魔の森の三重騎
里と都をつなぐ唯一の街路に凶暴な魔物達が巣を作っているという一報を受け、その山間の小さな国は騒然となった。 もともと戦略的価値も少ないため戦争になることも少なく、争いが起こってもへりくだることで常に戦いを避けてきたその国に、魔物の群れを討伐するほどの武力は無い。しかし応援を求めようにも、使いを出すには件の街路を通らねばならない。 議会は踊れど、されど進まず、混迷を極める中、彼らがひとまず出した結論は、とにもかくにも魔物達の巣に偵察を出すというものだった。 とは言え、防衛軍を成しているのは戦に慣れぬ農民や木こりばかり。そこで白羽の矢が立ったのは、一人の若い狩人の男だったのだが……。 |
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