します……」
なんて、『はな』の香りが漂う車内で楽しくお喋りしながら帰ったのであった。
14/09/04 23:15更新 / マイクロミー
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