連載小説
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家族
彼女は、少し間を置いて切り出した

セラ『私の…』

アイン「??」

セラ『アインさん』

アイン「なんだ?」

セラ『私の宝物になってほしい…』

アイン「…え」

想定外の事に変な声が出る

アイン「…」

セラ『…』

アイン「そんなこと言わなくても君なら普通に私を拐えるだろう?」

セラ『そんなことしたら、アインさんを傷つけた奴らと同じになる!そんなのは嫌!!』

アイン「なるほど…」

セラは縋るように、そして返事を急かすように待っている

アイン「…元より、君に救われた心身だったな」

セラ『…』

アイン「ある意味、これで真の家族なのかもな」

セラ『うん…❤️』

アイン「私は、沢山の竜を直接的ではないとはいえ傷つけた。」

セラ『…』

アイン「?」

セラ『だったら、それを繰り返さないためにも私がそばに居るから』

アイン「そうだな」

セラ『それに』

アイン「??」

セラ『女王さまが言ってたよ、屍竜たちは少なくとも許してるって』

アイン「そうか…」

女王『他の竜たちも、他の奴らを恨みはしてもお前を恨んではいない』

アイン「え」

女王『お前の罪は、その手足になった地点で赦されたと言ってもいい。普通の神経なら竜を恨むだろう?』

アイン「これは自業自得ですよ」

女王『ちょうどいい』

アイン「??」

すると二人の竜の魔物が入ってきた

竜『間違いない、この人です…』

アイン「??」

竜『私達が暴れた結果貴方は左腕と左足を失なった…』

アイン「そういえば、お前たちが何が原因かは解らんが大喧嘩らしき暴れ方をしていたな」

彼女たちは恐らく私の手足を消し飛ばした竜なのだろう

アイン「だがその事を恨みはしない、お陰で視点も変わったしセラにも会えた」

竜『…』

アイン「もう気にしていない、むしろ感謝さえしている」

女王『なるほど…』

セラ『あなたたちが居なかったら私は処分されてたし』

女王『結果的とは言え二人を巡り会わせたわけか…』

アイン「ですね…」

そう言うと竜たちは何度も頭を下げて帰っていった

女王『これで蟠りも消えただろう』

アイン「えぇ」

セラ『ありがとうございました』

女王はそのまま部屋から移動していった

アイン「セラ」

セラ『?』

アイン「大丈夫か?」

セラ『うん』

そのまま私は義手と義足を見る

アイン「全身鎧着てるから違和感少ないが普通の服だと違和感しかないな…」

セラ『確かに…でも私にとってはその金属の手足が最初の姿だったから』

アイン「そう言えば、そうだったな」

セラ『…』

そのままセラは私の義手に手を置く

アイン「??」

セラ『貴方もよく頑張ってアインさんを支えてくれたね…』

道具に対しての感謝と言う感じだろうか…?

セラ『ふふ』

アイン「??」

セラ『…❤️』

そのまままた抱き抱えられ、翼でも身体を包まれる

セラ『私の宝物になったから、この子たちももう少しでお仕事終わるね』

アイン「??」

セラ『インキュバスになるとね、病気や欠損も治るんだよ♪』

アイン「なんだと…!?」

セラ『魔王さまから聞いたんだよ♪』

アイン「なるほど…」

セラ『ふふ…♪』

本当にセラは大きく強く美しく育った、本当に…

アイン「…」

もう宝物になると決めたのだから、腹はくくった…来るならいつでも来い…

おわり
20/09/27 02:00更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

次回に続きます

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