読切小説
[TOP]
タイトル未定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ふふ……退魔師君、遅かったじゃない。もう貴方の愛しの彼女は私の物となっちゃったわよ」
「あはっ♪助けに来てくれたんだねカズキ……でももう遅かったね……」
「そ、そんな……エリナ……」

上位のサキュバスに攫われた僕こと普段は普通に高校に通う普通の男の子だけど実は退魔師の一族である村瀬和希の幼馴染み…藤井絵里奈を助けに、そのサキュバスの住む禍々しい城まで単身乗り込んだ。←主役の心の声と思しき部分でいきなり主要人物の紹介と粗すぎる筋を詰め込まれるととても不自然

様々な罠や下位の魔物達を退魔の刀で薙ぎ払い、ようやく最奥の親玉のもとへ辿り着いた僕の目に映ったのは……最悪の光景だった。

「どうカズキ?私、ユッカ様にいっぱいエッチな事をしてもらって、ユッカ様の眷属にしてもらっちゃったんだ♪」←ユッカって誰ですか?登場キャラからすればサキュバスの事です?前編も合わせて読んでみましたが最後まで読んでも他にこの呼称が出てきてなかったのですがそれは

「くそ……間に合わなかったか……」

僕の目の前に現れたエリナは、攫われる前とはかけ離れた姿をしていた。
そこには健全で清楚な女子高校生の姿はなく……艶かしい肌を大体的に晒すボンデージ衣装を身に着けて、臍も背中も惜しみなく曝け出されている。
それだけでは無く……頭の上には角が、腰からは先端が膨らんでいるしなやかな尻尾と広がる蝙蝠のような翼……人間には決して存在する事が無い部位がエリナには存在していた。
魔物が女性だけを攫うのは自身と同じ種族に変える為……ある程度予想は出来ていたのだが、現実に【怒って】しまうとは……←誤字@
希望が打ち砕かれ、絶望に染まる僕は……崩れるようにその場に座り込んでしまった。

「ほほほっ!残念だったわね!エリナはもう私と同じサキュバス。私を殺したとしても元に戻らないわよ?」
「あふんっ♪サキュバスさまぁ……♪」

憎きサキュバスはエリナの身体を妖しく撫で回しながら、僕を憐れむような眼で見て高笑いする。
エリナはサキュバスの愛撫に、人間であった時は一度も浮かべる事のなかった淫らな笑みを浮かべ悶えている。

「でも……もし戻れたとしても、戻りたくないわよねぇ?」
「はい。欲を隠し傲慢であり偽善的で汚らわしくて下等で醜く幼稚で汚い人間になんて戻りたくありません……んむっ♪」←言い過ぎ。ここまで言う魔物はたとえダークエルフによるプレイの一環だとしてもそういない。それと汚いを2回言ってる

「じゅる……ふふ、よく言えました。ほ〜ら、この娘はサキュバスのままが良いって言ってるわよ?幼馴染みの願いを無碍にする気なの?」
「くそ……くそっ……!!」

サキュバスと嬉しそうに【下】を絡めながらキスをする幼馴染みの姿に、僕はただ床を殴る事しか出来なかった。←誤字A
退魔の刀で切りかかろうにも、その場から動けない僕にはただ床を殴るだけで精いっぱいだった。←何故?動けなくなる描写や理由はなかったかと

「んっ……ねえサキュバスさまぁ……なんだか私、エッチな気分になってきましたぁ♪」←では今まではそうでなかったのですか?淫らな笑みを浮かべてたのに?

「そう……ほら、あそこにあなたの餌になりに来た男がいるわよ?あなたの魔物としての実力、私に見せなさい」
「はいサキュバスさま!」
「や、やめろエリナ!!目を覚ましてくれ!!」

捕食者の目を表にだしながら、じわじわと近付いてくるエリナ。
心の底から目を覚ませと、どれだけ叫ぼうが効果はなく……

「ほらカズキ……私の目を見て……」
「や、やめ……うあ……ぁ……」

僕のすぐ隣まで来たエリナは、僕の瞳をジッと見つめ、魔物が人間を堕とす時によく使う魅了魔術を【書けた】。←誤字B
とたんに抵抗する気力は失せ……力無く仰向けに倒れる。

「あれぇ……カズキったら私が触る前にもうおちんぽビンビンじゃん。なぁんだ……そんなに私に犯されたかったんだね。や〜らしい」
「ぁ……ぅぁ……」
「あははっ!そんなにサキュバスになった私に興奮してるんだ。もしかしてわざと私がサキュバスになるまで【粉買った】のかな?」←誤字C
「そ、そんなわけ……ぅぁあっ!」

魔術の一つか、着ていた服を霧散されて丸裸にされた僕。
先程の濃厚な接吻や、空気中に漂う淫気のせいで既にいきり勃つイチモツを手に取り、悪魔そのものの邪悪な笑みとともに言葉攻めをしてくる。
その言葉に……魅了を受けた僕は悔しさとともに強い興奮を受けていた。←流石に言葉だけだと無理がある気がします。まあドMというのでしたらありかもしれませんが

「こんなにおちんちんからエッチな汁を垂れ流してても説得力なんてないよ……お望み通り食べてあげるね♪」
「や、やめ……ふあああああっ!!」
「あふんっ♪気持ちいい……カズキのおちんちん、私に食べられて喜んでるね」

そのまま僕を押し倒したエリナは、我慢汁を垂れ流すペニスを自身の秘所に深々と挿し入れた。←ボンデージがいつの間にか行方不明になってます

その膣内はまさに魔性の肉壺……性経験なんかない僕にはとても耐えられたものではなく……←といいますか挿入までがやたら早すぎません?サキュバスになって増えた部位での攻めとか、せめて清楚だったのならばそうでなくなった描写を入れる為にフェラとか陰茎に頬ずりとか入れてみては?

「ふああっ!あひ、あぁ……」
「ひゃんっ!あったかくておいしぃ……もう射精しちゃったんだね、この早漏!」

僕は情けない声を上げながら、エリナの子宮へ精を捧げてしまった。

「初めての精液のお味はどうかしら?」
「粘っこくて甘くて美味しくて……もうこれ以外のものなんていりません」
「ふふ……もうサキュバスの身体に夢中なのね。さあ、搾りとってやりなさい」
「はい!さあカズキ、私の中にその魂までビュービューだしてね♪」


とりあえずざっと途中まで書いてある後編ともう一つ作ってあった前編も見ましたが、全体的に言いたい事は以下の3点です

・誤字が多いです。たしかにまだ未完成ですし、見直ししていなければ誤字があっても仕方ないかもしれません。ですが、頻度が多いうえ特にCは酷過ぎです。普通書いててわかると思いますが。いくらなんでも粉買ったは書いている時に違和感を覚えると思います。ちなみに書き終えてある前編ではなんと30ヶ所もありましたよ。

・唐突なシーンが多いです。いきなり挿入するのはまだいいとしても、ボンデージを着てると書いてあるのに関わらずまるで最初から裸だったかのような書かれ方をしていたり、前編のほうでも淫魔が下着を外したあとで下着越しにおまんこを攻めていたりとよくわからない事になってます。というか後編もいきなり主人公が負けているところから始まっていて感情移入も何もないですよ。

・そもそもこの展開ですがまず男の子への愛がサキュバスになった女の子から感じられないのですが。これって女の子をサキュバスに変えた本人のいいなりになってるだけじゃないですか?そういうありえない幻想小説を取り扱うサイトに投稿するのでしたら1兆歩ほど譲ってまだいいとしますが、そうでない場所へそんな展開書いたものを投稿したら全国のサキュバスさんの誹謗中傷の嵐で大炎上しますよ?「魔物の恋愛観に対しての思い違い、もしくは嫌がらせですか?」とか「たしかにサキュバスに変えてくれたお姉さまを尊敬はしてますし慕ってますが、だからと言って恋人より優先するなんて死んでもありえません!!」とか言われますよ?そもそもあなたはほのぼのハッピーエンドのほうが上手く書けてますし評価もされています。挑戦する心意気は大事ですが、これは炎上覚悟ですよね?ちなみに私は嫌いです



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「……」

大学の講義も終わり、早速帰宅した俺はパソコンのスリープモードを解除したら……そこには今朝書いていたネット投稿用の人外娘小説にびっしりと添削された文字が追加されていた。
わざわざ強調までして問題点を俺に伝えているわけだが……ここまで大量にしかも厳しく書かれていると少し心が折れそうになる。

「あの〜……これはリテラさんの仕業?」

勿論自分で書き足したものではないし、きちんと戸締りをして行ったので見知らぬ侵入者が書き足したものでもない。
そうなると犯人はたった一人……というか、今現在俺のベッドの枕に座っている人物以外がこんな事するわけがなかった。
という事で、添削をしたであろう彼女の方に向き、その真意を確かめる事にした。

「書いてある通りです」
「あ、うん……いやそうじゃなくてさ……」
「アドバイスしました。あまりいい出来ではなかったので」
「ああ、うん……」

自分の身の丈ほどもある筆ペンを俺の方に……正確にはその向こうにあるパソコンの画面へ向けながら、ぼそぼそと喋る小さな彼女。
勿論羽ペンが巨大なわけではない。羽ペンのサイズは至って普通だ。

「ついでですので他にもいろいろ見てみました。黒歴史フォルダと書かれているものとか……」
「ちょっ!?なんでそのフォルダ見てるの!?」
「左腕に宿る悪魔の焔と書いてデビルフレアとか……その力を使い闇黒の大魔道士率いるフリーズシャドーと戦うとか……他にも中学生が好きそうな設定が多かったです」
「わー!!そりゃあ中学の時に書いたものなんだからそうもなるって!!でもハッキリと言わないでくれよ!!」

今現在俺を精神的に追い詰めている明るい茶髪で青い瞳を持った日本人離れした姿をした彼女、リテラは小さい……背が低いとかではなく、本当に小さいのだ。
実際に彼女は俺が両手を使えばその上に乗れてしまう程のサイズしかない。自分の顔より少しだけ大きい程度のしかないのだ。
そんな人間がこの世に居てたまるか……と、彼女と出会った1ヶ月前までは思っていた。

「い、一応これはいつもの所だけどそれ相応のオチにするつもりだったんだよ」
「そうですか……なら内容についてはこれ以上言いません……ですが、誤字と場面だけは気をつけて下さい」
「いや……もうこの小説は凍結させるよ。大学で考えてたけどどうも展開もオチもしっくりこないし、タイトルも良いものが思い付かないからさ」
「あっそうですか……流産とは残酷ですね」
「言い方……」

いや、確かにそんなミニチュアな人間はいない。そう、『人間』はいないのだ。
俺が書くのをやめると言ったとたん不機嫌になったリテラは……人間ではなかった。

「では……次は何を?」
「いや、まだ固まってはいないけど……やっぱり人外ほのぼの系を書こうかなと」
「期待してます」

最近はよく喋るようにもなったけど、シャイでありどこか口数が少ないのに文字に起こすと驚くほど饒舌に人をぶった切る彼女は、リャナンシーという小説や絵画などの芸術が好みな妖精の一種である……らしい。あまり妖精に詳しいわけではないので、本人がそう説明していた事を鵜呑みにしている。
妖精だなんてファンタジーな生き物が現実に居るとは思ってなかったが、今俺の目の前でちょっと不機嫌になっているファンタジーな存在の彼女はきちんと実在している。

「それで、具体的にはどんな話を?」
「いや、まだハッキリと浮かんでは無いけど……そうだなぁ……日常生活の中に紛れ込む妖精と男の話とか?」
「……素敵です。是非、書いて下さい」

彼女が言うには、他にもサキュバスやマーメイドなど、所謂魔物娘と言うのはこの世界でひっそりと暮らしているらしい。
なんでも異世界からの時空間ゲートがあるとかなんとか……そんな中学生や一部の趣向を持つ人達がワクワクするような夢みたいな話があるとは思えないが、そこを通ってきた実例が目の前にいるのだから信じざるをえないだろう。

「まあ、でもその前にさ、買い物に行こうよ」
「え?」
「夕飯。今冷蔵庫の中の食材切れちゃってるし、買いに行こうと思うんだけどさ。リテラも一緒に行かないか?」
「……行きます……」

そんな彼女と共に買い物に出かける事にした。
出会ってから一月の間、俺は彼女と共に暮らしている。
相手は人外と言えども女性と共に暮らした事なんてなかった俺はこの現状に大変満足していた。

「さてと、鞄も財布も持ったし、それじゃあ行こうか」
「はい」

とは言ってもまあ、別に俺と彼女の間に恋人関係があるわけではない。
リテラは妖精サイズという事を除けば俺のストライクゾーンではあるし、一緒に暮らしていて楽しいのだから彼女になってくれるというならこれ以上の相手はいない。
妖精サイズという事での困難はあれこれあるが、今のところは大きな壁も無いので、別に気にするほどでもないだろう。
でも、今のこのよくわからない同棲関係を崩す気は起きなかった。
この関係が崩れた先にあるものがわからないし、そもそも彼女が何時まで一緒に居てくれるかはわからない。
リャナンシーは優れた創作物を好む妖精だ……趣味で小説を書いているだけの自分のもとにずっといてくれる保証は無い。
この生活だってよくわからないまま成り行きで始まったものだし、終わりを考えずに始めた物語のように、最後がどうなるのか全くわからない。

「どこに行くのですか?」
「いつものスーパーだよ。この時間なら安売りしてると思うしね」

だからこそ、今こうして俺の隣に彼女がいるという時間を大切にしていきたいとも思う。
不透明な未来では無く、今という時間を彼女と共に過ごす事を。



そんな彼女との出会いは……1ヶ月経った今でも、鮮明に思い出す事ができる……



……………………



「う〜ん……なんか難しいな……」

満月が空に輝いている深夜、パソコンの画面とにらめっこしながら、俺は自分の趣味である小説を書いていた。
今現在書いている内容は、ラミアという下半身が蛇の女の子と人間の男との日常生活系だ。
俺は言わば人外の姿をした女の子が好きなので、そういう女の子が出てくる小説を書くのが好きだった。たまにエッチな内容のものも書いている。
ただ今回は……ラミアの子と出会った男の子は甘々な同棲生活を始めるが、ある日そのラミアの子は魔界の貴族で、その子の命を狙う他の魔物との戦いに身を投じて……なんて内容でそこそこの長編を書き始めたものの……思う様に書けずに頭を悩ませていた。
序盤は正体がばれないようにドキドキしながらの学校生活や裸を見ちゃった的なエロハプニングなんかが続くのだが……その後の展開への持って行き方に悩んでしまい、その手前ですら思うように筆が進まない。
それに……なんだか面白くなく感じる。
書き始めた時は「これは面白い!」だなんて思ったのだが、いざ書いてみるとそうでもない気がしてきたのだ……そのせいでモチベーションそのものが急降下中だ。

「いっその事バトル要素抜いて日常だけにしようかな……でも、ラミアのライバルのメドゥーサは出したいしなぁ……ペトリファイ・アイとか叫ばせたいしなぁ……それに、男がそいつとの戦いでラミアをかばって石化するからこそ、ラミアの怒りや石化解除の為の儀式、その後のエロが活きてくる予定なんだよなぁ……」

いつもは詰まって解決法がすぐ思いつかなかったら、もう書くのはやめて新しい作品を考えたりしているのだが……途中までは順調だったため中々放棄する気が起きないでいた。
自分でも言ってるようにバトル要素を抜けば結構順調に書ける気がするのだが……今回はラミアでバトル要素があるものを書いてと言われて書き始めたものなので、絶対入れないといけない。

「ん〜……」

色々と思考をフル回転させているが、一向に解決案が思い浮かばない……
明日は講義が無いためこうして夜更かししていたのだが、これならばもう寝てしまって明日また考えようか……そう思い始めた時だった。


「……これ……素敵ですね……」


「……ん?」

どこからか、女の子の声が聞こえたような気がした。
俺は大学の近くにあるアパートで一人暮らしをしているし、両隣りに住んでいるのは男で彼女無し、しかも外を出歩いているような時間ではないのだから、女の子の声はテレビでもついていない限り聞こえないはずだ。
もちろん今はパソコンの前で座っているのだからテレビなんかつけていない。
なので、ボーっとしていたせいで聞こえてきた幻聴かなにかだろうと思ったのだが……

「最初は異形の下半身を見て怯えてるのに……ラミアの女の子がそんな自分に悲しそうな表情を見せて……異形である前に女の子なんだと気付いて……行き場のない彼女と一緒に暮らす事になって……こういう話大好きです……」
「あ、ああ……」

すぐ耳元で、同じ声が聞こえてきた。幻聴ではない。しかも喋っている内容がどう考えても俺が今書いていた小説のものだ。
もしや誰かが勝手にこの部屋に侵入しているのかと思い声がしたほうを振り向いて……言葉を失った。

「あ、えっと……は、始めまして……」

そこにいたのは……薄く小さな翅を羽ばたかせ、恥ずかしそうに顔を赤らめ手に持つ自身と同じ大きさぐらいの羽根ペンをピコピコと振る、人の顔よりも小さなサイズの女の子が飛んでいた。
簡単に言ってしまえば……シャイな妖精が、俺の部屋の中で俺の書いた小説を俺の横で見ていた。

「……痛い……」
「わわっ!?い、いきなりどうしたんですか?」
「いや……夢かな〜って……」

あまりにも非現実的だったもので、これは夢かと思って自分の頬を思いっきり抓ってみたら……もの凄く痛かった。
つまり……この妖精は、現実だという事になる。

「君は……現実?」
「はい?えっと……きゃっ!?」
「……握れる……」

それは、あまりにも信じられない光景だった。
なんとなく腕を伸ばしてその妖精を捕まえてみる……簡単に掴む事ができたし、生き物らしい温かな熱と柔らかさが掌に感じられるので、おもちゃの類でもないだろう。

「は、離して下さい!!」
「わっと!ゴメン!!」

まじまじとその妖精を握りながら観察していたら、手の中で暴れ始めた。
よくよく考えてみたら、俺はいきなり女の子の身体を掴み拘束していたのだ……普通は嫌だろう。
その事に気付いた俺は急いで手を離して謝った。

「えっと……君はいったい……」
「はい、その……私はリャナンシーのリテラと申します……サザクロさんですよね?」
「あ、はい。ども……俺は大学生のサザクロこと南里史哉(みなみざとふみや)です……ってそうじゃなくて……」

この妖精みたいな女の子はいったい何者なのだろう、どうしてこんなところに居るのだろう……そう思っていたら自己紹介されたのでこちらも自己紹介をする。
ちなみにサザクロというのは俺が使っているペンネームの事だ。ネット投稿なのに本名を晒す気は無いので、自分の名字の南からとってこの名前を使っている。
中学の頃から続けているこの趣味だが、ペンネームは変えた事ないし今のところ被りも見つけてないので俺の事で間違ってないだろう。

「リャナンシー……って、そもそも君は何者なんだい?どうしてここに?」
「あ、えっと……リャナンシーというのは絵画や小説などの創作物を好み糧としている妖精です。わ、私はその……サザクロさん、つまり史哉さんの作品に魅かれたのでここに……」
「そ、そう……なの?」
「はい……一つ目で虐められていたサイクロプスさんと事故で片目を失ってしまった男との恋愛ストーリーとか、スライムと男の子のほのぼの日常小説とか……」

どうやら彼女は俺の投稿した小説を読んで、俺のもとに来たファンみたいなものらしい。
普段から魔物娘の小説を書いているからそれを具現化する力でも手に入ってしまったのだろうか……いやそんなわけないか。
でもつまりそれなら目の前に存在しているリャナンシーたる彼女は……

「あの……本物の妖精?」
「……そう言ってるつもりなのですが……」

まさか魔物娘なんてものがこの世に本当に存在しているとは……
あまりにも信じられないが……こうして目の前で飛ばれていたら信じるしかないだろう。

「ところで……パソコンの画面に映っているのは……新作ですか?」
「え?あ、ああ。そうだよ」
「そうですか……むう……」

そんな彼女は俺の作成中の小説に目を通し……しかめっ面をしている。
何か気にいらないところでもあるのだろうか?

「ど、どうかしたの?」
「なんというか……お話自体はいいお話とは思うのですが……あまり面白さを感じられません」
「……え?」

面白さを感じられない……たしかにそう言った。

「もしかしてですが……この話は誰かにテーマを言われて、それが自分の不得意なジャンルであるにもかかわらず書いていたりしませんか?」
「まあ……リクエストみたいなものだし、書いてって言われたから書いてみてるんだよ。書かないと失礼だと思うしね」
「……なるほど……」

それは……否定出来なかった。

「だからですか……この作品から、精気があまり感じられませんでした」
「精気?」
「ええ。私が読んだあなたの作品は生き生きとしていて、触れただけで心が躍るお話でした。ですが……この作品からは、それらと同じ感覚が伝わってきません。書きたいからではなく、書かなければという責任感などで書いてませんか?」

ズバリと言ってくるリテラ。その言葉に、俺は反論できなかった。
実際そんなところだ。リクエストが無ければ書かなかったものだし、そもそも話を考えもしなかったものを俺は今書いていた。
どうしても書き切らないと……そんな想いでこの話は書いていた。

「無理矢理他人の意向に沿っても上手く書けません……それのほうが書ける人もいるのは事実ですが、史哉さんは自分が自由な発想で書きたいと思ったものが一番面白く書けていると思います」
「……」

彼女が放った言葉は、まさにその通りだった。
初めて書いたものも、彼女が言った2作品も、俺の妄想を文字にしたものと言える……書いていて楽しかったし、なによりこのように筆が止まる事は無かった。
リテラは俺の作品が本当に好きでいてくれているんだなと、ここまで言われたら思えないわけがなかった。

「まあ、だからと言って……リクエストされたものを投げ出すのは駄目ですよね……」
「それはな……」
「でしたら……私もアドバイスしますので、一緒に楽しく書いていきましょう」
「え……あ、うん。ありがとう……」


そんな彼女と一緒に、止まりかけていた作品を手掛ける事になった。


「リテラのおかげで自分でも自信があるとハッキリ言えるものができたよ。本当にありがとうな!」
「いえ、私はアドバイスしただけですので……自信のあるものが書けたのは史哉さん自身の力ですから」

そのおかげもあり、俺は自分で満足いくものが書けた。
作品が完成した後、これからどうするのかを聞いたら……

「どうしましょう……ここに置いてもらえませんか?」

……と言われてしまった。
別に俺は困る事無いし、俺はそれを承諾した。

これが、俺とリテラとの同棲生活の始まりだった。



余談だが、ほぼ全直ししてリテラと書きあげた小説は、思った以上にウケが良かった。



====================



「さてと、何を作ろうかな……リテラはリクエストある?」
「私は……史哉さんが作るものでしたらなんでも……一応形としては居候の身ですし……」
「気にするなって。食べたいものを言ってくれたらそれ作るってかそうでもしないとカップ麺とかで済ませちゃいそうだからさ。流石に難しいものは作れないけどなんでも言ってくれ」

俺はリテラと共に食材の買い出しをしに近所のスーパーまで来ていた。
スーパーの中は夕方の6時という安売り時間という事もあって少し遅めの買い物をしている主婦達と、俺と同じように講義が終わって自炊用の食材を買いに来ている大学生達で混みあっていた。

「私達は創作物を糧にして生きるので普通の食事は取らなくてもいいのですが……」
「でも俺最近スランプ気味だし、リテラが来てからは2つしか完成させてないからそれだと十分な食事になってないんだろ?」
「……まあ……」
「だったらきちんとご飯を食べないと。という事で何が良い?」
「……じゃあハヤシライスが良いです」
「ハヤシライスね。じゃあまずはルー買わないとな」

リテラと離れないように注意しながら、買い物かごを持って店内を回る。
今日の夕飯はリテラのリクエストに応えてハヤシライスにするので必要な材料を集めながら、他にも安く売っているものをいくつか買いこんでおく。
もちろん適当に買っても持て余すだけなので、数日分のメニューをリテラと考えながら買い物かごに詰めていく。

「さーてと、こんなもんかな……一応お金に余裕はあるしアイスも買おうかな……」
「無駄使いは抑えたほうがいいかと」
「まあそうだけどさ。でもまだ暑いしあっても無駄じゃ……」
「おーい史哉ー!!」
「……ん?」

一通り食材を買った後、1箱6個入りのアイスでも買おうかと悩んでいたら、後ろから声を掛けられた。

「いよっす!お前も買い物か?」
「見りゃわかるだろ。その通りだよ」

振り向いてみると、そこには同じく下宿している友人の姿があった。

「ん?お前その女の子は……もしかして幼女誘拐……」
「んなわけあるか!こいつはリテラ。俺のいとこだよ。リテラの親の都合で今下宿先に預かってるんだよ。ここからならリテラの通っている小学校まで電車1本で通えるからな」
「そうなのか!お前ハーフのいとこなんていたんだな」
「……」

そんな友人は、俺の後ろでこそこそしているリテラに気付いたようだ。
ちなみに今のリテラはいつもの妖精サイズでは無く、ちょっと背が低めの小学校高学年みたいなサイズになっている。
勿論サイズだけではなく、背中から生えた薄い翅も先端が尖った耳も今は見えなくなっている。
どうやらリテラ含め妖精などの魔物娘達はこうやって人間に化けて人里に紛れ込む事もできるようである……リテラ以外の魔物娘もこのように人に化け暮らしているとか。
だからこの時のように外出している間はリテラは俺のいとこでハーフという設定で通してある……兄妹は流石にリテラの見た目的に無理があるし、まったくの他人なら下手すると犯罪になる(実際に警察に声を掛けられたこともある)のでいとこという設定にしたのだ。

「こんちわ!オレ史哉の友達の牛島響鬼!よろしくねリテラちゃん!」
「ぁ……ぅ……」
「おい、あまり一気に近付くな。リテラはとってもシャイかつ人見知りするからそんながっつかれるとフリーズしちまう」
「おっと……ゴメンね」
「……」

俺の場合は元々ファンだったって事もあり、また出会ってから既に1ヶ月は経っているため普通に接する事も出来るのだが……俺以外の人に話しかけられるとこのように顔を真っ赤にして固まってしまうリテラ。
小さな身体をいつもの妖精サイズに戻してしまうんじゃないかと思うほど俺の背中で縮こまっている。

「まあそういう事だから」
「おう!そんじゃまた明後日の講義でな!」

そんなリテラの様子を見た友人は去っていった。
響鬼はたまに家に遊びに来る事もあるからすぐに慣れてほしいところもあるのだが……

「……ふぅ……」

エアコンが効いているスーパーの中で汗をたらしながら息をつく様子を見るとそれも難しそうである。

「さて、それじゃあレジに並ぶか。アイスはこれでいいよな?」
「え?あ、はい。それでいいです」

他にも知り合いがいないとも限らないし、リテラが緊張でどうにかなってしまわないうちにスーパーを出る事にした。
俺は適当に3つの味が2パックずつ入ってるアイスをカゴに入れ、急いでレジに並んだのだった。

「それじゃあ帰るか。他に何か買いたいものとかないよね?」
「大丈夫……アイスも溶けてしまいますし、早く帰りましょう」
「そうだな……」

お金を払い鞄に買った物を詰め、夕焼けの街を二人歩いて帰る。

「……あっ……」
「ん?どうかした?」
「あ、いえ……なんでも……」

その途中、おもちゃ屋の前を通った時にリテラが声を漏らした。

「……ん?もしかしてそのぬいぐるみが気になるのか?」
「え……いや、その……」
「ん、違うのか?」

リテラの目線の先を見てみると、そこには純白のウェディングドレス……を着た熊のぬいぐるみが展示されていた。
サイズ的には普段の姿のリテラとほぼ同じサイズであるものの、服を含めぬいぐるみはとても細かく作られている。
軽く否定をしながらも口をごもごもとさせながらもぬいぐるみをちらちらと見ているので、とても気にはなっているのだろう。
実年齢は知らないっていうか聞いてないけど、女の子だしぬいぐるみの一つや二つ欲しいのかなと思ったが……ここでふと違う可能性に気付いた。

「それともこの服が気になる?」
「え、あ、えっと……」

熊のぬいぐるみはリテラとほぼ同じサイズ……という事は着せられている服もリテラにぴったりだろう。
なのでぬいぐるみの着ているウェディングドレスのほうかと聞いたら、今度は否定する事も無く眼を泳がせながら両手をもじもじとしている。
女の子だしウェディングドレスにも憧れはあるのだろう……ハッキリとは言わないが、とても欲しそうにしている。

「値段的にも問題無いし買ってあげられるけど……」
「え、いや、そうじゃなくて……」
「いらないの?」
「……欲しいです……」

別にそれほど高くないので今の手持ちでも充分に購入は可能だ。
それに、今までリテラへ何かプレゼントした事がなかったので丁度いい機会でもある。

「それじゃあ買いに行こうか。アイスが溶けるといけないからちゃちゃっとね!」
「はい。その……ありがとうございます……」

という事で俺はおもちゃ屋に入ってそのぬいぐるみを買い、リテラにプレゼントした。

「はいこれ。ぬいぐるみの方も大切にするんだぞ」
「ありがとうございます……えへへ……♪」

ぬいぐるみを受け取った時のリテラの満面の笑みに思わずドキッとしながら、俺達は家路に着いたのだった。



====================



「えっと……どうですか?」
「……おお……!」

帰宅した後、ハヤシライスを作って食べている最中に先程買ったぬいぐるみのウェディングドレスの話が出た。
その時に後で着てみてと言ったら、恥ずかしがりながらも承諾してくれた。

「凄く似合ってるよ」
「本当ですか?にへへ……♪」

それで飯を食べ終わったあと食器を洗っている間に着替えてもらって、俺の前に現れたウェディング姿のリテラは……服装以外変わっていないはずなのに、普段よりも華麗に感じた。
それ以前にもの凄く似合っている……その事を伝えたら、ドレスが白いせいで余計に目立つ真っ赤な顔で嬉しそうに微笑んでいた。

「なんだか花嫁を目の前にしてる気分だ……娘を持つ父親ってこんな経験するのかな……」
「何故そこで父親なんですか……新郎じゃないのですか?」
「え?あ、うんまあ……」

リテラが花嫁……それもいいかもしれない。
こんな可愛いお嫁さんならぜひ欲しいと思う。

「そうだ。そんな感じの話にしよう」
「え、何がですか?」
「次に書く話さ。妖精と男の物語を書くって夕方に言ったけどさ、半分実体験みたいな感じにしようかなと思ってさ」

そんな感じにリテラの花嫁姿をみていたら、ふと頭に浮かんだ事があった。
それは次の話のアイデアだ……夕方はなんとなく思いついた事を口にしただけだったが、よく考えればそれは自分達も同じだという事に気付いたのだ。

「つまり……私と史哉さんをモデルにするという事ですか?」
「そういう事。夕方はパッと思い付いたアイデアを言っただけなんだけど、よく考えたらそれまんま俺達の事だなと思ってさ。とある日に小説を書くことを趣味にしてる大学生が頭を悩ませていたらリャナンシーと出会ったみたいな始まりでさ、終わりは……結婚式とか?」
「結婚式……」

だからこそ俺達をモデルにして書くという案が思い付いた。
ある日ひょんな事からリャナンシーという妖精にあった一大学生でしかなかった男はその妖精との同棲生活を繰り広げるうちにいつしか恋をし始め、最終的には互いに愛し合って結婚する……そんな話を書こうかと彼女に提案してみた。

だが、自分達をモデルにすると先に言った事で、この発言が他の捉え方をする可能性があるという事には気付いていなかった。

「えっと……それはつまり史哉さんは私と結婚したいという事ですか?」
「……うん?」

たった今リテラから変な事を聞かれた気がした。
俺がリテラと結婚したいという事かって言われたような……

「今なんて?」
「ですから、私達をモデルにして書くのに、最終的に結婚式に持っていくって事は……史哉さんは私と結婚したいという事ですか、と」

たしかにリテラはそう言っていたようだ。
まあたしかに自分達をモデルにするって言った後にそんな展開聞かされたらそう思ってしまってもおかしくは無い……のか?
とにかくそういうつもりではなかったので、違うという事を言おうとしたのだけど……

「私は……史哉さんとでしたら構いませんよ」
「……へ?」
「ですから、史哉さんと結婚するのは構いません……というか、その……史哉さんの事が好きですので、将来は結婚したいなと……」

次の瞬間には、俺はリテラに告白されていた。
顔を今日一番に真っ赤に染めながら、俯き気味にそう言ってきた。

「ほ、本当に?」
「はい。そもそも私は史哉さんが書く物語に惚れて……作者さんはどんな人なんだろう、素敵な男の人だったらいいなと思いながら会いに来ましたから……」
「そ、そうなんだ……」
「実際にお会いしたら本当に優しい人で……その……えと…………」

突然の告白に俺は頭の中が真っ白になっていた。
途中で恥ずかしくなってきたのか、リテラはもはやトマトと言える程真っ赤になった顔を完全に伏せ、何を言っているのかわからなくなっていた。

「えっと、つまりリテラは俺の事が好きって事でいいんだよね?」
「……はい……大好きです……」
「そっか……あのさリテラ……」
「はい……きゃっ!?」

彼女は俺の事が好きみたいだ。
今の関係を壊したくないと思っていても、ここまできたら壊さざるをえないだろう。
それに、相手からそう言われたので、壊したところで不幸な未来は待っていないはずだ。
だから俺は、恥ずかしがって俯いたままの彼女を片手で引き寄せ、顔の真正面まで持ってきて……

「こんな俺でよければ……いや、むしろ俺からも……リテラ、俺も君の事が好きだ!もしよければ俺の彼女になってください!」
「えっ!?は、はい!!あ、ありがとうございます!!」

もちろん、こんな可愛い娘に好きだと言われて、断る選択肢なんて存在しない。
というより、俺もリテラとそういう関係になれたらいいなと思ってた部分もある。断るなんて絶対ありえなかった。

「はは……告白も同じように書こうかな……」
「いいかもしれません……が、見る度に恥ずかしくなりそうです……あぅ……」

俺の掌の上でちょこんと座る、花嫁衣装の小さな彼女は……恥ずかしくも、今までの中で一番の笑顔を浮かべていた。

「それじゃあ早速書いて行くか……」
「あ、あの……その前に一ついいですか?」
「ん、なんだい?」

そんな彼女と二人で作品を書いて行こうとしたら止められた。

「その……私とキスしませんか?」

そして、上目使いでそう言われてしまった。

「もちろんいいよ……」
「はい♪では……ちゅっ❤」

ただの同棲相手からカップルへ昇格したわけだし、もちろんキスだってしてもかまわない。
俺の掌の上から飛びたったリテラは、俺の頬を掴み……自身の唇を俺の唇に合わせた。
顔の大きさが違い過ぎるので、上唇をちょっと啄まれた感じではあったが……正真正銘リテラとのキスであり、俺のファーストキスでもあった。

「ん〜、ファーストキスはハヤシライスの味か〜」
「そりゃあさっきまで食べてたからな……っておいちょっと何してる!?」

ゆっくりと名残惜しむように離れたリテラは、何故かウェディングドレスをその場で脱ぎ始めた。

「えっと……結婚式まできちんと取っておきたいから……ぐちゃぐちゃになるのも嫌だし……もしかしてこのままシたかった?」
「……えーっと……何の、話……?」

テキパキとウェディングドレスを脱いでいき、あっという間に下着姿になったリテラ。
今まで一緒に生活こそしていたが彼女の下着姿は初めて見た……1Kのアパートだが、互いの着替えの時は台所へ避難していたり浴室やトイレで着替えていたりと気を遣っていたので一目として見た事は無かった。
下着自体は洗濯して干してあるものを見た事がある……リテラの身体の大きさに合わせたミニサイズなのでそれだけで興奮した事は一度も無かったのだが……

「えっと……どうかな、私の身体つきとかは……」
「……ごくっ……」

パンティと胸当てだけを身に着けたリテラの身体はどこか扇情的であり、俺は無意識にごくりと生唾を飲む。
すべすべの肌と透明な翅が蛍光灯の光で妖しく輝く……すらっとした小型の身体に控えめながら膨らんだ胸や、丸く柔らかそうなお尻を凝視していくうちに、俺の理性が溶けていく気がしてきた……俺の股間では、ズボンを押し上げるように膨らむものを感じた。

「な、なあ……いきなり下着姿になってどうしたんだ?」

リテラの狙いはなんとなくわかっているし、俺の身体はぞれを期待しているが……確認の為、俺はリテラの目的を尋ねた。

「もちろん、恋人同士が行う愛の営みです……ハッキリと言いますとその……せ、セックスです。史哉さんはセックスシーンも書きますから実体験したら参考になると思いますし、それに……」
「それに?」
「私達と交われば創作に対する才能と実力を得られるので、史哉さんの小説もより良いものになります……」

やはり俺とセックスする気らしい。
それにどうやらリテラと交わるといろいろと小説作成においてメリットが付くみたいだ……が、しかし。

「ふ〜ん。それだけ?」
「え、えっと……その……」
「俺はメリットデメリットでリテラとセックスはしたくないな……なんかリテラという存在を利用してる感じするしね」

そんな理由ならする気は無いと、俺はリテラに告げた。
眼も逸らせないし愚息は素直に反応しているしで身体は関係なくシたがっているが、これは俺の本心のはずだ。

「リテラ自身はどうしたいの?」
「……わかりました。ハッキリ言いますと……その……私がシたいのでしましょぅ……」

だからこそ俺は、リテラはしたいのかしたくないのかを問い詰めた。
そしたら観念したようで、最後のほうは消え入りそうな程小さな声で自分がしたいからと告白した。


ならば我慢などする必要はない。


「よしわかった。それじゃあまずどうしたらいいんだい?ぶっちゃけると童貞だからよくわかってないんだよね」
「じゃあ……ベッドに座ってズボンや下着を脱いでください」

俺は言われた通りベッドに座り、下半身を露出した。
ピンと上向きに張りつめている俺の陰茎が外気に晒される……触れても居ないのに、リテラの身体を見ているだけなのに先走り間で溢れていた。

「ふああ……♪大きいですね♪」
「そ、そうかな……うあっ……」

そんな俺のペニスにリテラはピトッと身体を擦り寄せ、全身を使って扱き始めた。
腕で輪を作り、小刻みに飛んで上下運動を繰り返す。
腕がカリ首に引っ掛かる度、ビクッと大きく震えるペニス。
リテラの顔が亀頭より少しだけ高い位置にある為、リテラの息が敏感な場所に掛かってこそばゆい。
さらに押し付ける胸には、芯が通った硬いものと柔らかな感触の両方を感じ取れた。
これらの刺激により垂れ落ちてくる先走りを身体に浴びながら、それを潤滑油にして自身の身体を滑らせる。
ぬるぬるとした液で穢れていくリテラの顔は……AV女優顔負けの蕩けた笑みを浮かべていた。

「ふあっ♪気持ちいいよぉ……♪」
「ぐぅ……ふぁ、お、おい、出ちまう……!」
「大丈夫、このまま射精してください♪」

リテラが来てからは気を遣って自慰を控えていたこともあり、すぐに射精感が込み上げてきた。
このまま射精してというが、陰茎にくっついたままの状態で出してしまえばリテラの顔や体に精液を浴びせてしまう。
そんな事を考え、白濁塗れのリテラを想像してしまい……それがより興奮を促し、さらにそのタイミングで力いっぱい抱きしめられた刺激で……俺は我慢できずに射精してしまった。

「ふあぁ……あつぅい……♪」

勢い良く打ち上げられたザーメンはそのまま落ちてきて、リテラの髪、顔、肩、胸、腕、お尻に翅と全身を白く染め上げていく。
脈打つ男根に抱きついたままのリテラは……満足そうに身体全体を使って俺の精液を受け止めている。

「んん……んっ……♪」
「お、おい……そんなもの飲んで大丈夫なのか?」
「ふぁい♪私達魔物は皆サキュバスの特徴を持っていると考えてください♪」
「そ、そうなのか……」

やがて脈動が止まり、精を吐き終え萎えかけた頃にようやく腕を離したリテラは、顔に掛かった精液を拭うとそのまま口へ運んだ。
含んだ精液を満足そうに飲み込むと、今度は全身の精液をその小さな両手で掬い集めは飲み、救い集めては飲みと繰り返し、身体の外側は綺麗になっていった。

「ペロ……」
「ひあっ!?な、何を……ひぅっ!」

髪の毛や翅に少しこびり付いているが、大半の精液を飲み終えたリテラは、そんな痴態を見ていた事で少し熱が籠っていたペニスの先端を小さな舌で舐めた。
思わず変な声が出てしまったが、リテラはやめるどころかそのまま舌を尿道口に突き入れてきた。
普段は絶対に刺激されない場所を舐められているせいで、俺のモノは硬さを取り戻した。

「ぬぷ……はぁ♪また硬くなりましたね♪では次は……私のココに挿れてくれませんか?」
「……は?」

ガチガチになったところでリテラは顔を亀頭から離し、自分の股を指差しながらそうお願いしてきた。

「いや待って……流石に無理じゃない?」

だがしかしもちろんリテラは今リャナンシーの姿そのままだ……人間に化けている状態でも厳しいだろうに、流石に平均的日本人男性並みの俺のモノでも入るとは思えない。
一瞬オナホ妖精なんて単語が頭に浮かんできたが、流石に現実でそれをやるのはキツイだろう。

なんて思ったのだが……

「史哉さんの手で私を掴んで押し入れて下さい。流石に全部は入りませんがそれでいけます」
「いけますって……痛くないの?」
「えっと……たぶん……そうでないと子孫は残せませんし……」

まさかの自分からオナホ妖精化発言をしてきたリテラ。
とてもできそうにはない……というか傷付けてしまいそうで出来ればやりたくないのだが、本人は真剣だ。

「……わかった。痛かったらすぐに言ってくれよな」
「はい……」

積極的なリテラに押される形で俺は承諾し、リテラを右手で軽く掴んだ。
爪で肌を傷付けないように気をつけながら指先で下着を取り外すと……生まれたままの姿のリテラがそこには居た。
毛の1本すら生えていないリテラのアソコは、既に汗や俺の精液ではない液体で濡れていた。

「んっ、は、はやく挿れて……」
「わ、わかった……じゃあ挿れるぞ……」

本当に挿れるのであればこれだけでいいのか不安だったので、リテラの胸を左手の人差し指の先で転がしてみた。
張りと弾力を兼ね揃えたそれは、少し強く押すと指に吸いついてくる感じがした。
だが既にリテラのほうは出来あがっていたみたいで、少し荒く呼吸をしながら挿入を促してきた。
覚悟を決めた俺は右手を硬くなった陰茎に持ってきて……リテラの割れ目に少し強く押しあてた。

「んんっ♪は、挿入ってきたぁ……♪」
「だ、大丈夫か?」
「うぁ、だ、大丈夫ですので、もっと挿れて……♪」

少しずつ、入口が亀頭の大きさに合わせられながら広がっていき、俺の亀頭がリテラの中に入っていく。
進む度に、これ以上入れるのは無理なんじゃないかという程膣は強く締め付けてくる……リテラのお腹が、俺のモノに合わせて歪な形に膨らむ。
それでも、大丈夫だからもっと挿れてと蕩けた笑みを浮かべながら言ってくるので、俺は最奥を目指すように力を入れた。

「いああっあああっ!!」
「ほ、本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですってば……ああ、史哉さんのおちんちんがこんなにも私のナカに……♪」

ゆっくり、ゆっくりと挿入していき……やがて亀頭を全て飲み込み、竿の半分ほどが埋まったところで最奥まで辿り着いた。
胸の近くまで膨らむリテラの身体は明らかにキツそうなのだが、満足そうに膨らんだ自身のお腹を撫でる。
その刺激は俺の性器にも伝わり……痺れるような快感が流れてくる。

「う、動かして下さい……」
「ほ、本当にいいんだな?」
「何度も言わせないでください……痛くないですし、むしろ気持ちよさしかありませんよぉ♪」

そうは言うものの怖いので慎重にリテラの身体を動かし始める。
キツイのは変わらないが挿入時よりは抵抗が少なく、また動かすうちにこなれてきたのかちょっとずつ早く動かせるようになってきた。

「ふぁっ、ああ、ひああっ!すごっ、衝撃が、身体中がっ、史哉さんで満たさ、ひああああああっ♪」

スピードが速まるにつれて漏れ出していた吐息がはっきりと喘ぎ声に変わっていく。
擦れる度に強い衝撃が快感になっているのか、リテラの表情はすでにしまりが無くなっている。

「はぁあっ!んああああっ!にゃああっ!!」

最奥を亀頭が付くたびに全身が震え、言葉にならない声を漏らすリテラ。
俺も腰にじんわりと感じていた射精感がいよいよもって噴き出しそうになっていた。

「も、射精すぞ!」
「は、いぃっ!そのまっ、ナカッ、ナカにだしてぇえええっ♪」

一気に最奥まで突き入れた途端、ダムが決壊したかのように俺のペニスから精液が一気にリテラの小さな子宮内へ流れ込む。
同じくイッたのか身体をビクッビクッと震わせながら弓なりに反るリテラ。

「ぁ……ぁぁ……ぁはぁ……♪」

今まで感じた事のない程の快感によるものか、俺の射精はいつも自慰でしていた以上に続いた。
その為か膣内に収まりきらなかった精液が逆流し、音を出しながら結合部から噴き出してきている。
そんなことはお構いなしに身体を硬直させ痙攣しているリテラは、膣を収縮させながらも幸せそうな顔をしていた。

「はぁ……はぁ……♪」

しばらくして射精も止まり、リテラも絶頂のピークが過ぎたようで時折跳ねながらも呼吸を整えていき……満足した作品ができた時と同等、もしくはそれ以上に嬉しそうな笑みをこぼしながら……そのまま目を閉じていった……



…………



………



……







「う〜ん……」
「どうしました?」

リテラが気絶から復活した後、一緒にお風呂に入り汚れを落とし、俺は執筆作業に取り掛かった。

「やっぱ書くのやめようかな……」
「えっ何故ですか?」

リテラは俺の肩に座りながらその様子を時々口を挟みながらもジッと見ていた。
そんなリテラのお腹はまるで妊娠しているかのようにぽっこりと膨らんでいる……これが全部俺の精子だと思うと、あらためてかなり中出ししたなと考えさせられる。
まだ大学生だし、結婚をする気は無いが……リテラ曰く妊娠し辛いけどしないわけではないらしいので、赤ちゃんが出来てしまったのならすぐにでも大学を止め親に説明し一緒に妖精の国という場所で暮らすつもりだ。

「いやなんというか……タイトルも思い付かないし、それにリテラの事を他の野郎に知られたくないって思うようになってきたというか……」
「史哉さん……❤」

そんなリテラと俺自身をモデルとした小説を書いていたのだが……書いているうちにそんな感情が湧いて来たのだ。
この可愛い芸術好きな妖精の彼女を自慢したい気持ちも無い事は無いけど……やっぱり独り占めにしたいという気持ちが強い。

「では投稿せずにずっとパソコンに置いておきましょう。私がどのように書かれるのかぜひ読んでみたいから絶対書いてほしいので……」
「まあリテラがそう言うなら書くだけ書くか!」

それでもリテラが読みたいと言うので、俺は執筆を再開した。
たった一人の恋人の為に贈る、俺の想いが込められた小説を……

「ところでタイトルはどうするのですか?」
「う〜ん……そうだなぁ……」

小説のタイトルをつける時、俺はいつも完成した話の雰囲気でなんとなく決めていた。
しかし、この小説は完成していない……そもそも、モデルとなる俺達の話自身がまだ完成してないのだ。
だからといって付けないままなのは駄目だ……俺とリテラが生み出した物語、つまり俺達の子供のようなものなので、名無しは良くないだろう。

「こう……とか?」
「なるほど……いいですね……♪」

だから俺は、まだわからない未来の物語という事で、この小説にこんなタイトルをつけた。
一見仮に付けた名前に見えるけど、まだ幸せになる事しか決まっていない二人を表したかのような名前を。
その名前は……








『タイトル未定』







13/09/09 23:41更新 / マイクロミー

■作者メッセージ
過去にピクシーのエロを書きましたがその時は男の体のサイズを小さくして上から乗ってたので今回は妖精サイズと人間のを書きたくてこんなSSを……というのは嘘でリャナンシーのSSが書きたくて書いたものでエロシーンどうしようか悩んでオナホ妖精にしたのです。

……本当ですよ?w

という事で今回はリャナンシーと趣味で小説書きをしている男との物語でした。
ちなみに今回は現代が舞台ですが、今まで自分が書いていた現代とはまた違う現代を舞台としています。
もしもマイクロミーの現代SSだと思っていつものあのキャラの登場を期待していた人がいたらごめんなさい。

誤字、脱字、その他リャナンシー愛が足りない等ございましたらメールや感想蘭などでリテラ並みに指摘して下さいw

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33