連載小説
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妻とよりを戻しました
妻とよりを戻しました





scene15
私の母親は、いつもいつも誰かに暴力を振るわれていました。

私が物心ついた頃から、何度か住処は変わりましたが、その都度同じ男に殴られていました。



母親は、私から見ても悪くない容姿をしていたと思います、ですがあまりに精神を磨耗していたためか痩つれ、目つきも悪くなっていました。



「・・・あの人が、いてくれたら」


夜になると、母親は私を抱きしめながら眠りましたが、あの人とは誰のことか私はわかりません。


ただ、身体を震わせながら眠る母の声からは、微かな諦観と、深い後悔が滲んでいるように感じました。


私には普通の人と違うところが二つあります。


一つは日本人らしくない紫の瞳、母はいつも美しいと褒めてくれます。


もう一つは明らかに長く伸びた二つの耳、丸い形をしているのではなく、鋭く尖っています。


母は、善人ではないですが悪人でもありません、大半の人間と同じ普通の人間です。



母が何故男に殴られても金子を得ようとしていたかと言うと、せめて私を助けたかったからなのかもしれません。






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scene16
虐げられ、泣き崩れる母親を見る、そんなことを一日おきに見て、小学生に間もなくなる頃、私の生活は変わりました。


「府警の東雲だっ!、通報により捜査させてもらう」


突然家に現れた短髪の捜査官、彼は母が何か言うのも聞かずに上がり込み、もうなんらかの確信でもあったのか、まっすぐ押入れに向かい、何かを探し始めます。


「・・・やはり」


捜査官は押入れにしまわれていた箱を開くと、中からたくさんの白い粉と、注射器を取り出しました。


「どうやら話しを聞く必要があるようですな」


捜査官はこくりと頷き、うつむいたままの母親をかかえ、扉の前にいた警察官に引き渡した。


「では、君にも来てもらおうか」





初めて外に出て、私は捜査官の運転する車に乗せられて警察署に向かいました。



シルクハットの怪しい怪盗が映る指名手配書のポスターが壁に貼られた待合室でしばらく待っていると、私を助けてくれた捜査官が入ってきました。


「酷い生活をしていたようだな」


その捜査官は私の耳や瞳には何もいわず、淡々と事情を聞いています。


「・・・なるほど、よくわかった、今後はおそらく、母親とは離されることになるだろう」


今日はもう休むと良い、そう告げると捜査官は外に出ようとします。


「あ、あの、気にしないの、ですか?」


ついつい私は捜査官を引き止めてしまいました、私の耳に目を向けない人は、今までいなかったから。



「・・・私も捜査官になってそれなりになるが様々な事件にも遭遇する、奇怪な怪盗やら、連続失踪事件やら、な?」


ふるふると首を振ると、今度こそ捜査官は待合室から出て行きました。




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scene17
警察署の当直室、眠っていると不思議な声がして、私は目を覚ましました。


「・・・しーっ」


いつの間に入ったのか、窓の前には、これまで見たことないような、不思議な美人が立っていました。


「・・・初めまして、可愛い『ダークプリースト』さん」


ダークプリースト、初めて聞いた単語に私は首を傾げます。


「そうね、あなたは何も知らないのよね」



そう呟くとその女の人は、背中からばさりと白い翼を広げました。


「私はリリム、魔王の娘、あなたと同じ魔物娘よ?」


そう言って、リリムさんは私に魔物娘について詳しく説明してくれました。



「こことは近いながら遠い世界、そこでサキュバスの魔王が誕生したの」


「魔王は平和を願い、数多の眷属を持ちながら人間と共に歩むことを考えた」



「そして魔王の影響で変化したのが魔物娘、あなたはどうやら魔物の瘴気を産まれる前から浴びてたせいで、産まれながら魔物娘に近い状態だったみたい」


リリムさんは私の特徴的な形の耳や妖しい色の瞳を見ながら微かに頷いて見せました。


「もしあなたが望むなら、あなたを完全な魔物娘に出来るけど、どうする?」


リリムさんの言葉に、私は自分のことがわからなくなっていました。


いきなり人間ではないと言われて、受け入れられるわけがありません、私は完全に混乱してしまいました。


「・・・おかあさんは、どうなるの?」


「貴方の母親は、私の知る限り、毒に浮かされ、結果として酷い裏切りをしてしまったみたい」


あんな良い人なかなかいないのにね?、そんなことを呟くと、リリムさんは私のすぐ前に近づいて来ます。



「自分の罪は自分で贖うしかない、もし彼女が心から罪を認め、償いを果たした時、その時には・・・」



最後までリリムさんは言いませんでしたが、その目はなんとなく悲しそうに、揺れていました。


「さあ、決心はついたかな?」



引き返すなら今、それはわかってましたが、リリムさんの言葉に、私は結局頷いていました。





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scene18
「あっ・・・」

リリムさんは私の身体に覆いかぶさると、片手で私の服を脱がし、もう片方の手で頬を撫でまわします。


「うふふ、可愛い娘、罪作り、ね?」


「あ、あの、顔が近い、ですよ?」


すぐ近くで見るリリムさんの顔は、整った顔立ちに真紅の妖しい瞳、見ているとまるで吸い込まれてしまいそうな雰囲気です。


「さあ、息を深く吸って、怖がらなくても良いわ」


ふわりと、まるで麻薬かなにかのような甘い匂い、それは私の頭を速やかに犯し、思考を蕩けさせていきます。


「はあああああああ・・・」


「うふふ、素敵な顔になったわね、でもまだまだ、よ?」


惚ける私には構わずに、リリムさんは私の衣服を素早く剥ぎ取ると、平らな胸に舌を這わせます。


「っ!、ひぐっ!」


瞬間、私の身体に電流のような凄まじい快感が走り、びくりと無意識的に肌が粟立ちます。


「かわいい反応、食べちゃいたいくらい」


リリムさんは赤い液体が入った瓶を取り出すと、中身を全て口に含みます。


「ひょれを・・・」


ゆっくりとリリムさんの顔が私に近づき気づいた頃には唇を奪われていました。


「むぐっ!」


「ひょうしゅる」


どろりと私の口内に流れ込む液体、その甘さに陶酔していると、身体が震えました。


「あひいっ!」

続いて私の腰がビリビリしびれ、真っ黒な羽が生えて来ました。


「うふふ、素敵よ?、あなたはこれから、どんどん成長するわ、でもね?」


リリムさんが指を鳴らすと、大きな魔法陣が空中に現れます。


「まずは過去に戻って、そのうえで成長して?、そうすればこの時代ではもういない、あなたの父親に会えるはず」



そして私は、過去に飛び、そこで、ようやくずっと会いたかった人、とうさんに、会えたのです。





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scene11
「貴方が、好きです」

ダークプリーストの少女は薄暗い部屋でそう呟くと、私の額に、軽い口づけをした。


万魔殿パンデモニウム、数多の悪魔が集う魔の巣窟かと思っていたが、ダークプリーストの少女曰く、「ある意味あっているものの、ある意味では異なる」らしい


堕落し、快楽を良しとする女神の保護のもといかなる時間、空間の束縛を受けない時の止まった世界。


私が今いる一室はそんなパンデモニウムの一室、暗い色の調度に、複数の女性と性交する卑猥な絵画の掛けられたホテルのような部屋だ。


「傷つき、倒れた貴方を、私が『神』の御名のもと、浄化してさしあげます」


この場合の神が、私の信じていた神でないことは一目瞭然、ダークプリーストは尖った耳をヒクヒクさせながら私の上着を脱がす。


「はあ、良い、匂いです」


私の胸板に白い指を伸ばし、すりすりと擦る。



「本当に、本当に、貴方ですよね」


何事かつぶやきながらダークプリーストは、今度はチロチロと舌を這わす。


「っ!」


「んふふ、こんなの初めて、ですよね?、私もです、貴方みたいな素晴らしい方に出会えて・・・」



私の胸に舌を這わせながら、ゆっくりと彼女はさらに下、股間に手を伸ばす。


「貴方は私のもの、私と、私の▫▫さんだけのもの」


ブツブツ呟きながらダークプリーストはズボンを脱がせ、今や天井に突き刺さるかの勢いでいきり勃つ私の股間を握る。


「これが、これが貴方の・・・、ごくり」


情欲に塗れた瞳で見つめながら、彼女はごく自然な動作で私の逸物をしごく。



「うっ、あっ・・・」



「うふふ、感じていますの?、可愛い方・・・」


チロチロと胸を舐めつつも、彼女は私の股間で右手を激しく動かすのも忘れない。



「か、あっ、で、出るっ!」



こんな責め苦に耐えられるほど私は性交に通じているわけではない、びゅくびゅくと音がして、私は欲望を彼女の手の中に叩きつけていた。



「うふふふ、出ましたね、しかも・・・」


ぺろりと艶めかしく少女は指先についた精液を舐めてみせる。


「濃い、私の中に入れたりしたら、それだけで妊娠してしまいそうなくらい♡」


司祭のような黒衣を脱ぎ捨て、ダークプリーストは私の前に立つ。


白い肌に長い髪、すらりと伸びた四肢は狂おしいほどに美しく、整った乳房は脱衣した衝撃からか微かに揺れている。



「ね?、もっとよく見て下さい」


ひたりとダークプリーストは私に近づくと、ゆっくり股間を広げながら膝立ちになると、見せつけるように指を己の下腹部に添わす。


「ほら、私のおまんこ、もう貴方が欲しくて泣いています、早く、入れて下さい」


ぐぱぁと開かれた彼女の膣は、未だ男を知らぬ桃色の肉ビラをひくひくさせている。



「まだ、ですか?、ならその気になるまで・・・、ああん♡」


私が放心していると、少女はくちゅりと指を膣内に突っ込み、激しくかき回し始めた。



「あっ、あんっ!、貴方の前で貴方を想って、オナニー、いつもより、興奮しちゃいます♡♡」


にちゃにちゃと粘着質な音が響く中、ダークプリーストは自分の胸をもみしだき、荒い息のまま指を舐る。


「はあはあ、み、見てて下さい、私の、私のオナニー、イク瞬間を、見てて下さい」


はあ、はあ、と何度か息を吐き、身体を震わせた次の瞬間、彼女は後ろのめりに倒れ、ぐったりとした。



「い、イっちゃいました、私、あ、貴方の、前で・・・」


ちょうど私に向かって、瑞々しい膣を向けながら仰向けに倒れこむ形だ。


仄かに上気した肌にはしっとりと玉の汗が浮かび、彼女の息に応じて、二つの乳房が扇情的に揺れている。



気づけば私はいきり勃つ愚息を、そのまま彼女の腹に叩きつけていた。


「あ・・・」


戸惑いながらもダークプリーストは、自分の上に覆いかぶさる私を見て、瞳を潤ませた。


「早く、来て下さい、私のエロマンコに貴方のたくましいオチンポを差し込んで、大人の女に、して下さい」


私は公開オナニーを見た興奮もそのままに、ダークプリーストの膣に逸物を押し当て、そのまま一気に刺し貫いた。



「あ、あああああっ!、きたきたきた、きたああああああ♡♡♡♡♡♡」


あまりにもきつい、油断すればそのまま胎内に精液を搾り取られてしまうような、それほどまでに彼女の膣はきつかった。


「う、うおっ!、な、なんだこれはっ!」


これが堕落した者にのみ味わえる快感なのか、私は全身を震撼させる電流のような刺激に、酔いしれた。



「う、嬉しいっ!、ようやく願いが、願いがかないました、貴方と、貴方と結ばれることが出来るなんて♡♡♡」


性交中であり、全身を震わせるほどの快感を受けながらも、ダークプリーストは十字を切り、己の神に祈りをささげる。


「か、神よ、あなたが、あなたの信徒の願いを叶えて下さった、こ、こと、か、感謝、いたしますっ」



両眼から涙を流しながら、ダークプリーストは下半身から登る快感に身を委ね、その余波はさらなる悦楽となり私の股間を苛む。


「くあっ・・・、ぬ、抜け、こ、このままでは・・・」


魔物娘の膣は私の想像を遥かに越えるような名器、きつきつに絞られ、最早限界が近い。


逸物を抜こうと腰を引くが、あまりにきつくそれすらできない。


「あっはあ♡、中に出して下さい、そのまま濃いのを出して、私を、孕ませて下さいっ!」



瞬間、私の脳内で何かが弾け、一瞬視界が真っ白に染まった。



「う、うわっ、うああああああああ・・・」


「あひいいいいいいいいい♡♡、で、出てるううううううううう♡♡♡♡」



弾けた欲望は、そのまま白濁の液体となって少女の膣内を汚す。


収まりきらない精は胎内から漏れ、彼女の下腹部を濡らした。



「はあ、はあ、良かった、ですよ・・・」


少女は繋がったまま私の首に手を回し、ねっとりとした舌で私の口内を執拗に舐める。



「レロ・・レロ、ん、ふ、うふふふふ・・・」


ネチョネチョと互いの唾液が我々の胸元を汚す、私は少女の熱に包まれ、久しぶりに深い眠りに落ちていく。



「・・・大好き、ですよ?、『とうさん』」


少女が何事か呟いたが、私の耳には、届かず、ゆっくりと思考は、闇へと還っていった。






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scene12
行為が終わると、私とダークプリーストはベッドに横たわり、二人してぼんやりと薄暗い天井を見上げていた。


「・・・貴方は、まだあの人を愛しているのですか?」


あの人、というのが誰のことなのかはすぐわかった、私の妻のことなのだろう。


「ああ、正直に言えば、なぜあんな真似をしたのか、私にはわからないんだ」


あの清楚可憐な妻が、あそこまで乱れてしまうとは、あの時は気が動転していたのだが、明らかに様子がおかしかった。


「・・・やはり貴方は、信仰を捨てきれない人、なのかもしれませんね」


ダークプリーストは一度だけ私の額にキスをすると、そのまま自身の額と合わせた。



「今から見せるのは真実、許せるか許せないかは、貴方が判断して?」





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scene10
「へっへっへ、気分はどうだい?」


「・・・用が済んだのなら、夫のところへ帰して」


私は、全裸に剥かれ、夫婦の寝室に閉じ込められてしまいました。


私は夫の子供を神から賜り、現在身体のラインが大きく変わってしまっています。

乳房は血管が浮き出そうなくらいに大きく膨れ上がっている上、薄い色だった頭頂部の乳首は真っ黒になっています。

毛深いほうではないはずですが、股間には黒い茂みが妊娠前と比べてびっしりと生え、私の膣をかくしています。

娘がいる腹は大きく膨らみ、ところどころに青い血管が現れているほか、自己主張が少なかった臍も、腹部の肥大とともにでっぱり、出べそと化しています。



「そんな態度で良いのかな?、俺が気まぐれを起こせば、こいつはあんたの夫のとこに」


男が手に持つ写真には、私が半裸になり、股間を弄る構図が写されていました。


「おたくの旦那さんがこれ見たりしたら、なんて言うかなあ?」


私の旦那は、主に嫉妬してしまいそうなくらいに熱心な信者です。


私のこんなはしたない姿を見られたりしたら、きっと軽蔑されてしまいます。


「・・・夫には、秘密にして下さい」


「へへっ、俺としちゃあ奥さんがだけりゃあいいのさ」


男はギンギンに張り詰めた逸物を私に押し付けると、舐めるように強制してきます。


あまりの臭いに、私は失神しそうになってしまいましたが、男は情け容赦無く私の口に押し込んできました。



「がほっ!」


「おらおら、もっとしっかり舐めろやっ!」


喉の奥にまでつき刺さりそうな勢い、私は軽い酸欠状態に陥りながらも、必死になって咥えます。


「がぼっ、ぎゅぼっ・・・」


「うっ、出るぜ、しっかり飲み込めよ」


瞬間、私の喉の中で雄臭い熱が弾けたかと思うや否や、行くべき道を見失い、逆流してきました。


「っ!、ほっ、ゲホッ!」


軽くむせこみながら私は精液を口から吐き出し、さらには鼻から垂れる液体をぬぐいます。


「へへっ、良い顔になったじゃねぇか」


男は私を突き倒し、今度は股間に差し込もうと覆い被さります。



「っ!、ダメっ!、それだけはっ!、そこはあの人だけの・・・」


「だーっ、うっせーな、ならこれでも嗅いでなっ!」


瞬間私の口元を彼はハンカチで塞ぎました、なんとも言えない甘い匂い、私はそのまま眠気に誘われて、眠り込んでしまいました。







「・・・ああ、ああ、ほんと最高さ、なんつったっけ?、『MONMATION』だっけか?、良い薬だな」


男の声がする、私はゆっくりと目を覚まして、身体中が生臭いことに気付いた。



「なっ、そんな、これは・・・」


「あ?、起きたか、いやいや、随分激しく愛し合ったじゃねぇか」


カチリと男は、携帯電話のアプリを再生する。



『は、はい、言います、言いますからあ、わ、私の浮気妊娠おまんこに、好きなだけ、びゅーびゅー、子種を打ち込んで、二人目を孕ませてくださいいいいいいいいいっ!』


カチリと音を消す男、もしかしたら、さっきかがされたのは、無理やり発情させるような薬品なのではないか・・・。


「あ、ああああ、そ、そんな、ち、ちがう、こ、こんなの、わ、私、じゃ・・・」


「旦那さんがこれ聞いたら、なんて言うかなあ?」


にやにやと男は、悪魔のような顔で私に迫りよって来ます。


「な、なにが、何が、目的、なんですか?」


私は、激しい動悸をなんとかこらえながら、そう言うのが、精一杯でした。


「簡単なこった、俺の言うことを聞いて、従ってりゃあ、いいんだよ」


バラされたくなけりゃな、そう呟く男の顔は、人間のものとは、思えませんでした。






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scene14
夫は、その日以降帰ってきませんでした。


私は夫と二人で喜ぶはずだった娘を産み、一人故郷に帰ると、なんとか食いつなぐために、何でもやりました。


娘を少しでもまともに育てたい、あの人と愛し合っていた、ただ一つの証しを守りたい、私にはその心しかありませんでした。


たくさんの男に抱かれ、非合法に手を染めてもなお、私はどうにもなりません。


「あの人がいてくれたら」


何度そう願ったでしょうか、ですが薬品による効果とは言え、浅ましい本性を晒してしまった私に、もうあの人に会う資格はありません。



それに、こんな汚れた身体で今更会ったところで、私は、どうすれば良いのでしょうか。


私は今日も、あの人を探しに行った教会で拾った、ロザリオを見つめる。






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scene19
私は、娘と引き離され、裁判にかけられている。

原因は知っている、私が薬品を隠す代わりに男からはした金を受け取っていたことに関しての詮議だ。

もう、どうでも良かった、夫も娘も、もう私には何一つ残されてはいない、私にはもう、何もないのだ。






「・・・あの男はかなりの余罪をかかえているわ」


面会室で美しい弁護士と会話する、女性ながら極めて優秀な弁護士で、日本人離れした銀髪が特徴的な美人だ。


「貴女は弱みを握られてやらされたのだから、情状酌量の余地はあると思うの」


「・・・もう、いいんです、どうせ出ても、夫にも娘にも会えない、なら、いっそ死刑にでもなったほうが幸せです」


私はもう疲れた、夫と幸せな生活を送りたかったのに、その夢は壊れ、残ったなこの汚れた身体だけ。


「・・・しっかりして、貴女は十分苦しんだ、罪は償ったのよ?」


「赦されないんです私は、主を愛するのと同じく、夫を私は愛していました、娘もまた愛していました、でも、二人はもう私を愛してはくれない」


しばらく女性弁護士は黙っていましたが、瞳の奥になにか光輝くものが見えました。


「こんな、こんな私のために、泣いて、くれるのですか?」


「・・・気の毒な人、貴女は私が、必ず助けて見せる」





その夜、狭い部屋で眠る私のもとに、弁護士から差し入れがありました。




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scene20
それは、小さなボールペンで、中には赤いインクが満載されていました。


こんな状態で何をすれば良いのか、私はさっぱりわからず、ボールペンで試しに字を書こうとして、誤って手の甲を傷つけてしまいました。


怪異は、次の瞬間に起こります、ボールペンから赤いインクが溢れ出て、針の穴のような小さな傷から、私の身体のなかに入ってきたのです。




「え?、あ、あああああ、んあああああ・・・・・」


身体の中に、ずくずくとインクが回るたびに、私は恍惚から声を上げてしまいます。


未知の快感でした、身体の細胞一つ一つが性感帯となり、私の身体が内側から変わりゆくかのような感覚。


「ふあっ!、頭が、あつい、あついいいいいい」


めきりと骨が軋み、私の頭から何かが生え、慌てて押さえようとします。


「あはあああああ、こ、こんどは、せ、背中、背中が、きもちいい・・・」


しかし頭に手を伸ばす前に、背中が軋み、まるでかさぶたを破るかのような快感とともに、何かが生えました。


「っ!、はあ、はあ、わ、わたし、ど、どうなっちゃう、の?」


近くにあったガラス窓を見てみます。


「・・・あっ!」


そこには、頭からは角を生やし、背中には翼があるような、そんな悪魔のような女が映っていました。


なんて。


なんて・・・。



「美しい、の?」


ふと私は、足りないものを見つけ、臀部にゆっくりと手を伸ばす。


「んん♡」


ずるりと音がして、私の臀部から長い尻尾が生えてきました。


「これで、完璧♡」


私はもう人間じゃない、今の私は淫魔、なんだって出来る、そうことわりを破ることすら。


「うふふ、あなた、待っていて下さいね、今、貴方の妻が、誰よりも貴方が好きな、誰よりもあなたを愛してるサキュバスが、あなたを愛しに、行きます」






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last scene
ダークプリーストから見せられた映像が終わるて、私は一人涙を流していた。


私の罪、私の思い込み、これが妻を傷つけ、彼女を追い込んでしまったのだ。


「妻は私を裏切っていなかった、それどころか、自分を犠牲にしてまで、私の娘を・・・」


「・・・神は応えない、確かにそうかもしれない、でも私には、何があっても私を捨てなかった、ずっと愛してくれたあの女が、嫌いにはなれない」


ダークプリーストの少女は、ベッドから起き上がると、指を鳴らした。


すると、いきなり部屋の中心に魔法陣があらわれ、そこから誰かが這い出してきた。



「久しぶり、ですね、かあさん」


「久しぶり、になるのかしら?」


悪魔のような角に、巨大な翼、その身には下着のような露出の多い服を身につけている。


「あなた、久しぶり、ですね」


「・・・ああ、そうだな」


間違いない、姿は大きく変わりはて、なにやら魅力的になってはいるが、間違いなく私の妻だ。


「・・・すまない、私の勝手な思い込みが、君を・・・」


「もう良いのです、あなたが真実を知ってるなら、もうそれで」


妻は私の手に、何かを握らせる、それはあの日教会に投げ捨てたロザリオだった。


「もう、手放しちゃダメですよ?、主はあなたも私も、見捨ててはいませんわ」


「・・・そうだな」


私は妻の温もりが微かに残るロザリオを握りしめ、十字を切った。


「かあさん、とうさんは全てを知っています、かあさんがどれだけ愛しているかも」


なんとなく、そんな気はしていたが、ダークプリースト少女はやはり、私の娘の、成長した姿。


「あなた、またあの日のように、抱いて下さい、私を、あなたの妻に、して下さい」


しなだれかかってくる妻、魔物らしい魔性の魅力に私は浮かされ、先ほど娘とシたばかりにも関わらず、股間が勃起するのを感じた。


「ああ、とうさん、あれだけ出したのに、また」


「うふふ、嬉しい、私を、愛してくれるの?、私を赦してくれるの?」


「当たり前だ、君は最初から私を裏切ってなかった、そればかりか、ゲッセマネの主のように、苦しみながらも、ずっと私を、想ってくれていた」


私はロザリオを握りしめながら、妻を抱きしめ、唇を貪る。


「ん、んん、れろ、あにゃた、わ、わひゃし、ちゅ、くちゅ・・・、おかしく、なっちゃいます」


とろんとした瞳の妻をベッドに誘い、私は彼女を押し倒し、申し訳程度の服を剥ぎ取る。


「あなた・・・」


「本当にすまない、赦しを乞うのは私だ、君を信じきれなかった」


妻のパンツを脱がそうとして、妻は微かに微笑みながら口を開いた。


「私の罪をお赦し下さい、私も夫の罪を赦します」


「私の罪をお赦し下さい、私も妻の罪を赦します」


互いの贖罪は終わった、私は妻の服を脱がし、しっとり濡れた茂みに顔を近づける。


「あなた、恥ずかしい・・・」


「なにを恥ずかしがる、夫婦は包み隠さぬものだ」


「だからって、ひぎいっ!」


すこしはがりしょっぱい妻の股間を舐め、ゆっくりと小さなクリトリスに舌を這わせる。


「とうさん、そんなことまで・・・、んん♡、また、濡れてきちゃう」


「妻よ・・・」


「・・・あなた、早くぅ、もうダメ、我慢、できないの・・・」


我慢できないのはこちらも同じこと、私は妻の濡れた股間に自分の逸物をあてがう。


「・・・愛してる」


ぐちゃりと音がして、ゆっくりと挿入された。


「あああああ、き、来てるっ!、あ、あなたが、あなた自身が、私の胎にっ!」


「くあっ!、な、なんだこれはっ!」


とても経産婦とは思えぬ締まりだ、魔物になったことで、もしかしたら体質が変わったのか?


ぎゅうぎゅうに締め付けられてしまい、二回戦にも関わらず、私は絞りとられそうになる。


「はあはあ、しゅ、しゅごいのっ!、あ、あなたのおちんちん、私の子宮に、届いてるの♡」


「くおっ!、良すぎる、なんだこの性器は・・・」


ダークプリーストのものとは違う、サキュバスらしい貪欲な膣に、私は魔性の快楽を与えられていく。


「あん♡、あん♡、あなたあっ、出してっ!、私の子宮を、あなたの色で染めて、私をボテ腹にして、今度こそ一緒に、出産を、祝福してえええええええ♡♡♡」



「くおっ、で、射精るっ!」


どくん、と音がしたように感じた、いつから私はこれほど早漏に?、否違う。


「あひゃあああああああ♡、あなたの、出てる、私の中を埋めて、あ、これ、ぜっひゃい、受精、すりゅ・・・♡♡♡」



妻と、あまりにも相性が、良すぎるのだ。


「・・・あなたあ、あなたあ♡♡♡」


恍惚の中にいる妻の頬にキスをして、私は娘を手招きする。


「一緒に、寝ないか?」


「!、はい」

娘はいそいそと駆け寄ると、全裸のまま私と妻の間に入り込む。


「えへへへ、とうさん、かあさん、大好き♡」


どうやら身体は大きくとも、甘えたい本心は別らしい、私は暖かな幸福の中で、ゆっくりと眠りに入っていった。



妻も信仰も取り戻し、娘とも会えた、私は、果報者だ。





true end...



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extra scene
「んだよ、なんで俺が死刑なんだよっ!」


「しかも、判決の日に即日って、おかしいだろっ!」


「おいこらあっ!、このあまぁ、返事しろやっ!」


「てめっ!、ひっ!、う、嘘だろ?、お、俺が、そんな・・・」


「や、やめてくれよ、これを外してくれ、お、俺はまだ、死にたくない」


「た、頼むよ、なんで、なんでだよっ!」



「うぐえっ!、あ、ひゅ、ああああ」








ブチっ!







「いつつ、な、何が起きたんだ?、ロープが切れて、下に落ちた、のか?」



「どこだ、ここは?、真っ暗じゃねえか」


「っ!、な、なんだよお前、お、俺をどうするつもりだ?」


「よ、よせ、く、くるなっ!、くるんじゃ・・・」


「う、うわっ!、うわああああああああっ!」




dead end...
17/03/09 11:35更新 / 水無月花鏡
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■作者メッセージ
みなさまこの前はあまりにあまりなお話しを書いてしまい申し訳ありません。

今回はみなさまからのたくさんのご要望を頂戴し、NTR許すまじっ!、の気持ちで書かせていただきました。

正直書いてて、こっちの方が楽しかったです、やっぱり私にはNTR話しは向いてないのかもしれません

ではでは、今回はこの辺りにて。

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