読切小説
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俺と水魔の夏休み
俺は水野 仁。来年には高校を卒業する高校生でとりあえず課題を3徹して仕上げて寝ているところでインターホンが鳴った。
訪問販売か宗教か?とおもって覗き窓から見ると顔は麦わら帽子で分からないが流水を彷彿とさせる青い身体のケンタウロスの魔物娘が居た…誰だと思いチェーンをかけて出ると、彼女は『お兄ちゃん、久し振り♪』と帽子を外した顔がみえた。
彼女は親戚の娘で名前を瑞穂という。しかしどうしたのかと思い聞いてみると彼女は『久々に会いに行ってみたら?』ということらしい。
俺は「連絡は来てないが…」と思っていると彼女はそれを察したのか彼女は『お兄ちゃんの両親に連絡してたと思うんだけど…』と言うが俺は聞いていない。





立ち話もなんなのでとりあえず彼女を一度上げ、親に連絡を取る。するとそろそろ連絡しようとしていたところだったらしく「もう来とるわ!!」と突っ込みを入れて通話を切る。

それからどうするかを考えていると彼女は『寝てたの?』と聞いてきたので俺は「課題を3徹して全部終わらせたあとだった」と返すと『そんなことしてたの?』と聞いてきたので「ああ、全部仕上げた。」と返し「昼飯、どうするかな…腹減って寝れん…」と言葉が漏れ、冷蔵庫を開ける…しかし中身はお茶やバターなどしかない、次にインスタント食品の棚を開けるとチキンラーメンがあったのでとりあえずこれを食べようと湯を沸かそうとすると彼女は『やっぱりインスタント食べてるんだ…念のため持ってきて良かった』と持ってきた袋から食べ物を冷蔵庫にいれていく…

少しして、彼女は冷やし中華を作ってくれた。腹が減っていたのでさっそく食べていく…味の好みまでバッチリなのは魔物娘の能力だろうか…?

結局どこへも行かず雑談をしたりして過ごし夜になったので寝ることにした。

彼女は加湿器のようで冷房で乾燥しがちな部屋の湿度を保ってくれたからか翌朝起きても喉の乾燥具合がほとんどなかったのには驚いた。




翌日、課題も終えたので暇と感じていると彼女は『せっかくの夏休みだしどこか行きたい』と言う。とはいえどこに行こうかと考えていると彼女は『プールとか海とか川とか近くにあると嬉しいけど…』と呟く。そこで俺は「市民プールならあるな、最近プールとかのある施設ができてジムとかに通う人しかいないから空いてる」と言うと彼女は『確かに空いてる方がいいかも…』と言い「なら、行こうか」とどこにしまったっけ?と考えつつ水着を探す。

15分位して水着を見つけた上で穿けることを確認したのでタオルや財布を鞄に入れ、部屋から出る…日差しがあっついなと思いタオルを首に巻いて市民プールへと歩く…ちゃんと飲み物も持ってきておいて良かった。持ってきてなかったら熱中症になりかねない…




しばらく歩いて、染みんプールにつくもプーラがみえるところからみても誰もいない。それをみた彼女は『ほんとに空いてるね』と言う、俺は「新しい施設に客とかほとんど取られてるからな…」と言い受付を済ませて着替えてくることにする。

水着に着替えてプールサイドで準備運動をしていると彼女もやってきた。

流石水棲の魔物娘と言うべきか着こなしている、そんな感想が浮かび俺は飛び込んだりウォータースライダーのあるプールに入りなにも考えずに流されることにした。

彼女は近くにやってきて『なにしてるの?』と聞いてくる。俺は「なにもしていないしなにも考えてない」と返すと『でも楽しそう♪』と言い近くで同じように着いてくることにしたらしい。

しばらくそうしていると、彼女は『こうしてるの好きなら私の実家の地元に来ない?』と言ってきた。「それもいいかもしれないな」と何の気なしに俺は答える。

それからさらにしばらくして、時間も昼になったので一度上がり食堂で飯にすることにした。
俺はざるそばの大盛り、彼女は鮭おにぎり二つと茹で玉子二つを食べた。帰ろうかとも思ったがまだ外は暑そうなのでもうしばらくプールで泳ぐことにする。

またなにも考えずに流されていると『さっきの、本気だよ?』と聞いてきたので「実際、未来が漠然とした不安ばかりだからそれも良さそうではあるって意味だな」と返す。すると『ふーん』と素の返事がきたかと思うと仰向けで浮いている俺に抱きつこうとしてきた、とっさの事で俺は驚きパニックを起こしかけたが彼女は『溺れないから大丈夫』と言いゆっくりと俺を少しだけ起こしゆっくりと抱き付く。
さらにしばらく時間が流れ、日も少し傾いてきたのでプールから出ることにした。

プールから出て自販機のアイスを買って食べる、いろいろな味があるが俺としてはやはりバニラが一番好きまであると思う。彼女はといえばフルーツのシャーベットを選んだようだ。

食べ終えたので帰宅することにする、まだかなり暑いには暑いがピークは超えていたから難とか水分補給なしでも熱中症にならずにすんだ、帰ってすぐに二人ででかいコップに並々とお茶を注いで一気に二杯飲む…。
夕飯は肉と野菜を炒めたものとご飯とインスタントのわかめスープだ。彼女は俺の好みの味付けをなぜ理解しているのだろうか?そんなことを考えていると夜も遅くなってきたので寝ることにする…






翌朝、起き上がると彼女は俺を見ていた。
彼女は『いろいろ考えたけど…』と起き上がった俺に抱き付く、何が起きたか分からないがとりあえず抱き抱えて撫でていると『魔物娘としての感覚は嘘をついてなかった』と言う。
そうしていると『お兄ちゃんの返事が、聞きたい』と泣きそうな顔で絞り出すように言う…
しばらくして「…わかったからそんな泣きそうな顔するな…」と言葉が出る。彼女の表情は一気に明るくなりにへらぁ…というSEを感じるようなものとなった。

これからのことを考える、とりあえず卒業したら彼女の地元に行くことは決まった。彼女は幸せそうに俺に抱きついている…撫でていると肌に潤いが増すような感じがする、水の魔力を持つ魔物娘ならではか…と思っていると彼女は顔を上げて俺の後頭部に手を回し自分の口で俺のそれを塞ぐ…














どれくらいそうしていたかはわからなかったが、彼女は口を離し『続きは、私たちの地元きてからね…♪』と悪戯っぽい顔で言う。

確かにこのまましてしまえば学業が死にそうだしそれを彼女も理解してくれたのかもしれない…

それから彼女は俺にべったりになった、照れはあるが穏やかな喜びもある。将来が決まったからかもしれないとも思う…




それから数日して、彼女が帰る日になった。将来が決まったとはいえ俺の心は決まっている。登校日を待つ…

登校日に、すぐに魔物娘の先生に相談する。内容はもちろん転校手続きの事だ。

そのまま転校手続きと課題をまとめてだし、転校準備が出来るまで部屋で着替えなどを詰めたり、冷蔵庫の中身を整理したりして過ごす。夏休みの終わる3日前に手続きが終わったと連絡があったのですぐにチケットを回収して部屋の荷物を回収し大家さんにも連絡をして港から船に乗り込む。

四時間ほどして彼女の地元に着いた、とはいえ俺も知っている地方なので彼女の家はわかる。そのまま彼女の実家に着くと、彼女はどうやら泳ぎに行っていたらしく彼女の母親が出迎えてくれた。彼女の母親には連絡はしてあるので用意された部屋で待つ。

しばらくして彼女が帰ってきたらしく、俺のいる部屋に来てドアを開けた。『お、お兄ちゃん…??』と驚いた顔に俺は「よう、しばらくぶりだな」と言うと『来てくれたの…?』と喜びの混じった顔に変わる「これならそんなに早く来る必要なかったか…?」と言うと『そんなわけない!!』と嬉しそうに抱きついてきた。

これからの生活は満たされたものになりそうだ、そんな確信を持ったのは俺だけではない。きっと…

おわり
24/07/27 23:14更新 / サボテン

■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

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