連載小説
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彼らの処遇
帰ってきた翌日に、昨日侵入しようとしていて自警団に連れていかれず残っていた三人の話を聞くことにした

和也「で、あんたらは?」

???「俺はウォレスだ…」

一番背が高いが線の細い男は言う

???「私はジョーという…」

頬にある傷跡が特徴的な男はそう名乗った

???「僕はアンドリューだ…」

和也「なら端的に聞こう、あんたら、魔物をどのくらい知っている?」

ウォレス「もう人間を食わないことくらいは…」

ジョー「彼女達の言ったことはにわかに信じがたいが…」

アンドリュー「でもそれしか情報がない…」

和也「なるほど、まあ彼女たちがいなければ今頃再起不能にはなっていた。それだけは感謝しておくんだな…」

ウォレス「俺たちは知りすぎたらしい」

和也「???」

ウォレス「俺たちは魔物について調べていた、あのときは敵を知らなければ勝つ糸口も見つけられないと考えていたんだ」

和也「で、もうかつての魔物ではないことを知って奴隷にされ逃亡し追われて賊に身を落としたと?」

ジョー「そうなるな…」

和也「なるほど、ならまだいくつか聞くことが出来た」

俺が聞いたのは

・魔物たちと生きていく気はあるか?

・どこの出身か?

・調べたこと、彼女達と短いながらも接して心に変化はあるか?

の三つだ

和也「なるほど…」

聞いたところによると、シーナと同郷らしい

和也「あんたらの地元は放火犯がいたな」

アンドリュー「どうしてそれを!?」

和也「うちに来たんだよ、その被害者が」

ウォレス「なるほど…」

和也「とはいえあのろくでなしよりは幾分マシには見えるな」

ジョー「…」

和也「なら、彼女達にもっと魔物のことについて教えてもらえ。それからだ」

その日はそれで話は終わった。






















それから一週間ほど過ぎ、彼らは魔物を受け入れることを選んだらしい

和也「故郷の人間を裏切るか?」

ウォレス「あぁ、あんな上層部が私腹を肥やす豚以下のやつらしかいない故郷なんか不要だ」

ジョー「もうすぐ私たちまで腐るところだった、「腐った果物があると周りの果物まで腐る」という言葉があり自分達もそうなるところだったから彼女達には感謝している…」

アンドリュー「他者の痛みを自分の痛みとして泣ける、本来理想とすべき神の語る優れたもの、皮肉なことにそれが神の言う滅ぼす対象とはね…なんと言うか見限った…」

和也「いい返事だ、ならもうしばらく互いのことを知ればいい」

ウォレス「我々はどうなる?」

和也「あんたらより搾れるところが居るらしいからな、そいつらから飢え死にする寸前まで絞ってやるよ」

この事を魔王軍に言っておいた、多分上層部は抵抗すればもれなく投獄か四凶国に売り飛ばされるだろう。

アンドリュー「なるほど…ありがとう…」

和也「?」

アンドリュー「貴方がくれた最後の機会、無駄にはしない…」

和也「精々頑張れ。」

彼らはパートナーと語り合いに部屋に戻っていった。

彼らの処遇 おわり
19/09/26 22:07更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

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