前編〜鳳の巻〜
「ふはははは・・・・、我輩は立花木工助定満、最強の侍になる男であーる」
武芸四門はジパング随一、軍学に優れ、ありとあらゆる知識も備えた、天下一とならんがために神がお造りになられたかのような存在である。
「つまり我輩が天下一となれぬ道理はないのであーる」
澄み切った空の下、広々とした荒地が広がる中で青年が一人高笑いをしていたのだが、いきなりごちんと何者かのゲンコツが頭に炸裂した。
「ふざけたこと言ってねーで仕事しろ仕事っ」
ここはジパングのほぼ中央にある水穂国の北方に位置する蝦夷地方。
現在定満と名乗る青年は、蝦夷の未開拓の土地を切り開くために、こうして日々重労働に従事している。
立花木工助定満、先ほど彼自身が言ったセリフは、ほとんどが外れている。
まず彼は侍ではなく貧しい農家の出身であり、こうして蝦夷の開拓団に参加したのも貧しい家計をなんとかするためである。
次に彼は貧しいが故に、まとまった勉強時間も取れずに、知識を納めているとは言いづらい。
読み書きくらいは問題なくこなせるものの、手紙や文章を構成するのは苦手、しかも字が並外れて下手なために、誰にも読んでもらえない。
要するに可もなく不可もなく、よくいる農民というわけだ。
しかし、彼の先ほどのセリフでは、当たっている部分もあった。
武芸四門の内、槍、弓はとんと出来ないが、幼い頃から農仕事のために馬を引いてきたため、乗馬技術に関しては武士に勝るとも劣らない。
さらには仕事柄夜盗から畑を守るために剣術を旅の武芸者から学び、目録ではあったがそれを我流で磨き、はたから見れば喧嘩か、叫び声を上げながら棒を振り回しているようにしか見えないものではあるが、剣術も納めた。
学問に関しては確かに字こそ下手ではあるのだが、文章を書いてみると、驚くことに誤字脱字は一切ない。
貧しいために学問の機会には恵まれなかったが、時として貴族の子弟が捨てた本や、反故になっていた紙などを、それこそ手垢がまみれるくらいにまで読んだため、自然とそのような技術が身についたのだ。
学問に王道なし、つまり彼は貧しいが故に努力をし、貧しいがために普通は会得し得ないことを会得したのだ。
「ちょっとふざけただけなのに、話しのわからぬ班長であーる」
ぼそりと言いながら定満は鍬を手に、硬い地面を少しずつならして、種を植えられるようにしていく。
汗をぬぐいながら空を眺めると、はるか頭上に輝くものがちらりと見えた。
「なんであるか?」
最初は星か何かかと思ったのだが、よく見ると微かに動いている。
「不思議であるな、かようなものがいるとは」
よくよく正体を確かめてみようと、背伸びをするようにぐっと背中を反らし、上空を見上げてみる。
よく見ると、それは鳥のような形状なのか、なしかに羽ばたきながら動いている。
さらに輝いていると思っていたが、まるで雷電のように時折、光を周りに放出しているようで、形からして後ろの部分には雷の尻尾のようなものも見てとれた。
「不思議である、謎である、気になるのであーる・・・あべしっ」
またしても班長のゲンコツが定満に炸裂した。
「定満っ、サボるなよっ」
「ち、違うのであーる、あそこにおかしな鳥がっ」
怒り心頭の班長に言い訳しようと定満はあたふたと手を振りもう一度空を眺めてみて、唖然とした。
「鳥なんてどこにいんだよ?」
輝く鳥は、影も形もなかった。
「お、おかしいのである、さっきまでそこに・・・・」
「定満、お前疲れてんのか?」
とうとう班長は同情するかのような視線で定満を見始めた。
「ち、違うのである、我輩は疲れてなど・・・」
「すまないな、お前がそんなになるまで疲れてることに気付いてやれなくて・・・」
班長はぽんぽんと定満の背中を叩くと、いくばくかの金子を渡した。
「少し休んでこい、体調がしっかり回復してからまた再開しろ」
定満が何か言おうとしているのも聞かずに、班長は背を向けてどこかへ立ち去っていった。
「・・・空が青いのであーる」
無理やりではあるが暇をとらされたのだ、定満は他に何か仕事をやろうかと思い蝦夷の南方にある街を目指した。
南方には周辺を統括する五角形の城があり、その城下には開拓団本部や様々な店を擁する巨大な街があった。
「何やら騒がしいのであーるな」
街はいつも賑わうものではあるが、今回はそればかりではなく、甲冑を纏った侍やら、弓を担いだ戦士など嫌に戦装束の人間が多かった。
「これはどうなっているのであるか?」
近くを通りかかった鎧姿の老剣士に定満は話しかけた。
「この付近の山に霊鳥が現れたそうじゃ、殿様は捕まえた人間にいかようなほうびもとらせるそうじゃわい」
なんと、そうだったのか。
もし霊鳥とやらを捕らえることが出来たのならば、己は間違いなく仕官して武士になることが出来る。
いや、そればかりか立身出世も思いのまま、武士としてつかえようが、大金を元手に商売を始めようが、なんだって出来る。
定満は運試しに、参加してみようかと思ったが、肝心の武器がないのでは話が始まらない、どうしたものか。
「あーん、うんっ、今日もお団子はおいしいね」
場違いな言葉に後ろを振り向くと、茶店で可愛らしい風貌の美少年が団子を頬張っていた。
線が細く、髪型はポニーテール、小柄な外見のため美少年というよりも男装の美少女というほうがしっくりくる。
彼の左腰には重厚な拵えの刀があり、鞘の部分には丸に一文字、すなわち大中黒の紋所が刻みつけられていた。
「ん?、どしたの?、キミもお団子が欲しいの?」
美少年は定満に三色団子を差し出した。
「遠慮しなくていいよ、団子好きに悪い人はいないから」
無邪気な笑顔、定満は知らずに団子をとり、頬張っていた。
「そうそう、みんなで食べたほうがおいしいよね?」
美少年は微笑みながら茶を啜った。
「ボクは清和、禮高清和(のりたかきよかず)って言うんだ、よろしくね」
「我輩は立花木工助定満である・・・」
口を開こうとしたが、定満は後ろから走り来る侍を見て閉口してしまった。
「殿おおおおおおおおーーーーー」
「やば、じゃあねサダミツ、またね」
清和は慌てて金子を椅子に置くと、走り去っていった。
その後ろを侍たちが追いかけていったが、全員凄まじい速度であり、あの小柄な清和をどうして捕まえらないのか定満は不思議に思った。
さて、兎にも角にも刀は必要だ、気を取り直し、定満は深呼吸していた。
「そこ行くお兄さん」
突如、裏路地から声が聞こえ、定満がそちらを見ると、奥まった所に妖しげな露店があった。
「ひっひっひ・・・、いらっしゃい、良いものが揃っておるよ?」
露店にはたくさんのアクセサリーが並んでいるが、今の定満には必要のないものばかりである。
「ひっひっひ・・・、お兄さんや今随分と困っているね?」
定満の心を見透かしたかのように、露店の老婆は妖しげに笑った。
「たしかにそうではあるが、ご老公には何も出来ぬことと・・・」
「ひっひっひ・・・、さて、それはどうかいね?」
老婆は後ろにあった綴りの中から細長い形をした錦の袋を取り出した。
「これ、は・・・」
形を見ただけでわかる、中にはおそらく刀が入っているのだ。
「ひっひっひ・・・、どうにかなったであろう?」
包みを老婆が解くと、やはり中から日本刀が一振り現れた。
鞘と鍔は普通の刀と変わらないようだが、柄の部分に、鳥の彫り物が透けて見えた。
「ひっひっひ・・・、この刀は名刀千鳥、もしお前さんが刀を欲しがっているのならばこいつを持って行きなされ」
定満は一応受け取り、刀身を見てみたが、青に近い色や、傷一つない研ぎ澄まされた刃文を眺めている内に申し訳ない気分になった。
「ご老公、たしかに我輩は刀を捜していたのであるが、これは間違いなく名刀、頂くわけには・・・」
「ひっひっひ・・・、遠慮しなさんな、刀は扱う人間が手にしてこその刀、老い先短い婆が持っているくらいならば今必要としている人間が持つほうがええ」
老婆はそう告げると、にっこり笑った。
「ほら、天狗山に向かいなされ、お前さんが求めている者はそこにおるはずじゃ」
直後、老婆の姿はまるで霧か霞のようにかき消えた。
夢を見ていたのであろうか、否そんなわけはない、彼の右手には鳥の彫り物が透けて見える柄の刀、名刀千鳥があるのだから。
「天狗山であるか」
老婆の正体はまったくわからないが、天狗山には彼の求める霊鳥がいるのだろうか。
定満は急いで天狗山へと向かった。
「彼は天狗山に向かったかしら?」
「はい、間違いなく」
「うふふ、楽しみね、どうなるのかしら?」
「しかしデルエラ様、どうして彼にあの刀を、名刀千鳥を渡されたのですか?」
「私は刀は使わないもの、宝の持ち腐れよ、それにね・・・」
「それに?」
「雷鳥と千鳥、いい組み合わせでしょう?」
天狗山は以外と道が険しく、獣道を行かねばならないこともあったが、定満にとっては大した問題ではない、ずんずんと進んで行く。
「これは?」
日も暮れ、ようやく山の中腹部と言った場所、一本の巨大な樹木に、まるで雷のように翡翠色に輝く小さな羽が引っかかっていた。
手に取ってみるとビリビリと静電気のようなものが指先に走った。
「ただの鳥のものではないようであるな、やはりこの山のどこかに霊鳥がいるのであるか・・・」
霊鳥、依然その正体は見えてこないが、ひょっとしたらという感覚が、定満の中にはあった。
「この羽、動いているのであるな」
ピクピクと翡翠の羽は山の中のとある方角を指し示していた。
「羽の持ち主がこの先にいるのであるか?」
定満は慎重に山の奥へと向かっていった。
奥へ、奥へ、進むにつれて手の中にある翡翠の羽の動きが大きくなっていた。
「やはりこの先にいるのであるな」
定満は緊張に固まった表情をさらに険しくして、巨大な崖を乗り越えた。
すると。
崖の上に巣穴のようなものがあり、そこに翡翠の羽と同じ色の翼を持つ霊鳥がいた。
「この鳥が、霊鳥・・・」
あまりに神秘的な光景だ、全身からは雷光が放たれ、ときとしてばちりと周囲に放電をしている。
その霊鳥の輝きにより、巣穴の周辺は恐ろしいまでに明るく、定満はまるで神の領域に足を踏み入れたかのように感じた。
「・・・この鳥はもしかしたら、雷神の化身かもしれないのであるな」
だとすれば人間が不用意に触るような存在ではない、定満はひっそりと崖を降りようとした。
「待ちなさい」
瞬間、鋭い声がした。
びくりとして、定満は崖から顔を出すと、先ほどの霊鳥がこちらを見ていた。
さっきは大半が巣穴に埋まり姿を確認出来なかったが、霊鳥は翼と脚、尾のみが鳥の形状をとどめ、後は人間の少女と何ら変わっていなかった。
「あなたはだれ?、何故ここへ来たの?、私を捕らえるつもり?」
霊鳥は警戒した面持ちで定満を見た。
「・・・そのつもりではあったのであるが、止めたのである」
ゆらゆらと定満は崖を降りていく。
「私の身柄が欲しくないの?、本当に?」
降りる定満の後ろを飛行しながら、霊鳥はなおもしつこく問いかける。
「本当であーる、我輩は鳥の巣穴を荒らすような真似はしないのである」
とんっと定満は地面に降りると、ぱんぱんと両手を払った。
「無欲な人、私を連れ帰れば立身出世は思いのままなのに・・・」
「あなたは雷を纏う鳥、雷神の遣いなのであるか?」
定満の問いかけに、霊鳥は頷いた。
「その通りよ、私は雷の化身のようなもの、このあたりの現地民はある時期私を『カンナカムイ』と呼んで祀っていたわ」
けれども、と霊鳥は続けた。
「たしかに私は長生きをしているけれど神と呼ばれるほどに力はないわ、精々私を狙う人間を痺れさせて街に追い返すだけ」
ふふっ、と霊鳥は寂しそうに笑ったが、年頃の人間の少女となんら変わらない表情のため、定満は少し気の毒に思った。
「あなたの名前は何というのであるか?、我輩は立花木工助定満である」
「丁寧にありがとう、私は凪姫、種族はサンダーバード、よろしくね、定満」
右の翼を差し出す凪姫だが、一瞬だけ定満は迷いを見せた。
あれほどの雷光をまとう少女だ、触ったら感電するのではないかと思ったからだ。
だが彼の予想に反して、凪姫の右の翼からは緩やかな、心地いいくらいの電流しか流れては来なかった。
「これであなたと私は友達同士、新しい友達なんて数百年ぶりね」
嬉しそうに笑う凪姫につられて定満も微笑んでいた。
「ねえ?、刺激に満ちたセイカツを送ってはみない?」
「まったく、何をしているっ」
五角形の城の評定の間、領主である木崎蝦夷守義晴はイライラと鉄扇で畳を叩いた。
「まだ霊鳥は見つからんのかっ」
「ははっ、総出で探してはいるのですが、なんともわからない状況です」
家来は一礼すると評定の間から下がった。
「ねえ殿?、まだ霊鳥は見つかりませんの?」
義晴の隣にはだらしなく着物を着崩した女がいた。
義晴の妾である碧である。
「まだらしい、まったく何をやっているのか」
雷を纏う霊鳥を捕まえし者は天下の覇者となる、そう義晴に吹き込んだのは碧だった。
「ねえ、早くしてくださらない?、私、殿の天下がはよう見とうございまする」
碧は霊鳥の噂を信じてなどいなかったが、霊鳥を捕らえることが出来れば良かった。
捕まえてさえくれれば、後は霊鳥を手土産にもっと家柄の良いところに転がり込み、妻になるつもりだ。
こんな寒い北の土地で死ぬつもりはない、そう碧は考えていた。
そのためには何としても霊鳥を捕まえなければならない、碧は義晴に見えないところで顔を険しくした。
「刺激に満ちたセイカツ、であるか?」
定満の言葉に、凪姫は妖艶というのがピッタリ合うような微笑みで応じた。
「なかなか面白そうではある、我輩には無縁だったものであるからな」
それを聞いて、凪姫はとくんと心拍数が上がるのを感じた。
「じゃあ・・・」
「けれども我輩にはまだまだやることがあるのである、霊鳥を連れ帰れ無いならば他の手で士官を考えるのであーる」
定満の言葉を聞いて、一瞬だけ凪姫の表情が曇ったが、それも一瞬のこと。
「霊鳥、としてではなくただのサンダーバード凪姫としてなら、別にいいわよ?」
意外な言葉に、定満はぽかんとした。
「だから、霊鳥でも雷の神でもなく、ただのサンダーバードとしてならあなたに連れ帰れてもいいってこと」
定満が口を開こうとした次の瞬間。
「霊鳥がいたぞっ」
いきなり野太い声が聞こえ、あたりをいくつもの松明がゆらゆらと揺れ始めた。
最初は少なかったにも関わらず、次の瞬間にはどこから現れたのか、完全に囲まれてしまっていた。
「これは、量が多いわね」
「下がってるのである、我輩が・・・」
緊張した凪姫の声に応えるかのように、定満は腰に下げていた名刀千鳥を引き抜いた。
「貴様っ、手柄を独り占めするつもりかっ」
「そんなつもりは毛頭ないであるが、徒党を組んで集団でいたぶるのが気にくわないのである」
襲いかかる兵士たちたが、意外なことに定満は強かった。
剣術は中目録、農作業ばかりで修練にも時間を費やせた訳ではないが、自分が勝てるように考え抜いて編み出した剣術だ、それに名刀である千鳥も重なり、彼は凄まじい剣鬼となっていた。
「な、なんだあいつは、あんな動きが人間に出来るのか?、いや、果たして奴は人間か?」
慄く兵士たち、しばらくすると正面から定満に挑むものはいなくなり、遠巻きに得物を構えるだけになった。
「サダミツ、早く逃げなさい、私のことはもういいから」
凪姫の悲痛な叫びに、定満は絶叫のし過ぎでカラカラになった声で応える。
「駄目である、我輩は一度これと決めたら動かないのである、
守りたいものを見捨てたりすれば、それは最早武士でも侍でも、人間ですらないのである」
「減らず口をっ」
いきなり一人の兵士が定満に斬りかかった。
「ぎぇああああっ」
奇声をあげながら兵士の刀を弾き、横薙ぎの一撃で兵士を薙ぎはらう。
だがその後ろからもう一人兵士が定満に襲いかかった。
「サダミツっ」
「っ!」
一瞬定満は死を覚悟したが、風のように何者かが現れ、兵士の刀を止めた。
「あなた、は・・・」
定満の前で納刀したままの刀の鞘で防御していたのは、さっき団子を食べていた少年、禮高清和だった。
「やあ、また会ったね」
刀を止められた兵士は、清和の鞘の紋所を見て血相を変えた。
「大中黒っ、まさか元老院付きの武士、禮高摂津守っ」
兵士たちは驚き、すくみ上がっている。
元老院、水穂国の元首たる帝を補佐する機関であり、帝や、帝の配下たる神官たちを護衛したり、普通の武士には困難な仕事を遂行するのが元老院付きの武士たち、いわゆる近衛武士である。
当然元老院付きの武士は最高峰の技量の武士ばかりであり、一介の兵士では相手にすらならないだろう。
「ムッくん、ここはボクにまかせて早く逃げて」
清和はすらりと刀を抜いた。
彼の刀は真っ直ぐの諸刃の剣であり、斬るよりも突くことや、叩き伏せることなどが得意な上代に使われていた剣の形状を色濃く残した刀だ。
「む、ムッくん・・・」
一度しか会っていないのに助けてくれたことより何より、あだ名のほうが定満は気になった。
「早くっ、ボクに構わずにっ」
なんだかわからないが九死に一生とはこのこと、凪姫は翼を広げて飛び上がると、定満の両肩を脚で掴み、上空に舞い上がった。
「逃がすなっ」
地上から飛来する矢だが、清和がある程度撃ち落とし、上空に来るのも定満が刀を振って弾いた。
「恩にきる、このことは忘れないのである」
眼前の清和にそう告げながら、定満は遥か上空へと連れ去られていった。
「・・・さて、君たち」
刀を構え、後に残された清和は兵士たちを睨みつけた。
団子をのんびり食べていた姿からは想像することすらできないような、凄まじく鋭い目つきだ。
「全員、覚悟はいいかな?」
「ねえサダミツ、さっきはありがとう」
「さっ・・・き?」
「ほら、私を助けてくれたから、カッコよかったわよ?」
「何、を・・・」
「ねえ、このまま何処かへ行かない?、私、あなたとなら何処へでも、って、サダミツ?」
「駄目、である・・・、揺れすぎ、て、意識が・・・」
「ちょ、サダミツっ、しっかりしてっ、な、どうしてこうなるのよっ」
15/02/13 20:46更新 / 水無月花鏡
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