act 0 運ばれた先は…
俺は白木 渡。突然だが俺は今から死のうと思う。
渡「はぁ…何でかね…」
なぜ死のうとしているかと言えば一ヶ月前に来るまで買い物に行った帰り道で両親は俺を残して死んでしまった。俺はほぼ無傷だったが家族を失うとしばらくしたら心でなにも感じなくなると言うが、本当らしい。
渡「あの時一緒に、死んだ方が楽だった…」
俺は自宅にいる、手には何重にも編み込んだビニール紐、テーブルの上には遺書、所謂首吊りだ。
渡「父さん、母さん、愚息であることを本当に申し訳なく思うよ…」
早速天井にビニール紐を取り付け、台座を蹴飛ばす。
渡「!!!」
苦しいが、これを乗り越えたら楽に…
あれ?俺は確か自宅で首を吊った筈だがなぜ見覚えのないベッドに寝かされているんだ?
渡「…」
思い身体を起こして立ち上がり、部屋のドアを開ける…
???『目が覚めたわね?』
ドアを開けた所に立っていたのは、スーツを着た長身の女性だった。
渡「貴方は?そしてここは?」
???『ここは療養所よ、貴方は死のうとしているところを近隣の人の電話で最終的にここへ送られてきたのよ。』
渡「余計なことを…」
???『私はシェリー、ここの所長よ。』
渡「…」
シェリー『貴方の事は調べさせてもらったわ。両親の事はお気の毒だったわね…』
渡「ならなぜ止めた?これ以上無駄に生きてなんになる?」
シェリー『貴方の精神は、相当深いダメージを受けている上で病に冒されているのよ。』
渡「?」
シェリー『貴方には悪いけど絶対に貴方を死なせはしない、治って貰うから』
強い意思を持つ眼で彼女は言う
渡「金はないぞ?遺産はみんな寄付してきたから」
シェリー『それも知っているわ、お金は要らないから、とにかく休みなさい』
渡「…」
その日はこの場所で解らないことが多すぎるのでそれを解明してなぜ俺が選ばれたのかを知るために眠ることにした。
翌朝、目を覚ますがやはりわからない。
渡「解らんな、なぜそこまで拘るんだ?俺一人消えたところでなにも変わらんだろうに…」
シェリー『お目覚めかしら?』
渡「あぁ、死にたい」
シェリー『貴方以外にもここの患者がいるから紹介するわ。』
渡「…」
そのまま着いていくと、二人の男が居た。
シェリー『昨日からここの患者になった、菅本渡よ。』
渡「どうも。」
???「君はなぜここに?」
青白い顔の長身の男性は聞く
???「パット見病気でも怪我でも無さそうだが」
包帯を巻いた車イスの男性も聞いてくる
渡「家族がみんな死んだ、俺だけ残してな…」
震えながら絞り出すように言葉を出す…
???「辛いことを思い出させてしまったな、申し訳ない…」
渡「あんたは?」
???「僕は青井良太郎だ、僕の脳には、でっかい腫瘍があってね…」
渡「治る可能性があるからここに?」
良太郎「いや、病院を移されてここに来たんだ。余命があと1ヶ月なのか、半年なのか、もっとなのかはわからないけれど。」
渡「なるほど…」
???「お前さんも、かなり参ってるみたいだな…」
渡「あんたは何が原因で…?」
???「俺は赤田克己、俺は火事に巻き込まれてな。左足の膝から下と左腕を肩から先が焼けちまってな…」
克己は生々しい傷跡を見せてくる
渡「よく生きてたな…」
克己「我ながら悪運強いもんだ…」
シェリー『自己紹介も終わったところで、貴方達につく職員を紹介するわね』
渡「まあ、見張りはつくよな…」
それから所長が言ったことは俺たちを驚かせた。
渡「魔物、ねぇ…」
良太郎「まあ、絡んでるよね…」
渡「魔物がたくさん居たのか、地元に?」
良太郎「そんなに多くはなかったけど、実際に居たよ。」
克己「魔物か、俺の地元にも居たが別嬪な女ばっかりだったな」
渡「俺は生の魔物は初めてだな、受け入れ始めてほとんどたたんうちにここに運ばれてきたから」
シェリー『貴方達の部屋に既に行って貰ってるから』
彼女はそういい残して所長室にもどっていった。
渡「さて、と」
俺の部屋に居たのは、白っぽい髪に黒のメッシュが入っている女性だった。
渡「貴方が俺につく職員?」
???『そうよ。』
渡「…」
全体像を見ると、所謂ダイナマイトボディと言うやつなのだろう、とても肉感的と普通の人間なら思うだろうと感じた。
???『私はアンジェラよ、よろしくね。』
渡「…」
精々、目を光らせておくんだなと言いたかったが敢えて飲み込んだ、俺は所詮死に損ないの罪人なのだから。
良太郎side
良太郎「君が職員?」
???『そうだよー、君が青井良太郎くん?』
良太郎「ああ。いきなりだが、今すぐ僕から離れた方がいい。これは余命幾ばくもない僕からの警告だ、関わると哀しみが増えるだけなのがわかるなら。」
???『大丈夫、貴方は助かるから』
良太郎「どこの医者でも投げ掛けられたのは匙だった、いい加減なことを言わないでほしいかな。」
???『とりあえず、私はモニカだよ。』
モコモコの手足を持つ彼女はそう名乗った。
克己side
克己「あんたが職員さんか?」
???『はい、そうですよ。貴方が赤田克己さんですか?』
克己「ああ、いっちゃ悪いかもしれんが」
???『?』
克己「あんた、どちらかと言うとお手伝いさんみたいな恰好してるよな」
???『おかしいですか?』
克己「いや、確かに俺の生活復帰のための手伝いならその服装は納得だ。」
???『私はローズといいます。』
克己「まあ、これからよろしくな。」
イギリスとかにいそうなお手伝いさんのような格好をした彼女に、俺は言った。
渡「はぁ…何でかね…」
なぜ死のうとしているかと言えば一ヶ月前に来るまで買い物に行った帰り道で両親は俺を残して死んでしまった。俺はほぼ無傷だったが家族を失うとしばらくしたら心でなにも感じなくなると言うが、本当らしい。
渡「あの時一緒に、死んだ方が楽だった…」
俺は自宅にいる、手には何重にも編み込んだビニール紐、テーブルの上には遺書、所謂首吊りだ。
渡「父さん、母さん、愚息であることを本当に申し訳なく思うよ…」
早速天井にビニール紐を取り付け、台座を蹴飛ばす。
渡「!!!」
苦しいが、これを乗り越えたら楽に…
あれ?俺は確か自宅で首を吊った筈だがなぜ見覚えのないベッドに寝かされているんだ?
渡「…」
思い身体を起こして立ち上がり、部屋のドアを開ける…
???『目が覚めたわね?』
ドアを開けた所に立っていたのは、スーツを着た長身の女性だった。
渡「貴方は?そしてここは?」
???『ここは療養所よ、貴方は死のうとしているところを近隣の人の電話で最終的にここへ送られてきたのよ。』
渡「余計なことを…」
???『私はシェリー、ここの所長よ。』
渡「…」
シェリー『貴方の事は調べさせてもらったわ。両親の事はお気の毒だったわね…』
渡「ならなぜ止めた?これ以上無駄に生きてなんになる?」
シェリー『貴方の精神は、相当深いダメージを受けている上で病に冒されているのよ。』
渡「?」
シェリー『貴方には悪いけど絶対に貴方を死なせはしない、治って貰うから』
強い意思を持つ眼で彼女は言う
渡「金はないぞ?遺産はみんな寄付してきたから」
シェリー『それも知っているわ、お金は要らないから、とにかく休みなさい』
渡「…」
その日はこの場所で解らないことが多すぎるのでそれを解明してなぜ俺が選ばれたのかを知るために眠ることにした。
翌朝、目を覚ますがやはりわからない。
渡「解らんな、なぜそこまで拘るんだ?俺一人消えたところでなにも変わらんだろうに…」
シェリー『お目覚めかしら?』
渡「あぁ、死にたい」
シェリー『貴方以外にもここの患者がいるから紹介するわ。』
渡「…」
そのまま着いていくと、二人の男が居た。
シェリー『昨日からここの患者になった、菅本渡よ。』
渡「どうも。」
???「君はなぜここに?」
青白い顔の長身の男性は聞く
???「パット見病気でも怪我でも無さそうだが」
包帯を巻いた車イスの男性も聞いてくる
渡「家族がみんな死んだ、俺だけ残してな…」
震えながら絞り出すように言葉を出す…
???「辛いことを思い出させてしまったな、申し訳ない…」
渡「あんたは?」
???「僕は青井良太郎だ、僕の脳には、でっかい腫瘍があってね…」
渡「治る可能性があるからここに?」
良太郎「いや、病院を移されてここに来たんだ。余命があと1ヶ月なのか、半年なのか、もっとなのかはわからないけれど。」
渡「なるほど…」
???「お前さんも、かなり参ってるみたいだな…」
渡「あんたは何が原因で…?」
???「俺は赤田克己、俺は火事に巻き込まれてな。左足の膝から下と左腕を肩から先が焼けちまってな…」
克己は生々しい傷跡を見せてくる
渡「よく生きてたな…」
克己「我ながら悪運強いもんだ…」
シェリー『自己紹介も終わったところで、貴方達につく職員を紹介するわね』
渡「まあ、見張りはつくよな…」
それから所長が言ったことは俺たちを驚かせた。
渡「魔物、ねぇ…」
良太郎「まあ、絡んでるよね…」
渡「魔物がたくさん居たのか、地元に?」
良太郎「そんなに多くはなかったけど、実際に居たよ。」
克己「魔物か、俺の地元にも居たが別嬪な女ばっかりだったな」
渡「俺は生の魔物は初めてだな、受け入れ始めてほとんどたたんうちにここに運ばれてきたから」
シェリー『貴方達の部屋に既に行って貰ってるから』
彼女はそういい残して所長室にもどっていった。
渡「さて、と」
俺の部屋に居たのは、白っぽい髪に黒のメッシュが入っている女性だった。
渡「貴方が俺につく職員?」
???『そうよ。』
渡「…」
全体像を見ると、所謂ダイナマイトボディと言うやつなのだろう、とても肉感的と普通の人間なら思うだろうと感じた。
???『私はアンジェラよ、よろしくね。』
渡「…」
精々、目を光らせておくんだなと言いたかったが敢えて飲み込んだ、俺は所詮死に損ないの罪人なのだから。
良太郎side
良太郎「君が職員?」
???『そうだよー、君が青井良太郎くん?』
良太郎「ああ。いきなりだが、今すぐ僕から離れた方がいい。これは余命幾ばくもない僕からの警告だ、関わると哀しみが増えるだけなのがわかるなら。」
???『大丈夫、貴方は助かるから』
良太郎「どこの医者でも投げ掛けられたのは匙だった、いい加減なことを言わないでほしいかな。」
???『とりあえず、私はモニカだよ。』
モコモコの手足を持つ彼女はそう名乗った。
克己side
克己「あんたが職員さんか?」
???『はい、そうですよ。貴方が赤田克己さんですか?』
克己「ああ、いっちゃ悪いかもしれんが」
???『?』
克己「あんた、どちらかと言うとお手伝いさんみたいな恰好してるよな」
???『おかしいですか?』
克己「いや、確かに俺の生活復帰のための手伝いならその服装は納得だ。」
???『私はローズといいます。』
克己「まあ、これからよろしくな。」
イギリスとかにいそうなお手伝いさんのような格好をした彼女に、俺は言った。
19/06/09 00:24更新 / サボテン
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