始まり始まり
「うっ・・・ん・・・」
俺は首にチクチクする痛みを感じて目をほんの少しだけあけた。
と同時に、べったりと青い絵の具を塗りたくったかのような真っ青な空に、オレンジ色にサンサンと輝く太陽で完全に目が覚めた。
「うわ眩し・・・?」
思わず開きかけた目を細め、右腕で目を隠すと同時にその右腕にくっついてる物を見て一瞬で頭に出たキーワードは
(『花びら』・・・だよな・・・?)
目を細めつつ眉をひそめ、空いてる左手で右腕にくっついてる『それ』をつまみあげ、まじまじと見る。俺は思わずゆっくりと首を回転させ、ゆっくりと周りを見渡し観察した。
その目に飛び込んできたのは、さらさらと流れる小川、青々と茂ってた大きな樹や、未だに成長しきれていないと思われる『何かの花のつぼみ』が付いている木、これも同じく『何かの実』をつけている木もあった。
それらを見るだけで、表情を崩し口を少し開きマヌケな表情を作り
絶句
昨日寝ていたはずのベッドが無ければ、布団も無い。いつもの目を覚ませばあるはずの天井も、机の上にある漫画の山も、寝る前に見た光景が何もかも無い。
こんな風に、いつもとまったく違った状況に置かれた時、俺の考える行為は普通周りをキョロキョロと見回し、なんとか自分の居る場所や状態、自分の頭が異常で無いかなどの行為をとったり、漫画やアニメのように
『どこだよここはあぁぁ!!』
なんて感じで大声をあげたりするんだろうなぁ、なんて事を想像しつつ
(まぁ俺はこんなの妄想済みだからね、目をあけたらそこはいつもと違う世界でした。なんてのはもうインスピレーション済みだからね。でも現実じゃそんなのありえないって、流石にもう子供じゃないから俺知ってるからね。もしかしたらってのはあるかもしれないけど・・・。でも首痛かったから夢は無いかな?じゃあ現実・・・だよな。ってことはこれって俺、家出なんかしたっけ?いやでも、確かに寝る前は自分の部屋だったよなぁ。にしても今日は気分がすがすがしい、寝起きが良いってこんな感じなのかな)
なんて事を目を細めて、上半身を起こし、むくりと起きあがり呑気に考えていると
「は〜〜〜あぁぁ・・・」
などと口を押さえて欠伸をしてしまっている。
「ん〜、どこなんだろここ・・・」
と、思わず自分の思ってる事をボソッと口に出したその瞬間、上から
「あ、やっと起きましたか!」
と嬉しそうな声が聞こえた。
声の聞こえた方に頭を上げると
蝙蝠のような羽根をはやし、小さな羽根を精一杯動かし、手にはバスケットを持って飛んでいる女の子が居た。
「ん???」
声が裏返ってしまった。この状況にまったく理解が追いつかなかった、またしても俺は考える。
(凄ぇよこれ、完全に森の中じゃんか。しかも女の子が空飛んでるし、羽根生えてるし、蝙蝠みたいだし。うわうわうわこれもしかして・・・)
俺は一つの考えに行き着いた
(・・・認めたくないけどここが有名なマカーイか・・・凄いとこに来ちゃったんじゃないの?!)
一人で頭を悩ませていると
「あの・・・」
と彼女は困った様な顔をしてまた声をかけてきた、思わず俺は反射的に
「あ、おはよございますん・・・」
起きたばっかりの俺は頭が働かず、「あの・・・」の次に続く言葉を待とうともしないで挨拶をしてしまった。
(これは挨拶が吉と出るか凶と出るか、どっちかな)
言った直後にこんな事を思いつき
(何か話そうとしてたのに遮っちゃったのは反省だな・・・)
なんて事も思いついた。
「お、おはようございます!」
彼女は、しっかりと挨拶を返してきてくれた上に、頭までさげてくれた。なんとも子供らしい元気な声だ。ちゃんと挨拶が返せるなんてできた子だな、まだ子供だし初対面だし、ビクッてなって言葉が出てこないなんてこともあったかも・・・
「えっとさ・・・なんか話そうとしてたみたいだけど、邪魔しちゃったみたいでごめん・・・たった今起きたばっかりだったからさ・・・」
「いっ、いえ、気にしないでください、その、お腹が空いてると思ったので・・・」
彼女はそう言うと、俺の隣に座ってバスケットを降ろし、中から食パンでは無く、丸い楕円形の、映画や漫画で見るようなパンを取り出して
「これ、どうぞ。」
と言って、にっこりとして俺に差し出してくれた。
流石の俺も見ず知らずの人に、食べ物を貰うのは遠慮し
「え・・・ただでいいの?」
と聞いた。ってこれ、どこが遠慮してるんだろ。
彼女は今度は
「ふふっ」
と笑いつつ
「はい、ただです。」
と言って、また笑ってパンを差し出してくれた。
そういえば昨日、飯食ってから時間経ってるよな。完全に腹時計だけど、今午前8時くらいかな。流石の俺も空腹には勝てず
「・・・ごめん、ありがとね。」
申し訳なさで微笑みつつパンを受け取る。無償で受け取った非を感じ、ごめんなさいとお礼を言い、差し出してくれたパンを受け取り
「いただきます」
かぶりついてよく噛んで飲み込む。
「おいしいですか?」
彼女が聞いてきたので
「うん、おいしい。ところでさ・・・」
味はまずくは無いし、食感が柔らかいし、素直においしいと返す。
だが、彼女がまた何か言う前に、もう一つ素直に思った事を口に出す。
「ここどこ?」
俺は首にチクチクする痛みを感じて目をほんの少しだけあけた。
と同時に、べったりと青い絵の具を塗りたくったかのような真っ青な空に、オレンジ色にサンサンと輝く太陽で完全に目が覚めた。
「うわ眩し・・・?」
思わず開きかけた目を細め、右腕で目を隠すと同時にその右腕にくっついてる物を見て一瞬で頭に出たキーワードは
(『花びら』・・・だよな・・・?)
目を細めつつ眉をひそめ、空いてる左手で右腕にくっついてる『それ』をつまみあげ、まじまじと見る。俺は思わずゆっくりと首を回転させ、ゆっくりと周りを見渡し観察した。
その目に飛び込んできたのは、さらさらと流れる小川、青々と茂ってた大きな樹や、未だに成長しきれていないと思われる『何かの花のつぼみ』が付いている木、これも同じく『何かの実』をつけている木もあった。
それらを見るだけで、表情を崩し口を少し開きマヌケな表情を作り
絶句
昨日寝ていたはずのベッドが無ければ、布団も無い。いつもの目を覚ませばあるはずの天井も、机の上にある漫画の山も、寝る前に見た光景が何もかも無い。
こんな風に、いつもとまったく違った状況に置かれた時、俺の考える行為は普通周りをキョロキョロと見回し、なんとか自分の居る場所や状態、自分の頭が異常で無いかなどの行為をとったり、漫画やアニメのように
『どこだよここはあぁぁ!!』
なんて感じで大声をあげたりするんだろうなぁ、なんて事を想像しつつ
(まぁ俺はこんなの妄想済みだからね、目をあけたらそこはいつもと違う世界でした。なんてのはもうインスピレーション済みだからね。でも現実じゃそんなのありえないって、流石にもう子供じゃないから俺知ってるからね。もしかしたらってのはあるかもしれないけど・・・。でも首痛かったから夢は無いかな?じゃあ現実・・・だよな。ってことはこれって俺、家出なんかしたっけ?いやでも、確かに寝る前は自分の部屋だったよなぁ。にしても今日は気分がすがすがしい、寝起きが良いってこんな感じなのかな)
なんて事を目を細めて、上半身を起こし、むくりと起きあがり呑気に考えていると
「は〜〜〜あぁぁ・・・」
などと口を押さえて欠伸をしてしまっている。
「ん〜、どこなんだろここ・・・」
と、思わず自分の思ってる事をボソッと口に出したその瞬間、上から
「あ、やっと起きましたか!」
と嬉しそうな声が聞こえた。
声の聞こえた方に頭を上げると
蝙蝠のような羽根をはやし、小さな羽根を精一杯動かし、手にはバスケットを持って飛んでいる女の子が居た。
「ん???」
声が裏返ってしまった。この状況にまったく理解が追いつかなかった、またしても俺は考える。
(凄ぇよこれ、完全に森の中じゃんか。しかも女の子が空飛んでるし、羽根生えてるし、蝙蝠みたいだし。うわうわうわこれもしかして・・・)
俺は一つの考えに行き着いた
(・・・認めたくないけどここが有名なマカーイか・・・凄いとこに来ちゃったんじゃないの?!)
一人で頭を悩ませていると
「あの・・・」
と彼女は困った様な顔をしてまた声をかけてきた、思わず俺は反射的に
「あ、おはよございますん・・・」
起きたばっかりの俺は頭が働かず、「あの・・・」の次に続く言葉を待とうともしないで挨拶をしてしまった。
(これは挨拶が吉と出るか凶と出るか、どっちかな)
言った直後にこんな事を思いつき
(何か話そうとしてたのに遮っちゃったのは反省だな・・・)
なんて事も思いついた。
「お、おはようございます!」
彼女は、しっかりと挨拶を返してきてくれた上に、頭までさげてくれた。なんとも子供らしい元気な声だ。ちゃんと挨拶が返せるなんてできた子だな、まだ子供だし初対面だし、ビクッてなって言葉が出てこないなんてこともあったかも・・・
「えっとさ・・・なんか話そうとしてたみたいだけど、邪魔しちゃったみたいでごめん・・・たった今起きたばっかりだったからさ・・・」
「いっ、いえ、気にしないでください、その、お腹が空いてると思ったので・・・」
彼女はそう言うと、俺の隣に座ってバスケットを降ろし、中から食パンでは無く、丸い楕円形の、映画や漫画で見るようなパンを取り出して
「これ、どうぞ。」
と言って、にっこりとして俺に差し出してくれた。
流石の俺も見ず知らずの人に、食べ物を貰うのは遠慮し
「え・・・ただでいいの?」
と聞いた。ってこれ、どこが遠慮してるんだろ。
彼女は今度は
「ふふっ」
と笑いつつ
「はい、ただです。」
と言って、また笑ってパンを差し出してくれた。
そういえば昨日、飯食ってから時間経ってるよな。完全に腹時計だけど、今午前8時くらいかな。流石の俺も空腹には勝てず
「・・・ごめん、ありがとね。」
申し訳なさで微笑みつつパンを受け取る。無償で受け取った非を感じ、ごめんなさいとお礼を言い、差し出してくれたパンを受け取り
「いただきます」
かぶりついてよく噛んで飲み込む。
「おいしいですか?」
彼女が聞いてきたので
「うん、おいしい。ところでさ・・・」
味はまずくは無いし、食感が柔らかいし、素直においしいと返す。
だが、彼女がまた何か言う前に、もう一つ素直に思った事を口に出す。
「ここどこ?」
11/06/09 04:28更新 / のりゆき
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