中編:小野耀太 〜おっさん顔DKと男の娘サキュバス〜
俺は小野 耀太(おの ようた)。いわゆる“おっさん顔”……だが俺はこれでもれっきとした高校生だ。顔が顔なだけで。
これはそんな俺と幼馴染みが結ばれる話だ。
俺は現在逢魔学園高等部2年生。今日はお盆休みで1週間程の帰省だ。ゴールデンウィークぶりに帰省………と言いたかったが、今年は色々と忙しかった。なので去年の冬休み以来の帰省となる。
地元で小学校を卒業し逢魔学園中等部に進学、それ以来毎年ゴールデンウィーク、夏休みのお盆休み、冬休みに帰省している。アイツは元気にしてるだろうか…。既に話したように今年はゴールデンウィークに帰省できなかった……その分一層アイツに会うのが楽しみだ。
俺
「ただいま。」
ばあちゃん
「ああ耀太、お帰り。久しぶりだねえ。」
じいちゃん
「おおっ耀太ァ!!久しぶりじゃねえか!」
俺
「じいちゃんばあちゃんも久しぶり!」
親父&おふくろ
「「ただいま!」」
俺の母方のじいちゃんばあちゃん。父方のじいちゃんばあちゃんとはじいちゃん同士飲んで遊んで、ばあちゃん同士は従姉妹ということもあって俺の両親も自然と幼馴染み、そして付き合い結婚、俺が生まれたということだ。
お、誰か来たようだ。 ……あの車、懐かしいな。
???
「こんにちは〜……あっ耀太!久しぶり〜!!」
俺
「ユキ!」
彼は菱川 雪緒(ひしかわ ゆきお)、俺の幼馴染みだ。顔立ち、華奢な体格、そして声色とパッと見たら女の子に見えるが、雪緒はこれでもれっきとした男……いわゆる“男の娘”というヤツだ。
家族以外で初めて俺の顔を受け入れてくれたヤツで、俺にとって最高のダチと言える。俺は元々同い年の連中と比べても年上に見える顔立ちだった(特に小5〜6辺りにはいわゆる“アラサー”な顔立ちだった)。要するに顔のことでいじめられてたということだ(ほとんど男子から)。まあ雪緒と俺自身、そして家族のお陰でいじめはなくなった。そのこともあり、俺と雪緒はお互い“耀太”、“ユキ”と呼び合う仲となった。と思いきや今度は「俺とユキ、いっそのことくっ付いちゃえよ!」と思うヤツ(特に男子)が続出したとな。
ちなみにいじめの原因は顔立ち故の女子ウケに対する(まあ要するに)「リア充爆発しろ!」的な、一言で言うと嫉妬なんだと、まあ実に下らねえ理由だったとよ。ああマジ下らねー。
ユキの姉さん
「おうおう耀太〜、おめえ相変わらず渋☆イイ☆ツラしてんな〜」
ユキの弟
「耀太兄ちゃん久しぶり〜!!」
ユキの妹
「耀太お兄ちゃん……その、お久しぶりです…」
俺
「ああ、みんなも、久しぶり。」
ユキ
「ねえ耀太!早速やろ、双六!!」
俺
「いいね!よしやろう!」
親父
「父さんも加わるぞ〜!」
おふくろ
「じゃあ私も!」
ということで、みんなで双六大会を始めた。俺、両親、両親それぞれの祖父母、ユキ、ユキの兄弟姉妹3人、ユキの両親と大所帯でやったのでそれはまあ時間かかった。その分、久しぶりにとても楽しかった。今度の冬休みには夜路達も連れていきたい。
ユキ
「くぅ〜っ、久しぶりに耀太と遊んで、凄く楽しかった〰!!」
ユキの弟
「耀太兄ちゃん強ーい!」
ユキの妹
「耀太お兄ちゃん、強〜い!…そしてカッコいい。」
俺
「はははっ」
ユキ
「そうだ耀太!今度夜路くん達も連れてきて!またみんなで遊びた〜い!!」
俺
「そうだな…今度の冬休みに、な。」
ユキ
「やった〜!!」
ユキの姉さん
「しッかし耀太〜おめえ強えな〜(からかいつつ絡む)!」
俺
「ちょ………(゜∀゜;)」
ユキ
「も〜、お姉ちゃん////!」
ユキの姉さん
「イイじゃんよユキィ〜。どーせ減るモンじゃねーし♡」
ユキ
「そーゆー話じゃなーい////!!」
ユキの姉さん、良くも悪くも馴れ馴れしい性格の人だ(あとたまにチャラくなる)。ユキの弟はとても人懐こい性格だ。そしてユキの妹は恥ずかしがり。そんなユキの妹をフォローしてるのがユキ本人やユキの弟、そしてユキの姉さん。まあユキの姉さんはユキ達をからかう事が多いようだが。とてもイイ兄弟姉妹だと思う。俺は一人っ子なので時々うらやましいと思う。
……………
ユキ
「ふあ〜、これこれ!耀太と一緒に入るお風呂!もう最高〜!!」
俺
「相変わらずだな、ユキ。」
ユキ
「だって最高だもん〜!」
「でも…」
俺
「?」
そこから先は聞き取れなかった。そういえばユキ、元々女の子っぽさはあったが前にも増してそんな感じになったような……気のせいか?
…………………
ユキ
「ねえ耀太。」
俺
「なんだ、ユキ?」
ユキ
「その…」
俺
「どうした?」
ユキ
「やっぱり、気づいてたでしょ?」
俺
「何に?」
…と、おもむろにユキは服を脱ぎ始めた。
俺
「ユキ!? 一体何を…!!?」
「!!! …ユキ、お前……」
男なら必ず持ってるアレが、無かった。そして…
俺
「ユキ、まさか…!!」
ユキ
「そう、もう分かったでしょ?」
俺
「……( ゚Д゚)」
そう、ユキはサキュバスの姿になった。俺が知ってるユキの姿、声はそのままに…
俺
「い、一体何があったんだ、ユキ…!?」
ユキ
「実は今年の春頃ね、こうなったんだ。」
俺
「……、いやいや待て待て! だってお前、その、こんなこと言うのもなんだが…見た目はともかく性別は」
ユキ
「うん、元は男…それも人間の、ね。」
俺
「それは知ってる!一体何があったんだユキ!?」
「というか何故サキュバスに!? 兆候があったなら…まあ時と場合にもよるだろうが、俺だって気づいたと思うぞ!!?」
ユキ
「実は僕も気づいてなかったんだ…こうなって初めて自分が変だって分かって…。 で、検査してもらったら僕、アルプになってたんだって。もちろん両親もお姉ちゃんも分かってる。弟と妹は理解するまで少し時間がかかっちゃったけど。僕の家族はみんな知ってるよ。」
俺
「アルプ!? アルプってあの……!!?」
ユキ
「うん。」
“アルプ”、同性愛者の男が時折サキュバスとして変異することで誕生する魔物娘。そしてそれ故、現代においてもその数は少なく、魔物娘の中でも希少な存在と言われる。まあ現在は同性愛に対する理解が少しずつ広がっているも、それでもまだ充分とは言えない……故に昔に比べれば数も増えてきたが、やはりまだまだ少ないという。
しかし、まさか自分の幼馴染み、しかも同性の幼馴染みが魔物娘になるとは……俺でなくとも誰が予想できよう………。
ユキ
「ほら、覚えてる?」
俺
「何をだ?」
ユキ
「僕、元々顔も声も体型も女の子みたいだったでしょ? そしてそれでいじめられてたのも。『男らしくない』って。」
俺
「ああ、確かに。」
ユキ
「そんな僕を耀太は助けてくれた…」
俺
「あったな、確かに。」
ユキ
「それがね、すっごく嬉しかったんだ。」
「それ以来、『耀太みたいにカッコイイ男になりたい』って思うようになったんだ…」
俺
「ユキ…」
ユキ
「でもね、多分中3辺りからだと思う。今思い返せば、その辺りから耀太を男の子として、恋愛対象として意識してたんだと思う。」
俺
「そ、そうだったのか…俺は、まあ確かにお前は凄くかわいいなとは、時々思ってたが、そこまでは…思いもしなかったな…。」
ユキ
「ねえ耀太、さっきお風呂で…多分耀太には聞こえてなかったと思うけど…」
俺
「ああ、そういえばあの時、何を言おうとしたんだ、ユキ?」
ユキ
「うん、『もしかしたら耀太とこうしていられるのも、これが最後かも』って言いたかったんだ。 でも…言えなかったんだ、怖くて、怖くて………」
俺
「ユキ…」
ユキ
「だって、これまでと同じ、2人の関係が、崩れてしまうんじゃないかって…………僕、それが凄く怖かった…怖かった…」
(俺はユキを抱きしめる)
ユキ
「耀太…」
俺
「そうか、怖かったか…。 俺がこう言うのもなんだが、泣きたきゃ泣いてもいい。どんな関係になろうとも、俺とユキはこれからも俺とユキだ…それはずっと変わらない。」
ユキ
「耀太ぁぁぁ……う、うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ユキはしばらく泣いていた。ユキがこんなに俺を想ってくれていたというのは正直驚いた。だが同時に嬉しいとも思った。
俺はもう覚悟を決めていた…。そう、ユキの気持ちをしっかり受け止めようと。それが俺がユキにしてあげられる恩返しだと思った。
俺
「ユキ」
ユキ
「何、耀太?」
俺
「ありがとう」
ユキ
「ど、どうしたの、急に?」
俺
「ユキは家族以外で初めて、俺の、この面(ツラ)を受け入れてくれた、最高のダチだ。ありがとう。」
ユキ
「耀太…もう、『ありがとう』は僕も同じだよ……うん、僕からも、ありがとう、耀太!」
俺
「…////」
ユキ
「それじゃ」
俺
「ああ。」
俺も脱いだ…。お互い、生まれたままの姿で、見つめ合った。そして、お互いに、唇を重ね合った…。
ユキ
「んっ、はあ…それじゃ…♡」
俺
「ああ、いいよ」
ユキ
「ん、んんっ…んっ…あ、あ…ああ…♡」
俺
「うっ…うおっ…ああ…」
ユキ
「ああ、耀太の、入っちゃったね…奥に♡」
俺
「!!!」
ユキはこれまでのユキからは想像もつかない、蕩けた表情(カオ)をしていた…。色々な意味で、その、『新鮮』だった……////
ユキ
「う、動くね…」
俺
「ああ、いいぞ…いつでも来い、あっ」
ユキ
「あっ、あっ、あっ、あっああぁぁ♡」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン…………
ユキ
「これ、奥っっ…奥、ノックされまくってるう♡」
「ああ耀太、耀太、耀太ぁ♡♡♡」
俺
「ユキ、ユキ、ユキィ…!」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン…………
俺
「くっ、これ…ユキすまん、俺、もう…」
ユキ
「あっ耀太…いいよ、来て♡ 耀太の全部、受け止めるよ♡♡」
俺
「おう、う、受け取ってくれ、ユキ…」
ユキ
「うんっ♡ おいで、耀太♡」
俺
「ああっ」
ユキ
「ああああああああ♡♡」
どびゅっびゅるるるるるるるるるるるるるるるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!
俺はユキに、ユキの秘密の場所に、白い熱を、勢いよく出した。
俺&ユキ
「「ハア…ハア…ハア…ハア…」」
ユキ
「耀太」
俺
「なんだ、ユキ?」
ユキ
「凄く気持ちよかったよ…♡」
俺
「!!! い、今更こう言うのもなんだが…改めてそう言われると、その…恥ずかしい////」
ユキ
「えへへ、もう、耀太ったらかわいい♡」
俺
「や、やめえ! 余計に恥ずかしい…!!」
ユキ
「えへへ♡」
俺
「ったく、かわいいヤツ…」
(頭を撫でる)
ユキ
「わっ…もう、耀太ったら〜♡♡」
「えいっ♡」
(耀太の頭をわしゃわしゃする)
俺
「わっ、ユキ……」
………
数年後……
俺
「ふう」
ユキ
「お疲れ。はい、麦茶。」
俺
「ありがとう、ユキ」
ユキ
「どういたしまして♡」
俺
「ああ…」
(顔が近い2人…)
???
「もーっ、二人共! ご飯、できたよ!!」
俺
「ああ、今行く、桃。」
ユキ
「じゃあ続きは♡」
俺
「そうだな」
桃
「も〜っパパとママったら、ホントラブラブなんだから〜!」
俺
「ははっ確かに(苦笑)」
ユキ
「そうだよ桃〜、だってパパとママは〜〜ホントにラブラブなんだから〜♡♡」
俺
「それは事実だが…その…んなあからさまに言うか! 桃がどうか分からないが、俺はめっちゃ恥ずかしいぞ……!!」
桃
「ほら早く、ご〜飯〜!」
ユキ
「はいはい♡♡」
俺とユキは現在、皇都大学4年生。魔導学部に在籍し、4才になる娘との生活、講義、卒論、そして就活と大忙しだ。生活費は今のところ親を頼っているのと、学生の身で結婚した、あるいは子どもが生まれた人間同士のカップル及び人魔カップルへの生活費を全面援助してくれる制度を利用して頑張っている。
ん? 今はどうかって? もちろん、幸せだ。最高にな👍!
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Fin.
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これはそんな俺と幼馴染みが結ばれる話だ。
俺は現在逢魔学園高等部2年生。今日はお盆休みで1週間程の帰省だ。ゴールデンウィークぶりに帰省………と言いたかったが、今年は色々と忙しかった。なので去年の冬休み以来の帰省となる。
地元で小学校を卒業し逢魔学園中等部に進学、それ以来毎年ゴールデンウィーク、夏休みのお盆休み、冬休みに帰省している。アイツは元気にしてるだろうか…。既に話したように今年はゴールデンウィークに帰省できなかった……その分一層アイツに会うのが楽しみだ。
俺
「ただいま。」
ばあちゃん
「ああ耀太、お帰り。久しぶりだねえ。」
じいちゃん
「おおっ耀太ァ!!久しぶりじゃねえか!」
俺
「じいちゃんばあちゃんも久しぶり!」
親父&おふくろ
「「ただいま!」」
俺の母方のじいちゃんばあちゃん。父方のじいちゃんばあちゃんとはじいちゃん同士飲んで遊んで、ばあちゃん同士は従姉妹ということもあって俺の両親も自然と幼馴染み、そして付き合い結婚、俺が生まれたということだ。
お、誰か来たようだ。 ……あの車、懐かしいな。
???
「こんにちは〜……あっ耀太!久しぶり〜!!」
俺
「ユキ!」
彼は菱川 雪緒(ひしかわ ゆきお)、俺の幼馴染みだ。顔立ち、華奢な体格、そして声色とパッと見たら女の子に見えるが、雪緒はこれでもれっきとした男……いわゆる“男の娘”というヤツだ。
家族以外で初めて俺の顔を受け入れてくれたヤツで、俺にとって最高のダチと言える。俺は元々同い年の連中と比べても年上に見える顔立ちだった(特に小5〜6辺りにはいわゆる“アラサー”な顔立ちだった)。要するに顔のことでいじめられてたということだ(ほとんど男子から)。まあ雪緒と俺自身、そして家族のお陰でいじめはなくなった。そのこともあり、俺と雪緒はお互い“耀太”、“ユキ”と呼び合う仲となった。と思いきや今度は「俺とユキ、いっそのことくっ付いちゃえよ!」と思うヤツ(特に男子)が続出したとな。
ちなみにいじめの原因は顔立ち故の女子ウケに対する(まあ要するに)「リア充爆発しろ!」的な、一言で言うと嫉妬なんだと、まあ実に下らねえ理由だったとよ。ああマジ下らねー。
ユキの姉さん
「おうおう耀太〜、おめえ相変わらず渋☆イイ☆ツラしてんな〜」
ユキの弟
「耀太兄ちゃん久しぶり〜!!」
ユキの妹
「耀太お兄ちゃん……その、お久しぶりです…」
俺
「ああ、みんなも、久しぶり。」
ユキ
「ねえ耀太!早速やろ、双六!!」
俺
「いいね!よしやろう!」
親父
「父さんも加わるぞ〜!」
おふくろ
「じゃあ私も!」
ということで、みんなで双六大会を始めた。俺、両親、両親それぞれの祖父母、ユキ、ユキの兄弟姉妹3人、ユキの両親と大所帯でやったのでそれはまあ時間かかった。その分、久しぶりにとても楽しかった。今度の冬休みには夜路達も連れていきたい。
ユキ
「くぅ〜っ、久しぶりに耀太と遊んで、凄く楽しかった〰!!」
ユキの弟
「耀太兄ちゃん強ーい!」
ユキの妹
「耀太お兄ちゃん、強〜い!…そしてカッコいい。」
俺
「はははっ」
ユキ
「そうだ耀太!今度夜路くん達も連れてきて!またみんなで遊びた〜い!!」
俺
「そうだな…今度の冬休みに、な。」
ユキ
「やった〜!!」
ユキの姉さん
「しッかし耀太〜おめえ強えな〜(からかいつつ絡む)!」
俺
「ちょ………(゜∀゜;)」
ユキ
「も〜、お姉ちゃん////!」
ユキの姉さん
「イイじゃんよユキィ〜。どーせ減るモンじゃねーし♡」
ユキ
「そーゆー話じゃなーい////!!」
ユキの姉さん、良くも悪くも馴れ馴れしい性格の人だ(あとたまにチャラくなる)。ユキの弟はとても人懐こい性格だ。そしてユキの妹は恥ずかしがり。そんなユキの妹をフォローしてるのがユキ本人やユキの弟、そしてユキの姉さん。まあユキの姉さんはユキ達をからかう事が多いようだが。とてもイイ兄弟姉妹だと思う。俺は一人っ子なので時々うらやましいと思う。
……………
ユキ
「ふあ〜、これこれ!耀太と一緒に入るお風呂!もう最高〜!!」
俺
「相変わらずだな、ユキ。」
ユキ
「だって最高だもん〜!」
「でも…」
俺
「?」
そこから先は聞き取れなかった。そういえばユキ、元々女の子っぽさはあったが前にも増してそんな感じになったような……気のせいか?
…………………
ユキ
「ねえ耀太。」
俺
「なんだ、ユキ?」
ユキ
「その…」
俺
「どうした?」
ユキ
「やっぱり、気づいてたでしょ?」
俺
「何に?」
…と、おもむろにユキは服を脱ぎ始めた。
俺
「ユキ!? 一体何を…!!?」
「!!! …ユキ、お前……」
男なら必ず持ってるアレが、無かった。そして…
俺
「ユキ、まさか…!!」
ユキ
「そう、もう分かったでしょ?」
俺
「……( ゚Д゚)」
そう、ユキはサキュバスの姿になった。俺が知ってるユキの姿、声はそのままに…
俺
「い、一体何があったんだ、ユキ…!?」
ユキ
「実は今年の春頃ね、こうなったんだ。」
俺
「……、いやいや待て待て! だってお前、その、こんなこと言うのもなんだが…見た目はともかく性別は」
ユキ
「うん、元は男…それも人間の、ね。」
俺
「それは知ってる!一体何があったんだユキ!?」
「というか何故サキュバスに!? 兆候があったなら…まあ時と場合にもよるだろうが、俺だって気づいたと思うぞ!!?」
ユキ
「実は僕も気づいてなかったんだ…こうなって初めて自分が変だって分かって…。 で、検査してもらったら僕、アルプになってたんだって。もちろん両親もお姉ちゃんも分かってる。弟と妹は理解するまで少し時間がかかっちゃったけど。僕の家族はみんな知ってるよ。」
俺
「アルプ!? アルプってあの……!!?」
ユキ
「うん。」
“アルプ”、同性愛者の男が時折サキュバスとして変異することで誕生する魔物娘。そしてそれ故、現代においてもその数は少なく、魔物娘の中でも希少な存在と言われる。まあ現在は同性愛に対する理解が少しずつ広がっているも、それでもまだ充分とは言えない……故に昔に比べれば数も増えてきたが、やはりまだまだ少ないという。
しかし、まさか自分の幼馴染み、しかも同性の幼馴染みが魔物娘になるとは……俺でなくとも誰が予想できよう………。
ユキ
「ほら、覚えてる?」
俺
「何をだ?」
ユキ
「僕、元々顔も声も体型も女の子みたいだったでしょ? そしてそれでいじめられてたのも。『男らしくない』って。」
俺
「ああ、確かに。」
ユキ
「そんな僕を耀太は助けてくれた…」
俺
「あったな、確かに。」
ユキ
「それがね、すっごく嬉しかったんだ。」
「それ以来、『耀太みたいにカッコイイ男になりたい』って思うようになったんだ…」
俺
「ユキ…」
ユキ
「でもね、多分中3辺りからだと思う。今思い返せば、その辺りから耀太を男の子として、恋愛対象として意識してたんだと思う。」
俺
「そ、そうだったのか…俺は、まあ確かにお前は凄くかわいいなとは、時々思ってたが、そこまでは…思いもしなかったな…。」
ユキ
「ねえ耀太、さっきお風呂で…多分耀太には聞こえてなかったと思うけど…」
俺
「ああ、そういえばあの時、何を言おうとしたんだ、ユキ?」
ユキ
「うん、『もしかしたら耀太とこうしていられるのも、これが最後かも』って言いたかったんだ。 でも…言えなかったんだ、怖くて、怖くて………」
俺
「ユキ…」
ユキ
「だって、これまでと同じ、2人の関係が、崩れてしまうんじゃないかって…………僕、それが凄く怖かった…怖かった…」
(俺はユキを抱きしめる)
ユキ
「耀太…」
俺
「そうか、怖かったか…。 俺がこう言うのもなんだが、泣きたきゃ泣いてもいい。どんな関係になろうとも、俺とユキはこれからも俺とユキだ…それはずっと変わらない。」
ユキ
「耀太ぁぁぁ……う、うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ユキはしばらく泣いていた。ユキがこんなに俺を想ってくれていたというのは正直驚いた。だが同時に嬉しいとも思った。
俺はもう覚悟を決めていた…。そう、ユキの気持ちをしっかり受け止めようと。それが俺がユキにしてあげられる恩返しだと思った。
俺
「ユキ」
ユキ
「何、耀太?」
俺
「ありがとう」
ユキ
「ど、どうしたの、急に?」
俺
「ユキは家族以外で初めて、俺の、この面(ツラ)を受け入れてくれた、最高のダチだ。ありがとう。」
ユキ
「耀太…もう、『ありがとう』は僕も同じだよ……うん、僕からも、ありがとう、耀太!」
俺
「…////」
ユキ
「それじゃ」
俺
「ああ。」
俺も脱いだ…。お互い、生まれたままの姿で、見つめ合った。そして、お互いに、唇を重ね合った…。
ユキ
「んっ、はあ…それじゃ…♡」
俺
「ああ、いいよ」
ユキ
「ん、んんっ…んっ…あ、あ…ああ…♡」
俺
「うっ…うおっ…ああ…」
ユキ
「ああ、耀太の、入っちゃったね…奥に♡」
俺
「!!!」
ユキはこれまでのユキからは想像もつかない、蕩けた表情(カオ)をしていた…。色々な意味で、その、『新鮮』だった……////
ユキ
「う、動くね…」
俺
「ああ、いいぞ…いつでも来い、あっ」
ユキ
「あっ、あっ、あっ、あっああぁぁ♡」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン…………
ユキ
「これ、奥っっ…奥、ノックされまくってるう♡」
「ああ耀太、耀太、耀太ぁ♡♡♡」
俺
「ユキ、ユキ、ユキィ…!」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン…………
俺
「くっ、これ…ユキすまん、俺、もう…」
ユキ
「あっ耀太…いいよ、来て♡ 耀太の全部、受け止めるよ♡♡」
俺
「おう、う、受け取ってくれ、ユキ…」
ユキ
「うんっ♡ おいで、耀太♡」
俺
「ああっ」
ユキ
「ああああああああ♡♡」
どびゅっびゅるるるるるるるるるるるるるるるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!
俺はユキに、ユキの秘密の場所に、白い熱を、勢いよく出した。
俺&ユキ
「「ハア…ハア…ハア…ハア…」」
ユキ
「耀太」
俺
「なんだ、ユキ?」
ユキ
「凄く気持ちよかったよ…♡」
俺
「!!! い、今更こう言うのもなんだが…改めてそう言われると、その…恥ずかしい////」
ユキ
「えへへ、もう、耀太ったらかわいい♡」
俺
「や、やめえ! 余計に恥ずかしい…!!」
ユキ
「えへへ♡」
俺
「ったく、かわいいヤツ…」
(頭を撫でる)
ユキ
「わっ…もう、耀太ったら〜♡♡」
「えいっ♡」
(耀太の頭をわしゃわしゃする)
俺
「わっ、ユキ……」
………
数年後……
俺
「ふう」
ユキ
「お疲れ。はい、麦茶。」
俺
「ありがとう、ユキ」
ユキ
「どういたしまして♡」
俺
「ああ…」
(顔が近い2人…)
???
「もーっ、二人共! ご飯、できたよ!!」
俺
「ああ、今行く、桃。」
ユキ
「じゃあ続きは♡」
俺
「そうだな」
桃
「も〜っパパとママったら、ホントラブラブなんだから〜!」
俺
「ははっ確かに(苦笑)」
ユキ
「そうだよ桃〜、だってパパとママは〜〜ホントにラブラブなんだから〜♡♡」
俺
「それは事実だが…その…んなあからさまに言うか! 桃がどうか分からないが、俺はめっちゃ恥ずかしいぞ……!!」
桃
「ほら早く、ご〜飯〜!」
ユキ
「はいはい♡♡」
俺とユキは現在、皇都大学4年生。魔導学部に在籍し、4才になる娘との生活、講義、卒論、そして就活と大忙しだ。生活費は今のところ親を頼っているのと、学生の身で結婚した、あるいは子どもが生まれた人間同士のカップル及び人魔カップルへの生活費を全面援助してくれる制度を利用して頑張っている。
ん? 今はどうかって? もちろん、幸せだ。最高にな👍!
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21/09/24 20:54更新 / bj12.bom
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